JPH08503749A - リグノセルロース含有パルプの漂白方法 - Google Patents

リグノセルロース含有パルプの漂白方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、リグノセルロース含有パルプの漂白方法であって、パルプを最初に錯化剤で処理し、ついで過酸またはその塩で脱リグニン化し、その後、過酸化物含有化合物、オゾンまたは亜二チオン酸ナトリウムで漂白する方法に関する。この漂白前にパルプを少なくとも4のpHで洗浄する。好ましくは脱リグニン化は強酸化性過酢酸で行ない白色度を著しく増大させ、漂白後のカッパー価を著しく減少させるようにする。この白色度増大効果はきわめて選択的なもので、すなわちパルプの粘度は比較的大部分が維持される。無塩素漂白前の全ての工程でpHを適当に選択することにより有効な金属イオンをパルプ中に保持させることができ、同時に各工程間のpH調整を少なくすることができ、得られた使用済み漂白液を例えばパルプ洗浄のため内部的に有利に使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 リグノセルロース含有パルプの漂白方法 本発明は、リグノセルロース含有パルプの漂白方法に係わり、特にパルプを最 初に錯化剤で処理し、ついで過酸またはその塩で脱リグニン化し、その後、過酸 化物含有化合物、オゾンまたは亜二チオン酸ナトリウムで漂白する方法に関する 。ここで、好ましくは、脱リグニン化を強酸化性過酢酸で行ない白色度を著しく 増大させ、過酸化水素などの無塩素漂白剤での漂白後のカッパー価を著しく減少 させるようにする。この白色度増大効果はきわめて選択的なもので、すなわちパ ルプの粘度は比較的大部分が維持される。発明の背景 無塩素漂白剤は機械パルプを漂白するのに長い間、使用されてきた。しかし、 近年、過酸化物またはオゾンのような無塩素漂白剤で化学パルプをも漂白するこ とがますます一般的になっており、これは最初の工程でさえも行なわれている。 また、パルプの特性の劣化および漂白剤の過剰の消費を回避するために、蒸解お よび所望により行なわれる酸素−脱リグニン化工程の直後に、パルプを予備処理 する必要性も考えられている。このパルプの予備処理は主として酸処理、および 錯化剤またはアルカリ土類金属塩、若しくはその双方の組合せによる処理が関与 する。強酸予備処理は好ましくない金属イオンのみならず好ましい金属イオンを パルプ中の当初の位置から除去することになる。しかし、適当な錯化剤による処 理により主として好ましくない金属イオンを除去し、好ましい金属イオンの多く を除去せずに保持させることができる。アルカリ土類金属塩による処理は好まし い金属イオンを維持させ、あるいは再導入させる。 EP−A−0 415 149には、酸素および/または過酸化物での処理の 前にペルオキソ一硫酸を使用することが開示されている。パルプは重金属および 有機質不純物が除去される処理工程で予備処理される。その実施例においては、 ペルオキソ一硫酸および酸素で処理される前に、パルプがpH2、DTPAの存 在下でこのように処理されている。このような酸洗によりこれらの金属イオン、 主としてアルカリ土類金属が除去されることになる。しかし、このアルカリ土類 金属は過酸化物含有化合物またはオゾンによる後の効果的漂白のために必要なも のである。 ますます厳重になっている環境基準とともに、リグノセルロース含有パルプの 脱リグニン化および漂白に、完全な無塩素方式の必要性が増大している。したが って、適当な工程数、適当な漂白剤の消費のもとで、強度特性を維持しつつ十分 に漂白されたパルプを製造するために、強力で厳密に制御された高脱リグニンお よび/または漂白性能を有する漂白剤の使用を検討することが必要となってきて いる。発明の記述 本発明は請求の範囲に記載した条件下でリグノセルロース含有パルプを脱リグ ニン化し漂白する方法を提供するものであり、これにより過酸化物含有化合物、 オゾンまたは亜二チオン酸ナトリウムで漂白する前でさえも良好な脱リグニン化 および漂白効果が得られる。 すなわち、本発明は、過酸化物含有化合物、オゾンまたは亜二チオン酸ナトリ ウムでリグノセルロース含有パルプを漂白する方法であって、その漂白の前に、 該パルプをpH3.5ないし約11、温度26℃ないし100℃で錯化剤で最初 に処理し、ついで温度50℃ないし140℃で有機過酸またはその塩で脱リグニ ン化し、該漂白前にパルプを少くともpH4で洗浄することを特徴とする。 本発明の方法によれば錯化剤で処理したのち、好ましいおよび好ましくない金 属イオンを考慮しつつ、後の無塩素漂白についての条件に悪影響を及ぼすことな く、錯化剤により最適化された条件下で、パルプを脱リグニン化することが可能 となる。すなわち、アルカリ土類金属のイオンは、特にパルプ中の当初の位置に あるとき、漂白における選択性および過酸化物含有化合物やオゾンのような無塩 素漂白剤の消費に好ましい作用を与えることが知られている。 本発明において、過酸またはその塩としては有機過酸またはその塩を含む。有 機過酸としては脂肪族過酸、芳香族過酸またはそれらの塩を使用することができ る。好ましくは、過酢酸、過ギ酸を使用することができる。ナトリウムは塩にお けるカチオンとして好適なものである。なぜならばナトリウム塩は通常、安価で 、ナトリウムはパルプ工場における化学的平衡において自然に発生するものであ るからである。過酢酸またはその塩は製造、使用上の点から特に好ましい。さら に、過酢酸は腐食性が小さい。全ての廃水、特に過酢酸の劣化生成物は洗浄また は化学的回収システムへの循環のために問題なく使用することができる。 本発明によれば、過酢酸は、酢酸と過酸化水素とを反応させ、平衡過酢酸とし て知られるものを生成させ、これを蒸留して過酸化水素、酢酸および硫酸を除去 することにより、あるいは無水酢酸と過酸化水素とを漂白工程で直接反応させ、 現場過酢酸として呼ばれるものを得ることにより製造することができる。一般的 な平衡酢酸は約42%の過酢酸と約6%の過酸化水素、すなわち過酢酸と過酸化 水素とを重量比で約7:1の割合で含む。この平衡酢酸を本発明の方法で使用す る場合は、過酢酸と過酸化水素との重量比は約10:1ないし約1:60、好ま しくは7:1ないし1:15、より好ましくは2.8:1ないし1:2の範囲の 割合でよい。 過酸またはその塩の添加量は、100%過酸またはその塩として計算して、乾 燥パルプ1トン当たり約1ないし100kgの範囲とすべきであり、好ましくは 乾燥パルプ1トン当たり2ないし45kgの範囲、より好ましくは乾燥パルプ1 トン当たり3ないし25kgの範囲である。 過酸またはその塩での脱リグニン化はpHが約2.5ないし約12の範囲で行 なわれる。好ましい態様として、この脱リグニン化を過酢酸を用いて行なう場合 は、pHが3ないし11の範囲、好ましくはpH5.5ないし9の範囲で行なわ れる。上述の他の過酸またはその塩で脱リグニン化を行0なう場合、それぞれの 漂白剤における周知の通常のpH範囲で行なうことができる。 パルプにおいて、マンガンイオンはとりわけアルカリ性過酸化化合物またはオ ゾンなどの無塩素漂白剤での漂白に特に悪影響をもたらす。したがって、種々の マンガンイオンと強力な錯体を形成し得る化合物が主として錯化剤として用いら れる。そのような好ましい錯化剤としては含窒素有機化合物、例えば主に含窒素 ポリカルボン酸、含窒素ホスホン酸、含窒素ポリアルコールなどがある。好まし い含窒素ポリカルボン酸としては、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA )、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)あるいはニトリロトリ酢酸(NT A)などがあり、その内DTPA、EDTAが特に好ましい。なお、ジエチレン トリアミンペンタホスホン酸は好ましい含窒素ホスホン酸である。さらに錯化剤 として他の化合物、例えばポリカルボン酸、好ましくはシュウ酸、クエン酸、酒 石酸またはホスホン酸を用いることができる。さらに、とりわけ無塩素漂白剤で パルプ処理する間に生成する有機酸も錯化剤として使用できる。 錯化剤で処理するときのpHは、好ましくない微量の金属イオンを除去し、同 時に好ましいアルカリ土類金属イオンを保持させるのに極めて重要である。この 適当なpHは、とりわけ、入ってくるパルプのタイプおよび微量金属イオンの量 により左右される。しかし、この発明の方法において、錯化剤による処理はpH が3.5ないし11の範囲、好ましくはpH3.5ないし10の範囲、より好ま しくは4.5ないし9の範囲、特に好ましくは5ないし7の範囲で行なわれる。 錯化剤で処理するときの温度は好ましくない微量金属イオンを除去する上で非 常に重要である。すなわち、錯化剤で処理する際の温度が増大すればするほどマ ンガンイオンの含有量が減少し、これにより白色度が増大し、かつカッパー価が 減少する。例えば、この温度が20℃から90℃へ上昇すると、意外にも粘度も かなり増大することが見出された。すなわち、錯化剤での処理は温度26℃ない し約120℃、好ましくは26℃ないし約100℃、より好ましくは40℃ない し95℃、最も好ましくは55℃ないし90℃で行なわれる。 錯化剤の添加量は入ってくるパルプのタイプおよび微量金属イオンの量により 左右される。さらに、この添加量は錯化剤の種類並びに錯化剤で処理される際の 条件、例えば温度、滞留時間およびpHにより左右される。しかし、錯化剤の添 加量は、100%錯化剤として計算して、乾燥パルプ1トン当たり約0.1kg ないし約10kgとすべきである。好ましくはこの添加量は乾燥パルプ1トン当 たり0.3kgないし5kg、より好ましくはこの添加量は乾燥パルプ1トン当 たり0.5kgないし1.8kg(いずれも、100%錯化剤として計算して) の範囲である。 過酸による脱リグニン化並びに錯化剤による処理が中性pHで行なわれる好ま しい態様においては、pH調整の必要性を少なくすることができる。その結果、 漂白および処理工程からの廃液も洗浄のために内部的に使用することができる。 これにより廃水の総量を少なくすることができ、パルプ工場においてより高度の 密閉系を達成することができる。 過酸化物含有化合物、オゾンまたは亜二チオン酸ナトリウムでの漂白を適当な 順序または混合系で行なうことができる。過酸化物含有化合物は無機過酸化物、 例えば過酸化水素またはペルオキソ一硫酸(カロ酸:Caro′s acid) からなる。好ましい過酸化物含有化合物は過酸化水素または過酸化水素と酸素と の混合物である。 過酸化水素が漂白剤として用いられる場合、パルプはpH約7ないし約13、 好ましくはpH8ないし12、より好ましくはpH9.5ないし11.5で処理 される。上述の他の漂白剤での漂白は、それぞれの漂白剤における周知の通常の pH範囲で行なうことができる。 本発明の方法は、過酸またはその塩による脱リグニン化の前に過酸化物含有化 合物またはオゾンで行なう漂白工程を含むこともできる。 本発明の方法は、過酸化物含有化合物、オゾンまたは亜二チオン酸ナトリウム での漂白を行なう前に洗浄工程が行なわれる。この場合の洗浄はpHが少なくと も約4以上で行なわれる。この洗浄工程により、過酸化物含有化合物、オゾンま たは亜二チオン酸ナトリウムでの後の漂白処理に悪影響を与えるような錯化微量 金属イオン、すなわち主としてマンガンイオン、その他銅および鉄イオンなどの イオンを効率的に除去し得る。この洗浄工程におけるpHが少なくとも約4以上 であるため、後の無塩素漂白に好ましい影響を与えるアルカリ土類金属イオン、 主としてマグネシウムおよびカルシウムイオンをパルプ中に保持させることがで きる。この洗浄工程でのpHは、好ましくは5ないし約11の範囲、より好まし くは6ないし10の範囲である。 過酸化物含有化合物、オゾンまたは亜二チオン酸ナトリウムでの漂白の前の洗 浄は錯化剤で処理した後、かつ過酸またはその塩での脱リグニン化の前に行なう ことが好ましい。このようにして錯化微量金属イオンは効果的に除去され、同時 に残留する過酸または過酸化物含有化合物は、もしそれらが存在する場合は、後 の漂白工程において使用することができる。洗浄をより効果的に行なう必要があ る場合は、洗浄工程を錯化剤での処理の後、並びに過酸またはその塩での脱リグ ニン化の後に行なうことができる。 洗浄液は新鮮な水、あるいは所望によりこれにpH調整剤を添加して、若しく は1ないしそれ以上の漂白工程または抽出工程からの廃水を用いることができ、 洗浄工程で適切なpHが得られるようにする。さらに、好ましくない金属イオン 、例えばマンガン、鉄、銅などの含量が低いものであれば、洗浄液は他の任意の 精製廃水からなるものであってもよい。 洗浄は、パルプ懸濁液中の使用済み液を多少なりとも完全に置換し、特にこの 懸濁液中の溶解微量金属イオンの含量を減少させるための方法に関連する。この 洗浄方法は、例えば吸引あるいは押圧により、パルプ濃度の増大を伴うのみなら ず、例えば洗浄液による希釈により、パルプ濃度の減少を伴うことがある。さら に、洗浄はパルプ濃度の増大、減少が1回またはそれ以上、交互に繰り返される 組合せおよびその連続に関連する。本発明において洗浄方法は、溶解している有 機物質を除去するだけでなく、錯化剤での処理により解放された微量金属イオン を除去することを目的とし、同時に技術並びに経済の観点を考慮して選択される 。 洗浄効率は、置換された液相の量と、洗浄の前のパルプ懸濁液に存在していた 液相の量との比較で与えられる。全洗浄効率は各洗浄工程における効率の合計と して計算される。したがって、ある洗浄工程の後、パルプ懸濁液の脱水によりパ ルプ濃度が例えば10%から25%になったとすると、洗浄効率は66.7%と なる。また、パルプが最初に3%に希釈され、ついで25%に脱水されるその後 の洗浄工程後においては溶解不純物に関しての全洗浄効率は96.9%となる。 本発明において洗浄効率は少なくとも約75%、好ましくは90%ないし100 %、より好ましくは92%ないし100%とすべきである。また、特に好ましい 洗浄効率は96%ないし100%である。 本発明の方法を採用することにより、高い白色度、カッパー価の減少、高い粘 度が無塩素漂白剤の消費を最小にして達成し得る無塩素漂白条件が最適化される 。しかも、これを他の補助薬品、例えば安定化剤、保護剤を無塩素漂白に使用せ ずに達成することが可能である。その他の漂白用薬剤、例えば過酸化水素および アルカリは、漂白工程、過酸処理工程、あるいは他の適当な工程において直接、 有利に使用することができ、これによりプロセス技術と生産経済との最適な組合 わせが得られるようにする。 過酸またはその塩による脱リグニン化が上述のような過酸化物含有化合物の添 加により強化されることも本発明の範囲に含まれる。好ましくはこの強化は過酸 化水素または過酸化水素と酸素との混合物を用いて行なわれる。 リグノセルロース含有パルプは、化学的または機械的処理により分離された繊 維、またはリサイクルされた繊維を含むパルプに関連する。これらの繊維は広葉 樹材若しくは針葉樹材であってもよい。化学パルプは硫酸塩、亜硫酸塩、ソーダ 、オルガノゾルブ(organosolv)プロセスにより蒸解されたパルプに関連する。 機械パルプはディスクリファイナーでチップを精製することにより(リファイナ ー機械パルプ)、またはグラインダーにより木材を砕くことにより(砕木パルプ )製造されるパルプに関連する。 リグノセルロース含有パルプはさらに上記方法またはプロセスの改良または組 合わせにより製造されるパルプにも関連する。このようなパルプとしては、サー モメカニカルパルプ、ケミメカニカルパルプ、ケミ・サーモメカニカルパルプが 含まれる。好ましいリグノセルロース含有パルプは化学的に蒸解されたパルプ、 特に硫酸塩パルプからなるものである。さらに特に好ましくは、リグノセルロー ス含有パルプとして針葉樹材からなるものが用いられる。 本発明の方法は、約90%以下の収率、好ましくは30%ないし80%の収率 、より好ましくは45%ないし65%の収率を以てパルプに適用することができ る。 本発明の方法は一連の漂白工程の任意の段階において、例えばパルプの製造直 後に適用することができる。本発明の方法が化学的蒸解パルプに適用されるとき は、錯化剤で処理される前に、これを酸素処理工程にて脱リグニン化することが 好ましい。 本発明の方法は、初期カッパー価が約2ないし約100、好ましくは5ないし 60、より好ましくは10ないし40の範囲の化学的蒸解パルプに適用すること ができる。このカッパー価はSCAN−C 1:77基準法に従って測定される 。 本発明の方法において、錯化剤による処理は約1分ないし約960分間、好ま しくは15分ないし240分間、より好ましくは35分ないし120分間行なわ れる。この錯化剤による処理におけるパルプ濃度は約1重量%ないし約60重量 %、好ましくは2.5重量%ないし40重量%、より好ましくは3.5重量%な いし25重量%、最も好ましくは5.5重量%ないし25重量%の範囲とする。 本発明の方法において、過酸での脱リグニン化は、温度50℃ないし約140 ℃、好ましくは50℃ないし約120℃、より好ましくは50℃ないし約100 ℃、特に好ましくは50℃ないし90℃で行なわれる。なお、温度50℃ないし 80℃の範囲が最も好ましい。この過酸での脱リグニン化処理時間は、約1分な いし約960分間、好ましくは10分ないし270分間、より好ましくは30分 ないし150分間である。この過酸での脱リグニン化処理におけるパルプ濃度は 約1重量%ないし約70重量%、好ましくは3重量%ないし50重量%、より好 ましくは8重量%ないし35重量%、最も好ましくは10重量%ないし30重量 %の範囲とする。 漂白剤として過酸化水素が用いられた場合は、パルプは温度、約30℃ないし 約140℃、好ましくは約30℃ないし約120℃、より好ましくは約30℃な いし約100℃、特に好ましくは60℃ないし90℃で処理され、その処理時間 は約5分ないし約960分間、好ましくは60分ないし420分間、より好まし くは190分ないし360分間とする。漂白剤として過酸化水素が用いられた場 合、パルプ濃度は約1重量%ないし約70重量%、好ましくは3重量%ないし5 0重量%、より好ましくは8重量%ないし35重量%、最も好ましくは10重量 %ないし30重量%の範囲とする。上述の他の漂白剤での処理は、それぞれの漂 白剤について周知の温度、時間、パルプ濃度で行なうことができる。 漂白剤として過酸化水素が用いられる好ましい態様において、漂白工程で添加 される過酸化水素の量は、100%過酸化水素として計算して、乾燥パルプ1ト ン当たり約1kgないし約60kgの範囲とすべきである。この上限は臨界的な ものでなく、経済的理由により設定されたものである。好ましい過酸化水素の量 は、100%過酸化水素として計算して、乾燥パルプ1トン当たり6kgないし 50kgの範囲、好ましくは乾燥パルプ1トン当たり13kgないし40kgの 範囲である。 漂白剤として過酸化水素が用いられる好ましい態様において、脱リグニン化工 程で添加される過酸の、脱リグニン化および漂白工程で添加される過酸および過 酸化水素の合計量に対する割合は、対重量ベースで約60%未満とすべきである 。なお、この過酸の量は100%過酸化水素として再計算されたものである。過 酢酸を過酸化水素して再計算した場合、過酢酸1kgは過酸化水素0.45kg に相当する。 オゾンを漂白剤として使用する好ましい態様において、オゾンの量は乾燥パル プ1トン当たり約0.5kgないし約30kgの範囲、好ましくは乾燥パルプ1 トン当たり1kgないし15kgの範囲、より好ましくは乾燥パルプ1トン当た り1.5kgないし10kgの範囲、最も好ましくは乾燥パルプ1トン当たり1 .5kgないし5kgの範囲とする。 錯化剤による処理、過酸による脱リグニン化、その後の過酸化物含有化合物、 オゾンまたは亜二チオン酸ナトリウムによる漂白の後、パルプを紙製造のために 直接、使用することができる。その他、パルプを1またはそれ以上の工程を経て 所望の高い白色度とするため最終的に漂白することができる。好ましくは、この 最終漂白も上述のように無塩素漂白剤により行ない、所望により中間の抽出工程 を過酸化物および/または酸素により強化することができる。このようにして、 AOXの形成、排出を完全に排除する。なお、二酸化塩素のような塩素含有漂白 剤を最終漂白で用い、しかもAOXの形成、排出を極めて少なくすることもでき る。なぜならば、パルプ中のリグニンが本発明の方法によりすでに著しく減少し ているからである。 以下、本発明およびその利点を実施例により詳述するが、これらは単に説明の ためであり、本発明を限定することを意図していない。なお、請求の範囲、実施 例を含め明細書中での部、%は、別途明示しない限り、いずれも重量に基づくも のである。さらに、請求の範囲、実施例を含め明細書中でのpHは、特に明示し ない限り、各処理の後でのpHを示すものである。 以下の実施例での、パルプのカッパー価、粘度および白色度はSCAN基準法 、C1:77R、C15−16:62およびC11−75:Rにより、それぞれ 判定されたものである。過酸化水素および過酢酸の消費はチオ硫酸ナトリウム、 さらに過マンガン酸カリウムおよびチオ硫酸ナトリウムの滴定によりそれぞれ測 定したものである。 実施例1 カッパー価が16.0、白色度が37.1%ISO、粘度が1010dm3/ kgの針葉樹材の酸素−脱リグニン化硫酸塩パルプを本発明に従ってEDTAで 処理し、過酢酸で脱リグニン化し、過酸化水素で漂白した。これは処理後のパル プの特性のために予備処理がいかに重要であるかを説明するため行なわれたもの である。まず、パルプを乾燥パルプ1トン当たり2kgのEDTAで、温度90 ℃、滞留時間60分、パルプ濃度10重量%で種々のpHにおいて処理した。 添加した過酢酸の量は、100%過酢酸として計算して、乾燥パルプ1トン当 たり22.4kgであった。過酢酸による脱リグニン化は、pH5.5〜5.9 、温度70℃、処理時間60分、パルプ濃度10重量%で行なわれた。ついでパ ルプを、温度90℃、滞留時間240分、パルプ濃度10重量%で、過酸化水素 を用いて漂白した。過酸化水素の添加量は100%過酸化水素として計算して、 乾燥パルプ1トン当たり25kgであり、pHは10.7〜11.6であった。 比較のため、パルプを乾燥パルプ1トン当たり2kgのEDTAで、温度25 ℃、滞留時間30分、pH6および2(テスト5および6)で処理した。さらに 比較のため、pH約2で錯化剤の不存在下(テスト7)で、更に予備処理なし( テスト8)でパルプの処理を行なった。各処理工程の後にパルプをpH6.0で 脱イオン水で洗浄した。この時、パルプを最初に脱水しパルプ濃度25重量%と し、ついで希釈してパルプ濃度を3重量%とした。数分後、パルプを脱水しパル プ濃度25重量%とした。その結果、全洗浄効率は約97%であった。過酸化水 素による漂白後の結果を下記表に示す。 上記表から明らかなように、別の工程で錯化剤を用い、高温、pH3.5ない し約11の条件下で針葉樹パルプを処理したものは、カッパー価の可なりの減少 、白色度の可なりの増大、粘度の向上が認められた。 実施例2 実施例1で用いた針葉樹材の酸素−脱リグニン化硫酸塩パルプをEDTAで処 理し、過酢酸で脱リグニン化し、過酸化水素で漂白した。これは一連の工程間の 洗浄効果を説明するため行なわれたものである。錯化剤による処理条件は、pH を5.7とした(テスト1)以外は実施例1と同様とした。過酢酸による脱リグ ニン化処理、過酸化水素による漂白における条件は全て実施例1と同様とした。 テスト1において、パルプに対し実施例1と同様にして、EDTAによる処理後 、過酢酸による脱リグニン化の後の双方において洗浄が行なわれた。 比較のため、パルプを乾燥パルプ1トン当たり2kgのEDTAで、pH7、 温度25℃、パルプ濃度8重量%、時間10分で処理した(テスト2)。テスト 2においては、錯化剤での処理工程後に脱水してパルプ濃度25重量%とした。 テスト2においては、過酢酸で脱リグニン化の後は洗浄または脱水は行なわなか った。洗浄効率はテスト1では約97%、テスト2では約74%であった。過酸 化水素(H22)による漂白後の結果を下記表に示す。 上記表から明らかなように、針葉樹パルプを本発明の処理法により高温で錯化 剤を用いて処理し、ついで洗浄した場合は、室温で処理し、ついで脱水した場合 と比較して、カッパー価の著しい減少と、白色度の著しい向上が過酸化水素の少 ない消費量で達成され、パルプの強度は基本的に維持された。 実施例3 実施例1で用いた針葉樹材の酸素−脱リグニン化硫酸塩パルプをEDTAで処 理し、過酢酸で脱リグニン化し、過酸化水素で漂白した。これは一連の工程での 過酢酸の効果と、それぞれの工程の効果を説明するため行なわれた。錯化剤によ る処理条件は、pHを5.7とした以外は実施例1と同様とした。過酢酸による 脱リグニン化処理は過酢酸を乾燥パルプ1トン当たり11.2kg用いた以外は 実施例1と同様とした。 過酸化水素による漂白条件は全て実施例1と同様とした。テスト1において、 パルプをEDTAで処理後、過酢酸により脱リグニン化し、さらに過酸化水素で 漂白した。テスト2において、パルプはEDTAの存在下で過酢酸を用いて脱リ グニン化し、ついでパルプを過酸化水素で漂白した。テスト2のEDTAの存在 下での脱リグニン化は、pH5.1、温度90℃、処理時間1時間で行なわれた 。テスト3においてはパルプはEDTAで処理し、ついで過酸化水素の存在下で 過酢酸を用いて脱リグニン化および漂白を行なった。このテスト3における脱リ グニン化および漂白は、温度70℃で1時間、ついで温度を90℃に上昇させ、 その温度で4時間保って行なわれ、またpHは11.1とした。 比較のため、パルプをEDTAで処理し、過酢酸で脱リグニン化した(テスト 4)。各工程の後、パルプを実施例1に従って洗浄した。過酸化水素(H22) による漂白後の結果を下記表に示す。 上記表から明らかなように、針葉樹パルプを本発明の処理法により別々の工程 で処理した場合は、カッパー価の可なりの減少と、白色度の可なりの向上が過酸 化水素の少ない消費量で達成され、パルプの強度は基本的に維持された。 実施例4 実施例1で用いた針葉樹材の酸素―脱リグニン化硫酸塩パルプをEDTAで処 理し、過酢酸で脱リグニン化し、過酸化水素で漂白した。これは漂白工程後のパ ルプの白色度に対する洗浄液中のpHの影響を説明するため行なわれた。錯化剤 による処理条件は、pHを5.7とした以外は実施例1と同様とした。過酢酸に よる脱リグニン化処理における条件はpHを6.1とした以外は実施例1と同様 とした。過酸化水素による漂白条件は全て実施例1と同様とした。各処理工程後 、錯化剤による処理後の洗浄においてpHを変化させた以外は、パルプを実施例 1と同様にして洗浄した。過酸化水素(H22)による漂白後の結果を下記表に 示す。 上記表から明らかなように、本発明に従って処理した針葉樹パルプは白色度の 可なりの向上が認められた。 実施例5 実施例1で用いた針葉樹材の酸素−脱リグニン化硫酸塩パルプをEDTAで処 理し、過酢酸で脱リグニン化し、過酸化水素で漂白した。これは平衡過酢酸中の 過酢酸と過酸化水素との間の重量比の影響、および脱リグニン化と漂白との間に おける洗浄効率を説明するため行なわれた。錯化剤による処理条件は、pHを5 .7とした以外は実施例1と同様とした。過酢酸による脱リグニン化処理におけ る条件はpHを5.2および6.3とした以外は実施例1と同様とした。過酸化 水素による漂白条件は過酸化水素の添加量を100%過酸化水素として計算して 、乾燥パルプ1トン当たり30kgとした以外は実施例1と同様とした。テスト 1ないし4において、パルプを実施例1と同様に洗浄効率97%を以て洗浄した 。テスト5においては洗浄効率は67%であった。テスト6においては、過酢酸 を用いて脱リグニン化の後の洗浄または脱水は行なわれなかった。過酸化水素( H22)による漂白後の結果を下記表に示す。 上記表から明らかなように、本発明に従って処理した針葉樹パルプは過酢酸に よる脱リグニン化後、並びに過酸化水素による漂白後に白色度の可なりの向上が 認められた。 実施例6 カッパー価が16.5、白色度が36.0%ISO、粘度が1010dm3/ kgの針葉樹材の酸素−脱リグニン化硫酸塩パルプを本発明に従ってEDTAで 処理し、過酢酸で脱リグニン化し、過酸化水素で漂白した。これは処理後のパル プの特性のために予備処理pHがいかに重要であるかを説明するため行なわれた ものである。錯化剤による処理条件は、pHを4.0とした以外は実施例1と同 様とした(テスト1)。 過酢酸は平衡過酢酸であり、過酢酸と過酸化水素との重量比は4:1であった 。添加された過酢酸の量は、100%過酢酸として計算して、乾燥パルプ1トン 当たり5kgとした。過酢酸による脱リグニン化における条件はpHを5.6な いし6.1とした以外は実施例1と同一とした。過酸化水素による漂白における 条件は、過酸化水素の添加量を、100%過酸化水素として計算して、乾燥パル プ1トン当たり35kgとし、pHを11.2ないし12.0とした以外は実施 例1と同様とした。 比較のため、パルプを乾燥パルプ1トン当たり2kgのEDTAで上記条件で 処理した。ただし、pHは3、すなわち本発明のpH範囲外(テスト2)とした 。各工程の後、パルプを実施例1に従って洗浄した。過酸化水素による漂白後の 結果を下記表に示す。 上記表から明らかなように、pHが少なくとも3.5以上で錯化剤により針葉 樹パルプを処理することにより、pHがより高い酸性で錯化剤により処理した場 合と比較して、より優れた特性のパルプを得ることができる。 実施例7 実施例6で用いた針葉樹材の酸素−脱リグニン化硫酸塩パルプをEDTAで処 理し、過酢酸で脱リグニン化し、過酸化水素で漂白した(テスト1−2)。これ は脱リグニン化工程における滞留時間と温度の影響を説明するため行なわれた。 錯化剤による処理条件は、pHを5.7とした以外は実施例1と同様とした。添 加された過酢酸の量は、100%過酢酸として計算して、乾燥パルプ1トン当た り10kgとした。過酢酸により脱リグニン化における条件はpHを6.0ない し6.5とし、温度を110℃、パルプ濃度を10重量%とし、滞留時間は変化 させた。過酸化水素による漂白における条件は、pHを11.0ないし11.1 とした以外は実施例1と同様とした。 比較のため、パルプを40℃の温度、すなわち本発明の温度範囲外として脱リ グニン化を行なった(テスト3−4)。各工程の後、パルプを実施例1に従って 洗浄した。過酢酸による脱リグニン化後の結果を下記表に示す。 上記表から明らかなように、温度50℃ないし約140℃の範囲で過酢酸で針 葉樹パルプを処理することにより、より低い温度で処理した場合と比較して、よ り優れた特性のパルプを得ることができる。 実施例8 カッパー価が10.3、白色度が41.7%ISO、粘度が1000dm3/ kgの針葉樹材の酸素―脱リグニン化硫酸塩パルプをEDTAで処理し、2種類 の過酢酸で脱リグニン化し、過酸化水素で漂白した。これは種々の種類の組成の 過酢酸の作用を説明するため行なわれたものである。錯化剤による処理条件は、 pHを5.5とし、EDTAの充填量を乾燥パルプ1トン当たり1.5kgとし た以外は実施例1と同様とした。 用いられた過酢酸は一種の平衡過酢酸であり、過酢酸と過酸化水素との重量比 は4:1(Equil)、および一種の蒸留過酢酸で本質的に過酸化水素と酢酸 を含まないもの(DiSt)であった。この双方の種類の過酢酸を用い、その過 酢酸添加量は、100%過酢酸として計算して、乾燥パルプ1トン当たり10k gとした。過酢酸による脱リグニン化における条件はpHを6ないし7とした以 外は実施例1と同一とした。過酸化水素による漂白における条件は、過酸化水素 の添加量を、100%過酸化水素として計算して、乾燥パルプ1トン当たり35 kgとし、pHを11.5とし、温度をテスト2および4で110℃とした以外 は実施例1と同様とした。 各工程の後、パルプを実施例1に従って洗浄した。過酸化水素による漂白後の 結果を下記表に示す。 上記表から明らかなように、本発明に従って処理した針葉樹パルプは漂白後に おいて優れた特性を示し、一連の工程における漂白剤の消費も少ない。 実施例9 実施例8で用いた針葉樹材の酸素−脱リグニン化硫酸塩パルプをEDTAで処 理し、過酢酸で脱リグニン化し、過酸化水素で漂白した。これは漂白剤の総量の 効果と、脱リグニン化工程(工程2)と漂白工程(工程3)との間の漂白剤の分 布を説明するため行なわれた。錯化剤による処理条件は、pHを5.5とし、E DTAの充填量を乾燥パルプ1トン当たり1.5kgとした以外は実施例1と同 様とした。添加された過酢酸の量は、100%過酢酸として計算して、乾燥パル プ1トン当たり11kgないし80kgの範囲内で変化させた。過酢酸により脱 リグニン化における条件はpHを6−7とした以外は実施例1と同様とした。添 加した過酸化水素の量は、100%過酸化水素として計算して、乾燥パルプ1ト ン当たり2kgないし30kgの範囲内で変化させた。過酸化水素による漂白に おける条件は、pHを11.5とした以外は実施例1と同様とした。過酸化水素 と過酢酸の合計量は100%過酸化水素として計算して、テスト1ないし4では 乾燥パルプ1トン当たり20kg、テスト5ないし8では乾燥パルプ1トン当た り40kgとした。工程2における過酢酸の割合(100%過酸化水素として計 算して)は合計量に対する百分率として与えられている。各工程の後、パルプを 実施例1に従って洗浄した。過酸化水素による漂白後の結果を下記表に示す。 上記表から明らかなように、本発明に従って脱リグニン化および漂白処理する ことにより優れた特性を示すパルプを得ることができる。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1994年12月14日 【補正内容】 請求の範囲 1.リグノセルロース含有パルプを過酸化水素で漂白する方法であって、その 漂白前の該パルプを最初にpH3.5ないし約11温度26℃ないし約100℃ で錯化剤で処理する場合において、該処理後のパルプを温度50℃ないし約14 0℃で有機過酸またはその塩で脱リグニン化し、かつ、該漂白前に、パルプを少 くともpH約4以上で洗浄し、それによって、該脱リグニン化工程で添加される 過酸の、脱リグニン化および漂白工程で添加される過酸および過酸化水素の合計 量に対する割合を、対重量ベースで約60%未満とすることを特徴とするリグノ セルロース含有パルプ漂白方法。 2.該洗浄を錯化剤による処理の後、過酸またはその塩による脱リグニン化の 前に行なうことを特徴とする請求の範囲第1項記載のリグノセルロース含有パル プ漂白方法。 3.該リグノセルロース含有パルプが化学的に蒸解されたパルプであることを 特徴とする請求の範囲第1または2項記載のリグノセルロース含有パルプ漂白方 法。 4.該過酸が過酢酸であることを特徴とする請求の範囲第1ないし3項のいず れかに記載のリグノセルロース含有パルプ漂白方法。 5.該過酸化水素漂白を酸素の存在下で行なうことを特徴とする請求の範囲第 1ないし4項のいずれかに記載のリグノセルロース含有パルプ漂白方法。 6.該錯化剤が含窒素有機化合物であることを特徴とする請求の範囲第1ない し5項のいずれかに記載のリグノセルロース含有パルプ漂白方法。 7.該パルプを温度50℃ないし約120℃、好ましくは50℃ないし80℃ で脱リグニン化することを特徴とする請求の範囲第1ないし6項のいずれかに記 載のリグノセルロース含有パルプ漂白方法。 8.該錯化剤の添加量を、100%錯化剤として計算して乾燥パルプ1トン当 たり1.8kg以下とすることを特徴とする請求の範囲第1ないし7項のいずれ かに記載のリグノセルロース含有パルプ漂白方法。 9.該錯化剤による処理の前に、酸素処理工程を行なうことを特徴とする請求 の範囲第1ないし8項のいずれかに記載のリグノセルロース含有パルプ漂白方法 。 10.該過酸による脱リグニン化を、pH5.5ないし9の範囲で行なうこと を特徴とする請求の範囲第1ないし9項のいずれかに記載のリグノセルロース含 有パルプ漂白方法。 は過酸化物含有化合物またはオゾンによる後の効果的漂白のために必要なもので ある。 EP−A−0402335には、始めの過酸化アルカリ処理の効果を改良する ための方法が記載されている。そのパルプは、錯化剤によりpH3.1−9、温 度26℃−100℃で予備処理される。唯一例示された過酸化物含有化合物は、 過酸化水素、およびその酸素との混合物である。EP−A−0402335によ る予備処理の目的は、始めの過酸化アルカリ処理のためのパルプを作製すること である。 WO−A−9215752には、パルプが一連の2つの段階によって処理され る方法が記載されている。第一段階では、ぺルオキソ一硫酸、すなわちカロ酸( =硫黄を含む無機酸)が添加される。錯化剤はカロ酸と共にこの処理中に存在す るであろう。第二段階では、パルプは過酸化水素によって漂白される。過酸が錯 化剤と共に、すなわち同じ段階に存在するとき、錯化剤の効果は劇的に減少する 。これは過酸と共に存在する錯化剤の分解によるものである。 ますます厳重になっている環境基準とともに、リグノセルロース含有パルプの 脱リグニン化および漂白に、完全な無塩素方式の必要性が増大している。したが って、適当な工程数、適当な漂白剤の消費のもとで、強度特性を維持しつつ十分 に漂白されたパルプを製造するために、強力で厳密に制御された高脱リグニンお よび/または漂白性能を有する漂白剤の使用を検討することが必要となってきて いる。発明の記述 本発明は請求の範囲に記載した条件下でリグノセルロース含有パルプを脱リグ ニン化し漂白する方法を提供するものであり、これにより過酸化物含有化合物、 オゾンまたは亜二チオン酸ナトリウムで漂白する前でさえも良好な脱リグニン化 および漂白効果が得られる。 すなわち、本発明は、過酸化物含有化合物、オゾンまたは亜二チオン酸ナトリ ウムでリグノセルロース含有パルプを漂白する方法であって、その漂白の前に、 該パルプをpH3.5ないし約11、温度26℃ないし100℃で錯化剤で最初 に処理し、ついで温度50℃ないし140℃で有機過酸またはその塩で脱リグニ ン化し、該漂白前にパルプを少くともpH4で洗浄することを特徴とする。 本発明の方法によれば錯化剤で処理したのち、好ましいおよび好ましくない金 属イオンを考慮しつつ、後の無塩素漂白についての条件に悪影響を及ぼすことな く、錯化剤により最適化された条件下で、パルプを脱リグニン化することが可能 となる。すなわち、アルカリ土類金属のイオンは、特にパルプ中の当初の位置に あるとき、漂白における選択性および過酸化物含有化合物やオゾンのような無塩 素漂白剤の消費に好ましい作用を与えることが知られている。 本発明において、過酸またはその塩としては有機過酸またはその塩を含む。有 機過酸としては脂肪族過酸、芳香族過酸またはそれらの塩を使用することができ る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,H U,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,LV,MG ,MN,MW,NL,NO,NZ,PL,PT,RO, RU,SD,SE,SK,UA,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.リグノセルロース含有パルプを過酸化物含有化合物、オゾンまたは亜二チ オン酸ナトリウムで漂白する方法であって、その漂白前に、該パルプをpH3. 5ないし約11、温度26℃ないし約100℃で錯化剤で最初に処理し、ついで 温度50℃ないし約140℃で有機過酸またはその塩で脱リグニン化し、かつ、 該漂白前にパルプを少くともpH約4以上で洗浄することを特徴とするリグノセ ルロース含有パルプ漂白方法。 2.該洗浄を錯化剤による処理の後、過酸またはその塩による脱リグニン化の 前に行なうことを特徴とする請求の範囲第1項記載のリグノセルロース含有パル プ漂白方法。 3.該リグノセルロース含有パルプが化学的に蒸解されたパルプであることを 特徴とする請求の範囲第1または2項記載のリグノセルロース含有パルプ漂白方 法。 4.該過酸が過酢酸であることを特徴とする請求の範囲第1ないし3項のいず れかに記載のリグノセルロース含有パルプ漂白方法。 5.該過酸化物含有化合物が過酸化水素または過酸化水素と酸素との混合物で あることを特徴とする請求の範囲第1ないし4項のいずれかに記載のリグノセル ロース含有パルプ漂白方法。 6.該錯化剤が含窒素有機化合物であることを特徴とする請求の範囲第1ない し5項のいずれかに記載のリグノセルロース含有パルプ漂白方法。 7.該パルプを温度50℃ないし約120℃、好ましくは50℃ないし80℃ で脱リグニン化することを特徴とする請求の範囲第1ないし6項のいずれかに記 載のリグノセルロース含有パルプ漂白方法。 8.脱リグニン化工程で添加される過酸の、脱リグニン化および漂白工程で添 加される過酸および過酸化水素の合計量に対する割合を、対重量ベースで約60 %未満とすることを特徴とする請求の範囲第1ないし7項のいずれかに記載のリ グノセルロース含有パルプ漂白方法。 9.該錯化剤の添加量を、100%錯化剤として計算して乾燥パルプ1トン当 たり1.8kg以下とすることを特徴とする請求の範囲第1ないし8項のいずれ かに記載のリグノセルロース含有パルプ漂白方法。 10.該錯化剤による処理の前に、酸素処理工程を行なうことを特徴とする請 求の範囲第1ないし9項のいずれかに記載のリグノセルロース含有パルプ漂白方 法。
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