JPH09505739A - 脂肪アシル−CoA代謝に関与する植物細胞質タンパク質をコードする核酸配列 - Google Patents

脂肪アシル−CoA代謝に関与する植物細胞質タンパク質をコードする核酸配列

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JPH09505739A JP7515714A JP51571495A JPH09505739A JP H09505739 A JPH09505739 A JP H09505739A JP 7515714 A JP7515714 A JP 7515714A JP 51571495 A JP51571495 A JP 51571495A JP H09505739 A JPH09505739 A JP H09505739A
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Abstract

(57)【要約】 本発明によれば、植物β−ケトアシル−CoA シンターゼ縮合酵素が提供され、ここでこの酵素は前記植物の損なわれていない細胞を有さず、そしてひじょうに長い鎖の脂肪酸分子の生成を触媒することができる。核酸配列及び縮合酵素コード配列とは天然において関連していない異種DNA 配列を含んで成る構造体にも向けられており、そしてこれは宿主細胞において植物の縮合酵素コード配列の転写を少なくとも付与する。この態様においては、ひじょうに長い鎖の脂肪酸分子が植物細胞において生成される。植物細胞においてひじょうに長い鎖の脂肪酸分子の組成を変性する方法が包含されている。

Description

【発明の詳細な説明】 脂肪アシル−CoA 代謝に関与する植物細胞質タンパク質をコードする核酸配列 技術分野 本発明は、酵素、そのような酵素を精製し、そして得るための方法、それに関 連するアミノ酸及び核酸配列、及び遺伝子工学用途へのそのような組成物の使用 方法に関する。 背景 植物遺伝子工学技法の進歩により、新規で且つ所望する特徴を有する植物を得 るために種々の植物種を形質転換しそして再生することは可能である。そのよう な植物遺伝子工学技法のための興味ある1つの分野は、植物組織において価値あ る生成物の生成である。そのような適用は、所望する生成物を生成する植物を生 ぜしめるために形質転換出来事に使用のための種々のDNA 構成体及び核酸配列の 使用を必要とする。たとえば、植物機能プロモーターは、遺伝子配列の適切な発 現のために必要とされ、そのような発現は完全な植物又は選択された植物組織の いづれかにおいて存在する。さらに、選択マーカー配列がしばしば、形質転換さ れた植物材料を同定するために使用される。そのような植物プロモーター及び選 択マーカは、新規植物を得るために有用である価値ある道具である。 そのような遺伝子工学技法を包含する1つの所望する目的は、便利なワックス エステル源を有する収穫植物を供給する能力である。ワックスエステルは、種々 の産業用途、たとえば医薬、化粧品、洗浄剤、プラスチック及び滑剤に必要とさ れる。そのような生成物、 特に長鎖のワックスエステルは、危機に面している種であるマッコウクジラから 又はつい最近は、砂漠の灌木であるホホバからこれまで入手して来た。それらの 源はいづれも、ワックスエステルの便利な供給を提供しない。 ホホバはまた、その種子油においてひじょうに長い脂肪酸(VLCFA)を合成する 植物でもある。VLCFA は、18個以上の長さの鎖長を有する脂肪酸である。VLCFA は、多くの植物種のクチクラ“ワックス”に及びいくつかの植物種の種子油に見 出される。野生型ブラシカ(Brassica)植物は、それらの種子油にVLCFA を含む 。カノラ(Canola)は、その種子油からVLCFA を排除するように育生されたナタ ネ種子である。VLCFA への脂肪酸の延長に関与する酵素(“エロンガーゼ”酵素 )は、それらが膜関与されているので、生化学レベルで特徴づけることは困難で あった(Harwood,JL,“Fatty acid metabolism”,Annual rev.of Plant Phy siol.and Plant Mol.Biol.(1988)39:101-38);(von Wettstein-Knowles ,PM,“Waxes,cytin,and suberin”in ed.Moore,TS,Lipid Metabolism in Plants(1993),CRC Press,Ann Arbor,127-166ページ)。いくつかのグループ がそれらのエロンガーゼ酵素のいくつかを一部精製することを試みたけれども、 それらの酵素の1つ又はその対応する遺伝子のクローニングの完全な精製に関す るデータは存在しない(von Wettstein-Knowles,PM,(1993)前記;van de Lo o,FJ,Fox,BG,and Somerville C.“Unusual fatty acids”in ed.Moore,T S,Lipid Metabolism in Plants,(1993)CRC Press Ann Arbor,91-126ページ )。 細胞質エロンガーゼ酵素システムによる脂肪酸延長のための可能な機構は、ク ロロプラスト脂肪酸合成に関して見られる機構に類似する一連の段階、すなわち 4段階反応による(Stumpf and Pollard (1983)前記;van de Loo et al.(1993)前記)。その第1段階は、マロニルCo A とオレイルCoA との間のβ−ケトアシル−CoA シンターゼによる縮合反応であ る。次に、β−ケトアシル−CoA レダクターゼ、β−ヒドロキシアシル−CoA デ ヒドラターゼ、及びエノイル−CoA レダクターゼ酵素が連続的に作用し、2つの 炭素原子により延長された、アシル−CoA 分子が生成される。 信頼できる源のひじょうに長い鎖の脂肪酸分子、たとえばワックスエステル又 はVLCFA を得るためには、生成物の増殖、収穫及び抽出に関して容易に操作され る収穫植物の形質転換が所望される。そのような形質転換された植物を得るため には、所望するVLCFA 又はワックスエステル生成物の生合成を担当する遺伝子が まず、得られるべきである。 ワックスエステルの生成は、脂肪アシルCoA 代謝の少なくとも2種の酵素活性 、すなわち脂肪アシルレダクターゼ及び脂肪アシル:脂肪アルコールアシルトラ ンスフェラーゼ、又はワックスシンターゼの作用に起因する。そのような酵素、 及び脂肪アシルレダクターゼの広範な分析及び精製による予備研究は、それらの タンパク質が膜に関与しているが、しかしながらワックス生合成における脂肪ア シル:脂肪アルコール連結反応を担当する酵素は十分にまだ特徴づけられていな いことを示唆する。従って、追加の研究及び究極的には、この酵素の精製は、そ の酵素活性をコードする遺伝子配列が得られるためには必要とされる。 従って、ワックスシンターゼタンパク質が得られ、そしてアミノ酸配列が決定 され、そして/又はワックスシンターゼに対して特異的な抗体が得られる、精製 手段を考案することが所望される。この態様においては、ライブラリースクリー ニング、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)又は免疫学的な技法を用いて、ワックスシン ターゼタンパ ク質を発現するクローンを同定することができる。この態様で得られたクローン は、ワックスシンターゼ活性に対応する核酸配列が同定されるように分析され得 る。そのワックスシンターゼ核酸配列は次に、宿主細胞におけるワックスエステ ルの生成のために、トランスゲニック宿主細胞に生来の又は組換え技法により供 給される、脂肪アシルレダクターゼタンパク質と共に利用され得る。 ひじょうに長い鎖の脂肪酸の形成に関与する酵素に対する遺伝子を有すること がまた所望される。そのような遺伝子は、実質的にいづれかの種のトランスゲニ ック植物においての前記遺伝子の過度発現(overexpression)により油性種子に 長鎖の脂肪酸を高めるために使用され得る。その遺伝子はまた、他の分類群、た とえばVLCFAを生成する、ブラシカ(Brassica)、アラビドプシス(Arabidopsis) 、クラムベ(Crambe)、ナスツリチアム(Nasturtium)、及びリムナンテス(Li mnanthes)からの遺伝子をクローン化する手段として他の種からの相同クローン を単離するために低い緊縮性のハイブリダイゼーションにおいてプローブとして も使用され得る。次に、それらの得られた遺伝子は、実質的にいづれかの種のト ランスゲニック植物においてVLCFA の量を高めるためにそれらの遺伝子が単離さ れ又は過度発現される種においてVLCFA のレベルを減じるためにアンチセンス実 験において使用され得る。さらに、この酵素をコードする相同のブラシカ遺伝子 からのDNA は、高エルカ酸ナタネ種子(HEAR)及びカノラ及び他の油性種子収穫 物の育成を助けるために分子マーカーを開発するための植物育成用道具として使 用され得る。そのような技法は、分子プローブとしての遺伝子自体の使用又は植 物育成プログラムにPCR に基づくスクリーニング技法を使用できるようにPCR プ ライマーを構築するためへのそのDNA 配列の使用を包含する。最後に、植物上皮 細胞における遺伝子の過度発現がクチ クラの蓄積を高め、それによって、対照植物よりもトランスゲニック植物の日照 り及びストレス耐性も高める。 関連文献 成長しているホホバの胚からの細胞フリー均質物は、アシル−CoA 脂肪アルコ ールアシルトランスフェラーゼ活性を有することが報告されている。その活性は 、示差遠心分離に基づいて形成された浮遊性ワックスパッドに関連している(Po llard et al.(1979)前記;Wu et al.(1981)前記)。 脂肪アシル−SCoAトランスアシラーゼ活性を有するユグレナグラシリス(Eugl ena grocilis)からの多酵素複合体の溶解がWildner and Hallick により報告さ れている(The Southwest Consortium Fifth Annual Meeting,April 22-24,19 90,Las Cruces,NM.からの抜粋)。 ホホバアシル−CoA :アルコールトランスアシラーゼタンパク質の10倍の精製 がPushnik et al.により報告されている(The Southwest Consortium Fourth An nual Meeting,February 7,1989,Riverside,Ca.の抜粋)。 ホホバアシル−CoA :アルコールトランスアシラーゼ活性についてのアッセイ がGarner et al.により報告されている(Analytical Biochemistry(1992)207 :335-340)。 HEAR及びカノラ植物からの発育している種子の抽出物は、VLCFA中へのオレイ ルCoA を延長するそれらの能力において異なっていることが見出されており、こ こでHEARは延長を触媒することができるが、しかしカノラ抽出物はできない(St umpf,PK and Pollard MR,“Pathways of futty acid biosynthesis in higher plants with particular reference to developing rapeseed”,High and Low E rucic Acid Rapeseed Oils(1983)Acudemic Press Canada,131-141ページ)。 図面の簡単な説明 図1:そのcDNA配列から決定される場合、ホホバ脂肪アシルレダクターゼの核 酸配列及び翻訳されたアミノ酸配列が図1に示されている。 図2:脂肪アシル−CoA 代謝cDNAクローンに関与するホホバ植物の細胞質タン パク質の予備核酸配列及び翻訳されたアミノ酸配列が示されている。 図3:pCGN7614の配列により表わされる場合、2番目の種類のホホバクローン の核酸及び翻訳されたアミノ酸配列が示される。 図4:オレオシン発現カセットの核酸配列が示される。 図5:LEAR品種(212)からのブラシカ縮合酵素クローン、CE15の核酸配列が示 されている。 図6:212ブラシカ品種からのCE20の核酸配列が示される。 図7:ブラシカのレストン品種(HEAR)のCE20クラスの核酸配列が示されてい る。 図8:アラビドプシスの縮合酵素クローン、CE15の核酸配列が示されている。 図9:アラビドプシスの縮合酵素クローン、CE17の核酸配列が示されている。 図10:アラビドプシスの縮合酵素クローン、CE19の核酸配列が示されている。 図11:ルナリア(Lunaria)の縮合酵素クローン、LUN CE8 の一部の核酸配列が 示されている。 図12:LUN CE8 によるプロービングにより得られる、ルナリアの 縮合酵素クローン、Lunaria 1の核酸配列が示されている。 図13:LUN CE8 から得られた第2のルナリアの縮合酵素クローン、Lunaria 5 の核酸配列が示される。 図14:LUN CE8 からの第3のルナリアの縮合酵素クローン、Lunaria 27の核酸 配列が示される。 図15:PCR により得られたナスツリチアムの縮合酵素クローンの核酸配列が示 される。 発明の要約 本発明によれば、脂肪アシル−CoA 代謝に関与する植物細胞質タンパク質をコ ードするDNA 配列が提供される。そのような配列は、ひじょうに長い鎖のワック ス脂肪酸関連生成物、たとえば宿主細胞中のワックスエステル及びひじょうに長 い鎖の脂肪酸の組成を変えるための方法への使用のために所望される。 1つの観点においては、本発明のタンパク質は、脂肪アシル−CoA :脂肪アル コールO−アシルトランスフェラーゼ活性を示し、そのような活性が本明細書に おいて“ワックスシンターゼ”として言及されている。 第2の観点においては、このタンパク質は、ひじょうに長い脂肪酸の形成に関 与する延長反応のために必要とされる。従って、たとえば、前記タンパク質はC 20脂肪酸を形成するためにC18脂肪アシルCoA 分子の延長を付与し、そしてまた 、さらに長い鎖の脂肪酸を形成するためにC20脂肪酸の延長を付与する。たぶん その延長活性はこのタンパク質のβ−ケトアシル−CoA シンターゼ活性の結果で あろうが、但し、本明細書に提供されるタンパク質は、β−ケトアシル−CoA シ ンターゼの発現のために必要とされる調節機能を有し又はアシル−CoA 延長に関 与されることが知られている他の活性、 たとえばβ−ケトアシル−CoA レダクターゼ、β−ヒドロキシアシル−CoA デヒ ドラターゼ、又はエノイル−CoA レダクターゼ活性の1つを提供する可能性も存 在する。いづれにせよ、このタンパク質の脂肪アシルCoA 延長観点は、“エロン ガーゼ(elongase)”活性として本明細書で言及されている。 本発明のDNA 配列は、ホホバの胚cDNAライブラリーから得られた配列により例 示されている。いくつかの関連するホホバの配列が発見されており、そして本明 細書の図2及び3に与えられている。 本発明の異なった観点においては、脂肪アシル−CoA 代謝に関与する例示され た植物細胞質タンパク質に関連する他のタンパク質に関与する核酸配列が考慮さ れる。そのような配列が本発明のアミノ酸配列及び核酸配列から同定され、そし て得られる方法が記載されている。他の植物種からの脂肪アシル−CoA 代謝に、 並びにそのような配列によりコードされるタンパク質の宿主細胞における転写及 び/又は発現のための組換え構造体に関与する類似する細胞質タンパク質をコー ドする配列の単離のためへの構造遺伝子配列の使用が記載されている。前記タン パク質をコードする配列に関連する他の核酸配列の使用、たとえば5′及び3′ 非コード領域の使用もまた考慮される。 本発明のさらに異なった観点においては、脂肪アシル−CoA 代謝に関与する植 物細胞質タンパク質のためのセンス及びアンチセンス配列をコードする組換え構 造体を含む細胞が考慮される。特に、ホホバタンパク質の好ましい長さの鎖のア シル−CoA 基質を含む細胞、たとえばブラシカ植物のアシル−CoA が考慮される 。 さらに、宿主細胞において脂肪アシル−CoA 代謝に関与する植物細胞質タンパ ク質を生成する方法が提供される。従って、宿主細胞におけるそのような発現の 結果として回収される脂肪アシル−CoA 代謝に関与する植物細胞質タンパク質がまた、本発明において考慮される。 さらに、本発明の配列は、ワックスシンターゼの脂肪アシル及び脂肪アルコー ル基質を含むそのような宿主細胞におけるワックスエステルの生成に適用できる ことが理解され得る。そのような宿主細胞は、天然において存在し、又は脂肪ア シルレダクターゼをコードする核酸構造体による形質転換により得られる。脂肪 アシルレダクターゼ又は“レダクターゼ”は、脂肪アシル基のその対応するアル コールへの還元を触媒することにおいて活性的である。同時継続出願であるアメ リカ特許出願第07/659,975 号(2/22/91に出願された)、第07/767,251 号(9 /27/91に出願された)、及び第07/920,430 号(7/31/92に出願された)(引用 によりこれらは本明細書に組込まれる)は、そのようなレダクターゼタンパク質 に向けられている。この情報はまた、公開されたPCT 特許出願WO92/14816 にも 提供されている。さらに、ワックスシンターゼタンパク質の他の源(また、レダ クターゼタンパク質の所望する源でもある)が記載されている。これに関して、 本明細書に記載されるホホバのワックスシンターゼ活性の好ましいアルコール基 質を含む植物細胞は、脂肪アシルレダクターゼ核酸配列をコードする組換え核酸 構成物による形質転換により調製され得る。 本明細書において考慮される追加の方法は、宿主細胞における、ひじょうに長 い鎖の脂肪酸の生成、又はそのような脂肪酸の量の修飾を包含する。ひじょうに 長い鎖の脂肪酸の高められた生成は、本明細書に記載されるDNA 配列の発現によ り得られる。他方、そのような配列を含むアンチセンス構造体は、標的の宿主生 物におけるひじょうに長い鎖の脂肪酸の含有率を減じるために使用され得る。特 に、そのようなセンス及びアンチセンス方法は植物種子油における 脂肪酸プロフィールの変性に向けられ、そして所望する脂肪酸組成を有する新規 の植物種子油をもたらすことができる。 発明の詳細な記載 本発明の核酸配列は、脂肪アシル−CoA 代謝に関与する植物細胞質タンパク質 をコードする。そのようなタンパク質は、ひじょうに長い鎖の脂肪酸の生成を担 当する“エロンガーゼ”活性、及びワックスエステルを生成するために脂肪アシ ル基による脂肪アルコールのエステル化を付与する“ワックスシンターゼ”活性 を提供する、アミノ酸のいづれかの配列、たとえばタンパク質、ポリペプチド又 はペプチドフラグメントを含む。 本発明の脂肪アシル−CoA 代謝に関与する植物細胞質タンパク質は、種々のア シル基質、たとえば脂肪アシル−CoA 脂肪アルコール及び脂肪アシル−ACP 分子 に対しての活性を示すことができる。さらに、ワックスシンターゼにより作用せ しめられるアシル及びアルコールの両基質は、種々の炭素鎖の長さ及び飽和の程 度を有するが、但し、脂肪アシル−CoA 代謝に関与する植物細胞質タンパク質は 一定の分子に対してのみ好ましい活性を示すことができる。 多くの異なった、生物は、ひじょうに長い鎖の脂肪アシル−CoA 分子に由来す る生成物を含み、そして本発明の脂肪アシル−CoA 代謝に関与する植物細胞質タ ンパク質の所望する源であり得る。たとえば、植物は、上皮、又はクチクラワッ クスを生成し(Kolattukudy(1980),The Biochemistry of Plants(Stumpf,P.K .and Conn,E.E.,eds.)vol.4,571-645ページ)、そして砂漠の灌木であるホ ホバは種子貯蔵ワックスを生成する(Ohlrogge et al.(Lipids(1978)13:203- 210)。そのようなワックスは、脂肪アルコール分子と長鎖又はひじょうに長い鎖 のアシル−CoA 分子との、ワックスシン ターゼにより触媒された組合せの結果である。ワックス合成がまた、種々の種の 細菌、アシネトバクター(Acinetobacter)(Fixter et al.(1986)J.Gen.Micr obiol.132:3147-3157)及びマイクロコーカス(Micrococcus)(Lloyel(1987)Mi crobius 52:29-37)、並びに単細胞生物、たとえばユーグレナ(Euglena)(Khan an d Kolattukudy(1975)Arch.Biochem.Biophys.170:400-408)に観察されてい る。さらに、ワックスの生成及びワックスシンターゼ活性が、ウシマイボーム腺 (Kolattukudy et al.(1986)J.Lipid Res.27:404-411)、鳥類の尾腺、及び 種々の昆虫及び海洋生物からのミクロソーム調製物に報告されている。従って、 種々の性質を有する多くの異なったワックスエステルが、本発明の脂肪アシル− CoA 代謝に関与する植物細胞質タンパク質のワックスシンターゼ活性により生成 され、そして生成されるワックスエステルのタイプは対象の特定のタンパク質の 利用できる基質又は基質特異性に依存する。 従って、脂肪アシル−CoA 代謝に関与する植物細胞質タンパク質に関連する核 酸配列が、酵素の生成及びその活性の追加の研究のために宿主細胞中にクローン 化され得る。たとえば、タンパク質の容易な源を提供するためにE.コリにおけ る発現のためのベクター中に核酸コード配列をクローン化することができる。そ のようにして生成されたタンパク質はまた、種々の源、特に植物からの関連する タンパク質の同定及び精製への使用のための抗体を生ぜしめるために使用され得 る。さらに、タンパク質の追加の研究は、その触媒性質をさらに特徴づけそして 改良するために又はその脂肪アルコール又は脂肪アシル基質特異性を変えるため に部位特異的変異誘発反応に誘導することができる。そのような変更された基質 特異性を有する脂肪アシル−CoA 代謝に関与する植物細胞質タンパク質は、他の FAS 酵素と一緒に適用できる。 本発明の前、ワックスシンターゼがタンパク質のアミノ酸配列は知られていな かった。従って、ワックスシンターゼに関連する核酸配列を得るためには、ワッ クスシンターゼ核酸配列の単離のために有用な適切なプローブが調製され得るよ うに、利用できる源からタンパク質をまず精製し、そして少なくとも一部のアミ ノ酸配列を決定することが必要であった。 砂漠の灌木であるシモンドシアキネンシス(Simmondsia chinensis)(ホホバ)は 、本明細書に例示されるコード配列の源である。しかしながら、関連するタンパ ク質は、他の源の生物から同定され得、そしてその対応するコード配列が得られ る。 たとえば、ユーグレナグラシリス(Euglena gracilis)は、脂肪アシル−CoA レダクターゼ及び脂肪アシル−CoA アルコールトランスアシラーゼ、又はワック スシンターゼの酵素作用を通してワックスを生成する。典型的には、24〜32の範 囲の炭素鎖長を有するワックスがこの生物において検出されている。このユーグ レナのワックスシンターゼ酵素は CHAPS/NaCl溶液を用いて溶解され得、そして 部分的に精製されたワックスシンターゼ調製物がブルーAクロマトグラフィーに より得られる。この態様においては、ワックスシンターゼ活性に関連する41kDペ プチドバンドが同定される。 アシネトバクター(Acinetobacter)種はまた、そのメカニズムは十分には定義 されていないけれども、ワックスエステル組成物を生成することが知られている 。本明細書に記載される場合、脂肪アシル−CoA アルコールトランスアシラーゼ 又はワックスシンターゼ活性がアシネトバクター種に検出される。ワックスシン ターゼ活性は、CHAPS/NaClに溶解され、ブルーAカラムクロマトグラフィーに より富化され、そしてサイズ排除クロマトグラフィーのような技法を用いてさら に精製され得る。これらの方法によれば、ワックスシ ンターゼ活性に関連する約45kDのペプチドバンドが、部分的に精製された調製物 に得られる。 さらに、ひじょうに長い鎖の脂肪酸の生成のために必要とされる脂肪アシル− CoA 代謝に関与する植物細胞質タンパク質はまた、種々の源、特に植物源に見出 され得る。植物においては、18個までの炭素原子の鎖長の脂肪酸は、脂肪酸シン ターゼ(FAS)によりクロロプラストロにおいて合成され、ここでいくつかの酵素 のシステムがアシルキャリヤータンパク質(ACP)の脂肪酸チオエステルを、2個 の炭素原子増分で延長せしめる。18個の鎖長に達した後、チオエステル結合がチ オエステラーゼにより切断され、そして脂肪酸が、それがアシル−CoA のような 補酵素A(CoA)チオエステルとして利用される細胞質に輸送される。追加の延長 は、それが生じる場合、小胞体膜関連組の延長酵素により触媒される。ひじょう に長い鎖の脂肪酸(18個の炭素原子よりも長いそれらの脂肪酸)は、多くの植物 種のクチクラ“ワックス”に見出され、そしていくつかの植物種の種子油に見出 される。VLCFA への脂肪酸の延長に関連する酵素は膜関連している(Harwood 19 88,von Wettstein-Knowles 1993)。 所望する“エロンガーゼ”活性を含む植物は、アラビドプシス、クラムベ、ナ スツリチアム及びリムナンテンを包含する。従って、そのようなエロンガーゼ活 性を担当するタンパク質が精製され、そしてその対応するコード配列が同定され る。他方、そのような配列は、本明細書に提供されるホホバコード配列へのハイ ブリダイゼーションにより得られる。 本発明のタンパク質の疎水性質は精製に対する挑戦を表わすけれども、実質的 に精製されたタンパク質の回収は種々の方法を用いて達成され得る。たとえば、 ホホバのワックスシンターゼタンパク質の精製が記載されている公開されたPCT 出願WO93/10241 を参照の こと。 従って、本発明の脂肪アシル−CoA 代謝に関与する植物細胞質タンパク質をコ ードする核酸配列は、宿主細胞、たとえば原生又は真生動物細胞におけるタンパ ク質の配列の転写及び/又はそのタンパク質の発現を提供するために使用され得 る。 究極的には、この酵素により認識される基質を生成する植物における安定した 植物発現が所望される。ワックスシンターゼ配列による形質転換のために標的化 された植物は天然においては酵素の脂肪アルコール及び/又は脂肪アシルエステ ル基質を含まないけれども、植物抽出物は、その抽出物への基質の添加により活 性のために調製され、そしてアッセイされ得る。植物宿主の形質転換のための構 造体及び方法は下記に詳細に論ぜられている。 次の例により詳細に論ぜられるように、初期実験に提供される核酸配列の発現 は、高められたワックスシンターゼ活性をもたらした。しかしながら、この結果 は、追加のE.コリ発現実験においては観察されなかった。植物においては、例 示された配列(例8に記載される構造体pCGN7626)の発現は、カノラタイプのブ ラシカにおけるひじょうに長い鎖の脂肪酸の生成、及び形質転換されたアラビド プシス植物におけるひじょうに長い鎖の脂肪酸プロフィールの変性(例11)をも たらした。 本発明の核酸はゲノム性又はcDNAであり得、そしてcDNA又はゲノムライブラリ ーから、又は単離された植物DNA から直接的に単離され得る。タンパク質が精製 され、そして/又はそのタンパク質のアミノ酸配列が得られた後、遺伝子配列を 得るための方法は当業者に知られている。 たとえば、抗体が単離されたタンパク質に対して生ぜしめられ、そして発現ラ イブラリーをスクリーンするために使用され得、従っ て、脂肪アシル−CoA 代謝シンターゼタンパク質又はその抗原性フラグメントに 関与する植物細胞質タンパク質を生成するクローンを同定する。他方、オリゴヌ クレオチドがアミノ酸配列から合成され、そして核酸配列の単離に使用され得る 。そのオリゴヌクレオチドは、核酸フラグメントを生成するためにPCR において 有用であり、これは次に、cDNA又はゲノムライブラリーをスクリーンするために 使用され得る。異なったアプローチにおいては、オリゴヌクレオチドが、有用な プローブを同定するためにノーザンサウザンブロットの分析に直接的に使用され 得、そしてハイブリダイゼーション条件下で、それらのオリゴヌクレオチドがcD NA又はゲノムライブラリーをスクリーンするために使用され得る。 本発明の核酸配列は、脂肪アシル−CoA 代謝に関与するホホバ植物細胞質タン パク質に対応する配列、及びホホバのタンパク質又は核酸配列から得られる配列 を包含する。“対応する”とは、DNA 又はRNA のいづれかの核酸配列、たとえば 脂肪アシル−CoA 代謝タンパク質又はその一部に関与するホホバ植物細胞質タン パク質をコードする配列、ホホバ胚においてタンパク質の転写、又は転写及び翻 訳(発現)を指図する前記コード配列に対して5′又は3′で見出される調節配 列、cDNAに存在しないイントロン配列、及び小胞体膜中への挿入のために必要と されるが、しかし脂肪アシル−CoA 代謝に関与する成熟植物細胞質タンパク質に は見出されない前駆体タンパク質のいづれかのリーダー又はシグナルペプチドを コードする配列を意味する。 ホホバの配列又はタンパク質から“得られる”配列とは、ホホバのアミノ酸配 列から合成され得、又は他方、異なった生物において同定され得、そして脂肪ア シル−CoA 代謝に関与するホホバ植物細胞質タンパク質に対して調製されたホホ バ核酸配列又は抗体をプロ ーブとして用いることにより単離され得る、脂肪アシル−CoA 代謝タンパク質に 関与する所望の植物細胞質タンパク質に関連するいづれかの核酸配列を意図して いる。この態様においては、脂肪アシル−CoA 代謝に関与する他の植物細胞質タ ンパク質の配列が追加の源からのそのようなタンパク質に関連する核酸配列を単 離するために同様に使用され得ることが見出され得る。 核酸配列の単離のためには、cDNA又はゲノムライブラリーが、当業者に良く知 られているプラスミド又はウィルスベクター及び技法を用いて調製され得る。所 望する配列のためのスクリーニングに使用され得る有用な核酸ハイブリダイゼー ション及び免疫学的方法は、当業者に良く知られており、そしてたとえば、Mani atis,et al.,(Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Second Edition( 1989)Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York)によ り提供されている。 典型的には、核酸プローブの使用から入手できる配列は、標的配列と対象のワ ックスシンターゼ酵素をコードする与えられた配列との間で60〜70%の配列の同 一性を示すであろう。しかしながら、50〜60%の配列の同一性を有する長い配列 もまた得られる。その核酸プローブは核酸配列の長いフラグメントであり得、又 は短いオリゴヌクレオチドプローブでもあり得る。より長い核酸フラグメントプ ローブとして使用される場合(約 100bp以上のフラグメント)、プローブとして 使用される配列からの20〜50%の偏差(すなわち50〜80%の配列相同性)を有す る、標的サンプルからの配列を得るために低い緊縮下でスクリーンできる。オリ ゴヌクレオチドプローブはワックスシンターゼ酵素をコードする完全な核酸配列 よりも相当に短かいが、しかし少なくとも約10個、好ましくは少なくとも約15個 、及びより好ましくは少なくとも約20個のヌクレオチドであるべき である。高い程度の配列同一性は、より短い領域がより長い領域に対立するもの として使用される場合に所望される。従って、アミノ酸配列の同一性が相同遺伝 子を検出するためにオリゴヌクレオチドプローブを構築するために高い酵素活性 部位を同定することが所望される。 関連する遺伝子が一定の配列によるハイブリダイゼーションにより単離され得 るかいづれかを決定するために、配列は、他の方法も利用できるけれども、放射 能を用いての検出を可能にするためにラベルされる。ラベルされたプローブはハ イブリダイゼーション溶液に添加され、そして所望する核酸を含むフィルター( 相同性について所望する源をスクリーンするためにノーザン又はサザンブロット のいづれか)、又はスクリーンされるべきcDNA又はゲノムクローンを含むフィル ターと共にインキュベートされる。ハイブリダイゼーション及び洗浄条件は、対 象の配列へのプローブのハイブリダイゼーションを最適化するために変えられ得 る。低温及び高塩濃度は、より明確に関連する配列のハイブリダイゼーションを 可能にする(低い緊縮)。バックグラウンドハイブリダイゼーションが低い緊縮 下で問題である場合、温度がハイブリダイゼーション又は洗浄段階のいづれかに おいて高められ、そして/又は塩含有率が特定のハイブリダイズする配列の検出 を改良するために低められ得る。ハイブリダイゼーション及び洗浄温度は、Belt z,et al.(Methods in Enzymology(1983)100:266-285)に論ぜられるように 、プローブの推定された溶融温度に基づいて調節され得る。 上記で同定された有用なプローブ及び適切なハイブリダイゼーション及び洗浄 条件下で、cDNA又はゲノムライブラリーが、ラベルされた配列及び最適化された 条件を用いてスクリーンされる。ライブラリーがまず、固体寒天培地上にプレー トされ、そしてDNA が適切 な膜、通常、ニトロセルロース又はナイロンフィルターに持ち上げられる。次に それらのフィルターがラベルされたプローブによりハイブリダイズされ、そして 上記のように洗浄され、関連する配列を含むクローンが同定される。 免疫学的スクリーニングのためには、ホホバタンパク質に対する抗体は、精製 されたタンパク質によりウサギ又はマウス(又は他の適切な小哺乳類)を注射す ることによって調製され得る。抗体を調製するための方法は当業者に良く知られ ており、そして抗体生成を専門に行なう人々も利用できる。モノクローナル又は ポリクローナル抗体のいづれかが生成され得るが、但し、典型的にはポリクロー ナル抗体が遺伝子単離のためにはより有用である。 所望する植物種をスクリーンするためには、ウェスターン分析が行なわれ、関 連するタンパク質が、脂肪アシル−CoA 代謝に関与するホホバ植物細胞質タンパ ク質に対する抗体と交差反応する、所望する植物種の粗抽出物に存在することが 決定される。これは、電気泳動に続いて、膜、通常ニトロセルロース上への植物 抽出物のタンパク質の同定化及び抗体とのインキュベーションにより達成される 。ニトロセルロースフィルター上の抗体/タンパク質複合体の検出のためには、 多くの異なったシステム、たとえば抗体及び第2抗体/酵素接合体システムの放 射性ラベリング法が利用できる。利用できるシステムのいくつかは、Oberfelder (Focus(1989)BRL/Life Technologies,Inc.11:1-5)により記載されている 。初期実験が関連するタンパク質の検出に失敗する場合、他の検出システム及び ブロッキング剤が利用され得る。交差反応性が観察される場合、関連するタンパ ク質をコードする遺伝子が、所望する植物種を表わす発現ライブラリーをスクリ ーニングすることによって単離され得る。発現ライブラリーは、種々の市販のベ クター、たとえばMoniatis ,et al.(前記)に記載されているようなラムダgt11に構築され得る。 DNA ハイブリダイゼーション又は免疫学的スクリーニング技法を用いて上記の ようにして同定されたクローンは次に精製され、そしてそのDNA が同定され、そ して既知の技法を用いて分析される。この態様においては、クローンが関連する タンパク質をコードすることが実証される。脂肪アシル−CoA 代謝に関与する他 の植物細胞質タンパク質は、ホホバの配列が使用される同じ態様で“新規”配列 の使用により得られる。 本発明の核酸配列が部位特異的変異誘発又はPCR の標準技法を用いて変性され 得、又は配列の変性が合成核酸配列の生成において達成され得ることは当業者に より認識されるであろう。そのような変性された配列はまた、本発明においても 考慮される。たとえば、コドンにおけるwobble位は、核酸配列が同じアミノ酸配 列をコードするように変更され得、又は他方、コドンは保存性アミノ置換がもた らされるように変更され得る。いづれの場合においても、ペプチド又はタンパク 質は所望する酵素活性を維持し、そして従って、本発明の一部として考慮される 。 本発明の核酸配列は、ゲノムDNA,cDNA,mRNA に由来するDNA 又はRNA 配列で あり、又は全体又は一部合成され得る。遺伝子配列は、適切な源からゲノムDNA を単離し、そしてポリメラーゼ鎖反応(PCR)を用いて対象の配列を増幅し、そし てクローニングすることによってクローン化され得る。他方、遺伝子配列は、特 に植物−選択性配列を提供することが所望される場合、完全に又は一部合成され 得る。従って、所望する構造遺伝子(タンパク質をコードする遺伝子の部分)の すべて又は一部は、選択された宿主により好まれるコドンを用いて合成され得る 。所望する宿主に発現されるタンパク質 に最も頻繁に使用されるコドンからの宿主−選択性コドンが決定され得る。 脂肪アシル−CoA 代謝に関与する植物細胞質タンパク質に関連する核酸配列は 使用されるであろう。たとえば、宿主細胞におけるタンパク質の発現のためにプ ローブとして使用され得、又はその発現を提供するであろう組換え構造体が調製 され得る。意図される使用に依存して、その構造体は、完全なタンパク質をコー ドする配列又はその一部を含むことができる。たとえばタンパク質の臨界領域、 たとえば活性部位は同定され得る。従って、所望する活性のために必要なアミノ 酸をコードする配列の一部のみを含む追加の構造体が調製され得る。さらに、cD NA配列の一部が転写されている、発現の阻害のためのアンチセンス構造体が使用 され得る。 本発明の配列の発現のための有用なシステムは、原生動物細胞、たとえば、E .コリ、酵母細胞及び植物細胞を包含し、維管束植物及び非維管束植物の両者の 細胞が所望する宿主である。この態様においては、脂肪アシル−CoA 代謝に関与 する植物細胞質タンパク質が、追加の研究、たとえばタンパク質の反応性質に対 する特異的な変異誘発の効果を分析するためのコード配列の部位特異的変異誘発 を可能にするために生成され得る。 本発明の脂肪アシル−CoA 代謝に関与する植物細胞質タンパク質をコードする DNA 配列が種々の手段で外来性DNA 配列と共に組合され得る。“外来性”DNA 配 列とは、脂肪アシル−CoA 代謝配列に関与する植物細胞質タンパク質に天然にお いては結合されない同じ生物からのDNA 配列を包含する、脂肪アシル−CoA 代謝 配列に関与する植物細胞質タンパク質に天然においては結合することが見出され ていないいづれかのDNA 配列である。コード配列を利用するセンス及びアンチセ ンスの両構造体が考慮され、ここでは、センス配列が 宿主細胞における脂肪アシル−CoA 代謝に関与する植物細胞質タンパク質の発現 のために使用され得、そしてアンチセンス配列が標的生物により天然において生 成されるタンパク質の内因性レベルを低めるために使用され得る。さらに、本発 明の遺伝子配列は、脂肪アシル−CoA 代謝に関与する植物細胞質タンパク質に通 常、関連している配列、たとえば調節又は膜標的化配列のすべて又は一部と一緒 に外来性宿主に使用され得る。 その成分部分においては、脂肪アシル−CoA 代謝に関与する植物細胞質タンパ ク質をコードするDNA 配列が、転写の5′から3′方向に、宿主細胞において転 写及び翻訳を促進できる転写開始制御領域、タンパク質コード配列及び転写終結 領域を有する組換え構造体に組合される。宿主に依存して、調節領域は変化し、 そしてウィルスからの領域、プラスミド又は染色体遺伝子、又は同様のものを含 むことができる。原生又は真核微生物、特に単細胞宿主における発現に関しては 、広範囲の種類の構成又は調節可能なプロモーターが使用され得る。微生物にお ける発現は、植物酵素の容易な源を供給することができる。記載されて来た転写 開始領域中には、遺伝子、たとえばβ−ガラクトシダーゼ、T7ポメラーゼ、ト リプトファンE及び同様のものを包含する、細菌及び酵母宿主、たとえばE.コ リ、B.サブチリス(B.subtitis)、サッカロミセスセレビシアエ(Sacchromyce s cerevisiae)からの領域が存在する。 大部分、組換え構造体は、機能的なタンパク質又は相補的なRNA をそれぞれ生 成するために、センス又はアンチセンスのいづれかの配向で、脂肪アシル−CoA 代謝遺伝子に関与する植物細胞質タンパク質の転写を提供する植物において機能 的な調節領域を含むであろう。タンパク質発現のためには、植物タンパク質又は その機能的なフラグメントをコードする読み取り枠が、その5′末端で、転写開 始領域、たとえば例示されたホホバの上流の5′で天然において見出される野生 型配列に結合されるであろう。広範囲の種類の構成又は調節可能な、たとえば構 造遺伝子配列の誘発可能な発現を提供する、生来の植物遺伝子からの多くの他の プロモーター領域が利用できる。 生来の植物遺伝子からの配列の他に、他の配列、たとえばアグロバクテリウム 遺伝子に関連する調節領域、たとえばナパリンシンターゼ(Nos)、マンノピンシ ンターゼ(Mas)、又はオクトピンシンターゼ(Ocs)遺伝子に関連する領域が、植物 における構成遺伝子の発現を提供することができる。ウィルス遺伝子の発現を制 御する領域、たとえばカリフラワーモザイクウィルス(CaMr)の35S及び19S領 域がまた有用である。本明細書で使用される場合、用語、“構成”とは、すべて の細胞型において同じレベルで、遺伝子が発現されるが、しかしその遺伝子は、 多くの変動がしばしば検出されるが、広範囲の細胞型において発現されることを 必ずしも示唆していない。他の有用な転写開始領域、たとえばナピン、種子又は 葉のACP,RUBISCOの小サブユニット、及び同様のものからのものが、一定の組織 において又は一定の増殖条件下で転写を選択的に提供する。 脂肪アシル−CoA 代謝に関与する植物細胞質タンパク質の発現が植物宿主にお いて所望される態様においては、完全な植物遺伝子のすべて又は一部が所望され 、すなわち構造遺伝子配列と一緒に5′上流の非コード領域(プロモーター)及 び3′下流の非コード領域が使用され得る。異なったプロモーター、たとえば対 象の植物宿主に生来のプロモーター又は変性されたプロモーター、すなわち1つ の遺伝子源に由来する転写開始領域及び異なった遺伝子源に由来する翻訳開始領 域を有するプロモーター又は増強されたプロモーター、たとえば二重35S CaMV プロモーターが所望される場合、その配 列は標準技法を用いて一緒に連結され得る。さらに、高く発現された植物遺伝子 からの5′未翻訳領域は、本明細書に記載されるタンパク質の高められた発現を 提供するために有用である。 植物における発現を提供するDNA 構造体は、広範囲の種類の植物生命体、特に 脂肪アシル−CoA 代謝に関与する植物細胞質タンパク質の脂肪アシル−CoA 基質 を生成する植物、たとえばブラシカと共に使用され得る。他の興味ある植物は、 所望する脂肪アシル基質、たとえば中ぐらい又は長い鎖の脂肪アシル分子を生成 し、そしてナタネ種子(カノラ品種)、ヒマワリ、ベニバナ、綿花、クフェア( Cuphea)、ダイズ、落花生、ココヤシの実及びヤシ油、及びトウモロコシを含有 するが、但しこれだけには限定されない。 エステル生成のための脂肪アルコール基質に関しては、ホホバ以外の種子植物 は多量の脂肪アルコールを生成することは知られていないが、但し少量のこの基 質は、ワックスシンターゼ酵素に利用でき得る。従って、本発明の構造体と一緒 に、宿主細胞に存在する脂肪アシル分子から脂肪アルコールを生成する能力を有 する標的の宿主細胞を提供することが所望される。たとえば、植物脂肪アシルレ ダクターゼ及び植物細胞においてのそのレダクターゼ酵素の発現のための方法は 、同時継続出願USSN07/767,251 に記載されている。ホホバレダクターゼの核酸 配列及び翻訳されたアミノ酸配列は図1に与えられている。従って、宿主植物細 胞にワックスシンターゼ及びレダクターゼ活性の両者を付与することによって、 ワックスエステルが脂肪アルコール及び脂肪アシル基質から生成され得る。 ホホバレダクターゼの他に、他の生物からのレダクターゼ酵素は、本発明のワ ックスシンターゼと一緒に有用である。レダクターゼ酵素の他の可能性ある源は 、ユーグレナ(Euglena)、アシネトバクター(Acinetobocter)、ミクロコカス(Mi crococus)、一定の昆虫 及び海洋生物、及びワックスエステルを含むことが知られている特殊化された哺 乳類又は鳥類組織、たとえばウシマイボーム腺又は鳥類の尾腺を包含する。レダ クターゼタンパク質の他の可能性ある源は、脂肪アルコールを生成するそれらの 能力、又はワックスシンターゼがまた存在する場合、ワックスエステルを生成す る能力により同定され得る。 ワックスシンターゼ活性をコードする配列及びレダクターゼ配列は、同じ形質 転換出来事の間に提供され得、又は他方、2種の異なったトランスゲニック植物 系、すなわち1つはワックスシンターゼ構造体を有し、そして他はレダクターゼ 構造体を有する植物系が種々の構造体による形質転換により生成され得る。それ らの植物系は次に、ワックスエステル生成物の生成のためのワックスシンターゼ 及びレダクターゼ含有植物を提供するために既知の植物繁殖技法を用いて交差さ れ得る。 ワックスエステル生成を導びく用途のためには、種子の成熟の間に調節された 遺伝子から得られた5′上流の非コード領域、特に植物胚組織において選択的に 発現されたもの、たとえばACP 、オレオシン(Lee and Huang(1991)Plant Phys iol.96:1395-1397)及びナピン調節領域に由来する領域が所望される。種子組 織において好ましい発現を提供する、すなわち他の植物部位において検出できな い転写開始領域は、他の植物部位において遺伝子生成物の破壊的又は悪影響を最 少にするためにワックスエステル生成のために所望されると思われる。さらに、 そのような植物の種子が収穫され、そしてそれらの種子の脂質保存体が、ワック スエステルの容易な源を提供するために回収され得る。従って、新規の種子生成 物は、本明細書に記載されるようにワックスシンターゼ構造体による不在の形質 転換がそれらの種子脂質保存体の成分としてワックスエステルを生 成することが知られていない種子油植物において生成され得る。 同様に、種子プロモーターは、VLCFA 生成又はVLCFA の阻害が所望される場合 に所望される。この態様においては、VLCFA のレベルが種々の植物種において変 性され得る。そのような“種子特異的プロモーター”は、“Nuvel Sequences Pr eferentsally Expressed In Early Seed Development and Methods Related The reto”の標題を有する、1990年3月16日に出願されたU.S.通し番号07/494,722 号及び1988年1月25日に出願されたU.S.通し番号07/147,781 号(現在、1981年 8月8日に出願されたU.S.通し番号07/742,834 号)の教授に従って得られ、そ して使用され得る。さらに、植物遺伝子、たとえばホホバタンパク質が発現され る場合、形質転換された植物種、たとえばアラビバプシス又はブラシカにおいて のホホバ遺伝子の発現のために、コード配列に存在する5′及び3′調節領域及 びいづれかのイントロンを含む完全な植物遺伝子を用いることが所望される。 調節転写終結領域が同様に本発明の組換え構造体に提供され得る。転写終結領 域は、脂肪アシル−CoA 代謝に関与する植物細胞質タンパク質をコードするDNA 配列又は異なった遺伝子源に由来する便利な転写終結領域、特に転写開始領域と 天然において関連している転写終結領域により提供され得る。その転写開始領域 は、その終結領域が由来する構造遺伝子側の3′配列の少なくとも約 0.5kb、好 ましくは約1〜3kbを含むであろう。 追加の植物遺伝子領域は、植物組織における発現を最適化するために使用され 得る。たとえば、高く発現された遺伝子の5′未翻訳領域、たとえばDNA コード 配列の5′側に挿入された、RuBP−カルボキシラーゼの小サブユニット(SSU)の 領域は、高められた翻訳効能を提供できる。SSU リーダータンパク質コード領域 の部分(たと えば少なくとも6個のアミノ酸をコードする部分)はまた、そのような構造体に 使用され得る。さらに、植物プラスチドオルガネラへの標的が所望される用途に 関しては、SSU 又は他の核コードクロロプラストタンパク質からのトランジット ペプチドコード配列が、ワックスシンターゼ及びレダクターゼ配列と一緒に使用 され得る。 宿主細胞中へのDNA 発現構造体の導入のための方法に依存して、他のDNA 配列 が必要とされる。重要なことは、本発明は双子葉類及び単子葉類種に同様に適用 でき、そして新規及び/又は改良された形質転換及び再生技法に容易に適用でき るであろう。 組換え構造体を開発することにおいては、その構造体又はそのフラグメントの 種々の成分が、細菌宿主、たとえばE.コリにおいて複製できる便利なクローニ ングベクター中に通常挿入されるであろう。文献に記載されている種々のベクタ ーが存在する。個々のクローニングの後、プラスミドが単離され、そして追加の 操作、たとえば制限、新規フラグメントの挿入、連結、欠失、挿入、再切断、等 にゆだねられ、所望する配列の成分が製造される。構造体が完結された後すぐに 、それは、宿主細胞の形質転換の態様に従っての追加の操作のために適切なベク ターにトランスファーされ得る。 通常、組換え構造体は、宿主における発現のための必要な調節領域を有し、そ して形質転換細胞の選択を提供する構造遺伝子を含むであろう。前記遺伝子は、 細胞毒性剤、たとえば抗生物質、重金属、毒素、等に対する耐性、栄養要求宿主 に原栄養性を付与する相補性、ウィルス免疫性又は同様のものを提供することが できる。同様に、色の変化、たとえばGUS 、又はルミネセンス、たとえばルシフ ェラーゼにより同定できる化合物の生成を付与する、酵素コードの遺伝子が有用 である。発現構造体又はその成分が導入される、異なった宿主種の数に依存して 、1又は複数のマーカーが使用され、こ こでは選択のための異なった条件が異なった宿主のために使用される。 本発明の脂肪アシル−CoA 代謝に関与する植物細胞質タンパク質をコードする 配列の転写を提供する配列の他に、本発明のDNA 構造体はまた、追加の遺伝子の 発現を提供し、このタンパク質生成物は価値ある最終生成物を生成するために本 明細書に記載されるタンパク質と一緒に作用することができる。たとえば、上記 のように、ワックスエステルが形質転換された宿主に生成されるように、ワック スシンターゼ活性及び脂肪アシルレダクターゼの発現を付与するDNA 構造体が本 発明において考慮される。さらに、種々の炭素鎖長及び飽和の程度を有する異な ったワックスエステルの生成が所望され、そして種々の鎖長の脂肪アルコール又 は脂肪アシル基質を有する宿主植物を形質転換することによって付与され得る。 そのような植物は、たとえば種々のチオエステラーゼ遺伝子及び形質転換された 植物宿主において種々の鎖長を有する脂肪アシル基質を生成するためにそのよう な遺伝子を用いる方法を記載している、公開された国際特許出願番号PCT WO91/ 16421 に記載される方法により提供され得る。 さらに、種子油植物宿主においてのワックスエステルの生成を最適化するため には、そのような植物の種子に通常生成されるトリグリセリド油の生成を低める ことが所望される。これを達成するための1つの方法は、この方法に臨界である 遺伝子をアンチセンス化することであるが、しかしワックスエステルの生成のた めには必要ではない。そのような遺伝子標的物は、ジアシルグリセロールアシル トランスフェラーゼ及びトリグリセロールの合成を触媒する他の酵素を包含する 。さらに、栄養源としてワックスエステルを分解するために使用され得、たとえ ばホホバ又は種々の他のワックス生成生 物から単離され得る酵素を有する種子油植物を提供することが所望される。この 態様においては、種子植物宿主におけるワックスエステルの最大の生成が達成さ れ得る。 本明細書に記載される方法で生成されたワックスエステルは、ホホバからワッ クス抽出のための技法を用いて、又は種々の種子油収穫物から油生成物を得るた めに使用される種々の生成法により収穫され得る。このようにして得られたワッ クスは、多くの産業、たとえば医薬、化粧、洗剤、プラスチック及び滑剤産業に 適用できる。適用は、ワックスエステル成分の鎖長及び飽和の程度に依存して変 化するであろう。たとえば個々の炭素鎖に二重結合を有する長い鎖のワックスは 室温で液体であるが、しかし飽和炭素成分を有するワックスは、特にその飽和さ れた炭素鎖が長い炭素鎖である場合、室温で固体である。 エロンガーゼ活性に関する用途においては、ホホバ遺伝子が、実質的にいづれ かの種のトランスゲニック植物における遺伝子の過度発現により種子油における 脂肪酸の鎖長を延長するために使用され得;前記遺伝子はまた、VLCFA を生成す る他の種からの相同クローンを単離するために低い緊縮性のハイブリダイゼーシ ョンにおいてプローブとしても使用され得る。次に、それらの誘導された遺伝子 は、それらが単離された種において、又は十分な遺伝子相同性が存在する他の植 物種においてVLCFA のレベルを減じるためのアンチセンス実験に使用され得る。 他方、それらの遺伝子は、トランスゲニック植物においてVLCFA の量を高めるた めに過度発現され得る。 さらに、この酵素をコードする相同のブラシカ遺伝子からのDNA は、HEAR、及 びカノラ及び他の種子油収穫物の育成を助ける分子マーカーを開発するための植 物育成道具として使用され得る。そのような技法は、分子プローブとしてその遺 伝子自体を用いること、又 は植物育成プログラムにPCR に基づくスクリーニング技法を用いるためのPCR プ ライマーを構築するためにそのDNA 配列を用いることを包含する。 さらに、植物上皮細胞における遺伝子の過度発現はクチクラの蓄積を高め、そ れによって対照の植物よりもトランスゲニック植物の日照り及びストレスに対す る耐性を高める。 形質転換の方法は本発明において臨界ではなく;植物形質転換の種々の方法が 現在利用できる。より新しい方法が収穫物を形質転換するために利用できるので 、それらは直接的に適用され得る。たとえば、アグロバクテリウム(Agrobacteri um)感染に対して天然において敏感な多くの植物種は、アグロバクテリウム介在 形質転換の三元又は二元ベクター方法により都合良く形質転換され得る。宿主植 物細胞に核酸配列のトランスファーを付与するのに有用な他の配列は、植物病原 性ウィルス又は植物転移因子から誘導され得る。さらに、種々の単子葉及び双子 葉植物種の形質転換を可能にする、マイクロインジェクション、DNA 種子衝撃、 エレクトロポレーションの技法が開発されて来た。 アグロバクテリウムが植物形質転換のために利用される場合、T-DNA により一 端又は両端、特に左及び右のボーダー領域及びより特定には、少なくとも右のボ ーダー領域上で隣接している所望する核酸配列を有することが所望される。それ らのボーダー領域はまた、形質転換の他の方法が使用される場合にも有用である 。 アグロバクテリウム又はリゾゲネス(Rhizogemes)の配列が植物形質転換のた めに利用される場合、宿主に存在するTi又はRiプラスミド上でのT-DNA による相 同組換えのためにアグロバクテリウム宿主中に導入され得るベクターが使用され 得る。組換えのためのT-DNA を含むTi−プラスミドは、武装され得(ガル形成を 引き起こすこ とができる)、又は武装解除され得(ガル形成を引き起こすことができない)、 後者は植物宿主細胞へのDNA のトランスファーのために必要なトランス位作用( trans-acting)因子を有する、vir 遺伝子の機能的な補体が形質転換されたアグ ロバクテリウム宿主に存在する限り許容できる。武装されたアグロバクテリウム 株の使用が通常の植物細胞の混合物をもたらし、そのいくつかは所望する核酸配 列を含み、そして植物細胞は腫瘍形成遺伝子の存在によりガル形成できる。所望 する核酸配列を含むが、しかし腫瘍遺伝子を欠いている細胞が、通常のトランス ゲニック植物が得られるように混合物から選択され得る。 アグロバクテリウムが宿主植物細胞を形質転換するためのビークルとして使用 される好ましい方法においては、T-DNA ボーダー領域により隣接される発現又は 転写構造体は、E.コリ及びアグロバクテリウムにおいて複製できる広い宿主範 囲のベクター中に挿入され、ここで前記広い宿主範囲のベクターは文献に記載さ れている。pPK2又はその誘導体が通常使用される。たとえば、Ditta,et al.,( Proc.Nat.Acad.Sci.,U.S.A.(1980)77:7347-7351)及びEPA 0 120513を参 照のこと。他方、別々の複製配列を含むベクター中に植物細胞において発現され るべき配列を挿入することができ、前記配列の1つはE.コリにおいてベクター を安定化し、そして他はアグロバクテリウムにおいてベクターを安定化する。た とえばMcBride and Summerfelt(Plant Mol.Biol.(1990)14:269-276)を参照 のこと。ここでは、pRiHRI(Jouanin,et al.,Mol.Gem.Genet.(1985)201: 370-374)が使用され、複製の起点が利用され、そして宿主アグロバクテリウム細 胞における植物発現ベクターの付加された安定性を提供する。 アグロバクテリウムにおいて複製できる上記のようなベクターの 使用が好ましい。この態様においては、プラスミドの組換えは必要とされず、そ して宿主アグロバクテリウムのvir 領域が植物宿主細胞へのT-DNA 隣接の配列の トランスファーのために必要とされるトランス位作用因子を供給できる。1つの そのような方法は、たとえばRadke et al.(Theor.Appl.Genet.(1988)75: 685-694)により記載されている。 本発明は一般的に現在、記載されているが、次の例により一層容易に理解され るであろう。それらの例は、例示目的であって、特にことわらない限り、本発明 と限定するものではない。 例 例1−ワックスシンターゼアッセイ ミクロソーム膜調製物又は溶解されたタンパク質調製物におけるワックスシン ターゼ活性のためのアッセイ方法が記載される。 A.放射性ラベルされた材料 ワックスシンターゼアッセイに一般的に使用される基質、すなわち〔1−14C 〕パルミトイル−CoA を、Amersham(Arlington Heights,IL)から購入した。他 の鎖長の基質を合成し、鎖長特異性研究を行なった。長鎖〔1−14C〕脂肪酸( 51〜56Ci/モルの比活性)、すなわち11−シス−エイコサン酸、13−シス−ドコ サン酸、及び15−シス−テトラコサン酸を、〔14C〕シアン化カリウムとその対 応するアルコールメシレートとの反応、続く遊離脂肪酸へのアルコールニトリル の塩基加水分解により調製する。遊離脂肪酸をそれらのメチルエステルにエーテ ル性ジアゾメタンにより転換し、そして分離用硝酸銀薄層クロマトグラフィー(T LC)により精製する。脂肪酸メチルエステルを、遊離脂肪酸に加水分解する。放 射化学純度を次の3種のTLC 法により評価する:通常の相シリカTLC、硝酸銀TL C 及びC18逆相TLC。それらの方法により測定される放射化学純度は92〜98%で あった。長鎖〔1−14C〕アシル−CoAsをその対応する〔1−14C〕遊離脂肪酸 からYoung and Lynen(J.Bio.Chem.(1969)244:377)の方法により調製する(そ の比活性は10Ci/モルである)。〔1−14C〕ヘキサデカナールを、Pletcher a nd Tate(Tet.Lett.(1978)1601-1602)の方法の微小規模変性に従って〔1 −14C〕ヘキサデカン−1−オールの重クロム酸塩酸化により調製する。生成物 を分離用シリカTLC により精製し、そして使用まで−70℃でヘキサン溶液として 貯蔵した。 B.ミクロソーム膜調製物におけるワックスシンターゼ活性についてのアッセイ ミクロソーム膜調製物におけるワックスシンターゼ活性を、40μMの〔1−14 C〕アシル−CoA(通常、パルミトイル−CoA 、比活性 5.1〜5.6mCi/mモル)及 び 200μMのエレイルアルコールと0.25mlの合計体積でアッセイされるべきサン プルとのインキュベーションにより測定する。そのインキュベーション混合物は また、20%w/vのグリセロール、1mMのDTT,0.5MのNaClを含み、そして25mM のHEPES(4−〔2−ヒドロキシエチル〕−1−ピペラジンエタン−スルホン酸) により緩衝化されている。ここで及びこの後に言及されるHEPES は、pH7.5 に調 整された1Mの原液から添加される。 基質混合物をガラスバイアルに調製し、そしてオレイルアルコールが使用のす ぐ前で添加され、そしてサンプルに添加する。インキュベーションは30℃で1時 間、行なう。アッセイは、氷上にアッセイ管を置き、そしてすぐに、0.25mlのイ ソプロパノール:酢酸(4:1v/v)を添加することにより停止される。ラベ ルされていないワックスエステル(0.1mg)及びオレイルアルコール(0.1mg)をキャ リヤーとして添加する。〔14C〕脂質を、Hara and Radin(Anal .Biochem.(1978):90:420)の小規模法により抽出する。4mlのヘキサン/ イソプロパノール(3:2,v/v)を、前記停止されたアッセイに添加する。 サンプルを振盪し、2mlの硫酸ナトリウム水溶液(6.6%w/v)を添加し、そ してサンプルを再び振盪する。 C.溶解されたワックスシンターゼ活性についてのアッセイ 溶解されたワックスシンターゼ活性をアッセイするためには、タンパク質の再 構成が必要とされる。再構成は、リン脂質(Sigma P-3644、約40%のL−ホスフ ァチジルコリン)の0.75%CHAPS −溶解されたサンプルへの 0.2mg/mlの濃度で の添加、続く、CMC 以下の 0.3%への界面活性剤により希釈により達成される。 活性の再構成は、リン脂質小胞中へのワックスシンターゼの組込みに基づかれて 推定される。再構成の度に検出されるワックスシンターゼ活性の量は、多くの要 因(たとえばリン脂質:タンパク質の比及びワックスシンターゼタンパク質の物 理的な状態(たとえば凝集又は分散))により影響されることが理解される。 D.アッセイ生成物の分析 ミクロソーム膜調製物ワックスシンターゼアッセイ又は溶解されたワックスシ ンターゼアッセイのいづれかの生成物を分析するために、2種の手段が開発され た。“広範なアッセイ”として下に記載される1つの手段は、より時間がかかる が、しかしより高い定量結果をもたらす。“敏速なアッセイ”として下に記載さ れる他の手段はまた、ワックスシンターゼ活性の測定を提供し、より敏速で便利 ではあるが、しかし低い定量結果をもたらす。 1.広範な分析:硫酸ナトリウムの添加及びサンプルの振盪に続いて、上部の 有機相を除去し、そして低部の水性相を4mlのヘキサン/イソプロパノール(7 :2v/v)により洗浄する。有機相をプールし、そして窒素下で蒸発乾燥せし める。脂質残留物を小量の ヘキサンに再懸濁し、そしてアリコートを液体シンチレーションカウントにより 放射能についてアッセイする。サンプルの残りをラベルされた種類のTLC 分析の ために使用し、そしてそれにより、生成された合計ワックスの測定を与える。脂 質種類の分析のためには、サンプルをシリカTLC プレートに適用し、そしてプレ ートをヘキサン/ジエチルエーテル/酢酸(80:20:1v/v/v/)において 進行せしめる。脂質種類、大部分ワックスエステル、遊離脂肪酸、脂肪アルコー ル及び起点での極性脂質間での放射能の分布を、AMBIS 放射性分析イメージング システム(AMBIS System Inc.,San Diego,CA)を用いて測定する。必要なら、 個々の脂質種類を、追加の分析のためにTLC プレートから回収する。メタノール 中で進行される、C18プレートを用いての逆相TLC システムがまた、分析のため に使用された。 2.敏速なアッセイ:硫酸ナトリウムの添加及びサンプルの振盪に続いて、既 知の%の有機相を除去し、そして液体シンチレーションカウントにより計数する 。この計算は有機相における合計の計数を評価するために使用される。もう1つ の部分の有機相を除去し、窒素下で乾燥し、ヘキサンに再溶解し、そしてTLC プ レート上にスポットし、そして前記詳細されたアッセイのために記載のようにし てスキャンする。この態様においては、ワックス中に組込まれる合計の計数の% が決定される。 例2−ワックスシンターゼタンパク質の放射性ラベリング 放射性ラベルされた〔1−14C〕パルミトイル−CoA(Amersham)を、5μl のラベル:40μlのタンパク質サンプルの比で、溶解されているか又はミクロソ ーム膜画分でのワックスシンターゼ調製物に添加する。サンプルを室温で少なく とも15分間、追加の処理の前、インキュベートする。SDS-PAGE分析のために、サ ンプルを直接 的にSDS サンプル緩衝液により処理し、そして電気泳動のためにゲル上に負荷す る。 例3−ワックスシンターゼ活性を特徴づけるためのさらなる研究 A.種子成長及びワックスシンターゼ活性フロフィール 胚の成長を、Davis,CA で5種の植物に対して2シーズンの夏じゅう調べる。 胚及び乾量は約80〜約 130日でかなり一定した割合で上昇することが見出された 。脂質抽出は、胚が約 300mgに達した場合(約80日で)、脂質の質量:乾量の割 合は、50%の最大レベルに達することを示す。 ワックスシンターゼ活性を、例2に記載しているようにして、成長する胚にお いて測定する。ホホバ種子の種皮は阻害因子の源であることが決定されたので、 その種皮を除去し、その後、−70℃での貯蔵のために液体窒素において胚を凍結 した。 細胞フリーホモジネート又は膜画分のいづれかにおいて測定される場合、ワッ クスシンターゼ活性についての発育プロフィールは、薊形成後、約 110〜115 日 でピークである活性の大きな誘発を示唆する。酵素等研究のための胚を、葯形成 の後、約90〜100 日で収穫し、ワックスシンターゼ活性が多い場合、脂質沈殿は 最大レベルに達しておらず、そして種皮は容易に除去される。ワックスシンター ゼ活性の上昇の最高速度が、葯形成後、80〜90日で見られる。cDNAライブラリー 構成のための胚を、葯形成後、約80〜90日で収穫し、この時、ワックスシンター ゼタンパク質の合成速度がたぶん最大であろう。従って、ワックスシンターゼを コードするmDNAのレベルは、この段階で最大であると推定される。 B.基質特異性 種々の炭素鎖長及び飽和の程度を有するアシル−CoA 及びアルコール基質を、 ワックスシンターゼ活性を有するミクロソーム膜画分 に添加し、ホホバワックスシンターゼにより認識される基質の範囲を決定した。 ワックスシンターゼ活性を例1に記載のようにして測定し、そしてアシル特異性 は80μMのアシル−CoA 基質及び 100μMの放射性ラベルされたオレイルアルコ ールを用いて測定された。アルコール特異性は、100μMアルコール基質及び40 μMの放射性ラベルされたエイコセノイル−CoA を用いて測定された。それらの 実験の結果は下記表1に示される。 上記結果は、ホホバワックスシンターゼが広範囲の脂肪アシル−CoA 及び脂肪 アルコール基質を利用することを示す。 さらに、種々のアシル−チオエステル基質に対するワックスシンターゼ活性を 同様に、アシル基質としてパルミトイル−CoA、パルミトイル−ACP 及びN−ア セチル−S−パルミトイルシステアミンを用いて試験した。最大の活性が、アシ ル−CoA 基質により観察された。有意な活性(アシル−CoA による活性の約10% )がアシル−ACP により観察されたが、しかしN−アセチル−S−パルミトイル システアミン基質による活性は検出されなかった。 C.活性のエフェクター 種々のスルフヒドリル剤を、ワックスシンターゼ活性に対するそれらの活性に ついてスクリーンした。有機水銀化合物は、活性を強く阻害することを示された 。ヨードアセトアミド及びN−エチルマレアミドはほとんど効果的ではなかった 。パラ−ヒドロキシメルクリベンゾエートによる阻害は観察されたが、しかしこ の阻害はDTT の続く添加により逆転された。それらの結果は、パラ−ヒドロキシ メルクリベンゾエートによる阻害が必須のスルフヒドリル基のブロッキングを包 含することを示す。 D.サイズ排除クロマトグラフィー カラム(1.5cm×46cm)を、5000〜250,00ドルトンのサイズ範囲のSephacryl-200 (Pharmacia)により充填し、そして 0.5MのNaClを含むカラム緩衝液(25mMのH EPES,20%のグリセロール、0.75%のCHAPS,1mMのEDTA)により平衡化した。B lue Aカラム(例4Cを参照のこと)からの一回の 1.5MのNaCl溶出からのプー ルされた濃縮物約2mlを負荷し、そしてカラムを 0.5ml/分で実施した。溶出さ れた画分を、例1に記載される再構成手段に従ってワックスシンターゼ活性につ いてアッセイする。ワックスシンターゼ活性は、ボイド画分で開始し、そして試 験の残りを通して低下する広いピークとして見なされる。ワックスシンターゼ活 性を有する画分の一部を、1−14C16:0-CoA(0.0178μM)により室温で15分 間、処理する。SDS を添加し、2%にし、そしてサンプルをSDS-PAGEゲル上に負 荷する。電気泳動に続いて、ゲルをProblott(Applied Biosystems;Foster City ,CA)にブロットし、そして乾燥されたブロット膜をオートラジオグラフィーに より分析する。他方、ブロットを、自動スキャンシステム(AMBIS:San Diego,C A)を用いて、放射能についてスキャンする。この態様においては、ワックスシン ターゼ活性 を有する57kDの放射性ラベルされたバンドが分析された画分において存在するこ とが観察される。 ワックスシンターゼ活性に関連するタンパク質をさらに、第2のサイズ排除マ トリックス上でのクロマトグラフィーにより特徴づける。ワックスシンター活性 を含むBlue Aカラム(1.0MのNaCl溶出段階に続く)からの10倍に濃縮された 1.5 MのNaCl溶出画分(100μl)を、SuperoseにHR10/30カラム(Pharmacia;Piscata way,NJ)上でクロマトグラフィー処理し、そして分子量標準(MW GF-70及びMW GF -1000;Sigma)により検量されたカラム上でFast Protein Liquid Chromatograph y(FPLC)により分析する。活性アッセイは、溶出された画分に対して行なわれ る。回収されたワックスシンターゼ活性のほとんど53%がボイド画分に見出され るが、しかし容易に検出できる活性は検量曲線に従って、ほぼ55kdで溶出するこ とが見出される。それらのデータは、生来の活性ワックスシンターゼタンパク質 の最小サイズがラベルされたバンドの57kDサイズにひじょうに類似し、従って、 ワックスシンターゼ活性が単一のポリペプチドにより付与される証拠を提供する ことを示唆する。ボイド画分に観察されるワックスシンターゼ活性の部分は、た ぶん、酵素の凝集された形である。 E.パルミトイル−CoA アガロースクロマトグラフィー カラム(1.0×3cm)を、16:0-CoA アガロース(Sigma P-5297)により充填し 、そして 0.2MのNaClを含むカラム緩衝液(例1のDを参照のこと)により平衡 化する。Ble Aカラムの1.5MのNaCl洗浄からのプールされた濃縮物約4mlを融解 し、そして 0.2MのNaClカラム緩衝液により平衡化されたPD-10(Pharmacia)脱 塩カラム上への濃縮物の通過により塩濃度を減じる。減じられた塩サンプル(5 ml)を、16:0 CoA アガロースカラム上に0.15ml/分の流速で負 荷する。カラムを 0.5MのNaClカラム緩衝液により洗浄し、そして次に、 1.5M のNaClカラム緩衝液により洗浄する。いくらかのワックスシンターゼ活性はカラ ムを通して流れ、又は 0.5MのNaCl洗浄により除去されるが、回収された活性の 大部分(負荷された活性の21%)が 1.5MのNaCl溶出ピークにおいて回収される 。 ワックスシンターゼ活性を示す画分の一部を、例2に記載されているようにし て〔14C〕パルミトイル−CoA により放射性ラベルし、そしてSDS ポリアクリル アミドゲル電気泳動(Laemmli,Nature(1970)227:680-685)により分析する。 再び、ワックスシンターゼ活性を有する、約57kDの放射性ラベルされたタンパク 質バンドが観察される。 例4−ホホバワックスシンターゼの精製 ワックスシンターゼ活性を有するホホバ膜調製物の単離、ワックスシンターゼ タンパク質の溶解及びワックスシンターゼタンパク質のさらなる精製のために使 用され得る方法は記載される。 A.ミクロソーム膜調製物 ホホバの胚を、その胚の水含有率(45〜70%)を測定することによって評価さ れるように、開花の後、約90〜110 日で収穫する。外部殼及び種膜を除去し、そ して子葉も液体窒素中ですばやく凍結し、そして後での使用のために−70℃で貯 蔵する。初期タンパク質調製物に関しては、凍結された胚を鋼製乳鉢及び乳棒に より液体窒素温度でたたいて粉末にする。典型的な実験においては、70gの胚が 加工される。 前記粉末が、胚70g当たり 280mlの溶液の割合で、次の高塩溶液に添加する: 3MのNaCl, 0.3Mのスクロース、 100mMのHEPES ,2mMのDTT 、及びプロテア ーゼインヒビター、1mMのEDTA, 0.7μg/mlのロイペプチン、 0.5μg/mlの ペプスタチン及び17μg/ mlのPMSF。細胞フリーホモジネート(CFH)を、前記粉末化された胚を緩衝液中で 組織ホモナイザー(Kinematica,Switzerland;モデルPT10/35)により約30秒間 、分散し、そして次に、三層のMiracloth(CalBiochem,LaJolla,CA)を通して濾 過することによって形成する。濾液を、 100,000xgで1時間、遠心分離する。 得られたサンプルは、ペレット、上清液及び浮遊性脂肪パッドから成る。その 脂肪パッドを除去し、そして上清液画分を集め、そして1MのNaCl, 100mMのHE PES ,2mMのDTT 及び 0.5MのEDTAを含む溶液に対して一晩透析する(緩衝溶液 の3回の取替えを伴う)。透析物を 200,000xgで 1.5時間、遠心分離し、ペレッ トDP2を得る。そのペレットを、25mMのHEPES 及び10%のグリセロールに、元の CFH 体積の1/20で懸濁し、ミクロソーム膜調製物を得る。 活性を例1に記載しているようにしてアッセイする。ワックスシンターゼ活性 の回収率を、細胞フリーホモジネートにおける元の活性の34%で評価する。この 調製物におけるワックスシンターゼ活性は、−70℃で貯蔵される場合、安定して いる。 B.ワックスシンターゼタンパク質の溶解 CHAPS(3−〔(3−コラミドプロピル)−ジメチル−アンモニオ〕−1−プロ パンスルホネート)及びNaClを、ミクロソーム膜調製物に添加し、それぞれ2% 及び 0.5Mの最終濃度を得る。サンプルを氷上で約1時間インキュベートし、そ して次に25mMのHEPES ,20%のグリセロール、 0.5MのNaClにより希釈し、0.75 %にCHAPS 濃度を低める。次に、サンプルを 200,000xgで1時間、遠心分離し、 そして上清液を回収し、そして例1.Cに記載のようにしてワックスシンターゼ 活性についてアッセイする。典型的には、ミクロソーム膜調製物からの11%のワ ックスシンターゼ活性が上清液画分に回収される。溶解されたワックスシンター ゼ活性は、−70℃で貯蔵さ れる場合、安定している。 C.Blue Aカラムクロマトグラフィー Blue A(Cibacron Blue F3GA;Amicon Division,W.R.Grace & Co.)により充 填された、約30mlの層体積を有するカラム(2.5×8cm)を調製し、そしてそのカ ラムを、 0.4MのNaClを含むカラム緩衝液(25mMのHEPES ,20%のグリセロール 、0.75%のCHAPS, 1mMのEDTA)により平衡化する。溶解されたワックスシンタ ーゼ調製物を、カラム緩衝液(25mMのHEPES ,20%のグリセロール、0.75%のCH APS ,1mMのEDTA)の添加により 0.4MのNaClに希釈し、そしてBlue Aカラムに 負荷する。 カラムを、タンパク質がカラムを通して流れる緩衝液に検出されなくなるまで (280nmでの吸光度により測定される場合)、 0.5MのNaClを含むカラム緩衝液に より洗浄する。94%以上のワックスシンターゼ活性がカラムに結合し、そして83 %以上の他のタンパク質が通過する。典型的には、負荷されたワックスシンター ゼ活性の約20%が溶出により回収される。 1.0MのNaClを含むカラム緩衝液によ り、回収された活性(17%)の一部が溶出し、そして回収された活性の約75%が 1.5MのNaClカラム緩衝液による 150mlの洗浄液に広いピークとして溶出する。 1.5Mの洗浄液の5ml画分を集め、そして例1に記載のようにしてワックスシン ターゼ活性についてアッセイする。ワックスシンターゼ活性を含む画分をプール し、そしてAmicon撹拌細胞単位及びYM30膜を用いて10倍に濃縮する。その濃縮さ れたワックスシンターゼ調製物を、−70℃で貯蔵する。 D.サイズ排除カラムクロマトグラフィー Blue A上でのクロマトグラフィー処理から集められた画分においては、脂肪ア ルコール及びアシル−CoA からのワックスエステルの形成を担当するアシル−ト ランスフェラーゼ酵素活性が、β−ケト アシル−CoA シンターゼの測定できる活性と共に同時溶出する。β−ケトアシル −CoA シンターゼ活性をこのワックスシンターゼ活性から、S100 セファロース を用いてのサイズ排除クロマトグラフィーにより分離できる。サイズ排除クロマ トグラフィーのための好ましいカラム緩衝液は、 1.0%をCHAPS を含んで成る。 なぜならば、0.75%のCHAPS で、酵素は凝集し、すなわちそれ自体及び他のタン パク質に付着する傾向があるからである。 1.0%のCHAPS に調整されたカラム緩 衝液の使用は、S100 上でのワックスシンターゼ活性のβ−ケトアシル−CoA シ ンターゼタンパク質からの明白な分離を可能にし、ここでワックスシンターゼが 保持され、そしてβ−ケトアシル−CoA シンターゼは排除される。大部分のワッ クスシンターゼ活性が、 57kDaの分子質量を有するピークとして、S100 サイズ カラムから溶出する。0.75%のCHAPS で、合計のアッセイ可能なワックスシンタ ーゼ活性のわずかな部分のみが 57kDaで見出され、そして残りはボイド及び保持 された画分上で分布した。 ワックスシンターゼはまた、放射性ラベルされたタンパク質、すなわち14C− パルミトイル−CoA と共にインキュベートすることにより上記方法によりラベル されているワックスシンターゼタンパク質のSDS ゲルに基づいて、約57kDa の推 定分子質量を有する。そのラベルされたバンドは、サイズ排除カラムから集めら れた画分においてワックスシンターゼ活性を示し、そしてβ−ケトアシル−CoA シンターゼ活性はS100 カラムにより完全に排除される。 Blue Aカラム画分からの最も有力な 57kDaタンパクとして、β−ケトアシル− CoA シンターゼはSDS PAGEから除かれたバンドからアミノ酸配列決定され得る。 ワックスシンターゼ活性はSDS PAGEにより単離され、そしてS100 上に保持され る画分から類似する方法によりクローン化され得る。 E.SDS PAGE分析 S100 又は活性Blue Aカラム画分からのサンプルを、SDS PAGEサンプル緩衝液 (1×緩衝液=2%のSDS,30mMのDTT,0.001%のブロモフェノールブルー)に より希釈し、そしてNOVEX(San Diego,CA)からの12%トリス/グリシンのプレ キャストゲル上での電気泳動により分析する。ゲルを 150Vの一定した電圧で約 1.5時間、作動する。タンパク質を、銀染色(Blum et al.,Electrophoresis(1 987)8:93-99)により検出する。ゲルの注意した試験は、約57kDの1つのポリ ペプチドを含む、数種類のみのポリペプチドを表わし、ここで種々の画分におけ る染色強度がそれらの画分に検出されるワックスシンターゼ活性の量と相互関係 している。さらに、放射性ラベルされた〔1−14C〕パルミトイル−CoA が、SD S PAGE分析の前、タンパク質調製物に添加される場合、そのゲルのオートラジオ グラフィーは、57kDのラベルされたバンドがそれらの画分におけるワックスシン ターゼ活性を示すことを現わす。他のタンパク質、たとえば同時継続出願USSN07 /767,251 に記載される56及び54kDレダクターゼタンパク質もまた、この調製物 に存在する。 F.連続相溶出 ワックスシンターゼタンパク質を、SDS-PAGE装置、Model491 Prep Cell(Bio- Red Laboratories,Inc.,Richmond,CA)を用いて、製造業者の教授に従って、 アミノ酸配列決定のために単離する。Blue Aカラムの 1.5MNaCl溶出からのワッ クスシンターゼ活性の一部(15ml)を、Centricon 30(Amicon Division,W.R. Grace & Co.,Beuerly,MA)により10倍に濃縮し、そしてPharmacia PD-10 脱塩 カラム上でカラム緩衝液により脱塩する。サンプルを2%SDS 及び少量のブロモ フェノールブルトラッキング染料により処理し、そしてPrep Cell 装置において 12%アクリルアミド試験ゲル20ml上での 4%アクリルアミドスタッキングゲル5ml上に負荷する。サンプルを10Wで電気 泳動し、そしてタンパク質を、それがゲルから溶出するにつれて、Prep Cell に より連続して集める。次に、溶出されたタンパク質を、画分コレクターにより 7 .5〜10mlの画分で集める。興味ある部分における個々の画分1ml(ワックスシン ターゼタンパク質の推定される57kDサイズに基づかれる)、Centricon30 により 40μlに濃縮し、そして2%SDS により処理する。サンプルを12%アクリルアミ ドミニーゲル(Norex)上に入れ、そして銀により染色する。ワックスシンターゼ の回収を最適化するための連続した相溶出方法に対する種々の変更が有用である 。そのような変更は、ゲルのゲル体積におけるアクリルアミドの百分率の調節、 及びゲルに適用されるワックスシンターゼの量に対する調節を包含する。たとえ ば、より多くの量のワックスシンターゼタンパク質を単離するためには、Blue A カラム画分は、多量、すなわち20〜55mlのアクリルアミドゲルに、ゲル20ml当た り約1mgのタンパク質の濃度で適用され得る。そのようなゲルから溶出されたタ ンパク質画分は次に、高められたバンド分離のために10〜15%のグラジエントア クリルアミドゲルに適用され得る。 個々の画分のタンパク質含有率を眼により評価し、そしてワックスシンターゼ タンパク質を含む画分をプールし、そしてアミノ酸配列決定のために濃縮する。 集められるワックスシンターゼ酵素の量を最大にするためには、56kDのレダクタ ーゼタンパク質バンドをまた含む画分が、プールされた調製物に含まれる。レダ クターゼタンパク質の配列は知られているので(図1を参照のこと)、プールさ れた調製物におけるワックスシンターゼタンパク質のさらなる精製は、アミノ酸 配列決定技法の適用の前、必要ではない(例5を参照のこと)。 G.膜へのタンパク質のブロット 他方、ワックスシンターゼタンパク質を、SDS-PAGEに続いて、PVDF膜、たとえ ばImmobilon-P(Millipore;Bedford,MA)又はProBlott(Applied Biosystems;Fo ster City,CA)のいづれかにトランスファーすることによりアミノ酸配列決定の ためにさらに単離する。ニトロセルロースへのトランスファーもまた有用である けれども、初期研究は、このタンパク質の疎水性質のために、ニトロセルロース 膜への劣ったトランスファーを示す。PVDF膜、たとえばProBlott及びImmobilon- P は、使用されるアミノ酸配列決定技法に依存して、異なった方法に好ましくは 使用される。たとえば、ProBlottへのトランスファーが、N−末端配列決定法の ために有用であり、そして臭化シアン消化からのペプチドの生成のためには、Im mobilon-Pが好ましい。 1.ニトロセルロースへのブロット:タンパク質がニトロセルロースにエレク トロブロットされる場合、そのブロット時間は、緩衝液、たとえば25mMのトリス 、 192mMのグリシン及び5〜20%のメタノールにおいて典型的には1〜5時間で ある。エレクトロブロットに続いて、膜を、酢酸中、 0.1%(w/v)のPoncea n S により2分間染色し、そして0.1%(v/v)の酢酸の2〜3日の交換によ り(それぞれ2分間)、脱色する。次に、それらの膜を加熱密閉されたプラスチ ック製バッグに−20℃で湿ったまま貯蔵する。時間が許すなら、ブロットを凍結 しないで、消化のためにすぐに使用し、上記のようにしてアミノ酸配列の決定の ためのペプチドを創造することができる。 2.PVDFへのブロット:タンパク質がImmobilon P PUDFにエレクトロブロット される場合、そのブロット時間は、緩衝液、たとえば20%(v/v)メタトル中 、25mMのトリス/ 192mMのグリシンにお いては一般的に約1〜2時間である。PVDFへのエレクトロブロットに続いて、膜 は50%(v/v)メタノール/10%(v/v)酢酸中、 0.1%(w/v)クーマ シーブルーにより5分間、染色し、そして50%(v/v)メタノール/10%(v /v)酢酸の2〜3回の変換により(それぞれ2分間)脱色する。次に、PVDF膜 を30分間、空気乾燥し、そして次に、加熱密封されたプラスチック製バッグにー 20℃で乾いたまま貯蔵する。PVDF膜、たとえばProBlottにブロットされるタンパ ク質を直接的に用い、損なわれていないタンパク質のN−末端配列を決定する。 ProBlottへのタンパク質のエレクトロブロットするための手段は、例5Aに記載 されている。 例5−アミノ酸配列の決定 この例においては、ワックスシンターゼ活性に関連する植物タンパク質のアミ ノ酸配列の決定法が記載される。 A.タンパク質の臭化シアン分解及びペプチドの分離 臭化シアン分解を、Promega,Inc.(Madison,WI)からのProbe-Design Pept ide Separation System Technical Manual に記載される方法を用いて興味ある タンパク質に対して行なう。ワックスシンターゼタンパク質を、精製された液体 サンプルとして入手できない場合、上記のようにしてPVDF膜にブロットする。そ のPVDFブロットからの精製されたワックスシンターゼタンパク質又はワックスシ ンターゼバンドを、70%(v/v)蟻酸中、臭化シアンの溶液に配置し、そして 室温で一晩インキュベートする。このインキュベーションに続いて、臭化シアン 溶液を除去し、プールし、そしてReacti-Vap Evoporator(Pierce,Rockford,I L)を用いて連続窒素流れ下で乾燥せしめる。PVDFからの臭化シアンペプチドの さらなる溶出が、ペプチド溶出溶媒、たとえば70%(v/v)イソプロパノール 、 0.2%(v/v)トリフルオロ酢酸、 0.1mMのリシン及び 0.1mMの チオグリコール酸を用いて行なわれ、完全な除去が確かめられる。次に、その溶 出溶媒を除去し、そして乾燥された臭化シアン溶液を含む塩に添加し、そして上 記のようにして乾燥せしめる。その溶出工程を、新鮮な溶出溶媒によりくり返す 。HPLCグレードの水50μlを次に、前記乾燥されたペプチドに添加し、そして水 をSpeed-Vac(Sarant,Inc.,Farmingdale,NY)における蒸発により除去する。 臭化シアン分解により生成されたペプチドを、Schagger and Von Jagow(Anal .Biochem.(1987)166:368-379)により記載されるシステムに類似するトリ ス/トリシンSDS-PAGEシステムを用いて分離する。ゲルを、 125〜150 ボルトの 一定電圧で約1時間、又はトラッキング染料がゲルの底の端を流出し始めるまで 、作動する。ゲルを、トランスファーする前、トランスファー緩衝液(125mMのト リス、50mMのグリシン、10%(v/v)のメタノール)に、15〜30分間ソークす る。ゲルを、50ボルトの一定電圧で2時間、ProBlott配列決定膜(Applied Biosy stems,Foster City,CA)にブロットする。膜をクーマシーブルー(50%(v/ v)メタノール/10%(v/v)酢酸において 0.1%)により染色し、そして50 %(v/v)メタノール/10%(v/v)酢酸により3×2分間、脱色する。膜 を、−20℃での貯蔵の前、30〜45分間、空気乾燥する。 ProBlott上にブロットされたペプチドを、Polybrene −被覆のガラス繊維フィ ルターの付加を伴わないで、タンパク質スクエンサーのスクエンサーカートリッ ジに直接的に負荷できる。ペプチドを、Applied Biosystem により供給されるBL OT-1のわずかに変性された反応サイクルを用いて配列決定する。また、溶液S3 (塩化ブチル)を、S1及びS2(n−ヘプタン及び酢酸エチル)の50:50混合 物により変換する。それらの2つの変性は、ProBlottにブロットされるサンプル が配列決定される場合いつでも用いられる。 B.プロテアーゼ消化及びペプチドの分離 液体溶液に提供される精製されたワックスシンターゼタンパク質又はニトロセ ルロースにブロットされたワックスシンターゼタンパク質を、配列決定のための ペプチドを得るために、プロテアーゼによる消化にゆだねる。この使用される方 法は、Aebersold,et al.(PNAS(1987)84:6970)の方法である。 ニトロセルロース上に提供されるタンパク質に関しては、ワックスシンターゼ タンパク質のバンド及びまた、対照として使用されるニトロセルロース上での等 量のブランクを、ニトロセルロース膜から切り、そしてPonceau S を除去するた めにHPLCグレードの水により数回洗浄する。この洗浄に続いて、 0.5%酢酸中、 0.5%ポリビニルピロリドン(PVP-40,Aldrich,Milwaukee,WI)1.0mlを前記膜 断片に添加し、そしてこの混合物を37℃で30分間インキュベートする。PVP-40を 完全に除去するために、ニトロセルロース断片を、HPLCグレードの水(8×5ml )により洗浄し、スペクトロメーター上で 214nmで前記洗浄物の吸光度を調べる 。また、PVP-40は、バンドがPVP-40処理及び洗浄まで、小さな断片に切断されな ければ、より容易に除去される。 溶液中の又はニトロセルロース断片上のタンパク質を、適切な消化緩衝液、た とえばトリプシン消化緩衝液、pH8.2 の 100mMの炭酸水素ナトリウム緩衝液又は エンドプロテイナーゼglu C 緩衝液、25mMの炭酸アンモニウム/1mMのEDTA(pH7 .8)に懸濁する。アセトニトリルを消化混合物に添加し、5〜10%(v/v)の 濃度にする。プロテアーゼを消化緩衝液に希釈し、そして消化混合物に、典型的 には、1:10(w/w)のプロテアーゼ:タンパク質の比で添加する。消化物を 18〜24時間インキュベートする。たとえば、トリプシン消化物は37℃でインキュ ベートされ、そしてエンドプロテイナー ゼglu C 消化物は室温でインキュベートされる。同様に、他のプロテアーゼ、た とえばlys C 及びasp N が、ワックスシンターゼタンパク質を消化するために使 用され得る。個々の消化緩衝条件は異なるけれども、消化、ペプチド分離、精製 及び配列決定のための手段は、トリプシン及びglu C による消化のために記載さ れる手段と実質的に同じである。 一晩のインキュベーションに続いて、消化反応を、10%(v/v)トリフルオ ロ酢酸(TFA)10μl又は100%TFA 1μlの添加により停止する。タンパク質がニ トロセルロース上に供給される場合、そのニトロセルロース断片を、5〜10%の アセトニトリルを含む消化緩衝液 100μlにより1〜5回洗浄し、そしてそれら の体積を、Speed-Vac を用いて、100μl以下の体積に濃縮する。 消化に起因するペプチドを、Applied Biosystems(Fuster City,CA)のモデル 130の高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)に設置されたVydac 逆相C18カラ ム(2.1mm×100mm)上で分離する。ペプチドを溶出するために使用される移動相は 次のものである:緩衝液A: 0.1mMのリン酸ナトリウム、pH2.2 。2時間にわた っての10〜55%緩衝液B,5分間にわたっての55〜75%緩衝液B及び15分間にわ たっての75%の同等緩衝液Bの50μl/分の流速での3段階グラジエントを使用 する。ペプチドを 214nmで検出し、手動的に集め、そして次に、−20℃で貯蔵す る。 ワックスシンターゼタンパク質の疎水性質のために、酵素消化緩衝液への界面 活性剤の添加が有用である。たとえば、ホホバのワックスシンターゼを含む、上 記の連続相溶出方法からの画分は、100mMのNaHCO3/ 1.0%のCHAPS においてCen tricon30 により 110μlの最終体積に濃縮される。 100mMのNaHCO3/ 1.0%のC HAPS 5μl中、トリプシン2μgがタンパク質溶液に添加され、そしてその混 合物は37℃で一晩インキュベートされ、そしてトリフルオロ酢酸(TFA)の添加に より消化を停止すく。サンプルを、軽く遠心分離し、そしてペプチドをVydac C 18カラム上で分離し、そして上記のようにして溶出する。この方法においては、 CHAPS は、40〜50%の緩衝液Bで溶出し、そしてこの領域におけるペプチドのピ ークを不明瞭にする。 一次分離が複雑なペプチドパターンを生成する場合、たとえば過剰のタンパク 質が使用され、又は汚染物(たとえばホホバレダクターゼタンパク質)が存在す る場合、ペプチドのピークは、同じカラムを用いて(但し、異なったグラジエン トシステム)、さらにクロマトグラフィー処理され得る、上記ホホバワックスシ ンターゼ調製物に関しては、親水性ピークが、60分間の0〜40%緩衝液B,35分 間の40〜75%緩衝液B及び10分間の75〜100%緩衝液Bのグラジエントを用いて 分離された。疎水性ピークは、40分間の0〜40%緩衝液B,60分間の40〜80%緩 衝液B及び10分間の80〜 100%緩衝液Bを用いて分離された。それらの分離のた めには、緩衝液Aは 0.1%TFA であり、そして緩衝液Bはアセトニトリル中、 0 .1%TFA である。 C.タンパク質及びペプチドのN−末端配列決定 すべての配列決定は、Applied Biosystems 477A Pulsed-Liquid Phase Protei n Sequencer 上でのEdman 分解により行ない;スクエンサーにより生成されるフ ェニルチオビタントイン(PTH)アミノ酸はオンラインのApplied Biosystems 120A PTA アナライザーにより分析される。データを集め、そしてApple Macintosh のためのApplied Biosystemsモデル610Aデータ分析システムを用いて、及びまた 、PE NELSON,Inc.からのACCESS4CHROMソフトウェアを用いてのDigital Microv ax(Capeotino,CA)上に貯蔵する。配列データは、PT H Analyzerからの入力を受けるチャートレコーダーから読み取られ、そしてモデ ル 610Aソフトウェアから得られた定量のデータを用いて確かめられる。すべて の配列データは、データ分析システムの助けを伴って、2つのオペレーターによ り独立して読み取られる。 HPLCのピークオフとして得られたペプチドサンプルに関しては、サンプルを、 スクエンサーにおける3回のプレーサイクルにゆだねられている、Polybrene 被 覆ガラス繊維フィルター(Applied Biosystems,Foster City,CA)上に負荷する 。還元され、そしてアルキル化されたペプチドに関しては、個々のスクエンサー のサイクルからの PTH−アミノ酸生成物材料の一部を、液体シンチレーションカ ウンターで計数する。Immobilon-P にエレクトロブロットされたタンパク質サン プルに関しては、興味あるバンドが切断され、そして次に、上記のようにプレー サイクルされた、Polybrene 被覆のガラス繊維フィルター上に配置し、そして反 応カートリッジを製造業者の規格に従って集める。ProBlottにエレクトロブロッ トされたタンパク質サンプルに関しては、ガラス繊維フィルターは必要とされな い。 小量のサンプル(5〜30pモル)からタンパク質配列を得るためには、Tempst and Riviere(Anal.Biochem.(1989)183:290)により記載されているように して、 477Aコンバージョンサイクル及び 120Aアナライザーを用いる。 上記のようにしてトリプシン消化により得られたホホバペプチドのアミノ酸配 列が、下記表2に与えれらる。 前記アミノ酸配列は、1文字コードを用いて表わされている。“X”は、アミ ノ酸が同定されていない位置を表わし、そして小文字により表わされるアミノ酸 は、低い程度の信頼を伴って同定された残基を表わす。 例6−追加のワックスシンターゼ及びレダクターゼの精製 A.他の生物からのワックスシンターゼの部分的に精製された調製物を得るため へのホホバワックスシンターゼ溶解及び精製方法の適応が記載されている。 アシネトバクター アシネトバクターカルコアセチカス(Acinetobacter calcoaceticus)株BD413( ATCC #33305)の細胞をECLB(E.コリのルリアブイヨン)上で増殖せしめ、対 数増殖期で集め、そしてHepes,pH7.5,0.1MのNaCl、1mMのDTT 及びプロテア ーゼインヒビターを含む緩衝液により洗浄する。洗浄された細胞を新鮮な緩衝液 に再懸濁し、そしてFrench圧力セル(約16,000p.s.i で2回通す)を通すことに より破壊する。破壊されなかった細胞を、5000xgでの10分間の遠心分離により除 去し、そして膜を、100,000xg での1時間の遠心分離 により集める。その膜ペレットを、貯蔵緩衝液(25mMのHepes,pH7.5,10%(w /v)のグリセロール)中で均質化する。ワックスシンターゼ活性を、基質とし て〔1−14C〕パルミトイル−CoA 及び18:1アルコールを用いて、例1Bにお いてホホバ酵素について記載されるアッセイ条件を用いて、それらの膜において 検出する。 ワックスシンターゼ活性を、例1Bにおいてホホバ酵素について記載されるよ うにして、 0.5MのNaClの存在下で2%CHAPS と共に前記膜のインキュベーショ ンにより溶解する。その活性の可溶化は、200,000gで1時間の遠心分離の後、 その上清液画分におけるワックスシンターゼ酵素活性の検出により、及びサイズ 排除クロマトグラフィー(すなわち、その活性が対称ピークとして、保持された 画分におけるカラムから溶出する)により示される。溶解された酵素の活性は、 CHAPS 濃度の約 0.3%(すなわちそのCMC 以下)の濃度への単純な希釈により検 出される。リン脂質小胞中への酵素の組込みは、溶解された活性を検出するため には必要とされない。 精製に関しては、溶解されたアシネトバクターワックスシンターゼ活性が、ホ ホバアシル−CoA レダクターゼに関して記載される方法に類似するクロマトグラ フィー精製法にゆだねられる。可溶性タンパク質調製物を、低塩条件下で(0.75 %のCHAPS 、10%のグリセロール、25mMのHepes 、pH7.5 を含むカラム緩衝液に おいて 150mMのNaCl)、Blue Aアガロースカラムに負荷し、そしてカラム緩衝液 中、 1.0MのNaClを用いて、カラムから溶離する。 Superoseに(Pharmacia;Piscataway,NJ)媒体上でのサイズ排除クロマトグ ラフィーを用いて、生来の酵素のサイズの評価を得、そして候補体ポリペプチド の同定を助けることができる。同一の条件下でクロマトグラフィー処理された分 子質量標準との比較は、生来のワックスシンターゼ活性のために約46kDの評価を 生ぜしめる。 45kD,58kD及び64kDの見掛分子質量を有する3種のポリペプチドバンド(ワック スシンターゼ活性を有する)を同定した。45kDのポリペプチド、すなわちワック スシンターゼのための最強の候補体のN−末端配列は、XDIAIIGSGsAGLAQaxilkda g として決定され、ここでアミノ酸のための1文字コードが使用され、“X”は アミノ酸が同定されていない位置を表わし、そして小文字で表わされるアミノ酸 は、より低い信頼性を伴って同定された残基を表わす。さらに、アシネトバクタ ーワックスシンターゼタンパク質のトリプシンペプチドの配列は、QQFTVWXNASEP S として同定される。 ユーグレナ ユーグレナグラシリス株Z(ATCC No.12716)を、適度に振盪しながら、26℃で 、暗室において従属栄養的に増殖せしめる(Tani et al.(1987)Agric.Biol. Chem.51:225-230)。細胞を集め、そして25mMの Bis-Tris-Propane,pH7.0,0. 25MのNaCl及び1mMのEDTAを含む緩衝液により洗浄する。洗浄された細胞を新鮮 な緩衝液に再懸濁し、そしてFrench圧力セル(約16,000p.s.i で2回通す)を通 すことにより破壊する。破壊されなかった細胞、細胞残骸及び核を、20,000xgで の20分間の遠心分離により除去し、そしてミクロソーム膜を、200,000xg での1 時間の遠心分離により集める。その膜ペレットを、貯蔵緩衝液(25mMの Bis-Tri s-Propane,pH7.0,0.25MのNaCl,10%(w/v)のグリセロール及び1mMのED TA)中で均質化する。ワックスシンターゼ活性を、ホホバ酵素に関して記載して いるようなアッセイ条件を用いてそれらの膜において検出する。放射性ラベルさ れた基質は、ホホバの例に関してと同じであるが(すなわち、〔1−14C〕パル ミトイル−CoA)、しかしながら、18:1よりもむしろ16:0がアルコールアクセ プターとして使用され、そしてBis-Tris-Propane緩衝液(pH7.0)が用いられる。 ユーグレナワックスシンターゼ活性を、 0.5MのNaClの存在下で2%CHAPS と 共に前記膜のインキュベーションにより溶解する。タンパク質の可溶化は、 200 ,000xgでの1時間の遠心分離の後、その上清液画分における酵素活性の検出によ り示される。溶解された酵素の活性は、CHAPS 濃度の約 0.3%(すなわち、その CMC 以下)の濃度への希釈により検出される。リン脂質小胞中への酵素の組込み は、溶解されたホホバワックスシンターゼについての場合のように必要とされな い。 部分的精製に関しては、溶解されたユーグレナワックスシンターゼ活性が、Bl ue Aアガロース媒体上でのクロマトグラフィー分離にゆだねられる。カラムを、 25mMの Bis-Tris-Propane,pH7.0,20%(w/v)のグリセロール、0.75%のCH APS 及び1mMのEDTAを含むカラム緩衝液における 0.1MのNaClにより平衡化する 。溶解されたワックスシンターゼ活性を含むサンプルを、 0.1MのNaClに希釈し 、そして1×7cmのカラム(5.5ml の層体積)上に負荷する。カラムを平衡緩衝 液により洗浄し、そしてカラム緩衝液において、線状NaClグラジエント(0.1M 〜 1.0MのNaCl)にゆだねる。ワックスシンターゼ活性を、塩グラジエントの最 後の半分で広いピークとして溶出する。 カラム画分のSDS-PAGE分析は、カラムから溶出する活性のポリペプチド複雑性 が負荷された材料に関してひじょうに減じられることを示す。約41kDの見掛分子 質量を有するポリペプチドは、カラム画分におけるワックスシンターゼ活性を示 すことが観察された。ホホバ及びアシネトバクターに関して記載されるような追 加の精製技法が、約41kDのペプチドとワックスシンターゼ活性との関連性を確証 するために行なわれる。 ユーグレナにおけるワックスシンターゼ活性のさらなる分析のた めに、サイズ排除クロマトグラフィ処理を次のように行なった。ミクロソーム膜 調製物を、暗室で、従属栄養性液体培地(Tani et al.,前記)上で増殖されたユ ーグレナ細胞から得た。ワックスシンターゼ活性を、緩衝溶液(25mMの Bis-Tri s,pH7.0,1mMのEDTA及び10%(w/v)のグリセロール)中、2%(w/v) のCHAPS 及び 500mMのNaClにより前記膜を氷上で1時間、処理することによって 溶解した。CHAPS を0.75%に及びNaClを 200mMに希釈緩衝液の添加により希釈し た後、サンプルを約 200,000xgで 1.5時間、遠心分離した。上清液画分を、 200 mMのNaClを含むカラム緩衝液(25mMの Bis-Tris,pH7.0,1mMのEDTAN、10%の グリセロール、0.75%の(HAPS)により前もって平衡化されたBlue A染料カラム 上に負荷した。そのカラムを、 200mMのNaClを含むカラム緩衝液により、流出液 のA280 がプレロード値に戻るまで洗浄した。カラムに結合したワックスシンタ ーゼ活性を、カラム緩衝液におけるNaCl濃度を 1.5Mに高めることによって開放 した。1.5MのNaCl(約20mlの組合された体積)により放されるワックスシンタ ーゼ活性を含むBlue Aカラムからの画分をプールし、そして限外濾過(YM30膜を 備えたAmicon圧力セル)を通して約30倍に濃縮した。Blue Aカラムからのその濃 縮された材料を、Superoseに媒体(Pharmacia)上でのサイズ排除クロマトグラフ ィーによる分離のためのサンプルとして使用した。 約200μlのサンプルを、 0.5MのNaClを含むカラム緩衝液により予備平衡化 された Superose 12カラム(HR10/30)上に負荷し、そして 0.1ml/分の流速で 進行せしめた。ワックスシンターゼ活性は、平らなピークとしてカラムから溶出 した。ワックスシンターゼ活性の溶出体積と分子質量標準タンパク質の溶出プロ フィールとの比較は、酵素の見掛分子質量が 166kDである評価を生んだ。ワック スシンターゼ活性を含む画分を、 SDS−ポリアクリルアミドゲル電 気泳動、続いて銀染色により分析した。種々の画分のポリペプチドプロフィール の予備分析は、 100kD又はそれ以上の分子質量を有するいづれかのタンパク質を 示し、そしてこの染色強度は、活性プロフィールと適合するように思えた。ワッ クスシンターゼポリペプチドは、銀染色ゲル上で容易に検出できない、サンプル 混合物におけるマイナーな成分として存在する。他方、酵素は、SDS-PAGEの間、 関連するサブユニットから構成され得る。 B.ホホバレダクターゼ;たとえば図1に提供される配列によりコードされるも のの他に、他の源からのレダクターゼタンパク質はまた、本発明のワックスシン ターゼタンパク質と一緒に使用するために所望される。そのようなタンパク質は 、アルコール及びアシル基質からワックスエステルを生成することが知られてい る生物から同定され、そして得られる。 たとえば、NADH−依存性脂肪アシル−CoA レダクターゼ活性は、ユーグレナ・ グラシリスから単離されたミクロソーム膜から得られる。ミクロソーム膜を単離 するために使用され得る方法は、たとえば公開されたPCT 特許出願WO92/14816( 1992年2月21日に出願された出願番号 PCT/US92/03164)に記載されている。そ のレダクターゼ活性は、ホホバレダクターゼ及びワックスシンターゼのために使 用されるのと同じアプローチを用いてそれらの膜から溶解される。膜を、25mMの Bis-Tris,pH6.9,250mMのNaCl、10%グリセロール及び1mMのEDTAから成る緩衝 溶液において、種々の量の界面活性剤、CHAPS と共に氷上で1時間インキュベー トする。次に、サンプルを 200,000xgで1時間、遠心分離し、そして上清液及び ペレット画分を、基質として放射性ラベルされたパルミトイル−CoA 及びNADHを 用いてNADH−依存性レダクターゼ活性についてアッセイする。レダクターゼ活性 についての便利なアッセイは、PCT 特許出願WO92/14 816 に記載されている。膜と0.3,0.5又は 0.7%(w/v)のCHAPS とのインキ ュベーションは、上清液画分におけるレダクターゼ活性の保持をもたらし、これ は別記酵素の可溶化の表示である。CHAPS がインキュベーョン及び遠心分離の間 、排除される場合、レダクターゼ活性のすべては、ペレット画分に見出される。 すべてのサンプルを、インキュベーションの間、存在するCHAPS を希釈するため に、アッセイの前、同じ緩衝溶液において10倍に希釈する。CMC(約 0.5%(w/ v)以上のレベルでのアッセイにおけるCHAPS の存在は、酵素活性の阻害をもた らす。2%までのCHAPS におけるレダクターゼ活性の安定性は、緩衝溶液におけ るグリセロール溶液を20%に高めることによって改良され得る。レダクターゼ活 性は、CMC 以下にCHAPS を希釈することによって回収される。 例7−核酸配列の単離 cDNAライブラリー又はゲノムDNA からの核酸配列の単離が記載されている。 A.ホホバcDNAライブラリーの構成 Jackson and Larkin(Plant Physiol.(1976)57:5-10)により始めに記載 され、そしてGoldberg et al.(Developmental Biol.(1981)83:201-217) により変性されたような、ポリリボソーム単離法を用いて、葯形成後80〜90日で 集められたホホバ胚から、RNAを単離する。この方法においては、すべての段階 は、特にことわらない限り、4℃で実施される。10gの組織を、Waringブレンダ ーにより、液体窒素中で、その組織が細かな粉末になるまで、粉砕する。液体窒 素が蒸発した後、 170mlの抽出緩衝液(200mMのトリス、pH9.0,160mMの KCl、25 mMのEDTA、70mMのMgCl2 、1%のTriton X-100、 0.5%のナトリウムデオキシコ レート、1mMのスペルミジン、10mMのβ−メルカプトエタノール及び 500mMのス クロース)を添加 し、そして組織を約2分間、均質化する。そのホモジネートを、無菌のミラクロ ス(miracloth)を通して濾過し、そして12,000xgで20分間、遠心分離する。上清 液を 500mlの無菌フラスコ中にデカントし、そして1/19体積の20%界面活性剤 溶液(20% Brij 35,20% Tween 40, 20% Noidet D-40 w/v)を室温で添加す る。その溶液を適度な速度で、4℃で30分間、撹拌し、そして次に、その上清液 を12,000xgで30分間、遠心分離する。 約30mlの上清液を無菌のTi60遠心分離管中にアリコートし、そして40mMのトリ ス、pH9.0 ,5mMのEGTA、 200mMのKCl 、30mMのMgCl2 、 1.8Mのスクロース、 5mMのβ−メルカプトエタノールを含む溶液7mlを積層する。管の上部に抽出緩 衝液を充填し、そしてTi60ローターにより、60,000rpm で4時間、4℃で回転せ しめる。遠心分離に続いて、上清液を吸い出し、そして 0.5mlの再懸濁緩衝液( 40mMのトリス、pH9.0 ,5mMのEGTA、 200mMのKCl 、30mMのMgCl2、5mMのβ− メルカプトエタノール)を個々の管に添加する。管を氷上に10分間、配置し、そ の後、ペレットを十分に再懸濁し、そしてプールする。次に、上清液 を120xgで 10分間、遠心分離し、不溶性材料を除去する。20mMのトリス、pH7.6,200mMのED TA、2%のN−ラウリル−サルコシネート中、自己消化された1mg/mlのプロテ イナーゼKの溶液1体積を前記上清液に添加し、そしてその混合物を室温で30分 間インキュベートする。 RNA を、酢酸ナトリウム1/10体積及びエタノール2体積を添加することによ って沈殿せしめる。−20℃で数時間後、RNA を12,000xgで30分間、4℃での遠心 分離によりペレット化する。ペレットをTE緩衝液(10mMのトリス、1mMのEDTA) 10mlに再懸濁し、そして等体積のトリス(pH7.5)及び飽和されたフェノールによ り抽出する。相を、10,000xgで4℃で20分間の遠心分離により分離する。水性相 を除き、そして有機相を1体積のTE緩衝液により再抽出する。次に水性相をプー ルし、そして1体積のクロロホルムにより抽出する。相を再び、遠心分離により 分離し、そして水性相を、前記のようにしてエタノール沈殿し、ポリリボソーム RNA を得る。 ポリリボソームRNA 調製物における多糖類汚染物を、高塩緩衝液(0.5MのNaCl 、20mMのトリス、pH7.5 ,1mMのEDTA、 0.1%のSDS)によりセルロースカラム(S igma-cell 50)上でRNA を処理することにより除去する。汚染物はカラムに結合 し、そしてRNA を溶出液に集める。溶出液画分をプールし、そしてRNA をエタノ ール沈殿せしめる。次に、沈殿された合計のRNA を再懸濁し、そしてオリゴd( T)セルロースカラムに適用し、ポリアデニル化されたRNA を単離する。 ポリアデニル化されたRNA を用いて、市販のクローニングベクターBluescribe M13-(Stratagane Cloning Systems;San Diego,(A)に由来し、そして次のよ うにして製造される、プラスミドクローニングベクターpCGN1703にcDNAライブラ リーを構築する。BLuescribe M13−のポリリンカーを、BamHIによる消化、亜エ ンドヌクレアーゼによる処理、及びブラント末端連結により変性し、BamHI−欠 失プラスミド、pCGN1700を創造する。pCGN1700をEcoRI及びSstI(隣接する制 限部位)により消化し、そしてBamHI, PstI, XbaI, ApaI及び SmaI,AA TTの5′オーバーハング及びTCGAの3′オーバーハングのための制限部位を有す る合成リンカーによりアニールする。pCGN1700中への前記リンカーの挿入は、Ec oRI部位を排除し、Bluescribeに見出される SstI部位(また、時々、“ SacI ”としても言及される)を再び創造し、そしてリンカー上に含まれる新しい制限 部位を付加する。得られるプラスミドpCGN1702をHindIIIにより消化し、そして クレノウ酵素によりブラント末端化し;線 状DNA をPvuIIにより一部消化し、そして希釈溶液においてT4 DNAワックスシン ターゼにより連結する。欠失されるlac プロモーター領域を有する形質転換体を 選択し(pCGN1703)、そしてプラスミドクローニングベクターとして使用する。 手短に言えば、cDNA合成のためのクローニング法は、次の通りである。プラス ミドクローニングベクターを、 SstIにより消化し、そしてホモポリマーT−末 端を、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼを用いて、得られ た3′−オーバーハング付着端上に生成する。末端化されたプラスミドを、消化 されていないか又は末端化されていないプラスミドから、オリゴ(dA)−セルロ ースクロマトグラフィーにより分離する。得られるベクターは、ベクタープラス ミドのいづれかの末端に共有結合されるcDNAの第1鎖の合成のためのプライマー として作用する。cDNA−mRNA−ベクター複合体を、デオキシグアノシントリホス フェートの存在下でターミナルトランスフェラーゼにより処理し、cDNA鎖の末端 でG−末端を生成する。BamHI部位に隣接する特別のcDNA−mRNA複合体をBamHI 消化により除去し、1−端でBamHI付着端及び他端でG−末端を有するcDNA−mR NA−ベクター複合体を生成する。この複合体を、5′BamHI付着端、制限酵素 N otI、EcoRI及び SstIのための認識配列及び3′C−末端を有する、アニール された合成環化リンカーを用いて環状化する。連結及び修復に続いて、環状複合 体をE.コリ株DH5α(BRL,Gaithersburg,MD)中に形質転換し、cDNAライブラ リーを生成する。ホホバ胚のcDNAバンクは、約 500塩基対の平均cDNA挿入体サイ ズを有する約 1.5×106 個のクローンを含む。 さらに、ホホバのポリアデニル化されたRNA を用いて、クローニングベクター λ ZAPII/EcoRI(Stratagene,San Diego,CA)にcDNAライブラリーを構築する 。ライブラリーを、製造業者により供給 されるような手段、DNA 及び細菌株を用いて構築する。クローンを、製造業者の 推薦に従って、Gigapack Gold パッケージング抽出物(Stratagene)を用いてパ ッケージする。この態様で構築されたcDNAライブラリーは、約 400塩基対の平均 cDNA挿入体サイズを有する約1×106 個のクローンを含む。 B.ポリメラーゼ鎖反応 アミノ酸配列情報を用いて、核酸配列を、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)により得 る。選択されたペプチドフラグメントのアミノ酸配列に対応する合成オリゴヌク レオチドを合成する。タンパク質におけるフラグメントの順位が知られている場 合、たとえばペプチドの1つがN−末端からであり、又は選択されたペプチドが 1つの長いペプチドフラグメントを含む場合、わずか1つのオリゴヌクレオチド プライマーが個々の選択されたペプチドのために必要とされる。N−末端ペプチ ドのためのオリゴヌクレオチドプライマー、すなわち前者プライマー(forward primer)は、ペプチドのためのコード配列を含む。C−末端ペプチドのためのオ リゴヌクレオチドプライマー、すなわち逆方向プライマーは、選択されたペプチ ドのためのコード配列に対して相補的である。他方、選択されたペプチドの順位 が知られていない場合、2種のオリゴヌクレオチドプライマーが個々のペプチド のために必要とされ、ここで1つは選択されたアミノ酸配列をコードし、そして 他の1つは選択されたアミノ酸配列に対して相補的である。いづれかの配列決定 されたペプチドがオリゴヌクレオチドの構築のために選択され得るが、但し、よ り所望するペプチドは、コドンの最少数によりコードされるアミノ酸、たとえば メチオニン、トリプトファン、システイン及び4個よりも少ないコドンによりコ ードされる他のアミノ酸を含むものである。従って、オリゴヌクレオチドが選択 されたペプチドのためにすべての可能な 配列の混合物である場合、劣化オリゴヌクレオチドの数は低い。 PCR は、当業者に良く知られている技法を用いてそれらのオリゴヌクレオチド プライマーにより行なわれる。ホホバ核酸配列、たとえば逆転写されたcDNA、上 記のcDNAライブラリーから単離されたDNA 又はゲノムDNA は、それらの反応にお いて鋳型として使用される。この態様においては、DNA のセグメントが生成され る。同様に、アシネトバクターDNA のセグメントは、例6Aに記載されるN−末 端及びトリプシン消化ペプチドにオリゴヌクレオチドプライマーを用いてPCR 反 応から得られる。PCR 生成物は、所望するワックスシンターゼフラグメント付与 するそれらの反応を選択するためにゲル電気泳動技法により分析される。 C.配列のためのスクリーニングライブラリー PCR により得られたDNA フラグメントを標識化し、そして上記cDNAライブラリ ーからクローンをスクリーンするためのプローブとして使用する。DNA ライブラ リースクリーニング技法は当業者に知られており、そしてたとえば、Maniatis e t al.(Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Second Edition(1989)Col d Spring Harbor Laboratory Press)により記載されている。この態様において は、核酸配列について分析され得、そして種々の宿主、たとえば原生及び真核宿 主における脂肪アシル−CoA 代謝に関与する植物細胞質タンパク質の発現のため に使用され得る核酸配列が得られる。 約1500個のヌクレオチドのホホバcDNAクローンがこの態様で得られる。表2に 提供されるペプチドフラグメントとの比較は、翻訳された配列においてそれらの 個々のペプチドの存在を示す(但し、SQ1129を除く)。ホホバ胚RNA のノーザン 分析は、mRNAが長さ約2kbであることを示唆する。追加の核酸配列が、追加のPC R 技法、たとえば5′RACE(Frohman et al.,Proc.Nat.Acad.Sci.(1988)8 5 :8998-9002)を用いて得られる。他方、追加の配列が、cDNAライブラリーの再 スクリーニングにより又はゲノムDNA から得られる。ホホバ遺伝子の予備DNA 配 列が図2に示される。追加クローンのさらなるDNA 配列分析は、このホホバタン パク質をコードする少なくとも2種のcDNAが存在することを示唆する。pCGN1703 における完全なコード領域を含むプラスミドを、ATG 開始コドンの約8個のヌク レオチド5′側に SalI部位を含むように構築し、そしてpCGN7614と称する。pC GN7614の完全なDNA 配列は図3に示されている。図2及び3における配列に示さ れるように、2つの種類のcDNA間の主な差異は、図2のアミノ酸23及び24のため の6個のヌクレオチドコード配列の存在(図2)又は不在(図3)である。 D.E.コリにおいてのワックスシンターゼ活性の発現 pCGN7614からの遺伝子を、次のようにしてE.コリ発現ベクターのpDR540(Pha rmacia)のTac プロモーターの制御下に置く。pCGN7614のDNA を SalI部位で消 化し、そしてその末端をDNA ポリメラーゼIのクレノウフラグメント及びヌクレ オチドTTP 及びdCTPを用いて一部、フィルインする。pDR540ベクターを、BamHI により消化し、そしてdGTP及びdATPにより前記末端を一部フィルインすることに よって調製する。pCGN7614からの 1.8kbフラグメント及び消化されたpDR540ベク ターを、低い溶融温度のアガロースを用いてゲル精製し、そしてT4 DNAリガーゼ を用いて一緒に連結する。E.コリプロモーターに対してセンス配向にコード配 列を含むコロニーをpCGN7620と命名し、そしてアンチセンス配向に遺伝子を含む コロニーを、pCGN7621と命名する。 ワックスシンターゼ活性についてアッセイするために、pCGN7620及びpCGN7621 の培養物50mlを液体培地において対数相増殖期に増殖し、そしてIPTGを添加し、 1mMの濃度にすることにより2時間、誘 発する。細胞を遠心分離により収穫し、そしてホホバ抽出物について記載されて いるようにして、ワックスシンターゼ活性についてのアッセイにゆだねる。TLC 分析は、pCGN7620からの細胞抽出物がワックスエステルの合成を指図し、そして pCGN7621からの対照の抽出物がワックスエステルの合成を指図しないことを示す 。それらの収穫された細胞におけるワックスシンターゼアッセイは、第2アッセ イにより実証されたが、しかしながら、レダクターゼ構造体により形質転換され たE.コリ細胞におけるワックスシンターゼ活性を生成する試みは、好結果をも たらすものではなかった。 例8−植物発現のための構造体 植物細胞において脂肪アシル−CoA 代謝に関与する植物細胞質タンパク質の発 現及び植物細胞におけるレダクターゼ配列の発現を提供する構造体を次のように して調製する。 A.発現カセット 種子組織において選択的に発現される遺伝子からの5′及び3′調節領域を含 む発現カセットを、たとえばWO92/03564 に記載されているように、ナピン、 B ce4及びACP 遺伝子から調製する。 たとえば、ナピン発現カセットを次のようにして調製する。ワックスシンター ゼ又はレダクターゼ遺伝子構造体の発現のために使用され得るナピン発現カセッ ト、すなわちpCGN1808は、Kridl et al.(Seed Science Research(1991)1:2 09-219)(引用により本明細書に組込まれる)により記載されている。 他方、pCGN1808を、二元ベクター、たとえばpCGN1557(McBride and Summerfe lt、前記)への、耐抗生物質マーカーではなく発現配列のみの移動を可能にする フランキング制限部位を含むように変性する。 KpnI, NotI、及びHindIII制 限部位を含む合成オリゴヌクレオチドをアニールし、そして1つのHindIII部位 のみが回収される ように、pCGN1808のユニークHindIII部位で連結する。得られたプラスミドpCGN3 200は、配列分析により確かめられるように、ナピン3′−調節配列の3′末端 でユニークなHindIII, NotI及びKpn 制限部位を含む。 ナピン発現カセットの大部分を、HindIII及び SacIによる消化及びHIndIII及 び SacI消化されたpIC19R(Marsh,et al.(1984)Gene 32:481-485)への連 結によりpCGN3200からサブクローン化、pCGN3212を製造する。ナピンプロモータ ー領域の末端5′−配列を、鋳型としてのpCGN3200及び SacI部位を両端に有す る2つのプライマーの使用、及びナピン5′−プロモーター、及びpCGN1808構造 体からのpCGN3200のpUC 主鎖の使用によるPCR により再構成する。前進プライマ ーは、 ClaI,HindIII, NotI及び KpnI制限部位、及びナピン5′−配列の ヌクレオチド 408−423(EcoRV部位から)を含み、そして逆方向プライマーは5 ′−プロモーターにおけるユニーク SacI部位を含むナピン配列 718−739 に対 する補体を含む。PCR を、製造業者の規格に従って、Perkin Elmer/Cetus のサ ーモサイクラーを用いて行なった。PCR フラグメントを、PUC(Vieiraand Messi ng(1982)Gene 19:259-268)中にブラント末端化されたフラグメントとしてサ ブクローン化し、そしてHincIIにより消化し、pCGN3217を得る。ナピン挿入体を 通してのpCGN3217の配列は、不適切なヌクレオチドがPCR により導入されなかっ たことを確証する。pCGN3217におけるナピン5′−配列を、 ClaI及び SacIに よる消化及び ClaI及び SacIにより消化されたpCGN3212への連結によりナピン 発現カセットの残りに連結する。その得られた発現カセットpCGN3221をHindIII により消化し、そしてナピン発現カセットをゲル精製し、そしてHindIIIにより 消化されたpIC20H(Marsh、前記)に連結する。最終発現カセットは、アンピシ リン耐性バックグラ ウンドに、pCGN1808に見出されるような、実質的に同一の 1.725ナピン5′及び 1.265ナピン3′調節配列を含むpCGN3223である。その調節領域を、HindIII, NotI及び KpnI制限部位によりフランキングし、そしてユニーク SalI, BglI I, PstI及び XhoIクローニング部位は5′及び3′非コード領域間に位置し ている。 同様に、オレオシン遺伝子からの5′及び3′領域の制御下での転写調節のた めの配列のクローニングのためのカセットを調製する。ブラシカナパスのオレオ シン遺伝子の配列は、Lee and Huang(Plant Phys.(1991)96:1395-1397)に より報告されている。公開された配列のプライマーをPCR反応に使用し、ブラシ カナパスcv.Westarからのオレオシン遺伝子の5′及び3′調節領域を得る。2 種のPCR 反応を行なう。1つはオレオシン遺伝子のためのATG 開始コドンの上流 に約 950個のヌクレオチドを増幅し、そして他の1つはオレオシン遺伝子のため のTAA 停止コドンの下流に(前記コドンも含む)約 600bpのヌクレオチドを増幅 する。PCR 生成物を、製造業者の方法に従ってプラスミドベクターpAMP1(BRL) 中にクローン化し、オレオシン5′フランキング領域を含むプラスミドpCGN7629 及び3′フランキング領域を含むpCGN7630を得る。PCR プライマーは、発現カセ ットと共に前記5′及び3′フランキング領域をクローニングするための便利な 制限部位を含んだ。pCGN7629からの5′フランキング領域を含む PstIフラグメ ントを、 PstIにより消化されたpCGN7630中にクローン化し、プラスミドpCGN76 34を得る。完全なオレオシン発現カセットを含む、pCGN7634からのBssHII(NewEn gland BioLabs)フラグメントを、BssHIIにより消化された pBCSK+(Stratagene) 中にクローン化し、プラスミドpCGN7636にオレオシンカセットを付与した。pCGN 7636におけるオレオシンカセットの配列は図4に与えられている。そのオレオシ ンカセットは、BssHII, KpnI及び XbaI制限部位によりフランキングされ、そして5′及び3′オレオ シン領域間に興味あるワックスシンターゼ、レダクターゼ又は他のDNA 配列を挿 入するための SalI,BamHI及び PstI部位を含む。 前記遺伝子配列をそのようなカセット中に挿入し、植物形質転換法のための発 現構造体を付与する。たとえば、そのような構造体を、下記のようにして、アグ ロバクテリウム介在の形質転換のために二元ベクター中に挿入する。 B.植物形質転換のための構造体 プラスミドpCGN7614を AflIIIにより消化し、そして AflIII付着端に BclI部 位を付加するためにアダプターにより連結し、続いて SalI及び BclIにより消 化する。脂肪アシル−CoA 代謝遺伝子に関与する植物細胞質タンパク質を含むフ ラグメントをゲル精製し、そして SalI/BamHIにより消化されたpCGN3223、す なわちナピンカセット中にクローン化する。ナピンカセットにセンス配向で脂肪 アシル−CoA 代謝遺伝子に関与する植物細胞質タンパク質を含むその得られたプ ラスミドを、pCGN7624と命名する。pCGN7624から単離されたDNA をAsp718(Kpn Iアイソジゾマー)により消化し、そして脂肪アシル−CoA 代謝融合遺伝子に関 与するナピン/植物細胞質タンパク質を、Asp718により消化された二元ベクター pCGN1578(McBride and Summerfelt、前記)中にクローン化する。pCGN7626と命 名されたその得られた二元ベクターをアグロバクテリウム株EHA101中に形質転換 し、そしてアラビドプシス及びナタネ種子外植体の形質転換のために使用する。 追加の二元ベクターを、pCGN1578,pCGN1559及びMcBride et al.(前記)によ り記載される他のベクターから、次のような制限消化部位:Asp718/ AscI/ P acI/ XbaI/BamHI/ SwaI/Sse838 7(PstI)/HindIIIを含むリンカー領域によるpCGN1578及びpCGN1559リンカー 領域の置換により調製する。これは、pCGN1578PASS又はpCGN1559PASS、及び同様 にして命名される他の変性されたベクターをもたらす。 AscI, PacI, SwaI 及び Sse8387は8−塩基の制限認識部位を有する。それらの酵素はNew England BioLabs から入手でき(AscI及び PacI)、 SwaIはBoehringer Manheimから、 そしてSse8387 はTakara(Japan)から入手できる。 C.植物形質転換のためのレダクターゼ構造体 ナピン遺伝子からの5′及び3′調節領域を用いての植物細胞におけるレダク ターゼの発現のための構造体が調製される。 pCGN7571と命名されたレダクターゼcDNA(上記のpCGN1703ベクターにおける) を SphIにより消化し(塩基1594−1599での3′末翻訳配列の部位)、そして S alIリンカーをこの部位で挿入する。得られたプラスミドをBamHI及び SalIに より消化し、そしてレダクターゼcDNAを含むフラグメントをゲル精製し、そして BglII/ XhoIにより消化されたpCGN3223中にクローン化し、pCGN7585をもたら す。 ナピン5′/レダクターゼ/ナピン3′構造体を含むpCGN7585のHindIIIフラ グメントを、HindIIIにより消化されたpCGN1578(McBride and Sammerfelt、前 記)中にクローン化し、植物形質転換のための二元ベクターpCGN7586を得る。 ナピンプロモーターの発現下でホホバレダクターゼ遺伝子をまた含む植物形質 転換構造体pCGN7589を次のようにして調製する。pCGN7571をインビトロ変異誘発 し、レダクターゼコード配列の最初のATG で NdeI部位及び NdeI部位のすぐ上 流に BglII部位を導入する。BamHIリンカーを前記レダクターゼコード領域の下 流の SphI部位中に導入する。1.5kbの BglII−BamHIフラグメントをゲル精製 し、そして BglII−BamHIにより消化されたpCGN3686(下記参照のこと)中にク ローン化し、pCGN7582を得る。 pCGN3686は、 Bluescript KS+(Stratagene Cloning System;San Diego,CA )に由来するクローニングベクターであるが、しかしクロラムフェニコール耐性 遺伝子及び変性されたリンカー領域を有する。クロラムフェルコール耐性遺伝子 、すなわちpCGN565 の源は、PUC12-cm(K.Buckleg Ph.D.Thesis,Regulation and expression of the phi x174 lysis gene,Urinersity of California,San Diego,1985)に基づくクローニングベクターであるが、しかしPUC18 リンカー (Yanisch-Perron,et al.,Gene(1985)53:103-119)を含む。pCGN565 を Hh aIにより消化し、そしてクロラムフェニコール耐性遺伝子を切り出し、亜ヌク レアーゼの使用によりブラント末端化し、そしてBluescript KS-(Stratagene:L a Jolla,CA)のEcoRV部位中に挿入し、pCGN2008を創造する。pCGN2008のクロラ ムフェニコール耐性遺伝子を、EcoRI/HindIII消化により除く。末端をブラン ト化するためにクレノウ酵素による処理の後、そのフラグメントを、 DraIによ り消化された Bluescript KS+に連結する。クロラムフェニコール耐性により置 換されたアンピシリン耐性を含む DraIフラグメントを有するクローンを選択し 、そしてpCGN2015と命名する。pCGN2015のリンカー領域を変性し、pCGN3686を付 与し、これは次の制限消化部位をlacZリンカー領域において5′から3′方向に 含む: PstI, BglII, XhoI,HincII, SalI,HindIII,EcoRV,EcoRI, PstI, SmaI,BamHI, SpeI, XbaI、及び SacI。 XhoIリンカーを、pCGN7582の XbaI部位で挿入する。レダクターゼ遺伝子を 含む BglII− XhoIフラグメントを単離し、そして BglII− XhoIにより消化さ れたpCGN3223中にクローン化する。ホホ バ遺伝子からの5′未翻訳リーダー配列を欠いている、その得られるプラスミド をpCGN7802と命名する。pCGN7802からのナピン/レダクターゼフラグメントをHi ndIIIにより切り出し、そしてHindIIIにより消化されたpCGN1578中にクローン化 し、pCGN7589を付与する。 追加のナピン/レダクターゼ構造体を次のようにして調製する。レダクターゼ cDNA,pCGN7571(図1)を変異誘発し、ATG 開始コドン(この部位は5′からAT G 方向に8個の塩基対を含む)に及びTAA 翻訳停止コドンのすぐ3′側に SalI 部位を挿入し、pCGN7631をもたらす。pCGN7631を SalIにより消化し、そしてレ ダクターゼコード配列を含む約 1.5kbのフラグメントを、 SalI/ XhoIにより 消化されたナピンカセットpCGN3223中にクローン化する。センス配向にレダクタ ーゼ配列を含むその得られたプラスミドをpCGN7640と命名する。pCGN7640をHind IIIにより消化し、そしてオレオシン/レダクターゼ構造体を含むフラグメント を、HindIIIにより消化された二元ベクターpCGN1559PASS中にクローン化し、二 元構造体pCGN7642を付与する。 オレオシン調節領域の制御下でのレダクターゼの発現のための構造体を次のよ うにして調製する。レダクターゼコード配列を、 SalIによるpCGN7631の消化及 び SalIにより消化されたpCGN7636、すなわちオレオシンカセット中への連結に より得る。センス配向に前記レダクターゼ配列を含むその得られたプラスミドを pCGN7641と命名する。pCGN7641を XbaIにより消化し、そしてオレオシン/レダ クターゼ構造体を含むフラグメントを、 XbaIにより消化された二元ベクターpC GN1559PASS中にクローン化し、二元構造体pCGN7643を得る。 二元ベクター構造体を、Halsters et al.(Mol.Gen.Genet.(1978)163: 181-187)の方法により、たとえばEHA101株(Hood et al.,J.Bacteriol(1986)168:1291-1301)のアグロバクテリウム細胞中に形 質転換し、そして下記のようにして植物形質転換法に使用する。 例9−植物形質転換法 表現型の変化をもたらすために配列の転写、又は転写及び翻訳を得るために植 物宿主のゲノム中に対象のDNA 配列を挿入する種々の方法が開発されて来た。 ブラシカ形質転換 高エルカ酸、たとえばクチクラReston、又はカノラ型の品種のブラシカナパス の種子を、95%エタノールに2分間、飽和し、数滴のTween20 を含む次亜塩素酸 ナトリウムの 1.0%溶液において45分間、表面殺菌し、そして無菌の蒸留水によ り3度すすぐ。次に、種子を、ピリオドキシン(50μg/l、ニコチン酸(50μ g/l)、グリシン(200μg/l)及び 0.6%Phytagar(Gibco)(pH5.8)により補 充された、Murashigo 最少有機培地(Gibco;Grand Island,NY)の1/10濃縮 物を含むMagenta 箱に入れる。種子をPercivalチャンバー中で22℃で発芽せしめ る。ここでは、約65μアインシュタイン/m2・秒(μEm-2・S-1)の強さの螢 光及び赤色光による16時間の光期間を伴う。 胚軸を、5〜7日の実生から切除し、長さ約4mmの断片に切り、そして育成プ レート(Horsch et al.,Sciomco(1985)227:1229-1231)上に置く。育成プレー トは、約30mlのMS塩基材(Carolina Biological,Burlington,NC), 100mg/lの イソシトール、 1.3mg/lのチアミン−HCl 、 200mgのKH2PO4及び3%スクロー ス、2,4−D(1.0mg/l),0.6% v/v Phytagar を含むペトリ皿(100×25ml) 上に 1.0mlのタバコ懸濁培養物をプレートすることにより、使用の1日前に調製 され、そしてそれはオートクレーブ処理する前、 5.8のpHに調節される(MA 0/1/0培地)。無菌のフィルター紙ディスク(Whatmon 3mm)を、使用の前、育成層の上部に配置する。タバコ懸濁培養物を、2,4−D (0.2mg/l)、Kinetin(0.1mg/l)を含む育成プレートについて記載されている ように、100mlの新鮮なMS培地中に10mlの培養物を週1回トランスファーするこ とにより継代培養する。育成細胞が使用されない実験においては、胚軸外植体を 切除し、そしてMS 0/1/0培地の上部のフィルター紙ディスコ上に置く。すべての 胚軸外植体は、30μEM-2-165μEM-2-1の強さの連続した光下で、24時間22℃ で育成プレート上でプレインキュベートされる。 所望する遺伝子構造体を有する二元ベクターを含むA.ツメファシエンス株EH A101の単一のコロニーを、5mlのMG/Lブイヨンにトランスファーし、そして30℃ で一晩増殖せしめる。胚軸外植体を、1×108 個の細菌/mlに希釈された細菌を 含むMG/Lブイヨン7〜12mlに含浸し、そして10〜25分後、育成プレート上に置く 。1lのMG/Lブイヨンは、5gのマンニトール、1gのL−グルタミン酸又は1. 15gのグルタミン酸ナトリウム、0.25gのKH2PO4、0.10gのNaCl、0.10gのMgSO4 -7H2O、1mgのビオチン、5gのトリプトン及び 2.5gの酵素抽出物を含み、そ してそのブイヨンはpH7.0 に調節されている。アグロバクテリウムとの48時間の 同時インキュベーションの後、胚軸外植体を、フィルター殺菌されたカルベニシ リン(500mg/l、オートクレーブ処理の後に添加される)及びカナマイシンス ルフェート(Boehringes Mannheim;Indianapolis,IN)を25mg/lの濃度で含む B5 0/1/0カルス誘発培地に移す。 65μEM-2-1の連続した光での培養の3〜7日後、カルス組織が切断面上に見 え、そして胚軸外植体を苗条誘発培地B5BZ(3mg/lのベンジルアミノプリン、 1mg/lのゼアチン、1%スクロース、 0.6%Phytagapに補充された、B5塩及びビタミン、及びpH5.8 に調節されてい る)に移す。この培地はまた、カルベニシリン(500mg/l)及びカナマイシンフ ルフェート(25mg/l)を含む。胚軸外植体を、新鮮な苗条誘発培地上で2週ご とに継代培養する。 苗条は、1〜3カ月後、胚軸カルスから再生する。少なくとも1cmの高さの若 い苗条をカルスから切除し、そしてB5塩及びビタミン、1%スクロース、カル ベニシリン(300mg/l)、カナマイシンスルフェート(50mg/l)及び 0.6% w/ v Phytagar を含む培地上に置く。2〜4週後、緑のまま存続する苗条をその基 部で切り、そして根誘発培地(B5塩及びビタミン、1%スクロース、2mg/l のインドール酪酸、50mg/lのカナマイシンスルフェート及び 0.6%のPhytagar )を含むMagenta 箱に移す。緑の根をもつ苗条を、チオエステラーゼ活性につい て試験する。 アラビドプシス形質転換 アラビドプシスタリアナのトランスゲニック植物を、Valverkans et al.,(Pr oc.Nat.Acad.Sci.(1988)85: 5536-5540)により記載されるようなアグロバ クテリウム介在形質転換により得る。構造体を、Holsters et al.(Mol.Gen. Genet.(1978)163:181-187)の方法により、アグロバクテリウム細胞、たと えばEHA101株(Hood et al.,J.Bacteriol(1986)168:1291-1301)中で形質 転換する。 ラッカセイの形質転換 対象のDNA 配列を、粒子衝撃により植物ゲノム中に、プロモーター領域、対象 の遺伝子及び終結領域を少なくとも含んで成る発現カセットして導入する。 手短に言えば、 0.5mM〜3mMのサイズのタングステン又は全粒子を、発現カセ ットのDNA により被覆する。このDNA は、水性混合物 又は乾燥 DNA/粒子沈殿物の形で存在する。 衝撃のための標的として使用される組織は、子葉外植体、苗条分裂組織、未熟 の小葉又は葯の形で存在できる。DNA 被覆粒子による組織の衝撃は、Biolistics (TM)粒子ガン(Dupont;Wilmington,DE)を用いて行なわれ得る。粒子は、銃口 から1〜14cmの種々の距離で銃に配置される。衝撃を与えられるべき組織は、停 止プレートの下に配置され;試験は20cmまでの距離で組織に対して行なわれる。 放出の瞬間、組織はナイロンネット又はナトロンネットと10mM〜300mM の範囲の メッシュとの組合せにより保護される。 衝撃に続いて、植物を、Atreya,et al.,(Plant Science Letters(1984)3 4:379-383)の方法に従って再生する。手短に言えば、胚軸組織又は子葉セグメ ントをMS培地(Murashige and Skoug,Physio-Plant.(1962)15:473)(子葉セ グメントのためにはMS+2.0 mg/lの6−ベンジルアデニン(BA))に配置し、そ して暗室において1週間25±2℃でインキュベートし、そして続いて、連続した 自己螢光(6.8w/cm2 )下に移す。培養の10日目で、苗を無菌の土壌を含むポッ トに移し、陰に3〜5日間維持し、そして最後に、温室に移す。推定上のトラン スゲニック苗条は根をつける。植物ゲノム中への外因性DNA の組込みは、当業者 に知られている種々の方法により確かめられ得る。 例10−ワックス生成についての形質転換された植物の分析 形質転換された植物からの種子又は他の植物材料を、例1に記載されるワック スシンターゼアッセイ法を用いてワックス活性について分析する。 レダクターゼ及びワックスシンターゼ構造体の両者を有する植物をまた、ワッ クス生成を測定するためにアッセイする。そのような植物は、上記のようなアグ ロバクテリウム形質転換法により調製さ れ得る。両方の所望する遺伝子構造体を有する植物を、レダクターゼ及びワック スシンターゼ構造体による同時形質転換により、又はワックスシンターゼ及びレ ダクターゼ構造体を単一の植物形質転換二元ベクター上に組合すことによって調 製できる。さらに、ワックスシンターゼ発現植物又はレダクターゼ発現植物の、 他の所望する遺伝子配列をコードする構造体による再形質転換はまた、そのよう なレダクターゼ及びワックスシンターゼ発現植物を供給するために使用され得る 。他方、本明細書に記載される方法により生成されるレダクターゼ発現植物は、 同様にして生成されたワックスシンターゼ発現植物と交配され得る。この態様に おいては、植物の育成の既知方法を用いて、レダクターゼ及びワックスシンター ゼ発現トランスゲニック植物を提供できる。 そのような植物は、Taniet al.(前記)により記載されるように、ワックスエス テルからのTAG の分離により、ワックスエステルの存在についてアッセイされ得 る。GC分析法を用いて、Pina et al.(Lipids(1987)22(5):358-361)に記載され るようにして、その得られたワックスをさらに分析することができる。 上記結果は、脂肪アルコール及び脂肪アシル基質からのワックスエステルの形 成において活性的である、一部精製されたワックスシンターゼタンパク質を得る 能力を示している。ワックスシンターゼタンパク質及びそのアミノ酸配列を得る ための方法が提供されている。さらに、アミノ酸配列から得られるワックスシン ターゼ核酸配列もまた提供されている。それらの核酸配列は、種々の用途に使用 される、ワックスシンターゼタンパク質の宿主細胞における発現及び/又はその 配列の転写を提供するために操作され得る。そのような用途は、ワックスシンタ ーゼが、宿主細胞に生来である脂肪アルコール基質の源を有する宿主細胞に用い られる場合、又はワックス シンターゼが、脂肪アシル基質からのアルコールの形成において活性的である脂 肪アシルレダクターゼタンパク質をコードする組換え構造体の使用により供給さ れる場合、ワックスエステル化合物の生成を包含する。 例11−VLCFA 生成に関しての形質転換された植物の分析 形質転換された植物からの種子を、脂肪酸含有率についてガスクロマトグラフ ィー(GC)により分析する。次の表は、百分率に基づいての脂肪酸の分解を提供 し、これは二元ベクターpCGN7626(例8)により形質転換された植物における、 変性されたVLCFA 生成を示している。 ホホバCEにより形質転換されたLEAR植物からのT3種子油の分析は、種子油の 7.8%までが24:1であることを示す。対照に良く見られるが、HEARであるRest on植物は典型的には、わづか約1%又はそれ以下の24:1を有する。 それらのデータは、pCGN7626によりコードきれる脂肪アシル−coA 代謝に関与 する植物細胞質タンパク質がいくつかの植物種からの種子油の脂肪酸組成を著し く変えることができることを明白に示している。VLCFA を蓄積しない植物におい ては、pCGN7626は、有意な量のVLCFA の蓄積を引き起こす。VLCFA を蓄積する植 物においては、pCGN7626は、より長いVLCFA への脂肪酸組成の変更を引き起こす 。 本明細書に開示されるホホバタンパク質配列についてのタンパク質データベー スを調べる場合、大きな領域の相同性が、ホホバコードタンパク質とスチルベン 、レゼルバトロール及びカルコンシンターゼとの間に見出された。スチルベン、 レゼルバトロール及びカルコンシンターゼはお互いひじょうに類似しており、そ れらは、1つの基質としてのマロニルCoA と共に、2種のCoA チオエステル間の 複数の縮合反応を触媒する。その縮合反応は、細胞質膜結合のエロンガーゼ酵素 についての提案された縮合反応に類似しており、ここで両者の場合、酵素は次の 2種の生成物を形成するために2つのCoA チオエステル分子の縮合を触媒する: β−ケトアシル−CoA チオエステル及び二酸化炭素。ホホバ遺伝子とカルコンシ ンターゼとの間の相同領域は、カルコンシンターゼ活性部位を含む(Lanz et al. “Site-directed mutagenesis of reservatrol and chalcone synthase,too ke y enzymes in different plant specific pathways”(1991)J.Biol.Chem.,266 :9971-6)。この活性部位は、酵素−脂肪酸中間体を形成することに関与してい ると推定される。 相同性はまた、ホホバタンパク質とKSA IIIとの間にも検出された。KSA IIIは 、CoA チオエステルのACP チオエステルへの縮合を触媒し、β−ケトアシル−AC P チオエステルをもたらす可溶性酵素である。二酸化炭素分子はこの反応におい て放される。 結論的ではないが、それらの注目される相同性は、ホホバ酵素がβ−ケトアシ ル−CoA シンターゼ活性を有するかも知れないことを示唆する。 例12−β−ケト−アシル−CoA シンターゼアッセイの分析 A.β−ケト−アシル−CoA シンターゼの活性を、次の方法に従って植物にお いて直接的にアッセイする。 成長している種子を、授粉後に収穫し、そして−70℃で凍結する。ブラシカナ パスに関しては、種子は授粉後29日で収穫される。適当の数の種子を融解し、そ して50mMのHepes-NaOH,pH7.5 、2mMのEDTA、 250mMのNacl、5mMのb−メルカ プトエタノールの溶液1mlにおいて均質化する(ブラシカナパスに関しては、ア ッセイ当たり20個の種子)。そのホモジネートを、15,000×gで10分間、遠心分 離し、そして油層を捨てる。上清液画分を集め、そして 200,000×gで1時間、 再び遠心分離する。 次にペレットを1mlの均質化用緩衝液に再懸濁し、そして200,000×gで1時 間、2度目の遠心分離を行なう。ペレットを 100mMのHepes-NaOH,pH7.5 、4mM のEDTA、10%(w/v)のグリセロール、2mMのb−メルカプトエタノールの溶 液50μlに再懸濁する。サンプル10μlを、反応混合物カクテルに添加し、そし て30℃で15分間インキュベートする。反応混合物中の成分の最終濃度は次の通り である:100mM のHepes-NaOH, pH7.5,1mMのb−メルカプトエタノール、 100 mMのオレイル−CoA 、44μM の〔2−14C〕マロニルCoA 、4mMのEDTA、及び5 %(w/v)のグリセロール。 反応を停止し、そしてβ−ケトアシル生成物を、0.1MのK2HPO4, 0.4MのKCl ,30%(v/v)のテトラヒドロフラン及び5mg/mlのNaBH4 を含んで成る還 元剤溶液 400μlの添加によりジオールに還元した(使用のすぐ前で溶液に添加 される)。その混合物を、37℃で30分間インキュベートする。中性脂質をサンプ ルから、トルエン 400μlの添加により抽出する。有機相 100μlに存在する放 射能を液体シンチレーションカウンターにより測定する。残るトルエン抽出物を 集め、そしてシリカG TLCプレート上にスポットする。TLC プレートを、ジエチ ルエーテル:濃NH4OH(100:1,v/v)において展開する。還元反応のジオー ル生成物の移動を、冷ジオール標準の使用により位置決定する。 B.この方法を用いて、植物を、検出可能なβ−ケトアシルシンターゼ活性の レベル又はその欠失を決定するためにアッセイすることができる。たとえば、HE AR植物は高レベルのβ−ケトアシルシンターゼ活性を有するが、しかしカノラ植 物は適切な酵素活性を示さない。このアッセイによれば、植物種又は品種は、β −ケトアシルシンターゼが活性についてスクリーンされ、変更されたVLCFA 生成 を達成するために本発明の配列による形質転換のための候補体を決定され、又は 関連する酵素のためのプローブによるスクリーニングにより候補体を決定される 。 このようなホホバcDNAコード配列は、高い及び低いエルカ酸のナタネ種子クチ クラを分化する変異を補うと思われる。ホホバ遺伝子により形質転換されたトラ ンスゲニック植物の表現型は、単一の酵素が20,22及び24個の炭素の脂肪酸の形 成を触媒できることを示す。一次LEAR形質転換体からの種子油はまた、20:1脂 肪酸よりも高レベルで22:1の脂肪酸を含む。これはまた、7626-212/86-2植物 から分析された個々のT2種子の大多数において真実であった。最 高のVLCFA 含有率を示す5個のT2種子はまた、20:1よりも高レベルの22:1 を含む。これは、β−ケトアシル−CoA シンターゼがVLCFA の形成において速度 限定段階であり、そして酵素活性が胚の生育を高めるにつれて、脂肪酸プロフィ ールはより長い鎖長の生成に変えられ得ることを示唆する。トランスゲニックHE AR植物の油における24:1脂肪酸の量の上昇及びVLCFA の量の付随する上昇を伴 わないでの、トランスゲニックアラビドプシス植物における22:1の量の上昇は 、HEAR及びアラビドプシスにおいてすでに富んでいる酵素活性の上昇よりもむし ろ、ホホバ、アラビドプシス及びブラシカ酵素の基質特異性の差異の結果である 。 例13−他のβ−ケト−アシル−CoA シンターゼ 活性β−ケトアシルCoA シンターゼと合致したサイズを有するスペロース上で クロマトグラフィー処理された前記活性シターゼは、2つの 138KDa サブユニッ トから構成されている。これは、その酵素がマルチマーとして活性的であるが、 しかしその酵素はホモダイマー、ヘテロダイマー又は高い順序においてはマルチ マーであり得ることを示唆する。その1つのサブユニットの質量は、SDS ゲル電 気泳動によれば57KDa であり、そしてcDNA配列の翻訳からの理論的な質量の計算 によれば59KDa であることが推定される。植物及び細菌FAS においての類似する 可溶性酵素、すなわちβ−ケトアシル−ACP シンターゼは、約50KDa のサブユニ ットを有するダイマーとして活性的である。カルコン及びスチルベンシンターゼ はまた、ダイマーとして活性的である。 ホホバβ−ケトアシル−CoA シンターゼサブユニットは、別個の59KDa タンパ ク質である。従って、ホホバにおける種子脂質FAE は、タイプIFAS に見出され る大きな多機能タンパク質により触媒されるよりもむしろ、タイプIIFAS に類似 する別個の酵素活性を有す る個々のポリペプチドから構成されている。ホホバ酵素はFAE におけるブラシカ 変異誘発を補なうので、ブラシカFAE はたぶん、タイプIシステムである。 dBEST データバンクを、BLAST ソフトウェアー(Altschulet al.,1990)を用 いてNCBIでホホバβ−ケトアシル−CoA シンターゼDNA 配列について研究した。 ホホバCE cDNA に相同の2種のアラビドプシスクローン(Genbank 受託番号Z26 005,Locus 39823;及びgenbank 受託番号TO4090,Locus 315250)が検出された 。 39823クローンは、ホホバβ−ケトアシル−CoA シンターゼクローンと高い程 度の相同性を示した。PCR プライマーは、アラビドプシスゲノムDNA からのこの 配列をPCR 増幅し、そしてクローン化するように企画されている。mRNAは、この クローンと交差ハイブリダイズする、生育アラビドプシス又は生育ブラシカ種子 のいづれにも検出されなかった。プローブはまた、相同配列がHEAR系とLEAR系と の間での差異を伴って分離するかいづれかを決定するように企画されたRFLPプロ ットにハイブリダイズされた。低いハイブリダイゼーション緊縮下で、多過ぎる 交差ハイブリダイズバンドが、HEAR系とLEAR系との間での多型現象を検出するた めに存在する。高いハイブリダイゼーション緊縮下で、前記バンドはHEAR表現型 を伴って分離しなかった。 関連酵素をコードするクローンを単離するために、ホホバβ−ケトアシル−Co A シンターゼ及びアラビドプシスlocus398293 のタンパク質配列を比較し、保存 されたドメインを見出した。いくつかのペプチド配列が、ホホバβ−ケトアシル −CoA シンターゼ及びアラビドプシス相同398293の翻訳において同一であった。 2種のペプチド:1)NITTLG(ホホバβ−ケトアシル−CoA シンターゼのアミノ 酸 389〜 394)及び2)SNCKFG(ホホバβ−ケトアシル−CoA シンターゼのアミ ノ酸 525〜 532)はまた、398293の翻訳に存在した。 変性オリゴヌクレオチドプライマーAAYATHACNACNYTNGG 及びSWRTTRCAYTTRAANCC は、それぞれのペプチドのセンス及びアンチセンス鎖をコードする。 上記プライマーは、ホホバβ−ケトアシル−CoA シンターゼcDNA及びアラビド プシス398293配列の両者からの約 430bpのDNA フラグメントをPCR 増幅せしめる 。それらのプライマーは、それらの保存されたペプチドでほぼ同一のアミノ酸を 共有する、他の組織及び他の種からの関連するタンパク質をコードするDNA 配列 をPCR 増幅するために使用され得る。その変性オリゴヌクレオチドを用いる場合 、若いアラビドプシスシリクエ(Arabidopsis silique)、HEAR及びLEAR RNAをRTP CR にゆだねた。予期されるサイズの目立ったバンドを、すべての3種のRNA か ら増幅した。1つのクローンはレストンPCR 反応から得られ、そして2つのクロ ーンは 212/86反応から得られ、ここでそれらは、CE15及びCE20と命名された、 2種のcDNAクローンを形成すると思われる。 212/86 CE15 クローンは、完全な CEタンパク質をコードした(図5)。それらのクローンから翻訳されたタンパク 質配列は、お互いと98%以上の同一性を有する。そのクローンは、ホホバβ−ケ トアシル−CoA シンターゼと約50%の相同性を有する。そのタンパク質のC−末 端部分は保存され、そしてcDNAは約70%の同一性を共有する。ブラシカの薬組織 及び成長している種子組織から単離されたRNA のノーガン分析は、CE20が生成し ている種子において高く発現され、そして薬においてはひじょうに低いレベルで 発現されることを示す。CE15は、薬においては高いレベルで、及び成長している 種子においてはより低いレベルで発現される。従って、CE20クラスは、生長して いるブラシカ種子においては脂肪酸延長に関与する活性縮合酵素であると思われ る。 元の 212/86 CE20 クローンは短く、そして開始メチオニンを含 まなかった。CE15及びCE20プローブによりスクリーンされたHEARブラシカカンペ ストリスライブラリーは、良好でない品質のものであり、そして短いクローンの みを生成した。従って、5′RACEを用いて、 212/86及びRestonからのCE20c DN A の5′末端をクローン化した。5′Raceクローンの配列は、Reston(HEAR)及び 212/86(LEAR)の両者におけるCE20のコード領域が 212/86 CE20 クローンの5 ′末端を越えて3個のアミノ酸を延長したことを示した。 次に、CE20プライマーを、完全な長さのCE20配列を得るために選択した。従っ て、CAUCAUCAUCAUGTCGACAAAATGACGTCCATTAACGTAAAG及びCUACUACUACUAGTCGACGGAT CCTATTTGGAAGCTTTGACATTGTTTAGを利用した。それらは、それぞれCE20のタンパク 質コード領域の5′及び3′末端に対して相同である。それらのプライマーは、 212/86(図6)及びReston(図7)からのCE20 cDNA(RTPCRによる)の完全な コード領域をPCR 増幅するために使用された。配列を、Cloae Ampベクター(BRL) におけるPCR 生成物のクローニングを促進するプライマーの末端のためにさらに 企画し、そして制限酵素部位を、トランスゲニックブラシカ植物におけるCE20の センス及びアンチセンス発現のためにナピン発現カセット中へのCE20クローンの 導入を可能にするために導入した。 ブラシカクローンCE15及びCE20から推定されるタンパク質を、保存された検出 できるタンパク質配列のいくつかの領域と共に、ホホバβ−ケトアシル−CoA シ ンターゼのタンパク質配列、及びアラビドプシス遺伝子座398293及び315250を一 列に並べることができる。従って、センス及びアンチセンスプライマーの異なっ た対を用いて、PCR 増幅することができ、そして植物及び動物種の両者の、多く の異なった組織からの関連するβ−ケトアシル−CoA シンターゼをコードするDN A を単離することができる。 表8からのそれらのプライマーは、ルナリアアヌア、(Lunariaannua)、トロパ オエル マジス(Tropaoelu majus)(ナスツリチウム)の生長している種子、及 びアラビドプシスタリアナの若いシリクエ種から単離されたRNA からのフラグメ ントをPCR(RTPCR)増幅するためにいろいろ使用された。最とも都合良く利用され たプライマーは、5381-CAUCAUCAUCAUGAATTCAAGCTTAARYTNBKNTAYCAYTA(ペプチド KL(L/G)YHYに対するセンスプライマー)及びCUACUACUACUAGGATCCGTCGACCCATNCCN CCNARRTT(ペプチドNLGGMGC に対するアンチセンスプライマー)であった。それ らのプライマーは、ARAB CE15,ARABCE17及びARAB CE17(それぞれ図8,9及び1 0)と命名された、アラビドプシスからのエロンガーゼ縮合酵素の一部をコードす る3種のクローンを生成するために使用された。 ルナリアから、単一のクローン、すなわちLUN CE8(図11)が固 定された。ルナリアはその種子油において高レベルの24:1脂肪酸を生成するの で(30%まで)、ルナリアの生長している種子から単離されたRNA からのcDNAラ イブラリーが構成され、そしてLUN CE8がこのルナリアcDNAライブラリーをスリ ーンするために使用された。 3種のクラスのcDNAクローン、ルナリア1、ルナリア5及びルナリア27(それ ぞれ図12,13及び14)を単離した。全クローンのうち、単離されたクローンの81 %(26/32)がルナリア5に類似するクラスのものであった。残りのうち、クロ ーンの16%(5/32)がルナリア1と命名された、PCR プローブ、LUN CE8に類 似した。1つのクローン、ルナリア27はユニークであった。 表9に見出されるように、ルナリア5は、ブラシカCE20クローンと約85%の相 同性を共有する。ブラシカ種子発現cDNAとの高い程度の相同性、及び成長する種 子組織における高い量のルナリア5cDNAは、ルナリア5が種子油脂肪酸延長にお いて活性的であるcDNAであることを示唆する。 最終的に、ナスツリチウム(Nasturtium)の部分的PCR クローンを、LUN CE8 を単離するために使用されたのと同じプライマーを用いて得た。そのナスツリチ ウムクローン(NAST CE26)の配列は、図15に与えられている。 異なった基質特異性を有する他の組織又は他の種からこの態様で得られたβ− ケトアシル−CoA シンターゼが、異なった鎖長の脂肪 酸を有する変性された種子油を創造するために使用され得る。これは、植物分類 群、たとえばルナリアから単離された酵素を包含し、これはその種子組織におい て有意な量の24:1脂肪酸を合成する。これはまた、24個以上の炭素の鎖長の脂 肪酸を合成できるいづれかの植物種のクチクラワックス合成に関与する酵素を包 含する。たとえば、ルナリア種子は、それらの種子油に30%まで24:1を含む。 生長しているルナリア種子からの粗抽出物に対する縮合酵素アッセイは、その酵 素が18:1から20:1,20:1から22:1及び22:1から24:1への延長で活性 的であることを示す。それらのデータは、ルナリアの酵素がトランスゲニック植 物において24:1を生成するのに有用であろうことを示唆する。実際、トランス ゲニックブラシカにおいてのホホバ酵素の発現は、24:1から成る種子油の 7.8 %までを有する植物をもたらした。ホホバ種子は単に、24:1として種子に油 4 .1%を生成する。上記のことは、トランスゲニック油の24:1含有率を高めるた めのアプローチの最初の記載を表わしている。 上記例はまた、表7のプライマーが種々の植物種から縮合酵素クローンを都合 良く単離するために有用され得ることも示している。それらのオリゴヌクレオチ ドは、これまでクローン化されたことがない、その対応する脂肪酸シンターゼ動 物遺伝子を単離するために特に有用である。β−ケトアシル−CoA シンターゼ発 現はヒトのいくつかの脱髄神経系疾患、たとえば腺白質萎縮症(adenoleukodgstr ophy),腺骨髄神経障害(adenomgelaneuropathy)及び多発性svlrtodid(Sargent and Coupland,1994)において抑制されるので、ヒト遺伝子は、ヒト遺伝子療法 において有用であるかも知れない。同様に、22:1又は24:1に富む植物油は、 それらの疾病のための有用な栄養治療剤であり得る。 本明細書に引用されたすべての出版物及び特許出願は、それぞれ個々の出版物 又は特許出願が引用により組込まれることを特別に且つ個々に示されているかの ように、引用により本明細書に組込まれる。 前述の発明は本発明を理解するために例示的且つ例的にいくらか詳細に記載さ れて来たが、一定の変更及び修飾が本発明の範囲内で行なわれ得ることは、当業 者に明らかであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI (C12P 7/64 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),CA,CN,JP,US (72)発明者 ラッセナー,マイケル ダブリュ. アメリカ合衆国,カリフォルニア 95616, デイビス,ファルコン アベニュ 721

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.植物種子細胞において24:1のひじょうに長い鎖の脂肪酸分子を生成する ための方法であって、前記植物は、さもなければ、前記ひじょうに長い鎖の脂肪 酸分子5重量%以上を有する種子を生成することができず、 下記段階: 植物を、前記植物が発現生成物の存在下で、前記植物種子において長鎖の脂肪 アシル−CoA 分子を生成する条件下で成長せしめる段階、ここで前記発現生成物 は、前記長鎖の脂肪アシル−CoA 分子と前記発現生成物との間で接触をもたらす ようにひじょうに長い鎖の脂肪酸分子−変更DNA 配列の発現を指図するために調 節要素に操作可能的に結合されたひじょうに長い鎖の脂肪酸分子−変更DNA 配列 であり、そして前記植物種子において前記ひじょうに長い鎖の脂肪酸分子を、5 重量%以上のレベルで生成する段階、を含んで成る方法。 2.前記ひじょうに長い鎖の脂肪酸分子が前記植物種子において7重量%以上 のレベルで生成される請求の範囲第1項記載の方法。 3.前記調節要素が植物種子の胚細胞において前記DNA 配列の好ましい発現を 指図する請求の範囲第1項記載の方法。 4.前記ひじょうに長い鎖の脂肪酸分子−変更DNA 配列がブラシカからの縮合 酵素コード配列である請求の範囲第1項記載の方法。 5.前記ブラシカのコード配列が縮合酵素のCE15クラスに対してである請求の 範囲第4項記載の方法。 6.前記ブラシカのコード配列が縮合酵素のCE20クラスに対してである請求の 範囲第4項記載の方法。 7.前記ひじょうに長い鎖の脂肪酸分子−変更DNA 配列がアラバ ドプシスからの縮合酵素コード配列である請求の範囲第1項記載の方法。 8.前記ひじょうに長い鎖の脂肪酸分子−変更DNA 配列がナスツリチウムから の縮合酵素コード配列である請求の範囲第1項記載の方法。 9.前記ひじょうに長い鎖の脂肪酸分子−変更DNA 配列がルナリアからの縮合 酵素コード配列である請求の範囲第1項記載の方法。 10.前記ルナリアのコード配列がルナリア5である請求の範囲第9項記載の方 法。 11.前記調節要素が植物種子の胚細胞において前記DNA 配列の選択的発現を指 図する請求の範囲第1項記載の方法。 12.請求の範囲第1項記載の方法に従って生成されたひじょうに長い鎖の脂肪 酸分子を含む植物種子。 13.請求の範囲第1項記載の方法に従って生成された植物種子。 14.VLCFA の与えられた割合から植物中のVLCFA の割合を低めるための方法で あって; 植物を、前記植物がβ−ケトアシル−CoA −減少DNA 配列の発現を指図するた めに調節要素に操作可能的に結合されたβ−ケトアシル−CoA −減少DNA 配列の 存在下でVLCFA 及びβ−ケトアシル−CoA シンターゼを生成する条件下で成長せ しめ、ここで前記DNA 配列が前記植物のβ−ケトアシル−CoA DNA 配列をコード し、そして前記DNA 配列の発現が前記植物細胞によるβ−ケトアシル−CoA シン ターゼの生成の低下及び前記植物細胞により生成されるVLCFA の割合の低下をも たらすことを特徴とする方法。 15.前記調節要素が前記DNA 配列のアンチセンス転写を指図する請求の範囲第 14項記載の方法。 16.前記調節要素が植物種子の胚細胞において前記DNA 配列の選 択的な発現を指図し、そして前記VLCFA 及びβ−ケトアシル−CoAが植物種子に おいて生成される請求の範囲第14項記載の方法。 17.請求の範囲第9項記載の方法に従って生成された植物種子細胞。 18.縮合酵素をコードするDNA 配列及び別記コード配列とは天然において関連 しない異種DNA 配列を含んで成る構造体であって、前記縮合酵素コード配列が、 から成る群から選択された変性オリゴヌクレオチドプライマーにより、ひじょう に長い鎖の脂肪酸分子を生成できる生物から調製されたDNA ライブラリーをスク リーニングすることによって得られることを特徴とする構造体。 を用いてのPCR 増幅の段階を含んで成る方法に従って単離され得る縮合酵素をコ ードする、単離された核酸配列。 20.請求の範囲第19項記載の核酸配列及び前記コード配列とは天然において関 連しない異種DNA 配列を含んで成る構造体。 21.前記異種DNA 配列が植物種子の胚細胞において前記DNA 配列の選択的な発 現を指図する調節要素を含んで成る請求の範囲第20項記載の構造体。 22.前記縮合酵素コード配列がブラシカからである請求の範囲第20項記載の構 造体。 23.前記ブラシカのコード配列が縮合酵素のCE15クラスに対して である請求の範囲第22項記載の構造体。 24.前記ブラシカのコード配列が縮合酵素のCE20クラスに対してである請求の 範囲第22項記載の構造体。 25.前記縮合酵素コード配列がアラバドプシスからである請求の範囲第20項記 載の構造体。 26.前記縮合酵素コード配列がナスツリチウムからである請求の範囲第20項記 載の構造体。 27.前記縮合酵素コード配列がルナリアからである請求の範囲第20項記載の構 造体。 28.前記ルナリアのコード配列がルナリア5である請求の範囲第27記載の構造 体。
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