JPH08503081A - 画像形成性媒体及び画像形成法 - Google Patents

画像形成性媒体及び画像形成法

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Abstract

(57)【要約】 酸は、超強酸前駆体と色素との混合物を、該色素の不存在下では該超強酸前駆体を分解して対応する超強酸を形成する反応を引き起こさない第一の波長を有する化学線に露光させ、それによって該化学線の吸収と、該超強酸前駆体の一部の分解を引き起こし、同時に該色素から誘導されるプロトン化生成物を形成させ、次いで該混合物に第二波長を有する化学線を照射し、それによって残っている超強酸前駆体の一部を分解させ、同時に非緩衝化超強酸を形成させることによって生成させることができる。これらの照射に続いて、その画像形成性媒体を加熱し、同時にその超強酸を、熱分解して第二の酸を形成させることができる第二酸生成剤と混合するのが好ましい。ここで、該第二酸生成剤の熱分解は超強酸の存在によって触媒される。この酸生成法は超強酸又は第二の酸を、酸と接触すると色を変える酸感受性物質と接触させることによって画像を形成するのに用いることもできるし、或いはその超強酸は重合、解重合又は他の反応を開始させるのに用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 画像形成性媒体及び画像形成法 本発明は画像形成性媒体及び画像形成法に関する。 ある種の、常用の非ハロゲン化銀感光性組成物、例えばホトレジストは、光子 1個の吸収でその光子を吸収する分子を1個だけ分解させるように、本来的に感 光性である分子を含有している。しかし、そのような感光性組成物の感度には、 感光性分子が、放射線依存性でなく、かつ吸収される各光子につき複数の分子を 転化させる二次反応を開始させるならば、劇的な増加を達成することができる。 例えば、一次光化学反応で酸が生成するホトレジスト系が知られているが、この 酸は二次の放射線の影響を受けない反応において酸で変化を起こし易い基を取り 除くように働く。例えば、米国特許第−A−3,32,514号及び同第−A− 3,915,706号明細書、ライフマニス(Reichmanis)等のChem.Mater.、3(3) 、394(1991)「マイクロリソグラフィーの化学的増強機構(Ch emical Amplification Mechanism for Microlithography)」及びベリー(Berry )等のSPIE、1262、575(1990)「I−ライン及びG−ラインの 化学的に増強されたレジスト(Chemically Amplified Resists for I−line a nd G−line)」を参照されたい。また、米国特許第−A−5,084,371 号明細書には、フェノール・ノボラック重合体類の混合物から成る、水性アルカ リに可溶性又は分散性である水不溶性の結合剤と、アルカリ性現像剤における溶 解度が酸で増加される、少なくとも1個の酸開裂性基、更には放射線に暴露され ると強酸を生成する基も含有する有機化合物とを含有する放射線感受性の混合物 が記載される。 米国特許第−A−4,916,046号明細書には、シリレノールエーテル単 量体を使用しているポジの放射線感受性混合物と、それより製造される記録用媒 体が記載される。この米国特許では、また、放射線が照射されると酸が形成され 、又は除かれる放射線感受性組成物が広く議論されている。この米国特許によれ ば、そのような放射線感受性組成物には、有機溶媒可溶性の塩の形で一般に用い られ る、通常はテトラフルオロ硼酸、ヘキサフルオロ燐酸、ヘキサフルオロアンチモ ン酸及びヘキサフルオロ砒酸のような錯体の酸;ハロゲン化合物、特にトリアジ ン誘導体;トリクロロメチル基又はトリブロモメチル基を含有するオキサゾール 類、オキサジアゾール類、チアゾール類又は2−ピロン類;環に結合したハロゲ ン、好ましくは臭素を含有する芳香族化合物;チアゾールと2−ベンゾイルメチ レンナフトールとの組み合わせ;トリハロメチル化合物とN−フェニルアクリド ンとの混合物;α−ハロカルボキサミド類;並びにトリブロモメチルフェニルス ルホン類との沈積生成物としてのジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウ ム塩及びヨードニウム塩が含まれる。 上記のホスホニウム塩、スルホニウム塩及びヨードニウム塩は紫外線に暴露さ れると分解して超強酸、即ちpKaが約0未満の酸を生成する超強酸前駆体であ る。他の物質も同じように分解して超強酸を生成する。しかし、これら超強酸前 駆体には全て分解に紫外乃至青の可視光線が必要とされる〔例えば、クリベッロ (Crivello)及びラム(Lam)のJ.Polymer Sci.、16、2441(1978 )の「色素で増感された光開始カチオン重合(Dye−Sensitized Photoinitiated Cation Polymerization)」を参照されたい〕。この放射線の必要は高解像度の 画像を生成させる(この画像はレーザー画像形成法で最も好適に生成される)こ とが望まれるときには不利である。現在の技術状態では、約700−1200nm の近赤外の波長で発光するダイオードレーザーで単位コスト当たりに最高の出力 が得られる。約1000〜1200nmで発光する近赤外固体レーザーも画像形成 法において有用であるが、一方紫外線レーザーは高価である。従って、超強酸前 駆体含有媒体の画像形成を赤外レーザーを用いて達成できるようにする目的から 、超強酸前駆体をして赤外線に対して敏感にすることができるある種の方法を見 いだすことが望ましい。 種々の増感性色素が、超強酸前駆体が増感性色素の非存在下では感光しない波 長に対する露光時にその超強酸前駆体の分解を触媒することができることは既に 知られている。残念ながら、超強酸のpKaが極めて低いことの結果として超強 酸アニオンをプロトン化することが難しいために、増感性色素は超強酸によりプ ロトン化されてしまい、そのため媒体中には非緩衝化超強酸(unbuffered superacid)は生成されない(即ち、増感性色素は生成した超強酸を緩衝する) 。非緩衝化超強酸は媒体の中に放出されないので、これらの方法は、前記の特許 明細書に記載されるように、多くのホトレジストに使用される反応のような、非 緩衝化強酸の存在を必要とする二次反応を開始させるのには用いることができな い。 (本明細書では、“非緩衝化超強酸”なる用語は増感性色素で緩衝されていな い、従って緩衝されている超強酸、即ち増感性色素により緩衝されている超強酸 により与えられる酸性化合物より強い酸性化合物を与える超強酸を意味すべく用 いられる。超強酸の極めて高い酸度とその結果として必然的に伴われる、通常塩 基とは見なされない化合物でもプロトン化してしまう傾向の故に、“非緩衝化超 強酸”は、実際、増感性色素より塩基性が低い画像形成性媒体のある種の成分に より緩衝された化合物として存在することが可能で、かつそれは全く確からしい 。しかし、他の化合物によるそのような緩衝作用は、超強酸が増感性色素により 緩衝されている超強酸によって与えられる酸性化合物より強い酸性化合物として 存在する限りは、本発明の目的に関しては無視されるだろう。) 本発明は超強酸前駆体とその超強酸アニオンよりも容易にプロトン化される増 感性色素を含有する媒体をして、その中に非緩衝化超強酸を生成させるように、 その超強酸前駆体は感光しない周波数の放射線により画像を形成するのを可能に する、酸の生成法を提供するものである。媒体に酸感受性物質を含めることによ って、この方法は画像の形成に用いることができるようになる。 従って、本発明は超強酸前駆体を含んで成る画像形成性媒体を提供するもので ある。この媒体は: 第一の波長を有する化学線を吸収することができる色素; 第一波長より短い第二の波長を有する化学線により分解されて超強酸を形成す るが、その色素の非存在下では第一波長の化学線によっては分解されない超強酸 前駆体、ここで超強酸前駆体の分解により生成する超強酸は上記色素から誘導さ れるプロトン化生成物を形成することができるものである;及び 熱分解されて第二の酸を形成することができる第二の酸生成剤、ここで第二酸 生成剤の熱分解は上記超強酸の存在下で触媒されるものである; を更に含むことを特徴とする。 本発明は、また、超強酸前駆体と、色素の非存在下ではその超強酸前駆体を分 解して対応する超強酸を形成する反応を引き起こさない第一の波長を有する化学 線を吸収することができるそのような色素との混合物を含有する媒体を用意する ことから成る非緩衝化超強酸の生成法にして、その超強酸前駆体が第一波長より 短い第二の波長を有する化学線により分解され得るものである、上記方法を提供 する。この方法は、その媒体に第一波長を有する化学線を照射してその化学線を 吸収させ、かつ超強酸前駆体の一部を分解させ、同時に非緩衝化超強酸は形成さ せないが、色素から誘導されるプロトン化生成物を形成させ、その後にその媒体 に第二波長を有する化学線を照射して残りの超強酸前駆体の一部を分解させ、同 時に非緩衝化超強酸を形成させることを特徴とするものである。 この方法の1つの好ましい態様において、媒体はその一部だけが第一波長を有 する化学線で照射されるが、媒体のより大きな部分が、第一波長と第二波長の両 波長の化学線に露光された媒体のその部分には非緩衝化超強酸は生成されるが、 第二波長の化学線に露光されるが、第一波長の放射線には露光されない媒体のそ の部分には非緩衝化超強酸は生成されないように、第二波長の化学線で照射され る。媒体は生成した非緩衝化超強酸が画像を形成するように第一波長の化学線に 像様露光されるのが望ましい。 最後に、本発明は180〜400nmの範囲の波長を有する紫外線で分解されて 超強酸を形成することができる、700〜1200nmの範囲内の波長を有する赤 外線では分解されない超強酸前駆体を含んで成る画像形成性媒体を提供する。こ の媒体は700〜1200nmの範囲内の波長を有する赤外線を吸収することがで きる色素を更に含んでいることを特徴とする。 図IA〜IDは本発明の1つの好ましい方法の色々な段階中の画像形成性媒体 の露光域及び非露光域における酸濃度を示すものであり; 図2は後記の式Iのスクアル酸(squaric acid)誘導体の合成を示すものであ り;そして 図3は本発明の画像形成性媒体が本発明の画像形成プロセス中に一対の熱ロー ラー間を通過しつつあるときのその画像形成性媒体の模式的断面図である。 既に述べたように、本発明の方法は超強酸前駆体と色素との混合物を含有する 媒体を用いるものである。色素(以後においては、増感性色素と称されることも ある)はこの増感性色素の非存在下では超強酸前駆体の、それに対応する超強酸 を形成する分解反応を引き起こさない第一波長を有する化学線を吸収することが できるものである。第一波長は、典型的には、約700〜約1200nmの範囲に あり、従ってその増感性色素は近赤外増感性色素である。また、超強酸前駆体は 第一波長より短い第二波長を有する化学線により分解することができるものであ る。この第二波長は、典型的には、約400〜約180nmの範囲にあり、そのた めこの第二波長の化学線は紫外線源(例えば、水銀アーク灯)によって好適に供 給することができる。これらの紫外線源は容易に入手することができ、当業者に はよく知られているものである。 超強酸前駆体をよく知る当業者に周知のように、超強酸前駆体は、紫外線、そ の他の化学線を照射するとその超強酸前駆体を分解して超強酸を生成させるのを 可能にする前駆体増感剤、典型的には多環式炭化水素、例えばピレンの存在を必 要とする。従って、本明細書で超強酸と称されるものは、超強酸前駆体がそのよ うな前駆体増感剤の存在を必要とするものである場合には、その超強酸前駆体と 前駆体増感剤との混合物を指すものと解すべきである。 媒体には、まず、第一波長を有する化学線が照射され、それによって化学線の 吸収と超強酸前駆体の一部の分解が引き起こされ、それに伴って色素に由来する プロトン化生成物が形成される。その後に、媒体には第二波長を有する化学線が 照射され、それによって残りの超強酸前駆体が一部分解され、それに伴って非緩 衝化超強酸が形成される。 本発明の目的は、後記において説明される種々の目的に使用することができる 非緩衝化超強酸を生成させることであるから、本発明の方法は本質的に無水の条 件下で実施するのが極めて望ましい。化学者のよく知るところであるように、1 当量より多い水の存在下で存在し得る最も強力な酸性化合物はヒドロキソニウム (ヒドロニウム)イオン・〔H3O〕+である。従って、本発明の方法が実施され る媒体が水を含有するならば、本発明の方法で生成される超強酸の少なくとも一 部は簡単にヒドロキソニウムイオンを生成させるだろう。しかし、水の非存在下 では、超強酸はヒドロキソニウムイオンよりもはるかに強い酸性化合物を生成 させる。後記において詳細に説明されるように、この酸性化合物は、ヒドロキソ ニウムイオンが、例えば種々の第二酸生成剤の酸−触媒分解には使用できない目 的に対して使用することができる。本発明の方法は、典型的には、高分子結合剤 中に分散された超強酸前駆体と色素とを用いて実施される。そのような結合剤は 本発明の方法に本質的に無水の環境を提供するように容易に選ぶことができる。 本発明の方法を実施するためには、第一波長を有する化学線を吸収した増感性 色素が超強酸前駆体の分解を開始させることができることが必要である。当業者 に周知のように、そのような開始を起こさせるには、増感性色素と超強酸前駆体 を、その増感性色素の励起状態がその超強酸前駆体を還元することができるよう に選ぶことが必要である。増感性色素と超強酸前駆体との適切な対は経験に基づ いて選ぶことができるが、ただし必要な経験上の試験量を少なくするためにレー ム−ウエラーの式(Rehm−Weller Equation))の使用等、当業者がよく知る方 法を使用することができる。 既に記したように、本発明の方法の1つの好ましい態様においては、第一と第 二の両波長の化学線に露光された媒体部分に非緩衝化超強酸が生成されるが、第 二波長の化学線に露光されているが、第一波長の化学線には露光されていない媒 体部分には非緩衝化超強酸は生成されないように、媒体の一部だけに第一波長の 化学線が照射され、媒体のもっと大きい部分には第二波長の化学線が照射される 。媒体は、その露光域に生成した非緩衝化超強酸が酸の状態の潜“像”を形成す るように、第一波長の化学線に像様露光されるのが望ましい。この潜像は人間の 肉眼では必ずしも見ることはできないが、後記のように目に見える画像か、そう でなくても有用な画像(例えば、印刷板)に転化することができるものである。 本発明の方法で生成せしめられた超強酸は、これを用いて従来法で生成せしめ られた超強酸を用いて従来行われた諸反応のいずれをも行うことができる。例え ば、本発明の画像形成性媒体は非緩衝化超強酸の存在下で重合する単量体又はオ リゴマーを含んでいることができる。このような媒体を本発明の方法で像様露光 する場合、第一と第二の両波長の化学線に露光された媒体部分ではその単量体又 はオリゴマーは重合するが、第一波長の化学線に露光されなかった媒体部分では 単量体は実質的に重合しない状態で残っている。別の態様では、本発明の画像形 成性媒体は非緩衝化超強酸の存在下で解重合を起こす重合体を含んでいることが できる。そのような媒体が本発明の方法で像様露光されると、第一と第二の両波 長の化学線に露光された媒体部分ではその重合体が解重合を起こすが、第一波長 の化学線に露光されなかった媒体部分では重合体は実質的に重合した状態で残っ ている。画像形成性媒体は、また、溶媒中溶解度が非緩衝化超強酸の存在下で変 化する重合体を含んでいることもできる。媒体を第一及び第二の両波長の化学線 に露光させた後、それに続いて媒体をその溶媒で処理すると、それによって媒体 の露光域と非露光域(即ち、それぞれ、第一波長の化学線に露光された領域と露 光されなかった領域)の一方から重合体が除去されるが、これら領域の他方から は重合体は除去されない。かくして、これらタイプの画像形成性媒体はいずれも ホトレジストとして作用することができる。 本発明の画像形成性媒体の更に他の態様のものは、ある材料に対する接着力が 非緩衝化超強酸の存在下で変化する重合体を含んで成る。媒体を第一及び第二の 両波長の化学線に露光させた後、それに続いて重合体をその材料と接触させると 、その結果として媒体の露光域と非露光域のどちらかがその材料に接着し、一方 これら両領域の他方は接着しないようになる。例えば、本発明の画像形成性媒体 は画像形成性成分(即ち、超強酸前駆体、増感性色素及び重合体)を含有してい る層(1層又は複数層)の1つの面と接触している基板と画像形成性成分を含有 している層(1層又は複数層)の反対側にトップコートを含んで成ることができ る。重合体は、(例えば)その重合体が非緩衝化超強酸に対する露光前はより強 く接着するが、それに対して非緩衝化超強酸に対する露光後では重合体が基板に 対してトップコートに対するより強くは接着しないように選ばれる。第一及び第 二の両波長の化学線に対して媒体を像様露光させ、そして場合によっては加熱し た後、基板とトップコートとはお互いから剥ぎ取られる。非露光域では、重合体 はトップコートに対してより基板に対して一層接着性となっているため、基板と 一緒になっているが、これに対して露光域では、重合体の基板に対する接着力が トップコートに対するそれより強くなく、従ってトップコートと一緒になってい る。かくして、剥離すると、重合体含有層は破壊され、非露光部分が基板上に残 り、露光部分がトップコートと共に除去される。 別の態様として、重合体が露光後に接触せしめられる材料は微粉材料、例えば トナー粉末(toning powder)であることができる。このタイプの画像形成性媒 体は露光前は本質的に非粘着性であるが、露光後に粘着性となる重合体を含んで 成ることができる。露光後、トナー粉末は画像形成性媒体の上に広げられるが、 それは重合体の露光域にだけ接着する。次いで、過剰のトナー粉末が、例えば画 像形成性媒体に空気を横断、吹き付けることによって除去され、かくして画像形 成性媒体の露光域にのみ接着しているトナー粉末によって形成された可視画像が 残る。 本発明のもう1つのタイプの画像形成性媒体において、本発明の方法により媒 体中に生成せしめられた酸の量は第二波長の化学線による照射に続いてその媒体 を加熱することによって増加せしめられ、一方その超強酸は超強酸の触媒作用に より分解して第二の酸を形成することができる第二酸生成剤と混合される。ここ で、その酸生成剤の熱分解は超強酸の存在下で触媒される。このような画像形成 性媒体が第一波長の化学線に像様露光されると、第一波長の化学線により照射さ れた媒体部分において超強酸は第二酸生成剤の分解を触媒し、かくして第二の酸 が形成され、これに対して第一波長の化学線が照射されなかった媒体部分は第二 の酸を本質的に含んでいない状態のままになっている。 本発明の1つの好ましい画像形成性媒体の露光域及び非露光域で起こる化学変 化を以下の表1に、一方露光域と非露光域における酸濃度の対応する変化を図1 A〜IDに示す。 表1に示されるように、露光前は露光及び未露光の両領域は、ある量(簡単に するため表1には1モルとして示される;表1に関し、モル数と表示されるもの は全て画像形成性媒体の単位面積当たりのモル数を意味する)の赤外増感性色素 、より大モル量(5モルのPh2I+PF6 -が表1に示される;ピレンのような前駆体 増感剤も適当な量で媒体に含められるが、この量は表1には示されていない)の 超強酸前駆体及び更に大モル量(10モルが表1に示される)の第二酸生成剤を 含んで成る。 画像形成性媒体には、まず、増感性色素で吸収される周波数の赤外線が像様で 照射される。適用赤外線量は赤外増感性色素をして超強酸前駆体の1モル未満( 表1及び図1では説明のために0.75モルが用いられている)の分解を生じさ せるのに十分な量である。赤外線に露光された画像形成性媒体の領域(以後、“ 露光域”と称される)では、赤外線を吸収すると、増感性色素が電子を超強酸前 駆体に移動させ、その超強酸前駆体はそのとき崩壊してフェニル基と沃化フェニ ルを生成させる。超強酸前駆体のこの崩壊に続いて起こる二次反応は現在のとこ ろ完全には分かっていないけれども、更なる反応のための1つの道筋は、増感性 色素に由来するラジカルカチオンと超強酸前駆体に由来するフェニル基との結合 と、それに続く、増感性色素からプロトンが奪われて、増感性色素から誘導され る、表1では“Ph−〔色素−H〕+と称されるプロトン化化合物の形成である 。その際の電荷のバランスは超強酸前駆体に由来するアニオンによって果たされ る。各増感性色素分子は1個の電子のみを移動させ、従って1個のプロトンを生 成させ、その後にプロトン化化合物に転化されるが、このプロトン化化合物は電 子移動反応を行わない。従って、各増感性色素分子は失活される前は1分子の超 強酸前駆体だけを分解させるから、その増感性色素は元々存在していた増感性色 素のモル量より多いモル量の超強酸前駆体の分解を生じさせず、よって生成した 超強酸はその色素によって完全に緩衝化される。従って、赤外線の露光が行われ た後では、露光域に非緩衝化超強酸は存在しない。この段階では、露光域の第二 酸生成剤は変化せずにそのままの状態になっている。非露光域では、赤外線の照 射で画像形成性媒体の成分のいずれにおいても変化はもたらされない。 図1Aに画像形成プロセスの第一工程が行われた後の露光域と非露光域におけ る酸濃度が模式的に示されている。この図1Aにおいて、酸濃度は媒体を横断す る線に沿ってプロットされている。この媒体において、区域BCは露光域にあり 、一方区域ABとCDは非露光域にある。図1Aに示されるように、この方法の 第一工程が行われた後では、酸は非露光域AB及びCDには存在せず、一方露光 域BCに存在する酸のレベルは閾値レベルTより下にあるが、これは増感性色素 によって緩衝することができる酸のレベルに相当する。区域BCの酸レベルは、 理論的には、0.75Tであるべきである。従って、既に述べたように、露光域 BCに存在する酸は全て増感性色素で緩衝され、そして画像形成性媒体は0.7 5モルのPH−〔色素−H〕+を含有するが、非緩衝化超強酸は含有しない。 画像形成プロセスの次の段階で、画像形成性媒体全体には、超強酸前駆体を分 解させ、同時に非緩衝化超強酸を生成させるのに有効な紫外線が照射される。紫 外線の照射量は非露光媒体中に存在する色素のモル量より少ないモル量の超強酸 が生成せしめられるように選ばれ、これは表1には0.75モルの超強酸を生成 させるのに十分な量として示されている。表1及び図1Bに説明されているよう に、画像形成性媒体の露光域BC(即ち、赤外線に露光された領域)においては 、紫外線による露光で生成した追加の超強酸0.75モルと赤外線による露光で 生成した超強酸0.75モルとの合計は閾値レベルTを越えており、従ってそれ は存在する増感性色素を全てプロトン化し、追加の超強酸を非緩衝化形態にして 置く。(説明のために、図1Bには赤外線露光と紫外線露光で別個に生成した酸 が示されるが、化学的には、勿論、それらの間に差はない。)他方、非露光域A B及びCDにおいては、紫外線露光で生成した超強酸は0.75モルしか存在せ ず、酸濃度は閾値レベルTより低いままであり、そして生成した超強酸は全て増 感性色素により緩衝され、そのため紫外線照射が行われた後では非緩衝化超強酸 は存在しない。(表1に示されるように、非露光域ABとCD中の増感性色素と 超強酸前駆体とにより紫外線照射中に形成された緩衝化された錯体は赤外線照射 中に露光域BCに生成した緩衝化された錯体とは異なる。紫外線照射中は、超強 酸前駆体は、典型的には、フェニル基を色素にではなく前駆体増感剤(非塩基性 であるのが効果的である)に移動させ、そのためプロトンだけが赤外増感性色素 に存在することになる。しかし、これら2種の緩衝化錯体間のこの相違は、両錯 体が 共に超強酸を効率的に緩衝するから、本発明の方法には影響を及ぼさない。) かくして、ブランケット式紫外線照射(blanket ultraviolet irradiation) の終点では、露光域に非緩衝化超強酸が存在し、これに対して非露光域には非緩 衝化超強酸は存在せず、生成した超強酸は全て増感性色素によって緩衝されてい る。 本発明の工程は既に説明されたこれら2つの工程だけであることができる。も し、例えば、本発明の方法を単量体又はオリゴマーを重合させるか、又は重合体 を解重合させるために使用しようとするならば、図1Bの領域BCに生成した非 緩衝化超強酸を目的の重合又は解重合を行うのに直接利用することができる。理 解されるだろうように、このような重合又は解重合においては、第二酸生成剤を 画像形成性媒体から省くことが可能である。 しかし、本発明の1つの好ましい方法では、画像形成性媒体は次いで加熱され る。露光域BCにおいては、存在する非緩衝化超強酸が第二酸生成剤の分解を触 媒し、それによって第二の酸が大量に生成する(表1には例として10モルが示 されている;図1Cの尺度は厳密なものではない)。しかし、非露光域AB及び CDには非緩衝化超強酸は存在せず、色素−超強酸錯体は第二酸生成剤の分解を 触媒しないため、第二酸生成剤の分解は本質的に起こらず、従って第二の酸も本 質的に生成しない。 以下において更に詳細に議論されるこの好ましい方法の最終工程では、画像形 成性媒体にある量の塩基が導人される。表1には1.5モルの塩基が示されてい る。この塩基添加の効果は、図1Dに箱Uで示されるように、画像形成性媒体全 体を通じて酸のレベルを低下させることにある。この塩基の添加は、もし加熱工 程中に第二酸生成剤について少量の、触媒作用によらない熱分解が非露光域AB 及びCDに起こるならば、その結果生成する少量の第二の酸が、以下において更 に詳しく説明されるように、その第二の酸が酸感受性物質に変化をもたらし得る 前に、塩基で確実に中和されるように作用する。塩基の添加は露光域BCに存在 する遊離酸の量を低下させるけれども、第二の酸が露光域BCに酸感受性物質に 影響を及ぼすに十分な量以上の量で残っているので、上記酸量の低下は有意量で はない。非露光域AB及びCDに対する塩基の添加はこれら露光域に余分の塩基 を残し、従ってそれは、もし超強酸前駆体の少量の分解が本発明の方法が完了し た後に起こるならば、生成した少量の超強酸がその塩基により確実に中和され、 しかしてこれら非露光域に存在する酸感受性物質に影響を及ぼさないように作用 する。 以上の説明から、露光域においては、超強酸が第二酸生成剤の分解を触媒し、 そのため存在する第二の酸の最終的な量は超強酸前駆体に作用を及ぼす化学線に より直接生成せしめられる超強酸の量より実質的に多いことが分かるだろう。但 し、第二の酸は、勿論、典型的には、超強酸より弱い酸である。第二酸生成剤に よる超強酸のこの“化学的増強”は吸収される放射線のアインシュタイン当たり の生成酸モル数を増加させ、しかしてまた本発明によって作られる画像のコント ラストを超強酸前駆体により超強酸を単に生成させる場合と比較して強める。実 際には、適正な条件下では、紫外線の照射が行われた後に露光域に存在する非緩 衝化超強酸の各モルにつき少なくとも20モルの第二の酸が遊離され得ることが 見いだされている。 本発明の利点の1つは、少なくとも本発明の多数の好ましい態様においては、 画像形成性媒体が輸送中又は貯蔵中に外囲の赤外線又は紫外線に露光される結果 として、或いは超強酸前駆体と増感性色素の組み合わせが長期間貯蔵されている うちにゆっくり分解されて行くことが原因となって、その画像形成性媒体を使用 する前に起こる可能性があるだろう超強酸前駆体の早期の分解を補償することが 可能なことである。大部分の赤外増感性色素に関しては、その増感性色素に由来 するプロトン化生成物は非プロトン化増感性色素とは著しく異なる波長を吸収す るため、赤外線の適切な波長における吸収を測定することによって非プロトン化 色素とプロトン化生成物との間に区別を付けることが可能となる。赤外線と紫外 線の照射量は、超強酸前駆体が画像形成性媒体の使用前に一部分解しても本発明 の方法が適正、確実に働くように調整することができる。 例えば、純粋に説明のためだけの極端なケースを考えるために、表1に示され る画像形成性媒体が貯蔵及び輸送中に大量の赤外線に露光され、かつ赤外増感性 色素の半分が使用前に既にPh−〔色素−H〕+形に転化され、それに対応して 超強酸前駆体0.5モルが分解しており、その結果その媒体は初めにあらゆる領 域で増感性色素0.5モル、第二酸生成剤10モル、超強酸前駆体4.5モル及 びPh−〔色素−H〕+0.5モルを含有していると仮定する。赤外線の照射は 、赤外分析によるPh−〔色素−H〕+量の定量後に、露光域において超強酸前 駆体が色素により更に0.4モルだけ分解されるように調整することができる。 かくして、媒体は、赤外線照射後には、プロトン化生成物を露光域に0.9モル 、非露光域に0.5モル含有するようになる。 もしも前記で表1を参照して説明した紫外線照射工程において変化が起きてい ないとするならば、非露光域における0.75モルと言う酸の更なる生成は酸濃 度をして閾値レベルを越えさせ、そして第二酸生成剤は露光域及び非露光域の両 区域で分解してしまうだろうから、結果は惨憺たるものとなっているはずであろ う。従って、紫外線の照射は、赤外分析の結果に基づいて、酸が(例えば)0. 4モルだけ露光域と非露光域で分解するように調整される。従って、紫外線照射 後は、露光域は酸をその中に1.3モル(閾値レベルより0.3モル高い)、非 露光域に0.9モル(閾値よりなお低い)含有する。露光域における非緩衝化超 強酸量のわずかの低下(0.3モル対表1の0.5モル)は加熱工程の結果に有 意の影響を及ぼさず、画像形成プロセスの総合的結果は不変である。 同様の理由から、本発明の方法は、また、赤外線における変動、例えばレーザ ー出力の変化が原因となった変動、画像形成ビームを形成するのに用いられるレ ーザーダイオードの配列における個々のレーザー間の変動、レーザー装置におけ るタイミングの誤り等に対する感受性が比較的低い。例えば、表1に示される方 法では、赤外線の照射は0.75モルの超強酸前駆体を分解させる。もし、画像 形成性媒体に発せられる赤外線が±20%変動すれば、ある露光域は0.6モル の超強酸前駆体の分解を受け、一方他の露光域は0.9モルの分解を受けること になる。紫外線照射後では、露光域中の非緩衝化超強酸濃度は0.15モルから 0.6モルまで変動することになる。実際には、非緩衝化超強酸濃度のこの変動 範囲の最終画像に及ぼす影響は、加熱工程を適切に制御することで最小限に抑え られる。 公知の超強酸前駆体、例えばジアゾニウム、ホスホニウム、スルホニウム及び ヨードニウムの各化合物がどれでも本発明において使用することができるが、ヨ ードニウム化合物が好ましい。特に好ましい超強酸前駆体はジフェニルヨードニ ウム塩類、特に(4−オクチルオキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフ ルオロホスフエート及び同ヘキサフルオロアンチモネート、並びにビス(n−ド デシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートである。 超強酸前駆体の、超強酸の生成を伴う分解を増感し得る赤外増感性色素がいず れも本発明の方法で使用することができる。赤外増感性色素はスクアリリウム( squarylium)色素であるのが好ましい。スクアリリウム色素は高赤外線吸光係数 を有し、一重項励起状態の寿命が長く(これは本発明の方法が依存する電子移動 反応を助ける)、高分子フィルム中で凝集する傾向をほとんど示さず、そして可 視光の吸収が少ないと言う傾向があるからである。本発明の方法において有用な 赤外増感性色素の例は次の通りである: a.式: Q1=Z−Q2 を有する化合物の内部塩から成る色素:但し、上記の式において Q1は4−(ベンズ〔b〕−4H−ピリリウム)メチリデン、4−(ベンズ〔 b〕−4H−チオピリリウム)メチリデン又は4−(ベンズ〔b〕−4H−セレ ノピリリウム)メチリデンの各基であり; Zは1,3−(2−ヒドロキシ−4−オキソ−2−シクロブチリデン)ヒドロ キシド環又は1,3−(2−ヒドロキシ−4,5−ジオキソ−2−シクロペンチ リデン)ヒドロキシド環であり;そして Q2は4−(ベンズ〔b〕−4H−ピラン−4−イリデン)メチル、4−(ベ ンズ〔b〕−4H−チオピラン−4−イリデン)メチル又は4−(ベンズ〔b〕 −4H−セレノピラン−4−イリデン)メチルの各基であり:ここで 基Q1及びQ2の少なくとも一方はその2−位に、そのベンズピリリウム核、ベ ンズチオピリリウム核又はベンズセレノピリリウム核に非芳香族の炭素原子が直 接結合されている置換基を有するが、ただしその2−置換基が芳香核を含有して いるときは、この芳香核はそれが結合しているベンズピリリウム核、ベンズチオ ピリリウム核又はベンズセレノピリリウム核とは共役していないものとする(国 際出願第PCT/US91/08695号、国際公開第WO92/09661号 明細書を参照されたい); b.式: を有するスクアリリウム化合物:但し、上記の式において Q1及びQ2は、各々、スクアリリウム環と共役している不飽和系を有し、そし て式Q1CH2R1及びQ2CH2R2の化合物においてメチレン基の水素が活性水素となって いるそのような発色団基であり、 R1及びR2は各々独立に水素原子又は脂肪族若しくは脂環式の基であり、そし て R3及びR4は各々独立に水素原子、又は脂肪族、脂環式、芳香族若しくは複素 環式の基であるか、又はR3とR4の一方が水素原子で、他方が有機スルホニル基 であるか、或いはR3とR4とが介在する窒素原子と共に脂環式又は芳香族の環を 形成しているものである(米国特許第−A−5,227,498号及び対応する 国際出願第PCT/US92/09992号、国際公開第WO93/09956 号明細書を参照されたい);及び c.式: を有するスクアリリウム化合物:但し、上記の式において Q1及びQ2は、各々、スクアリリウム環と共役している不飽和系を有し、そし て式Q1CH2R1及びQ2CH2R2の化合物においてメチレン基の水素が活性水素となって いるそのような発色団基であり、 R1及びR2は各々独立に水素原子又は脂肪族若しくは脂環式の基であり、そし て R3、R4及びR5は各々独立に水素原子、又は脂肪族、脂環式、芳香族若しく は複素環式の基であるか、或いは電子引き抜き性基にして、それが結合されてい る炭素原子において電子密度を低下させ得るそのような電子引き抜き性基である が、但し R3、R4及びR5の内の2個はそれら2つの基が結合されている炭素原子に1 個の原子が二重結合で結合している二価の基を形成していてもよく、又はR3、 R4及びR5の3個全てがそれら3個の基が結合されている炭素原子に1個の原子 が三重結合で結合されている三価の基を形成していてもよく、或いは R3、R4及びR5の内の2個がそれらが結合されている炭素原子と共に環を形 成していてもよく、又はR3、R4及びR5の3個全てがそれらが結合されている 炭素原子と共に不飽和環を形成していてもよい(米国特許第−A−5,227, 498号及び対応する国際出願第PCT/US92/09992号、国際公開第 WO93/09956号明細書を参照されたい)。 超強酸の触媒分解により第二の酸を与えることができるものであればいかなる 第二酸生成剤も本発明の方法で使用することができる。第二酸生成剤の1つの好 ましい群は、スクアル酸又はその酸性誘導体を生成させることができる3,4− ジ置換−シクロブテ−3−エン−1,2ジオン類(以後、便宜上、“スクアル酸 誘導体”と称する)である。スクアル酸とその酸性誘導体は酸−感受性物質に色 変化又は他の効果(例えば、重合反応又は解重合反応)をもたらすことに十分適 合した強酸であるからである。特に好ましいスクアル酸誘導体は、スクアル酸環 に酸素原子を介してアルキル若しくはアルキレン基、部分的に水素化されたアリ ール若しくはアリーレン基、又はアラルキル基が結合されているものである。こ れらスクアル酸誘導体の酸−触媒分解は、その誘導体が本来持っているアルコキ シ、アルキレンオキシ、アリールオキシ、アリーレンオキシ又はアラルキルオキ シ基のヒドロキシル基による置換を引き起こして、1個のヒドロキシル基を有す るスクアル酸又はその酸性スクアル酸誘導体を生成させる。 本発明の方法において、スクアル酸又はその酸性誘導体が形成される正確な機 構は使用されるスクアル酸誘導体のタイプに依存して変わることがある。ある場 合、例えばジ−t−ブチルスクアレートの場合は、スクアル酸環に酸素原子を介 して結合した一方の基又は両基は熱分解してアルケン又はアレンを生成させ、そ れによってアルコキシ基又はアリールオキシ基がヒドロキシル基に転化され、そ のスクアル酸又はその酸性誘導体が形成される。他の場合、例えば3−アミノ− 4−(p−ビニルベンジルオキシ)シクロブテ−3−エン−1,2−ジオンの場 合は、対応するアルケン又はアレンの生成機構は明白でないが、酸の生成機構は ビニルベンジルカルボカチオン又は同様の基の、その分子内の異なる位置(多分 、アミノ基)への転移反応と、残っている酸素原子の上記カルボカチオン又は同 様の基が転移する位置における、ヒドロキシル基を形成するプロトン化反応であ ると思われる。また他の場合は、これら経路のどれも可能ではない。しかし、い ずれの場合も、正味の効果は元の誘導体に存在するアルコキシ、アルキレンオキ シ、アリールオキシ、アリーレンオキシ又はアラルキルオキシ基のスクアル酸又 はその酸性誘導体を形成するヒドロキシル基による置換である。 有機化学の当業者であれば、本発明の方法における使用に好ましいスクアル酸 誘導体の熱分解の受け易さは、分解プロセス中にそのエステル基から生成される カチオンの安定性に関係することは分かるはずである。特定のカチオンの安定性 は立体因子を含めて、ある特定のエステルに特有であろう種々の因子によって影 響され得るけれども、本発明の方法における使用に好ましいスクアル酸エステル は、一般に、次の通りであると言うことができる: (a)α−炭素原子(即ち、スクアレート環の−O−原子に直接結合した炭素 原子)が非塩基性のカチオン−安定化性基を有しているスクアル酸の第一及び第 二エステル。このカチオン−安定化性基は、例えばsp2又はsp混成−炭素原 子であってもよいし、或いは酸素原子であってもよい; (b)α−炭素原子がこの炭素原子に直接結合しているsp2又はsp混成− 炭素原子を有していないスクアル酸の第三エステル;及び (c)α−炭素原子がこの炭素原子に直接結合しているsp2又はsp混成− 炭素原子を有しているスクアル酸の第三エステルであるが、但しこのsp2又は sp混成−炭素原子(又は1個より多いsp2又はsp混成−炭素原子がα−炭 素原子に直接結合しているならば、それらsp2またはsp混成−炭素原子の少 なくとも1個)が電子引き抜き性基と共役している、そのような第三エステル。 熱分解後に1個のヒドロキシル基を生成させるために前記タイプのエステル基 の1個がスクアル酸誘導体の中に存在すると言う条件で、もしスクアル酸の他の ヒドロキシル基が熱分解を妨害しないならば、上記の他の基の代わりに存在する 基には重要性がほとんどないことは習熟した有機化学者には明白であろう。この 他の基に考え得る可能な広範な変更には、実際、この基はその誘導体の他の性質 、例えば画像形成性媒体の他の成分との相容性、又は画像形成性媒体の調製に当 たって使用される被覆溶液を形成するのに使用される溶媒中における溶解性を制 御するために変更することができると言う利点がある。 本発明の方法に有用なスクアル酸誘導体の例に次のものがある: (a)式: を有するもの:但し、上記の式においてR1はアルキル基、部分的に水素化され た芳香族基又はアラルキル基であり、そしてR2は水素原子又はアルキル、シク ロアルキル、アラルキル、アリール、アミノ、アシルアミノ、アルキルアミノ、 ジアルキルアミノ、アルキルチオ、アルキルセレロ、ジアルキルホスフィノ、ジ アルキルホスホキシ若しくはトリアルキルシリル基であるが、但し基R1及びR2 のいずれか一方又は両方はポリマーに結合していてもよい。式Iの誘導体の内で は、(a)R1が合計で約20個以下の炭素原子を有する非置換若しくはフェニ ル置換アルキル基であり、そしてR2が約20個以下の炭素原子を有するアルキ ル基、又はフェニル基(置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい) であるもの、及び(b)R1がベンジル基であり、そしてR2がアミノ基であるも のが特に好ましい群である。 (b)式: を有するもの:但し、上記の式においてR1及びR3は各々アルキル基、部分的に 水素化されたアリール基、又はアラルキル基であるが、但し基R1及びR3のいず れか一方又は両方はポリマーに結合していてもよい。式IIの誘導体の内では、 R1及びR3が各々独立に合計で約20個以下の炭素原子を有する非置換若しくは フェニル置換アルキル基であるものが特に好ましい群である。式IIの特定の好ま しい化合物はR1及びR3が各々第三ブチル基、ベンジル基、α−メチルベンジル 基又はシクロヘキシル基であるもの、即ちジ−第三ブチルスクアレート、ジベン ジルスクアレート、ビス(α−メチルベンジル)スクアレート及びジシクロヘキ シルスクアレートである。 (c)式: を有するもの:但し、上記の式においてnは0又は1であり、そしてR4はアル キレン基又は部分的に水素化されたアリーレン基である。式IIIの誘導体の内で は、nが1であり、そしてR4が炭素原子を約12個以下含有するアルキレン基 であるものが特に好ましい群である。 (d)式: で表される少なくとも1個の単位を有するもの:但し、上記の式においてnは0 又は1であり、そしてR5はアルキレン基又は部分的に水素化されたアリーレン 基である。これらの化合物は、その壊れ得る基R5に加えて、壊れ得ない基がス クアレート環に直接又は酸素原子を介して結合している1個又は2個以上の単位 を含んでいてもよい。 式IVのスクアル酸誘導体は、その特定の単位の少なくとも1個を含めて、高重 合体だけでなく、二量体、三量体、四量体等も含んでいる。式IVの誘導体に存在 する末端基は前記において式Iを参照して議論した基OR1又はR2のどれであっ てもよい。しかして、例えば、式IVは式: を有する二量体としてのスクアル酸誘導体を包含する。 式I及びIIのスクアル酸誘導体は通常単量体である。しかし、式I及びIIのこれ ら誘導体はそれらを、基R1、R2及びR3の少なくとも1個を重合体に結合させ ることによって重合体に組み込むことができる。このようにしてスクアル酸誘導 体を重合体に結合することは、それによって式I又はIIの単量体スクアル酸誘導 体と画像形成性媒体に必要とされる高分子結合剤との間に生ずるかもしれない非 相容性問題及び/又は相分離が避け得ると言う点で有利となるであろう。 基R1、R2及びR3の重合体に対する結合は重合体合成の当業者によく知られ た種々の方法で達成することができる。スクアル酸誘導体は重合体の主鎖に、例 えば前記式の二量体と同様の重合体の形で組み込むことができる。別法として、 スクアル酸誘導体は重合体の側鎖として存在することができる。例えば、基R1 、R2及びR3の1つはカルボキシル基又はその誘導体を含有する重合体と反応し て、スクアル酸誘導体をその重合体に側鎖として結合させると思われるアミド結 合を形成することができるアミノ基を含有していることができるか、又はこれら の基はスクアル酸誘導体をして単独又は他の不飽和単量体と混合して重合するの を可能にする不飽和結合を含有していることができる。 本発明の方法においては、一般的には、スクアル酸誘導体(又は他の第二酸生 成剤)の超強酸による触媒分解中にガスを実質的な量で生成させるのは望ましく ない。このようなガスはスクアル酸誘導体を含有する媒体を歪ませるか、又は媒 体に小孔を形成させる可能性があり、そのようは歪み又は小孔の形成が適正な画 像の形成を妨げる可能性があるからである。従って、もしスクアル酸誘導体の分 解でアルケンが生成せしめられるならば、基R1、R3、R4及びR5は、このアル ケンが20℃、好ましくはそれより高い温度で液体となるように選ばれるのが望 ましい。それは、超強酸による触媒分解中に必然的にアルケンの若干の加熱が起 こるからである。ある場合には、しかし、遊離したアルケンが、高度に揮発性の アルケンの遊離によっても媒体の歪み又は媒体に小孔の形成がもたらさないよう に、スクアル酸誘導体を含有する媒体に十分に可溶なことがある。 本発明の方法における使用に対してもう1つの好ましい第二酸生成剤の群は超 強酸による触媒分解を受けてしゅう酸又はその酸性誘導体、例えばしゅう酸ヘミ エステルを与えるしゅう酸誘導体である。しゅう酸及びその酸性誘導体はスクア ル酸及びその酸性誘導体のような強酸では全くないけれども、しゅう酸及びその 誘導体は本発明の方法において第二の酸が求められるほとんどの目的には十分に 強い酸である。さらに、しゅう酸誘導体は一般にスクアル酸誘導体よりも安価で ある。 本発明の方法における使用に好ましいしゅう酸誘導体のタイプはスクアル酸誘 導体とは構造がかなり相違し、従って特定の方法に対してしゅう酸誘導体をどう 選択するかはその正確な化学構造よりもしゅう酸誘導体の熱分解性によって多く 支配されるだろう。画像形成性媒体の他の成分が安全に露光される限られた温度 範囲と言ったような実際上の理由からは、一般に、しゅう酸誘導体は、窒素雰囲 気下、10℃/分の昇温率で示差走査測熱法で測定して140〜180℃の範囲 の温度において、触媒の非存在下で熱分解を始めるものであるのが好ましい。超 強酸触媒の存在は、しゅう酸誘導体の熱分解温度を少なくとも約20℃、そして 潜在的にはそれより相当大きい下げ幅で下げるから、触媒の非存在下、140〜 180℃で分解する誘導体は、超強酸の存在下では、画像形成性媒体の他の成分 が一般に露光され得る温度である約65℃もの低温で分解する。 しゅう酸誘導体の超強酸による触媒熱分解を受ける能力に影響を及ぼす因子は 、前記のスクアル酸誘導体の同反応を受ける能力に影響を及ぼす因子と同様であ り、しかして好ましいエステルの群はスクアル酸誘導体の場合と同タイプのもの である。従って、本発明の方法における使用に好ましいしゅう酸誘導体には次の ものが包含される: (a)α−炭素原子(即ち、オキサレート基の−O−原子に直接結合した炭素 原子)が非塩基性のカチオン−安定化性基を有するしゅう酸の第一及び第二エス テル。このカチオン−安定化性基は、例えばsp2又はsp混成−炭素原子であ ってもよいし、或いは酸素原子であってもよい; (b)α−炭素原子がこの炭素原子に直接結合しているsp2又はsp混成− 炭素原子を有していないしゅう酸の第三エステル: (c)α−炭素原子がこの炭素原子に直接結合しているsp2又はsp混成− 炭素原子を有しているしゅう酸の第三エステルであるが、但しこのsp2又はs p混成−炭素原子(又は1個より多いsp2又はsp混成−炭素原子がα−炭素 原子に直接結合されているならば、それらsp2又はsp混成−炭素原子の少な くとも1個)が電子引き抜き性基と共役している、そのような第三エステル; (d)上記のタイプ(a)、(b)又は(c)の少なくとも1種のエステル基 を含有すると言う条件で、アルコール2モルとジオールのビス(ヘミオキサレー ト)との縮合反応で形成されるエステル。このタイプのエステルの1例は次の なる構造を有するもので、これはメントール(2−メチルエチル−4−メチルシ クロヘキサノール)2モルと1,6−ビス(4−ヒドロキシメチルフェノキシ) ヘキサンのビス(ヘミオキサレート)1モルから形成されたものと見なすことが できる。このようなエステル中のジオールの中央残基の構造は広範囲にわたり変 えることができるから、これらエステルの溶解姓、その他の性質は画像形成性媒 体の他の成分との相容性に求められる通りに“調整する”ことができ、一方酸形 成熱分解反応を受ける末端基の性質は中央残基の性質とは無関係に変えることが できる。 (e)上記のタイプ(a)、(b)又は(c)の少なくとも1種のエステル基 を含有すると言う条件で、エチレン性不飽和基を有するしゅう酸エステルの重合 により誘導される高分子オキサレート。前記で議論したスクアル酸誘導体に関し てと同様に、単量体しゅう酸エステルよりは高分子オキサレートを使用する方が 、画像形成性媒体に必要とされる単量体誘導体と高分子結合剤との間に起こるか もしれない非相容性の問題及び/又は相分離が避けられるだろうと言う点で有利 であろう。高分子誘導体の使用は、また、画像形成前の貯蔵中にオキサレートが 画像形成性媒体中に拡散して行くのを抑制する傾向もある。高分子オキサレート は他の方法でも形成することができるけれども、現在のところはエステル基の1 つがエチレン性不飽和基を含むしゅう酸エステルをまず形成し、次いでこのエス テルを常用の遊離ラジカル重合開始剤、例えばアゾビス(イソブチロニトリル) (AIBN)を用いて重合することによってそのようなオキサレートを形成する 方が好ましい。エチレン性不飽和基はアクリレート基又はメタクリレート基であ るのが都合よく、一方単量体オキサレート中の他のエステル基は前記のタイプの いずれであってもよい。 (f)上記のタイプ(a)、(b)又は(c)の少なくとも1種のエステル基 を含有すると言う条件で、オキサレートの縮合重合体。この重合体のタイプも上 記(e)で議論した利点を有する。 既に述べたように、本発明の方法は酸が触媒作用を奏する化学反応(例えば、 重合反応又は解重合反応)を開始させる目的のような種々の目的に使用すること ができる。本発明の方法を加熱工程と同時に、又はその工程に続いて行われる画 像形成に用いる場合、第二の酸がその酸の存在下で色変化を起こす酸感受性物質 と接触せしめられる。(このような画像形成プロセスに伴われる“色変化”は目 に見える色の変化である必要はないことは分かるだろう。もし、例えば、本発明 の方法を用いて機械で読み取り可能にしようとする安全マークを得るならば、そ の“色変化”はそれを適切な機械読み取り装置で検出できるように1つの非可視 波長からもう1つの波長への吸収変化であることができるだろう。) 本発明の方法で用いられる酸感受性物質は第二の酸の存在下で色変化を受ける 任意の物質であることができる。しかして、前記の米国特許第−A−4,602 ,263号、同第−A−4,720,449号及び同第−A−4,826,97 6号明細書に開示される、同様に酸に対して感受性であるロイコ色素のような、 任意、常用のインジケーター色素を酸感受性物質として使用することができる。 本発明の媒体の第一波長を有する化学線(典型的には、赤外線)に対する露光 は、媒体を同タイプの放射線に露光するために通常使用される方法のいずれかで 行うことができる。場合によっては、適切な波長のレーザーを用いるのが便利で ある。レーザーの使用は透過信号、例えばデジタル化された情報に答えて画像パ ターンとしてのデーターを記録するのに便利な方法であるからである。 本発明のある画像形成性媒体(例えば、ホトレジストとしての使用のために意 図される、重合性の単量体若しくはオリゴマー又は解重合性の重合体を含有する もの)は、画像形成性媒体の全成分を含有する単一層のみから成っていることが できる。しかし、第二酸生成剤と酸感受性物質を含有する媒体は、加熱前は、酸 感受性物質が超強酸前駆体と第二酸生成剤とを含有する層又は相とは別個の層又 は相中に存在し、第二酸生成剤から第二の酸の生成が行われた後はそれら2つの 層又は相が混合されて酸感受性物質において色変化又は他の変化を達成するよう に、2つの別個の層又は相から成っているのが望ましい。 酸感受性物質と超強酸前駆体、増感性色素及び第二酸生成剤との混合は、原則 的には、第二の酸が第二酸生成剤から生成された後に行われるべきである。しか し、実際には、超強酸前駆体、増感性色素及び第二酸生成剤が2層系画像形成性 媒体の一方の層に存在し、酸感受性物質がその媒体の他方の層に存在している場 合は、これら2層は、それら拡散性成分の加熱時の混合、第二の酸の生成、同時 にそれら2層の混合が単一の加熱工程で遂行されるそのようなものである、第二 酸生成剤の超強酸による触媒分解は、典型的には、2層を混合することが重要に なる前に本質的に完了するからである。 2層構造体を使用する場合、その2層は画像形成前に互いに固着されている必 要はない。本発明の方法によって遂行される露光域における非緩衝化超強酸及び 第二の酸の生成は“永久的”化学変化であり、従って露光した媒体と酸感受性物 質との接触を実質的な時間遅らせることが可能である。(明白なように、過度の 遅れは超強酸又は第二の酸を媒体の露光域から非露光域に拡散させることによっ て生成される画像の質を落とすだろう。)従って、画像形成性媒体の2層は2回 目の照射後に一緒に積層させてもよい。しかし、画像形成前に一方の層を他方の 層の上に塗被するか、又は2つの層を一緒にして積層することによって2層を形 成するのが一般に最も都合がよい。こうして1枚の材料シートだけを画像形成プ ロセス中に取り扱わなければならないからである。2層の混合は早過ぎないよう に行うことが重要であるから、2層を支持体に連続的に塗被すべき場合は、一方 の層を水性媒体から、他方の層を非水性媒体から塗被するのが通常望ましい。典 型的には、超強酸前駆体を含有する層が有機溶液から塗被され、また酸感受性ロ イコ色素又は他の物質を含有する層が水性分散液から塗被される。 前記で表1及び図1を参照して既に述べたように、酸感受性物質は、加熱工程 に先立って、加熱中に第二酸生成剤により遊離される第二の酸を全て中和するに は不十分な量の塩基性物質と混合され、その結果第二酸生成剤により加熱中に遊 離される第二の酸が塩基性物質の全てを中和し、そしてその変化を達成するのに 十分な過剰の第二の酸を酸感受性物質の中に残す。この塩基性物質の提供は、例 えば長期の貯蔵中に超強酸前駆体/増感性色素の混合物がゆっくり分解して行く ことに起因する露光後に非露光域に生成するだろう少量の酸を“吸収する”のに 役立つ。塩基性物質は、明らかに、2回目の照射後であるが、加熱工程前に存在 する超強酸には接触せしめられ得ないから、酸感受性物質は超強酸前駆体と第二 酸生成剤を含有する層又は相とは別個の層又は相に存在し、そして第二の酸の生 成に続いて2つの層又は相を混合して酸感受性物質に変化を達成するのが望まし い。 本発明の画像形成性媒体は、超強酸前駆体、増感性色素、第二酸生成剤及び酸 感受性物質を含有する上記の2つの層又は相に加えて、支持体と追加の層、例え ば支持体に対する接着性を改善する下塗り層、多層画像形成性層を相互に分離す るための酸不透過性中間層、抗摩耗性トップコート層、その他の補助層を含んで いることができる。 使用される支持体は透明でも不透明でもよく、また画像の形成に用いられる温 度においてその寸法安定性を保持している材料であればどれでもよい。適当な材 料に紙、樹脂又は顔料、例えば炭酸カルシウム又は焼成クレーが塗被された紙、 ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース及びポリス チレンのような合成紙又はプラスチックフィルムがある。支持体に好ましい材料 はポリエステル、望ましくはポリ(エチレンテレフタレート)である。 超強酸前駆体、増感性色素及び第二酸生成剤を含有する層及び酸感受性物質を 含有する層は、通常、それぞれ結合剤も含有している。典型的には、これらの層 はそれらの活性な物質と結合剤を共通の溶媒中で混合し、その被覆用組成物の層 を支持体に塗布し、次いで乾燥することによって形成される。その層は、溶液塗 被法ではなく分散液又はエマルジョンとして適用してもよい。この被覆用組成物 は、また、分散剤、可塑剤、消泡剤、被覆助剤及び粘着を防ぐワックスのような 材料を含有していることもできる。 超強酸が生成されるべき層(1層又は複数層)に使用される結合剤は、勿論、 超強酸が結合剤によって緩衝されないように非塩基性でなければならない。使用 することができる結合剤の例を挙げると、スチレン−アクリロニトリル共重合体 、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、スチレンとブタジエンとの共重 合体、ポリ(メチルメタクリレート)、メチルアクリレートとエチルアクリレー トとの共重合体、ポリ(ビニルブチラール)、ポリカーボネート、ポリ(塩化ビ ニリデン)及びポリ(塩化ビニル)がある。選択される結合剤は超強酸前駆体、 増感性色素、第二酸生成剤又はそれらの中に配合される酸感受性物質にどのよう な悪影響も及ぼすべきでないことは分かるだろう。また、結合剤は加熱工程中に 遭遇する温度において熱安定性であるべきであるし、また画像が見えるようにな るのを妨害しないように透明であるべきである。結合剤は、勿論、露光工程で用 いられる化学線を透過させなければならない。 本発明の方法において酸生成剤として好ましく使用されるスクアル酸誘導体は 公知の方法、例えば米国特許第−A−4,092,146号明細書及び Tetrahedron Letters(1977)、4437−38と23、361−4、並び にChem.Ber.、121、569−71(1988)と113、1−8(1980 )に記載される方法で製造することができる。式IIのジエステルは、一般に、ス クアル酸二銀を適切なアルキルハライド(1種又は複数種)、好ましくはアルキ ルブロミド類と反応させることによって製造することができる。そのエステル基 は日常的なエステル交換反応で、又はスクアル酸の塩化二酸と適切なアルコール 若しくはアルコキシドと反応させることにより変えることができる。 R2がアルキル、シクロアルキル、アラルキル又はアリール基である式Iの誘 導体は式11の誘導体から図2に示される合成法で製造することができる。即ち、 式IIのジエステルをまず負に帯電した基R2を含有する化合物と縮合させる。こ の化合物は、通常、有機金属化合物、好ましくは有機リチウム化合物である。こ の反応は、基−R2がジエステルのオキソ基の1つに付加して式VIのスクアル酸 誘導体を生成させる付加反応である。両オキソ基に2個の置換基が導入されるの を避けるために、有機金属試薬の化学量論的量以下の量が使用されるべきである 。 スクアル酸誘導体VIを未反応の出発原料及び他の副生成物から分離した後、そ の誘導体VIを酸、例えば塩酸で処理してそれを目的のスクアル酸誘導体Iに転化 する。ジエステルの有機金属試薬による処理の結果得られる反応混合物に酸を単 に加えることも可能であるけれども、生成するスクアル酸誘導体Iが未反応のジ エステルで汚染されることがあり、またジエステルとスクアル酸誘導体Iが非常 によく似ているためにクロマトグラフィーでもそれらの分離が極めて難しいので 、この方法は推奨されない。 図2に示される合成法は色々なやり方で修正することができることは分かるだ ろう。例えば、式Iの最終化合物に所望とされる基R1の性質が、基R1が有機金 属試薬と反応すると考えられるようなものである場合は、図2に示される反応は エステル基が基R1を含有していないジエステルを用いて行うことができ、そし て式Iの最終生成物はこれを基R1を導入するエステル交換反応又は他の反応に 付すことができる。 R2がアミノ、アルキルアミノ又はジアルキルアミノ基である式Iの誘導体は スクアル酸ジエステルからの方法と同様の方法で製造することができる。例えば 、 後記の実施例で例示説明されるように、ビス(4−ビニルベンジル)スクアレー トとメチルアミンとの反応では、3−アミノ−4−(p−ビニルベンジルオキシ )シクロブテ−3−エン−1,2−ジオンが得られる。式Iの他の化合物の合成 に対する類似の方法は有機合成分野の当業者には容易に明らかになるだろう。 R1、R2及びR3の内の少なくとも1個が重合体に結合している式I及びIIのス クアル酸誘導体の形態のものは、式I及びIIの単量体誘導体を製造するのに用い られる反応と同様の反応で、例えば適切なアルコキシド基を含有する重合体をス クアル酸の塩化二酸又は塩化一酸モノエステルで処理することによって製造する ことができる。別法として、これらの重合体結合誘導体は、エステル交換反応で 、例えばエステル化されたヒドロキシル基を含有する重合体を式I又はIIの単量 体スクアル酸誘導体で処理することによって製造することができる。これら誘導 体を重合体に結合し、或いはこれら誘導体を重合体の主鎖に含める他の方法につ いては、前記において既に議論した。 式IIIの誘導体は、式IIの誘導体、又は他のスクアル酸ジエステルと適当なジ オールからエステル交換反応によって製造することができる。 本発明の方法において有用な単量体のしゅう酸誘導体は、有機合成の当業者に よく知られた日常的なエステル化法で製造することができる。このような方法の 幾つかの例を後記において詳細に例証する。高分子しゅう酸誘導体の製造につい ては既に議論した。 本発明の1つの好ましい態様を、単に説明のためだけのものであるが、1対の ホットローラー12間を通過させることによって画像形成性媒体の中に画像が定 着されて行く本発明の(一般に10と表示される)画像形成性媒体の断面模式図 を示している添付図3を参照してここに説明する。 画像形成性媒体10はプラスチックフィルムから形成された支持体14を含む 。支持体14は、典型的には、厚さ3〜10ミル(76〜254mμ)のポリエ チレンテレフタレートフィルムから成り、その(図3の)上表面は支持体に対す る他の層の接着性を改善するために、画像形成性媒体製造の当業者に周知である ようなサブ−コートで処理されていてもよい。 支持体14の上には超強酸前駆体、赤外増感性色素、及び超強酸により触媒さ れる熱分解を受けて第二の酸を形成する第二酸生成剤を含む酸生成層16が配置 されている。酸生成層16の支持体14とは反対の側には、酸と少量の塩基の存 在下で色変化を起こす酸感受性物質を含む色形成層18が配置されている。酸生 成層16と画像形成層18とは共に室温より実質的に高いガラス転移温度を有す る結合剤を含有している。 最後に、画像形成性媒体は耐摩耗性のトップコート20を含む。 画像形成性媒体10は層16、18及び20を支持体14の上に被覆すること によって形成することができる。別法として、例えば、層16と18を支持体1 4の上に被覆し、得られた構造体の上にトップコート20を積層してもよい。 画像形成性媒体10はその選択された領域に赤外線レーザーを用いて書き込む ことによって露光される。この露光は、図中に矢印22で示されるように、支持 体14を通して達成される(露光は、また別に、トップコート20を通して達成 することも可能であろう)。酸生成層16の露光域内では、赤外線に対する露光 が、前記のように、超強酸前駆体の分解を引き起こし、それに伴って増感性色素 により緩衝された対応する超強酸を生成させる。この赤外線露光の後に、画像形 成性媒体10は水銀灯の下を通され、ブランケット式紫外線露光が与えられて赤 外線露光域に非緩衝化超強酸を生成させ、次いで加熱されたローラー12間に通 される。ローラ−12によって適用される熱は酸生成層16の露光域に存在する 超強酸をしてその層中で第二酸生成剤の触媒分解を引き起こさせ、それによって 紫外線によって本来生成せしめられる超強酸の量より実質的に多い量の第二の酸 が生成せしめられる。ローラー12によって適用される熱と圧力も色形成層18 と酸生成層16をそれらのガラス転移温度より高い温度に上昇させ、それによっ てこれら2層に分散している成分を、露光域で酸生成層16中に生成した第二の 酸が酸感受性物質の色変化を生じさせて画像を形成するように、混ぜ合わせる。 図3に示される画像形成性媒体10はモノクロの画像を生成させる。画像形成 技術分野の当業者には容易に明らかなように、この画像形成性媒体10は2対以 上の追加の色形成層18と酸生成層16を隣接する各層対間に設けられる酸不透 過性中間層と共に含めることによってフルカラーの画像を生成させるように容易 に修正することができる。ここで、酸不透過性中間層は画像形成性媒体がローラ ー12間を通過している間に越えられることのない十分に高いガラス転移温度を 有し、その結果その中間層は層16と18の隣接する対の混合を予防する。多色 媒体は、典型的には、通常の多色画像形成性媒体におけるように、黄色画像とシ アン色画像とマゼンタ色画像を生成させるように配置された3対の色形成層18 と酸生成層16を含む。このような媒体における酸生成層16は、3色形成層が 色々な波長の3種の赤外線レーザーを用いて互いに無関係に画像を形成すること ができるように、色々な波長で吸収する赤外増感性色素を含有する。ここで留意 すべきは、赤外増感性色素だけがこの複数の酸生成層の内で異なっていることが 必要なことである。全酸生成層は同じ超強酸前駆体と第二酸生成剤を使用できる のが便利である。 次の実施例は本発明の方法及び画像形成性媒体に使用される好ましい試剤、条 件及び技術の詳細を示すために与えられるものである。但し、これらの実施例は 単に例示説明のためだけのものである。 実施例1〜11:第二酸生成剤としてのスクアル酸誘導体の製造 後記のある特定の実施例で用いられる3,4−ビス(t−ブトキシ)シクロブ テ−3−エン−1,2−ジオン(“ビス t−ブチルスクアレート”;以後化合 物Aと称する)をE.V.デームロウ(E.V.Dehmlow)等のChem.Ber.、 13 、1−8(1980)に記載されるようにして製造した。後記のある特定の 実施例で用いられる3,4−ビス(ベンジルオキシ)シクロブテ−3−エン−1 ,2−ジオン(“ジベンジルスクアレード”;以後“化合物B”と称する)をN .イスラム(N.Islam)等のTetrahedron、43、959−970(1987) に記載されるようにして製造した。スクアル酸銀はS.コーヘン(S.Cohen) 等のJ.Am.Chem.Soc.、88、5433(1966)に記載されるようにして 製造した。実施例1:ビス(3−ブロモ−2,3−ジメチルブテ−2−イル)スクアレート の製造 この実施例はR1及びR3が各々3−ブロモ−2,3−ジメチルブテ−2−イル 基である式IIの化合物・3,4−ビス(3−ブロモ−2,3−ジメチルブテー2 −オキシ)−シクロブテ−3−エン−1,2−ジオン(“ビス(3−ブロモ− 2,3−ジメチルブテ−2−イル)スクアレード”)の製造を説明するものであ る。 スクアル酸銀(1.0g、3.0ミリモル)を2,3−ジブロモ−2,3−ジ メチルブタン(1.0g、4.0ミリモル)の乾燥エーテル(3mL)中溶液に室 温で加えた。この懸濁液は暖かくなったが、これを室温の水浴で冷却した。6時 間の撹拌後、残っている沈澱を濾過により除去し、エーテルで洗浄した。エーテ ル抽出液を合わせ、濃縮し、それより得られた粗生成物を溶離剤として1:3エ ーテル/ヘキサン類を用いるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーで精 製してジエステル(140mg、収率11%)を131〜132℃で分解する白色 粉末として得た。この化合物の構造は質量分光分析法並びに1H及び13C NM R分光分析法で確認された。実施例2:3−t−ブトキシ−4−フェニルシクロブテ−3−エン−1,2−ジ オンの製造 この実施例はR1が第三ブチル基であり、そしてR2がフェニル基である式Iの 化合物・3−t−ブトキシ−4−フェニルシクロブテ−3−エン−1,2−ジオ ンの製造を説明するものである。 フェニルマグネシウムブロミド(THF中1.0M溶液4.6mL、4.6ミリ モル)をジ−t−ブチルスクアレート(1.0g、4.42ミリモル)の乾燥エ ーテル(10mL)中溶液に窒素下で−78℃において5分間にわたり滴下した 。30分後にこの反応混合物を0℃まで加温し、この温度で更に1時間撹拌した 。次に、その反応混合物に水(10mL)とエーテル(10mL)を加え、層分離さ せた。その水性層をジクロロメタンで2回抽出した。それら有機層を合わせ、硫 酸マグネシウム上で乾燥し、そして濃縮して黄色の油(1.43g)を得、これ を結晶化させた。得られた物質をジクロロメタン(25mL)に溶解し、この溶液 に撹拌しながら濃塩酸(4滴)を室温で加えた。30分後に更に4滴の濃塩酸を 加えた。ジクロロメタン(25mL)を加え、得られた溶液を重炭酸ナトリウムの 飽和溶液で、次いでブライン(食塩水)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し 、そして濃縮した。かくして得られた粗生成物を溶離剤としてトルエンを用いる シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーで精製した。クロマトグラフィー で 精製された物質をトルエン/ヘキサン類からの再結晶化で更に精製して目的のモ ノエステルを105〜110℃で分解する黄色結晶(142mg、収率14%) として得た。この化合物の構造は質量分光分析法並びに1H及び13C NMR分 光分析法で確認された。実施例3:3,4−ビス(α−メチルベンジルオキシ)−シクロブテ−3−エン −1,2−ジオンの製造 この実施例はR1及びR3が各々α−メチルベンジル基である式IIの化合物・3 ,4−ビス(α−メチルベンジルオキシ)−シクロブテ−3−エン−1,2−ジ オン(“ビス(α−メチルベンジル)スクアレード”)の製造を説明するもので ある。 1−ブロモ−1−フェニルエタン(3.1g、16.8ミリモル)をスクアル 酸銀(2.5g、7.62ミリモル)の乾燥エーテル(40mL)中懸濁液に0℃ において滴下した。添加完了後、その反応混合物を室温まで加温し、そして暗所 で4時間撹拌した。この時間の経過後に残留している固体(臭化銀)を濾過で除 き、そしてエーテルで更に洗浄した。それらのエーテル溶液を合わせ、重炭酸ナ トリウムの飽和溶液で洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥した。その溶媒を 蒸発させ、続いてエーテル0〜60%/ヘキサン類を溶離剤として用いるシリカ ゲルでのフラッシュクロマトグラフィーで精製して目的のジエステル(394mg 、収率16%)を無色の油として得た。このジエステルはこのタイプのクロマト グラフィーでは分離できないジアステレオマーの混合物として得られた。このジ エステルの構造は質量分光分析法並びに1H及び13C NMR分光分析法で確認 された。実施例4:3,4−ビス(p−メチルベンジルオキシ)−シクロブテ−3−エン −1,2−ジオンの製造 この実施例はR1及びR3が各々p−メチルベンジル基である式IIの化合物・3 ,4−ビス(p−メチルベンジルオキシ)−シクロブテ−3−エン−1,2−ジ オン(“ビス(p−メチルベンジル)スクアレート”)の製造を説明するもので ある。 トリエチルアミン(0.93g、9.2ミリモル)をスクアル酸(0.5g、 4.38ミリモル)の撹拌されているクロロホルム(10mL)中懸濁液に加え、 得られた溶液を氷/水浴で冷却した。α−ブロモ−p−キシレン(2.03g、 11.0ミリモル)のクロロホルム(10mL)中溶液を次に30分間にわたり滴 下した。この時間の経過後、冷却浴を取り除き、その溶液を室温において4.5 時間保持した。その反応混合物を次にクロロホルム(20mL)で希釈し、重炭酸 ナトリウムの飽和水溶液(2×20mL)と飽和ブライン(20mL)で順次洗浄し 、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。得られた油をエーテ ル(50mL)と重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(20mL)との間に分配させ、そ してその有機層を分離することによって更に精製した。その有機層を重炭酸ナト リウムの飽和水溶液(20mL)と飽和ブライン(20mL)で順次洗浄し、硫酸マ グネシウム上で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。得られた油を熱ヘキサン類( 20mL)から再結晶化して目的の化合物(300mg、収率21.3%)を少し灰 色がかった白色の結晶として得た。この化合物の構造は質量分光分析法並びに1 H及び13C NMR分光分析法で確認された。 実施例5:3,4−ビス(シクロヘキシルオキシ)−シクロブテ−3−エン−1 ,2−ジオンの製造 この実施例はR1及びR3が各々シクロヘキシル基である式IIの化合物・ 3, 4−ビス(シクロヘキシルオキシ)−シクロブテ−3−エン−1,2−ジオン( “ジシクロヘキシルスクアレート”)の製造を説明するものである。 シクロヘキシルブロミド(9.95g、61ミリモル)をスクアル酸銀(4. 0g、12.2ミリモル)の撹拌されているエーテル(80mL)中懸濁液に暗所 で氷/水浴で冷却しながら20分間にわたり滴下した。次いで、氷浴を取り除き 、その反応混合物を室温で一晩撹拌し、次いで濾過して臭化銀を除去し、その残 分をエーテル(2×20mL)で洗浄した。そのエーテル溶液を合わせ、重炭酸ナ トリウムの飽和水溶液(50mL)及び飽和ブライン(50mL)で順次洗浄し、硫 酸マグネシウム上で乾燥し、そして減圧下で濃縮して目的の化合物を粘稠な油と して得た。この油は冷蔵庫の中で貯蔵すると固化して少し灰色がかった白色の固 体(0.55g、収率16%)を与えた。この化合物の構造は質量分光分析法並 びに1H及び13C NMR分光分析法で確認された。 実施例6:3−アミノ−4−(t−ブトキシ)−シクロブテ−3−エン−1,2 −ジオンの製造 この実施例はR1が第三ブチル基であり、そしてR2がアミノ基である式Iの化 合物・3−アミノ−4−(t−ブトキシ)−シクロブテ−3−エン−1,2−ジ オンの製造を説明するものである。 アンモニアガスの流れを化合物A(0.7g、3.07ミリモル)の撹拌され ているメタノール(40mL)中溶液に2分間通した。その溶液を次に室温で1時 間放置する。その時間中に少量の不溶性物質が沈澱した。沈澱を濾過で除去し、 また溶媒を減圧下で除去して黄色の固体を得、これをエーテル(2×50mL)で 洗浄して出発原料とブタノールを除去した(溶媒の蒸発後に不純物が0.l6g 採集された)。残った固体をジクロロメタン(150mL)に溶解し、その溶液を 濾過した。減圧下で溶媒を除去すると、220〜225℃で溶融する目的化合物 が白色結晶として得られた(0.25g、収率48%)。この化合物の構造は1 H NMR分光分析法で確認された。実施例7:4−ヘキシル−3−(p−ビニル−ベンジルオキシ)シクロブテ−3 −エン−1,2−ジオンの製造 この実施例はR2がヘキシル基であり、そしてR1がp−ビニルベンジル基であ る式Iの化合物・4−ヘキシル−3−(p−ビニル−ベンジルオキシ)シクロブ テ−3−エン−1,2−ジオンの製造を説明するものである。 パートA:2,3−ジブトキシ−4−ヘキシル−4−ヒドロキシシクロブテ− 2−エン−1−オンの製造 ヘキシルマグネシウムブロミド(エーテル中2M溶液40mL、80.0ミリモ ル)をジ−n−ブチルスクアレートの乾燥THF(150mL)中溶液に−78℃ 、窒素下において45分間にわたり滴下し、その反応混合物をその温度で1時間 保持した。この反応混合物を次いで室温まで加温し、更に3時間撹拌し、その時 間後氷/水浴を用いて冷却し、そして水(25mL)を5分間にわたり滴下するこ とによって反応を停止させた。次に、飽和ブライン(300mL)とエーテル(3 00mL)を加え、層分離させ、そしてその水性層を追加のエーテル(300mL) で抽出した。そのエーテル抽出物を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥し、次い で 溶媒を除去して目的の生成物を含有する金色の油(15.64g)を得た。この 油をそれ以上精製せずに以下のパートBで用いた。 パートB:3−ヘキシル−4−ヒドロキシ−シクロブテ−3−エン−1,2− ジオンの製造 6N塩酸(150mL)を1度に全部粗2,3−ジブトキシ−4−ヘキシル−4 −ヒドロキシシクロブテ−2−エン−1−オン(15.1g、上記パートAで製 造)の撹拌されているTHF(150mL)中溶液に加え、得られた溶液を室温で 3時間撹拌した。次に、その反応混合物を減圧下で濃縮して黄色の固体を得た。 この固体に水(100mL)を加え、それを次に減圧下で除去した。トルエン(1 00mL)を同様に加え、減圧下で除去し、次いでその残分にジクロロメタン(2 00mL)を加え、得られた溶液を濾過し、濃縮すると、黄色の油が生成した。ヘ キサン類(200mL)を加え、得られた溶液を冷却して結晶化を誘発させた。ヘ キサン類からの再結晶化後に目的の化合物が黄褐色の結晶として単離した(4. 28g、収率:パートA及びBを通して33%)。この化合物の構造は質量分光 分析法並びに1H及び13C NMR分光分析法で確認された。 パートC:4−ヘキシル−3−(p−ビニルベンジルオキシ)−シクロブテ− 3−エン−1,2−ジオンの製造 3−ヘキシル−4−ヒドロキシ−シクロブテ−3−エン−1,2−オン(3. 0g、16.5ミリモル、上記パートBで製造)のクロロホルム(90mL)中溶 液にトリエチルアミン(1.75g、17.3ミリモル)、2,6−ジ−t−ブ チル−4−メチルフェノール(ラジカル禁止剤、0.7mg、3.4μモル)及 び4−ビニルベンジルクロリド(5.04g、33ミリモル)をその順序で加え 、得られた溶液を7時間加熱、還流させた。その溶液を次に冷却し、そして室温 で一晩放置し、その後に更に7時間加熱、還流させ、次いで冷却し、2回目とし て一晩放置した。次に、その反応混合物を減圧下で濃縮し、その残分をジクロロ メタン(150mL)に溶解し、得られた溶液を水(2×75mL)で洗浄し、硫酸 マグネシウム上で乾燥し、そして減圧下で濃縮して黄色の油を得、これを(過剰 の4−ビニルベンジルクロリドを除去するために)72〜74℃、圧力1.7mm Hgにおいて短路蒸留(short−path distillation)で精製した。蒸留からの残分 を ジクロロメタンを溶離剤とするシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィー で精製して目的の化合物を金色の油として得た(1.23g、収率25%)。こ の化合物の構造は質量分光分析法及び1H及び13C NMR分光分析法で確認さ れた。実施例8:3−メチルアミノ−4−(p−ビニル−ベンジルオキシ)シクロブテ −3−エン−1,2−ジオンの製造 この実施例はR2がアミノ基であり、そしてR1がp−ビニルベンジル基である 式Iの化合物・3−メチルアミノ−4−(p−ビニル−ベンジルオキシ)−シク ロブテ−3−エン−1,2−ジオンの製造を説明するものである。 パートA:ビス(4−ビニルベンジル)スクアレートの製造 4−ビニルベンジルクロリド(13g、85ミリモル)をスクアル酸銀(5. 5g、48ミリモル)の乾燥エーテル(100mL)中懸濁液に加え、得られた混 合物を暗所で3日間撹拌した。その反応混合物を次に濾過し、その溶媒を減圧下 で除去した。その残分をジクロロメタンに吸収させ、そして短いシリカゲルカラ ムに通して濾過し、次いで減圧下で濃縮して目的の化合物を粗製形態で得、これ をそれ以上精製することなくパートBで使用した。 パートB:3−メチルアミノ−4−(p−ビニルベンジルオキシ)−シクロブ テ−3−エン−1,2−ジオンの製造 上記パートAからの粗生成物をエーテル(300mL)に溶解し、このエーテル 溶液にガス状メチルアミンを1分間吹き込んだ。得られた混合物を5分間放置し 、次いで形成された沈澱を濾過により除去し、クロロホルムに再溶解し、そして セライト〔Celite:コロラド州(Colorado)80217、デンバー(Denber)の ジョンス・マンビル社(Johns −Manville Corporation)製〕を通して濾過した 。その溶媒を減圧下で除去して目的の生成物(以後、“化合物圧”と称する)を 融点152℃の白色固体として得た(3.5g、収率:パートA及びBを通して 30%)。この化合物の構造は1H NMR分光分析法で確認された。実施例9:化合物Hとラウリルメタクリレートとの共重合体の製造 この実施例は上記実施例8で製造した化合物Hとラウリルメタクリレートとの 1:1w/w共重合体の製造を説明するものである。 化合物H(1g)とラウリルメタクリレート(1g)とを2−プロパノール( 30mL)とエタノール(20mL)との混合物に溶解し、得られた溶液を窒素でパ ージした。次に、アゾイソブチロニトリル(0.01g)を加え、その溶液を6 5℃で一晩保持すると、その時間中に沈澱(250mg)が生成した。この沈澱を 採集した。この沈澱はスクアル酸エステルを含有していることが赤外分光分析法 によって示された。実施例10:4−〔5−1,2−ジオキソ−3−ヒドロキシシクロブテ−3− エン−4−イル〕ぺンチ−1−イル〕−3−ヒドロキシシクロブテ −3−エン−1,2−ジオンの製造 ペンタメチレンビス(臭化マグネシウム)(THF中0.5M溶液25mL、1 2.5ミリモル)をジブチルスクアレート(5.66g、25ミリモル)の乾燥 THF(50mL)中溶液に窒素気流下、−78℃において15分間にわたり滴下 した。得られた懸濁液を−78℃で1時間撹拌し、次いで室温まで加温し、そし て更に2時間撹拌した。得られた均質な黄色の溶液を0℃まで冷却し、そして水 (10mL)を2分間にわたり滴下した。5分間放置した後、その溶液をTHF( 50mL)で希釈し、そして飽和塩化ナトリウム溶液(150mL)で洗浄した。エ マルジョンが形成されたが、これをTHFの蒸発、除去とジクロロメタン(20 0mL)の添加で分離させた。その有機層を分離し、その水性層を更なるジクロロ メタン(100mL)で抽出した。ジクロロメタン層を合わせ、それを硫酸マグネ シウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して金色の油を得た。この油は5種の成分より 成ることが溶離剤として1:1エーテル/ヘキサン類を用いるシリカゲルによる 薄層クロマトグラフィーにより示された。 この混合物を溶離剤として1:1エーテル/ヘキサン類を、続いて純エーテル を用いるシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより分離した。これ ら5種の成分の各々を1H NMR分光分析法で定量した。(カラムからの溶離 順序として)第三の成分と第四の成分を仮に4−〔5−〔1,2−ジオキソ−3 −ブトキシシクロブテ−3−エン−4−イル〕ぺンチ−1−イル〕−3−ブトキ シシクロブテ−3−エン−1,2−ジオン(0.69g)及び2,3−ジブトキ シ−〔5−〔1,2−ジオキソ−3−ブトキシシクロブテ−3−エン−4−イル 〕 ペンチ−1−イル〕−4−ヒドロキシシクロブテ−2−エン−1−オン(2.1 4g)とした。 単離された第四成分(2.01g)の一部をTHF(20mL)に溶解し、得ら れた溶液を6M塩酸(20mL)で処理した。その2相混合物は暖かくなり、15 分間撹拌した後に均質になることが観察された。更に2時間撹拌した後、その溶 液を減圧下で濃縮、乾固させた。過剰の塩化水素を駆出させるために、水(20 mL)を加え、そして蒸発除去の処理を行った。残っている水をジクロロメタン/ アセトンを用いる減圧下での共沸蒸留で除去して少し灰色がかった白色の固体を 得た。この物質をTHF/エーテルから再結晶化させて精製し、目的の化合物を 黄褐色の粉末として得た(542mg、2工程にわたる収率18%)。この化合物 の構造は1H及び13C NMR分光分析法で確認された。実施例11:4−〔5−〔1,2−ジオキソ−3−〔4−メチルーベンジルオキ シ〕シクロブテ−3−エン−4−イル〕ぺンチ−1−イル〕−3− 〔4−メチルベンジルオキシ〕シクロブテ−3−エン−1,2−ジ オンの製造 この実施例は2個の〔4−メチルベンジルオキシ〕シクロブテ−3−エン−1 ,2−ジオン基がペンタメチレン鎖を介して結合されている二量体としてのスク アル酸誘導体の製造を説明するものである。 トリエチルアミン(423mg、4.18ミリモル)とp−メチルベンジルブロ ミド(1.47g、7.96ミリモル)を順次4−〔5−〔1,2−ジオキソ− 3−ヒドロキシシクロブテ−3−エン−4−イル〕ペンチ−1−イル〕−3−ヒ ドロキシ−シクロブテ−3−エン−1,2−ジオン(526mg、2.0ミリモル 、上記実施例10で製造)のクロロホルム(15mL)中懸濁液に室温で加え、次 いでその混合物を9時間加熱、還流させた。その溶媒を減圧下で除去し、得られ た油を溶離剤としてジクロロメタンを、続いてエーテルを用いるシリカゲルによ るフラッシュクロマトグラフィーで精製した。エーテルで溶離された生成物は黄 色の油として得られた(591mg、収率63%)。この化合物の構造は1H及び1 3 C NMR分光分析法で確認された。実施例12〜32:第二酸生成剤としてのしゅう酸誘導体の製造 実施例12:ビス(2−メチル−2−ヘキシル)オキサレートの製造 2−メチルヘキサノ−2−オール(4.65g)40ミリモル)とピリジン( 4.74g、60ミリモル)のテトラヒドロフラン(15mL)中溶液にオキサリ ルクロリド(2.54g、20ミリモル)のTHF(6mL)中溶液を5〜10℃ において15分間にわたり滴下した。得られた懸濁液を20℃で一晩撹拌し、次 いで冷水(100mL)で希釈し、そしてジエチルエーテル(65mL)で抽出した 。その有機層を冷希硫酸で、次いで重炭酸ナトリウム水溶液で、最後に塩化ナト リウム水溶液で洗浄し、次いで硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させて目的の生 成物を淡黄色の油として得た(3.25g、収率62%)。分析用試料は溶離剤 としてヘキサン類中7%の酢酸エチルを用いるシリカゲルによるカラムクロマト グラフィーで得た。この化合物の構造は1H及び13C NMR分光分析法で確認 された。実施例13:ビス(α,α−ジメチルベンジル)オキサレートの製造 α,α−ジメチルベンジルアルコール(5.44g)40ミリモル)とピリジ ン(4.74g)のTHF(20mL)中溶液にオキサリルクロリド(2.54g 、20ミリモル)のTHF(5mL)中溶液を5〜10℃において25分間にわた り滴下した。得られた懸濁液を20℃で5時間撹拌し、次いで0℃に保たれてい る0.5N硫酸140mL中に注入した。分離した油状生成物をジエチルエーテル (60mL)で抽出し、そのエーテル溶液を飽和重炭酸ナトリウム(50mL)で、 次いで飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄した。その洗浄された溶液を 硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させて目的の生成物をほとんど無色の固体とし て得た(5.745g、粗収率88%)。この生成物の一部をヘキサン類から再 結晶化して融点76.5〜79℃の無色の針状結晶を得た。この化合物の構造は 質量分光分析法と1H及び13C NMR分光分析法とで確認された。実施例14:ビス(p−ブトキシベンジル)オキサレートの製造 p−ブトキシベンジルアルコール(1.803g、10ミリモル)とピリジン (1.185g、15ミリモル)のジクロロメタン(10mL)中溶液にオキサリ ルクロリド(0.635g、5ミリモル)の塩化メチレン(7mL)中溶液を5〜 20℃の温度において5分間にわたり滴下した。得られた懸濁液を20℃で一晩 撹拌し、塩化メチレンにより50mLになるまで希釈し、次いで水、希硫酸及び重 炭酸ナトリウム水溶液で、そして最後にブラインで順次洗浄した。次に、その洗 浄された懸濁液を硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させて目的の生成物を融点1 13.5〜114.5℃の無色板状結晶として得た(1.97g、収率76%) 。この化合物の構造は質量分光分析法と1H及び13C NMR分光分析法とで確 認された。実施例15:ビス(α−メチルベンジル)オキサレートの製造 d,1−α−メチルベンジルアルコール(2.443g、20ミリモル)とピ リジン(2.37g、30ミリモル)のジクロロメタン(20mL)中溶液にオキ サリルクロリド(1.27g、10ミリモル)のジクロロメタン(8mL)中溶液 を5℃において加えた。得られた懸濁液を0℃で20分間、次いで20℃で一晩 撹拌した。次いで、その懸濁液を氷水に注入し、そして1N硫酸(20mL)によ り酸性にした。その有機層を希薄重炭酸ナトリウム溶液で、次いでブラインで洗 浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させて目的の生成物を淡黄色の油として 得た(2.661g、収率89%)。この化合物の構造は質量分光分析法と1H 及び13C NMR分光分析法とで確認された。実施例16:ビス(p−メトキシ−α−メチルベンジル)オキサレートの製造 d,1−p−メトキシ−α−フェネチルアルコール(3.57g、23.4ミ リモル)の、ピリジンを2.78g(35.8ミリモル)含有するジクロロメタ ン(35mL)中の溶液にオキサリルクロリド(1.49g、11.8ミリモル) のジクロロメタン(6mL)中溶液を0℃において20分間にわたり添加した。得 られた混合物を20℃で14時間撹拌し、次いで冷希硫酸に注入した。その有機 層を冷水で、次いで希薄重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾 燥し、蒸発させて目的の生成物を無色の油として得た(4.11g、収率97% )。この油の試料1.2グラムをメタノールから結晶化して生成物0.51gを 63〜82℃で溶融するジアステレオマーの混合物の細かい、艶のない板状結晶 として得た。この化合物の構造は質量分光分析法と1H及び13C NMR分光分 析法とで確認された。実施例17:ビス(p−メチルベンジル)オキサレートの製造 p−メチルベンジルアルコール(3.33g、27ミリモル)のピリジン(7 mL)中溶液にオキサリルクロリド(0.87mL、1.27g、10ミリモ)を0 ℃において5分間にわたり添加した。得られた反応混合物を0〜10℃で1時間 撹拌し、次いで冷希硫酸に注入して無色の沈澱を得、これを濾過で採集し、そし て冷水で洗浄して無色の板状結晶を得た。これらの板状結晶をメタノールから、 次いでヘキサン類から艶のない針状結晶として再結晶化させた。これらの針状結 晶をメタノール(30mL)から再結晶化させて融点100〜100.5℃の目的 生成物を得た(0.96g、収率32%)。母液を濃縮することによってこの生 成物の第二群(1.2g、収率40%)を得た。この生成物の構造は質量分光分 析法と1H及び13C NMR分光分析法とで確認された。実施例18:エチル(p−メトキシベンジル)オキサレートの製造 p−メトキシベンジルアルコール(4.49g、14.4ミリモル)とピリジ ン(1.92g、24.3ミリモル)のジクロロメタン(10mL)中溶液にエチ ルオキサリルクロリド(2.216g、16.2ミリモル)溶液を5〜20℃に おいて4分間にわたり添加した。得られた反応混合物を0℃で20分間、次いで 20℃で一晩撹拌した。次に、その反応混合物を氷水に注入し、そして1N硫酸 (20mL)により酸性にした。その有機層を希薄重炭酸ナトリウムで、次いでブ ラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させて目的の生成物(3.3 67g)を無色の固体として得た。ヘキサン類から再結晶化すると、融点44〜 45℃の無色の細かい不規則角柱結晶が得られた。この化合物の構造は質量分光 分析法と1H及び13C NMR分光分析法とで確認された。実施例19:2,2−ジメチル−1−〔4−メトキシベンジルオキサリルオキシ 〕プロピ−3−イル[4−メトキシベンジル]オキサレートの製造 2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール(24.6g、0.236モル )のジクロロメタン(200mL)中溶液をゆっくりした流れとして、氷浴を用い て前以て0℃に冷却されたオキサリルクロリド(60.0g、0.472ミリモ ル)のジクロロメタン(400mL)中溶液に加えた。この添加は溶液温度が10 ℃を越えないような速度で行われた。得られた澄明な溶液を30分掛けて室温ま で加温し、更に30分間撹拌し、次いで0℃に冷却し、そしてピリジン(75g 、0. 948モル)を加えた。このピリジンの添加も反応混合物の温度を10℃以下に 維持するような速度で行った。得られた黄色の懸濁液に4−メトキシベンジルア ルコール(65.35g、0.473モル)のジクロロメタン(100mL)中溶 液を加えた。この場合も反応混合物の温度を10℃以下に保つようにした。添加 完了後に、クリーム色の沈澱が観察された。この反応混合物を室温まで加温し、 一晩撹拌した。 上記の混合物を次に濾過し、そのピリジニウムクロリドの吸湿性沈澱をジクロ ロメタン(2×25mL)で洗浄した。その有機抽出物を合わせ、a)濃塩酸(2 5mL)を含有する水(500mL)、b)炭酸水素ナトリウム(50g)を含有す る水(700mL)及びc)飽和ブライン(250mL)で洗浄した。次いで、その 有機層を無水の硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。その残分 をエーテル(500mL)と共に10分間撹拌し、次いで濾過した。その沈澱(こ れは所望とされない副生成物の4−メトキシベンジルオキサレートであった)を 更なるエーテル(2×25mL)で洗浄し、それらエーテル溶液を合わせ、減圧下 で濃縮してワックス状の固体を得た(93.88g)。この固体は再結晶化にお いてその試みに抵抗し、再結晶化ができなかった。精製は、しかし、冷メタノー ル(500mL)を用いて摩砕することによって遂行され、かくして融点38〜4 0℃の目的化合物(68.5g、収率59%)が白色粉末として得られた。この 化合物の構造は質量分光分析法と1H及び13C NMR分光分析法とで確認され た。実施例20:2,2−ジメチル−1−〔4−ベンジルオキシ〔ベンジルオキサリ ルオキシ〕〕プロピ−3−イル〔4−メトキシベンジル〕オキサレ ートの製造 4−メトキシベンジルアルコールを4−ベンジルオキシベンジルアルコールに 代えたことを除いて実施例19を繰り返し、上記の標題化合物を収率73%で得 た。この化合物の融点は73〜74℃で、その構造は質量分光分析法と1H及び1 3 C NMR分光分析法とで確認された。実施例21:1−〔4−メトキシベンジルオキサリルオキシ〕〕ヘキシ−6−イ ル〔4−メトキシベンジル〕オキサレートの製造 2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオールをヘキサン−1,6−ジオール に代えたことを除いて実施例19を繰り返し、上記の標題化合物を収率49%で 得た。この化合物の融点は114〜115℃で、その構造は質量分光分析法と1 H及び13C NMR分光分析法とで確認された。実施例22:シクロヘキシル〔4−〔6−〔4−〔〔シクロヘキシルオキサリル オキシ〕メチル〕フェノキシ〕ヘキシ−6−イルオキシ〕ベンジル〕 オキサレートの製造 パートA:4−〔1−〔4−ヒドロキシメチルフェノキシ〕ヘキシ−6−イル オキシ〕ベンジルアルコールの製造 4−ヒドロキシベンジルアルコール(24.82g、0.2モル)をこまかく 粉砕された炭酸カリウム(42.0g、0.4モル)の撹拌されている乾燥ジメ チルホルムアミド(250mL)中懸濁液に加えた。得られた混合物を乾燥窒素下 、60℃において10分間撹拌し、次いで1,6−ジブロモヘキサン(24.4 g、0.1モル)を加えた。この反応混合物を60℃で5時間保持し、次いで室 温まで冷却し、そして17時間撹拌した。その反応混合物を次に氷/水(800 mL)中にゆっくり注入した。生成した黄褐色の沈殿を濾過して採集し、水洗し、 そして空気中で乾燥して粘着性の固体を得た。この物質を2−プロパノール(1 00mL)、次いで冷水(200mL)を用いて摩砕して目的生成物を粉末として得 (13.8g、収率42%)、これを(遅くかつ難しい)濾過で採集した。この 化合物は96〜110℃で溶融し、またその構造は質量分光分析法と1H及び13 CNMR分光分析法とで確認された。 パートB:シクロヘキシル〔4−〔6−〔4−〔〔シクロヘキシルオキサリル オキシ〕メチル〕フェノキシ〕ヘキシ−6−イルオキシ〕ベンジル〕 オキサレートの製造 シクロヘキサノール(2.0g、0.02モル)のジクロロメタン(50mL) 中溶液を氷浴で冷却されているオキサリルクロリド(2.54g、0.02モル )のジクロロメタン(50mL)中溶液に15分間にわたり添加した。得られた溶 液を20分掛けて室温まで加温し、次いで更に30分間撹拌し、次に再び氷浴を 用いて冷却し、そしてピリジン(3.16g、0.04モル)を2分掛けて加え た。 5分間放置した後、固体の4−〔1−〔4−ヒドロキシメチルフェノキシ〕ヘキ シ−6−イルオキシ〕ベンジルアルコール(上記パートAで製造、3.30g、 0.01モル)を幾つかに分けて15分間にわたり加えた。形成されたわずかに 濁った溶液を室温まで加温し、次いで窒素下で約30時間撹拌した。この溶液を 次にa)濃塩酸(10mL)を含有する水(100mL)、b)飽和炭酸水素ナトリ ウム水溶液(100mL)及びc)飽和ブライン(50mL)で洗浄した。次いで、 その有機層を無水の硫酸ナトリウム上で乾燥した。木炭とセライトを加え、次い でその溶液をセライトを通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮した後、その残分 を溶離剤としてジクロロメタンを用いるシリカゲルによるフラッシュクロマトグ ラフィーで精製し、目的の化合物を淡黄色の油として得た(0.65g、収率1 0%)。この化合物の構造は質量分光分析法と1H及び13C NMR分光分析法 とで確認された。実施例23:アダマンチル〔4−〔6−〔4−〔〔アダマンチルオキサリルオ キシ〕メチル〕フェノキシ〕ヘキシ−6−イルオキシ〕ベンジル〕 オキサレートの製造 シクロヘキサノールを等モル量のアダマンタノールで置き換えたことを除いて 実施例22、パートBを繰り返した。上記の標題化合物が淡黄色の油として収率 22%で生成し、その構造は質量分光分析法と1H及び13C NMR分光分析法 とで確認された。実施例24:メンチル 4−〔6−〔4−〔〔メンチルオキサリルオキシ〕メ チル〕フェノキシ〕ヘキシ−6−イルオキシ〕ベンジル〕オキサレ ートの製造 シクロヘキサノールを等モル量のd,1−メントールで置き換えたことを除い て実施例22、パートBを繰り返した。上記の標題化合物が淡黄色の油として収 率22%で生成し、その構造は質量分光分析法と1H及び13C NMR分光分析 法とで確認された。実施例25:2−メタクリロキシエチル p−メトキシベンジルオキサルートの 製造 パートA:2−メタクリロキシエチルオキサリルクロリドの製造 オキサリルクロリド(50g)とジクロロメタン(50g)を混合し、撹拌し ながら氷浴中で7〜10℃に冷却した。得られた混合物に2−ヒドロキシエチル メタクリレート(40g)を30分にわたって添加した。得られた混合物を室温 においてゆっくりした窒素気流下で一晩撹拌し、次いでロータリーエバポレータ ーで1時間濃縮して目的の生成物を無色の油として得た(65g)。この生成物 はそれ以上精製しなくても以下のパートBで使用するのには十分に純粋であった 。 パートB:2−メタクリロキシエチル p−メトキシベンジルオキサレートの 製造 p−メトキシベンジルアルコール(14g、約0.1モル)とピリジン(11 g、0.13モル)をジクロロメタン(100mL)に溶解し、氷浴中で2〜4℃ まで冷却した。別個に、上記パートAの生成物(25g、0.11モル)をジク ロロメタン(25mL)に溶解し、氷浴中で冷却した。この第二の溶液を第一の溶 液に温度を2〜4℃に保ちながら25分掛けて徐々に添加した。得られた反応混 合物を室温で一晩放置し、次いでシリカプラグを通して濾過して薄層クロマトグ ラフィー(TLC)で検出可能な低Rfの不純物を除去した。そのジクロロメタ ンを次に蒸発により除去して目的の生成物を無色の油として得た(29g、2段 階を通しての収率91%)。溶離剤としてジクロロメタンを用いるTLCはRf 0.45の単一のスポットを与えた。この生成物の構造はデュウテロクロロホル ム中での1H NMR分光分析法で確認された。そのスペクトルは次の通りであ つた: δ=7.28(二重線、2H);6.83(二重線、2H);6.05(単重線 、1H);5.50(単重線、1H);5.17(単重線、2H);4.43( 三重線、2H);4.37(三重線、2H);3.72(単重線、3H);及び 1.86(単重線、3H)ppm。実施例26:ポリ(2−メタクリロキシエチル p−メトキシベンジルオキサレ ート)の製造 上記実施例25の生成物(29g)をトルエン(200mL)に溶解し、そして アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN;0.3g)を添加した。得られた 混合物を窒素下で65℃において16時間加熱し、追加のAIBN(0.2)を 加え、その混合物を窒素下で更に24時間加熱した。高分子生成物が膨潤したゲ ルとして沈澱し、それより上澄液をデカントで除いた。そのゲルをジエチルエー テルで繰り返し洗浄すると、解膨潤し、硬化した。洗浄された重合体を40℃で 真空乾燥して、ガラス転移温度(Tg)が65℃で、触媒の非存在下では210 ℃で分解する目的の重合体(26g、収率約90%)を非粘着性の白色固体とし て得た。実施例27:4−メタクリロキシブチル p−メトキシベンジルオキサレートの 製造 2−ヒドロキシエチルメタクリレートの代わりに4−ヒドロキシブチルメタク リレートを用いたことを除いて上記実施例25を繰り返した。その生成物は無色 の油として得られ(収率85%)、その構造はデュウテロクロロホルム中での 1 H NMR分光分析法で確認された。そのスペクトルは次の通りであった: δ=7.28(二重線、2H);6.83(二重線、2H);6.05(単重線 、1H);5.50(単重線、1H);5.17(単重線、2H);4.23( 三重線、2H);4.13(三重線、2H);3.72(単重線、3H);1. 86(単重線、3H);及び1.72(多重線、4H)ppm。実施例28:ポリ(4−メタクリロキシブチル p−メトキシベンジルオキサレ ート)の製造 上記実施例27の生成物(5g)をトルエン(25mL)に溶解し、そしてAI BN(0.025g)を添加した。得られた混合物を窒素下で65℃において1 6時間加熱し、次いでヘキサン中に注入すると、Tgが約50℃で、触媒の非存 在下では200℃以上で分解する目的の高分子生成物が沈澱した。実施例29:4−ベンジルオキシベンジル 2−メタクリロキシエチルオキサレ ートの製造 4−ベンジルオキシベンジルアルコールをp−メトキシベンジルアルコールの 代わりに用いたことを除いて上記実施例25、パートBを繰り返した。その生成 物は融点40〜42℃の白色固体として得られ(収率85%)、その構造はデュ ウテロクロロホルム中での1H NMR分光分析法で確認された。そのスペクト ルは次の通りであった: δ=7.4(多重線、5H);7.28(二重線、2H);6.85(二重線、 2H);6.07(単重線、1H);5.52(単重線、1H);5.23(単 重線、2H);5.02(単重線、2H);4.45(三重線、2H);4.3 5(三重線、2 H);及び1.88(単重線、3H)ppm。 この単量体を上記実施例28に記載したのと同じ方法でその単独重合体に転化 した。実施例30:エチル 4−(4−ビニルベンジルオキシ)ベンジルオキサレート の製造 パートA:4−(4−ビニルベンジルオキシ)ベンジルアルコールの製造 水酸化カリウムのペレット(3.2g、0.05モル)のエタノール50mL中 溶液をフラスコ中で窒素下において調製し、撹拌した。別個に、p−ヒドロキシ ベンジルアルコール(6.2g、0.05モル)とp−ビニルベンジルクロリド (7.6g,,0.05モル)をエタノール50mLに溶解した。この第二の溶液 を第一の溶液に窒素下で撹拌しながら添加し、得られた反応混合物を65℃まで 昇温し、一晩加熱した。その反応混合物を次に室温まで冷却し、濾過し、そして 溶媒を濾液からロータリーエバポレーターで除去して黄褐色の固体を得た。この 固体を温水で抽出し、濾別し、乾燥し、石油エーテルで抽出し、濾別し、最後に トルエン/ヘキサンから再結晶化して融点110〜112℃の目的生成物を無色 の固体として得た(6g、収率約50%)。その構造はデュウテロクロロホルム 中での1H NMR分光分析法で確認された。そのスペクトルは次の通りであっ た: δ=7.38(2本の二重線、J=10Hz、4H);7.23(二重線、J= 10Hz、2H);6.85(二重線、J=10Hz)2H);6.67(2本 の二重線、J=10及び18Hz、1H);5.72(二重線、J=18Hz、 1H);5.21(二重線、J=10Hz、1H):5.0(単重線、2H); 4.57(単重線、2H);及び1.6(単重線、1H)ppm。 パートB:エチル 4−(4−ビニルベンジルオキシ)ベンジルオキサレート の製造 上記パートAの生成物(4.8g、0.02モル)とピリジン(2.0g、0 .025モル)をジクロロメタン(50mL)に溶解し、10〜12℃まで冷却し た。 この溶液にエチルオキサリルクロリド(3g、0.022モル)のジクロロメタ ン(5mL)中溶液を10分間にわたって添加した。この添加が完了した後の反応 混合物のTLCはアルコール出発原料は痕跡量しか残っていないことを示した。 次いで、その反応混合物をシリカプラグに通して濾過することにより生成ピリジ ン塩を除去し、そしてその濾液を濃縮して融点93℃の目的生成物を白色固体と して得た(収率約90%)。その構造はデュウテロクロロホルム中での1H N MR分光分析法で確認された。そのスペクトルは次の通りであった: δ=7.35(2本の二重線、J=10Hz、4H);7.25(二重線、J= 10Hz、2H);6.85(二重線、J=10Hz)2H);6.67(2本 の二重線、J=10及び18Hz、1H);5.72(二重線、J=18Hz、 1H);5.21(二重線、J=10Hz、1H);5.18(単重線、2H) ;5.0(単重線、2H);4.27(四重線、J=8Hz、2H);及び1. 28(三重線、J=8Hz、3H)ppm。実施例31:ポリ(エチル4−(4−ビニルベンジルオキシ)ベンジルオキサ レートの製造 上記実施例30の生成物(約2g)をトルエン(25mL)に溶解し、そしてA IBN(0.01g)を添加した。得られた混合物を窒素下で65℃において1 6時間加熱した。プロトンNMRで分析すると、重合率は約50%に過ぎないこ とが示されたので、追加のAIBN(0.015g)を添加し、その混合物を窒 素下、65℃で更に16時間加熱した。得られたわずかに粘稠な溶液をジエチル エーテルと石油エーテルとの1:1v/v混合物中に注入して重合体を沈澱させ 、次いで解膨潤のために石油エーテルで処理した。乾燥後、目的の重合体(約0 .7g)がわずかに灰色を帯びた白色の粉末として得られた。プロトンNMR分 析で残留単量体は痕跡量も存在しないことが明らかになった。実施例32:4−(4−ビニルベンジルオキシ)ベンジル オキサレートの製造 オキサリルクロリドを3−フェニルプロパノールとジクロロメタン中で10℃ において反応させて3−フェニルプロピルオキサリルクロリドを製造した。次に 、この3−フェニルプロピルオキサリルクロリドをエチルオキサリルクロリドの 代わりに用いて実施例30、パートBを繰り返し、融点80℃の生成物を細かい 白 色の結晶として生成させた(収率81%)。その構造はデュウテロクロロホルム 中での1H NMR分光分析法で確認された。そのスペクトルは次の通りであっ た: δ=7.1−7.4(多重線、9H);7.27(二重線、2H);6.87( 二重線、2H);6.67(2本の二重線、1H);5.72(二重線、1H) ;5.22(二重線、1H);5.20(単重線、2H);5.03(単重線、 2H);4.21(三重線、2H);2.65(三重線、2H);及び2.0( 2本の三重線、2H)ppm。 この単量体の上記実施例31と同じ方法での重合で対応する重合体が収率75 %で得られた。この重合体は第二酸生成剤として良好な結果を与えることが見い だされた。本発明の画像形成、その他の加工 実施例33:スクアル酸誘導体を使用する本発明の重合法 この実施例は赤外線及び紫外線の照射後に生成した超強酸を使用して二官能性 のエポキシ単量体を重合させる本発明の方法を説明するものである。 次式: を有するシリコーンジエポキシ単量体〔ジェネラル・エレクトリック社(Genera l Electric Company)が供給、40mg〕、t−ブチルーアントラセン(5mg;前 駆体増感剤)、次式: を有する赤外増感性色素(米国特許第−A−4,508,811号明細書を参照 されたい、0.3mg)、(4−オクチルオキシフェニル)フェニルヨードニウ ムヘキサフルオロアンチモネート(8mg、米国特許第−A−4,992,57 1号明細書に記載されるように製造)及びポリ塩化ビニル〔ウィスコンシン州( Wisconsin)、ミルウォーキー(Milwaukee)のアルドリッチ・ケミカ ル社(Aldrich Chemical Company)が供給、30mg〕をメチルエチルケトン( MEK、0.6mL)に溶解することによって被覆液を調製した。この溶液を厚さ 4ミル(101μm)のポリ(エチレンテレフタレート)基材〔ICIタイプ3 295、デラウエア州(Delaware)、ウィルミングトン(Wilmington)のICI アメリカズ社(ICI Americas,Inc.)が供給〕にNo.18のコーティング ・ロッドを用いて塗被した。 得られた塗膜の塗被側を、822nmで発光し、その媒体に125mW送るGaAlAs 半導体ダイオードレーザーからの赤外線に露光させた。レーザーは約33×3μ mのスポットを焦点として出力された。媒体はドラム軸が入射レーザービームに 対して垂直になっているドラムに巻かれていた。ドラム軸の周りの回転とその軸 の方向における同時並進運動でレーザースポットで媒体に螺旋パターンを描いた 。螺旋のピッチは33μmで、それは媒体のどれにも隣接螺旋巻き間に未露光部 分が残らないように選ばれた。この配置で、媒体が受けた露光はドラムの回転速 度(ここでは媒体表面の線速度として測定された)に反比例した。媒体の分離し ているバンドは2.0、2.5、3.0、3.5及び4.0m/秒で露光された 。この赤外線露光に続いて、塗膜全体をゲルマン・インスツルメント社 (Gelman Instrument Company)が供給するユニバーサルUV装置(UniversalU V unit)(呼称では375nmで発光)からの紫外線に70秒間露光させた。そ の塗膜を、次に、ホットプレート上で100℃において20秒間加熱し、その後 塗膜をメチルエチルケトンとジクロロメタンとで逐次洗浄することによって現像 した。残留している材料を、最後に、メチルエチルケトンの浴中で3分間音波処 理することによって除去した。赤外線露光を受けたあらゆる区域で不溶性の高分 子物質がポリエステル基材に接着して残り、上記溶媒処理又は音波処理では除去 されなかったが、これに対して紫外線の照射は受けたが、赤外線の照射は受けな かった区域を含めてそのフィルムの他の全ての区域ではこれらの処理後に基材に 接着して残っている高分子物質は存在しなかった。実施例34:酸生成剤としてスクアル酸誘導体を使用する本発明の画像形成法 この実施例は画像形成性媒体が、赤外線と紫外線の照射が行われた後に赤外線 露光区域に存在する非緩衝化超強酸を増強する第二酸生成剤を含有する本発明の 画像形成法を説明するものである。 次のようにして2種の被覆液を調製した: 被覆液A:t−ブチルーアントラセン(7mg)、上記実施例33に記載した 赤外増感性色素IR1(0.3mg)、(4−オクチルオキシフェニル)フェニル ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート(5mg)、3,4−ビス(4−メ チルベンジルオキシ)シクロブテ−3−エン−1,2−ジオン(20mg)及び 塩化ビニリデンとアクリロニトリルとの共重合体(サラン樹脂F120、ウイス コンシンリ帳 ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル社から入手、30mg) をメチルエチルケトン(0.6mL)に溶解した。 被覆液B:式: のロイコ色素(15mg、この色素は米国特許第−A−4,345,017号明細 書の方法で製造することができる)及び立体障害アミン塩基〔HALS−62、 ニュー・ジャージー州(New Jersey)07105、ニューワーク(Newark)、1 17ブランチャード・ストリート(Blanchard Street)のフェアマウント・ケミ カル社(Fairmount Chemical Company,Inc.)、7mg)を1:IMEK:ク ロロホルムに溶解した。得られた溶液に、メチルエチルケトン(0.3mL)に溶 解したサラン樹脂F120(ウイスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッチ ・ケミカル社から入手、30mg)を加えた。 これらの被覆液をそれぞれ別個に厚さ4ミル(101μm)のポリ(エチレン テレフタレート)基材(ICIタイプ3295、デラウエア州、ウィルミングト ンのICIアメリカズ社が供給)にNo.18のコーティング・ロッドを用いて塗 被してフィルムA及びBをそれぞれ形成した。 フィルムAを上記実施例33におけると同様にしてGaAlAs半導体ダイオードレ ーザーからの赤外線にそのポリエステル基材を通して露光させた。この赤外線露 光に続いて、フィルムAの塗被側全面を低圧水銀UVランプ、モデルB−100 〔ニュー・ヨーク州(New York)、ロング・アイランド(Long Island)、ウエ ストベリー(Westbury)のスペクトロニックス社(Spectronics Corporation) の1部門であるブラック・ライト・イースタン(Black Light Eastern)が供給 〕の未濾過出力線に47秒間露光させた。フィルムAを、次に、ホットプレート 上で117℃において15秒間加熱し、その後そのフィルムをフィルムBに2つ の塗被面を接触させて240°F(116℃)、60psi(0.4MPa)において 積層し た。以下の表2は種々の赤外線露光について達成された緑色の光学濃度を示すも のである。これらの光学濃度は適切なフィルターを備えた、ミシガン州(Michig an)、グランドビッレ(Grandbille)のX−ライト社(X−Rite Inc.)が供給 するX−ライト(X−Rite)310写真濃度計を用いて測定されたものである。 表2 走査速度(m/秒) 緑色光学濃度 IR露光なし 0.07 2.0 2.68 2.5 2.81 3.0 2.73 3.5 2.69 4.0 2.95 表2のデーターから、画像形成された領域に達成された緑色の光学濃度は表2 に示される範囲内では走査速度に無関係であったことが分かる。更に実験すると 、もっと高走査速度では、多分赤外線照射中の超強酸生成量が非常に少ないため にマゼンタ色素の濃度はほんの少ししか発現しないこと、及び紫外線照射後でも 超強酸の生成量は赤外増感性色素を全てプロトン化するのに必要とされる閾値を 越えず、従って存在する非緩衝化超強酸を赤外線で露光された領域に残すことが 示された。従って、これらの高走査速度においては、赤外線露光域においてさえ も、その酸生成剤の分解を触媒するのに有効な非緩衝化超強酸は存在せず、その ため第二の酸の生成は極くわずかした又は全く起こらず、またマゼンタ色もほと んど発現しなかったのである。 更に行われた実験では、また、紫外線露光が40秒未満であるか又は55秒を 越える場合は、赤外線照射を受けた領域と受けなかった領域とで光学濃度に有意 差は認められないこと、紫外線照射の時間が短すぎる場合は色素濃度はフィルム のどの部分にもほとんど又は全く発現せず、一方紫外線照射の時間が長すぎる場 合はフィルム全体に最大の色素濃度が発現することが示された。多分、紫外線照 射が短過ぎ、しかして超強酸前駆体のこの照射中の分解量が少な過ぎると、赤外 線露光領域においてさえも、紫外線照射が行われた後に存在する超強酸の量が前 記の閾値を越えず、非緩衝化超強酸は加熱工程中に赤外線露光域に存在せず、酸 の増強が起こらず、結果としてマゼンタ色素の濃度はほとんど又は全く発現しな いのであろう。他方、紫外線照射が長過ぎ、しかしてこの照射中の超強酸前駆体 の分解量が多過ぎると、赤外線に露光されない領域においてさえも、紫外線照射 が行われた後に存在する超強酸の量が前記の閾値を越え、非緩衝化超強酸がフィ ルム全体に存在してしまい、そして酸の増強と色素の色変化が全領域に起きてし まうのであろう。実施例35:単一のシート媒体を使用する本発明の画像形成法 この実施例は、一般的には、上記実施例34と同様であるが、画像形成性媒体 が紫外線照射に続いて一緒に積層される2枚のシートではなく単一のシートから 成っている本発明の画像形成法を説明するものである。 次のようにして2種の分散液を調製した: 分散液A: 界面活性剤〔エアロゾル(Aerosol)TR−70、水酸化カリウムでpH6に調 整、0.65g〕、上記実施例34で使用したロイコ色素(2.5g)、塩基( HALS−62、フェアマウント・ケミカル社が供給、0.25g)、高分子結 合剤〔エルバサイト(Elvacite)2043、デラウエア州、ウィルミングトンの デュポン社(DuPont de Nemours)が供給、2.75g〕のジクロロメタン(4 6mL)中の磁気撹拌されている溶液に脱イオン水(60mL)を滴下した。得られ た、非常に粘稠な混合物を音波処理してその粘度を低下させ、次いでその混合物 を室温で一晩撹拌した。その撹拌期間中にジクロロメタンが蒸発した。次に、弗 素化界面活性剤〔FC−120、ミネソタ州(minnesota)、セント・ポール(S t.Paul)のミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング社(Minnes ota Mining and Manufacturing Corporation)が供給、25%水溶液56mg〕を 加えた。 分散液B: 界面活性剤(エアロゾルTR−70、水酸化カリウムでpH6に調整、0.58 g)、塩基(HALS−63、フェアマウント・ケミカル社が供給、2.45g ) 及び高分子結合剤(エルバサイト2043、デュポン社が供給、2.45g)の ジクロロメタン(53.5g)中の磁気撹拌されている溶液に脱イオン水(53 .5mL)を滴下した。得られた、非常に粘稠な混合物を音波処理してその粘度を 低下させ、次いでその混合物を室温で一晩撹拌した。その撹拌期間中にジクロロ メタンが蒸発した。 次に、分散液A2mLを分散液B1mL及びポリ(ビニルアルコール)〔ビノール (Vinol)540、ペンシルバニア州(Pennsylvania)、アレンタウン(Allento wn)のエア・プロダクツ社(Air Products Corportion)が供給、5%水溶液1m L〕と混合した。得られた被覆液を、次に、No.8のコーティング・ロッドを用 いて上記実施例34で調製したフィルムAの上にオーバーコートした。 かくして調製された、酸生成層と色形成層の両層を有する単一のシートから成 る画像形成性媒体を前記実施例33におけると同様にそのポリエステル基材を通 してGaAlAsレーザーからの赤外線に露光させた。この赤外線照射に続いて、その 塗膜全体をポリエステル基材を通して、365nmの干渉フィルター〔マサチュ ーセッツ州(Massachusetts)、ホリストン(Holliston)のコリオン社(Corion Corportion)が供給〕を備えた前記の低圧水銀UVランプ、モデルB−100 からの紫外線に200秒間露光させた。使用した配置でそのフィルムの平面にお いて測定したパワー(power)は0.3mW/cm2であった。次に、塗膜をホットプ レート上で115℃において60秒間加熱した。以下の表3は色々な赤外線露光 について達成された、上記実施例34におけると同様にして測定された緑色の光 学濃度を示すものである。 表3 走査速度(m/秒) 緑色光学濃度 IR露光なし 0.03 2.0 1.04 2.5 1.34 3.0 1.35 3.5 0.97 4.0 0.41 表3のデーターから、達成された光学濃度は3.5m/秒未満の走査速度につ いてだけ走査速度に無関係であったことが分かる。もっと高走査速度では、多分 、赤外線照射中の超強酸前駆体の分解量が少な過ぎるために、赤外線露光域にお いてさえも紫外線照射が行われた後に存在する超強酸の量が前記の閾値を越えず 、加熱工程中に非緩衝化超強酸は赤外線露光域にほとんど又は全く存在せず、酸 の増強がほとんど又は全く起こらず、結果として低い濃度のマゼンタ色素しかも たらされないのであろう。実施例36:酸生成剤としてしゅう酸誘導体を使用する本発明の画像形成法 この実施例は、画像形成性媒体が赤外線と紫外線の照射が行われた後の赤外線 露光域に存在する非緩衝化超強酸を増強する第二酸生成剤としてのしゅう酸誘導 体を含有する、本発明の画像形成法を説明するものである。 次のようにして2種の被覆液を調製した: 被覆液A:1−ビニルピレン(20mg)、前記実施例33に記載した赤外増感 性色素IR1(3mg)、(4−n−オクチルオキシフェニル)フェニルヨードニ ウムヘキサフルオロアンチモネート(25mg)、2,2−ジメチル−1−0−メ トキシベンジルオキサリルオキシ〕プロピ−3−イルー〔4−メトキシベンジル 〕オキサレート(100mg、前記実施例19に記載したようにして製造)、弗 素化界面活性剤FC−431(ミネソタ州、セント・ポールのミネソタ・マイニ ング・アンド・マニュファクチァリング社から入手、2−ブタノン中2%溶液5 0mg)及び分子量約45,000のポリスチレン(ウィスコンシン州、ミルウォ ーキーのアルドリッチ・ケミカル社から入手)の2−ブタノン中5%w/w溶液 3.5gを混合した。 被覆液B:界面活性剤(アエロゾルTR−70、ニュー・ジャージー州074 70、ウェーン(Wayne)のアメリカン・シアナミド社(American Cyanamid Co. )が供給、水酸化カリウムでpH6に調整、0.34g)、インジケーター色素で ある3,3−ビスー〔1−ブチル−2−メチル−1H−インドリ−3−イル〕− 1−イソベンゾフラノン(オハイオ州(Ohio)45237、シンシナチ(Cincin nati)、2235ラングドン・ファーム・ロード(Langdon Farm Road)のヒル トン・デービス社(Hilton Davis Co.)がコピケム(Copikem)20なる商 標名で市販、2.0g)、及び立体障害アミン塩基(チヌビン(Tinuvin)29 2、ニュー・ヨーク州、アーヅデール(Ardsdale)のシバ・ガイギー社(Ciba− Geigy Co.)から入手、0.25g)及び高分子結合剤(エルバサイト2043 、デラウエア州、ウィルミングトンのE.I.デュポン社から入手、2.5g) のジクロロメタン(40mL)中の磁気撹拌されている溶液に脱イオン水(40mL )を滴下した。得られた混合物を音波処理すると非常に粘稠になった。更に音波 処理してその粘度を低下させ(音波処理中に脱イオン水を更に加えた)、次いで その音波処理混合物をミクロ流動化装置に通し、通過させた。残留ジクロロメタ ンを減圧下で除去して固形分5.3%の最終分散液を得た。この分散液をそれ自 体の重量に対して20%のポリ(ビニルアルコール)(ビノール540、ペンシ ルバニア州、アレンタウンのエア・プロダクツ社が供給、この物質は使用前に透 析した)の7.3%水溶液で希釈した。 画像形成性媒体は、被覆液Aを厚さ6ミル(152μm)の反射性基材〔IC Iメリネックス(ICI Melinex)、デラウエア州、ウィルミングトンのIC Iアメリカズ社から入手)に#6のコーティング・ロッドを用いて、続いて被覆 液Bを塗被することによって調製された。被覆液Bは被覆液Aの乾燥した塗膜の 上に#5のコーティング・ロッドにより塗被された。 かくして調製された画像形成性媒体を前記実施例33におけると同様にしてGa AlAs半導体ダイオードレーザーからの赤外線に像様露光させた。この赤外線露光 に続いて、フィルム全体を1000Wの水銀灯からの紫外線(約330nm以下の 波長を除くように濾過されたもの)にヌアーク(nuArc)26−IUV露光装置 (イリノイ州(Illinois)60648、ナイルス(Niles)、6200 W ハ ワード・ストリート(W Howard St.)のヌアーク社(nuAre Company,Inc .)から入手)で露光させた。そのフィルム平面における輻射照度は、マサチュ ーセッツ州01950、ニューべリーポート(Newburyport)のインターナショ ナル・ライト社(International Light,Inc.)から入手できるラジオメーター ・“ライト・バッグ(Light Bug)”タイプIL390Bを用いて測定して16m J/cm2であった。2.0、2.5、3.0、3.5、4.0及び5.0メーター /秒において露光されたフィルムの区域は、ミシガン州、グランドビッレのX− ライト社が 供給する、適切なフィルターを備えたX−ライト310写真濃度計を用いて測定 して同一の緑色光学濃度を示した。Dmaxで示されるこの濃度は1.10であっ た。赤外線に露光されなかったフィルムの区域は0.18の緑色光学濃度(Dmi n )を示した。 以上の説明から、本発明は常用の超強酸前駆体は感じない波長(好ましくは、 近赤外の波長)の放射線を用いて超強酸(及び、所望によっては、第二の強酸) を生成させる方法を提供するものであることが分かる。かくして生成した超強酸 又は第二の酸は従来超強酸、その他の酸が用いられた酸依存性の全ての反応を行 うのに用いることができる。特に、本発明の好ましい態様では、赤外線レーザー を用いると、画像形成性媒体の高感度により、高解像度の画像の形成が可能にな る。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1994年9月14日 【補正内容】 この米国特許によれば、そのような放射線感受性組成物には、有機溶媒可溶性の 塩の形で一般に用いられる、通常はテトラフルオロ硼酸、ヘキサフルオロ燐酸、 ヘキサフルオロアンチモン酸及びヘキサフルオロ砒酸のような錯体の酸;ハロゲ ン化合物、特にトリアジン誘導体;トリクロロメチル基又はトリブロモメチル基 を含有するオキサゾール類、オキサジアゾール類、チアゾール類又は2−ピロン 類;環に結合したハロゲン、好ましくは臭素を含有する芳香族化合物;チアゾー ルと2−ベンゾイルメチレンナフトールとの組み合わせ;トリハロメチル化合物 とN−フェニルアクリドンとの混合物:α−ハロカルボキサミド類;並びにトリ ブロモメチルフェニルスルホン類との沈積生成物としてのジアゾニウム塩、ホス ホニウム塩、スルホニウム塩及びヨードニウム塩が含まれる。 上記のホスホニウム塩、スルホニウム塩及びヨードニウム塩は紫外線に暴露さ れると分解して超強酸、即ちpKaが約0未満の酸を生成する超強酸前駆体であ る。他の物質も同じように分解して超強酸を生成する。しかし、EP−A−42 3 446号明細書及びEP−A−153 682号明細書によれば、これら超 強酸前駆体には分解に深い紫外線(波長300nm未満)が必要とされる。超強酸 前駆体をそれらが本来は感受性でない波長に感受性にするために種々の増感性色 素を使用することができることは公知である;例えば、クリベッロ(Crivello) 及びラム(Lam)のJ.PolymerSci.、16、2441(l978)の「色素で 増感された光開始カチオン重合(Dye-Sensitized Photoinitiated Cationpolyme rization)」(この文献は近紫外の波長と青の可視波長の両波長に対する増感を 教示している)、及び前記EP−A−423 446号明細書(この欧州特許は ある種特定のフェノチアジン誘導体を使用する近紫外の波長に対する増感を教示 している)を参照されたい。しかし、近紫外線又は青の可視光線の必要は高解像 度の画像を生成させる(この画像はレーザー画像形成法で最も好適に生成される )ことが望まれるときには不利である。現在の技術状態では、約700〜120 0nmの近赤外の波長で発光するダイオードレーザーで単位コスト当たりに 最高の出力が得られる。約1000−1200nmで発光する近赤外固体レーザー も画像形成法において有用であるが、一方紫外線レーザーは高価である。従って 、超強酸前駆体含有媒体の画像形成を赤外レーザー又は同様のレーザーを用いて 達成できるようにする目的から、超強酸前駆体をして近紫外線又は青の可視光線 以外の放射線に対して敏感にすることができるある種の方法を見いだすことが望 ましい。 前記のように、種々の増感性色素が、超強酸前駆体が増感性色素の非存在下で は感光しない波長に対する露光時にその超強酸前駆体の分解を触媒することがで きることは既に知られている。残念ながら、超強酸のpKaが極めて低いことの 結果として超強酸アニオンをプロトン化することが難しいために、増感性色素は 超強酸によりプロトン化されてしまい、そのため媒体中には非緩衝化超強酸(un buffered superacid)は生成されない(即ち、増感性色素は生成した超強酸を緩 衝する)。生成したこの緩衝化超強酸は比較的弱い酸を必要とするだけのある種 特定の反応を開始させるのには用いることができる。例えば、前記EP−A−4 23 446明細書では、増感性色素であるそのフェノチアジンを米国特許第4 ,678,737号(EP−A−153 682号に相当)明細書の、超強酸前 駆体と、酸で開裂させることができる少なくとも1個の−C−O−C−結合、例 えば炭酸オルトエステル基、炭酸アセタールアミド基、エノールエステル基又は アシルイミノカーボネート基を有する酸開裂性化合物とを含んでいるホトレジス トと共に使用することが提案されている。これらの酸開裂性化合物は全て前記の 方法で生成される緩衝化超強酸のような比較的弱い酸で開裂させることができる 。しかし、このような方法では、非緩衝化超強酸は媒体の中に放出されないので 、これらの方法は非緩衝化強酸の存在を必要とするいかなる二次反応をもそれを 開始させるのに用いることはできない。 (本明細書では、“非緩衝化超強酸”なる用語は増感性色素で緩衝されていな い、従って緩衝されている超強酸、即ち増感性色素により緩衝されている超強酸 により与えられる酸性化合物より強い酸性化合物を与える超強酸を意味すべく用 いられる。超強酸の極めて高い酸度とその結果として必然的に伴われる、通常塩 基とは見なされない化合物でもプロトン化してしまう傾向の故に、“非緩衝化超 強酸”は、実際、増感性色素より塩基性が低い画像形成性媒体のある種の成分に より緩衝された化合物として存在することが可能で、かつそれは全く確からしい 。しかし、他の化合物によるそのような緩衝作用は、超強酸が増感性色素により 緩衝されている超強酸によって与えられる酸性化合物より強い酸性化合物として 存在する限りは、本発明の目的に関しては無視されるだろう。) 本発明は、超強酸前駆体を、増感性色素を使用して、その超強酸前駆体が増感 性色素の非存在下では感受性でない波長を有する放射線に対して感受性とする、 一般的には、前記EP−A−423 446号明細書の方法と同様の方法を提供 するものである。しかし、本発明の方法は画像形成性媒体に非緩衝化超強酸を与 え、それによってこの方法をして緩衝化超強酸によっては行われ得ない種々の化 学変化を行うのを可能にするものである。媒体に酸感受性物質を含めることによ って、この方法は画像の形成に用いることができるようになる。 従って、本発明は: 第一の波長を有する化学線を吸収することができる色素;及び 第一波長より短い第二の波長を有する化学線により分解されて超強酸を形成す ることができるが、その色素の非存在下では第一波長の化学線によっては分解す ることができない超強酸前駆体; を含んで成る画像形成性媒体を提供するものである。この画像形成性媒体は、超 強酸前駆体の分解により生成する超強酸が上記色素から誘導されるプロトン化生 成物を形成すること、及びその媒体が、熱分解されて第二の酸を形成することが できる第二酸生成剤を更に含むことを特徴とする。ここで、第二酸生成剤の熱分 解は上記超強酸の存在下で触媒されるが、前記色素から誘導されるプロトン化生 成物の存在下では本質的に触媒されないものである。 本発明は、また、超強酸前駆体と、色素の非存在下ではその超強酸前駆体を分 解して対応する超強酸を形成する反応を引き起こさない第一の波長を有する化学 線を吸収することができるそのような色素との混合物を含有する媒体を用意する ことから成る超強酸の生成法にして、その超強酸前駆体が第一波長より短い第二 の波長を有する化学線により分解され得るものである、上記方法を提供する。こ の方法は、その媒体に第一波長を有する化学線を照射してその化学線を吸収させ 、 かつ超強酸前駆体の一部を分解させ、同時に色素から誘導されるプロトン化生成 物を形成させるが、色素によって緩衝されていないいかなる超強酸も形成させず 、その後その媒体に第二波長を有する化学線を照射して残りの超強酸前駆体の一 部を分解させ、同時に色素によって緩衝されていない超強酸を形成させることを 特徴とするものである。 この方法の1つの好ましい態様において、媒体はその一部だけが第一波長を有 する化学線で照射されるが、媒体のより大きな部分が、第一波長と第二波長の両 波長の化学線に露光された媒体のその部分には非緩衝化超強酸は生成されるが、 第二波長の化学線に露光されるが、第一波長の放射線には露光されない媒体のそ の部分には非緩衝化超強酸は生成されないように、第二波長の化学線で照射され る。媒体は生成した非緩衝化超強酸が画像を形成するように第一波長の化学線に 像様露光されるのが望ましい。 最後に、本発明は180〜400nmの範囲の波長を有する紫外線で分解されて 超強酸を形成することができる、700〜1200nmの範囲内の波長を有する赤 外線では分解されない超強酸前駆体を含んで成る画像形成性媒体を提供する。こ の媒体は700〜1200nmの範囲内の波長を有する赤外線を吸収することがで きる色素を更に含み、そしてこの範囲内の放射線を吸収するとその超強酸前駆体 を分解させ、同時にその色素から誘導されるプロトン化生成物を形成させること を特徴とし、更にこの媒体は、超強酸は存在するが、色素から誘導されるプロト ン化生成物は存在しない状態で化学変化を受ける物質も含んでいる。 図1A〜1Dは本発明の1つの好ましい方法の色々な段階中の画像形成性媒体 の露光域及び非露光域における酸濃度を示すものであり; 図2は後記の式Iのスクアル酸(squaric acid)誘導体の合成を示すものであ り;そして 図3は本発明の画像形成性媒体が本発明の画像形成プロセス中に一対の熱ロー ラー間を通過しつつあるときのその画像形成性媒体の模式的断面図である。 既に述べたように、本発明の方法は超強酸前駆体と色素との混合物を含有する 媒体を用いるものである。色素(以後においては、増感性色素と称されることも ある)はこの増感性色素の非存在下では超強酸前駆体の、それに対応する超強酸 を形成する分解反応を引き起こさない第一波長を有する化学線を吸収することが できるものである。第一波長は、典型的には、約700〜約1200nmの範囲に あり、従ってその増感性色素は近赤外増感性色素である。また、超強酸前駆体は 第一波長より短い第二波長を有する化学線により分解することができるものであ る。この第二波長は、典型的には、約400〜約180nmの範囲にあり、そのた めこの第二波長の化学線は紫外線源(例えば、水銀アーク灯)によって好適に供 給することができる。これらの紫外線源は容易に入手することができ、当業者に はよく知られているものである。 超強酸前駆体をよく知る当業者に周知のように、超強酸前駆体は、紫外線、そ の他の化学線を照射するとその超強酸前駆体を分解して超強酸を生成させるのを 可能にする前駆体増感剤、典型的には多環式炭化水素、例えばピレンの存在を必 要とする。 請求の範囲 1.次の: 第一の波長を有する化学線を吸収することができる色素;及び 該第一波長より短い第二の波長を有する化学線により分解されて超強酸を形成 することができるが、該色素の非存在下では該第一波長の化学線によっては分解 することができない超強酸前駆体 を含んで成る画像形成性媒体にして、 該媒体は、該超強酸前駆体の分解により生成する該超強酸が該色素から誘導さ れるプロトン化生成物を形成すること、及び熱分解されて第二の酸を形成するこ とができる第二酸生成剤を更に含むことを特徴とし、ここで該第二酸生成剤の熱 分解は該超強酸の存在下で触媒されるが、該色素から誘導されるプロトン化生成 物の存在下では本質的に触媒されないものである 前記画像形成性媒体。 2.超強酸前駆体と色素が高分子結合剤に分散されていることを特徴とする、 請求の範囲第1項に記載の画像形成性媒体。 3.超強酸前駆体がヨードニウム化合物から成ることを特徴とする、請求の範 囲第1項又は第2項に記載の画像形成性媒体。 4.第二酸生成剤がスクアル酸誘導体であり、そして該スクアル酸誘導体から 生成する第二の酸がスクアル酸又はその酸性誘導体である、請求の範囲第1〜3 項のいずれか1項に記載の画像形成性媒体。 5.スクアル酸誘導体が、(a)3−置換基と4−置換基の少なくとも一方が スクアル酸環に結合した酸素原子、及び該酸素原子に結合したアルキル基、部分 的に水素化されたアリール基、又はアラルキル基より成る3,4−ジ置換−シク ロブテ−3−エン−1,2−ジオンであり、ここで該3,4−ジ置換−シクロブ テ−3−エン−1,2−ジオンは、その誘導体に本来存在するアルコキシ基、ア リールオキシ基若しくはアラルキルオキシ基の全て又は各々をヒドロキシル基で 置換して1個のヒドロキシル基を有するスクアル酸又は酸性スクアル酸誘導体を 生成させるように分解することができるものであるか、又は(b)該スクアル酸 環の3位が酸素原子を有し、この酸素原子もアルキレン基又は部分的に水素化さ れたアリーレン基に結合され、該アルキレン基又は部分的に水素化されたアリー レン基の反対側の末端は該スクアル酸環の4位に直接又は第二の酸素原子を介し て結合されており、該3,4−ジ置換−シクロブテ−3−エン−1,2−ジオン はこれを該アルキレン基又は部分的に水素化されたアリーレン基の分解を伴って 分解させることができ、それによって3位にはヒドロキシル基を形成させ、また 4位は第二のヒドロキシル基か、又は該アルキレン基若しくは部分的に水素化さ れたアリーレン基に由来する残基のいずれかで占められるようにして置くことを 特徴とする、請求の範囲第4項に記載の画像形成性媒体。 6.3,4−ジ置換−シクロブテ−3−エン−1,2−ジオンが (a)スクアレート環に結合している酸素原子に直接結合している炭素原子が 非塩基性のカチオン安定化性基を有している、スクアル酸の第一及び第二エステ ル; (b)スクアレート環に結合している酸素原子に直接結合している炭素原子が 該炭素原子にsp2又はsp混成炭素原子を直接結合して有してはいない、スク アル酸の第三エステル;及び (c)スクアレート環に結合している酸素原子に直接結合している炭素原子が 該炭素原子にsp2又はsp混成炭素原子を直接結合して有するスクアル酸の第 三エステルであるが、但しこのsp2又はsp混成炭素原子又はこれらのsp2又 はsp混成炭素原子の少なくとも1個は、もし2個以上のそのような炭素原子が 、スクアレート環に結合している酸素原子に直接結合している炭素原子に直接結 合しているならば、電子引き抜き性基と共役している、そのようなスクアル酸の 第三エステル; より成る群から選ばれたものであることを特徴とする、請求の範囲第5項に記載 の画像形成性媒体。 7.スクアル酸誘導体が次式: (式中、R1はアルキル基、部分的に水素化された芳香族基、又はアラルキル基 であり、そしてR2は水素原子、又はアルキル基、シクロアルキル基、アラルキ ル基、アリール基、アミノ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキル アミノ基、アルキルチオ基、アルキルセレノ基、ジアルキルホスフィノ基、ジア ルキルホスホキシ基若しくはトリアルキルシリル基であり、但し基R1及びR2の いずれか一方又は両方は重合体に結合されていてもよい。) で表されるもの; 次式: (式中、R1及びR3は各々独立にアルキル基、部分的に水素化されたアリール基 、又はアラルキル基であり、但し基R1及びR3のいずれか一方又は両方は重合体 に結合されていてもよい。) で表されるもの;及び 次式: (式中、nは0又は1であり、そしてR4はアルキレン基又は部分的に水素化さ れたアリーレン基である。) で表されるもの の内の1種、又は スクアル酸誘導体が式: (式中、nは0又は1であり、そしてR5はアルキレン基又は部分的に水素化さ れたアリーレン基である。) で表される少なくとも1つの単位 から成ることを特徴とする、請求の範囲第5項に記載の画像形成性媒体。 8.第二酸生成剤がしゅう酸誘導体であり、そして該しゅう酸誘導体から生成 する第二の酸がしゅう酸又はその酸性誘導体であることを特徴とする、請求の範 囲第1〜3項のいずれか1項に記載の画像形成性媒体。 9.しゅう酸誘導体が (a)α−炭素原子が非塩基性のカチオン安定化性基を有しているしゅう酸の 第一及び第二エステル; (b)α−炭素原子がsp2又はsp混成炭素原子を該α−炭素原子に直接結 合して有してはいないしゅう酸の第三エステル; (c)α−炭素原子がsp2又はsp混成炭素原子を該α−炭素原子に直接結 合して有するしゅう酸の第三エステルであるが、但しこのsp2又はsp混成炭 素原子、又はこれらのsp2又はsp混成炭素原子の少なくとも1個は、もし2 個以上のそのような炭素原子が該α−炭素原子に直接結合しているならば、電子 引き抜き性基と共役している、そのようなしゅう酸の第三エステル; (d)2モルのアルコールとジオールのビス(ヘミオキサレート)との縮合に よって形成されるエステルであるが、但しタイプ(a)、(b)又は(c)の内 の少なくとも1種のエステル基を含有している、そのようなエステル; (e)エチレン性不飽和基を有するしゅう酸エステルの重合によって誘導され る高分子オキサレートであるが、但しタイプ(a)、(b)又は(c)の内の少 なくとも1種のエステル基を含有している、そのような高分子オキサレート;及 び (f)オキサレートの縮合重合体であるが、但し上記タイプ(a)、(b)又 は(c)の内の少なくとも1種のエステル基を含有している、そのような縮合重 合体の内の任意の1種又は2種以上のものであることを特徴とする、請求の範囲 第8項に記載の画像形成性媒体。 10.しゅう酸誘導体が、窒素雰囲気下において10℃/分の昇温率で示差走査 測熱法により測定して、いかなる触媒も存在しない状態で140〜180℃の範 囲の温度において熱分解を始めるものであることを特徴とする、請求の範囲第8 項に記載の画像形成性媒体。 11.住媒体が第二の酸の存在下で色を変えることができる酸感受性物質を更に 含んでいることを特徴とする、請求の範囲第1〜10項のいずれか1項に記載の 画像形成性媒体。 12.酸感受性物質が、第二酸生成剤を加熱することによって遊離され得る全て の第二の酸を中和するには不十分な量の塩基性物質と混合されていることを特徴 とする、請求の範囲第11項に記載の画像形成性媒体。 13.超強酸前駆体と、色素の不存在下では該超強酸前駆体を分解して対応する 超強酸を形成する反応を引き起こさない第一の波長を有する化学線を吸収するこ とができるそのような色素との混合物にして、該超強酸前駆体は該第一波長より 短い第二の波長を有する化学線によって分解され得るものである該混合物を含有 する媒体を用意することから成る超強酸の生成法にして、 該媒体に該第一波長を有する化学線を照射し、それによって該化学線を吸収さ せ、かつ該超強酸前駆体の一部を分解させ、同時に該色素から誘導されるプロト ン化生成物を形成させるが、該色素によって緩衝されていない超強酸は形成させ ず;その後に 該媒体に該第二波長を有する化学線を照射し、それによって残っている超強酸 前駆体の一部を分解させ、同時に該色素によって緩衝されていない超強酸を形成 させることを特徴とする、前記超強酸の生成法。 14.請求の範囲第2〜12項に定義される特徴の任意の1つ又は2つ以上を含 むことを特徴とする、請求の範囲第13項に記載の方法。 15.第一波長が700〜1200nmの範囲にあり、そして色素がこの波長範囲 内の赤外線を吸収することができる赤外増感性色素であり、一方第二波長が40 0〜180nmの範囲にある、請求の範囲第13項に記載の方法。 16.180〜400nmの範囲の波長を有する紫外線により分解され得るが、7 00〜1200nmの範囲内の波長を有する赤外線によっては分解されない超強酸 前駆体を含んで成り、そして700〜1200nmの範囲内の波長を有する赤外線 を吸収することができる色素を更に含み、そしてこの範囲内の放射線を吸収する と該超強酸前駆体を分解させ、同時に該色素から誘導されるプロトン化生成物を 形成させることを特徴とし、更にこの媒体は、該超強酸は存在するが、該色素か ら誘導されるプロトン化生成物は存在していない状態で化学変化を受ける物質も 含んでいることを特徴とする、画像形成性媒体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ミンズ,リチャード エイ. アメリカ合衆国 02174 マサチューセッ ツ州アーリントン,クレアモント アベニ ュー 64 (72)発明者 プティック,アンソニー ジェイ. アメリカ合衆国 02174 マサチューセッ ツ州アーリントン,ウエストミンスター アベニュー 97 (72)発明者 テイラー,ロイド ティー. アメリカ合衆国 02173 マサチューセッ ツ州レキシントン,モウリーン ロード 1 (72)発明者 テルファー,スチーブン ジェイ. アメリカ合衆国 02174 マサチューセッ ツ州アーリントン,ウィンザー ストリー ト 74

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.超強酸前駆体を含み、そして更に 第一の波長を有する化学線を吸収することができる色素;及び 熱分解して第二の酸を形成することができる第二酸生成剤 を含んでいることを特徴とする画像形成性媒体にして、 該超強酸前駆体は該第一波長より短い第二の波長を有する化学線により分解さ れて超強酸を形成するが、該色素の非存在下では該第一波長の化学線によっては 分解されないものであり、 該超強酸前駆体の分解により生成する該超強酸は該色素から誘導されるプロト ン化生成物を形成することができるものであり、そして 該第二酸生成剤の熱分解は該超強酸の存在下で触媒されるものである 前記画像形成性媒体。 2.超強酸前駆体と色素が高分子結合剤に分散されていることを特徴とする、 請求の範囲第1項に記載の画像形成性媒体。 3.超強酸前駆体がヨードニウム化合物から成ることを特徴とする、請求の範 囲第1項又は第2項に記載の画像形成性媒体。 4.第二酸生成剤がスクアル酸誘導体であり、そして該スクアル酸誘導体から 生成する第二の酸がスクアル酸又はその酸性誘導体である、請求の範囲第1〜3 項のいずれか1項に記載の画像形成性媒体。 5.スクアル酸誘導体が3−置換基と4−置換基の少なくとも一方がスクアル 酸環に結合した酸素原子、及び該酸素原子に結合したアルキル基若しくはアルキ レン基、部分的に水素化されたアリール基若しくはアリーレン基、又はアラルキ ル基より成る3,4−ジ置換−シクロブテ−3−エン−1,2−ジオンであり、 ここで該3,4−ジ置換−シクロブテ−3−エン−1,2−ジオンは、該誘導体 に本来存在するアルコキシ基、アルキレンオキシ基、アリールオキシ基、アリー レンオキシ基若しくはアラルキルオキシ基の全て又は各々をヒドロキシル基で置 換して1個のヒドロキシル基を有するスクアル酸又は酸性スクアル酸誘導体を生 成させるように分解することができるものであることを特徴とする、請求の範囲 第4項に記載の画像形成性媒体。 6.3,4−ジ置換−シクロブテ−3−エン−1,2−ジオンが (a)α−炭素原子が非塩基性のカチオン安定化性基を有しているスクアル酸 の第一及び第二エステル; (b)α−炭素原子がsp2又はsp混成炭素原子を該α−炭素原子に直接結 合して有してはいないスクアル酸の第三エステル;及び (c)α−炭素原子がsp2又はsp混成炭素原子を該α−炭素原子に直接結 合して有するスクアル酸の第三エステルであるが、但しこのsp2又はsp混成 炭素原子又はこれらのsp2又はsp混成炭素原子の少なくとも1個は、もし2 個以上のそのような炭素原子が該α−炭素原子に直接結合しているならば、電子 引き抜き性基と共役している、そのようなスクアル酸の第三エステル: より成る群から選ばれたものであることを特徴とする、請求の範囲第5項に記載 の画像形成性媒体。 7.スクアル酸誘導体が次式: (式中、R1はアルキル基、部分的に水素化された芳香族基、又はアラルキル基 であり、そしてR2は水素原子、又はアルキル基、シクロアルキル基、アラルキ ル基、アリール基、アミノ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキル アミノ基、アルキルチオ基、アルキルセレノ基、ジアルキルホスフィノ基、ジア ルキルホスホキシ基若しくはトリアルキルシリル基であり、但し基R1及びR2の いずれか一方又は両方は重合体に結合されていてもよい。) で表されるもの; 次式: (式中、R1及びR3は各々独立にアルキル基、部分的に水素化されたアリール基 、又はアラルキル基であり、但し基R1及びR3のいずれか一方又は両方は重合体 に結合されていてもよい。) で表されるもの;及び 次式: (式中、nは0又は1であり、そしてR4はアルキレン基又は部分的に水素化さ れたアリーレン基である。) で表されるもの の内の1種、又は スクアル酸誘導体が式: (式中、nは0又は1であり、そしてR5はアルキレン基又は部分的に水素化さ れたアリーレン基である。) で表される少なくとも1つの単位 から成ることを特徴とする、請求の範囲第5項に記載の画像形成性媒体。 8.第二酸生成剤がしゅう酸誘導体であり、そして該しゅう酸誘導体から生成 する第二の酸がしゅう酸又はその酸性誘導体であることを特徴とする、請求の範 囲第1〜3項のいずれか1項に記載の画像形成性媒体。 9.しゅう酸誘導体が (a)α−炭素原子が非塩基性のカチオン安定化性基を有しているしゅう酸の 第一及び第二エステル; (b)α−炭素原子がsp2又はsp混成炭素原子を該α−炭素原子に直接結 合して有してはいないしゅう酸の第三エステル; (c)α−炭素原子がsp2又はsp混成炭素原子を該α−炭素原子に直接結 合して有するしゅう酸の第三エステルであるが、但しこのsp2又はsp混成炭 素原子、又はこれらのsp2又はsp混成炭素原子の少なくとも1個は、もし2 個以上のそのような炭素原子が該α−炭素原子に直接結合しているならば、電子 引き抜き性基と共役している、そのようなしゅう酸の第三エステル; (d)2モルのアルコールとジオールのビス(ヘミオキサレート)との縮合に よって形成されるエステルであるが、但しタイプ(a)、(b)又は(c)の内 の少なくとも1種のエステル基を含有している、そのようなエステル; (e)エチレン性不飽和基を有するしゅう酸エステルの重合によって誘導され る高分子オキサレートであるが、但しタイプ(a)、(b)又は(c)の内の少 なくとも1種のエステル基を含有している、そのような高分子オキサレート;及 び (f)オキサレートの縮合重合体であるが、但し上記タイプ(a)、(b)又 は(c)の内の少なくとも1種のエステル基を含有している、そのような縮合重 合体 の内の任意の1種又は2種以上のものであることを特徴とする、請求の範囲第8 項に記載の画像形成性媒体。 10.しゅう酸誘導体が、窒素雰囲気下において10℃/分の昇温率で示差走査 測熱法により測定して、いかなる触媒も存在しない状態で140−180℃の範 囲の温度において熱分解を始めるものであることを特徴とする、請求の範囲第8 項に記載の画像形成性媒体。 11.第二の酸の存在下で色を変えることができる酸感受性物質を含むことを特 徴とする、請求の範囲第1〜10項のいずれか1項に記載の画像形成性媒体。 12.酸感受性物質が、第二酸生成剤を加熱することによって遊離され得る全て の第二の酸を中和するには不十分な量の塩基性物質と混合されていることを特徴 とする、請求の範囲第11項に記載の画像形成性媒体。 13.超強酸前駆体と、色素の不存在下では該超強酸前駆体を分解して対応する 超強酸を形成する反応を引き起こさない第一の波長を有する化学線を吸収するこ とができるそのような色素との混合物にして、該超強酸前駆体は該第一波長より 短い第二の波長を有する化学線によって分解され得るものである該混合物を含有 する媒体を用意することから成る非緩衝化超強酸の生成法にして、 該媒体に該第一波長を有する化学線を照射し、それによって該化学線を吸収さ せ、かつ該超強酸前駆体の一部を分解させ、同時に非緩衝化超強酸は形成させな いが、該色素から誘導されるプロトン化生成物を形成させ:その後に 該媒体に該第二波長を有する化学線を照射し、それによって残っている超強酸 前駆体の一部を分解させ、同時に非緩衝化超強酸を形成させる ことを特徴とする、前記非緩衝化超強酸の生成法。 14.請求の範囲第2〜12項に定義される特徴の任意の1つ又は2つ以上を含 むことを特徴とする、請求の範囲第13項に記載の方法。 15.第一波長が700〜1200nmの範囲にあり、そして色素がこの波長範囲 内の赤外線を吸収することができる赤外増感性色素であり、一方第二波長が40 0〜180nmの範囲にある、請求の範囲第13項に記載の方法。 16.180〜400nmの範囲の波長を有する紫外線により分解され得るが、7 00〜1200nmの範囲内の波長を有する赤外線によっては分解されない超強酸 前駆体を含んで成り、そして700〜1200nmの範囲内の波長を有する赤外線 を吸収することができる色素を更に含んでいることを特徴とする画像形成性媒体 。
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