JPH08503366A - コラーゲンの突然変異および野生型遺伝子の発現を阻害するアンチセンスオリゴヌクレオチド - Google Patents

コラーゲンの突然変異および野生型遺伝子の発現を阻害するアンチセンスオリゴヌクレオチド

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JPH08503366A JP6512264A JP51226494A JPH08503366A JP H08503366 A JPH08503366 A JP H08503366A JP 6512264 A JP6512264 A JP 6512264A JP 51226494 A JP51226494 A JP 51226494A JP H08503366 A JPH08503366 A JP H08503366A
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Abstract

(57)【要約】 本方法は突然変異体コラーゲンヌクレオチド配列と実質的に相補的でありおよび野生型コラーゲンヌクレオチド配列とは完全には相補的ではないオリゴヌクレオチド、そのようなオリゴヌクレオチドの選択および調製法、および突然変異体コラーゲン遺伝子発現を阻害するためにそのようなオリゴヌクレオチドを用いる突然変異体コラーゲン遺伝子発現を示す疾患を持つ哺乳類の処置法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 コラーゲンの突然変異および野生型遺伝子の発現を 阻害するアンチセンスオリゴヌクレオチド背景技術 原繊維コラーゲンの遺伝子内の100以上の異なった突然変異が遺伝病を起こ すことが示されている。Byers,P.H.,Trends Genet 990 ,6,293−300;Sykes,B.,Nature 1990,3 4B,18−20;Prockop,D.J.,J.Biol.Chem19 90 ,265,15349−15352;Kuivaniemi,H.et a l.,FASEB J1991,5,2052−2060。さらに、ある種の ヒトコラーゲン遺伝子の配列も既知である。Myers et al.,Pro c.Natl.Acad.Sci.USA 1988,78,3516、はヒト タイプIプロコラーゲンのプロα2のcDNAの構造を報告しており、および、 その後一連のコラーゲン遺伝子の構造が決定されている(Vuorio,Eおよ びde Crombrugghe,B.,An.Rev.Biochem19 90 ,58,837−875;Chu,M.L.およびProckop,D.J .,細胞外マトリックスおよび結合組織の遺伝疾患,RoyceおよびStei nmann編,Alan R.Liss,New York,1992参照)。 タイプIプロコラーゲンの二つの遺伝子(COL1A1およびCOL1A2)の 各々の突然変異は骨形成不完全症および骨粗霜症の一部を起こし;タイプIIプロ コラーゲンの遺伝子(COL2A1)の突然変異は軟骨形成不全症およびいくつ かの型の骨関節症を起こし;およびタイプIIIプロコラーゲンの遺伝子(COL 3A1)の突然変異はエーラースーダンロス症候群(Ehlers−Danlo ssyndrome)タイプIVおよび動脈瘤を起こす。プロコラーゲン遺伝子の 突然変異のほとんどは構造的には異常であるが部分的に機能的なタイプI、タイ プIIまたはタイプIIIプロコラーゲンのプロα鎖の合成を指示する事により疾病 表現型を引き起こす。部分的に機能的なプロα鎖は会合し、ジスルフィド結合に より 正常プロα鎖となる。その結果、突然変異体鎖はいくつかの主たる影響の一つを 与える。Kuivaniemi,H.et al.,FASEB J1991 ,5,2052−2060。一つの影響はコラーゲントリプルヘリックスへの3 つの鎖の折りたたみを妨害し、それによりプロコラーゲン自殺と称されている過 程を経て異常および正常プロα鎖両方の分解を起こす。第二の影響はコラーゲン トリプルヘリックスのコンホメーションに副次的な変化を起こし、それにより突 然変異したモノマーを発生し、それは同じ細胞により合成される正常なモノマー の自己集合を妨害する。 コラーゲン遺伝子の突然変異の第三の影響は線維芽細胞および関連する細胞に より合成されるコラーゲンの量を減少させることである。しかしながら、コラー ゲン合成を減少させる突然変異はタイプI骨形成不完全症として知られている比 較的軽い疾患しか起こさない。突然変異体コラーゲン遺伝子発現の有害な影響は タイプIプロコラーゲンの突然変異体遺伝子を発現するトランスジェニックマウ スで示された。これらのトランスジェニックマウスではヒト骨形成不完全症に似 た表現型が現れた(Stacey,A.et al.,Nature 1988 ,332,131−136;Khillan,J.S.et al.,J.Bi ol Chem1991,266,23373−23379)。さらに、タイ プIIプロコラーゲンの突然変異体遺伝子を発現するトランスジェニックマウスは ヒト軟骨形成不全症に似た表現型を現すことが示された。Vandenberg et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.1991,88,76 40−7644。 多くの遺伝性のコラーゲンの疾患は突然変異した遺伝子からの蛋白質生成物に より起こされるので、突然変異した遺伝子の発現の特異的阻害はそのような疾患 の治療に有用であろうと信じられる。コラーゲン遺伝子の突然変異により起こさ れる重度の疾患を持つ多くの患者は突然変異体プロα鎖の合成を指示する突然変 異体対立遺伝子の選択的不活性化の恩恵を受けるであろうことが臨床的に観察さ れている。選択的阻害が有用であろう疾患には骨形成不完全症、軟骨形成不全症 、ある種の型の骨粗鬆症、ある種の型の動脈瘤およびある種の型の骨関節症が含 まれる。 さらに、数十年にわたり多くの病理学的病態が瘢痕および過剰の線維性組織の 形でのコラーゲン線維の過剰産生により起こされることが認められてきた。例え ば、肝硬変は二段階過程であり、正常な肝臓組織が最初にウイルスによりまたは アルコールおよび他の毒素により破壊され、続いて正常の肝臓細胞の再生の前に 過剰の量のコラーゲン繊維が損傷を受けた細胞に置き代わる。突発性肺線維症は 、(ほとんど知られていない理由で)正常肺組織が徐々に過剰の量のコラーゲン 線維により置換される致死的な病態である。全身性進行性硬化症(強皮症)はコ ラーゲン線維の過剰の沈着のため皮膚および内部器官がレザー様になる、再び理 由が不明のしばしば致死的な疾患である。多くの個体において、皮膚の怪我また は手術による切開後に、化粧の問題および時々はより重大な問題を起こす肥厚性 瘢痕およびケロイドの形でのコラーゲンの過剰な沈着が起こる。また、外傷およ び手術後に正常個体で過剰の瘢痕化がしばしば起こる。これらのおよび関連する 病態において、コラーゲン合成および沈着を特異的阻害する手段は強大な恩恵を 与えるであろう。さらに、コラーゲン合成および沈着を特異的阻害する同じ手段 は畜産においても有用であろう。例えば、ほとんどの馬は脚の損傷後に”肉芽” と呼ばれ、選抜された馬およびレース用サラブレッドの一生をだめにするヒトの ケロイドに似たコラーゲン繊維の大きな蓄積が現れる。 特定のRNAと相補的である修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドは蛋白質と して多数の細胞およびウイルス遺伝子の発現を阻害できることが示されている。 Erickson,R.P.,およびIzant,J.G.Gene Regu lation:Biology of Antisense RNA and DNA ,Vol.1,Raven Press,New,York,1992参 照。例えば、単一のヌクレオチドによる正常遺伝子と異なるp21遺伝子の選択 的阻害が報告されている。Chang,E.H.et al.,Biochem istry 1991、30、8283−8286。さらに、mRNAスプライ ス部位はアンチセンス核酸の好適な標的である。Kole,R.et al., Adv.Drug Deliverry 1991,6,271−286;Mu nroe,S.H.EMBO J. 1988,7,2523−2532。アン リセンスオリゴヌクレオチドが遺伝子発現を阻害する機構を説明するために多く の仮説が提出されているが、関与する特定の機構は研究する細胞の型、標的とさ れるRNA、RNA標的上の特定の部位およびオリゴヌクレオチドの化学的性質 に依存するであろう。Chiang、M.−Y.et al.,J.BiolChem1991,266,18162−18171;Stein,C.A. およびCohen,S.Cancer Res1988,48,2659−2 668。 コラーゲンの病気の治療に対する要求が長い間求められてきたが、そのような 要求は満たされていない。アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いるコラーゲン の正常対立遺伝子または突然変異体対立遺伝子の発現を選択的に減少させる方法 はコラーゲンの疾患を持つものに強大な恩恵となるであろう。発明の概要 プロコラーゲンをコードする遺伝子の突然変異は骨形成不全症、軟骨形成不全 症および関連する疾患およびエーラースーダンロス症候群タイプIVを起こす。そ れらはまた、骨粗鬆症の一部、骨関節症の一部および動脈瘤の一部も引き起こす 。しかしながら、コラーゲンの遺伝病の処置のための治療的および薬学的な薬剤 はほとんどなく、そのどれもが疾患を起こしている変異コラーゲン遺伝子の発現 を選択的に阻害していない。また、瘢痕および線維性組織の形でのコラーゲンの 過剰合成および沈着は肝硬変、肺線維症、強皮症、肥厚性瘢痕、ケロイド形成の ような疾患の有害な影響の基になっている。また、過剰の瘢痕化は正常個体で外 傷および手術後にしばしば起こっている。本発明はコラーゲンの変異または正常 遺伝子両方の発現を選択的に阻害するアンチセンス戦略に基づいた方法を提供す る。従って、これらの病態の多くを防止または元に戻せる手段を提供する。 変異コラーゲン遺伝子発現の選択的な阻害を調べるため、外因性変異COL1 A1遺伝子に対して相補的な修飾されたアンチセンスオリゴヌクレオチドが調製 された。試験系において、ヒトCOL1A1遺伝子の構築物から構成された外因 性遺伝子がマウス細胞にトランスフェクトされた。その結果、マウス細胞はヒト タイプIプロコラーゲンの変異プロα1(I)鎖を合成した。マウス細胞はまた 内因性マウスCOL1A1遺伝子からのマウスタイプIプロコラーゲンの正常プ ロα1(I)鎖も合成した。修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドは外因性ヒト COL1A1遺伝子に相補的である塩基配列を含むように設計されているので外 因性ヒトCOL1A1遺伝子のRNA転写体中の標的配列に結合するであろう。 ここに提供される実施例において、標的配列は正常ヒトCOL1A1遺伝子のエ キソン1およびイントロン1からの20のヌクレオチドであり、正常マウスCO L1A1遺伝子の同じ配列と9つのヌクレオチドが異なっていた。修飾オリゴヌ クレオチドが外因性ヒトCOL1A1遺伝子および内因性マウスCOL1A1遺 伝子の両方を発現している細胞のトランスフェクトに適用された場合、ヒトCO L1A1遺伝子の発現が選択的に阻害された。ヒトCOL1A1遺伝子の阻害は 50から80%の範囲であり、同じコラーゲンの内因性マウス遺伝子またはフィ ブロネクチンと称されている関連する細胞外蛋白質の内因性マウス遺伝子の発現 の阻害は10%未満であった。 同じオリゴヌクレオチドのミスセンスおよびセンス体は外因性遺伝子の発現に は本質的に何の効果も示さなかった。最も効果的なオリゴヌクレオチドで観察さ れた阻害はオリゴヌクレオチドに一つの塩基変換を導入することにより減少した 。外因性コラーゲン遺伝子発現の選択的阻害は全ての実験で一致して観察された 。オリゴヌクレオチドの担体として使用されたリポフェクチン存在下、有効な阻 害に必要とされたオリゴヌクレオチドの濃度は0.1μMの低さであった。従っ て、これらの結果は同一のオリゴヌクレオチドまたは同一のオリゴヌクレオチド の修飾形が同一の遺伝的に欠損した遺伝子または類似の欠損遺伝子を発現するト ランスジェニックマウスにおける壊れ易い骨の表現型を救うために有用であろう ことを示している。さらに、他の変異体コラーゲン遺伝子に結合するように設計 されたある種の他のオリゴヌクレオチドはヒトを含む哺乳類においての変異体コ ラーゲン遺伝子発現の阻害に有用であろう。 さらに、正常コラーゲン遺伝子中の標的配列のために設計されたオリゴヌクレ オチドは組織におけるコラーゲンの過剰合成および沈着により有害な効果が引き 起こされている疾患および関連する病態に有用であろう。 ヒトCOL1A1遺伝子およびマウスCOL1A1遺伝子両方の特異的配列に 相補的なオリゴヌクレオチドが提供される。 このオリゴヌクレオチドを選択および調製する方法もまた提供される。さらに 、コラーゲンの変異遺伝子の発現により引き起こされる、または、特定の組織で の損傷に応答する正常コラーゲン遺伝子の過剰発現により引き起こされる疾患ま たは関連する病態を持つ哺乳類を処置するための方法も本発明には含まれている 。 本発明の方法は、本発明のオリゴヌクレオチドを用いて変異コラーゲン遺伝子 発現を選択的に阻害することによりコラーゲンの疾患を持つヒトの処置に特に有 用であろう。また、組織における正常コラーゲンの過剰発現により引き起こされ る疾患および関連する病態、すなわち肝硬変、肺線維症、強皮症および外傷また は手術後の瘢痕化などの病態を持つヒトおよび他の哺乳類の処置にも有用であろ う。図の簡単な説明 図1はプロα1(I)鎖(COL1A1)の外来性遺伝子(配列ID番号:4 )および内在性遺伝子(配列ID番号:3)発現のウエスタンブロットアッセイ を示している。レーン1から3:ミスセンスオリゴヌクレオチドMS3(配列I D番号:6)で処理された細胞。レーン4から6:アンチセンスオリゴヌクレオ チドMS3(配列ID番号:5)で処理された細胞。レーン7から9:オリゴヌ クレオチドで処理されていない細胞。細胞の3つの試料は同じように処理され、 示されたレーンで別々に分析された。 図2は外因性(配列ID番号:3)および内因性(配列ID番号:4)遺伝子 からのmRNAの定常状態レベルのアッセイを示している。同一のオリゴヌクレ オチドプライマーがmRNAからのcDNAの合成に用いられ、cDNAがポリ メラーゼ連鎖反応で増幅され続いて制限酵素(BstN1)で切断される実験条 件下、外因性COL1A1遺伝子からのmRNAは135塩基のバンドを発生さ せ、内因性COL1A1遺伝子からのmRNAは100塩基のバンドを発生させ る。レーン1−3:0.2μM AS3および10μg/mlリポフェクチンで 処理。レーン4−6:0.2μM MS3および10μg/mlリポフェクチン 。レーン7−9:10μg/mlリポフェクチン単独。フィルムのデンシトメト リ ーはAS3はヒトmRNAのレベルをMS3(配列ID番号:6)で得られた値 の80%まで減少させたことを示した。マウスmRNAのレベルには何の影響も 及ぼさなかった。細胞の3つの試料は同じように処理され、示されたレーンで別 々に分析された。 図3は外因性COL1A1遺伝子(配列ID番号:1)の発現の特異的阻害の 時間変化を示している。細胞は指定された時間に除去され、ウエスタンブロット により遺伝子の発現がアッセイされた(図1参照)。値は平均±(プラス/マイ ナス)標準偏差(n=3)である。発明の詳細な説明 線維性コラーゲンの多くの遺伝子変異は構造的には異常であるが部分的に機能 的であるタイプI,タイプIIおよびタイプIIIプロコラーゲンのプロα鎖を合成 するため、疾病の表現型を現すことが確立されている。さらに、プロコラーゲン 遺伝子の突然変異は骨形成不完全症、軟骨形成不全症およびエーラースーダンロ ス症候群を起こすことが確立されている。同じ遺伝子中の突然変異はまた一部の 骨粗鬆症、骨関節症および家族性動脈瘤も引き起こす。しかしながら、変異体コ ラーゲン産生により引き起こされる病気のための有効な治療法は見つかっていな い。本発明は変異体コラーゲン遺伝子発現の阻害に有用なオリゴヌクレオチドに 関し、変異体コラーゲン遺伝子発現により起こされる疾患の処置にこれらの化合 物を用いる方法を提供する。本発明はまた、コラーゲンの線維状態での過剰な沈 着を防止するための正常コラーゲン遺伝子の発現の阻害に有用なオリゴヌクレオ チドにも関している。 本発明は変異体コラーゲンヌクレオチド配列または正常コラーゲンヌクレオチ ド配列と実質的に相補的なオリゴヌクレオチドを提供する。”ヌクレオチド配列 ”とは一連の連結されたヌクレオチド単位から形成されるポリヌクレオチドを指 している。ここに使用される場合、用語”実質的に相補的”とはオリゴヌクレオ チドおよびコラーゲンヌクレオチド配列間の相補性の程度が潜在的に安定な鎖間 ハイブリッド形成を可能にし、オリゴヌクレオチドがコラーゲン遺伝子発現を阻 害するのを可能にすることを意味している。鎖間ハイブリッド形成とはオリゴヌ クレオチドおよびコラーゲンヌクレオチド配列間の相互作用である。安定な鎖間 ハイブリッドを形成する潜在的能力は、例えば、数学的モデル化または経験的分 析、固相保持核酸ハイブリッド形成またはCot分析によるハイブリッドの融点 (Tm)の決定のような本分野で既知の方法を用いて当業者により決定できる( Marmur,J.およびDoty,P.,J.Mol.Biol.1962 ,5,113)。 本明細書中で使用される場合、用語”コラーゲンヌクレオチド配列”とは野生 型または変異体コラーゲンまたはプロコラーゲン遺伝子から誘導されるヌクレオ チド配列を意味し、例えばDNAまたはRNA配列、遺伝子のDNA配列、転写 されたRNA配列、プレ−mRNAまたはmRNAのRNA配列および蛋白質へ 結合されたDNAまたはRNAを含んでいる。 変異体コラーゲン遺伝子発現の阻害に有用なオリゴヌクレオチドは変異体コラ ーゲンヌクレオチド配列を野生型コラーゲンヌクレオチド配列と比較することに より選択されるであろう。野生型コラーゲンヌクレオチド配列と比べて少なくと も一つのヌクレオチドの相違を含む変異体コラーゲンヌクレオチド配列の一つの 領域がオリゴヌクレオチドの標的として選択されるであろう。この領域と相補的 なオリゴヌクレオチドは変異体コラーゲンヌクレオチド配列と選択的にハイブリ ッド形成できるが、野生型コラーゲンヌクレオチド配列とはできないことが期待 される。 さらに、遺伝子の対立遺伝子の塩基配列中の中立変異がオリゴヌクレオチドの 標的部位として使用できる。従って、正常対立遺伝子に対するオリゴヌクレオチ ドの一団が配列中に中立変異を含む対立遺伝子の発現を阻害するのに使用でき、 正常に機能している対立遺伝子に対する一群のオリゴヌクレオチドの使用は、与 えられた遺伝子中に発見される各々の新しい突然変異に対する新しいオリゴヌク レオチドを設計する必要性がないため、必要とされる特異的オリゴヌクレオチド の数を非常に減らすことができるであろう。 コラーゲン遺伝子の非変異配列を標的とするオリゴヌクレオチドは線維状病変 でのコラーゲン合成の阻害に使用できる。 オリゴヌクレオチドは変異体または正常コラーゲンヌクレオチド配列と安定な ハイブリッドを潜在的に形成できる任意の長さの配列であろう。安定なハイブリ ッドを形成する潜在的な能力は本分野では既知の方法を用いて当業者により決定 されるであろう。5から200のヌクレオチドの間のオリゴヌクレオチドの長さ が好適である。10から50のヌクレオチドの長さであるオリゴヌクレオチドが より好適である。15から25のヌクレオチドの長さであるオリゴヌクレオチド が最も好適である。 オリゴヌクレオチドのヌクレオチドは天然および合成物のように本分野で既知 のものであろう。用語”オリゴヌクレオチド”はここで使用される場合、連結さ れたヌクレオチドから形成されるポリヌクレオチドを意味している。さらに、術 語”オリゴヌクレオチド”は天然に存在するオリゴヌクレオチドまたは、生体系 でより安定であるようにまたは標的配列により強固に結合するようにオリゴヌク レオチドに特別の性質を与えるように設計された天然に存在するサブユニットま たは類似のサブユニットから形成された合成オリゴヌクレオチドを含んでいる。 細胞または核および他の細胞区画への運搬を促進するであろう他の化合物へそれ らを化学的に連結させるようなオリゴヌクレオチドの修飾も含まれる。用語”野 生型”とはここで使用される場合、コラーゲンまたはプロコラーゲンヌクレオチ ド配列の天然で機能的な形を意味している。例えば、天然の機能性遺伝子および プロコラーゲンタイプIからXVIの転写体および哺乳類の組織で発見されるであ ろうまだ未発見のコラーゲンが含まれる。 少なくとも一つの点突然変異、ミスセンス突然変異、ナンセンス突然変異、欠 損、組換え、挿入またはそのような突然変異の組み合わせを持つ野生型ヌクレオ チド配列の変異を含む突然変異体ヌクレオチド配列の領域と実質的に相補的なオ リゴヌクレオチドが本発明に好適である。正常非変異配列は正常コラーゲン合成 および沈着の阻害を含む応用に好適である。 本発明の好適な態様はタイプIプロコラーゲン(COL1A1およびCOL1 A2)、タイプIIプロコラーゲン(COL2A1)、タイプIIIプロコラーゲン (COL3A1)またはタイプIVプロコラーゲン(COL4A1、COL4A2 、COL4A3、COL4A4およびCOL4A5)の突然変異体または正常野 生型ヌクレオチド配列と相補的なオリゴヌクレオチドである。オリゴヌクレオチ ド が哺乳類、特にヒトから誘導または選択されるヌクレオチト配列と相補的である のがより好適である。 本発明のオリゴヌクレオチドは修飾されたオリゴデオキシリボヌクレオチドま たはオリゴリボヌクレオチドを含むオリゴデオキシリボヌクレオチドまたはオリ ゴリボヌクレオチドでもよい。さらに、本発明のオリゴヌクレオチドはデオキシ リボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドの組み合わせを含んでいてもよい。 さらに、本発明のオリゴヌクレオチドはまた修飾サブユニットを含んでいても よい。例えば、本発明はホスホロチオエート オリゴデオキシリボヌクレオチド を含んでいてもよい。 本発明のオリゴヌクレオチドは安定性を増加させ、および細胞内および細胞外 分解を防止するために修飾されているのが望ましい。本発明のオリゴヌクレオチ ドは医薬として活性な形で哺乳類に投与された場合、標的配列への親和性および 適当な細胞および細胞分画への輸送を増加させるために修飾されているのがより 好適である。 本発明のオリゴヌクレオチドは本分野では既知の方法により合成されるであろ う。オリゴヌクレオチドは例えばアセトニトリル中でのテトラエチルチウラムジ スルフィドでの硫化によるホスホロアミダイト化学のような化学合成法を用いて 調製されるのが本発明では望ましい。例えば、VuおよびHirschbein ,Tetrahedron Lett.1991,32,30005−300 08を参照されたい。本発明のオリゴヌクレオチドはまた、T7ポリメラーゼま たは発現ベクターによる転写のようなインビトロまたはインビボ転写系を用いて も合成されるであろう。インビトロまたはインビボ転写系を用いて合成されたオ リゴヌクレオチドは当業者には既知の化学的方法を用いて修飾されるであろう。 そのような修飾の例にはリポソームでのカプセル化またはステロイド、抗体およ び細胞受容体への化学的連結が挙げられる。 突然変異体または野生型コラーゲンヌクレオチド配列と実質的に相補的なオリ ゴヌクレオチドはコラーゲン遺伝子発現制御配列を含んでいることが望まれる。 用語”遺伝子発現制御配列”とはここで使用された場合、遺伝子発現のレベルに 影響する配列を示している。翻訳のレベルまたはRNAプロセッシング速度に影 響を及ぼす遺伝子発現制御配列が好適であるが、しかし、本発明はこれらの過程 に関与する配列に制限されるものではない。本発明に有用な遺伝子発現制御配列 には例えば、5’−および3’−スプライス部位配列、スプライシング分岐点配 列、核内小分子リボ核蛋白質結合部位配列(snRNP)、ポリアデニル化領域 配列、翻訳開始領域配列、転写体5’−および3’−非翻訳領域配列、およびR NA代謝回転(turnover)に影響する配列が含まれる。翻訳開始部位に は開始コドンまたは開始コドンに隣接して包理されたコザック配列または他の配 列が含まれるであろう。5’−スプライス部位配列にはU1 snRNP結合部 位または5’−スプライス部位オクタヌクレオチド共通配列が含まれるであろう 。さらに、5’−スプライス部位配列にはスプライス部位またはスプライス部位 に隣接して包理された配列が含まれるであろう。3’−スプライス部位配列には スプライス部位またはスプライス部位に隣接して包理された配列が含まれるであ ろう。ポリアデニル化領域配列にはAAUAAA共通ヘキサヌクレオチドおよび その活性化変異体、および切断部位を囲むまたは切断部位に隣接する配列が含ま れるであろう。オリゴヌクレオチドの標的配列にはまた蛋白質のアミノ酸配列を コードしている配列も含まれるであろう。 本発明のオリゴヌクレオチドはアンチセンスオリゴヌクレオチドであるのが望 ましい。本発明のオリゴヌクレオチドはコラーゲン遺伝子スプライス部位、特に 、5’−スプライス部位を標的にしていることがより好適である。ここで、用語 ”スプライス部位”はU1 snRNP結合部位若しくは5’−スプライス部位 オクタヌクレオチド共通配列を含む5’−スプライス部位配列、またはスプライ ス部位若しくはスプライス部位に隣接して包理された配列を含む5’−スプライ ス部位配列を包含している。用語”スプライス部位”はまた、スプライス部位ま たはスプライス部位に隣接して包理された配列を含む3’−スプライス部位配列 も意味している。本発明のスプライス部位は例えば、活性化陰性(crypti c)スプライス部位、欠損部位で再構築された若しくはいくつかの他の突然変異 により再構築されたスプライス部位、または変異体配列環境内の優性スプライス 部位であってもよい。別の好適な本発明の方法は遺伝子をコードしている配列を 標的とするオリゴヌクレオチドである。 本発明はさらに配列ID番号:18を含む変異体コラーゲンスプライス部位と 実質的に相補的なオリゴヌクレオチドを含んでいる。この共通配列はコラーゲン 遺伝子発現にある種の程度阻害活性を示す多くの試験されたオリゴヌクレオチド に由来する。表1および2参照。 本発明のオリゴヌクレオチドの有用性を示すため、タイプIプロコラーゲンの 短いプロα1(I)鎖をコードするヒトCOL1A1遺伝子の内部が欠損した” 突然変異体”構築物で安定にトランスフェクトされたマウスNIH 3T3細胞 をオリゴヌクレオチドと接触させた。これらのオリゴヌクレオチドは標的として 外因性ヒト遺伝子のエキソン1の3’末端領域およびイントロン1の最初の2つ のヌクレオチドを用いて合成された。表1参照。ヒト遺伝子が対応する内因性マ ウス遺伝子に観察されないエキソン1の27ヌクレオチドを含んでいるので標的 部位が選択された。オリゴヌクレオチドと接触させた細胞は変異体COL1A1 遺伝子の選択的阻害を示した。実施例5から8参照。試験された最も有効なオリ ゴヌクレオチドの標的配列は20のヌクレオチドの長さであった。このヒトコラ ーゲン標的配列はマウス配列と9つのヌクレオチドが異なっていた。発現におい て観察された効果は特異的であり、外因性遺伝子の発現を50から80%の範囲 で阻害した。内因性コラーゲン遺伝子およびフィブロネクチン遺伝子の発現の阻 害は10%未満しか観察されなかった。これらのオリゴヌクレオチドの選択性を さらに示すため、同じオリゴヌクレオチドのミスセンスまたはセンス体が試験さ れた。これらのオリゴヌクレオチドは標的遺伝子発現に本質的に何の効果も持た なかった。また、試験された最も効果的なオリゴヌクレオチドで観察された阻害 は一つの塩基の変換の導入により減少した。 以上の例示から本発明のオリゴヌクレオチドは研究試薬として研究に有用であ ることは明かである。しかしながら、本オリゴヌクレオチドはまた診断および治 療薬およびキットとしても使用することができる。 本発明はまた、配列ID番号:5、配列ID番号:6、配列ID番号:7、配 列ID番号:8、配列ID番号:9、配列ID番号:10、配列ID番号:11 、配列ID番号:12、配列ID番号:13、配列ID番号:14、配列ID番 号:15、配列ID番号:16、配列ID番号:19、配列ID番号:20、配 列 ID番号:21、配列ID番号:22および配列ID番号:23からなる群より 選択される配列を含むオリゴヌクレオチドも含んでいる。表1および2参照。こ れらのオリゴヌクレオチドのあるものは変異体5’−スプライス部位配列と相補 的であり、変異体外因性遺伝子の発現を効果的に阻害する。表2参照。配列ID 番号:5、配列ID番号:8、配列ID番号:19、配列ID番号:20、配列 ID番号:21、配列ID番号:22および配列ID番号:23を持つオリゴヌ クレオチドは特に阻害を行う。前記の群のオリゴヌクレオチドは研究用試薬とし て特に有用であるがそのような使用に制限されているわけではない。 本発明のオリゴヌクレオチドは哺乳類、特にヒトに投与された場合、治療目的 の医薬製剤として有用であろう。本発明のオリゴヌクレオチドおよび医薬として 受容可能な担体または希釈剤を含む、変異体および正常コラーゲン遺伝子発現阻 害のための医薬組成物が提供される。 本発明はさらに、コラーゲン遺伝子スプライス部位のような変異または正常コ ラーゲン遺伝子発現制御配列と実質的に相補的なオリゴヌクレオチドを含む医薬 組成物の好適な態様を提供する。 配列ID番号:18を持つオリゴヌクレオチドを含む医薬組成物もまた含まれ ている。 オリゴヌクレオチドを含む医薬組成物はカプセル、錠剤および散剤のような固 形の剤形で、またはエリキシル、シロップおよび懸濁剤のような液体の剤形で経 口により投与されるであろう。また、無菌液体剤形として非経口でならびに吸入 または局所投与によっても投与される。 投与される用量は薬力学的特性;投与の様式および経路;患者の年齢、健康状 態および体重;および処置の頻度のような因子に依存して変化する。有効な用量 とはコラーゲン蛋白質産生に付随する徴候または病態を除去または減少させるレ ベルに細胞中のコラーゲン蛋白質産生を阻害できる量である。 本化合物は医薬として受容可能な局所担体または処方に処方して、例えば、ク リーム、ローションまたは軟膏を作ってもよい。 非経口投与には本発明のオリゴヌクレオチドは水、油、塩溶液、水性デキスト ロースおよび他の糖溶液、プロピレングリコールまたはポリエチレングロコール およびリポソームまたは核酸に結合できる陽イオン性脂質の様な適した担体また は希釈剤と混合してもよい。さらに、本発明のオリゴヌクレオチドの水溶性塩を 非経口投与に使用してもよい。安定化剤、抗酸化剤および保存剤もまた添加して もよい。適した抗酸化剤には次亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、およびア スコルビン酸、クエン酸およびその塩、およびEDTAナトリウムが含まれる。 適した保存剤にはベンズアルコニウムクロリド、メチルまたはプロピルパラベン およびクロロブタノールが含まれる。 非経口投与にための溶液は、好適には陽イオン性脂質でカプセル化または結合 されている本発明のオリゴヌクレオチドを含んでいる。 脂質を含む組成物の有効性を示すため、リポフェクチンが細胞培養系で試験さ れた。リポフェクチンは試験されたすべてのアンチセンスオリゴヌクレオチドの 阻害を最適化した。実施例5、表2および3および実施例8、表4を参照された い。有効な阻害に必要とされたオリゴヌクレオチドの濃度は0.1μMの低さで あり、それは哺乳類薬として生理学的に受容可能な濃度である。この観察結果を 考慮すると、本発明のオリゴヌクレオチドは哺乳類の処置に有用であろうことが 期待される。 本発明のオリゴヌクレオチドはオリゴヌクレオチドと哺乳類の体のオリゴヌク レオチドの作用部位の接触を起こさせる任意の方法により投与でき、経口、静脈 内および非経口が含まれるがそれらに制限されるわけではない。 本オリゴヌクレオチドは単独でまたは本発明の他の化合物、他の医薬化合物ま たは治療薬と組み合わせて投与してもよい。オリゴヌクレオチドは好適には選択 された投与経路および標準的な医薬投与の実施に基づいて選択された医薬として 受容可能な担体または希釈剤とともに投与される。 本発明のオリゴヌクレオチドは哺乳類、特にヒトに変異体コラーゲン遺伝子発 現を阻害するために、または変異体コラーゲン遺伝子発現を示す疾患を処置する ために有効である治療的有効量または濃度で投与される。特定の例で投与される 量は本発明の特定のオリゴヌクレオチドの薬力学、およびその投与様式および経 路;患者の年齢、健康状態および体重;徴候の性質および程度;同時に行われる 処置の種類;処置の頻度および望まれる効果のような因子に依存するであろう。 異常型のコラーゲン遺伝子発現の阻害は本発明の主たる焦点である。この目的 を達成するため本発明は変異体コラーゲン遺伝子を含む細胞と、変異体コラーゲ ンヌクレオチド配列または変異体配列を含み、野生型コラーゲンヌクレオチド配 列または野生型コラーゲン対立遺伝子に対する対立遺伝子中の標的配列とは完全 には相補的でなく同一コラーゲン対立遺伝子配列中の中立変異と実質的に相補的 であるオリゴヌクレオチドの変異体コラーゲン遺伝子発現阻害量を接触させるこ とを含む変異体コラーゲン遺伝子発現の阻害法を提供する。本発明はまた、オリ ゴヌクレオチドの担体としてリポフェクチンを含む接触工程による方法も含んで いる。さらに、本発明は野生型コラーゲン遺伝子の発現を阻害するための類似の 方法も含んでいる。 さらに、コラーゲンヌクレオチド配列がコラーゲン遺伝子スプライス部位、特 に5’−スプライスまたは正常コード配列のようなコラーゲン遺伝子発現制御配 列を含む変異体または野生型コラーゲン遺伝子発現の阻害法が提供される。 オリゴヌクレオチドが配列ID番号:5、配列ID番号:6、配列ID番号: 7、配列ID番号:8、配列ID番号:9、配列ID番号:10、配列ID番号 :11、配列ID番号:12、配列ID番号:13、配列ID番号:14、配列 ID番号:15、配列ID番号:16、配列ID番号:19、配列ID番号:2 0、配列ID番号:21、配列ID番号:22および配列ID番号:23からな る群より選択される配列を含むコラーゲン遺伝子発現の阻害法もまた含まれてい る。これらのオリゴヌクレオチドを含む方法は特に研究に有用であるがそのよう な使用に制限されているわけではない。 オリゴヌクレオチドが配列ID番号:18を含む変異体および野生型コラーゲ ン遺伝子発現を阻害する別の方法も含まれている。 コラーゲン遺伝子発現を阻害するためのこの方法の例示として、内部が欠損し たヒトCOL1A1遺伝子を安定して発現するマウスNIH 3T3細胞を細胞 培養で増殖させた。内因性マウスCOL1A1の発現と比較した外因性ヒトCO L1A1発現の変化を直接的にアッセイ可能にすることがこの系の有用性である 。特に、外因性ヒトCOL1A1はこの遺伝子から合成されるmRNAおよびプ ロ α1(I)鎖がマウス内因性COL1A1遺伝子から合成されるmRNAおよび プロα1(I)鎖の大きさの半分未満であるように遺伝子工学による40エキソ ン(エキソン6から45)の内部欠損を持っていた。それ故他の遺伝子に対して の一つの遺伝子の選択的阻害は当業者にはなじみの技術を用いて細胞または組織 の同一の試料から容易にアッセイされる。 細胞は実験の終わりにサブコンフルエント培養物が得られるように濃度を調節 して播種された。20時間後、細胞を2回前もって暖めた培地で洗浄し、リポフ ェクチンで処理した。その後、蒸留水に溶解したオリゴヌクレオチドを加えて細 胞をインキュベートした。次に、熱不活性化ウシ血清および抗生物質を含む培地 を加えた。細胞は次に実施例に示されている追加の時間インキュベートされた。 RNAおよび蛋白質分析は、上記の方法を用いて変異体ヒトコラーゲン遺伝子を 発現している細胞を本発明のある種のオリゴヌクレオチドを接触させると変異体 遺伝子発現を著しく阻害していることを示した。実施例5、表2および3および 実施例8、表4参照。AS3(配列ID番号:5)での最大の阻害は約20時間 で観察された。図3参照。阻害は8時間後に始まり少なくとも30時間持続した 。 細胞でのこれらの実験に使用された変異体ヒトCOL1A1遺伝子は変異体C OL1A1遺伝子が骨形成不完全症の致死的な型を起こすことが示された後に設 計された。Williams,C.J.およびProckop,D.J.,J. Biol.Chem1983,258,5915−5921;およびOlse n et al.,J.Biol.Chem.1991,266,1117−1 121。同一の変異体ヒトCOL1A1遺伝子がトランスジェニックマウスの調 製に使用された。この遺伝子を高いレベルで発現しているトランスジェニックマ ウスの系統は骨形成不完全症を持つ子供に見られるものと同じ骨折が進行してい ることが示された。Khillan,J.S.et al.,J.Biol.C hem. 1991,266,23373−23379。従って、細胞培養にお いて変異ヒトCOL1A1遺伝子の発現を阻害するオリゴヌクレオチドはトラン スジェニックマウスにおける同一の変異ヒトCOL1A1遺伝子の発現を阻害す ることを可能にし、それによりトランスジェニックマウスの骨折の表現型を救っ ている。トランスジェニックマウスにおけるオリゴヌクレオチドの試験の成功は 骨形成不完全症を持つ子供の骨折を処置または防止するための同一のまたは類似 のオリゴヌクレオチドの使用の期待を与えるであろう。COL1A1遺伝子の突 然変異は閉経後の骨粗鬆症の一部の原因であるため同一のまたは類似のオリゴヌ クレオチドは骨粗鬆症の処置または防止に有用であろう。特に重要なことは変異 体ヒトCOL1A1遺伝子を発現している同一の細胞およびトランスジェニック マウスがヒト遺伝子内の非変異配列または遺伝子の正常対立遺伝子中の中立変異 を含む領域の両方を標的とすることにより、正常ヒトCOL1A1遺伝子の発現 を特異的に阻害するオリゴヌクレオチドの開発に使用できることである。 本発明のオリゴヌクレオチドは変異体コラーゲン遺伝子発現の阻害を達成する ためそれらの細胞内標的に到達することができるであろう。従って、本発明は遺 伝子発現機構の少なくとも一つの要素とコラーゲン遺伝子発現阻害量のオリゴヌ クレオチドを接触させることからなる変異体および野生型コラーゲン遺伝子発現 の阻害法を提供する。本発明の目的のため、本遺伝子発現機構の要素は遺伝子の ヌクレオチド配列、遺伝子から転写されたスプライスされたmRNAのヌクレオ チド配列、遺伝子から転写されたスプライスされていないRNAおよび部分的に スプライスされたRNA、活性に転写している遺伝子のような遺伝子に由来する 配列を含むDNA−RNAハイブリッド、蛋白質に結合された遺伝子から転写さ れたRNA、および遺伝子発現に含まれるべき本分野では既知の分子または構造 を含んでいる。 さらに、本発明のオリゴヌクレオチドはインビボおよびインビトロにおいて、 例えば個々の細胞、組織を作る細胞、器官を作る細胞および生物体を作る細胞を 含む細胞におけるコラーゲン遺伝子発現を阻害できるであろう。オリゴヌクレオ チドの阻害効果は最も低い統計的に有意な阻害レベルから約100%阻害までの 範囲である。本発明の方法を用いて、当業者は過度の実験を行うことなく所望の 目的に必要とされる阻害に適当なオリゴヌクレオチドを設計および選択すること ができるであろう。 コラーゲン疾患には効果的な治療法がほとんどないので、本発明の重要な態様 は疾患の処置における本発明のオリゴヌクレオチドの使用である。本発明は変異 体コラーゲン遺伝子の発現により起こされる疾患を持つ哺乳類へ、変異体コラー ゲンヌクレオチド配列と実質的に相補的であるが変異体コラーゲンヌクレオチド 配列と完全には相補的ではないオリゴヌクレオチドを阻害量投与することからな る変異体コラーゲン遺伝子発現を示す疾患の処置法を含んでいる。もしくは、阻 害オリゴヌクレオチドは突然変異を含む同一のコラーゲン対立遺伝子に観察され る中立配列変異と実質的に相補的であり得るが、同一の個体の同一のコラーゲン の第2の対立遺伝子中の同一の標的部位とは実質的に相補的ではない。本発明の 方法はまた、野生型遺伝子の中立変異配列の野生型配列中の非変異配列と実質的 に相補的であるオリゴヌクレオチドの阻害量を繊維性病態を示す哺乳類に投与し て特異的に遺伝子の発現を阻害し、それにより組織におけるコラーゲンの有害な 沈着を防止することを含んでいる。本発明の方法はまた、例えば一定の器官また は阻止への特異的および標的化された輸送による(ボウラス輸送および免疫学的 標的化を含む)ような処置されている哺乳類の一定の領域へのオリゴヌクレオチ ドの輸送を含んでいる。従って、オリゴヌクレオチドを含む医薬製剤を所望の体 の部位へ直接的に注入してもよい。さらに、オリゴヌクレオチドをウイルス感染 細胞のようなある種の抗原を発現している細胞に向かわせるため、オリゴヌクレ オチドまたはオリゴヌクレオチド−脂質複合体に抗体を結合させてもよい。疾患 処置のための本発明の方法は、例えば骨形成不完全症、軟骨形成不全症およびエ ーラースーダンロス症候群タイプIVを含むコラーゲンのヒト疾患の処置に特に有 用であると信じられる。本方法はまた、骨粗鬆症、骨関節症および動脈瘤の特定 の型の患者の一部の処置にも有用であろうと信じられる。本方法はまた、肝硬変 、肺繊維症、強皮症、肥厚性瘢痕形成およびケロイドの多くの患者の処置にも有 用であろうと信じられる。本方法はまた外傷または手術後の繊維性瘢痕化を防止 するための正常個体の処置にも有用であろうと信じられる。 さらに、本発明は変異体コラーゲンヌクレオチド配列がコラーゲン遺伝子スプ ライス部位のようなコラーゲン遺伝子発現制御配列を含む場合の処置の好適な方 法を提供する。 変異体コラーゲン遺伝子発現を示す疾患の処置のための別の方法が含まれてお り、そこではオリゴヌクレオチドは配列ID番号:18を含んでいる。 哺乳類の処置における本発明のオリゴヌクレオチドの有用性は遺伝子発現を阻 害するのに十分なオリゴヌクレオチドの濃度から見ることができる。有効な阻害 に必要とされるオリゴヌクレオチドの濃度は0.1μMの低さであった。実施例 8、表4参照。この観察を考慮すると、医薬として受容可能な担体中の同一のま たは類似のオリゴヌクレオチドは同一の内部欠損遺伝子を発現しているトランス ジェニックマウスの骨折の表現型を救うのに有用であろうと期待される。また、 これらのオリゴヌクレオチドはヒトのコラーゲン疾患における変異体コラーゲン 遺伝子の発現の阻害にも有用であろうことが期待される。 本オリゴヌクレオチドは野生型ヒトCOL1A1遺伝子の非変異領域を特異的 に標的とするので、ヒトおよび他の哺乳類の繊維性病態の処置に有用であろうこ とも期待される。 以下の実施例は本発明の例示である。この発明はこれらの例示的実施例ではな くここに付随する請求の範囲にのみ制限されることを理解されたい。実施例 実施例1 オリゴヌクレオチド合成 ホスホロチオエート オリゴヌクレオチドはアセトニトリル中でのテトラエチ ルチウラムジスルフィドでの硫化によるホスホロアミダイト化学により合成され た。VuおよびHirschbein,Tetrahedron Lett., 1991,32,3005−3008を参照されたい。実施例2 細胞培養の処理 内部に欠損を持つヒトCOL1A1遺伝子を安定に発現しているNIH 3T 3細胞(Olsen,A.S.,J.Biol.Chem.1991,266 ,1117−1121)は10%ウシ血清および400μg/mlのゲネチシン (GIBCO BRL,Gaithersberg,MD)を含むダルベッコ改 良イーグル培地(DMEM)で増殖させた。細胞は24−ウエルプレート(Fa lcon,Becton−Dickinson,New Lincoln,Ne w Jersey)に実験の終わりにサブコンフルエント培養が得られるように 濃度を調節して播種した。20時間後、細胞を前もって暖めたDMEMで2回洗 浄し、各々のウエルに指定された濃度のリポフェクチン(GIBCO BRL, Gaithersberg,MD)を含むDMEM0.3mlを加えた。次に蒸 留水に溶解したオリゴヌクレオチドを20X保存溶液として加え、37℃で4時 間インキュベートした。56℃で1時間前もって熱不活性化した14%のウシ血 清および400μg/mlのゲネチシンを含む約0.7mlのDMEMを加えた 。細胞は続いて37℃でさらに指定された時間インキュベートした。実施例3 蛋白質分析 オリゴヌクレオチドとのインキュベーション終了時、細胞を2回DMEMで洗 浄して1%SDS;1%デオキシコール酸ナトリウム;0.1%トリトンX−1 00;10mM EDTA;ml当たり0.5単位のアプロチニン(Sigma ,St.Louis,MO);3%β−メルカプトエタノール;およびpH7. 4に調整したリン酸塩緩衝液(PBS)からなる0.1mlの溶解緩衝液で可溶 化 させた。室温で5分間インキュベーション後、細胞溶解物を集めて強くボルテッ クスし、4分の1の容量の試料充填緩衝液(0.6Mトリス−HC1緩衝液、p H6.8;50%グリセロール;1%SDS;0.012%ブロモフェノールブ ルー)を加えた。溶解物は次に94℃に5分間加熱し、試料の10μlを7.0 %SDSポリアクリルアミドゲル上電気泳動した。蛋白質は電気泳動的にニトロ セルロースフィルター(Schleicher and Schuell,Ke ene,NH)に移され、タイプIプロコラーゲンのヒト プロα1(I)鎖の 最後の21のアミノ酸に相当する合成ペプチドに対する抗体と反応させた。抗体 はプロα1(I)鎖のヒトおよびマウスCOOH−末端プロペプチドの両方を認 識した。Olsen,A.S.,J.Biol.Chem.1991,266 ,1117−1121。 プロα1(I)バンドは125Iを結合したヤギ抗ウサギ抗体(Dupont− NEN,Boston,MA)との反応、続いてのオートラジオグラフィーによ り検出された。内因性および外因性COL1A1遺伝子からの蛋白質の相対量は レーザーデンシトメーター(LKB,Ultroscan XL,Piscat away,NJ)を用いることによりアッセイされた。実施例4 RNAアッセイ RNAアッセイのため酸性グアニジンチオシアネートーフェノールークロロホ ルム抽出を用いて組織から全細胞RNAが単離された。Chomczynski ,P.,およびSacchi,M.,Anat.Biochem.1987, 162,156−159。外因性および内因性遺伝子からのmRNAの比は定量 的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)アッセイにより測定された。逆転写およびポ リメラーゼ連鎖反応のためのプライマーはヒトおよびマウス プロα1(I)m RNAの同一の配列と相補的であるように設計された。Mooslehner, K.,およびHabers,K.,Nucl.Acids Res.1988, 16,773;Westefflausen,A.,Matrix.Col.R el.Res.1991,11,375−379。この戦略は両方のmRNAに 対して同一の増幅効率を提供する。全細胞RNAの5マイクログラムを、配列5 ’−ACTAAGTTTGA−3’(配列ID番号:17)を持つプライマーB S33を200ピコモルおよび第一鎖cDNA合成のための前増幅システム(S uperScriptTM、GIBCO BRL,Gaithersberg,M D)を用いる20μlの反応混合物中で逆転写した。RNアーゼH処理後、10 0μlの反応混合物当たり4ピコモルの濃度のプライマーBS31(5’−TT GGCCCTGTCTGCCT−3’)(配列ID番号:1)および32P−標識 プライマーBS32(5’−TGAATGCAAAGGAAAAAAAT−3’ )(配列ID番号:2)を用いてPCR(GeneAmpTM,Perkin−E 1mer Cetus,Norwalk,CT)によりcDNAを増幅した。P CR条件は94℃で1分20秒、47℃で1分、および72℃で20秒を15サ イクルであった。ヒト プロα1(I)mRNAおよびマウス プロα1(I) mRNAからの増幅生成物は各々176および177bp長であり、BstN I消化後にのみ区別が可能であった。10マイクロリットルのPCR生成物は2 単位のBstN Iにて60℃で1時間消化され、変性されて6M尿素を含む1 5%PAGEで電気泳動された。ゲルを固定し、乾燥してX−線フィルムに暴露 した。実施例5 修飾オリゴヌクレオチドの最初の試験 アンチセンスオリゴヌクレオチドを開発するため、試験系にタイプIプロコラ ーゲンのプロα1(I)鎖のヒト遺伝子(COL1A1)の内部が欠損した構築 物で安定にトランスフェクトされたマウスNIH 3T3細胞が用いられた。P rockop,D.J.,J.Biol.Chem. 1990,265,15 349−15352参照。標的として外因性遺伝子のエキソン1の3’末端の領 域およびイントロン1の最初のヌクレオチドを用いて一連の修飾オリゴヌクレオ チドが合成された(表1)。 修飾オリゴヌクレオチドの設計 A.エキソン1/イントロン1部位でのDNA配列 a B.ホスホロチオエート オリゴヌクレオチド 注: aエキソン1からの塩基は大文字であり、イントロン1からの塩基は小文字で ある。縦線は外因性(ヒト)および内因性(マウス)COL1A1遺伝子間 で同一のものを示している。外因性および内因性遺伝子の両方に対し転写開 始のアデニンが+1位と数えられた。 bMS3(配列ID番号:6)はAS3(配列ID番号:5)と同一含量のA 、 C、GおよびTを含んでいるが順序は無作為である。 cS3(配列ID番号:7)はAS3(配列ID番号:5)のセンス体である 。 d一つの不適性を除いてAS3(配列ID番号:5)と同じ配列。 e一つの不適性を除いてAS12(配列ID番号:13)と同じ配列。 25μMの濃度まで高めても、担体なしでオリゴヌクレオチドが投与された場 合は外因性または内因性遺伝子の両方の発現の阻害に試験されたオリゴヌクレオ チドの何れもが有効ではなかった。しかしながら、外因性遺伝子のアンチセンス 阻害剤として設計されたいくつかのオリゴヌクレオチドは、核酸の取り込みを増 加させる10μg/mlのリポフェクチンと投与した場合有効であった(Chi ang,M.−Y.et al.,J.Biol.Chem. 1991,26 6,18162−18171)。試験された群で最も有効であったオリゴヌクレ オチドAS3(配列ID番号:5)は外因性遺伝子の相対的発現を対照の約43 %まで減少させた。図1および表2参照。ミスセンスオリゴヌクレオチドMS3 (配列ID番号:6)は対照の約81%まで減少させた。センスオリゴヌクレオ チドS3は対照の約74%まで減少させた。しかしながら、MS3(配列ID番 号:6)およびS3で観察された少しの阻害はすべての実験において一致して観 察されたわけではない。オリゴヌクレオチドの相対的有効性はミスセンスオリゴ ヌクレオチドMS3(配列ID番号:6)で観察された変数と値を比べることに より、さらに明らかになった。これに基づくと、AS3(配列ID番号:5)が 試験されたものの内最も有効なオリゴヌクレオチドであり、対照の53%まで外 因性遺伝子の発現を減少させた。また、表2に示したように、AS3(配列ID 番号:5)の一つの部位での一つのヌクレオチドの変換はほとんど影響を与えな かった(AS7(配列ID番号:8)参照)。しかしながら、AS3(配列ID 番号:5)の別の部位での一つのヌクレオチド変換は著しくオリゴヌクレオチド の有効性を減少させた(AS16(配列ID番号:16)参照)。 注:a アッセイされた発現はウエスタンブロットのデンシトメトリーによる任意の単 位である。値は平均±標準偏差(n=3)である。b 試料中の細胞数の変異を補正するため、影響は非処理対照またはミスセンスオ リ ゴヌクレオチドMS3(配列ID番号:6)で処理された細胞に対し、内因 性遺伝子に対する外因性遺伝子からの蛋白質の比から評価された。c AS3(配列ID番号:5)と一つのヌクレオチドが異なる(表1)。d p値<0.001。e p値<0.01。 対照実験に加えて、二つのアンチセンスオリゴヌクレオチドAS12(配列I D番号:13)およびAS15(配列ID番号:15)が内因性遺伝子の相対的 発現を著しく阻害することが示された(表3)。別の対照実験では、異なったオ リゴヌクレオチド存在下でフィブロネクチンの発現をアッセイするためにフイブ ロネクチンの抗体が使用された。ウエスタンブロットアッセイにより観察された ささいなおよび可変性の減少および増加は、内因性COL1A1遺伝子の発現に 対して同一のオリゴヌクレオチドにより観察された可変性の減少および増加によ り類似していた(表2)。 注: a表2に示したように比から影響が評価された。 bAS12(配列ID番号:13)と一つのヌクレオチドが異なる(表1参 照)。 cp値<0.001。 dp値<0.01。実施例6 アンチセンスオリゴヌクレオチドによるmRNAの阻害 オリゴヌクレオチドの効果を証明するために、ヒトおよびマウスプロα1(I )鎖のmRNAの両方を開始させるオリゴヌクレオチドを用いて細胞からのmR NAが一本鎖cDNA内へ転写された。一本鎖cDNAは次に一つの組のプライ マー(プライマーの一つは32Pで標識されている)を用いてPCRにより増幅さ れた。アンチセンスオリゴヌクレオチドAS3(配列ID番号:5)は外因性遺 伝子からのプロα1(I)鎖に対するmRNAの定状状態レベルを対照値の約5 0%へ選択的に減少させた(図2)。同一の実験において、蛋白質レベルでの相 対的発現も約50%減少した。実施例7 アンチセンスオリゴヌクレオチドの影響の時間変化 血清を含まない培地中で4時間細胞をオリゴヌクレオチドおよびリポフェクチ ンへ暴露した後、AS3(配列ID番号:5)による最大の阻害は約20時間た って観察された(図3)。24時間後に血清を含まない培地中で細胞をオリゴヌ クレオチドおよびリポフェクチンへ再暴露しても阻害の程度は増加しなかった。実施例8 オリゴヌクレオチドおよびリポフェクチンの濃度変化の影響 最適の阻害は5μg/mlのリポフェクチンおよび0.1μMのオリゴヌクレ オチドAS3(配列ID番号:5)により得られた(表4)。これらの条件下、 外因性遺伝子の発現はMS3オリゴヌクレオチド(配列ID番号:6)を用いて 観察された値の22%へ特異的に減少した。5μg/mlのリポフェクチンおよ びより高い濃度のオリゴヌクレオチドではより少ない阻害が観察され、多分オリ ゴヌクレオチドにより陽イオン性脂質が飽和され細胞膜への融合が妨げられたた めであろう。Chiang,M.−Y.et al.,J.Biol.Chem 266:18162−18171,1991。 注:a 表2に示したように比から影響が評価された。すべての条件は二重に試験され た。c p値<0.001。d p値<0.01。実施例9 四塩化炭素およびジメチルニトロソアミンにより生じる肝臓繊維症の 阻害 肝臓の硬変はウイルス、アルコールまたは毒性化学物質による損傷後に正常肝 臓組織が徐々にコラーゲン繊維により置き換えられ致死的状態になる可能性があ るものである。肝硬変の進展はしばしばラットへ四塩化炭素またはジメチルニト ロソアミンを投与することによりラットで実験的に研究されている。 典型的な一連の実験がL.Ala−Kokko et al.,Hepato logy 1991,16,167−172、により報告されている。 これらの実験においてはメスSpraque−Dawleyラット(8週齢) が肝硬変の誘導に使用された。動物の最初の体重は約200グラムであった。動 物は通常の餌で自由に水がとれる状態にし、12時間の明暗サイクルで維持され た。CCl4による肝臓損傷の誘導には、CCl4を等量の鉱油と混合し、1週間 に2回42日間、0.1ml/100gm体重の用量で腹膜内に注射した。42 日の期間にわたって定期的に動物を殺した。5匹の対照動物および7匹の試験動 物に同時に注射した。ジメチルニトロソアミン(DMN)による肝臓損傷の誘導 には、100gmの体重当たり1μl(0.15モル/L NaClで1:10 0に希釈された)の用量で投与された。28日間にわたり、各々の週の最初の3 日間注射された。試験動物は7、14、21または28日目に殺された。対照動 物も同時に殺された。指定された日に殺された各々の群は5匹の対照および7匹 の処理された動物から成っていた。 ラットはジエチルエーテルで麻酔し、肝臓をすばやく除去して液体窒素で凍ら せた。肝臓は分析するまで−70℃で凍結して保存した。血清の試料は同時に採 取し、凍結して保存した。 動物には人道的配慮が与えられ、すべてのプロトコールは研究所の審査委員会 により審査された。 肝臓は融解され、テフロンおよびガラスホモジナイザーでホモジナイズされた 。ホモジネートの一部が蛋白質測定のため採られた。ホモジネートの一部は6モ ル/L HCl中のヒドロキシプロリン変換加水分解のアッセイおよびダンシル 修飾のために使用された。 凍結肝臓試料の30−200mgを1%(重量/容量)ドデシル硫酸ナトリウ ム(SDS)、5ミリモル/L Na2EDTAおよび10ミリモル/L トリ ス−HCl(pH7.4)を含む緩衝液中、テフロンおよびガラスホモジナイザ ーでホモジナイズされた(1500rpm、50ストローク)。プロテイナーゼ K(100μg/ml)を肝臓ホモジネートに加え、細胞ペレットを前記の緩衝 液に溶解した。試料は続いて40℃にて1時間インキュベートした。インキュベ ーション後、試料を一容量のフェノール−クロロホルムーイソアミルアルコール (25:25:1、容量/容量)で抽出し、続いて66%(容量/容量)エタノ ール、0.2モル/L NaClにより−20℃で一夜沈澱させ、−20℃にて 8,000gで1時間遠心分離した。試料を6モル/Lグアニジン塩酸塩に溶解 し、約2,000gで30分間遠心分離した。ペレットは6モル/Lグアニジン 塩酸塩で再抽出した。合併した上澄み液は0.5容量のエタノールを加えて沈澱 させた。試料を3モル/L酢酸ナトリウム(pH6)で洗浄してRNAをさらに 精製し、66%エタノールおよび0.1モル/L NaClにより変性させた。 RNA試料は続いて凍結乾燥し、トリス−HClおよびEDTAナトリウムを含 む緩衝液に溶解し、液体窒素で凍結させて使用するまで−70℃で保存した。R NA含量は260nmでの分光学的吸収によりアッセイされた。260と280 nmの吸光度の比は約2:1であった。 mRNAはニックトランスレーションにより32Pで標識された相補的DNA( cDNA)プローブとのスロットブロットハイブリッド形成によりアッセイされ た。RNA(1−10μg)の3つの希釈液を真空マニホールド(Manifo ld II;Schleicher and Schuell,Dassel, Germany)によりニトロセルロース紙上にブロットした。濾紙を焼き、標 識cDNAプローブ存在下プリハイブリッド形成およびハイブリッド形成させた 。プリハイブリッド形成およびハイブリッド形成溶液は50%ホルムアミド、5 Xデンハート溶液、5X標準クエン酸塩、0.1%SDSおよび250μg/m lサケ精子DNAの溶液であった。温度は42℃であった。フィルターは1X標 準クエン酸塩溶液および0.1%SDSで室温にて15分間、続いて0.1X標 準クエン酸塩溶液および0.1%SDSで55℃にて30分間洗浄した。cDN A プローブはヒトプロα1(I)鎖、ヒトプロα1(III)鎖、マウスα1(IV) 鎖およびマウスα2(IV)鎖およびマウスラミニンB2鎖であった。 肝臓繊維症の組織学的評価には、肝臓の薄片を10%中性緩衝化ホルマリンで 固定し、パラフィンに埋め込んだ。部分部分は5μmの厚さに切断し、ヘマトキ シリンおよびエオシンおよびコラーゲンのためのメイソントリクローム染色で染 色し、レチクリン繊維の実証のために銀含浸にかける。繊維症、肝臓細胞損傷、 炎症および小管性細胞増殖の顕微鏡的評価は試料源の知識なしに実施された。種 々のパラメーターは重度を増す順序に0から+3まで等級付けられた。 表5に示したように、DMNまたはCCl4によりラットを処理すると、コラ ーゲンヒドロキシプロリンの肝臓中での総含量が増加した。二つの試薬の繊維症 への影響を確認するため、ラットからの肝臓を試料源の知識なしに光学顕微鏡で 試験した。表6に示したように、期待された繊維症の変化が観察された。肝臓繊 維症の程度はCCl4およびDMN両方でラットを処理する時間とともに増加し た。肝臓細胞損傷の組織学的証拠は細胞質および核相似形態、着色性および肝壊 死、時間とともに増加する傾向により評価された。さらなる研究においては、タ イプIプロコラーゲン、タイプIIIプロコラーゲン、タイプIVプロコラーゲンお よびラミニンのB2鎖のmRNAの定常状態レベルがアッセイされた。表5に示 したように、α1(I)、α1(III)およびα1(IV)鎖のmRNAのレベル が著しく増加した。 これらの実験の結果はコラーゲンの遺伝子の発現の増加は損傷に対する肝臓の 繊維症応答の肝要な部分であることを示している。従って、一つまたはそれ以上 のコラーゲン遺伝子を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用は繊維 症応答を制限する有効な方法を提供するであろう。また、ラットでの実験はオリ ゴヌクレオチドの有効性を試験する有用な系を提供する。例えば、タイプIプロ コラーゲンのCOL1A1遺伝子の発現を阻害するオリゴヌクレオチドの投与は タイプIコラーゲンのα1(I)鎖のmRNAの増加および表5に見られるよう なコラーゲン肝臓ヒドロキシプロリンの増加を阻害するであろう。従って、本オ リゴヌクレオチドは表6に見られるような繊維症を防止するはずであろう。ラッ トでそのような結果を得ることにより、ヒトおよび他の哺乳類で肝臓繊維症およ び硬変および他の繊維症病態を防止するための同一のオリゴヌクレオチドの有効 性の試験に必要な情報の一部が提供されるはずである。実施例10 ハプロタイプ−特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドの開発戦略 タイプIプロコラーゲンの二つの遺伝子の突然変異は骨形成不完全症および骨 粗鬆症の一部を起こし、タイプIIプロコラーゲンの遺伝子の突然変異は軟骨形成 不全症およびいくつかの型の骨関節症を起こし、タイプIIIプロコラーゲンの遺 伝子の突然変異はエーラースーダンロス症候群タイプIVおよび動脈瘤の一部を起 こす。また、タイプIVコラーゲンの遺伝子の突然変異は腎臓の疾患およびアルポ ート症候群の別の特徴を引き起こす。タイプIVコラーゲンの遺伝子の突然変異は また、糸球体ネフローゼおよびより一般的な腎臓疾患も起こす。しかしながら、 これらの疾患を起こしているコラーゲン突然変異の調査ではほとんどの非相関被 験者および家族は同一のコラーゲン遺伝子に異なった突然変異を持っていること を示した。従って、もし一つの家族に一つの疾患を起こす特定の塩基変化を標的 にするようにアンチセンスオリゴヌクレオチドが設計されていたら、各々の家族 に注文に合った試験が必要になる。しかしながら、多くのコラーゲン遺伝子内の 中立配列変異の存在は、異なった家族の多くの異なった突然変異に使用できる比 較的小さなオリゴヌクレオチド群の設計を可能にしている。表7に示したように 、タイプIIプロコラーゲンのヒト遺伝子中に25の中立配列変異が現在同定され ている。配列変異は遺伝子のイントロンおよびエキソンの両方に起こっている。 類似の中立配列変異が調査された他の遺伝子のほとんどに観察された。ヒトβ− グロブリン遺伝子のクラスターの場合は、遺伝子のラージクラスター中の中立配 列変異が遺伝子の特定のハプロタイプの定義に使用された、すなわち、一つの染 色体の遺伝子クラスターを他のものから区別するために使用できる遺伝子内部お よび周辺の中立変異のパターン。Orkin、S.,The Molecula r Basis of Blood Diseases 、G.Stamatoy annopoulos,A.W.Nieehuis,P.LederおよびP. W.Majerus編、W.B.Saunders,Philadelphia ,1987,p166。ヒトタイプIIプロコラーゲン遺伝子に見られる中立配列 変異 体は遺伝子の特定の中立ハプロタイプを定義しているようである。例えば、表7 に示された25の中立変異は多分、25よりかなり少ない異なった対立遺伝子を 定義するために遺伝子の対立遺伝子中の特定のパターン内に存在している。その ような中立変異の存在はタイプIIプロコラーゲン遺伝子の特定の対立遺伝子発現 を阻害するためのオリゴヌクレオチドの特定の標的部位を提供する。従って、も し被験者または家族における疾患が特定の対立遺伝子の突然変異により起こされ ることが示されれば、同一の対立遺伝子の中立配列変異を標的とするオリゴヌク レオチドは対立遺伝子の発現の阻害に有用であろう。従って、もし表7に示され た25の中立変異がコラーゲンII遺伝子の5つの特定の対立遺伝子を定義するな らば、5つの特定のオリゴヌクレオチドで同一の対立遺伝子に起こるであろう多 数の異なった突然変異の発現の特異的阻害に十分であろう。 値は対照に対する平均値±S.D.。肝臓ヒドロキシプロリンの値は最初に肝 臓の湿潤重量グラム当たりで計算され、次に対照値のパーセントとして計算され た。 スロットブロットのデンシトメーターによる掃引により得られた任意の吸光単 位。対照値は100%に調整された。 0から+3までの尺度で等級付けされた組織学的観察、対照は0である。値は 各々の処置群における7匹のラットの平均および標準偏差で示されている。 nd=決定されていない;RSS=逆鎖シークエンシング;R.E.=制限酵素 分析;PCR−I R.E.=PCR−導入制限酵素部位分析a エキソンの位置は±記号なしで示されている。イントロンの位置はもし配列変 異体が次のエキソンに対して5’に位置しているなら”−”の記号で、もし配列 変異体が前のエキソンに対して3’に位置しているなら”+”の記号で示されて いる。 *この報告で新規の配列変異体。 配列表 (2)配列情報SEQ ID NO: 1: (i)配列の特性: (A)配列の長さ: 16 (B)型: 核酸 (C)鎖の数: 二本鎖 (D)トポロジー: 直線状 (iv)アンチセンス: no (xi)配列: SEQ ID NO: 1: (2)配列情報SEQ ID NO: 2: (i)配列の特性: (A)配列の長さ: 20 (B)型: 核酸 (C)鎖の数: 二本鎖 (D)トポロジー: 直線状 (iv)アンチセンス: no (xi)配列: SEQ ID NO: 2: (2)配列情報SEQ ID NO: 3: (i)配列の特性: (A)配列の長さ: 27 (B)型: 核酸 (C)鎖の数: 一本鎖 (D)トポロジー: 直線状 (iv)アンチセンス: yes (xi)配列: SEQ ID NO: 3: (2)配列情報SEQ ID NO: 4: (i)配列の特性: (A)配列の長さ: 27 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (iv)アンチセンス: yes (xi)配列: SEQ ID NO: 4: (2)配列情報SEQ ID NO: 5: (i)配列の特性: (A)配列の長さ: 20 (B)型: 核酸 (C)鎖の数: 一本鎖 (D)トポロジー: 直線状 (iv)アンチセンス: yes (xi)配列: SEQ ID NO: 5: (2)配列情報SEQ ID NO: 6: (i)配列の特性: (A)配列の長さ: 20 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (iv)アンチセンス: yes (xi)配列: SEQ ID NO: 6: (2)配列情報SEQ ID NO: 7: (i)配列の特性: (A)配列の長さ: 20 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (iv)アンチセンス: yes (xi)配列: SEQ ID NO: 7: (2)配列情報SEQ ID NO: 8: (i)配列の特性: (A)配列の長さ: 20 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (iv)アンチセンス: yes (xi)配列: SEQ ID NO: 8: (2)配列情報 SEQ ID NO: 9: (i)配列の特性: (A)配列の長さ: 20 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (iv)アンチセンス: yes (xi)配列: SEQ ID NO: 9: (2)配列情報SEQ ID NO: 10: (i)配列の特性: (A)配列の長さ: 20 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (iv)アンチセンス: yes (xi)配列: SEQ ID NO: 10: (2)配列情報SEQ ID NO: 11: (i)配列の特性: (A)配列の長さ: 15 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (iv)アンチセンス: yes (xi)配列: SEQ ID NO: 11: (2)配列情報SEQ ID NO: 12: (i)配列の特性: (A)配列の長さ: 18 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (iv)アンチセンス: yes (xi)配列: SEQ ID NO: 12: (2)配列情報SEQ ID NO: 13: (i)配列の特性 (A)配列の長さ: 20 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (iv)アンチセンス: yes (xi)配列: SEQ ID NO: 13: (2)配列情報SEQ ID NO: 14: (i)配列の特性: (A)配列の長さ: 20 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (iv)アンチセンス: yes (xi)配列: SEQ ID NO: 14: (2)配列情報SEQ ID NO: 15: (i)配列の特性: (A)配列の長さ: 20 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (iv)アンチセンス: yes (xi)配列: SEQ ID NO: 15: (2)配列情報SEQ ID NO: 16: (i)配列の特性: (A)配列の長さ: 20 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (iv)アンチセンス: yes (xi)配列: SEQ ID NO: 16: (2)配列情報SEQ ID NO: 17: (i)配列の特性: (A)配列の長さ:11 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (iv)アンチセンス: yes (xi)配列: SEQ ID NO: 17: (2)配列情報SEQ ID NO: 18: (i)配列の特性: (A)配列の長さ: 11 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (iv)アンチセンス: yes (xi)配列: SEQ ID NO: 18: (2)配列情報SEQ ID NO: 19: (i)配列の特性: (A)配列の長さ: 19 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (iv)アンチセンス: yes (xi)配列: SEQ ID NO: 19: (2)配列情報SEQ ID NO: 20: (i)配列の特性: (A)配列の長さ: 20 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (iv)アンチセンス: yes (xi)配列: SEQ ID NO: 20: (2)配列情報SEQ ID NO: 21: (i)配列の特性: (A)配列の長さ: 20 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (iv)アンチセンス: yes (xi)配列: SEQ ID NO: 21: (2)配列情報SEQ ID NO: 22: (i)配列の特性: (A)配列の長さ: 20 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (iv)アンチセンス: yes (xi)配列: SEQ ID NO: 22: (2)配列情報SEQ ID NO: 23: (i)配列の特性: (A)配列の長さ: 19 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (iv)アンチセンス: yes (xi)配列: SEQ ID NO: 23:
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI A61K 48/00 8314−4C C07H 21/04 B 8615−4C (72)発明者 コリジュ,アラン ベルギー王国ベーパール・リエージュ 1,サル・ティルマン 13―4000,3 エ タージュ,ユニヴェルシテ・ドゥ・リエー ジュ (72)発明者 バサーガ,レナート アメリカ合衆国ペンシルバニア州19003, アードモア,ブレディン・ロード 125 (72)発明者 ナジェント,ポール アメリカ合衆国ペンシルバニア州19118, チェスナット・ヒル,トワンダ・ストリー ト 8811

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.コラーゲン遺伝子発現の発現を阻害でき、突然変異体コラーゲンヌクレオ チド配列または正常野生型コラーゲンヌクレオチド配列に実質的に相補的である 5から200のヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド。 2.タイプIプロコラーゲン、タイプIIプロコラーゲン、タイプIIIプロコラ ーゲンまたはタイプIVプロコラーゲンのヌクレオチド配列に実質的に相補的であ る請求項第1項に記載のオリゴヌクレオチド。 3.該突然変異体コラーゲンヌクレオチド配列がコラーゲン遺伝子発現または コード化配列を含む請求項第1項に記載のオリゴヌクレオチド。 4.配列ID番号:18を含む請求項第1項に記載のオリゴヌクレオチド。 5.配列ID番号:5、配列ID番号:6、配列ID番号:7、配列ID番号 :8、配列ID番号:9、配列ID番号:10、配列ID番号:11、配列ID 番号:12.配列ID番号:13、配列ID番号:14、配列ID番号:15、 配列ID番号:16、配列ID番号:19、配列ID番号:20、配列ID番号 21:配列ID番号:22および配列ID番号:23からなる群より配列が選択 される請求項第1項に記載のオリゴヌクレオチド。 6.医薬として受容可能な担体または希釈剤中の請求項第1項に記載のオリゴ ヌクレオチド。 7.突然変異体コラーゲン遺伝子を含む細胞と、突然変異体コラーゲン遺伝子 発現を阻害する量の、突然変異体コラーゲンヌクレオチド配列と実質的に相補的 であるが野生型コラーゲンヌクレオチド配列とは完全には相補的ではないオリゴ ヌクレオチドとを接触させることを含む、突然変異体コラーゲン遺伝子発現を阻 害する方法。 8.該突然変異体コラーゲンヌクレオチド配列がコラーゲン遺伝子発現制御配 列またはコード配列を含む、請求項第8項に記載の方法。 9.該オリゴヌクレオチドが配列ID番号:18を含む、請求項第8項に記載 の方法。 10.該オリゴヌクレオチドが5から200のヌクレオチドを含む、請求項第 8項に記載の方法。 11.突然変異体コラーゲン遺伝子発現を示す疾患を持つ哺乳類に突然変異体 コラーゲンヌクレオチド配列に実質的に相補的であるオリゴヌクレオチドの突然 変異体コラーゲン遺伝子発現阻害量を投与することを含む、当該疾患の処置法。 12.該オリゴヌクレオチドがタイプIプロコラーゲン、タイプIIプロコラー ゲン、タイプIIIプロコラーゲンまたはタイプIVプロコラーゲンのヌクレオチド 配列に実質的に相補的である、請求項第11項に記載の方法。 13.該突然変異体コラーゲンヌクレオチド配列がコラーゲン遺伝子発現制御 配列またはコード配列を含む、請求項第11項に記載の方法。 14.該オリゴヌクレオチドが配列ID番号:18を含む、請求項第11項に 記載の方法。 15.該オリゴヌクレオチドが5から200のヌクレオチドを含む、請求項第 11項に記載の方法。 16.正常コラーゲン遺伝子を含む細胞と、コラーゲン遺伝子の発現を阻害す る量の、コラーゲンヌクレオチド配列と実質的に相補的なオリゴヌクレオチドと を接触させることを含む、正常コラーゲン遺伝子発現を阻害する方法。 17.該オリゴヌクレオチドがタイプIプロコラーゲン、タイプIIプロコラー ゲン、タイプIIIプロコラーゲンまたはタイプIVプロコラーゲンのヌクレオチド 配列に実質的に相補的である、請求項第16項に記載の方法。 18.該コラーゲンヌクレオチド配列がコラーゲン遺伝子発現制御またはコー ド配列を含む、請求項第16項に記載の方法。 19.該オリゴヌクレオチドが5から200のヌクレオチドを含む、請求項第 16項に記載の方法。 20.コラーゲン遺伝子の過剰発現により特徴付けられる疾患を持つ哺乳類に コラーゲン遺伝子ヌクレオチド配列と実質的に相補的なオリゴヌクレオチドのコ ラーゲン遺伝子発現阻害量を投与することを含む、当該疾患の処置法。 21.該オリゴヌクレオチドがタイプIプロコラーゲン、タイプIIプロコラー ゲン、タイプIIIプロコラーゲンまたはタイプIVプロコラーゲンのヌクレオチド 配列に実質的に相補的である請求項第20項に記載の方法。 22.該コラーゲンヌクレオチド配列がコラーゲン遺伝子発現制御配列または コード配列を含む、請求項第20項に記載の方法。 23.5から200のヌクレオチドを含む、請求項第20項に記載のオリゴヌ クレオチド。
JP6512264A 1992-11-09 1993-11-09 コラーゲンの突然変異および野生型遺伝子の発現を阻害するアンチセンスオリゴヌクレオチド Pending JPH08503366A (ja)

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