【発明の詳細な説明】
ポリカーボネートのための接着剤
本願は、引用することで本明細書に組入れる1992年12月7日提出の米国出願第0
7/986,469号の一部係属出願である。
発明の分野
本発明は放射線硬化性組成物に関し、これは硬化したとき、熱老化後にポリカ
ーボネート表層に対する向上した接着力を有する粘弾性ポリマーを生み出す。本
発明は更にこの組成物により作った放射線硬化型感圧接着剤及びかかる感圧接着
剤により作ったテープに関する。
背景
感圧接着剤は当業界に公知であり、そして多種多様な表層を結合させるために
使用されている。しかしながら、一定の接着剤は一定のポリマー表層には良好に
結合しない。弱い接着結合力は特に高性能ポリマー、例えばポリカーボネート及
びポリフェニレンオキシドにおいて顕著である。ポリカーボネートは特に結合さ
せにくく、なぜならポリカーボネートはガス発生し、そして接着剤の中に泡を発
生させ、これは、接着剤とポリカーボネートとの離層の原因となる。この問題は
ポリカーボートが、慣用の感圧接着剤について熱老化後に剥離接着力の顕著な低
下が一般に見受けられるような高温での熱老化に耐えねばならない場合に非常に
大きい。
欧州特許公開EP 353,677及びEP 304,779号は泡のないポリカーボネート表層に
対する結合にとって有用と言われている感圧接着剤を
述べている。この接着剤は50〜85%のアクリルエステルの第一モノマー成分、1
〜30%の極性基を有するアクリル系化合物の第二モノマー成分、及び5〜40重量
%のポリマー分子鎖とその分子鎖の末端にある重合性官能基とを有する第三モノ
マー成分を含んで成る。これらの文献に教示されている接着剤は溶媒ベースであ
る。
米国特許第4,554,324号(Husmanら)は、A及びBモノマー、並びに任意的に
Bモノマーを有するアクリレートコポリマー感圧接着剤を開示する。このAモノ
マーはアルキルアクリレートモノマーであり、Cモノマーはマクロモノマーであ
り、そして任意的なBモノマーはAモノマーと共重合性の極性モノマーである。
これらのモノマーは一般に溶媒ベース共重合を利用して調製されるが、共重合は
他の公知の技術、例えば懸濁、エマルション及びバルク重合も利用できると記載
され、しかしどの重合も他に勝る利点を供さない。Husmanらはポリカーボネート
に対する接着力を述べていない。
欧州特許公開187,044(Kerrら)は、放射線硬化性マクロモノマー組成物及び
生成物を述べている。この公開公報はマクロモノマーを溶解せしめる反応性希釈
剤へのマクロモノマーの添加を述べている。安定化したら、その混合物を光重合
せしめる。Kerrらに記載の反応性希釈剤は、モノエチレン系不飽和材料、ポリエ
チレン系不飽和材料及びそれらの混合物より選ばれる約2000に至るまでの分量の
、フリーラジカル重合性、放射線硬化性の実質的に非揮発性の液状モノマー又は
オリゴマーである。Kerrらはポリカーボネートに対する接着強化を述べておらず
、更にポリカーボネートに利用するためのモノマーのタイプ及び量の選択におけ
る基準を述べていない。
一部の溶媒ベース感圧接着剤はポリカーボネート表層に対する結合にとって有
用であると実証されているが、放射線硬化型感圧接着剤が高温でポリカーボネー
ト表層に良好に結合できることは教示さ
れていない。事実、溶媒ベース接着剤は高温において剥離接着力が低下すること
が観察されている。従って、高温においてポリカーボネートに対する接着力を保
つかかる感圧接着剤についての要望が現状ある。
放射線硬化性組成物は、放射線硬化したとき、70℃で老化させた後にポリカー
ボネート表層に対する接着強化を発揮する感圧接着剤として特に有用である粘弾
性ポリマーを生み出すことがこの度発見された。
概要
本発明は接着剤を提供し、これは
(a)約50〜約98重量部の、1〜約14個の炭素原子を有する非第三アルコール
のモノマーアクリル又はメタクリル酸エステル;
(b)約0〜約50重量部の、共重合性補強モノマー;
(c)約1〜約15重量部の共重合性マクロモノマー;及び
(d)有効量の光開始剤;
を含んで成る出発材料の放射線硬化型重合反応生成物を含んで成る。
好ましくは、この組成物は2〜10重量部の共重合性マクロモノマー、そして最
も好ましくは、この組成物は4〜9重量部の共重合性マクロモノマーを含む。
この組成物は、塗布性粘度に至るまで重合した成分(a)及び(b)の部又は
(a),(b)及び(c)の部を含むことができる。
本発明は感圧接着剤、本発明の接着剤を利用する接着製品、及びこの接着剤を
利用して製品を作る方法も提供する。
本発明の接着剤は、ポリカーボネート表層に塗布し、そして70℃で3日間老
化させたとき、以下に説明する試験Aに従って試験した
場合、硬化後に室温において同様に老化させたものと対比して、ポリカーボネー
トに対する接着力を維持している。接着力の維持は、本願の目的にとっては、接
着力の損失がないことを意味する。
好適な接着剤は、試験Aに従って試験した場合、硬化後に室温において3日間
同様に老化させたものと対比して、70℃でポリカーボネート上での接着強化を発
揮する。より好ましくは、この接着剤は、上記の試験条件下で、少なくとも5%
の接着強化、そして最も好ましくは、少なくとも10%の接着強化を、試験Aに従
って試験したときに発揮する。好適な接着剤は感圧接着剤である。
詳細な説明
放射線硬化接着剤は、少なくとも一のアルキルアクリレート又はメタクリレー
トモノマー、共重合性補強モノマー及び共重合性マクロモノマーを含んで成る、
本質的に100%固形物のものである。
本発明の実施において有用な共重合性マクロモノマーは、アルキル(メタ)ア
クリレートモノマー、そして含まれているなら、補強モノマーと共重合するであ
ろうビニル基を有するポリマー成分である。このマクロモノマーは一般式
X−(Y)n−Z
(I)
(式中、
Xはアルキルアクリレート及び補強モノマーと共重合性であるビニル基であり
;
Yは二価の連結基であり、ここでnは0又は1であってよく、そして
Zは20℃より大のTg、約2,000〜約30,000のレンジにおける数平均分子量を有
し、且つ共重合条件下で本質的に非反応性である一価
のポリマー成分である)により表わされる。
好適なマクロモノマーは、一般式
(式中、
Rは水素原子又はCOOH基であり、そしてR′は水素原子又はメチル基である)
を有するX基を有するものとして更に定義される。炭素原子間の二重結合はアル
キルアクリレート及び補強モノマーと共重合することのできる成分を提供する。
好適なマクロモノマーは次式
〔式中、
R2は水素原子又は低級アルキル基であり、R3は低級アルキル基であり、nは
20〜500の整数であり、そしてR4は
(式中、R5は水素原子又は低級アルキル基である)及び−CO2R6(式中、R6は
低級アルキル基である)より成る群から選ばれる一価の基である〕を有するZ基
を含む。
好ましくは、このマクロモノマーは、
(式中、R7は水素原子又は低級アルキル基である)より成る群から選ばれる一
般式を有する。
ビニル末端型ポリマーマクロモノマーは、引用することで本明細書に組入れる
米国特許第3,786,116号及び第3,842,059号(Milkovichら)に開示の方法により
調製されうる。
有用なマクロモノマーの量は、アクリレートモノマー、補強モノマー及びマク
ロモノマーの総重量の100重量部当り約1〜約15重量部で変えてよい。より多くの
マクロモノマーを使用してよいが、価格が妨げとなりうる。好ましくは、マクロ
モノマーの量はアクリレートモノマー、補強モノマー及びマクロモノマーの総重
量100重量部当り約2〜約10重量部、そして最も好ましくは約4〜約9重量部とす
る。
本発明の実施において有用なアルキルアクリレート又はアルキルメタクリレー
トモノマーは1〜約14個の炭素原子を有する非第三アルコールの一価の不飽和ア
クリル又はメタクリル酸エステルであり、炭素原子の好ましい数は約4〜約12個
の炭素原子数である。かかるモノマーの例には、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、ドデシルアクリレー
ト、デシルアクリレート、n−ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート及び
それらの混合物が含まれる。好適なモノマーには、イソオクチルアクリレート、
ブチルアクリレート及びその混合物が含まれる。
この補強コ−モノマーは、使用する場合、単独で重合したときにアクリレート
ホモポリマーのガラス転移温度より高いTgを有するホモポリマーを生み出すであ
ろうモノマーである。かかるモノマーの例には、アクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸、アクリルアミド、置換化アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N
−ビニルカプロラクタム、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレ
ート及びアクリロニトリルが含まれる。好適なコ−モノマーはアクリル酸である
。
この組成物は好ましくは光開始剤も含む。有用な光開始剤の例には、ベンゾイ
ンエーテル、例えばベンゾインメチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエー
テル、置換化アセトフェノン、例えば2,2−ジエトキシアセトフェノン及び2
,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、置換化ベンゾインエーテル、
例えばアニソインメチルエーテル、置換化アルファーケトール、例えば2−メチ
ル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、及び芳香族スルホニルクロリド、例えば
2−ナフタレンスルホニルクロリドが含まれる。この光開始剤は一般に100部の
モノマー当り10部までの量、そして好ましくは100部のモノマー当り約0.01〜約5
部の量で使用される。
この接着剤は、硬化過程に、又は最終製品の所望の性質に有害な影響を及ぼさ
ない限り、添加剤も含みうる。有用な添加剤には架橋剤、充填剤、界面活性剤、
ガス及びファイバーが含まれる。充填剤の量及びタイプは所望の特定の性質によ
り決定される。
架橋剤は接着剤の内部強度を高めるために使用されうる。架橋剤
は好ましくは光活性である。架橋剤の例には、多価アクリレート、例えば1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)、トリメチロールプロパントリアク
リレート及び1,2−エチレングリコールジアクリレート、並びに置換化トリア
ジン、例えば2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル
)−S−トリアジン及び2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3,4−ジ
メトキシフェニル)−S−トリアジンが含まれる。架橋剤は100部のモノマー当
り0.01〜約10重量百分率の量において使用でき、そして好ましくは、100部のモ
ノマー当り1重量百分率未満の量で使用されうる。
増粘剤又は増粘性樹脂も、オレフィン系表層、例えばポリプロピレンに対する
接着力を高めるため接着剤に加えてよい。増粘剤は巨視的な相分離が生じないよ
うに接着剤のアクリレート含有ポリマーと相溶性でなくてはならない。有用な増
粘剤には低分子量合成炭化水素樹脂を含んでよく、これは芳香族、脂肪族、又は
芳香族と脂肪族との混合物であってよく、そして低分子量ロージン及びロージン
誘導体であってよい。好適な増粘剤には炭化水素樹脂、そして特に好ましくはス
チレン系ベースコーモノマーから重合せしめた水素化炭化水素樹脂が含まれる。
好ましくは、樹脂は約300〜約4,000、そしてより好ましくは、約1200〜約3000の
重量平均分子量を有する。有用な市販の炭化水素ベース増粘剤には、とりわけ、
Hercules,Inc.より、商標名Regalrez,Foral,Hercotac,Piccolyte及びKris
tolexで、並びにExxon Chemicalsより商標名Escorezで販売されているものが含
まれる。
増粘剤は100部のアクリレート当り0〜50部の量で使用されうる。ポリプロピレ
ンに対する接着のためには、その量は100部のアクリレート当り約10〜約40部の
レンジ、そして最も好ましくは100部
のアクリレート当り約15〜約30部のレンジにある。
好適な態様において、ポリプロピレンに対する接着のためには、この接着剤は
炭化水素増粘剤を含み、そして補強コモノマーは非極性モノマー、例えばイソボ
ルニルアクリレートである。極性コモノマー、例えばアクリル酸は約5%未満の
量で使用される限り、第2コモノマーとして含まれる。
適当な充愼剤には、シリカ、ポリマー微小球、膨張性ポリマー微小球、ガラス
バブル及びファイバーが含まれる。有用なシリカの例はDegussaより入手できるA
erosil R-972である。
10〜200μmの平均径を有する様々なタイプの微小球を、その接着剤にフォー
ム様品質を授けるために加えてよい。有用なガラス微小球には、米国特許第4,22
3,067号(Levens)、第4,666,771号(Vesleyら)及び第4,612,242号(Vesleyら
)に開示のものが含まれる。
接着剤において有用なポリマー微小球には、米国特許第3,615,972、4,075,138
及び4,287,308号に記載のものが含まれる。ポリマー微小球はKema Nord Plastic
sより「Expancel」の商標名及びMatsumotoからF-80 EDの商標名でも市販されて
いる。微小球は約0.02−0.36g/ccの比重にまで膨張でき、そして膨張又は未膨
張形態のいづれにおいてもこの接着剤に加えてよい。膨張微小球の添加は、接着
剤の中の微小球が接着剤の薄層により実質的に覆われるようになるであろうこと
を確実なものとする。
この組成物は、引用することで本明細書に組入れる米国特許第4,415,615号(E
smayら)に教示の通りに泡立たさせて気泡膜又は気泡感圧接着膜にすることもで
きる。気泡感圧接着膜は、適当な界面活性剤を感圧接着剤に加え、それにガスを
吹き込むことによってその組成物を泡立たせ、その泡を支持体に塗布し、そして
その組成物を
重合させることによって調製できる。もし光重合を利用するなら、泡立を行うの
に二酸化炭素又は窒素の如くの不活性ガスを使用するのが好ましい。
気泡感圧接着膜は膜に対する内部強度を高めるために炭化水素エラストマーを
含んでもよい。かかる炭化水素エラストマーは引用することで本明細書に組入れ
る米国特許第5,024,880号に開示されている。有用なエラストマーには飽和型ブ
ロックコポリマー、例えばスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)が
含まれる。適当なSEBS及びその他の飽和型ブロックコポリマーはShell Chemical
Companyより商標名Kraton Gl726,Kraton G1657及びKraton 1650で市販されて
いる。
粘弾性ポリマーは一般にアクリレートモノマーを補強モノマー及び光開始剤と
混合し、そして実質的に不活性な雰囲気において紫外光(UV)ランプのもとで部
分重合させて約300〜約10,000センチポアズの粘度を有する塗布性シロップを形
成することによって調製される。次いでマクロモノマーを更なる光開始剤、架橋
剤及びその他の添加剤と一緒に加え、ウェブの上にコートし、そして不活性雰囲
気において紫外光で重合させる。十分に不活性な雰囲気は、接着剤を、ほとんど
のUV光をその接着剤に通過させるが、しかし、実質的に酸素不透過性であるポリ
エステルフィルムの如くの2枚のフィルムの間にはさむことによって達せられう
る。硬化チャンバーの中で許容される酸素の量は、米国特許第4,303,485号(Lev
ens)に開始のオクタン酸第一スズの如くの酸化性スズ塩を添加することにより
高めることができる。
他方、このマクロモノマーはシロップの形成前にアクリレートモノマーに加え
てよい。所望するなら、他の添加剤を塗布及び硬化前にシロップに混合せしめて
よい。
シリカの如くのチキソトロープ剤を加えることによって粘度を高めることも可
能である。その粘度は一般に組成物をウェブに塗布するのに用いる所望の塗布技
術のために最適な粘度を供するように調整する。
好ましくは、この組成物は紫外線により硬化し、そして最も好ましくは、重合
の一部又は全体は約0.1〜約10mW/cm2の強度を有する低強度紫外ランプを用いて
行う。例えば、低強度ランプにより約10〜90%のモノマー転換率に至るまで重合
し、次いでより強めの強度のランプで硬化を実質的に完了することが可能である
。適当な低強度ランプには、その発光スペクトルの約75%以上が約280〜400ナノ
メーターの間にあるランプが含まれる。かかるランプは市販されており、そして
時折り蛍光紫外ランプと呼ばれている。高強度ランプの例には高及び中圧水銀灯
が含まれる。
ランプの選択は使用する光開始剤に依存する。発光スペクトルの大部分が、開
始剤が光活性化する波長付近にあるランプを使用することが好ましい。
この組成物の主用途はポリカーボネート表層を結合させることにあるが、この
硬化組成物は性質において粘弾性であり、そして感圧接着剤を越える有用性を有
する。これらは適当な柔軟性又は非柔軟性裏地又はシートの表層の少なくとも一
部に適用できる。例えば、それは裏地に適用して接着剤コート化シート材、例え
ばテープを形成することができる。本明細書で用いる「テープ」なる語には、限
定することなく、裏地又は支持体に永久装着された片面接着層、両面に接着層を
有する柔軟支持体を有する両面接着ストリップ、及び支持体又は裏地を有さない
接着ストリップが含まれ、それらは低接着力ライナーに必須ではないが一般に着
脱式に装着され、そして通常「トランスファーテープ」と呼ばれている。
接着剤コート化シート材は以下の工程を含んで成る方法により作ることができ
うる。第一に、支持体を用意し、そして接着剤を塗布する。その接着剤は:(i
)約50〜約98重量部の、約1〜約14個の炭素原子を有する非第三アルコールのモ
ノマーアクリル酸又はメタクリル酸エステル;(ii)約0〜約50重量部の共重合
性補強モノマー;(iii)約1〜約15重量部の共重合性マクロモノマー;及び(iv
)有効量の光開始剤;を含んで成る。次に、この塗布済支持体を照射に付し、接
着剤が形成されるようにその組成物の重合を起こさせる。この接着剤は、ポリカ
ーボネート表層に塗布後、試験Aに従って試験したときに、70℃において72時間
の熱老化後に、ポリカーボネート表層に対する接着性を保っていた。この一般方
法は上記の任意の接着剤又は接着剤コート化シート材を作るのに適用できうる。
以下の限定でない実施例を本発明を更に例証するために提供する。
試験手順
90℃剥離試験
ペーパー剥離ライナー上の15.2cm×11.43cmの感圧接着剤のシートを、A.J.Ost
er Foils,Inc,Alliance,Ohioより入手した15.2cm×15.2cm×0.05mm(厚さ)
のアルミホイルに装着することによりサンプルを調製した。1.27cm×15.2cmのス
トリップを切り、そしてステンレススチール、ポリカーボネート又はポリフェニ
レンオキシドより成る5.08cm×12.7cmの試験パネルに装着した。この積層サンプ
ルの上に2.05kgのローラーを2回ころがした。初期試験(INIT/RT)については
、サンプルを室温(21℃)に15〜20分放置し、それから試験した。パネルを老化
(72Hr/RT又は72Hr/70℃)させた後の試験結果については、パネルを試験温度
(それぞれ21℃又は70℃)
に72時間放置した。70℃で老化させたサンプルは試験前に室温(21℃)にまで冷
やした。
厚めのサンプル、例えば実施例30〜32及びC15〜C18におけるサンプルについ
ては、サンプルの調製は、その接着剤をLawrence&Frederick,Inc由来の陽極酸
化アルミニウムの長さ15.2×厚さ0.137cmのストリップの艶消仕上げ面に塗布
することを除き、前記と同じである。
サンプルを試験するため、このアルミニウムストリップの自由端をInstron(
商標)接着カテスターの一方のジョーにクランプし、そしてその試験パネルを他
方のジョーにおける固定部に取付け、そのストリップがパネルより90゜の剥離角
度において取外せるであろうようにした。これらのジョーを30.48cm/分の速度
で引き離し、そしてパネルから接着剤を引っ張るのにかかる力をデシメーター当
りのニュートン(N/dm)で報告した。試験のために用いたパネルは以下の通り
である。
1.ステンレススチール試験パネルは、Minneapolis,MNのVincent Metals,I
nc.由来の光沢なまし仕上げされた18ゲージの5.08cm×12.7cmパネルである。そ
のパネルは、光沢なまし仕上げ面を、アセトンに浸したティッシュ(Kimwipe(
商標)、Kimberly−Clarkより入手可能)で1回、そしてヘプタンに浸したティ
ッシュで3回ふくことにより用意した。接着剤を光沢なまし仕上げ面に載せた。
2.ポリカーボネートパネルは、General Electric CompanyよりLexan(商標
)として市販されている潤滑仕上げされた5.08cm×12.7cm×0.48cmのパネルであ
る。そのパネルは、イソプロピルアルコールに浸したティッシュで3回ふくこと
により用意した。
3.ポリフェニレンオキシドパネルは、General Electric Company由来のNory
l(商標)(ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ンオキシド))より成る。このパネルは5.08cm×12.7cm×0.48cmであり、そして
イソプロピルアルコールに浸したティッシュで3回ふくことにより用意した。
試験A
試験Aは、接着剤の接着力を決定するのに上記の90゜剥離接着試験を利用した
。ポリカーボネートパネルに接着剤を上記の通りに載せることによりサンプルを
作り、そのパネルを70℃で72時間老化させ、次いでそのサンプルを室温にまで冷
した後にそのサンプルを90゜剥離接着力について試験した。別のサンプルを同じ
接着剤を用いて作ったが、ただしポリカーボネートパネルに塗布後、サンプルを
21℃で72時間老化させた。21℃での剥離接着値を70℃での剥離接着値から差し引
き、そしてその差を21℃での剥離接着値で除した。その差を接着力の%上昇又は
低下に変換し、そして%変化率(%chg)として記録し、ここで「+」は上昇、
そして「−」は低下を意味する。
静置剪断
ペーパー剥離ライナー上の幅1.27cmの感圧接着剤のストリップを上記の厚さ0.
05mmのアルミニウムホイルストリップの艶消仕上面に載せることによりサンプル
を用意した。
90°剥離接着力のため、そのアルミニウムストリップを上記の通りにステンレ
ススチールパネルに載せてその接着剤の1.27cm×2.54cmの部分がそのパネルと接
触するようにした。そのパネルを次に、その接着剤塗布済ストリップをパネルの
上面の上にくるようにして、そのパネルを垂直より2度傾けさせて70℃のオーブ
ンの中に入れた。そのストリップに500gのおもりを取付け、パネルからストリ
ップを引っ張れるようにし、そしてパネルからストリップを引っ張るのにかかる
時間を記録した。10,000分以内に外れが起きなかった
ら、試験は中止した。
引張及び伸長
サンプルは、感圧接着剤のダンベル型ストリップをダイカットし、そしてその
ダンベルの各端にマスキングテープを巻くことによって用意した。そのサンプル
は長さ4.l3cm及び幅0.635cmの中心領域を、ダンベルの拡張部の間に有する。サ
ンプルはテープ付き先端をレコーダーの付いた(Sintech又は同等品)引張テス
ターのジョーにクランプし、そしてそれらのジョーを30.48cm/minのスピードで
引き離すことにより試験した。破断伸び率は、破断点でのサンプルの長さをサン
プルのもとの長さで除することによって計算し、そして「Elong%」として記録
した。引張強さは試験したサンプルの破断引張力及び厚さから計算し、そしてニ
ュートン/cm2(引張力N/cm2)で記録する。
モノマーA(MON A)
メタクリレート末端化ポリスチレンポリマーモノマーを、1000gのヒドロキシ
末端化ポリスチレンマクロモノマー(Macromer 13K PSOH,Sartomerより入手)
を約1000gの約50℃のメチルエチルケトンの中に溶かすことにより用意した。Su
per-Cel(商標)(Celite(商標)Corp.由来の濾過助剤)をその溶液に定常撹
拌しながら加えた。曇った混合物をWhatman No.4濾紙を用いてブフナーろう斗で
濾過した。透明な濾液を、メカニカルスターラー、温度計、コンデンサーと乾燥
用チューブとの付いたソックスレーアダプター、及び2個の栓の付いた5口丸底
フラスコの中に注ぎ入れた。更に200gのメチルエチルケトンをそのフラスコに
加えた。その溶液を還流するように熱し、そして200mlのメチルエチルケトンを
蒸留除去した。その溶液を26℃にまで冷やし、そして20滴のジブチルスズジラウ
レート、0.2gのBHTインヒビター及び23.8gの2−イソシアナトエチル
メタクリレート(Dow Chemical Companyより入手)を撹拌しながら加えた。その
混合物を約70℃に19時間熱した。21℃にまで冷却後、その混合物をメタノールの
入った強力撹拌ビーカーにゆっくり加えてモノマーを沈殿させた。その沈渣を焼
結ガラスろう斗で吸引濾過し、そして室温において時折り撹拌しながら約10日間
風乾させ、956gのモノマーが得られた。そのモノマーは10,100gの数平均分子
量(Mn)及び1.09の多分散性(p)を有していた。
モノマーB(MON B)
ポリスチレンポリマーモノマーを、500gのMacromer 13K PSOHを約500gの50
℃のメチルエチルケトンの中に溶かすことにより用意した。Super-Cel(商標)
をこの温かい曇った溶液に加え、そしてその混合物をWhatman No.4濾紙の載った
ブフナーろう斗で濾過した。透明な濾液を、温度計、栓、メカニカルスターラー
、ソックスレーアダプター、及び乾燥用チューブの付いたコンデンサーの付いた
2000mlの丸底フラスコの中に加えた。その後、その溶液を30℃に冷やし、そして
以下のものを撹拌しながら加えた:10滴のジビニルスズジラウレート、0.1gのB
HTインヒビター及びAmerican Cyanamid Co.より入手した15.5gのm−イソプロ
ペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート。次にその混合物を撹拌しな
がら約70℃で約18時間熱した。室温又は約21℃に冷却後、その混合物をメタノー
ルを含むビーカーにゆっくり加え、一夜強力に撹拌してモノマーを沈殿させた。
その沈渣を吸引濾過により単離し、そして時折り撹拌しながら風乾した(Mn=10
,500及びp=1.02)。
モノマーC(MON C)
約10,000の分子量を有するメタクリレート末端化コポリスチレン/t−ブチル
スチレンモノマーを用意した。Dean-Starkトラップ、コンデンサー、添加ろう斗
、温度計、人口チューブ及びメカニカル
スターラーの付いた乾いた5リッターの5口フラスコに2260gのシクロヘキサン
を入れた。そのシクロヘキサンをアルゴン下で還流して熱し、そして200mlのシ
クロヘキサンを蒸留により除去した。そのシクロヘキサンを約45℃に冷やし、そ
してsec−ブチルリチウム(シクロヘキサン中の1.1Mの溶液27.8ml;0.031mole)
を加え、次いでスチレン(275.5g)及びt−ブチルスチレン(49.1g)の溶液
を加えた。これらのモノマーは予め、シリカゲル、次いでアルミナに通すことに
よって精製しておいた。発熱反応は、氷浴で冷却しながらも、72℃に達する最高
温度をもたらした。1時間後、過剰のエチレンオキシド(水酸化ナトリウムのペ
レットに通し済み)を約40℃の反応温度において強力に撹拌しながら導入した。
その混合物を酢酸(0.031mole)でクエンチした。室温に冷却後、その反応混合
物をドライエアーで飽和にし、そして2−イソシアナトエチルメタクリレート(
11.2g,0.072mole)及びジブチルスズジラウレート(4滴)触媒で処理した。1
4時間後、その混合物をメタノールの中で沈殿させ、278gの生成物(Mn=8450;
p=1.09)が得られた。
実施例1
アクリレートシロップを、90部のイソオクチルアクリレート(IOA)、10部の
アクリル酸(AA)及び0.04百分率のモノマー(pph)の2,2−ジメトキシ−2
−フェニルアセトフェノン(Irgacure(商標)651;Ciba Geigy Corp.より入手
可能)で混合することにより調製した。その混合物を窒素雰囲気中でそれを、発
光スペクトルの90%が300〜400nmの間にあり、351nmで最大値を有する蛍光ラン
プのバンクに、約1mW/cm2の平均強度(EIT(Electronic Instrumentation & Te
chnology,Inc.)由来のUV Radiometer,Model No.UR365 CH 1により測定した
全エネルギーより算定)において曝露させることにより部分重合させた。感圧接
着剤は、98部のアクリレートシ
ロップを、2部のモノマーA、0.10pphの2,4−ビス(トリクロロメチル)−
6−(4−メトキシフェニル)−S−トリアジン及び0.15pphのIrgacure(商標
)651と混合することにより調製した。得られる組成物を真空で脱気し、そして
厚さ0.114mmのポリエチレン塗布クラフトペーパーの上に厚み0.127mmにナイフコ
ートした。そのコート化混合物を窒素雰囲気の中で約0.7mW/cm2の紫外(UV)強
度に曝露して感圧接着剤を作った。UV線は、発光スペクトルの90%が300〜400nm
の間にあり、且つEI.T.由来のUvimap Radiometer Model No.365L-S(これは350n
mにおいて最大値を有し、300〜400nmでスペクトル応答性である)で測定したと
きに351nmにおいて最大値を有する蛍光ブラックランプにより供される。この試
験サンプルをまず静置剪断について試験し、そして10,000分より大の剪断値を有
していた。得られる感圧接着層を、90゜剥離試験に従い室温及び熱老化後に90゜
剥離接着力について試験した。その試験結果を表1に報告する。
実施例2
感圧接着剤を実施例の手順に従って調製したが、ただし96部のアクリレートシ
ロップを4部のモノマーAと混合した。得られる感圧接着層を90゜剥離試験に従
い室温及び熱老化後に90゜剥離接着力について試験した。その試験結果を表1に
報告する。
実施例2A
感圧接着剤を実施例1の手順に従って調製したが、ただしシロップ組成は95部
の10A及び5部のAAとし、そして4pphのモノマーAをこのシロップに加えた。得
られる感圧接着層を90°剥離試験に従って室温及び熱老化後に90°剥離接着力に
ついて試験した。その試験結果を表1に報告する。
比較例C1−C2
感圧接着剤を実施例1(90/10の 10A/AA)及び2A(95/5の 10A/AA)
に記載の通りに調製したが、ただしモノマーAはその組成物に加えなかった。得
られる感圧接着層を90゜剥離試験に従って室温及び熱老化後に90゜剥離接着力に
ついて試験した。その試験結果を表1に報告する。
比較例C3
感圧接着剤を実施例1に記載の通りに調製したが、ただしモノマーAの代わり
に、ヒドロキシ末端化ポリスチレン(Macromer 13K PSOH,Sartomerより入手可
能)を使用した。一価のヒドロキシ末端化ポリスチレンは約13,000の分子量を有
し、そして重合性でなかった。得られる感圧接着剤を90゜剥離試験に従って室温
及び熱老化後に90゜剥離接着力について試験した。その試験結果を表1に報告す
る。
表1における結果は、ポリスチレン含有マクロモノマーを含む組成物は、ポリ
カーボネート及びステンレススチール上での熱老化に伴い接着力が高まることを
示している。比較例の組成物はステンレススチール上では良好であったが、ポリ
カーボネート上での加熱によってはその剥離接着力は低下した。更に、比較例3
Dは、一価のマクロモノマーはアクリルモノマーと重合させねばならないことを
示唆する。
実施例3
アクリレートシロップを実施例1に記載の通りに調製したが、ただしシロップ
を作るのに97部のIOA及び3部のAAを使用した。感圧接着剤は実施例1に記載の
通りにして、96部のシロップ及び4部のモノマーAを使用して調製した。この試
験サンプルを剥離接着力について試験し、そしてその試験結果を表2に報告する
。
実施例4
93.1部のIOA、2.9部のAA、4.0部のモノマーA及び0.04部のIrgacure(商標)6
51を混合することによりシロップを調製した。次にこの混合物をシロップへと重
合し、0.10pphの2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェ
ニル)−S−トリアジン及び0.15pphのIrgacure(商標)651をこのシロップに混
合せしめ、次いでその混合物を実施例1に記載の通りにして感圧接着剤に仕上げ
た。その試験サンプルを剥離接着力について試験し、そしてその試験結果を表2
に報告する。
表2における結果は、モノマーAをアクリレートモノマーと混合し、そしてシ
ロップを形成することは、モノマーAをアクリレートシロップに混合せしめるの
よりも良好な接着強化値が発揮されることを示すが、しかしながらその2種類の
組成の組成物により示される値は共に許容され得る。
実施例5−7
実施例5−7を実施例4の手順に従って調製したが、ただし実施例5において
はモノマーA(MON A)を使用し、実施例6においてはモノマーB(MON A)を使
用し、そして実施例7においてはモノマーC(MON C)を使用した。その試験サ
ンプルを剥離接着力及び静置剪断について試験した。その剥離接着試験結果を表
3に報告する。静置剪断は10,000分より大であると測定された。
表3の試験結果は、ビニル基を含むマクロモノマーを含んでいる本発明の組成
物が良好な剥離接着力を供することを示唆する。
比較例C4−C5
感圧接着テープを実施例4に概略した手順に従って調製した。その成分及び成
分のパーセンテージを表4に報告する。両例とも0.08pphの2,4−ビス(トリ
クロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−S−トリアジンを利用した。
次にそのサンプルを剥離接着力について試験し、そしその結果を表4に報告する
。
実施例8−11
接着剤を実施例4の手順に従って調製したが、ただし使用したモノマーの量は
表4に示す通りとし、そして実施例8及び10は0.02pphの2,4−ビス(トリク
ロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−S−トリアジン、そして実施例
9及び11は0.08pphの2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシ
フェニル)−S−トリアジンを有した。次にそのサンプルを剥離接力について試
験し、そして結果を表4に報告する。
表4の試験結果は、表1のデーターと組合せて見たとき、約1%〜約9%のマ
クロモノマー含有量を有する接着剤はポリカーボネート上での熱老化により接着
力を強化することを示唆している。
実施例12
88部のIOA、3部のAA、9部のモノマーA及び0.04pphのIrgacure(商標)651
を用い、実施例4の手順に従い、接着シロップ組成物を調製した。更に0.l5pph
のIrgacure(商標)651を加え、そして実施例1に記載の通りにして感圧接着剤
を調製して試験した。その試験サンプルを剥離接着力について試験し、そしてそ
の結果を表5に報告する。
実施例13-14
感圧接着剤を調製し、そして実施例12に記載の通りに試験したが、ただし、実
施例14においては、0.15pphの2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−
メトキシフェニル)−S−トリアジンを塗布前にシロップに加え、そして実施例
14においては、0.15pphの1,6−へキサンジオールジアクリレートを塗布前に
シロップに加えた。この試験サンプルを剥離接着力について試験し、そしてその
結果を表5に報告する。
比較例C6
感圧接着剤を実施例12記載の手順に従って調製した。同じ成分を利用したが、
ただしモノマーAは加えなかった。このサンプルを次に剥離接着力について試験
し、そしてその結果を表5に報告する。
表5における試験結果は、架橋剤を有する又は有さない本発明の接着剤は熱老
化後の接着強化を発揮することを示唆する。
実施例15
接着シロップ組成物を実施例4に記載の通りに調製したが、ただしシロップは
88.8部のIOA、6.2部のAA、5.0部のモノマーA及び0.04pphのIrgacure(商標)65
1より作った。更に0.15pphのIrgacure(商標)651及び0.05pphの2,4−ビス(
トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−S−トリアジンを加え、
そして感圧接着剤を実施例1に記載の通りにして調製した。このサンプルを剥離
接着力について試験し、そしてその結果を表6に示す。
比較例C7−C8
1パイントのボトルの中で88.8gのIOA、6.2gのAA及び5.0gのモノマーA、1
50gの酢酸エチル及び0.4gの2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)開始
剤(DuPont Companyより入手可能)を組合せることにより接着剤を調製した。こ
のボトルにアルゴンをパージし、シールし、そして55℃の湯浴の中で48時間反転
させた。得られる接着剤は40%の固形分を有し、そして実施例C7に関しては酢
酸エチルで、そして実施例8に関してはトルエンで25%にまで
希釈した。得られる組成物を厚さ0.03mmのポリエステルフィルムに塗布し、そし
て乾かして厚さ0.11mmの感圧接着剤を得た。その試験サンプルを剥離接着力につ
いて試験し、そしてその結果を表6に示す。
比較例C9
感圧接着剤を、90部のIOA及び10部のAAを用いて、実施例14に記載の手順に従
って調製した。モノマーAは省いた。このサンプルを剥離接着力について試験し
、そしてその結果を表6に報告する。
表6の試験結果は、本発明の放射線硬化接着剤と同一のモノマー組成を有する
溶液又は溶媒ベース接着剤はポリカーボネートに対する接着強化を発揮しないこ
とを示唆している。更に、マクロモノマーを有さない溶媒ベース感圧接着剤であ
る実施例C9は熱老化により接着力の低下を示した。
実施例16−29及び比較例C10−C14
感圧接着剤を実施例4に従い、表6に記載のタイプ及び量のモノマーを使用し
て調製した。使用したモノマーはブチルアクリレート(BA)、イソボルニルアク
リレート(IBNA)、シクロヘキシルアクリレート(CHA)、2−フェニルエチル
アクリレート(PEA)である。
実施例16−19についての組成物は0.06pphの2,4−ビス(トリクロロメチル)
−6−(4−メトキシフェニル)−S−トリアジン架橋剤を、そして実施例20−
29は0.10pphのこの架橋剤を含む。比較例C10−C14は対応の実施例の通りに調
製したが、ただしマクロモノマーは含ませなかった。実施例16−29及び比較例C
10−C14について成分、成分の量、及び剥離接着試験結果を表7に報告する。こ
れらのサンプルを静置剪断についても試験した。
試験により、各実施例の試験サンプルはステンレススチール上で10,000分より
大の静置剪断値を有することが認められた。更に、この試験データーは、本発明
の組成物が比較例の組成物より優れた接着強化力を有することを示唆する。
実施例30
表8に示すモノマー組成を有する感圧接着剤を実施例4に記載の手順に従って
調製した。シロップを作った後、以下のものを加えた:10pphの疎水性シリカ(D
egussaより入手可能なAerosil(商標))、8pphのガラスバブル(Minnesota Min
ing and Manufacturing Co.よりScotchlite(商標)ガラスバブルとして市販)
、0.10pphの1,6−ヘキサンジオールジアクリレート及び0.10pphの光開始剤(
Escacure(商標)KB-1;Sartomer Co.より入手可能)。この混合物を脱気し、
そして対立し合う面がシリコーン剥離コーティングでコートされている2枚の透
明な二軸延伸化ポリエチレンナフタレートフィルムのシートの間で約1.27mmの厚
みとなるようにナイフコーターのニップに供給した。このコート化混合物を、こ
の複合物の両側上の実施例1記載の蛍光ランプを用い、各面において約1.5mW/c
m2のUV強度に暴露させた。冷却エアーを硬化の際にフィルムの上に吹き込んだ。
各面に用いた全エネルギーは400mJ/cm2とした。この全エネルギーはポリエチレ
ンテレフタレートフィルムにより吸収された放射線を含まない。次にこのサンプ
ルを剥離接着力について試験した。その試験結果を表8に報告する。
比較例C15
比較例C15は実施例30に記載の手順に従って作ったが、ただしモノマーAを加
えなかった。このサンプルを剥離接着力について試験した。その試験結果を表8
に報告する。
表8における試験結果は、ポリカーボネートに対する高温接着力を維持しなが
ら、接着剤へ充填剤の添加の可能性を示す。
実施例31及び比較例C16
実施例31及び比較例C16に関する感圧接着混合物はそれぞれ実施例30及び比較
例C15の通りに調製した。その混合物を脱気後、気泡感圧接着膜を下記の通りに
調製した。混合物を300〜350rpmで作動する90mmの泡立機の中にポンプ吸入した
。同時に、窒素及び界面活性剤A*/界面活性剤B**の60/40の混合物(全組成
物の約1〜2百分率)を泡立機に供給した。その泡立機に窒素を連続供給しなが
ら、泡立混合物をナイフコーターのニップに約205kPaの圧力下で導入し、そして
実施例30に記載の手順に従って硬化させて気泡感圧接着膜を形成せしめた。
* 界面活性剤A−C8F17SO2N(C2H5)(C2H4O)7CH3
** 界面活性剤B−引用することで本明細書に組入れる米国特許第3,787,351の
フルオロ脂肪オリゴマーの固形分50%の溶液。
表9における試験結果は、ポリカーボネートに対する高温接着力が、気泡フォ
ームを供するために気体を加えたときでも悪影響を及ぼされないことを示す。
実施例32
7.8部のスチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(SEBS)ブロックコポリマ
ー(Kraton(商標)G−1657;Shell Chemical Companyより入手可能)を75.8部
のIOAに溶かすことによって組成物を調製した。この混合物に、13.4部のAA、3
部のMON A、5.5pphのAerosil(商標)R-972、0.46pphのHDDA及び0.14部のEscacu
re(商標)KB-1を加えた。混合後、この混合物を脱気し、そして気泡感圧接着膜
を実施例31に記載の手順に従って調製した。そのコート化混合物を各面において
約1.8mW/cm2のUV強度に曝露せしめてこの混合物を硬化させた。その他の条件は
実施例30のままとした。各面上の全エネルギーは250mJ/cm2とした。次にこのサ
ンプルを引張強さ、伸び率及び剥離接着力について試験した。その試験結果を表
10に報告する。
比較例C17−C18
比較例C17−C18は、8部のSEBSを78.2部のIOAモノマーに溶かすことにより
調製した。この混合物に、13.8部のAA、0.l4pphのEscacure(商標)KB-1及び6p
phのAerosil(商標)R-972を加え、そし
て気泡感圧接着膜を実施例32の手順に従って作った。
比較例C18は比較例C17の手順に従って作った。成分、パーセント成分、並び
に引張強さ、伸び率及び剥離接着力についての試験結果を表10に報告する。
実施例33−36
感圧接着剤を実施例4に記載の手順に従って調製したが、ただしモノマー組成
は90部のIOA、4部のAA及び6部のモノマーAとした。テープを、その組成物を
シリコーンコート化剥離ライナー上に厚さ0.127mmに塗布することによって調製
した。そのサンプルをまず実施例1記載の低強度ランプ(0.7mW/cm2)に曝露し
、次いで表11に示す各強度に関する全エネルギーを得るために様々な時間にわた
り、より強めの強度のランプ(29mW/cm2;E.I.T.由来のUvimap Radiometer,Mo
del UM365 H-Sで測定)に曝露した。接着剤の全てが10,000分より大の静置剪断
値を有していた。サンプルを全エネルギーについてモニターし、そして剥離接着
力について試験した。その試験結果を表11に報告する。
表11に示す結果は、本発明の組成物を硬化するのに使用できる高強度及び低強
度UV線の組合せの利用の可能性を例示する。
実施例37−38
感圧接着剤を、84.6部の10A、8.5部のIBNA、0.9部のAA、6部
のMon A及び0.04部のIrgacure(商標)651を1パイントのジャーの中で混合する
ことにより調製した。このジャーに窒素をパージし、そしてUVブラックライトで
照射して約2900センチポアズの粘度を有するシロップを得た。実施例37に関し、
別の0.15部のIrgacure(商標)651及び0.15部の2,4−ビス(トリクロロメチ
ル)−6−(4−メトキシフェニル)−S−トリアジンを100部のシロップに加
え、そして混合した。実施例38に関しては、別の0.15部のIrgacure(商標)651
、0.15部の2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル
)−S−トリアジン及び25部のRegalrez(商標)6108増粘剤(Hercules,Inc.
より入手可能)を100部のシロップに加えた。脱気後、このシロップを厚さ0.127
mmに塗布し、そして2.l5mW/cm2の強度及び571mJ/cm2の全エネルギーを用いる
ことを除き、実施例1に記載の通りにして硬化させて感圧接着剤を形成せしめた
。その接着剤をステンレススチールパネル、ポリカーボネートパネル及びポリプ
ロピレンパネル上での90゜剥離接着力を上記の試験手順に従って試験した。試験
結果を表12に示す。
表12のデーターは、炭化水素増粘剤の添加は、ポリプロピレンに対する接着力
を高めながら、ポリカーボネートに対する良好な接着力を保たせることを示す。
まとめると、新規の接着剤、接着製品、及び接着製品を作る方法を記述してき
た。本発明の特定の態様及び実施例をここで説明してきたが、これらは説明及び
例示にすぎず、そして本発明を何ら限定しないことが念頭に置かれるべきである
。明らかに、当業者による改良は本発明の範囲に属する。
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フロントページの続き
(72)発明者 ベスリー,ジョージ エフ.
アメリカ合衆国,ミネソタ 55133―3427,
セントポール,ポスト オフィス ボック
ス 33427(番地なし)
(72)発明者 ブレア,イングリッド イー.
アメリカ合衆国,ミネソタ 55133―3427,
セントポール,ポスト オフィス ボック
ス 33427(番地なし)
(72)発明者 ベネット,グレゴリー エス.
アメリカ合衆国,ミネソタ 55133―3427,
セントポール,ポスト オフィス ボック
ス 33427(番地なし)