JPH08503067A - 非侵略的な母系血液スクリーニングによるダウン症候群検出方法および装置 - Google Patents

非侵略的な母系血液スクリーニングによるダウン症候群検出方法および装置

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、妊婦から得られた血液試料を分析することによって出生前スクリーニング中に胎児ダウン症候群(21-トリソミー)、13-トリソミー、18-トリソミーやその他の染色体異常を検出する方法に関する。遊離βヒト絨毛ゴナドトロピン(HCG)および遊離β(HCG)のニッキングされた形態もしくは切断された形態または異常な形態のすべては本明細書を通じて妊婦から得た血液試料中の遊離β(HCG)と呼ばれるが、本発明は、特に、これらを計量することによって染色体異常をスクリーニングする際の検出効率を改善する方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 非侵略的な母系血液スクリーニングによる ダウン症候群検出方法および装置 本明細書は、現在は放棄された1989年1月17日提出の出願第07/297,481号の 一部継続出願であるが現在は放棄された1989年2月17日提出の出願第07/311,8 08号の一部継続出願であるが現在は放棄された1989年5月8日に提出された出願 第07/349,373号の一部継続出願であるが現在は放棄された1989年6月1日の出願 第07/360,603号の一部継続出願である1989年10月12日に出願された出願第07 /420,775号の一部継続出願である1992年4月14日出願の出願第07/868,160 号の一部継続出願である。発明の分野 本発明は、胎児ダウン症候群(21-トリソミー)、13-トリソミー、18-トリソ ミー、ターナー症候群、その他の染色体異常を出生前スクリーニング中に検出す る方法に関する。遊離β(ヒト絨毛ゴナドトロピン「HCG」)およびニッキン グされた形態もしくは切断された形態または異常な形態すべては本明細書を通じ て遊離β(HCG)として呼ばれているが、本発明は、特に、これらを計量する ことによってダウン症候群を出性前スクリーニングする際の検出効率を改善する 方法に関する。発明の背景 ダウン症候群は、21-トリソミーとも呼ばれており、重篤な精神遅滞を生じる 最も一般的な先天的原因である。一般に、胎児ダウン症候群は、羊水穿刺、絨毛 膜絨毛サンプリング、核型分析などの診断手続きによって判定することができる 。ただし、これらの診断手続きは、侵略的であり、女性と胎児にリスクを及ぼす 。こうした理由や他の理由から、羊水穿刺、絨毛膜絨毛サンプリング、核型分析 は、妊娠期間全体を通じて定期的に行われない。その代わりに、一つ以上のスク リーニング方法を使用すれば、いつ妊娠に対するリスクを冒しても侵略的な診 断手続きが必要かを判定することができる。 ダウン症候群の発生率は、母体の年齢が増加するにつれて有意に増加する。歴 史的には、ダウン症候群の出生前検出は35歳以上の妊婦に焦点を当てているが、 35歳以上の場合、ダウン症候群のリスクは、胎児ダウン症候群を検出するのに使 用する診断手続きのリスクとほとんど同じかそれを上回る。したがって、出生前 スクリーニングの標準的方法では、母体年齢に基づいて診断的な羊水穿刺をする には女性を選択しなければならなかった。ただし、羊水穿刺および核型分析を非 常なリスクに晒されている妊婦の約5%すなわち35歳以上の妊婦に実施すること によってダウン症候群妊娠の約20%しか検出できないという点においては、年齢 は不正確なスクリーニング基準である。また、実際の臨床診療においては35歳以 上の約30%の女性しか羊水穿剌および核型分析を経験していないので、出生前に 検出されるダウン症候群妊娠は、10%にも満たない。 1984年には、母系血液のαフェトフロテイン(AFP)と胎児ダウン症候群と の関連が突き止められた。文献の内容を本文にも参照として採用している「Anas sociationandfetalchromosomalabnormalities」,Merkatz,Macri,et al,Am. J.Obstet.Gynencol.148:996,1984などを参考にしていただきたい。この文献 では、その他の染色体トリソミー、特に、13-トリソミーおよび18-トリソミーが 母系血液のAFP濃度の低下に関連することが記されている。このような他の染 色体トリソミーの発生率(それぞれ、5000妊婦中1例、800妊婦中1例)は、一 般的な21-トリソミー(ダウン症候群)に関連する先天的なリスク(800妊婦中1 例)よりも相当低い。ただし、これらの他の染色体トリソミーは、MSAFP濃 度の低下と遊離β(HCG)濃度の上昇および低下に関連するので、このような 異常は母系血液のAFP濃度、遊離β(HCG)マーカーおよびその他本文に記 載の使用可能なマーカーを使用するスクリーニングプロトコルの範囲内で検出す ることもできる。当業者らには、21-トリソミーに関して本文に述べたプロトコ ルを使用すれば、13-トリソミー、 18-トリソミー、ターナー症候群、その他の染色体異常の検出を行うこともでき ることは明かであろう。 母系血液AFP濃度と胎児ダウン症候群との関連によって、約80%のダウン症 候群を発症する外見上は感染していない若い家族におけるダウ症候群の検出時に 、非侵略的な血液スクリーニングテストを使用する機会が与えられた。スクリー ニングマーカーとしては低い母系血液AFPに基づくスクリーニングテストの使 用によって、胎児ダウン症候群全症例中約20%の出生前検出ができるようになる と推測される。 別のスクリーニング方法は、母系血液中の非抱合型エストリオール(UE)の 濃度を測定する。本文に参照として取り入れた「Maternal blood screening fo r Down Syndrome in early pregnace」,Wald,etal.,British Journal of Obstetrics and Gynocology(BMG)volume 95,April 1988などを参考にされた い。 さらに、最近では、完全HCG分子およびHCGのαサブユニサト(HCGは 2つのサブユニットから成る)の濃度上昇と胎児ダウン症候群とが関連すること もわかつた。本文に参照として取り入れた「Abnormal Maternal SerumChorionic Gonadotropin Levels in Pregnancies with FetalChromosome Abnormalities」 ,Bogart,Pandian and JonesPrenatal Diagnosis,Vol.7,623-630(1987)な どを参考にされたい。このBogartの文献では、母系血液の完全HCG濃度の上昇 とHCGのαサブユニットの母系血液濃度の上昇によって、約68%の染色体異常 胎児を検出できると推測されている。なお、このような結果は、妊娠18-25週目 の妊婦の研究から得られており、り患例はダウン症候群のリスクにされされてい るとして以前に認められた女性から成ると思われる。 Bogartの米国特許第4,874,693号は、母系血液HCG濃度の上昇とHCGのα サブユニットの母系血液濃度の上昇とが、18-25週の妊婦および胎児ダウン症候 群に関連することを開示している。Bogartの特許は、母系血液HCG濃度 の上昇とHCGのαサブユニットの母系血液濃度上昇をスクリーニングプロトコ ールに利用すれば、AFPまたはUEのみを使用するよりも高い割合で染色体異 常胎児を検出することができると推測される。「Human Chorionic Gonadotropin Levels in Pregnancies with Aneuploid Fetuses」(Bogart et al.,Prenatal Diagnosis,Vol.9,379-384(1989))と題された論文では、BogartはHCG およびHCGのαサブユニットを利用するスクリーニング方法は、ダウン症候群 などの胎児異数性のリスクにある妊婦を選択するために、妊娠9-11週(第1トリ メスター)では利用できないと発表した。 一般に、上述で説明したように、母系血液HCGの評価によるスクリーニング は、完全なHCG分子の測定とHCGのαサブユニットの測定としか必要としな かった。これりのスクリーニング方法は、胎児ダウン症候群を検出するものでは あるが、ダウン症候群症例をより多く検出する方法が必要であり、望まれている 。 発明者は、母系血液遊離β(HCG)濃度の上昇と胎児ダウン症候群とに、従 来は知られていなかった関連性を発見した。また、発明者は遊離β(HCG)の 母系血液濃度およびAFPの母系血液濃度と胎児ダウン症候群との間にも従来は 知られていなかった関係を発見した。さらに、発明者は、遊離β(HCG)の母 系血液濃度と完全HCG分子の母系血液濃度および胎児症候群との比率に従来は 知られていなかった関連性を発見した。それに加え、多変量判別分析技術を使用 すれば、特に、妊娠期間をリスクカットオフレベル(risk cut-off level)に対 してこの判別分析技術において変数として採用した場合、遊離β(HCG)の母 系血液濃度、遊離β(HCG)およびAFPの母系血液濃度、そのいずれかの対 数、または両方の対数を使用するスクリーニング方法の検出効率を改善できるこ とも発見した。妊娠期間は、妊婦の胎児の年齢を言う。検出効率は、選択された リスクカットオフレベルに関して正確に検出された胎児ダウン症候群の症例の割 合を言う。リスクカットオフレベルについては、以下の節で詳細に説明する。判 別分析は、一般に母集団を確率に基づいて2つ以上のグループに 分類することを伴う多変量分析へのアプローチとして一般に知られている。判別 分析は、独立変数の一次的な組み合わせを構成する方法として述べられることも ある。このため、グループの差異を測定する問題は、一変重的な問題に変わる。 判別分析の一般的論点は、本文に参照として取り入れたMarketing Research,Ch urchill,G.A.Dryden,1976,Chapter 15,pp.530-543に見いだすことができ る。発明者は、遊離β(HCG)の母系血液濃度、完全HCGの母系血液濃度、 遊離β(HCG)の母系血液と完全HCG分子の母系血液の比率、UEの母系血 液濃度、および妊娠期間を多変量判別分析の対象とすることによって、ダウン症 候群の出生前検出用の既知の如何なるスクリーン方法よりも、偽陽性率が低く高 率の胎児ダウン症候例が検出されることを突き止めた。発明者は、さらに、遊離 β(HCG)の母系血液濃度およびAFPの母系血液濃度の測定値を使用し各測 定値の対数および妊娠期間を多変量分析の対象とすることによって、より多くの 胎児症候群例を検出することができる。これらの発見およびその他の発見は、発 明の開示の節および発明の詳細な説明の節でさらに詳細に説明する。 本発明の目的は、所定の偽陽性率で、その他に知られる出生前スクリーニング 方法よりも高い割合で胎児ダウン症候群を検出する胎児ダウン症候群をスクリー ニングする方法およびプロセスを提供する。 本発明の別の目的は、所定の検出率に対してその他に知られる方法よりも低い 偽陽性率の胎児ダウン症候群をスクリーニングする方法およびプロセスを提供す ることにある。 本発明のさらに別の目的は、多変量判別分析をダウン症候群をスクリーニング する方法を適用し偽陽性率が低い胎児ダウン症候群例を効率で検出することにあ る。 本発明のもっと別の目的は、母系血液遊離β(HCG)の濃度を測定すること によって胎児ダウン症候群をスクリーニングする方法およびプロセスを提供する ことにある。 本発明のさらにもっと別の目的は、AFPの母系血液濃度および遊離β(HC G)の母系血液濃度を測定することによって、胎児ダウン症候群をスク リーニングする方法およびプロセスを提供することにある。 本発明に係るその他の目的および利益は、以下の本発明に係る説明で明かにな ろう。 発明の開示 上記およびその他の目的を達成するために、本発明によれば、妊婦(以下、患 者と言うこともある)の遊離β(HCG)の母系血液濃度を、上述の文献に触れ られた技術などの免疫検定技術や当業者らに知られるその他の技術などを含み得 る従来の免疫学的技術によって測定する。次に、遊離β(HCG)の濃度を一連 の基準データと比較し、ダウン症候群にり患した胎児を宿しているリスクを判定 する。検出効率を改善するには、遊離β(HCG)の濃度および妊娠期間を一連 の基準データを測定すれば良い。さらに検出効率を改善するには、患者の母系血 液の遊離β(HCG)およびAFP(「マーカー」と呼ぶ)の濃度を、上述の論 文に触れられた技術などの当業者らには既知の検定技術を含む従来の免疫学的方 法によって測定する。次に、各マーカーの濃度を一連の基準データと比較し、ダ ウン症候群にり患した胎児を宿している患者のリスクを判定する。多変量分析技 術を有利に使用し、一連の基準データをマーカーの濃度と比較する。次に、より 詳しくは、患者に特異的なリスクは、Bayesの法則と、患者の先天的リスクと、 非り患妊婦およびり患妊婦に対する頻度とを用いて多変量判別分析を行い求めら れた基準データ荷無体する無確率密度関数に各マーカーの患者の定量レベルの対 数を取り入れることによって測定し算出される。ダウン症候群にり患した胎児を 宿しているリスクが、所定のリスクカットオフレベル(risk cut off level)よ りも大きい場合には、患者に更なる診断テストを進め、ダウン症候群の有無を確 認することが望ましい。 同様に、本発明に係る方法を13-トリソミー、18-トリソミー、ターナー症候群 、その他の染色体異常に用いるスクリーニングプロトコルに使用する場合、異常 を伴う胎児を宿している患者のリスクは、多変量判別分析技術を用いて判定する ことによって、遊離β(HCG)およびAFPの濃度を一連の基準データと比較 する。 妊娠期間を遊離β(HCG)の濃度およびAFPの濃度と一緒に標識として妊 娠期間を取り込むことによって、さらに検出効率を改善することができる。資料 数に関して遊離β(HCG)の母系血液濃度およびAFPの母系血液濃度は、対 数−ガウス分布曲線に従って分布する傾向にあるので、最大検出効率は、多変量 判別分析を行い求められた基準データに関して患者の各マーカーの定量レベルの 対数および妊娠期間を確率密度関数に取り込むことによって実施することができ る。 本文に記載するように、また発明者の従来の利用において、遊離β(HCG) には、完全遊離β(HCG)やいわゆる遊離β(HCG)の異常型を含み多くの 形態がある。このような遊離β(HCG)の異常形態には、完全遊離β(HCG )分子のフラグメントや「ニッキングされた」遊離β(HCG)などを含める。 遊離β(HCG)のこれらの形態やその他の形態に関する更なる詳細については 、以下の節で説明する。遊離β(HCG)の形態のいずれかまたはすべてを測定 する免疫学的方法は、本発明の範囲内に収まる。 本発明に使用するために適した従来の免疫学的技術には、バイオセンサの使用 方法についても含める。バイオセンサは、電気信号やその他の観察可能な読み取 り情報を生成することができる変換器にリンクされた抗体などの生物学的由来の 検出要素から成る。測定すべき遊離β(HCG)やその形態の特定量の物質が検 出要素に接触する場合、反応が起こり、変換器は反応を色、蛍光、温度、電流や その他の電気化学的信号に変換する。遊離β(HCG)の濃度および遊離β(H CG)の一形態を測定するバイオセンサは、本発明に係る方法の範囲内に収まる 。 本発明に係る方法およびプロセスの利益は、その他に知られる方法およびプロ セスよりも低い偽陽性率で、胎児ダウン症候群例を高率で正確に予測することに ある。 本発明に係るその他の利益は、以下のさらに詳細な説明と以下の例から明かに なろう。図面の簡単な説明 図1は、例2に関して21-トリソミーに関する個々のマーカーの有意水準を示 す表である。 図2は、例2に関して個々のマーカーに対するダウン症候群スクリーニング効 率を示す表である。 図3は、例2に関して複合マーカーに対するダウン症候群スクリーニング効率 を示す表である。 図4は、例2に関して非り患妊婦における遊離β(HCG)分布に関する所定 の百分位数を超えるダウン症候群例の割合を示す表である。 図5は、例2に関して個々のマーカーに対するダウン症候群効率を示す表であ る。 図6は、例2に関して異なる妊娠期間の範囲における複合マーカーとしてlog AFPおよびlog遊離β(HCG)のダウン症候群スクリーニング効率を示す表 である。 図7は、例2に関して米国中のAFP、遊離β(HCG)および母体年齢につ いてダウン症候群スクリーニング効率を予測した表である。 図8は、例2に関して非り患妊婦のさまざまな百分位数に関して21-トリソミ ーの場合の遊離β(HCG)濃度を示すグラフ図である。 図9は、例2に関して遊離β(HCG)濃度の分布を示すグラフ図である。 図10は、例2に関して種々のマーカーの組み合わせに関するダウン症候群ス クリーニング効率を示す表である。 図11は、ダウン症候群を検出する方法を実施する際に使用される本発明に係 る装置を示す図である。 図12および図13は、り患胎児を宿している患者の特異的リスクに関して使 用するための基準パラメータを用いるコンピュータプログラム用フローチャート である。 図14は、り患胎児を宿している患者の特異的リスクを判定するための図12 および図13において示されたプログラムで算出された基準パラメータを使用す るコンピュータプログラム用のフローチャートである。 図15は、例4に関して患者試料の遊離β(HCG)濃度の分布を示すグラフ 図である。 図16は、例5に関して患者試料の遊離β(HCG)濃度の分布を示すグラフ 図である。 図17は、例6に関して患者試料の遊離β(HCG)濃度の分布を示すグラフ 図である。発明の詳細な説明 本発明の一実施例では、母系血液試料を患者から採取する。次に、遊離β(H CG)の母系血液濃度を当業者らによって知られる免疫学的方法などの従来の分 析方法によって測定する。続いて、遊離β(HCG)の母系血液濃度を一連の基 準データと比較し、患者がダウン症候群り患胎児を宿しているリスクが増加して いるか否かを判定する。検出効率を高めるために、妊娠期間および遊離β(HC G)の母系血液濃度を一連の基準データと比較し、患者がダウン症候群り患胎児 を宿しているリスクが増加しているか否かを判定することができる。 本明細書の提出日と同日に出願された発明者の同時継続出願「DOWN SYNDROME SCREENING METNOD UTILIZING DRIED BLOOD SAMPLES」に記載されているように、 妊婦から採取された血液試料は、運搬および将来の分析のために乾燥させること ができる。このため、本発明に係る方法は、液体血液サンプルおよび乾燥血液サ ンプルの分析を含む。 さらに、遊離β(HCG)の特定のフラグメントは、妊婦の尿に排泄される場 合があることが一般的に知られている。このようなフラグメントの1つは、「β コアフラグメント」と呼ばれ、第6-40番目のアミノ酸残基のジスルフィドが完全 遊離β(HCG)分子を構成する第55-92番目のアミノ酸残基に連結されている 。妊婦の尿中の遊離β(HCG)のβコアフラグメントを測定するために考案さ れた検定を本発明に係る方法に従うダウン症候群用のスクリーニングプロトコル に使用することは可能である。 遊離β(HCG)の母系血液濃度を測定する既知の分析方法の中には、本発明 に役立つものもあるだろうが、当業者らには明かなように、遊離β(HCG)に 対して使用される分析方法は、遊離β(HCG)に対する基準データを作成する ために使用される方法と同じでなければならない。新たな分析方法を使用する場 合は、一連の基準データをその方法で求めたデータに基づいて作成しなければな らない。このため、血斑を分析するのに使用される技術は、基準データおよびス クリーニングすべき試料については同じであることが望まれる。 遊離β(HCG)に特異的な抗体を生成する際には、抗体の中にはタンパク質 に特異的なものもあれば、炭水化物会合抗原部位に特異的なものもあることも、 一般に理解されている。本発明に係る記載を通じて言及される遊離β(HCG) 濃度の測定には、タンパク質、炭水化物会合抗原部位もしくはその他の遊離β( HCG)上の部位に特異的な抗体を使用することも含む。 さらに、一般の当業者らには、(HCG)のαサブユニットは単一の遺伝子に よってコード化されるが、遊離β(HCG)は少なくとも7つの非常に類似した 遺伝子または偽遺伝子の複合系によってコード化されることが理解されている。 本文の参照として「Humanchorionicgonadotropinbeta-subunitis encoded by at least eight genes arranged in tandem and invertedpairs」(ヒト絨毛性ゴ ナドトロピンβサブニットは、縦列逆方向の対に配列された少なくとも8つの遺 伝子によってコード化される),Boorstein,Vamvakopoules,& Fiddes;Nature Vol 300,2Dcember 1982という原理を取り入れたので参照にして頂きたい。7 つの遊離β(HCG)遺伝子のうち3つの遺伝子しか遊離β(HCG)の正常な 胎盤生成では発現しない。「Fragmentation of the Beta Subunit of Human Cho rionic Gonadotropin Produced by Choriocarcinoma;Nishimura,ide,Utusnom iya,Kitajima,Yuki,and Mocizuki;Endocrinology,Vol.123,No.1,1988の 原理を本文の参照として取り入れたので、参考にしていただきたい。上述の3つ の同じ遺伝子は、対し背ダウン症候群が認められる期間などの病的状態で発現さ れるか否かは測定されていな い。従って、アミノ酸配列がわずかに異なる遊離 β(HCG)の複数の形態や、その他の差異を合成することが可能である。さら に、ダウン症候群では、一つ以上の遊離β(HCG)遺伝子が発現されるので、 一つまたはそれ以上の遊離β (HCG)のユニークな変異型)を生成するとも可能である(これについては、 上述でニッキングされた形態、切断された形態、または異常な形態として触れた )。本発明によれば、これらの変異型は、遊離β(HCG)を測定する従来の免 疫学的技術によって測定することができよう。ダウン症候群に関連した一つ以上 の特異的な遊離β(HCG)変異型を測定するために開発された検定方法によっ て、検出効率を高めることもできる。 発明者らは、遊離β(HCG)を測定し21-トリソミーにり患した妊婦および 非り患妊婦を区別するために検定技術を効率的に使用した。21-トリソミーに対 する検出効率は、83%程度になった。当業者らに広く知られているように、抗体 を使用して特異的な被検体を定量すると、異なるが類似する物質とある程度交差 感受性を示す。このため、り患例と非り患例の区別は、使用される抗体とある程 度の交差感受性があるために、検出されている異常型の遊離β(HCG)の有無 に影響される。異常型の遊離β(HCG)は、新規の生化学的物質ということが できる。実際に、科学文献から得られる情報は、異常型の遊離β(HCG)が認 められたことを示している(上述のNishimuraらの文献などを参照していただき たい)。 21-トリソミーり患例は、異常型の遊離β(HCG)によって特徴づけること もでき、この場合、当業者らはこのような異常型に対する特異的な抗体を開発す ることができりため、この症候群に関する検出効率をさらに高めることができる 。 あるいは、ダウン症候群り患例は、遊離β(HCG)を含むあみの酸の不完全 な部分から成る遊離β(HCG)からなる切断形態またはフラグメント形態によ って特徴づれることもできる。当業者らには理解できるように、遊離β(HCG )を測定するための検定方法によって、その検定が利用される一つ異常のエピト ープが遊離β(HCG)のフラグメントに存在する場合には、遊離β(HCG) のフラグメントも検出することができる。 このように、遊離β(HCG)の異常な形態または切断された形態を「ニッキ ングされた」遊離β(HCG)と呼ぶこともできる。ニッキングされた遊離β( HCG)において、ペプチド結合は、遊離β(HCG)のアミノ酸の間には欠 落している。既知の形態のニッキングされた遊離β(HCG)では、ペプチド結 合は、残基44番目と45番目の間または残基47番目と48番目の間で欠落している場 合がある。技術は、ニッキングされた遊離β(HCG)の形態を測定するために 開発されてきた。上述に説明したように、これらの技術は、本発明に係る方法に 使用して、ニッキングされた遊離β(HCG)の母系血液濃度またはニッキング された遊離β(HCG)濃度と遊離β(HCG)濃度の複合血液濃度を測定する ことによって胎児ダウン症候群に関してスクリーニングすることができる。 例7に示したように、遊離β(HCG)の測定に使用される特定の免疫検定よ って「ニッキングされた」遊離β(HCG)が測定される。本発明に係る方法は 、このような免疫検定を含む。各例に示されるように、妊婦の血液中の遊離β( HCG)濃度およびニッキングされた遊離β(HCG)濃度を測定する免疫検定 を使用するダウン症候群用のスクリーニングプロトコルの検出効率は、約80%で ある。 基準データは、ダウン症候群にり患した胎児を宿している妊婦(り患者とも呼 ぶ)に対する母系血液濃度および正常な胎児を宿している妊婦(非り患者とも呼 ぶ)に対する遊離β(HCG)の母系血液濃度またはその一方の濃度に反映する 。当業者らによって一般に理解されるように、胎児ダウン症候群に関してスクリ ーニングする方法は、比較によって意志決定するプロセスである。意志決定プロ セスを問わず、その病気にかかっているか当該の条件を有する患者およびその病 気にかかっていないか当該の条件を有さない患者またはその一方に基づく基準値 を追加する。本発明では、基準値は、測定された一つ以上のマーカーで、ダウン 症候群り患胎児を宿している妊婦および正常な胎児を宿している妊婦の遊離β( HCG)などの母系血液濃度である。一連の基準データは、多数の試料に対する 基準値を収集することによって求められる。当業者らには明かなように、基準デ ータのセットは、基準値の増加を含むことによって、改善される。 患者がダウン症候群をり患する胎児を宿しているリスクが増加しているか否か を判定するには、カットオフ(cut-off)を確立しなければならない。当業者に は、患者が13-トリソミーまたは18-トリソミーにり患した胎児を宿しているリス クが増加したか否かまを判定するために確立されたカットオフは、21-トリ ソミーの症例を確認するのにも効果的できある。このカットオフは、研究室、医 師または各患者ごとにケースバイケースで確立することができる。カットオフレ ベル(cut-off level)は、さらに侵略的な診断テストを受けることになる女性 の数、さら侵略的な診断テストを受けることになるすべての女性に対するダウン 症候群胎児を宿している平均リスク、患者に特異的なリスクが400例中1例など の特定のリスクレベルを超える女性を問わずさらに侵略的な診断テストを受ける べきであるとの決定、または、その他に当業者らに知られてる基準を含む複数の 基準に基づく。カットオフレベルは、百分位数、平均±標準偏差、中央値の倍数 、患者の特異的リスクを含む多数の方法または当業者らに知られているその他の 方法を使用して確立することができる。 本発明に係る別の実施例では、胎児ダウン症候群例数を多数検出することがで き、血斑は、遊離β(HCG)およびAFPに関して二重被検体検定(dual ana lyte assay)を使用して分析される。母系血液濃度を測定する既知の分析方法を 問わず本発明に役立てることができるが、当業者らには明かなように、各マーカ ーに使用される分析方法は、特定のマーカーに対する基準データを作成するのに 使用される方法と同じでなければならない。新たな分析方法を特定のマーカーに 対して使用する場合には、その方法で求められたデータに基づいて新たな基準デ ータの組み合わせを作成しなければならない。 好ましくは、ダウン症候群り患胎児を宿している患者に特異的なリスクは、Ba yesの法則、患者の先天的リスク、各被検体(遊離β(HCG)およびAFP) に対する患者の定量レベルを患者の妊娠期間と一緒に多変量判別分析を行って基 準データに関して求められた確率密度関数に取り入れることによって測定される り患妊婦および非り患妊婦に関する相対頻度を用いて算出される。多変量判別分 析は、市場で入手できるコンピュータプログラム統計的パッケージStatistical Analysis System(SAS Institute Inc.が製造販売)で、その他の方法の多変量 統計分析、または、当業者らに知られているその他のソフトウェアパッケージに よって、実施することができる。 確率密度関数は、各被検体の患者の濃度を一連の基準データと比較する方法を 提供するものである。あるタイプの確率密度関数は、当業者らには明かであると 思われるが、以下に説明する通りであり、その他の確率密度関数も、同様の役割 を果たすので、本発明のおいて十分に機能する。 ダウン症候群の式 下付文字「a」は、り患例示す。 下付文字「u」は、非り患例を示す。 (X-M)は、ベクトルであり、各要素は各変数から変数の平均を引いたレベルで ある。 cov-1は、モデルのすべての変数のり患例および非り患例のプールされた共変動 値行列の逆数である。 (X-M)Tは、(X-M)ベクトルの移項である。 EXPは、指数関数である。 |cov|は、基準データに関するモデルのすべての変数の共変動行列の行列式で ある。 当業者らには明かなように、非り患妊婦およびり患妊婦に対する個々の共変動 行列は、プールされた共変動行列である。さらに、ダウン症候群に関する式は、 以下のようになる。 判別分析を行うために、一般には選択されない母集団におけるダウン症候群の 事前リスクについて仮定する。一般に事前確率は、約800例中1例である。多変 量判別分析を行うため、どのリスクカットオフレベルが陽性の試験結果を成すか について決定する。たとえば、さらに診断テストをダウン症候群り患胎児を宿し ている確率が400分の1以上の妊婦に行いたければ、判別分析の結果が妊婦がダ ウン症候群り患胎児を宿している確率が400分の1以上であることを示す場合に 、その妊婦を陽性の結果であるとみなす。陽性の結果が示された場合、患者はさ らに診断テストを受けてダウン症候群の有無を確認することが望まれる。 図11−14に関しては、基準パラメータおよび特異的リスクを算出するため のコンピュータプログラム用の装置およびフローチャートが示されている。 図11に示されるように、妊娠期間GA、AFP濃度および遊離β(HCG) 濃度は、基準データを求めるためにり患妊婦および非り患妊婦から従来の技術に よって判定される。大多数のサンプルは、信頼性を高めるために選択されている 。基準パラメータを求めるための測定値は、図式的に10で示される。 基準パラメータ22が適切な入力装置15による入力後、処理装置20によっ て算出されれば、特定の患者に対する特異的リスク25は、30で示された個々 の特異的に測定されたマーカー値に基づいて算出することができる。 基準パラメータを判定するプログラムは、図12および図13に示し、特異的 リスクを算出するプログラムは図14に示した。 図12および図13では、第1のループ100では、プログラムは識別データ IDと、妊娠期間GAと、AFPおよび遊離β(HCG)の量および妊娠が21- トリソミーにりよって影響されているか否かを指示するCODEを基準データを 得るために基準グループから読みとる。これは、ステップ102に示されてい る。図示のフローチャートでは、妊娠期間GAは、変数X1によって示され、A FPの対数は、変数X2によって与えられ、遊離β(HCG)の対数はX3によっ て与えられており、これらはステップ104に示されている。ステップ106に 示すように、数X1、X2、X3に基づいて和行列および和−積行列を求めるかあ るいは算出する。基準グループ中のり患例数および非り患例数を計算する変数NCODE は、インクリメントされる。流れ線110によって示されるように、ループ を抜け出ると、参照番号112によって示されるように数I、J、Kによって定 義された一連のループによって算出される。これらのループでは、共変行列は、 ループ100で定義された和行列とループ100で算出された和積行列とを用い て算出される。これらのループの後、り患例および非り患例に対する共変行列を プールすべきか否かを選択する。この選択は、ステップ114、116および1 18で入力され、選択はプールされ、共変動値はプールされてステップ120に よって与えられたようにプールされた共変行列を形成し、プールされた共変行列 は逆にされて、122に示すように逆プール共変行列IPCMになり、平均値お よび逆プール共変行列は、ステップ124および126でファイルにセーブされ プリントアウトされる。共変行列をプールしない選択をした場合、2つの共変行 列の各々はステップ123および125で逆にされ、平均値と逆共変行列は、ス テップ125および127でファイルにセーブされプリントアウトされる。これ らの数は、り患胎児を宿している特異的な個体のリスクを算出するための基準パ ラメータを含む。 図14では、図12および図13に示されたプログラム実行中に求められた基 準パラメータ、すなわち、平均値および逆プール共変行列を含むパラメータは、 130で示されるように読み込まれる。患者の識別番号、妊娠期間GA、AFP および遊離β(HCG)わ含めた具体的な患者の記録は132で示されるように 読み込まれる。妊娠期間は、134でさらに具体的に算出され、母体年齢は13 6で算出される。138では、事前リスクは母体年齢および発症率データに基づ いて決定される。以下に示す例では、この計算の結果、係数は1/800であり、一 般的な数値であった。 140では、事前リスクをり患を宿している頻度倍したものが求められるが、 これは上述で説明した(1)または(2)の式の分子である。142では、(1- 事前リスク)を非り患胎児を宿している相対頻度にかけ合わせた相対頻度、(NT )が求められるが、これは上述の式(1)または(2)の分母の第2の係数であ る。144では、Bayesの法則を用いた特異的リスクすなわちABN=ABT/(ABT+NT )が求められる。(式(1)および(2))146では、結果すなわち患者の特 異的リスクABNおよび患者の識別番号がプリントされる。 当業者らには明かなように、線形判別分析手続き以外の基準パラメータを算出 するその他の統計的数学的技術を使用することもできる。 本発明の好ましい実施例によれば、母系血液試料は、患者から採取される。次 に、遊離β(HCG)およびAFP(以下、「マーカー」と呼ぶ)の母系血液濃 度を当業者らに知られる従来の免疫学的な方法で測定する。このようなマーカー の母系血液濃度を測定するための既知の分析方法を問わず本発明に役立つが、当 業者らに明らかなように、各マーカーに対して使用される分析方法は、特定のマ ーカーに対する基準データを作成するために使用される方法と同じでなれければ ならない。新たな分析方法を特定のマーカーに対して使用する場合、その方法を 用いて得られるデータに基づいて作成しなければならない。 ダウン症候群り患胎児を宿している患者の特異的リスクは、Bayesの法則と、 患者の先天的リスクと、各マーカーの患者の量的レベルを患者の妊娠期間と一緒 に多変量判別分析を用いる基準データに関して展開される確率密度関数に組み込 むことによって求められる非り患妊婦およびり患妊婦に対する相対頻度とを用い て算出する。さらに検出効率を高めるには、患者の妊娠期間と一緒に遊離β(H CG)およびAFPの患者の定量レベルの対数を多変量判別分析を用いる基準デ ータに関して展開される確率密度関数に取り入れる。多変量判別分析は、市場で 入手可能なコンピュータプログラム統計的パッケージStatistica Analysis Syst em(SAS Institute Inc.が製造販売)またはその他の多変量統計分析方法、ある いは、当業者らに知られるその他の統計的ソフトウェアパッケージによって実行 することができる。 判別分析の目的上、一般な非選択母集団におけるダウン症候群の事前確率を仮 定する。一般に、事前確率は約800分の1である。多変量判別分析をするには、 どのリスクカットオフレベルが陽性テストの結果を成すかを決定する。例えば、 ダウン症候群り患胎児を宿している確率が400分の1以上の妊婦にさらなる診断 テストを行いたい場合には、多変量分析の結果、妊婦がダウン症候群り患胎児を 宿している確率が400分の1以上であると示された場合に、その妊婦は陽性の試 験結果を有しているとみなされる。陽性のテスト結果が示された場合には、患者 はさらに診断テストを受けてダウン症候群の有無を確認することが望まれる。 当業者らには明かなように、上述の実施例を問わず、陽性のリスクカットオフ レベルの変更したり、母集団において異なるサブグループに適用することができ る異なる先天的リスクを使用すると、各患者に対する判別分析方法の結果を変更 することができよう。 本発明は、上述の実施例に留まらず、以下の例で開示される考えられる態様お よびマーカーの組み合わせのすべてを含んでいる。例1 400例以上の試料を使用して胎児ダウン症候群と遊離β(HCG)の母系血液 濃度の関係について、母系血清AFP(MSAFP)、UEおよび完全HCGに 関して研究した。これらの例には、ダウン症候群にり患した胎児を宿しているこ とが知られている妊婦から得た25例の母系血液試料とり患例にふさわしい対照を 含んだ。この例では、液状血液試料を分析した。 各血液試料について、AFPN完全HCG分子、遊離β(HCG)およびUE (以下、各々をマ−カーと呼ぶ)の定量濃度を以下の検定技術によって求めた。マーカー 検定技術 MSAFP 酵素結合イムノソルベント検定法 (ELISA) UE ラジオイムノアッセイ 完全HCG 溶球型ELISA 遊離β(HCG) ELISA 各マーカーの濃度は、段階的な判別手続きおよび市場入手可能なコンピュータ ソフトウェア統計的パッケージStatistical Analysis System(ASA InstituteIN C.)における線形判別手続きの変数になり、一連の基準データが作成される。遊 離β(HCG)の完全HCG分子に対する比率および患者の妊娠期間も変数とし て取り入れらた。段階的な判別手続きによって、すべての変数を線形判別手続き に取り入れることができると判断された。次に、線形手続きは、各変数に個別に 行われ、異なる組み合わせの変数に行われた。このような判別分析手続きの結果 は、以下の表に要約した。感受性は、陽性結果を示す胎児ダウン症候群例の割合 をパーセントで示したものである。偽陽性は、陽性のテスト結果を示す正常胎児 の割合である。変数 感受性 陽性 MSAFP 15.4% 4.2% UE 15.4% 2.8% 完全HCG 37% 8.6% MSAFP、UE完全HCG 50.0% 7.2% 遊離β(HCG)+完全HCG 60% 8.5% 複合材料w/o比率 76% 5.3% 複合材料w/o UE 76% 5.3% 複合材料 80% 4.3% 複合材料w/o遊離β(HCG) 60.0% 5.3% *log完全HCG+ 68% 7.6% (log遊離β(HCG)+ 完全HCG) *log完全HCG、logMSAFP 88% 7.4% (遊離β(HCG)+ 完全HCG) 複合材料=MSAFP+遊離β(HCG)+完全HCG+UE+比妊娠期間は、365分の 1である(*)を除き、各変数リスクカットオフレベル=400分の1と一緒に取 り入れられた。 当業者らには明かなように、陽性のリスクカットオフレベルを変更すること、 または、母集団における異なるサブグループに適用することができる異なる先天 的リスクを使用するとによって、患者に対する判別手続きの結果を変更すること ができる。例2 550例以上の試料を用いて胎児ダウン症候群と遊離βHCGの母系血液濃度と の関係を研究した。最初に、ダウン症候群にり患した胎児を宿していることが知 られている妊婦29例から得たサンプルと、妊娠期間(同週)、母体年齢(3年以 内)および冷凍庫凍結期間(1か月以内)に適合した520の非り患試料を分析し た。すべての試料は、単生妊娠の糖尿病にかかっていない白人の妊婦から得られ た。この例では、分析された各試料は、液状血液試料であった。 スクリーニング効率の評価において、一定方向に集合が偏向するのを避けるた めに、有効集合(validationset)の概念を用いた。有効集合は、基準データ集 合とは独立したデータの集合である。有効集合における患者から得られた結果は 、基準データを確立するためには使用されない。むしろ、有効集合の患者から得 られた結果は、スクリーニング効率を求めるために、基準データ集合と比較され る。この第2の有効集合は、21-トリソミーが追認された26例と、159の対照試料 から成る任意に選択されたグループから構成される。対照試料は、単生妊娠中の 糖尿病にかかっていない白人の妊婦から同様に得られた。 マーカーの母系血液濃度を7つの異なる検定に関して4388の測定事項から成る 総合的な研究は、以下の通りである。マーカー 検定 MSAFP ELISA(酵素結合イムノソルベント検定) 完全HCG ELISA 完全hcg+ ELISA 遊離βHCG 遊離βHCG RIA(ラジオイムノアッセイ) 遊離α−HCG RIA UE 2つの方法、酵素イムノアッセイとRIA 各マーカーの濃度は、段階的な判別手続きおよび市場入手可能なコンピュータ ソフトウェア統計的パッケージStatistical Analysis System(ASA InstituteIN C.)における線形判別手続きの変数になり、一連の基準データが作成される。妊 娠期間も変数として取り入れらた。次に、線形手続きは、各変数に個別に行われ 異なる組み合わせの変数に行われるかその一方について行われた患者は、365分 の1のダウン症候群リスクカットオフに基づいてり患者または非り患者に分類さ れた。り患者として分類された非り患例は、偽陽性とみなされる。ダウン症候群 の各患者のリスクは、Bayesの法則、り患例および非り患例に関する多変量関数 および一般的な先天的リスクである800分の1でを用いて算出された。プール共 変行列は、各確率密度関数に用いられた。 表1から3までに認められる結果は、図1−3に示されており、初期の試験集 合に関する。表5−7、図5−7の結果は、有効集合の患者の分類に基づく。表 4は、図4、図8および図9に示されており、初期の試験集合およびすべてのり 患例に基づく。 検定手続きから得られた結果を分析し、り患例と非り患例との間に各マーカー の濃度に関して有意な差異が存在するか否かを判定した。表1、図1はり患例が U.E.を除くすべておいて非り患例とは有意に異なることを示す。さらに、各マー カーに対する偽陽性率および検出効率を表2(図2)に示すように求めた。完全 分子と遊離β(HCG)を両方測定するHCG検定の場合に検出効率は最高にな った。検出効率は、個々のマーカーを複合材料に取り入れることによって、さら に高まることがわかった。HCGを検定を含む複合材料によって完全HCG分子 および遊離β(HCG)を測定し、表3(図3)に示すような複合材料の間で最 も効率が高くなった。 HCGのβサブユニットおよびαサブユニットを評価することによって、αサ ブユニットに対してはり患例および非り患例との間に有意な差異はないが(p.2 3)、り患例については遊離β(HCG)が有意に増加することが認められた( p=.001)。当業者らに一般に知られているように、pは少なくとも観察される 結果が偶然起こると考えられる結果と同じ程度の確率であることを示すことによ って科学的な研究における証拠の効力を判断するものである。pの値が低ければ 、観察結果が偶然起きたものではない証拠はより確実になる。 図8は、妊娠期間による遊離β(HCG)の第10、50、90番目の百分位数を示 す。非り患妊婦の場合、妊娠期間ごとに連続的に下降する傾向が観察される。胎 児ダウン症候群の場合の遊離β(HCG)濃度の分析は、表4(図4)に示され ているが、これによって86%が非り患例の中央値を超えることが明かになった。 り患例および非り患例の遊離β(HCG)濃度は、対数ガウス分布(p=.78 と.86)に適する。図9は、これらの分布を示す図である。表5(図5)は、遊 離β(HCG)および遊離α(HCG)に関する検出効率データを個別に提供し ている。表5では、遊離β(HCG)の検出効率は高い。 さらに高い検出効率は、AFPおよび遊離β(HCG)を用いて達成された。 遊離β(HCG)濃度の対数とMSAFの濃度の対数を市場入手可能なコンピュ ータソフトウェア統計パッケージStatistical Analysis System(ASA Institute Inc.)による線形手続きに上述のように取り入れることによって、表6(図6 )に示したように優れた検出効率を達成することができた。 遊離β(HCG)濃度およびAFP濃度を各々対数と対比して使用した場合にも 高い検出効率が達成できよう。 AFPおよび遊離β(HCG)にそれぞれ関して異なる4つの母体年齢グルー プについてKruskal-Wllisテストを行い、データをさらに分析することによって 、AFPおよび遊離β(HCG)は、母体年齢とは無関係であることがわかった (年齢=30,31-35,36-40,40)。さらに、遊離β(HCG)濃度およびAFP 濃度との相関関係は、ゼロとそれほど違いはなかった(非り患例とり患者例それ ぞれについて、r=.04,p=.39,r=.-.06,p=.81)。 発明者らのデータに認められる基礎的観察事項は、遊離β(HCG)によって ダウン症候群に対して最も効率が高くなる事実が確認された。実際、単独で遊離 β(HCG)を測定する検定方法を使用することによって、検出効率と偽陽性率 は、各々5.2%になった。このような率は、3つの検定を組み合わせた別者によっ て報告された率と比較できる。このため、上述のように、検定数を減少すること が本発明の利益である。 遊離β(HCG)の寄与に関する発明者らの所見は、以下の通りである。(a )ダウン症候群に対して最良の単独寄与因子は、遊離β(HCG)検定であった 。(b)完全HCG分子に対する検定では、検出率はかなり低くなった。(c) 完全HCGおよび遊離β(HCG)の組み合わせを測定する検定では、完全HC G分子のみを測定する検定よりも検出効率は高い。 胎児ダウン症候群のリスクは、母体年齢とともに増加することが証明されてい る。したがって、上述のように、患者に特異的なリスクを本発明に係る臨床的使 用に供するには、母体年齢に特異的で先天的なリスクを多変量判別分析手続きに 取り入れる。AFP濃度および遊離β(HCG)濃度は、母体年齢とは独立して いるので、発明者らはデータを分析し、どれだけ多くの非り患女性およびり患女 性が各個体年齢に対する先天的リスクを家庭した場合に陽性の結果を有するかを 観察した。上述の情報を用いて、米国において生産に関する母体年齢の分布に基 づいて、米国内での包括的な全国規模のスクリーニングに対する偽陽性および感 受性を予測した。表7(図7)に示すように、5%の偽陽性率を伴い80%の検出率 を達成することができることを予測値は示している。 例2に記載されている例をさらに分析して、マーカーのその他の組み合わせに 関する検出効率を突き止めた。より具体的には、同じリスクカットオフと先天的 リスクレベルであれば、例2の線形判別手続きは、マーカーの異なる組み合わせ 、マーカーに対する中央値の積(MOM)、マーカーの対数について、妊娠期間 を取り入れる取り入れないに関わらず行われた。線形判別手続きは、基準データ および有効データを用いて行われて。結果は、表10にまとめた。例3 以下の例は、1ステップ遊離β(HCG)検定および2ステップ遊離β(HC G)検定の準備を示すものである。1ステップ遊離β(HCG)検定の準備 1.96ウェル型マイクロタイタープレートを遊離βヒト絨毛性ゴナドトロピン( HCG)分子に特異的なcatching抗体で被覆する。抗体はモノクローナル抗体で あってもポリクローナル抗体であっても良い。プレートを被覆するのに使用され る抗体の濃度は、ウェルあたり0.8マイクログラムであるが、必要に応じて変え ても良い。プレートは、少なくとも16時間4℃でインキュベートされる。 2.0.05%のTween20を含むPh7.2の燐酸緩衝塩溶液で洗浄する。その他の適切な 洗浄緩衝液を使用することもできる。プレートを3%の加水分解動物タンパク質 および0.05%のTween20を燐酸緩衝塩類液に含めた溶液で遮断する。1%のウシ血 清アルブミン溶液などの当業者らに良く知られたその他の溶液を使用しても良い 。300マイクロリットルの遮断溶液を各ウェルに添加し、プレートを周囲温度で 1時間インキュベートする。被膜などのその他の遮断手続きも実施できる。 3.次に、上述したように、プレートを洗浄し、遊離β(HCG)に特異的なビ オチニレート化抗体を含む100マイクロリットルの検定緩衝液を各ウェルに添加 した。使用した検定緩衝液は、3%の加水分解動物タンパク質および0.05%のTween 20をPh7.2の燐酸緩衝塩類溶液に含めたものであるが、当業者らに知られる多数 の適切な溶液を使用しても良い。抗体は、オペレータの選択によって、モノクロ ーナルでもポリクロナールでも良く、バイオチン以外のホースラディシュペルオ キシダーゼやアルカリ性ホスファターゼなどの物質を接合しても良い。検定緩衝 液中の抗体の濃度を調整して最適な吸収値を得ることもできる。 4.20マイクロリットルの試料を各ウェルに添加する。試料は、検定性能を確証 するためのブランクとして機能する検定緩衝液、未知の試料の値を標準化するた めに使用する遊離β(HCG)を含む溶液、または、第2トリメスターの妊婦か ら採取された血清試料であっても良い。プレートは、30秒間渦巻運動させ、回転 子Q200rpmに乗せて、周囲温度で30分間インキュベートさせる。 5.次に、プレートを上述のように洗浄し、ホースラディシッュペルオキシダー ゼに結合されたストレプタビジン(streptavidin)を含む100マイクロリットル の緩衝液を各ウェルに添加する。このステップは、バイオチン以外の物質を使用 される第2の抗体に結合しない場合には必要ではない。ストレプタビジンペルオ キシダーゼの濃度は、ミリリットルあたり2.0マイクログラムである。プレート は、回転子Q200rpm上で5分間周囲温度で置く。 6.次に、上述のようにプレートを洗浄し、100マイクロリットルのo-フェニレ ンジアミンを各ウェルに添加する。この基質溶液は、当業者らに知られる多数の 適切な占領のいずれかに代えても良く、どの物質が第2の抗体に接合されている かに依存する。プレートは、回転子Q200rpmで置かれ、暗室で8分間周囲温度で インキュベートされる。 7.100マイクロリットルの希釈(1.0N)硫酸を各ウェルに添加し、基質の反応 を停止させる。 8.各ウェルの吸収性を492nmで分光測光方法的に測定する。2 ステップ遊離β(HCG)検定の準備 1.96ウェル型マイクロタイタープレートを遊離βヒト絨毛性ゴナドトロピン( HCG)分子に特異的なcatching抗体で被覆する。抗体はモノクローナル抗体で あってもポリクローナル抗体であっても良い。プレートを被覆するのに使用され る抗体の濃度は、ウェルあたり0.8マイクログラムであるが、必要に応じて変え ても良い。プレートは、少なくとも16時間4℃でインキュベートされる。 2.0.05%のTween20を含むPh7.2の燐酸緩衝塩溶液で洗浄する。その他の適切な 洗浄緩衝液を使用することもできる。プレートを3%の加水分解動物タンパク質お よび0.05%のTween20を燐酸緩衝塩類液に含めた溶液で遮断する。1%のウシ血清 アルブミン溶液などの当業者らに良く知られたその他の溶液を使用しても良い。 300マイクロリットルの遮断溶液を各ウェルに添加し、プレートを周囲温度で1 時間インキュベートする。被膜などのその他の遮断手続きも実施できる。 3.次に、上述したように、プレートを洗浄し、100マイクロリットルの検定緩 衝液を各ウェルに添加した。使用した検定緩衝液は、3%の加水分解動物タンパク 質および0.05%のTween20をPh7.2の燐酸緩衝塩類溶液に含めたもので遮断する。 当業者らに知られる多数の適切な溶液を使用しても良い。 4.20マイクロリットルの試料を各ウェルに添加する。試料は、検定性能を確証 するためのブランクとして機能する検定緩衝液、未知の試料の値を標準化するた めに使用する遊離β(HCG)を含む溶液、または、第2トリメスターの妊婦か ら採取された血清試料であっても良い。プレートは、30秒間渦巻運動させ、回転 子に乗せて200rpmに置き、周囲温度で30分間インキュベートさせる。 5.次に、プレートを上述のように洗浄し、遊離β(HCG)に特異的なビオチ ンレート化された抗体を含む10マイクロリットルの緩衝液を各ウェルに添加する 。抗体はモノクローナル抗体であってもポリクローナル抗体であっても良く、抗 体は、オペレータの選択によって、モノクローナルでもポリクロナールでも良く 、バイオチン以外のホースラディシュペルオキシダーゼやアルカリ性ホスファタ ーゼなどの物質を接合しても良い。この抗体の濃度を調節して最適な吸収値を得 ることができる。プレートは、30秒間渦巻運動され、回転子200rpm上で30分間周 囲温度に置かれる。 6.次に、プレートを上述のように洗浄し、ホースラディシッュペルオキシダー ゼに結合されたストレプタビジン(streptavidin)を含む100マイクロリットル の緩衝液を各ウェルに添加した。このステップは、バイオチン以外の物質を使用 される第2の抗体に結合しない場合には必要ではない。ストレプタビジンペルオ キシダーゼの濃度は、ミリリットルあたり2.0マイクログラムである。プレート は、回転子Q200rpm上で5分間周囲温度で置く。 7.次に、上述のようにプレートを洗浄し、100マイクロリットルのo-フェニレ ンジアミンを各ウェルに添加する。この基質溶液は、当業者らに知られる多数の 適切な占領のいずれかに代えても良く、どの物質が第2の抗体に接合されている かに依存する。プレートは、回転子@200rpmに置かれ、暗室で8分間周囲温度で インキュベートされる。 8.100マイクロリットルの希釈(1.0N)硫酸を各ウェルに添加し、基質の反応 を停止させる。 9.各ウェルの吸収性を492nmで分光測光方法的に測定する。 これらの2つの検定は、本発明を実行する際に使用された。178例の患者の液 状血液試料を利用して胎児ダウン症候群と遊離βHCGの母系血液濃度の関係に ついて調査した。ダウン症候群り患胎児を宿していることが知られている妊婦か ら得られた26の試料と152の未知の非り患試料を分析した。すべてのサンプルは 、単生妊娠の糖尿病にかかっていない白人妊婦から採取された。 患者の試料をMSAFPの定量レベル関して、ELISA検定によって分析、 遊離β(HCG)の濃度)を1ステップ検定および2ステップ検定を個別に行い 分析した。各検定によって、MSAFPの濃度および遊離β(HCG)の濃度は 、市場で入手可能なコンピュータソフトウェア統計パッケージStatisicalAnalys is Systemで線形判別手続きにおいて変数となり、一連の基準データが作成され た。患者の妊娠期間も、判別手続きの変数として組み込まれた。すべての妊娠期 間および14週から16週の間に対して、これらの判別分析の結果を以下にまとめた 。 注:すべて分析には妊娠期間を含めた。 * *を横に記した分析では、260および316の値を有する2つのアウトライアー を除去した。 末尾の-1は、1ステップ手続きを意味し、-2は、2ステップ手続きを意味する 。検出効率 は、陽性のテスト結果を示す胎児のダウン症候群例の割合を言う。偽陽性 は、陽性のテスト結果を示す正常胎児の割合を言う。対照 は、分析される非り患試料数を言う。り患例 は、分析されるり患試料の数を言う。 遊離β(HCG)およびAFPに用いる1ステップ検定を組み合わせると、全 妊娠期間および妊娠14-16週目に対する偽陽性率がもっとも低くなり、検出率は 最高になる。 発明者らの所見は、出生前血清スクリーニングプロトコルの範囲内で、便利で 効率的な方式でダウン症候群スクリーニングが実施されることを支持しており、 (a)非侵略的な技術、(b)低い偽陽性率でありながらの高い検出効率、(c )大部分は互いに独立しているマーカーの使用、(d)血液サンプリングにおい て処理し難い制限がないこと(時刻、食事療法、個人的習癖など)、(e)その 他の出生前スクリーニングサービスの適合性などを含む。 例4 この例は、第1トリメスター中にダウン症候群をスクリーニングする際に本発 明の方法を使用する場合を示す。150患者から得られた母系血清試料を利用した 。各患者は、試料を採取した時点で妊娠しており、妊娠期間9週から13週であっ た。139例の患者は、ダウン症候群にり患していない胎児を宿しており、本文で は「対照」と呼ぶが、11例の患者はダウン症候群にり患した胎児を宿していた。 各患者は、糖尿病にかかっていない単生妊娠をしている白人女性であった。 150の血清試料の遊離β濃度は、例3に説明された2ステップ遊離β(HCG )検定を用いて分析されたる。この分析の結果は、図15にグラフ式に示されて いる。図15に示されているように、ダウン症候群にり患した胎児を宿している 患者の母系血清中の遊離βの中間値は、2.45MOM(中間値の倍数)で、対照の母 系血清注の遊離β中間濃度よりも高かった。ダウン症候群り患胎児を宿している 患者の遊離β(HCG)濃度は、対照の遊離β(HCG)濃度よりも高い。この ため、遊離βタンパク質は、ダウン症候群が発症した場合、第トリメスター中に 増加する。 例5 この例では、本発明に係る方法を第1トリメスター中にダウン症候群をスク リーニングする場合について説明する。277例の患者から得られた母系血清試料 を用いた。各患者は、試料を採取した時点では、妊娠7-13週目であった。246例 の患者は、ダウン症候群にり患していない胎児を宿しており、本文では「対照」 と呼び、13例の患者は、ダウン症候群り患胎児を宿していた。各患者は、糖尿病 にかかっていない単生妊娠の白人女性であった。 277の母系血清試料の各々に遊離β(HCG)濃度は、例3に記載された2ス テップ遊離β(HCG)hcg検定を利用して分析した。この分析の結果は、図 16にグラフによって示した。図16に示されるように、ダウン症候群り患胎児 を宿している患者の母系血清の遊離β(HCG)の中間値は、1.82MOM(中間値 の倍数)であり、対照の母系血清における遊離βの中間値よりも大きい。ダウン 症候群り患者胎児を宿している患者のこの遊離β(HCG)の濃度は、対照の遊 離β(HCG)濃度よりもかなり高い。このため、遊離βタンパク質は、ダウン 症候群を発症した場合、第1トリメスターにおいてかなり増加する。 例6 この例では、第1トリメスター中にダウン症候群についてスクリーニングする 際の本発明に係る方法の使用について説明する。母系血清試料は、絨毛膜絨毛試 料(CVS)処置を受ける選択をした患者392名から採取された。CVS処置は 、臨床的技術であり、絨毛膜絨毛試料は、染色体核型分析を行うために得られる 。一般に、この技術は、ダウン症候群り患胎児を宿している率が高いことが知ら れているグループである35歳以上の患者に利用するか、または、染色体異常の家 族歴を有する患者に利用する。 各患者は、試料が採取された時点で胎児を宿しており、妊娠9-13週にあった。 386例の患者は、ダウン症候群にり患していない胎児を宿しており、本文では「 対照」と呼び、6名の患者は、ダウン症候群り患胎児を宿していた。各患者は、 糖尿病にかかっておらず、単生妊娠の白人女性であった。 392の母系血清試料の各々の遊離β(HCG)濃度は、例3に記載した2ステ ップ遊離β(HCG)検定を用いて分析した。この分析結果は、図17にグラ フで示されていた。図17に示されるように、ダウン症候群り患胎児を宿してい る患者の母系血清中の遊離β(HCG)の中間濃度は、2.94MOM(中間値の倍数 )であり、対照の母系血清中の遊離β(HCG)の中間濃度よりも高い。ダウン 症候群り患胎児を宿している患者の遊離β(HCG)濃度は、対照の遊離β(H CG)濃度よりもかなり高い。このため、遊離βタンパク質は、ダウン症候群を 発症した場合には、第1トリメスターにかなり増加する。 この例は、さらに、本文に記載するように、本発明に係る方法を使用して、非 侵略的にダウン症候群を第1トリメスターまたは第2トリメスター中にスクリー ニングすることができることを示す。本文で使用するように、第1トリメスター は、妊娠期間14週目以前のことを言う。同様に、第2トリメスターは、妊娠期間 14週目から26週目までの期間を言う。 例えば、実験室では、第1トリメスター中に得られた母系血清試料中の遊離β (HCG)の濃度を含む一連の妊娠週間に特異的な基準データを作成することも できよう。この基準データは、各例で記載された方法と比較できる方法で作成す ることができる。 ダウン症候群をスクリーニングするには、実験室では、第1トリメスター中に 患者から得られた血液試料中の遊離β(HCG)の濃度を測定し、基準データを 比較し、患者がさらにテストを行うのに十分な理由となるダウン症候群り患胎児 を宿しているリスクにあるか否かを判定する。上述に述べたように、実験室によ るこの判定には、ダウン症候群り患胎児を宿している患者の後の(スクリーニン グ後の)リスクを確立されたカットオフレベルと比較する必要があり、このカッ トオフレベルが染色体分析に用いるために胎児の細胞をする侵略的な手続きに関 して患者および胎児に対するリスクを反映する。 実験室では、中間値の倍数のアプローチを使用して、陽性のスクリーニング結 果を判定することができる。例えば、例4に記載されたデータを一連の基準デー タとして用いると、基準データは、遊離β(HCG)の中間濃度が、ダウン症候 群り患胎児を宿している女性では、非り患胎児を宿している女性の2.45倍である ことを示す。中間値の倍数のアプローチをスクリーニングに使用すると、患者の サンプル中の遊離β(HCG)濃度が対照の遊離β(HCG)の濃度よりも高 い2.5倍の中間値などの選択されたカットオフレベルよりも高い場合、実験室で は、妊婦がさらに侵略的なテストを受け、その妊婦がダウン症候群を有している か否かを診断することを推奨することになる。 このスクリーニング方法は、被検体に関する中央値の倍数アプローチに依存し ているが、複数の被検体および多変量分析アプローチを使用しする例1などに記 載されいるスクリーニング手続きほど正確ではないこともあることは、留意すべ きであろう。 例7 この例は、遊離β(HCG)の測定に使用される特定のイムノアッセイによっ て、「ニッキングされた」遊離β(HCG)を測定する説明である。 ニッキングされた遊離β(HCG)は、以下のように調製される。Scripps Ka boratories,LaHoya Caloforniaによって製造販売された脱イオン化水中で希釈 された100μlの212μg/mlhcgβサブユニット(Scripps Catalog Number CO9 04)を、Sigma Chemical Company,St Louis,Mo.によって製造販売され0.5MNaC lおよび1lあたり1gのブリージを含むpH8.5の0.1Mトリス塩酸中で調製した100μ lのhLE(0.3ユニット)(hLE=ヒト白血球エラスターゼ)を添加した。混合物 を37℃でインキュベートした。試料は、混合物から0、60、120および180分目に 採取された。10μlの10mg/mlダイズトリプシンインヒビターを各試料に添加し 、βHCGとhLEとの間の反応を停止し、それによってさらにニッキングされ た遊離β(HCG)の形成を止める。4つの試料の一つは遊離β(HCG)(0 分試料)と、3つはニッキングされた遊離β(HCG)(60、120、180分試料) を含んでいるが、以下のように分析された。 各サンプルの7つの別の濃度は、安定剤および保存剤を含むpH7.2のPBS( 燐酸干渉塩類液)を用いて段階的な方式で最初の試料を半分単位で希釈すること によって得られる。このため、各試料の濃度は、100%、50%、25%、12.5%、 6.25%、3.125%、1.5625%、0.78125%(%=%初期試料)に調製される。各試 料の8つの濃度(0、60、120、180分)は、2つの異なる対のcatching/検出抗 体を用いて、本文の例3に記載された2ステップ遊離β(HCG)を用いて2度 分析した。この結果を以下に示す。 各検定では、hLEを用いて60、120、180分間インキュベートした試料において 、0分インキュベートした試料の遊離β(HCG)の測定濃度と比較した際に、 遊離β(HCG)の測定濃度がわずかに上昇していた。各検定に対する平均パー セント変化は、テストされた8つの濃度に関して180分の試料と0分の試料に対し てそれぞれ102.1%(範囲96.2%-107.6%)と、112.4%(範囲106.3%-121.7% )であった。 第1の抗体対では、サンプル中のニッキングされた遊離β(HCG)の割合の 評価によっては、遊離β(HCG)の免疫反応性の程度は変化しなかった。第2 の抗体対は、第1の抗体対よりもニッキングされた遊離(HCG)βに対する親 和度よりも大きかった。第2の抗体の場合、変化の程度は、0分から60分までの 期間と、0分から120分まで大きくなった。180分におけるパーセントの変化は、1 20分のパーセントの変化に対して増加しなかった。第2の抗体対の平均パーセン ト変化は、112.7%であった。このため、第1の抗体対は、遊離(HCG)およ びニッキングされた遊離β(HCG)に等しく反応し、第2の抗体対は、第1の 抗体対よりもニッキングされた遊離β(HCG)に対する反応よりも大きい(+1 2%)。 このような結果は、ニッキングされた遊離β(HCG)および遊離β(HCG )を測定する検定は、ダウン症候群に対するスクリーニングの際に使用できるこ とを支持するものである。本発明におけるこのような検定の使用は、約80%の検 出効率が期待できると思われる。 ある結果では、他者によって提案されたよりも少ない生化学的分析を行いなが ら、ダウン症候群スクリーニングの検出率を高くすることができることが分かっ ている。ダウン症候群スクリーニングの際に非常に効率的なマーカーを使用する ことによって、重篤な精神遅延の最も一般的な原因によって影響を受ける最も高 率の家族に対して出生前の早期に被侵略的なスクリーニング情報を提供するのに 役立てることができる。 当業者らには明かなように、陽性のリスクカットオフ(risk cut-off level) を変更するか、または、母集団において異なるサブグループに適用することがで きる異なる先天的なリスクを利用して、患者に対する判別手続きの結果を変更す ることができる。 したがって、本発明は以下の請求項の範囲を逸脱せずにすべての修正を成し得 ることは理解できよう。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1994年6月16日 【補正内容】 請求の範囲 1. ダウン症候群にり患した胎児を宿している妊婦のリスクを判定するスク リーニング方法において、前記妊婦の母系血液を遊離β(ヒト絨毛性ゴナドトロ ピン(HCG))濃度について、第1トリメスター中に測定し、前記遊離β(H CG)濃度を(1)ダウン症候群り患胎児を宿している妊婦および(2)正常な 胎児を宿している妊婦について前記第1トリメスター中の遊離β(HCG)に関 する濃度の基準値と比較し、前記比較によって前記ダウン症候群にり患した胎児 を宿している妊婦のリスクを示し、遊離β(HCG)が高い場合にはダウン症候 群にり患した胎児を宿している確率が高いことを示すことを特徴とするスクリー ニング方法。 2. αフェトプロテイン(AFP)濃度について前記第1トリメスター中に 妊婦の母系血液を測定し、(1)ダウン症候群り患胎児を宿している妊婦および (2)正常な胎児を宿している妊婦について前記第1トリメスター中のAFP濃 度の基準値を前記比較に取り入れ、AFP濃度が低い場合にはリスクを負う確率 が高いことを示すことをさらに含むことを特徴とする請求の範囲第1項記載のス クリーニング方法。 3. 妊婦がダウン症候群にり患した胎児を宿しているリスクを判定する方法 において、前記妊婦の母系血液を遊離β(ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG) )に含まれるタンパク質部分と、遊離β(HCG)に含まれる炭水化物部分と、 該炭水化物の接合部付近に位置する遊離β(HCG)の部分および遊離βに含ま れるタンパク質部分とから成るグループから選択された被検体の濃度について、 第1トリメスター中に測定し、該被検体に対する前記濃度の測定値を(1)ダウ ン症候群り患胎児を宿している妊婦および(2)正常な胎児を宿している妊婦に ついて前記第1トリメスター中の前記被検体に対する濃度の基準値を含む基準デ ータと比較し、前記比較によって妊婦のリスク示し、被検体の濃度が高い場合に はダウン症候群にり患した胎児を宿している確率が高いことを示すこ とを特徴とする方法。 4. 妊婦の母系血液を前記第1トリメスター中にαフェトプロテイン(AF P)濃度を測定し、(1)ダウン症候群り患胎児を宿している妊婦および(2) 正常な胎児を宿している妊婦について前記第1トリメスター中のAFP濃度の基 準値を前記比較に取り入れ、AFP濃度が低い場合には、リスクが高率であるこ とを示すことを特徴とする請求の範囲第3項記載の方法。 5. ダウン症候群り患胎児を宿している妊婦のリスクが更なるテストを行う 十分な理由になるか否かを測定する方法において、前記妊婦の被検体の母系血液 濃度を第1トリメスター中に測定し、遊離β(HCG)に対して培養された抗体 を使用する検定を行い、該被検体を(1)ダウン症候群り患胎児を宿している妊 婦および(2)正常な胎児を宿している妊婦について第1トリメスター中に該被 検体の濃度の基準値を含む一連の基準データと比較し、前記比較によってダウン 症候群り患胎児を宿している妊婦のリスクを示し、該被検体の濃度が高い場合に は、ダウン症候群り患胎児を宿している確率が高いことを示すことを特徴とする 方法。 6. ダウン症候群り患胎児を宿している妊婦のリスクが更なるテストを行う 十分な理由になるか否かを判定する方法において、前記妊婦の被検体の母系血液 濃度を第1トリメスター中に測定し、遊離β(HCG)用の検定を行い、前記被 検体の前記濃度をダウン症候群り患胎児を宿している女性および正常な胎児を宿 している女性について前記第1トリメスター中の被検査体のさなざまな妊娠期間 における基準値を含む一連の基準データと比較し、前記比較によってダウン症候 群り患胎児を宿している妊婦のリスクを示し、該被検体の濃度が高い場合には、 ダウン症候群り患胎児を宿している確率が高いことを示す方法。 7. 前記遊離β(HCG)が遊離β(HCG)の異常形態であることを特徴 とする請求の範囲第1、2、5または6項記載の方法。 8. ダウン症候群にり患した胎児を宿している妊婦のリスクを判定するスク リーニング方法において、前記妊婦の母系血液をニッキングされた遊離β(ヒト 絨毛性ゴナドトロピン(HCG))濃度について、第1トリメスター、第2トリ メスターおよび第3トリメスターから成るグループから選択された期間中に測定 し、前記遊離β(HCG)濃度を(1)ダウン症候群り患胎児を宿している妊婦 および(2)正常な胎児を宿している妊婦について該期間中の遊離β(HCG) に関する濃度の基準値と比較し、前記比較によって前記ダウン症候群にり患した 胎児を宿している妊婦のリスクを示し、ニッキングされた遊離β(HCG)濃度 が高い場合にはダウン症候群にり患した胎児を宿している確率が高いことを示す ことを特徴とするスクリーニング方法。 9. 妊婦がダウン症候群り患胎児を宿しているリスクを判定する方法におい て、前記妊婦の母系血液の遊離β(ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG))を、 第1トリメスター中に測定し、遊離β(HCG)のフラグメントの前記濃度測定 値を(1)ダウン症候群り患胎児を宿している妊婦および(2)正常な胎児を宿 している妊婦について前記第1トリメスター中の遊離β(HCG)のフラグメン ト濃度の基準値を含む基準データと比較し、前記比較によって妊婦のリスクを示 し、遊離β(HCG)のフラグメント濃度が高い場合には、ダウン症候群り患胎 児を宿している確率が高いことを示すことを特徴とする方法。 10.ダウン症候群り患胎児を宿している妊婦のリスクを判定する方法におい て、前記妊婦の尿濃度を遊離β(ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG))濃度に 関して、第1トリメスター、第2トリメスターおよび第3トリメスターから成る グループ選択された期間中に測定し、遊離β(HCG)の前記濃度を(1)ダウ ン症候群り患胎児を宿している妊婦および(2)正常な胎児を宿している妊婦に ついて遊離β(HCG)に対する濃度の基準値と比較し、前記比較によってダウ ン症候群を宿している妊婦のリスクを示すことを特徴とする方法。 11.該測定をバイオセンサを用いて行うことを特徴とする請求の範囲第1項 記載の方法。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. ダウン症候群にり患した胎児を宿している妊婦のリスクを判定するスク リーニング方法において、前記妊婦の母系血液を遊離β(ヒト絨毛性ゴナドトロ ピン(HCG))濃度について、第1トリメスター、第2トリメスターおよび第 3トリメスターから成るグループから選択された期間中に測定し、前記遊離β( HCG)濃度を(1)ダウン症候群り患胎児を宿している妊婦および(2)正常 な胎児を宿している妊婦について該期間中の遊離β(HCG)に関する濃度の基 準値と比較し、前記比較によって前記ダウン症候群にり患した胎児を宿している 妊婦のリスクを示し、遊離β(HCG)濃度が高い場合にはダウン症候群にり患 した胎児を宿している確率が高いことを示すことを特徴とするスクリーニング方 法。 2. αフェトプロテイン(AFP)濃度について該期間中に妊婦の母系血液 を測定し(1)ダウン症候群り患胎児を宿している妊婦および(2)正常な胎児 を宿している妊婦について該妊娠期間中にAFP濃度の基準値を前記比較に取り 入れ、AFP濃度が低い場合にはリスクを負う確率が高いことを示すことをさら に含むことを特徴とする請求の範囲第1項記載のスクリーニング方法。 3. 妊婦がダウン症候群にり患した胎児を宿しているリスクを判定する方法 において、前記妊婦の母系血液を遊離β(ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG) )に含まれるタンパク質部分と、遊離β(HCG)に含まれる炭水化物部分と、 該炭水化物の接合部付近に位置する遊離β(HCG)の部分および遊離βに含ま れるタンパク質部分とから成るグループから選択された被検体の濃度について、 第1トリメスター、第2トリメスター、第3トリメスターから成るグループから 選択された期間中に測定し、該被検体に対する前記濃度の測定値を(1)ダウン 症候群り患胎児を宿している妊婦および(2)正常な胎児を宿している妊婦につ いて該期間中の前記被検体に対する濃度の基準値を含む基準データと比較し、前 記比較によって妊婦のリスク示し、被検体の濃度が高い場合にはダウン症候群に り患した胎児を宿している確率が高いことを示すことを特徴とする 方法。 4. 妊婦の母系血液を該期間中にαフェトプロテイン(AFP)濃度を測定 し、(1)ダウン症候群り患胎児を宿している妊婦および(2)正常な胎児を宿 している妊婦について該期間中のAFP濃度の基準値を前記比較に取り入れ、A FP濃度が低い場合には、リスクが高率であることを示すことを特徴とする請求 の範囲第3項記載の方法。 5. ダウン症候群り患胎児を宿している妊婦のリスクが更なるテストを行う 十分な理由になるか否かを測定する方法において、前記妊婦の被検体の母系血液 濃度を第1トリメスター、第2トリメスターおよび第3トリメスターから成るグ ループから選択した期間中に測定し、遊離β(HCG)に対して培養された抗体 を使用する検定を行い、該被検体を(1)ダウン症候群り患胎児を宿している妊 婦および(2)正常な胎児を宿している妊婦について該期間中に該被検体の濃度 の基準値を含む一連の基準データと比較し、前記比較によってダウン症候群り患 胎児を宿している妊婦のリスクを示し、該被検体の濃度が高い場合には、ダウン 症候群り患胎児を宿している確率が高いことを示すことを特徴とする方法。 6. ダウン症候群り患胎児を宿している妊婦のリスクが更なるテストを行う 十分な理由になるか否かを判定する方法において、前記妊婦の被検体の母系血液 濃度を第1トリメスター、第2トリメスターおよび第3トリメスターから成るグ ループから選択された期間中に測定し、遊離β(HCG)用の検定を行い、前記 被検体の前記濃度をダウン症候群り患胎児を宿している女性および正常な胎児を 宿している女性について該期間中の被検査体のさなざまな妊娠期間における基準 値を含む一連の基準データと比較し、前記比較によってダウン症候群り患胎児を 宿している妊婦のリスクを示し、該被検体の濃度が高い場合には、ダウン症候群 り患胎児を宿している確率が高いことを示す方法。 7. 前記遊離β(HCG)が遊離β(HCG)の異常形態であることを特徴 とする請求の範囲第1、2、5または6項記載の方法。 8. 前記遊離β(HCG)がニッキングされた遊離β(HCG)であること を特徴する請求の範囲第7項記載の方法。 9. 妊婦がダウン症候群り患胎児を宿しているリスクを判定する方法におい て、前記妊婦の母系血液の遊離β(ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG))を、 第1トリメスター、第2トリメスターおよび第3トリメスターのグループから成 る期間中に測定し、遊離β(HCG)のフラグメントの前記濃度測定値を(1) ダウン症候群り患胎児を宿している妊婦および(2)正常な胎児を宿している妊 婦について該期間中の遊離β(HCG)のフラグメント濃度の基準値を含む基準 データと比較し、前記比較によって妊婦のリスクを示し、遊離β(HCG)のフ ラグメント濃度が高い場合には、ダウン症候群り患胎児を宿している確率が高い ことを示すことを特徴とする方法。 10.ダウン症候群り患胎児を宿している妊婦のリスクを判定する方法におい て、前記妊婦の尿濃度を遊離β(ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG))濃度に 関して、第1トリメスター、第2トリメスターおよび第3トリメスターから成る グループ選択された期間中に測定し、遊離β(HCG)の前記濃度を(1)ダウ ン症候群り患胎児を宿している妊婦および(2)正常な胎児を宿している妊婦に ついて遊離β(HCG)に対する濃度の基準値と比較し、前記比較によってダウ ン症候群を宿している妊婦のリスクを示すことを特徴とする方法。 11.該測定をバイオセンサを用いて行うことを特徴とする請求の範囲第1項 記載の方法。
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