JPH10512446A - 腫瘍細胞を処置するための組成物および方法 - Google Patents
腫瘍細胞を処置するための組成物および方法Info
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Abstract
(57)【要約】
アンチセンス分子、その組成物、およびアンチセンスRNAをコードするベクター、ならびに細胞の増加を抑制するためにアンチセンス分子、その組成物およびベクターを使用する方法。このアンチセンス分子はヒトの線維芽細胞増殖因子受容体遺伝子1(FGFR1)に対して実質的に相補的である。
Description
【発明の詳細な説明】
腫瘍細胞を処置するための組成物および方法
この出願は1995年1月10日に出願された米国特許出願第08/3710
01号の一部継続出願であって、その内容を本明細書中に参考として引用する。本発明の背景 1.本発明の分野
この発明は腫瘍細胞数の増加(growth)を抑制するためのアンチセンス
分子に、および腫瘍細胞の増加を抑制するためにこのアンチセンス分子を使用す
る方法に、関する。殊に、本発明はアンチセンスオリゴヌクレオチドの組成物お
よび神経膠芽細胞腫細胞の増加を抑制する方法に関する。2.関連技術の記載
本発明の背景を記載するためおよび実行に関する追加的詳細を提供するために
本明細書中に参照した報告その他の資料は参考のために本明細書に引用するもの
である。便宜のために参考文献を番号によって参照して、後記の引用文献の欄に
まとめて記載する。
ヒトの初代中枢神経系腫瘍の大多数はグリア細胞由来新生物(グリオーマまた
は神経膠芽細胞腫)である。これらの新生物の殆どは脳細胞の星状細胞系列から
由来する。
たとえば外科手術、放射線療法および化学療法のような類型的癌治療法はヒト
の神経膠芽細胞腫に対して無効であるか、または神経膠芽細胞腫細胞に対して特
異的ではない。その結果、神経膠芽細胞腫の多重形に罹患している患者の平均生
存期間は約14ケ月である。
ヒト神経膠芽細胞腫の大多数(90%)はたとえば通常に使用されるアルキル
化剤のような慣例的化学療法剤に対して抵抗性である。さらにその上、これらの
薬剤は癌細胞に特異的ではなく、増殖しつつあるいかなる細胞もその増加が阻害
される。その結果、これらの薬剤は多数の副作用を有する。放射線療法にも同じ
限界がある。現在ではヒトの神経膠芽細胞腫に対して有効な型の免疫療法または
遺伝子治療は存在しない。
星状細胞腫瘍の原因はいまだ不明確であるが、正常細胞の癌細胞への形質転換
およびその悪性腫瘍への進行は生化学的レベルでは部分的に特性が解明されてい
る。悪性組織の多くが細胞を刺激して分裂増殖させる蛋白質である塩基性線維芽
細胞増殖因子(BFGF)を異常に多量に産生することが発見されている(1、
2、3)。
BFGFの効果は線維芽細胞増殖因子受容体蛋白質(FGFR)との特異的結
合を経て媒介されるものと信じられている。FGFRは膜結合蛋白質である。高
親和性FGFR5種をコードする構造的に関連した遺伝子4種が確認されている
(4〜9)。FGF蛋白質およびその受容体がヒトの神経膠腫細胞内に確認され
ている(10)が、しかしながら、神経膠芽細胞腫細胞の増加および正常な組織
への侵潤におけるそれらの役割は理解されていない。
アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドはオンコジーン機能を排除する可能
性のある特異的治療手段の一例である。これら単一鎖合成オリゴヌクレオチドは
標的プレmRNA(異種核RNA−hnRNA)または標的遺伝子のmRNAに
相補的なヌクレオシド塩基配列を有し、水素結合塩基対形成によりハイブリッド
二本鎖を形成する。たとえばジエステル、ホスホロチオエート、またはホスホロ
ジチオエートのようなアンチセンスオリゴヌクレオチドの形による標的RNA二
本鎖は二本鎖を形成した領域ではRNaseHによる分解の対象であると報告さ
れている。アンチセンスオリゴヌクレオチドは分解的作用機構により、またはプ
レmRNAのプロセッシングまたはmRNAの翻訳に関わる酵素を立体的に遮断
することにより、作用すると考えられている。オリゴマーとRNAのこのハイブ
リッド形成は発現、すなわち標的mRNAコードのその蛋白質への翻訳、を防止
または妨害してその蛋白質産物の効果を妨げるかまたはその活性を防止すると考
えられる。遺伝子が発現するmRNA配列はセンス配列と命名されており、それ
に相補的な配列はアンチセンス配列と命名されている。1個のmRNA分子は多
数の蛋白質コピーを与えるので、一定の条件下には酵素の活性部位の阻害よりも
mRNAの分解の方が効果的である。
合成オリゴデオキシヌクレオチドがc−myc蛋白質の産生を阻害して試験管
内でヒト白血球細胞の増加を休止させるとの報告がある(11)。オリゴデオキ
シヌクレオチドがヒト免疫不全ウイルス(HIV−1)を含むレトロウイルスの
特異的阻害剤であるとの報告もある(12)。オリゴデオキシヌクレオチドを使
用してbFGFの発現を抑制する試みおよび培養基内で形質転換ヒト星状細胞の
増加を阻止する試みが行われた(13、14)。これらのオリゴヌクレオチドが
その効果を発揮する作用機序は議論のあるところである。
従って、ヒトにおける神経膠芽細胞腫多重形腫瘍を治療するかまたは少なくと
も生存率および罹患率を改善する手段としてヒトの神経膠芽細胞腫腫瘍に特異的
であって、ヒト神経膠芽細胞腫細胞の増加を抑制、阻止、防止または顕著に削減
する療法をさらに開発する必要がある。
発明の要約
本発明は前記諸問題を解決してアンチセンス分子、アンチセンス分子の組成物
および本発明の分子および組成物を提供する。これらの本発明の分子およびその
組成物をヒトの神経膠芽細胞腫多重形を治療し、または少なくともその存在に関
連する生存率および罹患率を改善する手段としてヒトの神経膠芽細胞腫細胞の増
加を阻害し、防止し、または顕著に削減するために使用する方法を提供する。
本発明は神経膠芽細胞腫細胞をFGFR1α−プレmRNAに実質的に相補的
なヌクレオシド配列を有するオリゴマーと接触させると、FGFR1βを含む全
ての型のFGFR1の出現が減少してその作用が阻害または減弱され、そのため
神経膠芽細胞腫細胞の増加が抑制されるとの発見に基づくものである。
好適な側面によれば本発明のオリゴマーはヒトのFGFR1遺伝子が発現する
RNAの配列部分に結合し、殊に好適な側面によれば第一の免疫グロブリン様ド
メインをコードするα−エクソンに結合する。ヒトFGFR1遺伝子を発現する
腫瘍細胞に接触すると本発明のオリゴマーは少なくとも1種のFGFR1遺伝子
産物の発現または活性を選択的に削減してその腫瘍細胞の増加を抑制する。
本発明はさらにこれらのオリゴマーに加えて医薬的に許容される担体の組成物
を包含する。
本発明の一側面では神経膠腫細胞または神経膠芽細胞腫細胞の増殖を阻止また
は減少するかまたは細胞死の開始を促進するための組成物を提供する。この組成
物はFGFR1プレmRNAに実質的に相補的であってそれに結合するオリゴマ
ーの有効量および医薬的に許容される担体とを含む。このオリゴマーは好ましく
は約10から約30ヌクレオシド、より好ましくは約12から約30ヌクレオシ
ドを有するものであって、約15から24ヌクレオシドを含むオリゴマーは特に
好適である。好適なオリゴマーにはホスホロスロエートオリゴマーを含む。配列
番号1および15から19までから選択したヌクレオシド塩基配列を有するオリ
ゴマーは特に好適である。
さらに別の側面によれば、本発明はFGFR1プレmRNAに対して、さらに
好ましくはFGFR1プレmRNAのαエクソンに対して実質的に相補性であっ
て、それに結合するオリゴマーを提供する。このオリゴマーは好ましくは約10
から約30ヌクレオシド、さらに好ましくは約12から約30ヌクレオシド、を
有する。約15から約24ヌクレオシドを有するオリゴマーは特に好適である。
好適なオリゴマーはホスホロスロエートオリゴマーを包含する。配列番号1およ
び15から19までから選択したヌクレオシド配列を有するオリゴマーは特に好
適である。
別の側面によれば、本発明はその他のFGFR蛋白質の活性に実質的に影響す
ることなくFGFR1蛋白質の活性を選択的に阻止または防止する化合物の細胞
増殖を阻止または減少するかまたは細胞死を増加するために有効な量をこれら細
胞またはそれらの環境に接触することを含む神経膠腫細胞または神経膠芽細胞腫
細胞の増殖を阻止または減少するかまたは細胞死を促進する方法に関する。FG
FR1蛋白質の活性を阻止または防止するとは処理した細胞内にあるFGFR1
蛋白質のレベルを低下させることを含む。特に好適な側面によれば、これら化合
物にはFGFR1プレmRNAに実質的に相補的なオリゴマーを包含する。
本発明のその他の特性はヒト腫瘍細胞に遺伝子移入するためのベクターを提供
する。本発明のベクターは腫瘍細胞内にあるヒトFGFR1遺伝子からの発現を
減少し、少なくとも1種のFGFR1遺伝子産物の発現を削減することによって
腫瘍細胞の増加を抑制する性質を有するアンチセンスRNAをコードするヌクレ
オチド配列を包含する。
本発明では腫瘍細胞の増加を抑制する方法も提供する。この方法は本発明アン
チセンスオリゴマーおよびその組成物をFGFR1を発現する腫瘍細胞に導入す
る段階を包含する。本発明の方法がアンチセンス分子を腫瘍細胞に導入する条件
は腫瘍細胞内のFGFR1遺伝子の発現を削減し、腫瘍細胞の増加を抑制するた
めに十分なものである。
本発明の前記およびその他多数の特性および付随する優越性は添付図面ととも
に本発明に関する下記の詳細な記載を参照すればよく理解されるはずである。図面の簡単な説明
図1は試験管内における神経膠芽細胞腫細胞増加に対するアンチセンスオリゴ
マーおよび対照オリゴマーの効果を示す。
図2はFGFR1αアンチセンスオリゴマーおよび逆対照オリゴマーの用量−
反応曲線(細胞数対オリゴマー濃度)を示す。
図3は神経膠芽細胞腫細胞の増殖に対してアンチセンスオリゴマーおよび対照
オリゴマーを用いる多重処理の効果が表示されている時間的経過を示す。白四角
は非処理対照の細胞数/ウェルを示す。黒丸はFGFR1ASα(配列番号1)
3日処理での細胞数/ウェルである。白丸はFGFR1ASα(配列番号1)5
日処理での細胞数/ウェルを描く。白三角はFGFR1AScont(配列番号
10)(逆方向アンチセンスオリゴヌクレオチド)3日処理での細胞数/ウェル
を描く。黒三角はFGFR1AScont(配列番号10)5日処理での細胞数
/ウェルを描く。
図4はアンチセンスオリゴマーおよび対照オリゴマー処理神経膠芽細胞腫細胞
におけるFGFR1発現のRT−PCRサザンブロット分析である。A図は非処
理対照細胞を描く。B図はFGFR1アンチセンスαオリゴマー(配列番号1)
処理細胞を描く。C図はFGFR1アンチセンスcontオリゴマー(逆方向)
(配列番号10)処理細胞を描く。
図5はFGFR2mRNAの発現のRT−PCRサザンブロット分析である。
図5はオリゴマーなし、FGFR1ASαオリゴマー[配列番号1]およびFG
FR2アンチセンスオリゴマー[配列番号12]で処理したSH−SY5Y細胞
での結果を描く。SH−SY5Y細胞はFGFR2を発現する。
図6はSH−SY5Yヒト神経芽細胞腫増加についてFGFR2アンチセンス
開始オリゴマーの増加を阻止する作用を示す。SYSY細胞はFGFR2を発現
する。
図7はFGFR1αアンチセンス[配列番号1]および対照[配列番号10]
処理神経膠芽細胞腫細胞のbFGFウエスタンブロット分析であって、bFGF
レベルに関するこれらオリゴマーの効果を示す。
図8は試験管内におけるT98ヒト神経膠芽細胞腫細胞の増加に対するFGF
R1アンチセンスオリゴマーの効果を示す。細胞数は1日目(白柱)および7日
目(ハッチ柱)に測定した。NTは非処理対照を示す。
図9はFGFR1、FGFR3およびFGFR4のRT−PCRサザンブロッ
ト分析を示し、R対照オリゴマー(R1αRC)(配列番号10)および非処理
対照と比較してFGFR1αアンチセンス分子(RIASα)(配列番号1)処
理後の神経膠芽細胞腫細胞におけるFGFR1mRNAの選択的還元を示す。G
APDHを一般的対照として使用した。本発明の詳細な記載
本発明は神経膠芽細胞腫細胞の増加を阻止するためのアンチセンスオリゴマー
およびそれらの組成物を提供する。本発明はまた本発明のアンチセンスオリゴマ
ーをコードするヌクレオチド配列を含むベクターを提供する。本発明はまたヒト
の神経膠芽細胞腫細胞に本発明のアンチセンスオリゴマーを導入する段階を含む
ヒトにおける神経膠芽細胞腫の増殖を阻止する方法が含まれる。定義
本明細書中に使用する用語「アンチセンスオリゴマー」はアンチセンスオリゴ
ヌクレオチドおよびそれらの類似体を意味し、ポリヌクレオチド標的配列または
配列部分を標的配列のヌクレオチド塩基との水素結合相互作用によって認識する
ヌクレオチド塩基配列範囲を有する範囲の化学種を示す。標的配列は単鎖または
二重鎖RNA、または単鎖または二重鎖DNAであることもある。
アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびそれらの類似体はRNAまたはDNA
またはRNAまたはDNAの類似体でありうるが、通常はアンチセンスオリゴマ
ーまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドを示す。このようなRNAまたはDN
A類似体はこれに限定するものではないが2’−O−アルキル糖修飾体、ならび
にメチルホスホネート、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホルムア
セタール、3’−チオホルムアセタール、スルホン、スルファメート、およびニ
トロキシド骨格修飾体、アミドおよび塩基部分が修飾された類似体を包含する。
これに加えてオリゴマーの類似体は糖部分がその他の適当な基で修飾または置換
されたポリマーであって、これにはこれに限定するものではないが、モルホリノ
類似体およびペプチド核酸(PNA)類似体(51)を含む。このような類似体
には前記修飾の種々の組合せを含み、標的RNAのRNaseH媒介分解、結合
親和性、ヌクレアーゼ抵抗性および/または標的特異性を改善する目的のための
リンケージ基および/または糖または塩基の構造修飾を含む。
アンチセンス類似体はいずれのオリゴヌクレオチド類似体型のまたは在来のD
NAまたはRNAとの混合物でもありうる。同時に、オリゴヌクレオチドおよび
その類似体は単独でまたは別のオリゴヌレオチドまたはその類似体1種またはそ
れ以上との組合せにおいて使用することもある。このオリゴヌクレオチドの長さ
は約10から約100ヌクレオチドであることもある。本発明には10から30
ヌクレオチドまでのオリゴヌクレオチドも有用であるが、好適なオリゴヌクレオ
チドの長さは約15塩基から約24塩基までの範囲内にある。
アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびその類似体はまたオリゴヌクレオチド
およびその類似体の複合体を含む(16)。これらの複合体はオリゴヌクレオチ
ドの取込、薬動力学およびヌクレアーゼ耐性、またはオリゴヌクレオチドによる
標的配列との交差結合または切断を強化する性能を改善する性質を有する。
本明細書中に使用する用語「細胞増殖」は細胞分裂を示す。用語「増加(gr
owth)」または「細胞増加」は本明細書では加速された細胞分裂および減速
された細胞死、すなわちアポトーシスおよび壊死、の結果としての細胞数の増加
(細胞増殖の増加)も包含する。
非制御細胞増殖は癌性細胞または異常細胞型のマーカーである。正常な非癌性
細胞はその細胞に特有の型に特徴的な頻度で規則的に分裂する。ある細胞が癌性
の段階にまで形質転換されると、細胞は非制御的に分裂し、増殖する。増殖また
は増加の阻止はその細胞の非制御分裂を変調する。
本明細書の「アンチセンス療法」は一般的用語であって、試験管内または生体
内で特異的に結合するオリゴマーを用いて望ましくないDNAまたはRNA配列
を三重鎖またはアンチセンス手法によって不活化することを含む。
ここで使用するFGFR1αエクソンは[配列番号14]に示すFGFR1α
エクソンの完全なヌクレオチド配列またはFGFR1αエクソンの部分配列のい
ずれかを示す。FGFR1αエクソンを含む部分配列は本明細書ではFGFR1
αエクソンの少なくとも一部を示す。FGFR遺伝子の発現
本明細書で使用する「FGFR遺伝子の発現」はヒトのFGFR遺伝子からの
RNAの発現またはヒトのFGFR遺伝子からのFGFR蛋白質の産生を示す。
高親和性FGF受容体(FGFR)をコードする構造的に関連する遺伝子4種が
確認されている(4〜8)。
高親和性結合部位に加えて、細胞は細胞関連または細胞外ヘパラン硫酸プロテ
オグリカンのどちらかである(18、19)と特性が解析されている低親和性F
GF結合部位も示す(17)。低親和性のグリコサミノグリカン部位への結合は
高親和性受容体へのFGF結合に対しまた生物学的活性に対し必須であると思わ
れる(20、21)。硫酸ヘパランの生合成が欠失する細胞はbFGFへの結合
または反応をすることができない。しかしながら、遊離ヘパランまたは硫酸ヘパ
ランのいずれかの添加はbFGFの高親和性結合を再生する(20)。これらの
結果はヘパリン様、低親和性部位がbFGF活性の調節およびbFGFに対する
細胞の反応に重要な役割を果たしていることを証明する。FGFR遺伝子の構造
FGFR族の構成員に共通の構造的特徴はシグナルペプチド、細胞外ドメイン
にある2個または3個の免疫グロブリン様ループ、疎水性膜貫通ドメイン、およ
び短いキナーゼ挿入配列で隔てられた高度に保存されたチロジンキナーゼドメイ
ンを包含する(22)。総合するとこの4種のFGFR遺伝子がコードする蛋白
質は驚異的に類似している。最も近似的な関連のある蛋白質はFGFR1および
FGFR2(アミノ酸同一性72%)であるが、一方ではFGFR1およびFG
FR4は類似性が最も低い(同一性55%)。FGFRは各々が相異なる数種の
型のFGFに結合できる。しかしながら、FGF受容体の細胞および組織に特異
的な発現および種々のFGF族構成員の反応性についていくつかの報告がされて
いる(23、24、25)。
異なるFGF族構成員に対してこの選択的反応性を発生する機構の一つはRN
Aの相異なるスプライシングによってリガンド結合特異性または親和性の変化す
る単一な遺伝子から数種の受容体アイソフォームが産生されるものであろう。FGFRの構造的変種
FGFR1、FGFR2およびFGFR3の構造的変種は実際RNA転写体の
相異なるスプライシングによって発生する(22)。この過程によって発生する
相異なる受容体は様々なリガンド結合特異性および親和性を表す(22)。
FGFR1およびFGFR2の第三免疫グロブリン様ジスルフィドループの後
半に含まれる共通構造の変化の一つはこれら受容体のリガンド結合性を劇的に変
化させる(26)。その他のスプライシングによる変種では細胞外領域にIg様
ドメインを2個かまたは3個かのどちらかを含むFGFRを与える(5、27、
28)。第一および第三Ig様ドメインの双方を含む相異なるRNAスプライシ
ングは組織の成長および分化の間に起きるFGF要求性の変化を反映する細胞お
よび組織に特異的なプロセッシングの対象である(5、24)。
FGFRは異なる組織型および異なる発育の期間に特異的に発現すると思われ
る。FGFRの分布を検査した研究は原理的にノーザンブロッティング、RNa
se保護検定法、および原位置ハイブリッド形成に依存しており、mRNA転写
物の存在を証明している。一般にFGFR1およびFGFR2は広範に分布して
いると思われるが、一方FGFR3およびFGFR4はいくらか限定された分布
パターンを示す。例えば、発育中の胚FGFR1転写体は中枢神経系内および間
葉では優越している。FGFR2転写体は中枢神経系および上皮でも観察される
(25)。FGFR3転写体は中枢神経系内および発育している骨の軟骨原基で
優越的に発現している。中枢神経系である程度の発現がある他のFGFRとは対
照的に、FGFR4転写体は発育中の内皮、中胚葉節の筋節区画、および筋節由
来骨格筋で観察される。異なるFGFR族構成員が示す発現の独特な時間的・空
間的パターンはそれらが組織の発育、維持および病理学に明確であるが、まだ知
られていない役割を演じていることを強く示唆する。FGFRの発現および形質転換
ある型のヒトの癌では、FGFR族構成員が増幅される(31)。最近の報告
はヒトの正常組織が悪性腫瘍へと進行をする過程の間に見られるFGFR発現の
変化を証明した(32、22)。これらの報告はヒトの神経膠芽細胞腫において
FGFRの特異的発現および相異なるスプライシングが正常細胞の形質転換にお
いておよび星状細胞腫瘍の悪性腫瘍への進行において役割を果たすことを証明し
ている。正常な星状細胞はFGFR2受容体を発現するがFGFR1受容体は発
現しない。形質転換の最初期段階で星状細胞はFGFR1の発現を開始する。ま
た、形質転換の最初期段階で、FGFR1はαおよびβ−アイソフォームの両方
で発現されるが、一般にα型が優越している。星状細胞腫瘍がさらに悪性な段階
に進行すると最後には神経膠芽細胞腫多型に到って、FGFR1の発現はα型か
ら殆ど排他的にβ型に移行する。FGFR1のβ型への移行に加えて細胞はFG
FR2の発現を停止する。好適なアンチセンスオリゴマー
本発明はFGFR1プレmRNAの少なくとも一部、より好ましくはFGFR
1プレmRNAのαエクソン、またはRNAに結合し、実質的に相補的なアンチ
センスオリゴマーは全てのFGFR1アイソフォームの発現を阻止または減少し
て神経膠芽細胞腫細胞の増加を抑制したとの発見に基づく。殊に、本発明により
本発明のアンチセンスオリゴマーを神経膠芽細胞腫腫瘍細胞に導入すると、腫瘍
細胞の増加が抑制されること、およびこれらのアンチセンス分子の適用によって
FGFR1mRNAが選択的に抑制されること、ならびにFGFR1α蛋白質の
発現を抑制すること、およびさらにFGFR1の主たる別種スプライシング型で
あるFGFR1βが抑制されること、が証明された。
本発明の一側面によってα−エクソンに相補的なFGFR1アンチセンスオリ
ゴマーが細胞増殖の削減およびFGFR1mRNA発現の削減に有効であること
が証明された。本発明は主たるプレmRNAまたはmRNA転写体がFGFR1
蛋白質のβ−アイソフォームをコードする神経膠芽細胞腫細胞を抑制するために
FGFR1プレmRNA、より好ましくはα−エクソンのプレmRNA、の少な
くとも一部に実質的に相補的でそれに結合するアンチセンスオリゴマーを利用す
る。けれども、翻訳開始部位に指向するアンチセンスオリゴマーは神経膠芽細胞
腫細胞の増加を抑制するのに有効であるけれども、FGFR1−α−エクソン特
異的なアンチセンスオリゴヌクレオチドは神経膠芽細胞腫細胞の増加を抑制する
のにFGFR1β−エクソンに相補的なオリゴヌクレオチドまたは開始部位に相
補的なオリゴヌクレオチドよりも有効であることが判明した。
本発明での使用のために適当なアンチセンスオリゴマーには長さが好ましくは
約10から約30塩基、より好ましくは12から約30塩基、最も好ましくは1
5から24塩基であるものを含む。このオリゴヌクレオチドは好ましくはFGF
R1α−エクソンまたは翻訳開始部位の少なくとも一部に実質的に相補的なオリ
ゴヌクレオチドから選択する。本明細書で用いる「実質的に相補的」とはヒトの
FGFR1αエクソンのプレmRNA配列の少なくとも一部に相補的であって、
それに特異的に結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドに約80%相同的なア
ンチセンスオリゴマーを意味する。作用の機構によって拘束されることを望むの
ではないが、プレmRNAまたは成熟mRNAをたとえばα−エクソンまたは翻
訳開始部位のような部分で分解することは機能的転写体の形成を防止して蛋白質
の形成を遮断するものと信じられる。
本発明で使用するに適当なアンチセンスオリゴマーにはFGFR1mRNAに
存在する標的配列またはα−エクソン部位または翻訳開始部位に結合する配列部
分を指向し、実質的に相補的なオリゴヌクレオチドも包含することがあることを
認識すべきである。好ましくは、結合配列部分の長さは約2から約20塩基であ
る。また、他種遺伝子からのプレmRNAまたはmRNAコード鎖に対するアン
チセンスオリゴマーの相同性を削減するためにそのアンチセンスオリゴマーが他
種の遺伝子にあるプレmRNAまたはmRNAに共通に存在することのないプレ
mRNAまたはmRNAの配列部分に対して実質的に相補的であることは好まし
い。
本発明の特に好適な側面は下記の配列[配列番号1および15から19まで]
の一つを含むアンチセンスまたは相補的オリゴマーを含む。
5’−CTGCACATCGTCCCGCAGCC−3’[配列番号1]
5’−GCACATCGTCCCGCAGCC−3’[配列番号15]
5’−ACATCGTCCCGCAGCC−3’[配列番号16]
5’−CGTCCCGCAGCC−3’[配列番号17]
5’−GCACATCGTCCCGCAGCCGA−3’[配列番号18]
5’−CTGCACATCGTCCCGC−3’[配列番号19]
好適なアンチセンスオリゴマーにはホスホロチオエートオリゴマーを含む。わ
れわれは全てのホスホロチオエートオリゴマー、特に配列番号1および配列番号
15から19までから選択した配列を有するもの、が特に好適であることを発見
した。殊に好適なものは配列番号1および18のオリゴマーである。
われわれは合成ロットの異なるホスホロチオエートオリゴマー全てが腫瘍細胞
の増加を削減する活性が異なることを発見した。従って、細胞または腫瘍を処置
するための高活性ロットを選択するためにそれらオリゴマーロットを活性につい
て適当なスクリーニング検定法を使用して高い活性を有するロットを選択するた
めのプレスクリーニングにかけることが望ましい。オリゴマー活性を検索するた
めに適当なスクリーニング検定法は実施例9に記載する。
下記の実施例に記載するように、配列番号1のアンチセンスオリゴマーは配列
番号14に示すFGFR1遺伝子のヌクレオチド番号284から303までに対
して実質的に相補的である。このFGFR1α−エクソンの長さは267ヌクレ
オチドであって配列番号14のヌクレオチド番号210から467まで伸びてい
る。これらのアンチセンスオリゴマーはFGFR1遺伝子産物(プレmRNAお
よびFGFR蛋白質)を発現する腫瘍細胞と接触させると少なくともFGFR1
遺伝子産物の発現を削減し、これら細胞の増加を阻止する。
この発明が属する技術分野の当業者は、多少にかかわらず置換ヌクレオチドを
有するアンチセンスオリゴマー、または3’または5’方向に沿ってFGFR1
プレmRNAまたはmRNAが好適な態様よりもさらに伸長するもの、または標
的FGFR1α−エクソンの少なくとも一部に実質的に相補的でそれに特異的に
結合するが細胞増殖を阻害する配列を含むものもまた本発明の範囲内に包含され
ることを認識するものである。
用語「オリゴマー」または「オリゴヌクレオシド」はヌクレオシド間結合によ
って結合するヌクレオシドの鎖であって、一般的には長さが約4から約100ヌ
クレオシドであるが、その長さは約100ヌクレオシドよりも大きいこともある
ものを示す。それらは通常ヌクレオシドモノマーから合成されるが、酵素的手段
によって取得されることもある。そこで、用語「オリゴマー」はヌクレオシドモ
ノマーを結合しているヌクレオシド間結合を有するオリゴヌクレオシドの鎖を示
し、そこでデオキシ−およびリボ−オリゴヌクレオチド、非イオン性オリゴヌク
レオシドアルキル−およびアリールホスホネート類似体、アルキル−およびアリ
ールホスホノチオエート、オリゴヌクレオチドのホスホロチオエートまたはホス
ホロジチオエート類似体、オリゴヌクレオチドのホスホルアミデート類似体、た
とえばホスホトリエステルおよびその他のオリゴヌクレオシド類似体のような中
性ホスフェートエステルオリゴヌクレオシド類似体、および修飾オリゴヌクレオ
シド、およびヌクレオシド/非ヌクレオシドポリマーを含む。この用語はまた単
量体単位の間に燐基結合の1個またはそれ以上が、たとえばホルムアセタール結
合、チオホルムアセタール結合、モルホリノ結合、スルファメート結合、シリル
結合、カルバメート結合、アミド結合、グアニジン結合、ニトロキシド結合また
は置換ヒドラジン結合のような非燐結合によって置換されているヌクレオシド/
非ヌクレオシドポリマーも含む。これらの類似体はDNAおよびRNA標的との
結合親
和性を変化させるためにさらに修飾して、2’−O−アルキル置換を含ませるこ
ともある。これには、たとえばモルホリノ塩基類似体またはポリアミド塩基類似
体のように糖および燐酸部分の両方が置換または修飾されているヌクレオシド/
非ヌクレオシドポリマーも含む。またこれには塩基、糖、および非ヌクレオシド
燐酸骨格が非ヌクレオシド部分によって置換されるか、または非ヌクレオシド部
分がヌクレオシド/非ヌクレオシドポリマーに挿入され、要すればその非ヌクレ
オシド部分が標的配列との相互作用するか標的細胞への取り込みを変化させるた
めのその他低分子を結合する役目を担っているヌクレオシド/非ヌクレオシドポ
リマーも含む。
本発明の実行に当たっては「在来型」または非修飾オリゴデオキシヌクレオチ
ドよりも化学的に修飾した誘導体(すなわち誘導オリゴマー)または化学的に修
飾したアンチセンスオリゴマーの類似体を使用することは好ましい。「在来型」
オリゴデオキシヌクレオチドはDNA合成機で標準的ホスホロアミダイト化学を
使用して便利に合成できる。適当な誘導体およびその誘導体の製造方法は(1)
例えばメチルホスホネート(35)、アルファデオキシヌクレオチド(36)、
および2’−O−メチルリボヌクレオシド(37)などヌクレアーゼに対するオ
リゴマーの抵抗性増大、(2)たとえばアクリジン(38)のような例えば共有
結合誘導体などの標的に対するオリゴマーの親和性の増大、および(3)たとえ
ばFeエチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびその類似体(43)、5−グ
リシルアミド−1,10−o−フェナントロリン(44)およびジエチレントリ
アミン五酢酸(DTPA)誘導体(45)など切断比率の増大、の変更を含む。
その他の誘導体にはこれに限定するものではないが、ホスホロチオエートおよび
ジチオエート(34)、アルキル化オリゴマー(たとえばN−2−クロロエチル
アミンなど)(39、40)、フェナジン(41)、5−メチル−N4,N4−エ
タノシトジン(42)および前記修飾および誘導体を含む種々のキメラオリゴヌ
クレオシドを包含する。前記文献はここに参考のためにその全体を特に引用する
ものである。
本発明の類似体には標的RNAのRNaseH−介在分解、結合親和性、ヌク
レアーゼ抵抗性および/または標的特異性を改善する目的のための結合基および
/または糖または塩基の構造的修飾を含む前記修飾体の組合せも含む。
そこで、本発明は混合ヌクレオシド間結合、特に単一な非ホスホン酸ヌクレオ
シド間結合に散在するキラル純なまたは豊富化したホスホネートヌクレオシド間
結合を有するセグメント1個またはそれ以上を有する合成オリゴマー、およびそ
れらの製法を提供することが判明するであろう。そのヌクレオシド間ホスホネー
ト結合には1〜3炭素原子を有する低級アルキルホスホネートヌクレオシド間結
合および1〜3炭素原子を有する低級アルキルホスホノチオエート(アルキルチ
オホスホネート)ヌクレオシド間結合を含む。これら混合オリゴマーセグメント
は、好ましくは非ホスホネート結合対ホスホネート結合を1対約1から1対約4
の比率で単一の非ホスホネートヌクレオシド間結合の間に散在するホスホネート
ヌクレオシド間結合を有する。好適な側面によれば、そのようなオリゴマーは非
ホスホネートヌクレオシド間結合で交替するキラル純ホスホネートヌクレオシド
間結合を有する。特に非RNseH活性化領域の1個またはそれ以上にこのよう
なセグメントを含むオリゴマーは一本鎖RNA標的配列の発現または翻訳を防止
または阻害するために使用されることがありうる。キメラ体オリゴヌクレオシド
はハイブリッドを形成すべきRNA標的配列に十分に相補的なRHaseH活性
化および非RHaseH活性化領域を含む全ヌクレオシド塩基配列を有する。
好適なキラル純粋ホスホネート結合にはRp低級アルキルホスホネート結合が
あり、Rpメチルホスホネートヌクレオシド間結合はさらに好適である。好適な
非ホスホネート結合にはホスホジエステル、ホスホチオエート、およびホスホロ
ジチオエートを包含する。特に好適な側面によれば、この化合物の非RNase
H活性化領域におけるホスホジエステル結合で異なるキラル的に純粋なRp−メ
チルホスホネート結合を有するRp−豊富化オリゴマーが提供される。これらの
交替するオリゴマーはRNA標的配列に対する結合親和性の強化が示され、また
ヌクレアーゼ抵抗性および特異性が増加されることが発見されている。
本発明は同様にして好ましくはホスホジエステルであるか、そうでなければホ
スホロチオエートまたはホスホロジチオエート結合である非ホスホネート性ヌク
ルオシド間結合の間に散在するRp配置について強化されたメチルホスホネート
ヌクレオシド間結合を有するセグメント1個またはそれ以上を含む遺伝子発現へ
のアンチセンス阻害剤として強化された力価を有するキメラ性アンチセンスオリ
ゴマーも包含する。
あらかじめ決定したヌクレオシド単位の塩基配列を有し、ホスホネート結合が
単一な非ホスホネート結合の間に散在する非ホスホネート結合と混合してキラル
純なホスホネートヌクレオシド間結合を有する本発明のキメラオリゴマーまたは
そのセグメントは予め選択したヌクレオシド塩基配列を有し、キラル純のまたは
ラセミのホスホネートまたはその他のヌクレオシド間結合を有する各ヌクレオシ
ド二量体、三量体または四量体を相互に結合することによって製造してもよい。
選択されたキラル性メチルホスホネートおよびその他の一量体、二量体、三量
体、その他は非排他的であるが次のヌクレオシド間結合型に到る種々の異なる方
法によって互いに結合できる:ホスホジエステル、ホスホトリエステル、ホスホ
ロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホルアミデート、ホスホロフルオリ
デート、ボラノホスフェート、ホルムアセタール、およびシリル。有用性および投与
誘導オリゴマーは核酸中の標的部位に結合し、次に交差結合(プソラレン)ま
たは切断(EDTA)によって不可逆的に修飾するために使用しうる。切断する
標的部位の注意深い選択によって、鎖の一つを選択した核酸配列を特異的に切断
する分子鋏として使用しうる。
本明細書が提供するオリゴマーは核酸セグメントまたはその標的配列と反応さ
せて核酸に不可逆的な修飾、分解、または破壊を起こさせてその機能を不可逆的
に阻害できる基と反応するか修飾する核酸に導入することによって誘導体にでき
る。
発現の選択的な不活性化または阻害または変更をさせるため、生きている細胞
の中の特定の遺伝子またはその標的配列の発現を不活性化または阻止または変化
させるためにこれらのオリゴマーを使用しうる。この標的配列は、たとえばプレ
mRNAまたはmRNAのようなRNAであってもよい。mRNA標的配列には
開始コドン領域、コード領域、ポリアデニル化領域、mRNAキャップ部位また
はスプライス結合部位を包含する。
ここに提供するオリゴマーは二本鎖または三重ラセン複合体または核酸の転写
領域とのその他の安定な会合の型を形成してもよく、これらの複合体はアンチセ
ンス療法で有用である。
多数の疾患その他の病状は望ましくないDNAまたはRNAの存在に帰結され
ており、これらはある場合には単一鎖であり、他の場合には二重鎖である。これ
らの疾患および病状は当技術分野で一般的に理解されているようなアンチセンス
療法の原理を使用して処置できる。アンチセンス療法には相補性またはその他の
いずれかの特異的結合手段により、特異的DNAまたはRNA標的配列を標的と
すること、すなわち本発明の場合には二本鎖または三本鎖ラセン複合体を形成す
ることを含む。
本発明の一側面によれば、これらのアンチセンスオリゴマーは選択した標的遺
伝子から転写したRNAの部分に相補的な配列を有する。阻害の精密な分子的機
構については最終的な結論は出てはいないが、形成した二本鎖がmRNA配列の
翻訳、プロセッシングまたは輸送を阻害していることもありうる。
本発明の別の側面によれば、選択したRNA標的配列の発現または翻訳の妨害
または防止はRNA標的配列に相補的なオリゴマーが三重ラセン複合体を形成す
るように選択した配列を有する三本鎖オリゴマー対として使用する三重ラセン形
成によって達成されて標的核酸配列の発現を妨害または防止する。このような三
重鎖形成は数種ある方法のどれかで行うことができる。基本的には2種の別々の
または結合したオリゴマーが単鎖RNAで三重鎖を形成しうる。従って本発明の
アンチセンスオリゴマー(三本鎖オリゴマー対を含む)は標的FGFR1遺伝子
のダウンレギュレーションを達成するための三重ラセン複合体の形成によって腫
瘍細胞の増加を抑制してヒトFGFR1遺伝子と機能的に等価な二重鎖または単
鎖核酸の標的配列発現を防止または妨害する点で用途がある。
一般的問題として、採用するオリゴマーは標的核酸の配列に相補的である配列
を有することになる。しかしながら、絶対的な相補性は必要ではなく、一般には
標的核酸と安定な二本鎖(または場合によっては3重ラセン複合体)を形成する
ために充分な相補性を有するいかなるオリゴマーも適当であると思われる。安定
な二本鎖形成はハイブリッド形成オリゴマーの配列と長さおよびアンチセンスオ
リゴマーと標的配列との間の相補性の程度に依存するので、より長いオリゴマー
を使用する時には低い適合度(相補性)に耐えることができる。この点は三本鎖
ラセン複合体を形成するオリゴマーについても成立する。しかしながら、長さが
約8から約40ヌクレオシド単位のオリゴマーも二本鎖または三重ラセン構造を
形成するに充分な相補性を有し、生理学的条件下に約40℃より高い融解点を有
するものは本発明の方法による使用について特に適当である。
本発明で使用するオリゴマーは単独に投与することがあり、また隣接標的また
は遠距離標的またはアンチセンス機構と前記一般機構との複合効果を目的として
オリゴマーの組合せを投与することがある。
治療的投与においては経口投与、局所または局部投与を含む広範な投与形態の
ためにこのオリゴマーを製剤化できる。その製造段階またはその製剤をある程度
酸性にする時に酸性条件と接触することがある投与部位で奏効する条件に少しで
も適合させるためにその医薬的製剤に酸抵抗性オリゴマーを含有させることは有
益である。技術および製剤は一般的にはレミントンの医薬品科学、Mack・P
ublishing社、イーストン、PAの最近版に記載がある。活性成分オリ
ゴマーは一般に投与形態および用量型の性質に依存して、たとえば添加剤または
希釈剤のような担体と混合するが、これには用量剤型と投与形態の性質に依存し
て充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤、侵食性ポリマーまた
は潤滑剤が含まれる。典型的用量型は錠剤、粉末剤、懸濁剤、乳濁剤および溶液
剤を含む液剤、顆粒剤およびカプセル剤を包含する。
本発明のある種のオリゴマーには経口投与に殊に適するものもあるが、これで
はその薬剤が胃内で通常の医薬放出条件では約4時間まで、持続放出剤型の放出
条件では約12時間までの酸性条件に接触する必要がある。ある病状の処置には
これらオリゴマーを持続放出剤型に製剤化することが有益なことがある。ここに
参考のためにその内容を引用するColomboへの米国特許第4839177
号およびConteへの米国特許第5422123号はある種の好適な速度制御
放出系を記載している。経口投与のためにはこれらオリゴマーは好ましくは2’
−O−アルキル、中でも2’−O−メチル、ヌクレオシジル単位を有し、これら
のオリゴマーを、たとえばカプセル剤、錠剤および液剤のような通常のならびに
遅延放出経口投与型に製剤している。
本発明オリゴマーの全身投与は経粘膜または経皮方法によって達成でき、また
これら化合物は経口投与できる。経粘膜または経皮投与のためには浸透すべき障
壁に適する浸透剤を製剤に使用する。このような浸透剤は当技術分野では一般的
に知られており、例えば経粘膜投与に用いる胆汁塩およびフシジン酸誘導体など
を含む。これに加えて界面活性剤を浸透を促進するために使用しうる。経粘膜投
与は例えば鼻スプレーの使用、ならびに吸入または坐剤による投与に適する製剤
によることがある。
本発明のアンチセンスオリゴマーは対象に投与するために医薬的に許容される
担体と組合せることもできる。適当な医薬的担体の例には、これに限定するもの
ではないがN−(1−2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−n,n,n−ト
リメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)およびジオレオイルホスファチジ
ルエタノールアミン(DOPE)など種々のカチオン性脂質を含む。好適なカチ
オン性脂質にはここにその開示を参考のために引用する1995年6月7日出願
の米国特許出願番号08/484716号、1995年6月7日出願の米国特許
出願番号08/483465号および1995年7月21日出願の米国特許出願
番号08/505802号に記載されているものを含む。リポソームも本発明の
アンチセンスオリゴマーのために適当な担体である。その他の適当な担体は低速
放出ゲルまたはポリマー(92、93)であって、これに本発明のアンチセンス
分子を含有させる。
これらのアンチセンスオリゴマーは静脈内、筋肉内、鼻内、腹腔内、腫瘍内、
皮下注射、原位置注射および経口投与を含む、有効ないかなる経路によって投与
してもよい。経口投与には本発明のアンチセンス分子およびその類似体を消化管
内での分解から守るために腸溶性被覆が必要なこともある。これらアンチセンス
オリゴマーを一定量のたとえば食塩水またはその他の適当な液剤のような生理学
的に許容される担体または希釈剤と混合する。これらアンチセンスオリゴマーは
それらが標的に達するまでアンチセンス分子を分解から保護するためにおよび/
またはアンチセンス分子またはそれらの類似体の組織障壁を経る輸送を促進する
ためにその他の担体手段と混合することもある。
本発明には神経膠芽細胞腫細胞を含む腫瘍細胞の増加を抑制する方法を包含す
る。この方法はその腫瘍細胞内でのFGFR1遺伝子の発現を削減するために充
分な条件下にFGFR1遺伝子を発現する腫瘍細胞に本発明のアンチセンスオリ
ゴマーを導入する段階を含む。本方法の別の態様にあっては、導入段階は腫瘍の
外科的切開、すなわち腫瘍塊の可能な限りの外科的除去の段階を含む脳組織への
局所的放出を含む。後続する段階には切開部位に残留する腫瘍塊細胞への本発明
のアンチセンス分子の局所的導入を含む。切開部位にある腫瘍細胞への本発明の
アンチセンス分子の局所的導入には本発明のアンチセンス分子を含有する低速放
出ポリマーの設置を含む。この低速放出ポリマーは腫瘍細胞の増加を阻止するた
めに充分な量のアンチセンス分子を含有する。化合物の脳内での局所的放出方法
とその組成物は当技術分野ではよく知られている(48、49)。局所的放出の
その他の方法には腫瘍内化学療法剤の定位投与を含む(50、51)。
アンチセンスオリゴマーは癌または新生物細胞の増加、殊に原位置での神経膠
芽細胞腫細胞の増加、の阻止に有効な量で投与される。特定のアンチセンスオリ
ゴマーの実際の投与量はたとえば癌の型および段階、アンチセンスオリゴマーの
身体内のその他の細胞への毒性、癌細胞による取り込み速度、アンチセンスオリ
ゴマーを投与する個体の体重および年齢のような因子に依存するものである。そ
の患者への有効用量は、たとえばアンチセンスオリゴマーの用量を細胞増殖を阻
止するには無効な用量から有効量まで漸次増大するような、通常の方法によって
確認できる。濃度が約10nMから約30μMまでの範囲内で癌細胞、殊に神経
膠芽細胞腫細胞に与えると細胞増殖を有効に阻止するものと期待される。癌の治
療またはその他の処方に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの化学療法的投
与における医薬的/薬動力学的パラメータの測定法は当技術分野では知られてい
る(52)。
アンチセンスオリゴマーは少なくとも癌細胞の増殖を阻止するために充分な回
数患者に投与される。好ましくはこのアンチセンスオリゴマーは患者に癌細胞内
またはその周囲でアンチセンスオリゴマーのレベルを有効濃度に維持するために
充分な頻度で投与する。有効レベルを維持するためにはアンチセンスオリゴマー
を毎日数回、毎日またはそれ以下の頻度で投与することが必要でありうる。アン
チセンスオリゴマーは癌細胞が検出できなくなるまで、またはそれ以上の処置が
有意義な細胞数減少を示せないか、または外科手術またはその他の処置によって
管理できる数まで細胞が減少するまで投与される。アンチセンスオリゴマーを投
与する時間的長さは、たとえば癌細胞による特定のオリゴマー取り込み速度およ
び細胞がこのオリゴマーに反応するために必要な時間のような因子に依存する。
本発明のアンチセンスオリゴマーは患者に2種またはそれ以上の異なるアンチ
センスオリゴマー/オリゴデオキシヌクレオチド配列の組合せとしてまたは単一
配列型として本発明の方法に従って投与されることもある。従って、本発明のア
ンチセンスオリゴマー、その組成物および使用方法には各々がFGFR1遺伝子
産物の少なくとも1種の発現を削減して腫瘍細胞の増加を抑制する本発明の性質
を有し、このアンチセンスオリゴマーが相互に混合され、同時に局所放出系に添
加される本発明のアンチセンスオリゴマー1種またはそれ以上の組成物を含む。
本発明はさらにヒト腫瘍細胞に遺伝子移入するためのベクターを含む。本発明
のベクターはヒトFGFR1遺伝子からの発現を削減するアンチセンスRNAを
コードするヌクレオチド配列を含む。このベクター放出ヌクレオチド配列から発
現されたアンチセンスRNAはFGFR1遺伝子から発現されたRNAの発現部
分に結合する。このアンチセンスRNAはFGFR1遺伝子産物の少なくとも1
種の発現を削減して腫瘍細胞の増加を抑制する。このアンチセンスRNAの好適
な型はFGFR1α−エクソンに実質的に相補的であって特異的に結合するもの
である。
本発明はさらに腫瘍細胞の増加を抑制するためにFGFR1遺伝子を発現する
腫瘍細胞に本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドをRNAとして導入するこ
とによって本発明のベクターを使用する方法を含む。この方法はFGFR1遺伝
子に実質的に相補性であってそれに結合するアンチセンスRNAをコードする配
列を含む本発明のベクターを腫瘍に遺伝子移入する段階を含む。さらに別の段階
はこのアンチセンスRNAをコードする配列を発現させて腫瘍細胞内FGFR1
発現の低下を起こさせることを含む。
哺乳類細胞を遺伝子移入/形質転換するベクターであって、標的遺伝子の発現
を阻止するアンチセンスRNAをコードするヌクレオチド配列を含むベクターは
当技術分野ではよく知られているである(57)。このベクターを構築する技術
およびオンコジーン、プロトオンコジーンおよびその他内因性遺伝子(たとえば
FGFR1)のダウンレギュレーションによって哺乳類癌細胞の腫瘍原性を抑制
するように形質転換するためのそれらベクターの使用方法は広く報告されている
(57)。選択した標的遺伝子から発現されたRNAに特異的でそれに結合する
アンチセンスRNAまたは選択した特定の配列部分を含む標的位置から発現され
たアンチセンスRNAをコードする配列を含むベクターの腫瘍細胞への遺伝子移
入によって腫瘍細胞にアンチセンスRNAを導入するためのプロトコルも知られ
ている(57)。
本発明のFGFR1−α−エクソン特異的アンチセンスオリゴマーの細胞増加
阻止作用および特異性は下記の実施例に記載する。実施例 一般的方法
下記の実施例には下記のプロトコルを使用する:
A.細胞および細胞培養物 この実施例で使用したヒトの細胞は腫瘍生検の小
片を培養して得た高悪性度神経膠芽細胞腫から得たSNB−19およびT98細
胞系列である。細胞系列T98はアメリカンタイプカルチャーコレクションに寄
託してATCC・CRL1690と命名されている。SNB−19細胞はGro
ssなどが報告している(53)。これらの腫瘍の由来はGrossなどが報告
した(53)ようにして組織学的な分析によって確認した。マイコプラズマ不含
の神経膠腫細胞系列はGrossなどが記載したようにして維持した(53)。
細胞系列SH−SY5Yは神経芽腫の細胞系列であってGrayなど(58)、
pattersonなど(59)およびpattersonなど(60)に記載
されている。
B.細胞増加および用量反応関係 神経膠腫細胞を1×105細胞/8.0c
m2組織培養ウェルで血清添加培地(10%)に塗布した。塗布の18〜20時
間後に血清添加培地を去り、細胞を燐酸塩緩衝食塩水(PBS)で3回洗浄し、
血清不含培地(SFM)に移した。FGFR1α−アンチセンスオリゴマーを含
むアンチセンスオリゴマーまたは適当な対照オリゴヌクレオチドを無菌水に溶解
してSMFに変更する時に最終濃度30μMの濃度で直接細胞に加えた。これを
第1日とした。細胞を3日間連続してアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理し
た。時間的経過の研究(第3図、実施例2および3)では細胞の一組を追加的に
さらに第7日と第8日にアンチセンスオリゴヌクレオチドまたは対照オリゴヌク
レオチドで処理した。1日から11日後に細胞をPBSで2回洗浄し、PBS中
でトリプシン処理(0.25%)して組織培養ウェルから移動した。血球計数器
を使用して細胞数を測定した。計数後に、細胞をペレット化してmRNAの精製
およびPCR分析に使用した。
C.RNA−PCR分析 RNA−PCR分析によって細胞系列間のFGFR
1αおよびFGFR1β転写物発現の相対的レベルを測定した。製造社(Inv
itrogen社、サンジェゴ、CA)の指示書に従ってMicroFast・
Tractキットを使用してポリA[プラス]mRNAを抽出した。腫瘍および
隣接脳について、凍結切片(4ミクロン)20枚からRNAを抽出した。第一の
鎖DNA合成をcDNA・cycleキット(Invitrogen社)および
ランダムプライマーを使用して実行した。ヒトのFGFR1の分析には、5’−
末端の−67ヌクレオチドから−44ヌクレオチドまでに対応するヌクレオチド
プライマーP1a(配列番号2)およびFGFR1に対するmRNAの3’−末
端にあるヌクレオチド1014〜1035までに相補的なヌクレオチドプライマ
ーP1b(配列番号3)を使用した。
ヒトのFGFR2の分析には5’−末端にあるヌクレオチド113〜136に
対応するヌクレオチドプライマーP1aR2(配列番号4)(5’−AAGTG
TGCAGATGGGATTAACGTC−3’)およびFGFR2に対するm
RNAの3’−末端にあるヌクレオチド1196〜1217までに相補的なヌク
レオチドプライマーP1bR2(配列番号5)(5’−ATTACCCGCCA
AGCACGTATAT−3’)を使用した。
一般にPCRは30秒間96℃で3サイクル、15秒間64℃、および60秒
間72℃でPerkin・Elmer・Cetus社のGene・Amp・PC
Rシステム9600を使用して実行した。mRNA負荷の対照としてGAPDH
(グリセルアルデヒド−3−燐酸脱水素酵素)のcDNAを5’−末端にあるヌ
クレオチド27〜46に対応するヌクレオチドプライマー(5’−ACGGAT
TTGGTCGTATTGGG−3’)(配列番号6)およびGAPDHに対す
るmRNAの3’−末端にあるヌクレオチド238〜257まで(56)に相捕
的なヌクレオチドプライマー(5’−TGATTTTGGAGGGATCTCG
C−3’)(配列番号7)を使用して増幅した。条件はFGFR1で使用したも
のと同一であった。最終2サイクル(全32サイクル中)の間に32P−dCTP
を使用してGAPDH増幅産物を放射能標識し、6%ポリアクリルアミドゲル上
を泳動させ、X線フィルムに感光させた。反応混合物(25μL)には10mM
−トリス−HCl(pH8.3)、1.5mM−MgCl2、50mM−KCl
、ゼラチン0.1mg/mL、Taqポリメラーゼ(Perkin・Elmer
・Cetus社)0.8単位、0.2mM−dNTPおよび各プライマー0.5
μMを含有させた。FGFR1αとFGFR1βとの相対的転写物水準はPCR
サザンブロット分析によって測定した。PCR産物を1.5%アガロースゲル上
で分離してナイロン膜フィルター(Hybond−N、Amersham社)に
移行させた。これらのフィルターをα−、β−およびγ−アイソフォームに共通
な配列(5’−ATAACGGACCTTGTAGCCTCC−3’)(配列番
号8)およびPCRプライマーP1aおよびP1b内部から誘導したヌクレオチ
ド610〜630(55)に相補的な32P−標識FGFR1オリゴヌクレオチド
とハイブリッド形成させた。FGFR2の増幅はヌクレオチド192〜212に
対
応するオリゴヌクレオチド(5’−GGTCGTTTCATCTGCCTGGT
C−3’)(配列番号9)(Dionneなど、1990b)を使用して監視し
た。FGFR1およびFGFR2に特異的なオリゴヌクレオチドのみがその各々
の増幅産物とハイブリッドを形成した。シグナル強度はハイブリッドが形成され
たナイロン膜から直接PhosphorImager(Molecular・D
ynamics社)を使用して測定した。PCR増幅は20から40サイクルの
範囲を通して評価した。PCR増幅産物の蓄積は以前に報告した通り(32)3
5サイクルを通じて直線的であった。FGFR1β/FGFR1αの比率は直線
的増幅範囲を通じて一定であった。PCR−サザンブロットは各試料について全
て最低3回実行した。
D.細胞抽出物の調製 プロテアーゼ阻害剤リューペプチン10μg/mL、
0.2mM−PMSF(フェニルメチルスルホニルフルオリド)、およびペプス
タチン、ベスタチンおよびアプロチニン(Boehringer・Mannhe
im社)100μg/mL添加10mM−トリス−HCl、pH7.0、2M−
NaClおよび0.1%CHAPS(3,3−コラミドプロピルジメチルアンモ
ニオ−1−プロパンスルホネート)界面活性剤の緩衝液中で培養した細胞をホモ
ジナイズした。ホモジネートを14000×gで30分間遠心分離した。上清液
を取り、−80℃で貯蔵した。適量を取り、Bio−Rad社の蛋白質検出シス
テム(ハーキュリース、CA)を使用して蛋白質を測定した。ドデシル硫酸ナト
リウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)によって上清液
を直接分析するか、または最初にヘパリン−Affigel(Bio−Rad社
)とインキュベーションしてヘパリン結合蛋白質を濃縮した。
ヘパリン結合蛋白質で濃縮した抽出物をPBSで1:5に希釈し、50μLの
ヘパリン−Affigelと4℃で一夜インキュベーションした。この容積のヘ
パリン−Affigelは少なくとも1μgの精製ヒト組換えbFGF(hr−
bFGF、Synergen社、ブールダー、CO)を結合する。ヘパリン−A
ffigelを次に14000×gで10分間遠心分離して上清液を除いた。ヘ
パリン−Affigelを3回PBSで洗浄し、5%2−メルカプトエタノール
および2.5%SDSを含有する試料緩衝液中で5分間煮沸して蛋白質を溶離し
た。
E.ゲル電気泳動およびウエスタンブロット分析 15%ゲルを使用するSD
S−PAGEでヘパリン結合蛋白質を分割し、ニトロセルロースに移した。非特
異的部位はニトロセルロースを5%粉末ミルク添加TBST(10mM−トリス
−HClpH8.0、150mM−NaCl、0.05%トゥイーン20)中で
インキュベーションして遮断し、ポンカウレッドで染色するか、あるいは抗bF
GFモノクローナル抗体、DE6と1:1000希釈で一夜インキュベーション
した。対照実験ではブロットをTBSTと初代抗体不在下または蛋白質A精製マ
ウスIgGとともにインキュベーションした。ブロットを各10分間TBST中
で洗浄し、続いてビオチン結合ヒツジ抗マウス2代抗体(Amersham社)
(1:500)と室温で45分間インキュベーションした。ブロットをTBST
で10分間づつ3回洗浄し、続いてTBST中でストレプトアビジン(1:10
00)−ビオチン化セイヨウワサビペルオキシダーゼ(1:2500)複合体と
室温で45分間インキュベーションした。ブロットを次にTBST中で各10分
間づつ4回洗浄した。ブロットをAmersham社のECL試薬で製造社の指
示書に従って呈色させて免疫反応性バンドを可視化した。ECL試薬に1分間接
触し、ブロットをサランラップで被覆し、10分〜12分間X線フィルムに感光
させた。bFGF蛋白質の分子量はビオチン化マーカー(BioRad社)およ
びヒト組換えbFGF標準(Synergen社、ブールダー、CC)との比較
によって測定した。実施例1
アンチセンスオリゴマーの調製
3’から5’方向のホスホロチオエートオリギヌクレオチドの合成を固相支持
体上で行った。制御孔ガラスのような固体支持体に結合したジメトキシトリチル
(DMT)保護出発ヌクレオシド(300μモル)を反応容器に入れた。DMT
保護基をデブロック剤(ジクロロメタン中2.5%v/vジクロロ酢酸、30当
量)で反復処理(塩基によって4〜7回)してこの保護基の完全な除去を確実に
した。支持体をアセトニトリルで洗浄して過剰の酸を支持体から除去した。所期
のβ−シアノエチルホスホロアミダイトヌクレオシド(支持体上の出発ヌクレオ
シドに関して2当量)をエチルチオテトラゾール(6当量)と混合し、アルゴン
下に5分間撹拌した。過剰のモノマーおよび活性化剤をアセトニトリルで支持体
から洗浄除去した。ホスファイト中間体を3H−1,2−ベンゾジチオール−3
−オン−1,1−ジオキシド(Beaucage試薬、5当量)で10分間硫黄
化した。CapA(THF中40%無水酢酸)およびCapB(ピリジン中0.
625%DAMP)を混合してアミダイトモノマーに結合しなかった過剰のアル
コールを除去した。全サイクルを反復して所期の長さのオリゴマーを合成した。
前記のようにして最終的なDMTをデブロックで除去した。続いて支持体を圧
力容器に入れ、オリゴマーを支持体から外し、ヘテロ環アミン上の反応性の塩基
保護基を濃水酸化アンモニウムで除去した。水酸化アンモニウム溶液から固体の
支持体を濾去し、減圧下にアンモニアを除去した。残渣を移動相に取り、オリゴ
ヌクレオチドをイオン交換クロマトグラフィーで精製して純度>97%の物質を
得た。通常の収率は出発物質に対して約1.5mg/μモルであった。実施例2
神経膠芽細胞腫細胞の増加に対する本発明アンチセンスオリゴマーの 効果
前記一般法を使用してFGFR1α−エクソン特異的アンチセンスオリゴマー
のヒト神経膠芽細胞腫細胞の増加に対する効果を研究した。
次のホスホロチオエートオリゴマーを実施例1に記載したようにして合成し、
30μM−濃度で神経膠芽細胞腫細胞に与えた:
○ R2ASini[配列番号12]はFGFR2開始部位エクソン特異的アン
チセンスオリゴヌクレオチドである。
○ R1ASβ[配列番号11]はFGFR1βエクソン特異的アンチセンス
オリゴヌクレオチドである。
○ R1ASα[配列番号1]はFGFR1αエクソン特異的アンチセンスオ
リゴヌクレオチドである。
○ R1ASini[配列番号13]はFGFR1開始部位エクソン特異的アン
チセンスオリゴヌクレオチドである。
○ R1AScont[配列番号10]は逆方向のFGFR1αエクソン特異的ア
ンチセンスオリゴヌクレオチドである。
図1、図2および図3に示すように、ヒトの神経膠芽細胞腫細胞に30μMの
濃度でFGFR1αエクソン特異的アンチセンスオリゴヌクレオチド(R1AS
α)を導入すると確実かつ高度に再現的な細胞密度の70〜80%低下を起こし
た。この効果は飽和されることでき、用量依存的であった。この観察はヒトFG
FR1遺伝子から発現されるプレmRNAまたはRNAの少なくとも一部に特異
的に結合するか、またはそのプレmRNAまたはRNAのα−エクソンの少なく
とも一部に結合して腫瘍細胞、殊に神経膠芽細胞腫細胞、の増加を抑制するアン
チセンスオリゴマーの効果を示す。図1で「Cont」で示した柱グラフはオリ
ゴマーで処置しなかった対照細胞を示す。実施例3
対照オリゴマーの神経膠芽細胞腫細胞の増加に対する効果
前記一般法を使用して対照ホスホロチオエートアンチセンスオリゴマーのヒト
神経膠芽細胞腫細胞の増加に対する効果を研究した。
対照として使用した次のホスホロチオエートオリゴマーの添加は本発明の有効
なアンチセンスオリゴマーと同等またはさらに高濃度で使用した時に培養基中の
神経膠芽細胞腫細胞密度に明確な効果を示さなかった:
(a)逆方向のFGFR1α−エクソン特異的アンチセンスオリゴヌクレオチ
ド(R1AScont)[配列番号10]、
(b)FGFR2−開始部位エクソン特異的アンチセンスオリゴヌクレオチド
(R2ASini)[配列番号12]。
神経膠芽細胞腫細胞密度に対するFGFR1β特異的アンチセンスオリゴヌク
レオチド(R1ASβ)[配列番号11]の効果も研究した。
有効なアンチセンスオリゴヌクレオチドと同一な塩基構成を保持しているので
逆方向のFGFRα−エクソン特異的アンチセンスオリゴヌクレオチド(R1A
Scont)[配列番号10]は重要な対照である。細胞増加抑制効果の欠失はその
標的メッセージとのハイブリッド形成能がない結果であるものと信じられる。
図1は神経膠芽細胞腫細胞増加に対するFGFR2開始部位エクソン特異的ア
ンチセンスオリゴヌクレオチド(R2ASini)[配列番号12]の添加は何の
効果も示さないが、培養基中のヒト神経芽細胞腫細胞系列SH−SY5Yの細胞
密度は明らかに削減する(図6)ことを示す。さらに、SH−SY5Y細胞系列
はFGFR2mRNAを発現することおよびFGFR2開始部位エクソン特異的
アンチセンスオリゴヌクレオチドによってこのmRNAは選択的に削減されるこ
とが証明された(図5)。図6はFGFR2アンチセンスオリゴヌクレオチドは
SH−SY5Y神経芽細胞腫細胞系列の細胞増加を有効に阻止するが、しかしF
GFR2mRNAを欠失するヒトの神経膠芽細胞腫細胞系列増加の阻止には無効
である(図1)ことを証明する。これらの結果はFGFR2開始部位アンチセン
スオリゴヌクレオチドはFGFR2を発現する細胞の細胞増加を有効に阻止する
ことを証明する。そこで、培養基内でR2ASiniオリゴマーによる神経膠芽細
胞腫細胞への効果の不在は細胞増加の阻止はアンチセンスオリゴマーの非特異的
効果に起因するのでなく、アンチセンスオリゴヌクレオチドの添加は、関連FG
FR族構成員に相補的なものであっても、細胞増加を抑制するためには十分では
ないことを示唆する。
神経膠芽細胞腫細胞へのFGFR1βアンチセンスオリゴヌクレオチドの添加
は細胞密度には無効であった(図1)。この観察は星状細胞が正常細胞から形質
転換して悪性神経膠芽細胞腫細胞に進行し、その細胞がFGFR1の発現をα優
勢アイソフォーム(免疫グロブリンドメイン3個)型からβ優勢アイソフォーム
(免疫グロブリンドメイン2個)型までシフトするとの観察とは符合してない。
このβ型は70%から90%におよぶFGFR1メッセージを表わす(32、3
3)。FGFR1βアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用する細胞増加効果の
不在はFGFR1αアンチセンスオリゴヌクレオチドでの効果の観察と同様に符
合しない観察である。というのはこのαアイソフォームはヒトの神経膠芽細胞腫
にある全メッセージプールの僅かな部分に過ぎないからである。実施例4
FGFR1mRNA合成に対する本発明オリゴマーの効果
この実施例の目的は神経膠芽細胞腫細胞にFGFR1αアンチセンスオリゴマ
ーを与えることが示すFGFR1mRNA合成に対する効果の測定である。前記
一般法を使用してFGFR1αエクソン特異的アンチセンスホスホロチオエート
オリゴヌクレオチド[配列番号1]を添加してFGFR1mRNAの発現が選択
的に削減されることを証明した(図4)。これとは対照的に逆方向FGFR1α
エクソン特異的アンチセンスホスホロチエートオリゴヌクレオチド[配列番号1
0]はFGFR1mRNAレベルには効果を示さず、細胞増加抑制の不能性と符
合した(図4)。
アンチセンスオリゴヌクレオチドを3日間連続して添加して細胞密度を以後2
週間監視した実験では、FGFR1αエクソン特異的アンチセンスホスホロチエ
ートオリゴヌクレオチド[配列番号1]を補充しない時は神経膠芽細胞腫細胞の
増加が再開され(図3)、これがFGFR1mRNAの再発現(図4、10日お
よび14日)に関連することが明らかとなった。それ故、神経膠芽細胞腫細胞の
増加とそれらのFGFR1mRNAの発現との間には明瞭な相関関係がある。実施例5
FGFR2mRNA合成に対する本発明オリゴマーの効果
この実施例の目的は神経芽細胞腫細胞へのFGFR1αアンチセンスオリゴマ
ーの導入が示すFGFR2合成に対する効果の研究である。
前記方法を使用して本発明のFGFR1αエクソン特異的アンチセンスホスホ
ロチオエートオリゴヌクレオチド[配列番号1]を添加してもヒト神経芽細胞腫
細胞系列SH−SY5YのFGFR2mRNAの発現には効果がない(図5)こ
とを証明した。FGFR2の遺伝子配列および蛋白質機能はFGFR1のものと
密接に関連しているので、これはFGFR1αオリゴマーが配列に基づきこれら
2種のmRNAを識別できることを証明する。使用した細胞系列SH−SY5Y
はFGFR2を発現するがFGFR1を発現しない。これはさらに本発明のFG
FR1αエクソン特異的オリゴヌクレオチドの配列依存的な作用を証明する。
神経膠芽細胞腫細胞系列SNB−19を使用してFGFR1αエクソン特異的
アンチセンスオリゴヌクレオチド[配列番号1]の添加はSNB−19細胞の塩
基性線維芽細胞増殖因子蛋白質レベルには効果がない(図7)ことを証明した。
これはFGFR1αオリゴマー[配列番号1]がSNB−19に存在するFGF
R1/bFGFのオートサインループの非特異的崩壊をしないことを示す。FG
FR1αオリゴマー処理した細胞はFGFR1産生を阻止したが、なお産生して
いたリガンドbFGFの産生は阻止しなかった(図7に示すように)。FGFR
1遺伝子とbFGF遺伝子とは関連はないと信じられているので、これは化学的
特異性がアンチセンス(配列)特異性よりも大きいことを示す。塩基性線維芽細
胞増殖因子はヒトの神経膠芽細胞腫細胞の増加を促進することが以前に証明され
ている有糸分裂促進剤である。
前記の結果は本発明の方法を用いてFGFR1αアンチセンスオリゴマー[配
列番号1]をヒトFGFR1遺伝子を発現する腫瘍細胞と接触した時にFGFR
1mRNAの減少を経る特異的作用、すなわちFGFR1αアンチセンスオリゴ
ヌクレオチド[配列番号1]による神経膠芽細胞腫細胞増加の抑制を証明する。実施例6
T98ヒト神経膠芽細胞腫細胞の増加に対する本発明のアンチセンス オリゴマーの効果
この実施例の目的はFGFR1αアンチセンスホスホロチオエートオリゴマー
[配列番号1]のヒト神経膠芽細胞腫細胞の別細胞系列、即ちT98細胞、の増
加に対する効果を決定することにある。T98細胞を培養して細胞数を前記のよ
うに測定した。
このT98細胞に30μM−FGFR1αエクソンアンチセンスオリゴヌクレ
オチドを添加した。1日と7日に細胞密度を測定した。図8に示すようにFGF
R1αアンチセンスオリゴマー(A5α)[配列番号1]の添加は細胞数の34
%低下を起こした。対照アンチセンスオリゴヌクレオチド(AScont)[配列番
号10]では効果が見られなかった。実施例7
FGFR遺伝子の発現に対するFGFR1αエクソンアンチセンスオ リゴマーの特異性
この研究の目的はFGFR1αエクソンアンチセンスホスホロチオエートオリ
ゴマー[配列番号1]の神経膠芽細胞腫細胞内にある他種FGFR遺伝子の発現
に対する選択性を決定することである。これは細胞増加抑制を起こすことになる
FGFR1αエクソンアンチセンスオリゴマーとその他のFGFR族構成員のm
RNAとの間の推測的な交差ハイブリッド形成を排除するために行った。
細胞は前記のように処理した。
mRNAは殊にこの実験の方法で研究したFGFR1、FGFR3およびFG
FR4のmRNAを除いて前記のように分析した。SNB−19神経膠芽細胞腫
細胞は100mm皿当り1×105細胞の割合で血清添加培地に塗布した。18
時間後、細胞をFGFR1αアンチセンスオリゴヌクレオチド(R1ASα、3
0μm)[配列番号1]またはFGFR1αアンチセンス逆方向対照オリゴヌク
レオチド(R1αRC、30μm)[配列番号10]を添加した血清不含培地に
移した。無処理細胞(NT)を対照として処理した。細胞を連続3日間オリゴヌ
クレオチドで処理した。7日目に細胞を剥がしてmRNAおよびcDNAを各々
精製して合成した。3種の処置の各々からのcDNAを用いてPCRを行って、
FGFR1、FGFR3およびFGFR4受容体のcDNAを増幅した。SNB
−19細胞はFGFR2は産生しない。
図9に示すように、FGFR1mRNAは抑制されたが、一方FGFR3およ
びFGFR4遺伝子の発現には効果がなかった。すなわちFGFR3およびFG
FR4のmRNAは減少しなかった。図9はさらに非特異的対照として使用した
GAPDH(グリセルアルデヒド−3−燐酸脱水素酵素)の局所的発現も減少し
ないことを示した。この観察は所期のFGFR族の一員、すなわちFGFR1m
RNAのみに対するFGFR1αエクソンアンチセンスオリゴマーの特異性を示
す。殊にFGFR1αアンチセンスオリゴヌクレオチドでの処理はFGFR1の
発現を抑制するが、逆方向対照オリゴヌクレオチドはFGFR1の発現には効果
がなかったことを示す。これに加えて、FGFR1αアンチセンスオリゴヌクレ
オチドはFGFR3またはFGFR4の発現を抑制せず、本発明の分子のFGF
R1に対する作用の選択性を証明した。この説明に限定するものではないが、こ
の観察の意義は細胞増加の阻止がFGFR1の抑制のみに起因するものと思われ
ることにある。これはこの発明に期待される標的である。実施例8
前記一般法を使用して、数の多少にかかわらず置換ヌクレオチドを有するアン
チセンスオリゴマーまたはFGFR1プレmRNAまたはmRNAに沿ってオリ
ゴマー[配列番号1および15〜19]よりも3’または5’方向にさらに伸長
するもの、または標的FGFR1αエクソンの少なくとも一部に実質的に相補的
でそれに特異的に結合するものをFGFR1遺伝子を発現する腫瘍細胞に導入す
る。本明細書に記載する適当な製剤中の本発明のアンチセンスオリゴマーを腫瘍
細胞に本明細書に記載する治療的応用を用いて導入することが各種神経膠芽細胞
腫における腫瘍細胞の増加を抑制することが判明した。実施例9
FGFR1および細胞増加に対するオリゴマー活性の検定
FGFR1および細胞増加に対するオリゴヌクレオチド活性の測定操作は次の
通りである:
SNB−19細胞をポリスチレン96穴組織培養プレート(Corning社
カタログ番号25860)に出発密度ウェル当り約1000細胞で塗布した。一
夜正常増殖培地中で細胞を再生させてガラスに付着させた。正常増殖培地は無菌
濾過した10%ウシ胎児血清(Gemini・Bio−Products社カタ
ログ番号100−107)および10μg/mLのストレプトマイシンおよび1
0I.U./mLのペニシリン(Mediatech社カタログ番号30001
−LI)を添加したopti−MEM(商標)I(Gibco・BRL社カタロ
グ番号31985−013)からなる。
翌朝に2回200μLのPBS(Mediatech社カタログ番号21−0
31−LM)または血清不含培地(Opti−MEM(商標)Iマイナス血清お
よび抗生物質)で細胞を洗浄することで未製剤化、溶解自由なオリゴヌクレオチ
ド処理を開始した。
血清不含培地中の30μM−全ホスホロチオエートオリゴヌクレオチド(20
0μL)を各ウェルに添加した。
各ウェル中のオリゴヌクレオチド含有血清不含培地200μLを24時間おき
に3日間別の血清不含培地中の30mM−オリゴヌクレオチド200μLに交換
した。4日目に(全部で96時間オリゴヌクレオチドに接触)に培地を細胞から
去り、さらに2日間(48時間)放置した。
アンチセンス対照オリゴヌクレオチドへの接触6日後に細胞を標準的白色光で
観測したが、活性アンチセンスオリゴヌクレオチドは容易に確認できた。アンチ
センスオリゴヌクレオチドの活性ロットでは培地は極く僅かの細胞を有したが、
ウェル中の細胞は集合してガラス基質には殆ど付着しなかった。典型的な数では
細胞の増加阻止率は60%から90%であった。
対照オリゴヌクレオチドはどれも細胞の増殖を有意には阻止しないかまたは細
胞の会合を起こさなかった。
細胞数の定量のために製造社の指示書に従ってCellTiter96検定法
(Promega社カタログG5421)を使用した。全ての場合に目視による
細胞増殖減少の印象が商業的な細胞滴定検定法によって確認された。実施例10
オリゴマー取込みの測定
未製剤化FITC−オリゴヌクレオチド取込みを評価する方法は次の通り:
SNB−19細胞をウェル当り約1000細胞の出発密度で16穴/ガラス底
スライド(Nunc社カタログ178599)に塗布した。細胞を一夜正常培地
中で再生させ、ガラスに付着させた。正常な増殖培地は無菌濾過した10%ウシ
胎児血清(Gemini・Bio−Products社カタログ番号100−1
07)および10μg/mLのストレプトマイシンおよび10I.U./mLの
ペニシリン(Mediatech社カタログ番号30001−LI)を添加した
opti−MEM(商標)I(Gibco・BRL、カタログ番号31985−
013)からなる。
翌朝に2回200μLのPBS(Mediatech社カタログ番号21−0
31−LM)または血清不含培地(Opti−MEM(商標)Iマイナス血清お
よび抗生物質)で細胞を洗浄することで未製剤化、溶解自由なFITC−オリゴ
ヌクレオチド(FITC−oligo)処理を開始した。
200μLの血清不含培地中の30μM−FITC標識オリゴヌクレオチドを
各ウェルに添加した。これとは別の良く作動する血清不含培地はRPMI培地1
640(GibcoBRL社カタログ番号11835−02)である。
各ウェル中のFITC−オリゴヌクレオチド含有血清不含培地200μLを2
4時間おきに3日間追加的な200μLの血清不含培地中の30mM−FITC
標識オリゴヌクレオチドに交換した。4日目に(全部で96時間FITC−オリ
ゴヌクレオチドに接触)に培地を細胞から去り、さらに2日間(48時間)放置
した。
FITC−オリゴヌクレオチドとの接触開始6日後にヒト神経膠芽細胞腫細胞
SNB−19内における螢光標識したオリゴヌクレオチドの位置をEpi−fl
uorescent・EF−D・Mercury(Nikon社)アタッチメン
トを装着したNikon・Labophot型顕微鏡で鏡検した。大多数の細胞
核内での螢光オリゴヌクレオチドの明瞭な検出は生物学的活性量のオリゴヌクレ
オチドが送達された証拠である。
鏡検用細胞の調製法は次の通り:
振盪してウェルを空にし、細胞を3.7%ホルムアルデヒド(Sigma・C
hemicals社)で固定し、PBSで洗浄し、次にプラスチック室を動かし
ガラスからゴムのガスケットを取り去る。Fluoromount−G・mou
nting培地(Fisher社カタログOB1000、光漂白阻害剤含有)を
装着培地として使用した。
拡大率200倍で容易に核、エンドソームおよびリソソームが見えた。取込み
成功は殆ど全部の細胞の核内にある鮮やかな螢光が証明した。取込み失敗は細胞
全体のエンドソームおよびリソソーム、特に末端リソソームの細胞周縁クレシェ
ントにある斑点状螢光が証明した。この場合は核の螢光は見られない。
本発明の例示的態様を説明して当技術分野の熟練者はこの開示が例示のみであ
って、種々の別種、適応、および修飾が本発明の範囲内でもなしうることに気付
くはずである。従って本発明は本明細書中に例示する特定態様に限定されるもの
ではなく、請求項によってのみ限定されるものである。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 ツェン,ベン・ワイ
アメリカ合衆国92130カリフォルニア州
サンディエゴ、キャップストーン・ドライ
ブ 13255番
(72)発明者 ブラウン,ボブ・ディ
アメリカ合衆国92024カリフォルニア州
エンシニタス、ノース・ウィロー・スプリ
ング・ドライブ 445番
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.ヒトFGFR1遺伝子から発現したRNAの配列部分に特異的に結合する、 腫瘍細胞の増殖を阻害するのに有用なオリゴマーであって、ヒトFGFR1遺伝 子を発現する腫瘍細胞に接触させると、少なくとも1つのFGFR1遺伝子産物 の発現を減少させ、それによって該細胞の増殖を抑制するという特性を有するオ リゴマー。 2.FGFR1 プレmRNAに実質的に相補的であり、かつこれに結合する、 請求項1に記載のオリゴマー。 3.FGFR1 α−エクソン プレmRNAに実質的に相補的であり、かつこれ に結合する、請求項1に記載のオリゴマー。 4.該RNAの配列部分がFGFR1 α−エクソンを含むものであり、配列番 号1及び15〜19から選択される配列を有する、請求項3に記載のオリゴマー 。 5.オリゴヌクレオチド又はその類似体である、請求項1に記載のオリゴマー。 6.オリゴヌクレオチドが、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドか らなる群から選択されるものである、請求項5に記載のオリゴマー。 7.該類似体が、2'−O−アルキル糖修飾体、メチルホスホネート、ホスホロ チオエート、ホスホロジチオエート、ホルムアセタール、3'−チオホルムアセ タール、スルホン、スルファメート、ニトロオキシド骨格修飾体、アミド、塩基 部分の修飾体、モルホリノ、ペプチド、核酸、及びそれらのキメラ又はコンジュ ゲートからなる修飾体の群から選択される少なくとも1つの修飾体を含んでなる 、請求項5に記載のオリゴマー。 8.腫瘍細胞の増殖を阻害するのに有用な組成物であって、ヒトFGFR1遺伝 子から発現したRNAの配列部分に特異的に結合するオリゴマーであって、ヒト FGFR1遺伝子を発現する腫瘍細胞と接触させると、少なくとも1つのFGF R1遺伝子産物の発現を減少させ、それによって該細胞の増殖を抑制するという 特性を有するオリゴマーを、薬学上許容し得る担体と共に含有する組成物。 9.オリゴマーがFGFR1 プレmRNAに実質的に相捕的であり、かつこれ に結合するものである、請求項8に記載の組成物。 10.オリゴマーがFGFR1 α−エクソン プレmRNAに実質的に相補的で あり、かつこれに結合するものである、請求項8に記載の組成物。 11.該RNAの配列部分がFGFR1 α−エクソンを含み、該オリゴマーが 配列番号1及び15〜19から選択される配列を有するものである、請求項10 に記載の組成物。 12.該オリゴマーがオリゴヌクレオチドか又はその類似体である、請求項8に 記載の組成物。 13.該オリゴヌクレオチドが、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチ ドからなる群から選択されるものである、請求項12に記載の組成物。 14.該類似体が、2'−Oアルキル糖修飾体、メチルホスホネート、ホスホロ チオエート、ホスホロジチオエート、ホルムアセタール、3'−チオホルムアセ タール、スルホン、スルファメート、ニトロオキシド骨格修飾体、アミド、塩基 部分の修飾体、モルホリノ、ペプチド、核酸、及びそれらのキメラ又はコンジュ ゲートからなる修飾体の群から選択される少なくとも1つの修飾体を含んでなる ものである、請求項12に記載の組成物。 15.腫瘍細胞中でのヒトFGFR1遺伝子からの発現を減少させるアンチセン スRNAをコードするヌクレオチド配列を含んでなる、ヒト腫瘍細胞をトランス フェクトするためのベクター。 16.該アンチセンスRNAがヒトFGFR1遺伝子から発現したRNAの配列 部分と結合するものであり、ヒトFGFR1遺伝子を発現する腫瘍細胞に接触し たときに少なくとも1つのFGFR1遺伝子産物の発現を減少させ、これによっ て該細胞の増殖を抑制するという特性を有するものである、請求項15に記載の ベクター。 17.該配列部分がFGFR1 α−エクソンを含むものである、請求項15に 記載のベクター。 18.該アンチセンスRNAがFGFR1RNAに実質的に相補的であり、かつ これに結合するものである、請求項16に記載のベクター。 19.腫瘍細胞の増殖を抑制するための方法であって、該腫瘍細胞中でのFGF R1遺伝子発現を減少させるに十分な条件下でFGFR1遺伝子を発現する腫瘍 細胞にオリゴマーを導入する工程を含んでなり、該アンチセンスオリゴマーが腫 瘍細胞の増殖の阻害に有用なものであり、ヒトFGFR1遺伝子から発現したR NAの配列部分と特異的に結合するものであり、ヒトFGFR1遺伝子を発現す る腫瘍細胞と接触させたときに少なくとも1つのFGFR1遺伝子産物の発現を 減少させ、これによって該細胞の増殖を抑制するという特性を有するものである 方法。 20.該オリゴマーがFGFR1 プレmRNAに実質的に相補的であり、かつ これに結合するものである、請求項19に記載の方法。 21.該オリゴマーがFGFR1 α−エクソン プレmRNAに実質的に相補的 であり、かつこれに結合するものである、請求項19に記載のオリゴマー。 22.該RNAの配列部分がFGFR1 α−エクソンを含み、該オリゴマーが 配列番号1及び15〜19から選択される配列を有するものである、請求項21 に記載の方法。 23.該アンチセンスオリゴマーがオリゴヌクレオチドか又はその類似体である 、請求項19に記載の方法。 24.オリゴヌクレオチドが、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチド からなる群から選択されるものである、請求項23に記載の方法。 25.該類似体が、2'−O−アルキル糖修飾体、メチルホスホネート、ホスホ ロチオエート、ホスホロジチオエート、ホルムアセタール、3'−チオホルムア セタール、スルホン、スルファメート、ニトロオキシド骨格修飾体、アミド、塩 基部分の修飾体、モルホリノ、ペプチド、核酸、及びそれらのキメラ又はコンジ ュゲートからなる修飾体の群から選択される少なくとも1つの修飾体を含んでな るものである、請求項23に記載の方法。 26.該オリゴマーを、該オリゴマーの濃度が約0.01μM〜約50μMであ る条件下で該細胞と接触させる、請求項19に記載の方法。 27.該導入の工程が、以下の工程 (a)腫瘍から該腫瘍細胞の第1部分をかなり大きく除き、それによって腫瘍 細胞の第2部分が除去部位に残るような工程;及び (b)該腫瘍細胞の第2部分を、該腫瘍細胞の第2部分の増殖を抑制するに十 分な量の該オリゴマーと接触させる工程 を含むものである方法。 28.腫瘍細胞中でのFGFR1遺伝子発現を減少させるに十分な条件下でFG FR1遺伝子を発現している腫瘍細胞に、アンチセンスRNAを導入する工程を 含んでなる、腫瘍細胞の増殖を抑制するための方法であって、導入の工程が (a)該腫瘍細胞を、該アンチセンスRNAをコードする配列を含んでなるベ クターでトランスフェクトする工程 (b)該アンチセンスRNAを発現させる工程 を含むものである方法。 29.該アンチセンスRNAが、ヒトFGFR1遺伝子から発現したRNAの配 列部分と結合する配列を有するものである、請求項28に記載の方法。 30.該RNAの配列部分がFGFR1 α−エクソンを含むものである、請求 項29に記載の方法。 31.神経膠腫細胞又は神経膠芽細胞腫細胞の、増殖の阻害若しくは減少又は細 胞死の開始の誘発のための組成物であって、FGFR1 プレmRNAに実質的 に相補的であり、かつこれに結合する約10〜30ヌクレオシドのオリゴマーの 有効量と、薬学的に許容し得る担体とを含有する組成物。 32.該オリゴマーがホスホロチオエートオリゴマーである、請求項31に記載 の組成物。 33.該オリゴマーが配列番号1及び15〜19から選択されるものである、請 求項31に記載の組成物。 34.該オリゴマーがホスホロチオエートオリゴマーである、請求項33に記載 の組成物。 35.FGFR1 プレmRNAに実質的に相補的であり、かつこれに結合する 、10〜30ヌクレオシドのオリゴマー。 36.FGFR1 α−エクソン プレmRNAに実質的に相補的であり、かつこ れに結合する、請求項35に記載のオリゴマー。 37.配列番号1及び15〜17から選択される配列を有する、請求項35に記 載のオリゴマー。 38.ホスホロチオエートオリゴマーである、請求項37に記載のオリゴマー。 39.神経膠腫細胞又は腫瘍膠芽細胞腫細胞の、増殖の阻害若しくは減少又は細 胞死の誘発のための方法であって、該細胞又はその周辺を、細胞増殖を阻害し若 しくは減少させ又は細胞死を増加させるに効果的な量の、FGFR1タンパク質 の活性を他のFGFR1タンパク質の活性を実質的に損なうことなく選択的に阻 害又は抑制するような化合物と、接触させることを含んでなる方法。 40.該化合物がFGFR1 プレmRNAに実質的に相補的であり、かつこれ に結合するオリゴマーである、請求項39に記載の方法。
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