【発明の詳細な説明】
自動変速機用液圧制御システム
発明の背景
発明の技術分野
本発明はオートマチック・トランスミッション用液圧制御システムに関する。
より特定的には、本発明は、ダンパークラッチの制御を確実にさせ、オイルポン
プの駆動損失を最小化させる液圧制御システムに関する。
関連技術の説明
一般的に、駆動力により駆動されるオイルポンプは、多段トランスミッション
・ギア・メカニズムのギア段中の一つのギア段を選択することにより速度比が変
化する摩擦部材を係合するための液圧を発生させる。
オイルポンプにより加圧された液圧制御システムは、一つのソレノイドバルブ
の動作によって、または、トランスミッション・コントロール・ユニットにより
ターンオン・ターンオフされるように制御される又はデユーテイで制御される複
数の比例コントロールバルブの作動によって複数のシフトバルブのポートを変換
させる。
この時、ライン圧力は、変換されたポートを通って選択された摩擦部材に供給
されて、その摩擦部材を係合又は離脱させる。
オイルポンプは、エンジンの回転数に比例して液圧を発生させる。安定な速度
比変化を確実化する為には、液圧制御システムは正規の液圧を受けるべきである
。従って、オイルポンプで発生した液圧は調節バルブにより常に正規のライン圧
力に制御されている。
調節バルブは、駆動モード及び後進モードの2つのモードで液圧を調節するよ
うに設計されている。
しかしながら、液圧は駆動モード及び後進モードでそれぞれ固定された液圧に
なるから、シフトレバーが中立"N"レンジから駆動"D"レンジに変更される時、シ
フト衝撃が発生する。
従って、シフトレバーを中立"N"レンジから駆動"D"レンジに移動させることに
より発生されるシフト衝撃を減少させる為,N-Dコントロールバルブを採用してい
る。しかしながら、N-Dコントロールバルブを採用している液圧制御システムは
、常に固定された液圧を使用しているから、その液圧制御システムは駆動効率が
低下するという問題点を有する。
また、液圧を圧力制御バルブとダンパークラッチ・コントロールバルブを作動
させる為、液圧をライン圧力より低下させるリデユーシング(減圧)バルブは、
弾性部材の弾性力とライン圧力により制御される。その減圧バルブの作動におい
て信頼性が充分でない。
さらに、トルクコンバータにおいて動力伝達の機械的な効率を向上させる為に
使用されているダンパークラッチは、ダンパークラッチ・コントロールバルブに
より係合又は離脱される。ダンパークラッチ・コントロールバルブのバルブスプ
ールの位置は、弾性部材の弾性力とバルブスプールの複数のランドの面積におい
ての相異によって決められるから、バルブスプールが固着するという問題点があ
る。
発明の要約
本発明の目的は、オイルポンプの駆動損失を最小化させる自動変速機用液圧制
御システムを提供することにある。
本発明の他の目的は、ダンパークラッチの制御を確実にさせ、シフト衝撃を最
小化させることにより、液圧の安定性を向上させる自動変速機用液圧制御システ
ムを提供することに有る。
かかる目的を達成する為には、本発明は、自動変速機用液圧制御システムを提
供するものであって、そのシステムが、
液圧を発生させるオイルポンプと、
車輌の駆動及び後進速度によって液圧により複数のクラッチとブレーキ部材を
制御し、またトルクコンバータのトルクを多段トランスミッション・ギア・メカ
ニズム中の1つのギア段に伝達ずる複数のシフトバルブと、
シフトバルブの位置によってマニュアルバルブのポートを変換させ、それによ
り、オイルポンプから発生した液圧を各々のシフトバルブに選択的に供給ずるマ
ニュアルバルブと、
オイルポンプから発生した液圧をライン圧力より低い圧力になるよう調節する
リデユーシング(減圧)バルブと、
マニュアルバルブと連通しており、それにより、制御圧を受ける圧力調節バル
ブであって、圧力調節バルブのバルブスプールが減圧バルブで減圧された液圧に
より移動されるとき、排出ポートの開閉が行われるが、その排出ポートを開閉す
ることによりライン圧力を変化させる圧力調節バルブと、
マニュアルバルブから供給された液圧を駆動"D"レンジの第一段前進速度比で
リヤクラッチに直接に供給するリヤクラッチ解放バルブと、
トランスミッション・コントロール・ユニットによりオフ又はオンにするよう
制御される2つのシフトコントロール・ソレノイドバルブであって、マニュアル
バルブから供給された液圧を第2、3及び4段前進速度比で各々第2、3及び4
段速度ラインに供給する2つのシフトコントロール・ソレノイドバルブと、
シフトコントロール・ソレノイドバルブのオン・オフ作動によりシフトコント
ロールバルブのバルブスプールが移動され、それにより、第2、3及び4段速度
ラインを選択的にオープンするシフトコントロールバルブと、
減圧バルブの液圧を排出又は遮断することによって移動されるダンパークラッ
チ・コントロールバルブのバルブスプールを変化させ、それにより、ダンパーク
ラッチの係合ライン又は解放ラインに液圧を供給するダンパークラッチ・コント
ロールバルブと
を具備する。
本発明の他の適用可能性の範囲は、下記の詳細な記述より明らかになるであろ
う。しかしながら、本発明の好適な実施例を示している下記の詳細な記述及び特
定的な例示は、単なる図解として与えられているものに過ぎないものであること
を理解されたい、その理由は、本発明の技術的思想および範囲内における種々の
変形態様および種々の変形例が下記の記述から、当該者にとって明瞭であるから
である。
図面の簡単な説明
本発明は、下記の詳細な記述、及び、単なる図解として示され、本発明を限定
する為でない添付図面から、さらに十分理解されるのであり、ここに、
図1は、本発明による液圧制御システムの概要図であり、
図2は、図1の部分P1の詳細図であり、
図3は、図1の部分P2の詳細図である。
好適実施例の詳細な記述
図1を参照すると、液圧制御システムは、エンジン(図示せず)の駆動力によ
り液圧を発生させるオイルポンプ2と、オイルポンプ2から供給されるライン圧
力を調節する圧力調節バルブ4と、エンジンの駆動力をトランスミッションの入
力軸に伝達するトルクコンバータ6とを具備する。
トルクコンバータ6は、ダンパークラッチDCに作用する液圧を制御ずるダンパ
ークラッチ・コントロールバルブ8によりエンジンの駆動力をトランスミッショ
ンの入力軸に直接又は間接に伝達する。
ダンパークラッチ・コントロールバルブ8は、ダンパークラッチが解放される
とき、トルクコンバータ6の液圧及び潤滑用の液圧を調節するトルクコンバータ
・コントロールバルブ10により制御される液圧の供給を受けるように設計されて
いる。
オイルポンプ2から発生した液圧は、さらに減圧バルブ12に供給され、またラ
イン圧力より低い圧力になるよう制御される。そして、その制御された液圧は、
圧力制御バルブ14と、液圧調節バルブ4と、ダンパークラッチバルブ8との各々
のバルブスプールを制御する。
オイルポンプ2から発生した液圧は、さらにマニュアルバルブ16にも供給され
る。マニュアルバルブ16の複数のポートはシフトレバー(図示せず)により変換
される。従って、液圧は、マニュアルバルブ16のバルブスプールの位置によって
シフトコントロールバルブ18と、圧力制御バルブ14と、シフトレバーが中立"N"
レンジから後進"R"レンジに移動されるとき、シフト衝撃を減少させるN-Rコント
ロールバルブ20とへ供給される。
液圧は、マニュアルバルブ16をシフトコントロールバルブ18に連結しているラ
イン22から分枝されている第1速ライン24を通りリヤクラッチ解放バルブ26に供
給される。リヤクラッチ28は、リヤクラッチ解放バルブ26の複数のポートの変換
によって液圧の供給を受け、それにより、係合される。
シフトコントロールバルブ18のバルブスプールは、2つのシフトコントロール
・ソレノイドバルブA,Bによりその位置が変わる。シフトコントロール・ソレノ
イドバルブA,Bは、トランスミッション・コントロール・ユニットTCUによりオン
・オフに変換するよう制御され、その結果、ライン22から供給された液圧は、シ
フトコントロールバルブ18のバルブスプールの位置によって第2速ライン36、3
速ライン38、及び、4速ライン40を通り各々第1-2速シフトバルブ30と、エンド
クラッチバルブ32と、第2-3/4-3速シフトバルブ34とへ供給される。
複数のシフトバルブは、フロントクラッチ42と、ロー・リバースブレーキ44と
、キックダウンサーボ48とへ選択的に液圧を供給し、それにより、それらを選択
的に係合させるように設計されている。
N-Rコントロールバルブ20と圧力制御バルブ14の各々のポートは、トランスミ
ッション・コントロール・ユニットTCUにより制御されるソレノイドバルブによ
り変換される。
圧力調節バルブ4とダンパークラッチ・コントロールバルブ8の各々のポート
は、それぞれのソレノイドバルブD,Eにより変換される。
図2は図1の部分P1の詳細図であり、圧力調節バルブ4には、液圧が流入され
る第1ポート50と、液圧をトルクコンバータ・コントロールバルブ10に供給する
為の第2ポート52と、第3ポート54と、第3ポート54と連通している第4ポート
56と、駆動"D"レンジでライン圧力を変化させる為マニュアルバルブ16と連結し
ている第5ポート58と、および、液圧が高くなる時、その液圧が排出される第6
ポート60とを含んでいる。
圧力調節バルブ4は、さらにソレノイドバルブDにより液圧が形成又は排出さ
れる第7ポート62をも含む。
圧力調節バルブ4は、さらに第6ポートを選択的に開閉するバルブスプール64
を含む。バルブスプール64は、第1ランド66、第2ランド68、第3ランド70、及
び、第4ランド72を含む。第1ランド66は、弾性部材74により弾性的に支持され
ており、図面からみて右側方向に常に力を受けるように設計されている。
トルクコンバータ・コントロールバルブ10は、液圧を受ける為に圧力調節バル
ブ4の第2ポート52に連結されている第1ポート76と、液圧が排出される第2ポ
ート78と、及び、液圧がダンパークラッチ・コントロールバルブ8に供給される
第3ポート80とを含む。
トルクコンバータ・コントロールバルブ10は、さらに第2ポート78を開閉する
為の第1ランド84と、その右側面に液圧が作用し、それにより、バルブスプール
82を移動させるバイパス通路が形成されている第2ランド86とを有するバルブス
プール82を含む。第1ランド84は、弾性部材88により弾性的に支持されており、
それにより、図面からみて右側に力を受ける。
ダンパークラッチ・コントロールバルブ8は、トルクコンバータ・コントロー
ルバルブ10の第3ポートから液圧の供給を受ける第1ポート90と、第1ポート90
を通り供給された液圧をトルクコンバータのダンパークラッチ解放ラインL2に供
給する第2ポート92と、第1ポート90を通り流入される液圧をトルクコンバータ
のダンパークラッチ係合ラインL1に供給する第3ポート94と、第1ポート90を通
り供給された液圧がバルブスプール96の第1ランド98の右側に供給される第4ポ
ート100及び5ポート102と、ソレノイドバルブEの作動によってバルブスプール
96を左側に移動させる第6ポート105とを含む。
バルブスプール96は、さらに第1ポート90と第4ポート100との間で、それら
を開閉させるため移動する第2ランド106と、第3ランド108とを含む。
減圧バルブ12は、液圧が供給される第1ポート110と、第1ポート110を通り供
給された液圧を減圧して排出する第2ポート112と、および、バルブスプール116
の第1ランド118の右側に作用する液圧を受けるため第2ポートと連通している
第3ポート114とを含む。
バルブスプール116は、さらに第2ポート112の開口面積を制御するための第2
ランド120と、第1ポート110の開口面積を制御するための第3ランド122とを含
む。第3ランド122は弾性部材124により弾性的に支持されている。
弾性部材124は、その一側端に作動板126と接している。作動版は、弾性部材12
4の弾性力を可変させるためバルブ本体を貫通しているスクリューにより左側又
は右側に移動されるように設計されている。
減圧バルブ12の第2ポートは、圧力調節バルブ4の第7ポート62と、ダンパー
クラッチ・コントロールバルブ8の第6ポート104と連結されており、その結果
、液圧が第2ポートに供給される。
図3は、図1の部分P2の詳細図であり、マニュアルバルブ16には、オイルポン
プから供給された液圧を受けるための第1ポート130と、液圧を圧力調節バルブ
4の第5ポート58に供給するための第2ポート132と、液圧をシフトコントロー
ルバルブ18とリヤクラッチ解放バルブ26とへ供給するための第3ポート134とを
含む。
マニュアルバルブ16は、さらにリヤクラッチ解放バルブ26を通り第2-3/4-3速
シフトバルブ34と、および、フロントクラッチ42とへそれらをを係合させるため
、またキックダウンサーボ48にそれを解放させるため、液圧を供給する第4ポー
ト136を含む。
マニュアルバルブ16は、さらにシフトレバー(図示せず)と連動しているバル
ブスプール138を含む。バルブスプール138は、第1ランド140、第2ランド142、
及び、第3ランド144を有する。シフトレバーが中立"N"レンジに移動されるとき
、第2ランド142は第2ポート132と第3ポート134との間で移動し、それにより
、液圧はシフトコントロールバルブ18に供給されないようになる。
シフトコントロールバルブ18は、ライン22と連通して液圧の供給を受ける第1
ポート146と、第2速ライン35と連通している第2ポート148と、第3速ライン38
と連通している第3ポート150と、ソレノイドバルブA,Bによって液圧を調節する
第1制御ポート154、第2制御ポート156、及び、第3制御ポート158とを含む。
シフトコントロールバルブ18は、さらに相対的に大きいランド162と小さいラ
ンド164とを有するバルブスプール160と、バルブスプール160の左側に配設され
、第1制御ポート154を通り供給された液圧により作動される第1プラグ166と、
右側に配設され、第2制御ポート156を通り供給された液圧により作動される第
2プラグ168とを含む。
リヤクラッチ解放バルブ26は、駆動"D"レンジの第4速でリヤクラッチを係合
させる液圧を排出するように設計されており、バルブ26は第1バルブスプール17
0と第2バルブスプール172とを含む。
第1バルブスプール170は、相対的に大きい第1ランド174と、第2ランド176
と、および、中間部分で小さい直径を有する第3ランド178とを含む。
第2バルブスプール172は、それぞれお互いに同一な面積を有する第1ランド
と第2ランドとを含み、また弾性部材184によりその右側で弾性的に支持されて
いる。駆動"D"レンジの第4速では、シフトバルブ18の第4速ライン40を通り供
給された液圧は、第1バルブスプール170の第1ランド174の右側面に作用する。
それにより、第1バルブスプール170及び第2バルブスプール172は右側に移動す
る。従って、第1バルブスプール170の第3ランド178の小さい直径部分はバイパ
スライン186に位置する。
それにより、リヤクラッチの液圧は排出される。
上述したような本発明の液圧制御システムは、エンジンの始動時、オイルポン
プ2の使用により液圧を発生させる。
この時、発生した液圧は圧力調節バルブ4の第1ポート50と、減圧バルブ12の
第1ポート110と、および、マニュアルバルブ16の第1ポート130とへ流入する。
図1は、中立"N"レンジモードでの液圧制御システムを示した図である。シフ
トレバーがこのモードから駆動"D"レンジモードへ移動されると、マニュアルバ
ルブ16のバルブスプール138は右側に移動し、また第2ランド142は第3ポート13
4の右側に位置する。それにより、第3ポート134は第1ポート130と連通する。
その結果として、液圧はシフトコントロールバルブ18の第1ポート146に流入
される。この時、第1段前進速度比では、2つのシフトコントロール・ソレノイ
ドバルブA,Bがトランスミッション・コントロール・ユニットTCUによりオンに変
換するように制御されるから、第1制御ポート154と、第2制御ポート156と、第
3制御ポート158とへ供給された液圧は排出される。
従って、バルブスプール160は、第2ランド164より大きい第1ランド162の右
側面に作用する液圧により左側に移動する。それにより、第1プラグ166は、第
2ポート148を遮断するため左側に移動する。
しかしながら、ライン22から分枝された液圧は、リヤクラッチ解放バルブ26に
供給され、またそこを経由してリヤクラッチ28を係合させるため第2バルブスプ
ール172の第1ランド180と第2ランド182との間を通りリヤクラッチ28にも供給
される。それにより、第1段前進速度比を実現させる。
リヤクラッチ28が係合されると、変速機はエンジンの駆動力の伝達を受ける。
この時、リヤクラッチのスリップがトランスミッション・コントロール・ユニッ
トTCUにより感知される場合、トランスミッション・コントロール・ユニットTCU
はソレノイドバルブDをオフに変換させ、圧力バルブ4の第7ポート62に流入す
る液圧が上昇するように制御する。
従って、バルブスプール64は右側に移動されるように設計されており、第2ラ
ンドは第1ポート50と排出用第6ポート60との間に位置しているから、液圧は遮
断される。それにより、オイルポンプから発生した液圧は全部ライン圧力として
作用する。
それとは逆に、リヤクラッチのスリップが発生しない場合には、トランスミッ
ション・コントロール・ユニットTCUはソレノイドバルブDをオンに変換させ、
圧力調節バルブ4の第7ポート62に流入する液圧が排出されるように制御する。
従って、バルブスプール64は第3ランド70の右側面に作用する液圧により右側
に移動されるように設計されているから、排出用第6ポート60は第1ポート50と
連通する。それにより、一部の液圧が排出される。
上述したようなこの作用は、リヤクラッチのスリップを感知するトランスミッ
ション・ことロール・ユニットTCUにより繰り返し行われ、それにより、ライン
圧力が調節されるから、オイルポンプの駆動効率は向上させるとともに、シフト
レバーが駆動"D"レンジから中立"N"レンジに移動される時、シフト衝撃が起こら
ず、それにより、従来技術でシフト衝撃減少用として用いて来たN-Dコントロー
ルバルブが要らなくなる。
さらに、車輌の速度が第1段前進速度比の状態でだんだん増加する場合には、
トランスミッション・コントロール・ユニットTCUは、シフトコントロール・ソ
レノイドバルブAをオフに変換させ、第1制御ポート154で液圧を生成させるよ
う制御する。その作用により、第1プラグ166はバルブスプール160を押しながら
右側に移動される。
その結果として、バルブスプール160の第2ランド164は、第2ポート148と第
3ポート150との間に位置し、それにより、第1ポート146に流入する液圧が第2
速ライン36に供給される。
第2速ライン36に供給された液圧は、第1-2シフトバルブ30の左側に供給され
、バルブスプールS1を右側に押す。それと同時に、第1速ライン24の液圧の一部
は圧力制御バルブ14に供給される。
この時、トランスミッション・コントロール・ユニットTCUは、ソレノイドバ
ルブCをデユーテイ制御でオフに変換するように制御し、それにより、液圧を上
昇させる。その作用により、圧力制御バルブ14のバルブスプールS2は右側に移動
し、それにより、第1速ライン24から供給された液圧はUターンして第1-2シフ
トバルブ30に流入する。
この時、シフトバルブ30のバルブスプールS1は、右側に押された状態にいるか
ら、液圧はキックダウンサーボ48にそれを作動させるため供給され、それにより
、第2段前進速度比を実現させる。
さらに、車輌の速度が第2段前進速度比の状態でだんだん増加する場合には、
トランスミッション・コントロール・ユニットTCUは、シフトコントロール・ソ
レノイドバルブAだけでなくシフトコントロール・ソレノイドバルブBをオフに
変換させ、それにより、第制御2ポート154及び第2制御ポートの液圧が上昇す
るように制御する。
従って、第2段前進速度比の状態でシフトコントロールバルブ18のバルブスプ
ール160は、第1ランド162の左側面に作用する液圧により右側に移動される。
その作用により、バルブスプール160の第2ランド164は第3ポート150と第4
ポート152との間に位置し、それにより、第1ポート146に供給された液圧は第2
速ライン及び第3速ラインに供給される。
従って、第3速ライン38の液圧の一部は、シフトバルブ34の左側に流入し、バ
ルブスプールS3を右側に移動させ、それにより、第2プラグ168と接する。
その作用により、第1-2シフトバルブ30からキックダウンサーボ48に供給され
た液圧の一部は、第2-3/4-3シフトバルブ34に供給され、またそれを経由してラ
インC1を介して係合圧としてフロントクラッチ42に供給され、それと同時に、解
放圧としてキックダウンサーボ48に作用する。
さらに、第3速ライン38の液圧の一部は、エンドクラッチバルブ32に供給され
、またそれを経由してラインC2を介してクラッチ46を係合させるためクラッチ46
にも供給される。その結果として、フロントクラッチ42と、リヤクラッチ28と、
及び、エンドクラッチ46とが全部係合され、それにより、第3段前進速度比を実
現させる。
さらに、車輌の速度が第3段前進速度比の状態でだんだん増加する場合には、
トランスミッション・コントロール・ユニットTCUは、シフトコントロール・ソ
レノイドバルブBをターンオフにして、シフトコントロール・ソレノイドバルブ
Aをターンオンになるように制御し、それにより、液圧は第1制御ポート154と
第2制御ポート156とでは形成されず、第3制御ポート158で形成される。
従って、シフトコントロールバルブ18のバルブスプール160は、第2プラグ168
を右側に押しながらもっと移動する。その作用により、第2ポート148と、第3
ポート150と、及び、第4ポート152とが全部オープンされ、それにより、液
圧は第2速ライン36と、第3速ライン38と、及び、第4速ライン40とへ全部同時
的に供給される。
それは、第4段前進速度比を実現させる。第4段前進速度比では、リヤクラッ
チ28とフロントクラッチ42とは解放され、キックダウンサーボ48は係合される。
第4速ライン40の液圧がリヤクラッチ解放バルブ26の左側に流入されると、液
圧は、最大のランドを有する第1ランド174の左側面に作用し、また第1バルブ
スプール170と第2バルブスプール172とを右側に押し、それと同時に、バルブス
プールS3が再び左側に移動されるようにラインC3を経由して第2-3/4-3シフトバ
ルブ34の右側に供給される。それにより、クラッチ28と、クラッチ42と、及び、
キックダウンサーボ48との係合及び解放が実現される。
さらに、シフトレバーが後進"R"レンジに移動されると、マニュアルバルブ16
のバルブスプール138は左側に移動され、それにより、第2ランド142は第1ポー
ト130と第2ポート132との間に位置し、また第1ランド140は第4ポート136の左
側に位置する。
第1ポート130に供給された液圧の一部は、第4ポート136を通りリヤクラッチ
解放バルブ26に供給され、またそれを経由してラインC3を介して第2-3/4-3シフ
トバルブ34の右側に供給される。それにより、バルブスプールは左側に移動され
ると同時に、液圧はフロントクラッチ42を係合させるためラインC4を介してライ
ンC1に供給される。
さらに、マニュアルバルブ16の第1ポート146に流入する液圧の一部は、ライ
ンC5を介してN-Rコントロールバルブに供給される。この時、トランスミッショ
ン・コントロール・ユニットTCUはソレノイドバルブCをデユーテイ制御でオフに
するよう制御するから、N-Rコントロールバルブ20のバルブスプールS4は左側に
移動される。それにより、ラインC5の液圧は第1-2速シフトバルブに供給され、
またそれを経由してラインC6を介してロー・リバースブレーキ44に供給される
。
その作用中、オイルポンプ2から発生した液圧の一部は、減圧バルブ12の第1
ポート110に流入し、第2ポート112を通り排出される。この時、その一部の液圧
は、第3ポート14に流入し、また第1ランド118の右側面に作用する。それによ
り、バルブスプール116の位置はライン圧力によって変化する。即ち、ライン圧
力が高い場合には第2ポートの開口面積が減少し、ライン圧力が低い場合には第
2ポートの開口面積が増加する。それにより、液圧は安定的に供給される。
さらに、ダンパークラッチが作動領域に進入する場合には、トランスミッショ
ン・コントロール・ユニットTCUは、ソレノイドバルブEをオンに変換するよう
に制御し、それにより、減圧バルブ12の第2ポート112から供給された液圧は、
ダンパークラッチ・コントロールバルブ8の第6ポート104には供給されず、排
出される。
上記の作用により、例えバルブスプールが右側に移動されるとしても、トルク
コンバター10の第3ポート80から供給された液圧は、第4ポート100を通り第5
ポート102に供給され、またバルブスプール96の第1ランド98の右側に作用する
。その結果として、バルブスプールは左側に移動される。
従って、第1ポート90に流入する液圧はダンパークラッチDCを係合させるため
ラインL2に供給される。
さらに、ダンパークラッチが作動領域に進入しない場合には、トランスミッシ
ョン・コントロール・ユニットTCUは、ソレノイドバルブEをオフに変換するよ
う制御し、それにより、ダンパークラッチ・コントロールバルブ8の第6ポート
104の液圧は高くなり、それにより、バルブスプール96は左側に移動される。
従って、第1ポート90に流入する液圧は、ラインL1を介してトルクコンバータ
6に供給され、それにより、ダンパークラッチDCを解放させる。
かかるダンパークラッチ制御方法は、減圧によりバルブスプールが左側又は右
側に移動されるように調節されるから、スプリングを使用するバルブ構造におい
て現れるバルブスチック現象を防止する。
それ故、記述されている発明について、種々の方法で改変される同じ方法は自
明である。その様な改変は本発明の技術的思想及び範囲から逸脱するものとして
は考慮されず、当業者にとって自明であるすべてのその様な変形態様は下記の請
求の範囲に含まれるべきことが意図されている。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 リム,キ ビーン
大韓民国 449―910 キュンキ―ド,ヨン
ギン―クン,クセオン―ミュン,マブク―
リ,サン 1―1
【要約の続き】
と、前記減圧バルブの液圧を排出又は遮断させることに
より移動されるダンパークラッチ・コントロールバルブ
のバルブスプールを移動することにより液圧をダンパー
クラッチの係合ライン又は解放ラインに供給するダンパ
ークラッチ・コントロールバルブとを含む。