【発明の詳細な説明】
カリウムチャネルアクチベーターおよびその治療における使用
本発明は、新規治療方法およびかかる方法に用いる新規化合物に関する。
欧州公開特許出願第0126311号は、6−アセチル−トランス−4−(4
−フルオロベンゾイルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1
−ベンゾピラン−3−オールを含む血圧降下作用を有する置換ベンゾピラン化合
物を開示する。
また、EP−A−0376524、EP−A−0205292、EP−A−0
250077、EP−A−0093535、EP−A−0150202、EP−
A−0076075号およびWO/89/05808(ビーチャム・クループ・
パブリック・リミテッド・カンパニー(Beecham Group plc))は、抗高血圧活
性を有するある種のベンゾピラン誘導体を記載する。
また、EP−A−0350805(バイアスドルフ(Biersdorf))、EP−
A−0277611、EP−A−0277612、EP−A−0337179お
よびEP−A−0355565(ヘキスト・アクテエンゲセルシャフト(Hoechs
t Aktiengesellshaft))、EP−A−0415065(イー・メルク(E.Merc
k))、EP−A−0450415(スクイブ(Squibb))、EP−A−046
6131(日産化学工業(Nissan Chemical Industries Ltd.))、EP−A−
0339562(吉富製薬(Yoshitomi Pharmaceuticals))、EP−A−03
60621(オルソ・ファーマシューティカルズ(Ortho Pharmaceuticals))
、EP−A−0489300(ユーリアチ(Uriach))、DE3,831,697
(ヘキスト(Hoechst))、EP−A−0432893(山ノ内(Yamanouchi)
)、DE4,010,488(ヘキスト(Hoechst))、EP−A−048293
4、EP−A−0296975、JO−2004−791およびWO\89\1
1477およびWO\89\07103も、抗高血圧活性を有すると考えられて
いるある種の化合物を記載する。
EP−A−0430621およびEP−A−0385584(ビーチャム・グ
ループ・パブリック・リミテッド・カンパニー(Beecham Group plc))は、前
記特許出願に記載されている化合物の製造に有用なある種の中間体の分割を記載
する。
EP−A−0194885(イー・リリー(E.Lilly))は、抗痙攣活性を有
するある種のアミノ置換ベンゾピラン誘導体を記載する。
EP−A−0509762(イー・アール・スクイブ(E.R.Squibb))は、と
りわけ抗高血圧活性を有すると開示されているある種のインドールおよびジヒド
ロキノリン置換誘導体を記載する。
PCT/GB92/01045(スミスクライン・ビーチャム・パブリック・
リミテッド・カンパニー(SmithKline Beecham plc)、優先日において未公開)
は、ある種のフルオロベンゾイルアミドベンゾピラン、ピラノピリジンおよびテ
トラヒドロナフチレン(ここに、3位および4位の置換基は互いにトランスであ
る)を記載する。これらの化合物は、とりわけ不安解消および抗痙攣活性を有す
ると記載されている。
今回、意外にも、ある種の式(I)の化合物が、不安解消および抗痙攣活性を
有し、また、躁病、鬱状態および物質乱用からの禁断に付随する作用の治療また
は予防における用途、および脳虚血、くも膜下出血から生じる障害、パーキンソ
ン病、偏頭痛および/または精神病の治療または予防における用途を有すると考
えられることが見いだされた。
従って、本発明は、不安、躁病、鬱状態、コカイン、ニコチン、アルコールお
よびベンゾジアゼピンのような物質乱用からの禁断に付随する作用;癲癇のよう
な抗痙攣剤で治療および/または予防し得る障害:脳虚血、くも膜下出血から生
じる障害、パーキンソン病、偏頭痛および/または精神病の治療および/または
予防法であって、かかる予防および/または治療を必要とする患者に、有効量ま
たは予防量の式(I):
[式中、
Pは、以下の系:
a)
(式中、
のいずれかであり、他の変数は後記と同意義である)
で示される環系;
b)
(式中、aおよびbは一緒になって結合またはCH2を表すか、またはaおよび
bは一緒になってカルボニル基、基C=NORF、CHORFまたは
ここに、RFは水素またはC1-6アルキルを意味する)
で示される環系;または
c)
(式中、Jは窒素であり、Jaは非共有電子対であり、Mは炭素であって、Maは
R5であるか、または
Jは炭素であり、Mは窒素であって、JaおよびMaは水素を意味する)
で示される環系;または
d)
(式中、Zは酸素またはCH2を意味する)
で示される環系;
e)
(式中、Xは酸素またはNR(ここに、Rは水素またはC1-4アルキルである)
)
で示される環系であり、
ここに:
R1およびR2の一方は水素であり、他方は水素、C3-8シクロアルキル、所望
により酸素で阻止されているかまたはヒドロキシ、C1-6アルコキシまたは置換
アミノカルボニルで置換されていてもよいC1-6アルキル、C1-6アルキルカルボ
ニル、C1-6アルコキシカルボニル、C1-6アルキルカルボニルオキシ、C1-6ア
ルコキシ、ニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、CF3SまたはCF3−
A−基(ここに、Aは−CF2−、−CO−、−CH2−、CH(OH)、SO2
、SO、CH2−OまたはCONHである)、またはCF2H−A'−基(ここに
、A'は酸素、硫黄、SO、SO2、CF2またはCFHである);トリフルオロ
メトキシ、C1-6アルキルスルフィニル、パーフルオロC2-6アルキルスルホニル
、C1-6アルキルスルホニル、C1-6アルコキシスルフィニル、C1-6アルコキシ
スルホニル、アリール、ヘテロアリール、アリールカルボニル、ヘテロアリール
カルボニル、、ホスホノ、アリールカルボニルオキシ、ヘテロアリールカルボニ
ルオキシ、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アリールスル
ホニル、ヘテロアリールスルホニル(ここに、いずれの芳香族基も、所望により
、置換されていてもよい)、C1-6アルキルカルボニルアミノ、C1-6アルコキシ
カルボニルアミノ、C1-6アルキル−チオカルボニル、C1-6アルコキシ−チオカ
ルボニル、C1-6アルキル−チオカルボニルオキシ、1−メルカプトC2-7アルキ
ル、ホルミル、またはアミノスルフィニル、アミノスルホニルまたはアミノカル
ボニル(いずれのアミノ基も、所望により、1または2個のC1-6アルキル基に
より置換されていてもよい)、またはC1-6アルキルスルフィニルアミノ、C1-6
アルキルスルホニルアミノ、C1-6アルコキシスルフィニルアミノまたはC1-6ア
ルコキシスルホニルアミノ、または末端がC1-6アルキルカルボニル、ニトロま
たはシアノにより置換されているエチレニル、または−C(C1-6アルキル)N
OHまたは−C(C1-6アルキル)NNH2の群より選択されるか、またはR1お
よび
R2の一方はニトロ、シアノまたはC1-3アルキルカルボニルであり、他方はメト
キシまたは所望により1または2個のC1-6アルキルもしくは1個のC2-7アルカ
ノイルで置換されていてもよいアミノであるか;または可能ならば、隣接するR1
およびR2が一緒になって−(CH2)4−または−CH=CH−CH=CH−で
あるか、または所望により置換されていてもよいトリアゾールまたはオキサジア
ゾール環を形成し;
R3およびR4の一方は水素またはC1-4アルキルであり、他方はC1-4アルキル
、CF3もしくはCH2Xa(ここに、Xaはフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、
C1-4アルコキシ、ヒドロキシ、C1-4アルキルカルボニルオキシ、−S−C1-4
アルキル、ニトロ、所望により1または2個のC1-4アルキル基により置換され
ていてもよいアミノ、シアノまたはC1-4アルコキシカルボニル)であるか、ま
たはR3およびR4は一緒になって所望によりC1-4アルキルにより置換されてい
てもよいC2-5ポリメチレンであり;
R5はC1-6アルキルカルボニルオキシ、ベンゾイルオキシ、ONO2、ベンジ
ルオキシ、フェニルオキシまたはC1-6アルコキシであって、R6およびR9は水
素であるか、またはR5はヒドロキシであり、R6は水素またはC1-2アルキルで
あって、R9は水素であり;
R7は式:
(式中、R11およびR12は、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロ
アルキル、アラルキル、シアノ、ニトロ、COR13、CONHR13、CONR13
R14またはハロから独立して選択され、ここに、R13およびR14は、独立して、
水素、アルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキルまたは
(シクロアルキル)アルキルから選択され;
R10は水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、O−R15、シアノ、
ニトロ、CF3、ハロ、S−アルキル、COR15、COOR15、NR15COアル
キルまたはOCOアルキルであり、ここに、R15は水素、アルキル、ハロアルキ
ル、アリール、アラルキル、シクロアルキルまたは(シクロアルキル)アルキル
であり、mは0または1を意味する)
で示される基;
R7基は、R5基に対してシスまたはトランス位にある]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩を投与することからなる方法を
提供する。
式(I)中、すべてのC1-6アルキルもしくはC1-4アルキルまたはアルキル含
有基は、好ましくは、メチル、エチル、n−およびiso−プロピル、n−、iso−
、sec−およびtert−ブチルから選択される。
適当なC3-8シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペ
ンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルを包含する。
適当なハロ置換基は、フルオロ、クロロおよびブロモを包含する。
本明細書にて言及する場合は常に、アリールは、限定されるものではないが、
フェニルおよびナフチルを包含する。
本明細書にて言及する場合は常に、ヘテロアリールは、5−また6−員の単環
または9−また10−員の二環を包含し、そのうち5−または6−員の単環式へ
テロアリールが好ましい。加えて、5−もしくは6−員の単環式または9−もし
くは10−員の二環式ヘテロアリールは、好ましくは、酸素、窒素および硫黄の
群から選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有し、2個以上のヘテロ原
子がある場合、それらは同一または異なる。酸素、窒素および硫黄の群より選択
される1、2または3個のヘテロ原子を含有する5−または6−員の単環式ヘテ
ロアリールは、例えば、フリル、チエニル、ピリル、オキサゾリル、チアゾリル
、イミダゾリルおよびチアジアゾリル、ならびにピリジル、ピリダジル、ピリミ
ジル、ピラゾリルおよびトリアゾリルを包含する。かかる基の好ましい例は、フ
ラニル、チエニル、ピリルおよびピリジル、特に2−および3−フリル、2−お
よび3−ピリル、2−および3−チエニル、および2−、3−および4−ピリジ
ル
を包含する。酸素、窒素および硫黄の群より選択される1、2または3個のヘテ
ロ原子を含有する9−または10−員の二環式ヘテロアリールは、例えば、ベン
ゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリルおよびインダゾリル、キノリルおよび
イソキノリル、ならびにキナゾリルを包含する。かかる基のうち好ましい基は、
例えば、2−および3−ベンゾフリル、2−および3−ベンゾチエニル、および
2−および3−インドリル、および2−および3−キノリルを包含する。
アリールおよびヘテロアリールを任意に置換する際の適当な基または原子は、
例えば、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロ(例、フルオロ、クロロ、ブロ
モ)、ヒドロキシ、ニトロ、所望により1または2個のC1-4アルキルで置換さ
れていてもよいアミノ、シアノおよびSOnH(nは0ないし2)から独立して
選択される1、2または3個の置換基を包含する。
好ましい可変基は、出典明示により本明細書の一部とする前記特許に記載され
ているものである。特に好ましい可変基は、出典明示により本明細書の一部とす
るEP−A0509762に記載されているものである。
式(I)の化合物は、環系Pの飽和部の回りに、特にR5およびR7基に結合す
る原子の位置にキラル炭素原子を有し、そのため、エナンチオマーとして存在し
てもよい。本発明は各エナンチオマーにまで、およびラセミ体を包含するその混
合物にまで及ぶ。
さらに、ある種のR1置換基もまたキラル中心を有し、そのためエナンチオマ
ーとして存在する。本発明は各エナンチオマーにまで、およびラセミ体を包含す
るその混合物にまで及ぶ。
式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩は、例えば、水和物のような
かかる化合物の溶媒和物を包含する。
哺乳動物への投与は、経口または非経口投与により行うことができる。
前記した障害を治療するための有効量は、治療すべき障害の特性および重度お
よび哺乳動物の体重などの一般的要因に依存する。しかしながら、単位用量は、
通常、1〜1000mg、適当には1〜500mg、例えば、2、5、10、2
0、30、40、50、100、200、300および400のような2〜40
0mgの範囲にある量の有効化合物を含有する。単位用量は、通常、一日に1回
またはそれ以上、例えば、一日に1、2、3、4、5または6回、さらには、一
日に1〜4回投与し、その結果、一日の全用量は、通常、70kgの成人で1〜
1000mg、例えば1〜500mgの範囲、すなわち、約0.01〜15mg
/kg/日、さらには0.1〜6mg/kg/日、例えば1〜6mg/kg/日
の範囲にある。
式(I)の化合物は、単位投与形の組成物、例えば、単位用量の経口、経直腸
、局所または非経口(特に、静脈内)用組成物にて投与することが好ましい。
そのような組成物は混合操作により調製され、適当には、経口または非経口投
与に適合させ、それ自体が錠剤、カプセル、経口液体調製物、散剤、顆粒、ロゼ
ンジ、復元性散剤、注射および注入可能な溶液もしくは懸濁液または坐剤の形態
とすることができる。一般使用に都合がよいため、経口投与可能な組成物、特に
成型経口組成物が好ましい。
経口投与用錠剤およびカプセルは、通常、単位用量にて投与され、結合剤、充
填剤、希釈剤、錠剤化剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤、フレーバー剤および湿潤剤
のような慣用的賦形剤を含有する。該錠剤は、当該分野における周知方法にした
がって被覆してもよい。
使用するのに適当な充填剤は、セルロース、マンニトール、ラクトースおよび
他の同様の成分を包含する。適当な崩壊剤は澱粉、ポリビニルピロリドンおよび
澱粉誘導体、例えば、ナトリウム澱粉グリコラートを包含する。適当な滑沢剤は
、例えば、ステアリン酸マグネシウムを包含する。適当な医薬上許容される湿潤
剤は、ラウリル硫酸ナトリウムを包含する。
これらの固体経口用組成物は、通常の調合、充填、錠剤化のごとき方法により
調製することができる。繰り返し調合操作を用い、大量の増量剤を必要とするこ
れらの組成物全体に活性成分を分散させることができる。このような操作は、勿
論、当該分野にて慣用的である。
経口用液体調製物は、例えば、水性または油性の懸濁液、溶液、エマルジョン
、シロップ、またはエリキシルの形態であってもよく、もしくは使用前に水また
は
他の適当なビヒクルでの復元用乾燥生成物として投与してもよい。このような液
体調製物は、沈殿防止剤、例えばソルビトール、シロップ、メチルセルロース、
ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステア
リン酸アルミニウムゲルもしくは硬化食用脂、乳化剤、例えばレシチン、−オレ
イン酸ソルビタン、またはアカシア;非水性ビヒクル(食用油を含有してもよい
)、例えば、扁桃油、分別ココナッツ油、およびグリセリン、プロピレングリコ
ール、もしくはエチルアルコールのエステルのごとき油性エステル;保存剤、例
えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチルまたはプロピルあるいはソルビン酸、所望
により通常のフレーバー剤または着色剤といった通常の添加物を含有してもよい
。
経口処方は腸溶剤皮の錠剤または顆粒剤のごとき通常の徐放性処方も含む。
非経口投与の場合、流体状単位投与形は本発明の化合物および滅菌ビヒクルを
含んで調製される。化合物は、ビヒクルおよび濃度によって、懸濁または溶解す
ることができる。非経口溶液は、普通、化合物をビヒクルに溶解し、適当なバイ
アルまたはアンプルに充填し密閉する前にフィルター滅菌することにより調製さ
れる。有利には、さらに、局部麻酔剤、保存剤および緩衝剤のごときアジュバン
トをビヒクル中に溶かす。安定性を強化するために、組成物をバイアルに充填し
、減圧下で水を除去した後、凍結させることができる。
非経口用懸濁液は、化合物を溶解させる代わりに、ビヒクルに懸濁させ、滅菌
ビヒクル中に懸濁させる前にエチレンオキシドに暴露して滅菌する以外は、実質
的に同じ方法で調製される。有利には、界面活性剤あるいは湿潤剤を組成物に配
合し、本発明の化合物の均一な分配を促進する。
慣習として、該組成物に医学的治療に関連して用いるための使用説明書が添付
されている。
本発明はさらに、不安、躁病、鬱状態、くも膜下出血に付随する障害、神経性
ショック、コカイン、ニコチン、アルコールおよびベンゾジアゼピンのごとき物
質乱用からの禁断に付随する作用、癲癇のような抗痙攣剤で治療可能または予防
可能な障害、パーキンソン病、精神病、偏頭痛および/または脳虚血症の治療お
よび/または予防に用いるための医薬組成物であって、式(I)の化合物または
その医薬上許容される塩と、医薬上許容される担体とからなる医薬組成物を提供
する。
さらなる態様において、本発明は、不安、躁病、鬱病状態および/またはくも
膜下出血に付随する障害、神経性ショック、コカイン、ニコチン、アルコールお
よびベンゾジアゼピンのごとき物質乱用からの禁断に付随する作用、癲癇のよう
な抗痙攣剤で治療可能または予防可能な障害、パーキンンン病、精神病、偏頭痛
および/または脳虚血症の治療および/または予防用の医薬を製造する際の、式
(I)の化合物またはその医薬上許容される塩の使用を提供する。
このような組成物は前記方法により調製することができる。
本発明はさらに新規な式(I)の化合物およびその医薬上許容される塩にまで
及ぶ。
一般に、R7基に結合した原子に結合した基と、本明細書に示す化学式の右側
に隣接する原子に結合した基の間にトランス異性化を有する式(I)の化合物は
、EP−0126311、EP−0376524、EP−205292、EP−
0250077、EP−0093535、EP−0150202、EP−007
6075、WO/89/05808、EP−0350805、EP−02776
11、EP−0277612、EP−0337179、EP−0355565、
EP−A−0482934、EP−A−0296975、JO−2004−79
1、WO\89\11477およびWO\89\07103、EP−A−046
6131、EP−A−0489300、DE3,831,697、EP−A−04
32893、DE4,010,488およびEP−A−0509762に略記載さ
れている方法または記載されたものと類似した方法で調製できる。
一般に、R7基に結合した原子に結合した基と、本明細書に示す化学式の右側
に隣接する原子に結合した基の間にシス異性化を有する式(I)の化合物は、E
P−A−0139992に略記載されている操作またはそれに類似する操作に従
って調製できる。
式(I)のシス化合物はまた、ジー・バーレル(G.Burrell)、テトラヘドロ
ン・レターズ(Tet.Letters),31,3649−3652(1990)により
記載されている操作に従うか、またはユー・クアストおよびイー・ビルハウアー
(U.QuastおよびE.Villhauer)、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ファーマコ
ロジー(Eur.J.Pharmacol.),モレキュラー・ファーマコロジー・セクション(
Molecular Pharmacology Section)245,165−171(1993)に記載
されている操作により製造してもよい。
式(I)についてのラセミ化合物を分割してもよく、またはエナンチオマー的
に純粋な式(I)の化合物を当該分野における慣用的操作を用い、特にEP−0
430631およびEP−0355584において既述された方法を用いて調製
してよい。
式(I)の化合物はWO91\14694もしくはWO93\17026に略
述されている触媒および条件を用いてキラル的に純粋なエポキシドを形成し、そ
の後、前記した操作を用いて所望の式(I)の化合物に変換することにより所望
のエナンチオマー型にて調製することが好ましい。
式(I)の化合物は 前記特許文献に概説されている操作またはそれに類似す
る操作を用い、容易に入手可能な出発物質より調製してもよい。
R5がヒドロキシであり、R6がC1-2アルキルであって、R9が水素である式(
I)の化合物は、アール・ゲリッケ(R.Gericke)らの、ジャーナル・オブ・メ
ディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、第34巻、3074頁(1991
)に略述されている方法により調製することができる。
本発明はまた、新規な式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩と、医
薬上許容される担体とからなる医薬組成物を提供する。
本発明はまた、特に、不安、躁病、鬱状態、コカイン、ニコチン、アルコール
およびベンゾジアゼピンのごとき物質乱用からの禁断に付随する作用、癲癇のよ
うな抗痙攣剤で治療可能および/または予防可能な障害、くも膜下出血に起因す
る脳虚血障害、パーキンソン病、偏頭痛および/または精神病の治療および/ま
たは予防における治療薬として、新規な式(I)の化合物またはその医薬上許容
される塩の使用を提供する。
式(I)の化合物の適当な例は、出典明示により本明細書の一部とする、EP
−
A−0509762の実施例1〜4を包含する。
以下に示す薬理試験結果を用いて本発明を説明する:
薬理学的データ
式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を、以下に概説する方法を用
い、治療用途について試験する:
1.ラット社会相互作用試験
潜在的不安解消活性を、ファイル(File)によって初めて記載された社会相互
作用試験方法(1980,ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス・メソッズ(
J.Neurosci.Methods),2,219−238)に基づく方法により評価する。こ
の実験において、不安解消薬剤は運動活性についてのいずれの作用とも独立して
社会相互作用を選択的に増加させる。
方法
雄のスプレーグ−ドーリー(Sprague-Dawley)ラット(チャールス・リバー(
Charles River),ユナイテッド・キングダム(U.K.),250−300g)を
試験に先立ち3日間別々に飼育する。試験日に、動物をランダムに8−16の群
に割り当て種々の用量の化合物(1−300mg/kg)またはビヒクルを1m
l/kgの投与容量で経口投与する。投与後60分で、ラットを体重および処理
を適合させた対の雄(初めて対面)と一緒に、非常に明るい、不慣れな条件下に
ある社会相互作用試験箱に入れる。該箱は透明なパースペックス製フロントサイ
ドの白色パースペックス(54×37×26cm)から出来ている。床を24の
等しい正方形に分け、まぶしく照らす(115ルクス)。活動的な社会相互作用
(かぐこと、毛づくろいすること、後を追うこと、乗ること、登ったり下ったり
すること、殴ること、噛むこと)にある経過時間(秒)を正方形を横切った回数
(運動指標として)と同じく、遠隔モニター観察により「盲検的」に評価する。
次いで、社会相互作用における経過時間および正方形を横切った回数について
の平均および標準誤差を各処理群について計算し、薬剤誘発の変化を対照値から
の増加%または減少%として表す。統計学的比較は有意な一方向性分散分析によ
るダンネット(Dunnett)複数比較方法を用いてビヒクル−および薬剤−処理群
の間で行う。
薬剤を1%メチルセルロースに懸濁させる。
2.MES試験
潜在的抗痙攣特性を検出する場合、齧歯類における最大電気ショック発作(M
ES)閾値試験が特に有用である1。この実験において、プロコンバルサントは
発作の閾値を下げるのに対し、抗癲癇剤は電気誘発発作に対する閾値を引き上げ
る。
方法
マウス(雄、チャールス・リバー(Charles River),U.K.CD−1系,2
5−30g)をランダムに10−20の群に割り当て、種々の用量の化合物(0
.3−300mg/kg)またはビヒクルを10ml/kgの投与容量で経口ま
たは腹腔内投与する。ついで、マウスを投与の30または60分後に角膜電極を
通じ一回電気ショックに付す(0.1秒、50Hz、正弦波形)。個々の治療群
にて、マウスの50%が緊張性発作を誘発するのに必要な平均電流と標準誤差(
CC50)をディクソンおよびムード(Dixon and Mood)の「アップ・アンド・ダ
ウン」(up and down)法(1948)2により測定する。ビヒクル処理群と薬剤
処理群の間の統計学的比較をリッチフィールドとウィルコクソン(Litchfieldan
d Wilcoxon)の方法(1949)3により行う。
対照動物において、CC50は、通常、14−18mAである。かくして、対照
群の第一の動物については16mAの電流を流す。緊張性発作が起こらなければ
、その後のマウスには電流を増加させる。緊張性痙攣が起これば、電流を減少さ
せるなどして、その群の全ての動物を試験する。
対照に対する各群のCC50の増加%または減少%を計算する。
0ないし300mAのショックレベルで全可変制御可能なヒューゴー・サック
ス・エレクトロニック・コンスタント・カーレント・ショック・ジェネレーター
(Hugo Sachs Electronik Constant Current Shock Generator)を用いて研究を
行い、通常、段階的に2mAの工程を用いる。
薬剤を1%メチルセルロースに懸濁させる。
文献
1.ロッシャー,ダブリューおよびシュミット,ディ(Loscher,W.and Schmidt,D.
)(1988)エピレプシー・リサーチ(Epilepsy Res.)、2、145−18
1
2.ディクソン,ダブリュー・ジェイおよびムード,エイ・エム(Dixon,W.J.and
Mood,A.M.)(1948)ジャーナル・オブ・アメリカン・スタティスティカル
・アソシェーション(J.Amer.Stat.Assn.)、43、109−126
3.リッチフィールド,ジェイ・テイおよびウィルコクソン,エフ(Litchfield,
J.T.and Wilcoxon,F.)(1949)ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・ア
ンド・エクスペリメンタル・テラピューティックス(J.Pharmacol.exp.Ther.)
、96、99−113。
3.X−迷路
概論
不安発生(開アーム)領域と比較的不安を生じさせない(閉アーム)領域を付
与する環境中、不安X−迷路試験(ハンドリーおよびミタニ(Handley and Mith
ani)、1984)により、未経験のラットの探索反応を試験する。それで、薬
剤前処理後に開アームの探索が選択的に増加することは、不安解消効果を示すと
仮定する。
方法
X−迷路は床から70cmの高さにあり、45cm(長さ)×15cm(幅)
×10cm(高さ)の2本の閉アームと45×10×1cmの2本の開アームか
らなり、各々の2本のアームが互いに向かい合うよう配置した。両方の型のアー
ムを2つの等セクションに区分けした。ラットをX−迷路の中央に置き、10分
間観察し、その間、以下のパラメーターを記録した:1)(a)開アーム、(b
)
閉アーム、(c)開アームの端部および(d)閉アームの端部に入る回数および
経過時間;2)セクションを横切った回数。開アームにおいて起こる恐れの衝動
は閉アームにおけるそれを上回り、ラットは典型的に閉アームに対して明確な優
先性を示す。不安解消薬剤は開アームの外側半分に入る回数および経過時間を増
加させ、また開アーム全体にて入る割合および経過時間の割合を増加させる。こ
れらの不安の4つの測定値、またセクションを横切った全数を、各動物につき計
算した。薬剤を試験30ないし60分前に一群6ないし12匹のラットに腹腔内
または経口投与する。ビヒクル処理群と薬剤処理群の間の統計学的比較をマン−
ウィットニー(Mann-Whitney)の「U」試験(two tailed)を用いて行った。
エス・エル・ハンドレーおよびエス・ミタニ(S.L.Handley and S.Mithani)
、アーカイブズ・オブ・ファーマコロジー(Arch.Pharmacol.)(1984)、
327、1−5。
4.雑種犬の遅延脳血管痙攣
25匹の雌の雑種犬(体重9ないし12kg)を、これらの研究において用い
る。動物は、ザ・ガイド・フォー・ザ・ケアー・アンド・ユース・オブ・ラボラ
トリー・アニマルズ(the Guide for Care and Use of Laboratory Animals)[
DHEW(DHHS)発行番号(NIH)85−23、1985年改訂]により
飼育し、世話をする。実験動物を用いる方法は、すべて、ザ・インスティテュー
ショナル・アニマル・ケア・アンド・ユーズ・コミッティー・オブ・スミスクラ
イン・ビーチャム・ファーマシューティカル(the Institutional Animal Care
and Use Committee of SmithKline Beecham Pharmaceutical)により是認されて
いる。各動物をペントバルビタール(35mg/kg)静脈中)で麻酔し、仰向
けの位置で加熱した実験机に置いた。ついで、全ての動物を気管切開し、麻痺さ
せ(ツボクラリン(tubocurarine);0.1mg/kg)静脈内)、室内の空気
で人工呼吸させる。呼吸終期のCO2(etCO2)を継続的に測定し、動脈血液
中気体分析を定期的に行い、各実験を通じ安定で適切な換気を保証した。ポリエ
チレン製カニューレを、薬剤投与、動脈血圧の測定および血液サンプリングの
ために、各々、左頚静脈、右大腿動脈および静脈に挿入する。次いで、左の脊椎
動脈の大腿を経由したカテーテル挿入を5・フレンチ・レーマン・ダクロン・カ
テーテル(5 french Lehman dacron catheter)(マサチューセッツ州、チュー
クスベリー(Tewksbury)、バード(Bard))を用い、左大腿動脈を経て行なう
。麻酔薬を実験期間前に必要に応じペントバルビタール(5mg/kg、静脈内
)で補足する。
急性脳血管痙攣における本発明の化合物の効果を15匹の犬について評価する
。全ての動物にて、前側脊柱動脈および脳底動脈の制御ディジタル・サブトラク
ション血管造影撮影図を、以下の放射性対照物質(オムニパーク(Omnipaque)
300)の脊柱内への注入後に得る。各イヌにつき、脳脊髄液4mlを環椎後頭
骨膜を穿剌して背部槽から除去し、4mlの自己静脈血を注射する。血液の嚢内
への投与の30分後、各イヌにて血管造影法を繰り返し、脳底および前側脊柱動
脈の急性血管痙攣を同定し、定量する。ビヒクル(10%ポリエチレングリコー
ル200)の30分間注入は急性血管痙攣に対して効果がない。試験化合物を3
0分間注入すると、急性血管痙攣の逆転についての効果が脳底および前側脊柱動
脈にて観察される。
さらに、本発明の化合物の効果を遅延脳血管痙攣の慢性イヌモデル(脳血管痙
攣の2つの出血モデル)において試験する。このモデルにおいて、対照の脊椎骨
の血管造影撮影図を得、(前記のように)自己の血液を初日に嚢内に投与する。
3日目に血液の嚢内投与を繰り返し、重度の遅延性血管痙攣を全ての動物におい
て7日目に血管造影法的にて量化する。60分間にわたるビヒクル(10%ポリ
エチレングリコール200)注入は、脳底および前側脊柱動脈(n=5)にて観
察される遅延血管痙攣に対して何ら効果を有しない。試験化合物を注入すると、
有意に遅延した脳血管痙攣の逆転についての効果が観察された。
5.式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を以下に略述される方法を
用い治療的有用性について試験する:
1)抗−パーキンソン病活性
6−ヒドロキシド−パミン−病変ラットの試験
ウンゲルシュテット・ユー(Ungerstedt,U)、1971年、アクタ・フィジ
オロジカ・スカンジナビア(Acta Physiol.Scand.)367、49−68および
/またはウンゲルシュテット・ユー、1971年、アクタ・フィジオロジカ・ス
カンジナビア、367、69−93にて記載されている上記試験を用い、式(I
)の化合物またはその医薬上許容される塩の抗−パーキンンン氏病活性を測定す
る。
2)抗精神病活性
アンフェタミン−誘発のラット高運動試験
コッキンディス・エルおよびアニスマン・エム(Kokkindis LおよびAnisman
,M)により、1980、サイコロジカル・ブラティン(Psychological Bulletin
)、88、551−579に記載されている上記方法を用い、式(I)の化合物
またはその医薬上許容される塩の抗精神病活性を測定する。
3)抗偏頭痛活性
皮質拡延性鬱状態および偏頭痛
ワール(Wahl)らにより、1987、ブレイン・リサーチ(Brain Research
)、411、72−80に記載される上記試験を用い、式(I)またはその医薬
上許容される塩の抗偏頭痛活性を測定する。
4)脳虚血症
a)モンゴリアン・ゲルビル(Mongolian Gerbil)試験
成熟したモンゴリアン・ゲルビル(タンブルブルック・ファーム(Tumblebr
ook Farm(マサチューセッツ(MA))、体重60−80g)について、in viv
oの実験を行う。一過性前脳虚血症を100%O2麻酔中、2.5%イソフロウラ
ン下、左右両側の頚動脈を連結することにより
生じさせ、該動物を加熱パッドにのせ体温を37℃に維持する。総頚動脈を暴露
し、動脈瘤のクリップを凡例図に示す、ある期間、総頚動脈に装着した。生理食
塩水に溶解したPBNをボーラスとして閉塞の30分前(前処理)または直後お
よび再び再潅流の6時間経過後に、続いて同じ用量を一日に2回、2日間(後処
理)腹腔内投与した。CA1ニューロンの量化のために、動物を虚血症後7日で
殺し、緩衝ホルマリンにより潅流する。脳を摘出し、ホルマリン中に3日保存し
、パラフィン中に埋め込み、7μm厚の冠状セクションに切断し(ブレグマ15の
1.5−1.9mm後方)、チオニンで染色した。3つのセクションの海馬両側面
のCA1層の750μm以上の長さの無傷のニューロンの数を各動物について測
定した。
b)MCAO法
3系統の成熟した雄のラット(SHR)を18週令(体重250−300g
)で商業的に入手し(各々、ニューヨーク州、ジャーマンタウン(Germantown)
、タコニック・ファームズ(Taconic Farms);マサチューセッツ州、ダンバー
ズ(Danvers)、チャールズ・リバー(Charles River);およびチャールズ・リ
バー)、これらの実験に利用する前に2ないし4週間飼育した。実験される系統
の動物が実際に高血圧であることおよび正常血圧であることを確かめるため、各
系統の動物を2%イソフロウランで麻酔し(ウィスコンシン州、マディソン(Ma
dison)、アナクエスト(Anaquest))、血圧を記録するために無菌状態で慢性
的に調製する。大腿動脈をちょうど大動脈まで延びるポリエチレン製チューブ(
PE60;ニュージャージ州、パーシパニー(Parsippany)、クレイ・アダムズ
(Clay Adams))によりカニューレに付す。該チューブを動脈から皮下的に誘導
し、首の後ろの真下にある肩甲骨の間で外部に出し、滅菌等張生理食塩水できれ
いにし/満たす。2−0の絹の縫合糸を用いて切開を閉じ、5%リドカイン軟膏
(マサチューセッツ州、ウェストボラフ(Westborough)、アストラ・ファーマ
シューティカルズ(Astra Pharmaceuticals))
で処理する。動物は手術/麻酔から5分以内に回復する。平均動脈血圧を、手術
の4ないし5時間後、1ラットにつき5分間、ポリグラフ(R711モデル:カ
リフォルニア州、フラートン(Fullerton)、ベックマン・インストゥルメンツ
・インコーポレイテッド(Beckman Instruments,Inc.))に出力するスタータム
・プレッシャー・トランスデューサー(Stathampressure tranducer)(P2.3
Db;カリフォルニア州、ロスアンゼルス(Los Angels)、スタータム・メディ
カル・インストゥルメンツ(Statham Medical Instruments))に、各ラットの
外部にあるチューブを連結することにより記録する。
フォーカル・ストローク(Focal Stroke)法
MCAOまたは疑似手術をペントバルビタールナトリウム(65mg/kg、腹
腔内、必要に応じ補足)麻酔下、SHR、SDラットにて行なう。全ての動物に
は手術前および手術後に食物と水を自由に与えた。体温を、手術の間、加熱パッ
ドを用いて37℃に維持する。手術は前記の方法(2.4)と類似の方法で行な
う。頭に向かって右背面の毛を刈り、プロビドン−ヨーダインで調製し、ラット
を接触走性装置(カリフォルニア州、ツジュンガ(Tujunga)、ディビッド・コ
プフ・インストゥルメンツ(David Kopf Instruments))に、頭部の手術(右)
側を上に置く。眼窩と外部耳導管の間を1〜2cm切開した。側頭筋を頭蓋骨か
ら切り裂き、頬骨結合または下顎神経を傷付けることなくリトラクトする。手術
用顕微鏡の下、生理食塩水の潅注液を用い、2−3mmの開頭手術を頬骨−側頭
鱗部の頭蓋骨の縫合に対しちょうどくちばし状突起となるように行なう。硬膜を
先端が変形した30ゲージ針を用いて動脈上で切開した。MCAOを不変かつ正
確に行うために、電気凝固法(フォース2・エレクトロサージカル・ジェネレー
ター(Force 2 Electrosurgical Generator)、コロラド州、ボウルダー(Bould
er)、バレー・ラブ・インコーポレイテッド(Valley Lab Inc.))を用い、動
脈を同時にふさぎ、下部脳静脈のレベ
ルで側方嗅覚束に対して背側を切断した。ついで、小片の滅菌生理食塩水に浸し
たゲルフォーム(Gelfoam)(ミズリー州、カラマズー(Kalamazoo)、アップジ
ョン(Upjohn))を開頭上に置き、側頭筋と皮膚を二層にて縫合する。該動物を
、加熱ランプ下、麻酔薬から回復させ、ついでそのゲージに戻す。動物をMCA
Oの24時間経過後に殺し、反応性組織学試験体から脳を調製する。
虚血障害の測定
神経学的評価後(手術後24時間)、ラットをペントバルビタールナトリウ
ムの過剰投与により殺す。2−3分以内に、脳を摘出し、6つの冠状前脳断片(
厚さ2mm)を、ラット・ブレイン・スライサー(rat brain slicer[(59)
;ペンシルベニア州、アリソンパーク(Allison Park)、ツビックーミラー・ラ
ボラトーリーズ,インコーポレイテッド(Zivic-Miller Laboratories,Inc.)
]を用いて嗅球のレベルから皮質と小脳の接合部にかけて調製した。これらの前
脳断片を次いで直ちにリン酸緩衝液中の1%塩化トリフェニルテトラゾリウム(
TTC)溶液に37℃で20−30分浸した(6.78)。次いで、染色した組
織を10%リン酸緩衝ホルマリンを用いて濾過し、固定する。各TTC染色のセ
クションの2つの側面をポラロイドカメラを用いてカラー撮影する。これらの写
真を分析し、画像分析システム(アメルシャム(Amersham)RAS3000;ロ
ーツ・アソシエーツ・インコーポーレイテッド(Loats Associates,Inc.))を
用いて虚血障害を量化する。手術後の形態学的変化を各動物について全前脳(全
部で11の平面)にて評価する。11の平面画像が、6つの2mm厚のセクショ
ンの各側面から得られ、ブレグマ(97)から+5mmないし−5mmの略1m
mのセクション面に一致し、完全な前脳を含む。これらの平面画像表面(写真か
らの)をデジタル化し、梗塞の大きさと膨張の面積測定用の画像分析システムに
おいて用いる。MCAOによる虚血障害の2つのパラメーターを前記(2、4、
98、122)したように各断片
について測定する。「半球膨張」は同側の(つまり手術側の)半球の、反対側(
正常な)半球に対する大きさの増加%として表され、以下のように計算する:
「梗塞の大きさ」は、反対側(正常な)半球面積に関して梗塞組織のパーセ
ントとして表され、以下のように計算された:
膨張と梗塞の大きさを反対側半球に関して表す(つまり、同側の虚血障害を
正常な反対側半球に対して標準化する)。これらのパラメーターを各断片につい
て測定し、前脳を通して傷害のプロフィール(即ち、「前脳のプロフィール」)
およびこれらの式において個々の断片のデータの合計を用いることにより前脳「
全体」の変化を評価する。
MCAO後の半球膨張に伴う脳浮腫の発生は、前記(45、188)したよ
うに、湿/乾重量の比較により測定された。疑似手術またはMCAO手術の24
時間後にペントバルビタールナトリウムの過剰投与によってラットを殺した。脳
を速やかに摘出し、前脳を小脳−皮質の接合部で単離し、2つの半球に分け、各
前脳半球を、断頭後2分以内に、メトラー・タイプ(Mettler Types)H5ケミ
カル・バランス(chemical balance)(ニュージャージ州、ハイトスタウン(Hi
ghtstown)、メトラー・インストルメンツ・コーポレイション(Mettler Instru
ments Corp.))で測定した。乾重量は同じスケールで半球を80℃において4
8−72時間オーブン中
で乾燥させた後に測定した。各半球の水分含量は湿重量からのフラクション%と
して湿および乾重量間の違いとして計算した:
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
A61K 31/47 AAY 9454−4C
// C07D 209/42
405/04 215 7602−4C
(72)発明者 エバンズ,ジョン・モーリス
イギリス国エセックス・シーエム19・5エ
イディー、ハーロウ、ザ・ピナクルズ、コ
ールドハーバー・ロード(番地の表示な
し) スミスクライン・ビーチャム・ファ
ーマシューティカルズ
(72)発明者 ボン,クォーク・ケオン
イギリス国エセックス・シーエム19・5エ
イディー、ハーロウ、ザ・ピナクルズ、コ
ールドハーバー・ロード(番地の表示な
し) スミスクライン・ビーチャム・ファ
ーマシューティカルズ
(72)発明者 ウィレット,ロバート・ニコラス
アメリカ合衆国ペンシルベニア州19406―
2799、キング・オブ・プルシア、スウェー
ドランド・ロード 709番 スミスクライ
ン・ビーチャム