JPH08503746A - 複合不織材料及びこの材料の吸収性衛生物品への適用 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 体液ランスルー（run-through）時間と再湿潤抵抗とを向上した材料。この不織複合材料は、体液透過性の不織布（２）から成る第１層と、この基層上の体液透過性のカード処理済み型繊維層（３）とから成り、前記カード処理済み繊維層は縫着（５）により第１層へ連結される。吸収性衛生物品の薄い表面布へ適用される。

Description

【発明の詳細な説明】 複合不織材料及びこの材料の吸収性衛生物品への適用 本発明は一般に新しい不織材料に関し、この新しい不織材料は表面ウエブ又は シートとして、あるいは表面ウエブに加えて失禁者用のおむつ又は手当用品の如 き吸収性衛生物品の股区域のストリップとして、採用されるとき、より良好に使 用者の肌を衛生物品の吸収部分から隔離することを可能ならしめる。 一般に失禁者用のおむつ及び手当用品の如き吸収性衛生物品は体液不透過性の 材料から作られた外層、吸収性材料のパッド又はマット及び尿の如き体液を透過 可能な表面ウエブ又はシートから成り、その寸法及び形状は物品の不透過性外層 と類似している。この体液透過性の表面ウエブは湿った吸収性パッドから肌を隔 離するよう意図される。従って、表面ウエブは適度な柔軟性を有し且つ肌と吸収 性パッドとの間の所望の隔離を保証しなければならない。吸収性パッドの機能は 流体を吸収することであり、故に高吸収速度並びに高吸収容量を有さなければな らない。特に効果的な吸収性パッドは書類EP-A-0,232,729に記載される。この吸 収性パッド又はマットは面上にセルロース・ワッディング（cellulose wadding ）の層を裏張りした長い吸収性繊維のシートから作られる。ワッディングの層を 裏張りしたシートは両面から縫着される。 この特許願EP-A-0,232,729に記載される特に効果的なマットは、二つの長い繊 維シート、吸収性繊維の第１シートと非吸収性繊維の第２シートとから成り、こ れらの間に超 吸収性材料の粒子が配置され、非吸収性繊維のシートは外側が不織層で裏張りさ れ、吸収性繊維のシートは外部がセルロース・ワッディングの層で裏張りされる 。全体は両面から縫着することにより接合される。 吸収性衛生物品に於て、かかる吸収性マット又はパッドは一般に不織材料から 作られた表面ウエブで覆われるが、その目的は肌を吸収性パッドから隔離するこ とであり、肌との心地よい接触と吸収性パッドの所望の隔離とを保証しなければ ならない。これらの表面ウエブ又はシートは、本質的な特性として、肌との心地 よい接触、体液による高通過速度を呈し且つ再湿潤に対するバリヤを形成しなけ ればならない。 文献FR-A-2,588,285は多層不織布について記載しており、少なくとも二つの不 織ウエブ層を有し、その一方の層は二葉形横断面の繊維から成り、他方の層は三 葉形横断面の繊維から成る。各ウエブの層は好ましくはスピン接合技術により得 られ、二つのウエブ層は緊結な非連続区域における熱接合により多層不織布を形 成する。 文献WO 87/07,117はカバーに囲まれた吸収体からなる吸収性衛生物品について 記載している。このカバー又は表面ウエブは二つの不織材料層から成る。第１不 織材料層は使用者の肌に接触し、疎水性材料から作られたスピン接合された繊維 ティッシュの薄い層から成り、吸収体と接触する第２層は溶融接合された繊維テ ィッシュの疎水性繊維層であり、その構造は第１層と類似する。これらの表面ウ エブの二つの層は使用者の体に接触するよう意図された区域で は結合されない。 文献WO 88/05,269は、開放パターンを形成する接着線により結合された同一又 は異なる少なくとも二つの不織層から作られた使い捨て吸収性物品用の表面ウエ ブに関する。 故に本発明の目的は所望の程度の柔軟性、液体の向上した通過速度及び向上し た再湿潤抵抗を有する複合不織材料を提供することである。 本発明の他の目的は失禁者用のおむつ及び手当用品の如き吸収性衛生物品を提 供することであり、この物品はかかる複合不織材料から作られた表面ウエブを含 む。 本発明の他の目的は、失禁者用のおむつ及び手当用品の如き吸収性衛生物品を 提供することであり、この物品は従来の不織布から作られた表面ウエブに加えて 、本発明による複合不織材料から作られた股区域ストリップを含む。 本発明によれば、複合不織材料が作られるが、この複合不織材料は不織布から 成る少なくとも一つの第１層と、この第１層上のカード処理済み型繊維シートと から成り、カード処理済み型繊維シートは縫着により基層に接合される。 本発明の他の実施例に於て、複合不織材料は不織布から作られた第１層、カー ド処理済み型繊維シート、及び第１不織層より低い単位面積当り重量の不織布か ら作られた第２層から成り、カード処理済み型繊維シートは第１不織層と第２不 織層との間に配置され、全体は縫着により接合される。 本発明による複合材料は、体液によるより短い漏出（ break-through）時間、及び吸収性衛生物品の股区域ストリップと表面ウエブと を作るために採用された従来の不織布よりも良好な程度の隔離を有する。 本発明によれば、不透過性材料から作られた外層と、吸収性マットと、この吸 収性マット上の本発明による複合材料から成る表面ウエブとから成るおむつの如 き吸収性衛生物品がまた作られる。表面ウエブは不織層とカード処理済み型繊維 シートとを含む本発明による複合材料から成るとき、カード処理済み型シートは ウエブの最外層、即ち吸収性パッドと直接接触する層、を形成し、不織層は使用 者の体に接触する表面ウエブの最内層を形成する。表面ウエブは二つの不織層の 間のカード処理済み繊維シートを含む本発明による複合材料から成るとき、より 低い単位面積当り重量の不織層は表面ウエブの最外層、即ち吸収性パッドと直接 接触する層、を形成し、より高い単位面積当り重量の不織層は使用者の体に直接 接触するウエブの最内層を形成する。 また本発明はおむつの如き吸収性衛生物品を提供し、この吸収性衛生物品は体 液不透過性の材料から作られた外層と、吸収性マットと、不織布から作られた表 面ウエブと、本発明による複合材料から成る股区域ストリップとを含む。股区域 のストリップは従来の不織布から作られた表面ウエブ上、又は従来の不織布から 作られたこのウエブと吸収性パッドとの間、のどちらかに配置することができる 。前のように、不織層及びカード処理済み型繊維シートから成る本発明による複 合材料が採用されるとき、このカード処 理済み型繊維シートは股区域ストリップの最外層を形成し、不織層は股区域スト リップの最内層を形成する。同様に、股区域ストリップが、二つの不織層との間 にあるカード処理済み型繊維シートを含む本発明による複合材料から成る場合、 より低い単位面積当り重量の不織層は股区域ストリップの最外層を形成し、より 高い単位面積当り重量の不織層はこのストリップの最内層を形成する。 以下の説明は添付図に関する： 第１図は、本発明による複合不織材料の第１実施例である； 第２図は、本発明による複合不織材料の第２実施例である； 第３図は、第１図の複合材料から成る表面ウエブを含むおむつの如き吸収性衛 生物品の一部切除頂部図である； 第４図は、第３図のIV−IV線に沿う断面図である； 第５図は、第１図の複合材料から成る股区域ストリップを含むおむつの如き吸 収性衛生物品の一部切除頂部図である； 第６図は、第５図のVI−VI線に沿う断面図である； 第７図は、第２図による複合不織材料から作られた表面ウエブを含むおむつの 如き吸収性衛生物品の一部切除頂部図である； 第８図は、第７図のVIII−VIII線に沿う断面図である； 第９図は、第２図の複合不織材料を含む股区域ストリップを含むおむつの如き 吸収性衛生物品の一部切除頂部図である；及び、 第１０図は、第９図のＸ−Ｘ線に沿う断面図である。 第１図に関し、本発明による複合不織材料１の第１実施例が示されている。こ の材料は体液透過性の不織布から作られた第１層２と、この不織布から作られた 第１層上の、体液透過性のマットを形成するカード処理済み型繊維シート３とか ら成り、カード処理済み型繊維シートは不織布から作られた第１層に両面から縫 着５により接合される。 例えば、セルロース、ビスコース、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピ レン、ナイロン又はエチレン−プロピレン共重合体繊維の如き天然又は合成紡績 繊維から作られた全てのタイプの従来の不織布は、不織布から作られる第１層用 に採用できる。更に、第１不織層２は同種類又は異なる種類の繊維から作ること ができる。また、この不織層は同じデニール又は異なるデニールの繊維から成る こともできる。この第１不織層は、例えばスピン接合、熱接合、化学接合、ボン ディング・エア・ブローイング及びスピン・レーシングの如き任意の従来工程に より製造された不織布から成ることができる。この第１不織層２は、好ましくは １０ないし３０ｇ／ｍ²の単位面積当り重量を有する。 体液透過性のカード処理済み型繊維シート３は、例えば、ポリエステル、ポリ エチレン、ポリプロピレン、ナイロン又はエチレン−プロピレン共重合体の如き 合成紡績繊維から成ることができる。ポリエステル繊維は、特にそのレジリエン ス及び快適な特性のために非常に推奨される。異形繊維例えば、二葉形又は三葉 形繊維を採用することも可 能である。かかる繊維を使用することにより、それら自身の形状に起因して流体 の輸送又は分散を可能ならしめる。カード処理済み型繊維シートは、所望される バリヤの型に機能するものとして、繊維の混合物又は同種類の繊維から成ること ができる。同様に、カード処理済み型繊維シート３は、同一又は異なるデニール （繊維の太さ又は直径の測定値）の繊維から成ることができ、このシートの繊維 のデニールは一般に３ないし１３である。一般に、カード処理済み型繊維シート は２０ないし６０ｇ／ｍ²の単位面積当り重量を有する。カード処理済み型繊維 シート３は、よく知られたカーディング又は擬似カーディング技術により得られ る。 第１不織層２及びカード処理済み型繊維層３は好ましくは複合材の両面から縫 着により接合される。明らかに、縫着密度及び繊維のデニールの選択は、嵩（不 織材料の厚み）を決定する。一つの面につき１０ないし１００ニードル・ストロ ーク／ｃｍ²の縫着密度が一般に採用される。シングル・ストローク又はダブル ・ストロークの縫着工程が縫着に採用できる。得られた複合不織材料は一般に５ ０ないし３００ｋｇ／ｍ³の密度を有し、カード処理済み型繊維シート３の層は 第１不織層２よりも大きな厚みを一般に有する。 第２図に関し、本発明による多層不織材料の他の実施例が示される。材料は第 １図の実施例の不織層２と類似した第１不織層２を含む。この第１不織層２にカ ード処理済み型繊維シート３が配置され、またこれは第１図のカード処 理済み型繊維シートと類似している。カード処理済み型繊維シート３の上面に第 ２不織層４がある。この第２不織層４は、単位面積当り重量以外は第１不織層２ と類似している。この第２不織層は、第１不織層２よりも低い単位面積当り重量 、好ましくは、２０ｇ／ｍ²よりも低い、例えば１７ｇ／ｍ²の単位面積当り重量 、より良くは、１５ｇ／ｍ²より低いか又はこれに等しい単位面積当り重量を有 さねばならない。第１図の複合不織材料の場合のように、第２図の複合不織材料 の層は、同じ方法で縫着により結合される。 本発明による複合不織材料は失禁者用のおむつ又は手当用品の如き吸収性衛生 物品の股区域ストリップ又は表面ウエブとして特に役立つことが判る。 第３図及び第４図に関し、おむつの如き吸収性衛生物品１０が示されており、 これは体液不透過性の可撓性材料から作られた外層１１を含んでおり、この外層 １１よりも寸法が小さい、体液透過性の吸収性マット又はパッド１２が外層１１ に取り付けられる。吸収性パッド１２は、接着接合による如き任意の従来手段に より不透過性層１１に取り付けられる。この吸収性パット１２上に寸法が外層１ １よりも小さい体液透過性の表面ウエブ１３がある。表面ウエブ１３は、接着接 合による如き任意の手段により吸収性パッド１２の周囲上で外層１１に接合され る。技術上よく知られたように、外層１１、吸収性マット１２及び表面ウエブ１ ３は、より狭い部分又は股区域により結合された二つの比較的幅広の対向端部分 を含む砂時計形を有する。第３ 図及び第４図で示されるように、表面ウエブは、第１図で示された、第１不織層 ２及びカード処理済み型繊維シート３を含む複合不織材料から成る。図に示すよ うに、カード処理済み型シート３は吸収性パッドの真上に置かれ、不織層２は使 用者の体に接触するよう意図されたウエブの最内層を形成する。 従来の表面ウエブに加えて、本発明による複合材料が採用されるとき、パッド の股区域の幅と類似した幅でこのパッドの長さと類似した長さを有する股区域ス トリップの形態で好ましくは採用される。この実施例に於て、本発明による材料 から成る股区域ストリップは、従来の表面ウエブの上方、又は従来の表面ウエブ とパッドとの間、のどちらかに配置される。第１図で示めす複合材料から成るか かる股区域ストリップは、第５図及び第６図に示される。この実施例に於て、お むつの如き吸収性衛生物品は、体液不透過性材料から作られた外層１１、外層１ １に例えば接着接合により取り付けられた吸収性パッド１２、本発明による材料 １から作られた股区域ストリップ及び従来の不織布から作られた表面ウエブ１３ から成る。表面ウエブは、接着接合線１４の如き任意の従来手段により不透過性 外層１１に結合される。図に示すように、第１図の材料から成る股区域ストリッ プは吸収性パッド１２と従来の不織布から作られた表面ウエブ１３との間に配置 される。この実施例に於て、複合材料１のカード処理済み型繊維シート３はパッ ド１２の内面に直接配置され、不織層２は股区域ストリップの最内層を形成し、 これは従来の不織布から作られた表 面ウエブ１３の外面と接触することが判る。股区域ストリップは、任意の従来手 段、例えば接着接合、ヒートシール、超音波シールにより又は縫着により、従来 の不織布から作られたウエブ１３の外面、又は吸収性パッド１２の内面、に結合 される。上に指摘した如く、この本発明による複合材料から作られた股区域スト リップは従来の不織布から作られた表面ウエブ１３の内面、又はこの表面ウエブ １３と吸収性パッド１２との間、のどちらかに配置することができる。しかしな がら、全ての場合に於て、複合材料の不織層２は股区域ストリップの最内層を形 成しなければならない。 本発明による吸収性衛生物品はこのように製造され、この吸収性衛生物品は柔 軟特性、体液の通過速度及び再湿潤バリヤを向上させている。 第７図及び第８図に関し、おむつの如き吸収性衛生物品が示され、これは第２ 図に示す本発明による複合材料から成る表面ウエブを含む。上記のように、吸収 性衛生物品は体液不透過性材料から作られた外層１１、吸収性パッド１２及び表 面ウエブ１３から成り、この表面ウエブ１３は第２図に関連して記載された本発 明による複合材料から成る。不透過性外層１１、パッド１２及び表面ウエブ１３ は、第３図及び第４図に関連して記載されたものと類似した形状を有する。この 場合、表面ウエブは最も低い単位面積当り重量の不織層４が表面ウエブの最外層 を形成するように配置され、最も高い単位面積当り重量の不織層２は使用者の体 に接触するよう意図された表面ウエブ１３の最内層を 形成する。 第９図及び第１０図に関し、おむつ１０の如き吸収性衛生物品が示され、これ は第５図及び第６図に示す衛生吸収剤に類似し且つ、従来の表面ウエブ１３に加 えて、第２図に関連して記載された本発明による複合材料から成る股区域ストリ ップを含む。おむつ１０は体液不透過性外層１１、吸収性パッド１２、パッドの 股区域の幅と類似した幅でこのパッドと類似した長さの股区域ストリップ及び従 来の不織布から作られた表面ウエブ１３から成る。パッド１２は、任意の従来手 段、例えば接着接合により外層１１に取り付けられ、従来の不織布から作られた 表面ウエブ１３は、接着接合線１４による如き任意の従来手段により吸収性パッ ド１２の周囲上で外層１１に接合される。図示の実施例に於て、パッド１２と従 来の表面ウエブ１３との間に配置される股区域ストリップは、上記の如く、二つ の不織層４及び２から作られ、これらの層の間にカード処理済み型繊維シート３ がある。より低い単位面積当り重量の不織層４はパッド１２の内面上に直接取り 付けられ、より高い単位面積当り重量の不織層２は従来の不織布から作られたウ エブ１３の内面と接触する股ストリップの最内層を形成する。本発明による複合 材料から作られた股区域ストリップは、任意の周知手段、例えば接着接合、ヒー トシール、超音波シールにより又は縫着により、吸収性パッド１２に接合され、 より低い単位面積当り重量の不織層４を使用することにより吸収性パッド１２の より良好な取り付けが可能となる。明らかに、上述のとおり、本発明による複合 材料 から作られた股区域ストリップは従来の不織布から作られたウエブ１３の内面上 に配置でき、この場合、より低い単位面積当り重量の不織層４は従来の表面ウエ ブ１３の内面に接合される股区域ストリップの最外層を形成し、より高い単位面 積当り重量の不織層は使用者の体と接触するよう意図された股区域ストリップの 最内層を形成する。 しかして、柔軟特性、体液通過速度及び再湿潤バリヤ特性を向上した吸収性衛 生物品が製造される。 以下の非限定例は、おむつの表面ウエブとして本発明による複合材料を採用す ることで得られる利点を説明する。 比較例Ａ 市販のおむつ（８〜１８ｋｇサイズに相当するポウドース・アクション・ガー ル（Peaudouce Action girl）、全重量が５９ｇ、またこの吸収性パッド４８ｇ 重量中に４．６ｇの超吸収性材料を含む）の漏出速度及び再湿潤抵抗が測定され た。このおむつは、２０ｇ／ｍ²の単位面積当り重量を有する（スピン接合型の ）ポリプロピレン繊維の不織布から作られた従来の表面ウエブを含む。試験結果 は表１で得られる。 比較例Ｂ 比較例Ａと寸法が同一である、別の市販おむつの漏出速度及び再湿潤抵抗が測 定された。このおむつは、３０ｇ／ｍ²の単位面積当り重量を有するスピン接合 型のポリプロピレン繊維の不織布から作られた基層から成る表面ウエブと、５２ ｇ／ｍ²の単位面積当り重量を有するエア・スルー（air-through）接合型の主に ポリエステル繊維の不織 布から作られた股区域ストリップとから成り、全単位面積当り重量は８２ｇ／ｍ² である。試験結果は表１で与えられる。 比較例Ｃ 比較例Ａのおむつの表面ウエブの代わりに、比較例Ｂのおむつの表面ウエブが 使用され、しかして得られた物品の漏出速度及び再湿潤抵抗が測定された。結果 は表１で与えられる。 比較例Ｄ 比較例２のおむつの股区域ストリップ、即ち５２ｇ／ｍ²の単位面積当り重量 を有するエア・スルー接合型の不織材料から作られたストリップが比較例Ａのお むつの表面ウエブに付加され、漏出速度及び再湿潤抵抗が測定された。結果は表 １で与えられる。 比較例Ｅ 各々の単位面積当り重量が２０ｇ／ｍ²であるスピン接合型ポリプロピレン繊 維の四つの不織層が比較例Ａのおむつの表面ウエブに付加された。得られた物品 の漏出速度及び再湿潤抵抗が測定された。結果は表１で与えられる。 例１ 比較例Ａのおむつの表面ウエブの代わりに、本発明による複合材料から成る表 面ウエブが使用された。この例に於て、本発明による複合材料は、コロビン社（ Corovin company）の２０ｇ／ｍ²の単位面積当り重量でスピン接合型ポリプロピ レン繊維の第１不織層から成り、これは５０ｇ／ｍ²の単位面積当り重量を有す る６．６デニールのカー ド処理済み型ポリエステル繊維シートヘ縫着により接合され、全単位面積当り重 量は７０ｇ／ｍ²である。縫着密度は、一面につき２０ニードル・ストローク／ ｃｍ²であり、得られた材料の密度は１５０ｋｇ／ｍ³であった。カード処理済み 型ポリエステル繊維シートは吸収性パッド上に直接配置された。得られた物品の 漏出速度及び再湿潤抵抗が測定された。結果は表１で与えられる。 例２ 比較例Ｂのおむつの表面ウエブの代わりに、本発明による複合不織布から作ら れたウエブが使用され、これは例１のものと同一であり、次いでカード処理済み 型繊維シートがおむつの吸収性パッドと直接接触するように位置させられた。得 られた物品の漏出速度及び再湿潤抵抗が測定された。結果は表１で与えられる。 例３ 比較例Ｂのおむつの５２ｇ／ｍ²の不織ストリップを撤去しこれの代わりに例 １の複合不織布を使用し、カード処理済み型繊維層がおむつの初期の表面ウエブ の３０ｇ／ｍ²の不織布から作られた基層と接触する。得られた物品の漏出速度 及び再湿潤抵抗が測定された。結果は表１で与えられる。 例４ 比較例Ａのおむつの表面ウエブに、２０ｇ／ｍ²のスピン接合型ポリエチレン 繊維の第１不織層、例１のものと類似した５０ｇ／ｍ²のカード処理済み型ポリ エステル繊維シート及び１７ｇ／ｍ²のスピン接合型ポリプロピレン繊 維の第２不織層、を含む本発明による複合不織材料から成るウエブを加え、三つ の層は縫着により接合される。縫着密度は一面につき２０ニードル・ストローク ／ｃｍ²であった。本発明による複合不織布は、第２不織層が初期の表面ウエブ と接触するように配置される。得られた物品の漏出速度及び再湿潤抵抗が測定さ れた。結果は表１で与えられる。 漏出時間及び再湿潤抵抗が以下のように測定された： 完成品は試験の前に、２３℃、相対湿度５０％の条件下に２４時間置かれた。 中央にパーホレーションが付いたプレキシガラスの７×７ｃｍシートは試験物 品の表面ウエブの中央に置かれる。蒸留水に９ｇ／ｌの塩化ナトリウムを含有し た塩水１００ｃｍ³が分液漏斗によりシートのオリフィスに注がれ、漏斗の流量 はシートのオリフィスに於て一定の高レベルを有するように調節された。塩水の 進入開始から塩水が物品内に見えなくなる瞬間までの経過時間が測定される。測 定された時間は第１漏出時間を構成する。 １０．２×１０．２ｃｍの正方形に切断された六つのDimar ED 939ろ紙が次い で秤量される。次いで１０．２×１０．２ｃｍで３．５ｋｇの重りが、パーホレ ーション付きシートを取り除いた後に、試験物品の表面ウエブ上に１０分間置か れる。１０分間が経過すると、六つのろ紙は重りの下に置かれ、もう１０分間そ のまま放置される。この期間の終わりに、重り及びろ紙が取り除かれる。ろ紙が 秤量される。第１秤量と第２秤量との間の、グラムで表された重量差は２０分後 の再湿潤抵抗の目安を与える。 上記手順は同じ物品で二回繰り返され、塩水の第２追加の後で２４個のフィル ターが、第３追加の後で３０個のフィルターが各々用いられる。このように第２ 及び第３漏出時間と４０分後及び６０分後の再湿潤抵抗とが得られる。 上記表１の例で明瞭に示すように、従来の表面ウエブの代替物として又はこれ に加えて本発明による複合不織布か ら作られた表面ウエブを使用することにより、短い漏出時間及び良好な再湿潤抵 抗の特に有利な組合せが結果として生じる。特に、例１は、比較例Ｃのものより も約６０％短い第３試験に於ける漏出時間、及び６０分後の再湿潤抵抗に於ける 約４７％の向上を示す。 例２の場合に得られた結果と比較例Ｂの結果とを比較すれば、初期の表面ウエ ブの代わりに本発明による表面ウエブを用いることにより、第２及び第３漏出時 間に於いて約５０％の向上と、６０分後の再湿潤抵抗に於いて約６３％の向上と が得られたことが判る。 例４で得られた結果と例１の結果とを比較すれば、従来の表面ウエブに加えて 第２不織層から成る本発明による複合不織布を用いることにより、６０分後の再 湿潤抵抗を約３０％向上する一方で漏出時間は阻害しないことが判る。 最終的に、本発明による例と比較例Ｅとを比較すれば、表面ウエブの全単位面 積当り重量が結果に影響しないことが判る。しかして、例４の表面ウエブは全単 位面積当り重量が１０７ｇ／ｍ²の四つの層から成り、比較例Ｅの表面ウエブは 全単位面積当り重量が１００ｇ／ｍ²の五つの層から成ることが考えられる。得 られた結果を比較すると、比較例の場合には、漏出時間が５００ないし６００％ 増加し、６０分後の再湿潤抵抗が３４５％悪化することが判る。 しかして吸収性衛生物品の表面ウエブの製造に特に役立つ不織複合材料が本発 明により製造されている。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９４年１１月２９日 【補正内容】 請求の範囲（訂正分） １．液体の高通過速度及び向上した再湿潤抵抗を有する複合不織材料であって 、体液透過性である不織布（２）から作られた少なくとも一つの層及びこの第１ 層上の体液透過性のカード処理済み型繊維シート（３）を含み、このカード処理 済み型繊維シートは第１層に縫着（５）により接合される複合不織材料。 ２．第２不織層（４）を含み、カード処理済み型繊維シート（３）が第１不織 層（２）と第２不織層（４）との間に配置され、第２不織層（４）が第１不織層 よりも低い単位面積当り重量を有し、不織層（２、４）及びカード処理済み型繊 維シート（３）が縫着（５）により接合される請求項１記載の複合不織材料。 ３．第１及び第２不織層は、セルロース、ビスコース、ポリエステル、ポリエ チレン、ポリプロピレン、ナイロン又はエチレン−プロピレン共重合体繊維から 選択される天然又は合成紡績繊維から成る請求項１又は２に記載の複合不織材料 。 ４．カード処理済み型繊維シート（３）は、ポリエステル、ポリエチレン、ポ リプロピレン、ナイロン又はエチレン−プロピレン共重合体繊維から選択される 合成紡績繊維から成る請求項１乃至３のいずれか一つに記載の複合不織材料。 ５．第１不織層（２）は、１０ないし３０ｇ／ｍ²の単位面積当り重量を有す る請求項１乃至４のいずれか一つに記載の複合不織材料。 ６．第２不織層（４）は、２０ｇ／ｍ²よりも低い単位面積当り重量を有する 請求項２乃至５のいずれか一つに記載の複合不織材料。 ７．カード処理済み型繊維シート（３）は、２０ないし６０ｇ／ｍ²の単位面 積当り重量を有する請求項１乃至６のいずれか一つに記載の複合不織材料。 ８．カード処理済み型繊維シート（３）は、５０ｇ／ｍ²の単位面積当り重量 を有する請求項７記載の複合不織材料。 ９．カード処理済み型繊維シート（３）は、３ないし１３のデニールを有する 請求項１乃至８のいずれか一つに記載の複合不織材料。 10．体液不透過性の外層（１１）、体液透過性で外層（１１）に取り付けられ る吸収性パッド（１２）及び体液透過性で外層（１１）に取り付けられる表面ウ エブ（１３）を含む吸収性衛生物品であって、表面ウエブは請求項１乃至９のい ずれか一つに記載の複合不織材料から成り、カード処理済み型繊維シート（３） 又は第２不織層（４）は、それが存在するとき、表面ウエブの最外層を形成し、 第１不織層（２）は使用者の体と接触するよう意図された表面ウエブの最内層を 形成する吸収性衛生物品。 11．体液不透過性の材料から作られた外層（１１）、体液透過性で外層（１１ ）に取り付けられ且つ二つの幅広対向端部分及びより狭い股区域を含む吸収性パ ッド（１２）、パッドの股区域に類似した幅でパッドに類似した長さの体液透過 性の股区域ストリップ及び体液透過性で外層（１ １）に取り付けられる表面ウエブ（１３）を含む吸収性衛生物品であって、股区 域ストリップは請求項１乃至９のいずれか一つに記載の複合不織材料（１）から 成り、カード処理済み型繊維シート（３）又はより低い単位面積当り重量の第２ 不織層（４）は、それが存在するとき、股区域ストリップの最外層を形成する吸 収性衛生物品。 12．股区域ストリップは表面ウエブ（１３）の内面上に配置される請求項１１ 記載の吸収性衛生物品。 13．股区域ストリップは吸収性パッド（１２）と表面ウエブ（１３）との間に 配置される請求項１１記載の吸収性衛生物品。 14．カード処理済み型繊維シート（３）又はより低い単位面積当り重量の第２ 不織層（４）は、それが存在するとき、接着接合、ヒートシール、超音波シール により又は縫着により表面ウエブ（１３）又は吸収性パッド（１２）の内面に接 合される請求項１２又は１３記載の吸収性衛生物品。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ Ｂ３２Ｂ 5/26 9349−4Ｆ Ｄ０４Ｂ 21/14 Ａ 7199−3Ｂ Ｄ０４Ｈ 1/42 Ｙ 7199−3Ｂ Ｗ 7199−3Ｂ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．体液透過性である不織布（２）から作られた少なくとも一つの層及びこの 第１層上の体液透過性であるカード処理済み型繊維シート（３）を含み、このカ ード処理済み型繊維シートが縫着（５）により第１層に接合される複合不織材料 。 ２．第２不織層（４）を含み、カード処理済み型繊維シート（３）が第１不織 層（２）と第２不織層（４）との間に配置され、第２不織層（４）が第１不織層 よりも低い単位面積当り重量を有し、不織層（２、４）及びカード処理済み型繊 維シート（３）が縫着（５）により接合される請求項１記載の複合不織材料。 ３．第１及び第２不織層は、セルロース、ビスコース、ポリエステル、ポリエ チレン、ポリプロピレン、ナイロン又はエチレン−プロピレン共重合体繊維から 選択される天然又は合成紡績繊維から成る請求項１又は２に記載の複合不織材料 。 ４．カード処理済み型繊維シート（３）は、ポリエステル、ポリエチレン、ポ リプロピレン、ナイロン又はエチレン−プロピレン共重合体繊維から選択される 合成紡績繊維から成る請求項１乃至３のいずれか一つに記載の複合不織材料。 ５．第１不織層（２）は、１０ないし３０ｇ／ｍ²の単位面積当り重量を有す る請求項１乃至４のいずれか一つに記載の複合不織材料。 ６．第２不織層（４）は、２０ｇ／ｍ²よりも低い単位 面積当り重量を有する請求項２乃至５のいずれか一つに記載の複合不織材料。 ７．カード処理済み型繊維シート（３）は、２０ないし６０ｇ／ｍ²の単位面 積当り重量を有する請求項１乃至６のいずれか一つに記載の複合不織材料。 ８．カード処理済み型繊維シート（３）は、５０ｇ／ｍ²の単位面積当り重量 を有する請求項７記載の複合不織材料。 ９．カード処理済み型繊維シート（３）は、３ないし１３のデニールを有する 請求項１乃至８のいずれか一つに記載の複合不織材料。 10．体液不透過性の外層（１１）、体液透過性で外層（１１）に取り付けられ る吸収性パッド（１２）及び体液透過性で外層（１１）に取り付けられる表面ウ エブ（１３）を含む吸収性衛生物品であって、表面ウエブは請求項１乃至９のい ずれか一つに記載の複合不織材料から成り、カード処理済み型繊維シート（３） 又は第２不織層（４）は、それが存在するとき、表面ウエブの最外層を形成し、 第１不織層（２）は使用者の体と接触するよう意図された表面ウエブの最内層を 形成する吸収性衛生物品。 11．体液不透過性の材料から作られた外層（１１）、体液透過性で外層（１１ ）に取り付けられ且つ二つの幅広対向端部分及びより狭い股区域を含む吸収性パ ッド（１２）、パッドの股区域に類似した幅でパッドに類似した長さの体液透過 性の股区域ストリップ及び体液透過性で外層（１１）に取り付けられる表面ウエ ブ（１３）を含む吸収性衛 生物品であって、股区域ストリップは請求項１乃至９のいずれか一つに記載の複 合不織材料（１）から成り、カード処理済み型繊維シート（３）又はより低い単 位面積当り重量の第２不織層（４）は、それが存在するとき、股区域ストリップ の最外層を形成する吸収性衛生物品。 12．股区域ストリップは表面ウエブ（１３）の内面上に配置される請求項１１ 記載の吸収性衛生物品。 13．股区域ストリップは吸収性パッド（１２）と表面ウエブ（１３）との間に 配置される請求項１１記載の吸収性衛生物品。 14．カード処理済み型繊維シート（３）又はより低い単位面積当り重量の第２ 不織層（４）は、それが存在するとき、接着接合、ヒートシール、超音波シール により又は縫着により表面ウエブ（１３）又は吸収性パッド（１２）の内面に接 合される請求項１２又は１３記載の吸収性衛生物品。