JPH08502219A - 熱い状態で成形可能なプラスチツクから成形品を製造する方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 プラスチツク材料特にポリエチレン及びポリプロピレンのようなポリオレフインをその変形温度以上に加熱し、この状態で成形品に成形し、続いて熱変形温度以下に冷却する、熱い状態で成形可能なプラスチツクから成形品を製造する方法において、成形品を熱い状態で、所望の最終寸法より少し過大な寸法を持つ中間製品となるように成形し、冷却後に初めて材料圧縮を行う圧縮成形過程で形状の安定な所望の最終寸法にする。

Description

【発明の詳細な説明】 熱い状態で成形可能なプラス チツクから成形品を製造する方法 本発明は、プラスチツク材料特にポリエチレン及びポリプロピレンのようなポ リオレフインをその変形温度以上に加熱し、この状態で成形品に成形し、続いて 熱変形温度以下に冷却する、熱い状態で成形可能なプラスチツクから成形品を製 造する方法に関する。 射出成形、押出し成形、圧縮成形その他の変形過桂で熱い材料から製造される 、熱い状態で成形可能な多くのプラスチツク材料は、時間の経過につれて、又は 変形温度よりずつと下にある限界温度を超過すると、特に収縮し、従つて最初の 製造寸法に対して外側材料を減少する傾向がある。例えば黒いポリエチレンから 製造されて戸外に保管される管は、特定の保管時間後に、１ないし数mm又は初期 直径の数％の程度の特定の収縮寸法を示す。端部受け口の通常の製造温度又は変 形温度も、120〜200℃の範囲又は純粋な変形過程で110℃の温度にあり、黒い管 では太陽の照射により約70℃の最高温度に達すると、この収縮過程が実除に起る 。これは可能な流量に関して望ましくなく、製造すべき管結合片にとつても極め て好ましくない。なぜならば、収縮寸法が生ずると、通常の受け口結合片はもは や申し分なく製造されないか、又はこのような管に一体に形成される端部受け口 は、収縮の際接続すべき管の外径に相当するより小さい内径をとるからである。 端部受け口の内径の通常の製造公差は±0.5mmである。上述した収縮過程では、 これらの公差を大幅に下回る。加熱成形過程でポリオレフインから製造される他 の多数のプラスチツク成形品例えば管継手でも、同じ ような欠点が生ずる。 収縮のない受け口を得るために、今までは費用のかかる製造方法の使用が必要 であつた。これらの公知の方法の１つによれば、受け口が別に射出成形機で製造 され、続いて適当な装置により、射出成形された管に溶接される。この方法は非 常に費用がかかり、材料の酸化により高まる漏れ又は溶接個所における受け口の 剥離という危険を伴つて、接続個所に見える浴接継き目を生じ、射出反形法で製 造される受け口も特定の材料では例えば太陽照射により収縮するので、充分な安 全性が与えられない。固有の機械において射出成形装置により管の端部に受け口 を射出成形する他の公知の方法も、同じ欠点を持つている。この場合高価な機械 による多額の技術的費用が生じ、管と受け口とが均質体とならない。 特定のプラスチツク特にポリオレフインにおける収縮過程は次のように説明さ れる。 まずポリオレフインは結晶構造を持ち、２つの集合状態即ち固体及び液体の状 態でのみ生ずる。プラスチツクの加熱の際最初の分子の一部は固体のままである が、他の部分は液化するので、全体としてみると、成形及び変形することができ る塑性変形可能な物体が存任する。液化せず固体のままに留まる分子は、いわゆ る記憶効果を生じ、即ち前もつて液化して成形品を現在の形状に保つ分子が加熱 又は長時間のクリープ作用により適当な戻り変形を可能にすると、成形素材から 製造される成形品が初期形状に戻ろうとする。もちろん記憶効果では、場合によ つては存在する充填剤の量及び性質も役割を果す。記憶効果は、押出し成形法で 製造される管でも、特に拡張により製造される端部受け口において特に著しく現 れ、管及び端部受け口の収縮 の主要原因とみなされる。前記の材料から成る他のプラスチツク成形品でも、収 縮現象は同じ原因を持つている。 本発明の主要課題は、完成したプラスチツク成形品の最終寸法が目標寸法から 望ましくないようにずれるのを防止する簡単な方法を提示することである。特に 重要な部分課題は、プラスチツク管の拡張される端部受け口にこの方法を適用可 能にすることである。 本発明による方法は、大体において、成形品を熱い状態で、所望の最終寸法よ り少し過大な寸法を持つ中間製品となるように成形し、冷却後に初めて材料圧縮 を行う圧縮成形過程で所望の最終寸法にする。 この簡単な手段により与えられた主要課題が満足できるように解決される。そ の際個々の方法段階を材料及び処理条件にそれぞれ合わせることがもちろん必要 である。これらの処理条件は、特に残つていて記憶効果を生ずる分子の量を決定 する処理温度、材料の種類、及び材料厚さ例えば管の場合肉厚である。更に圧縮 成形過程においてそれぞれの成形素材の圧縮は行われるが、材料に亀裂又は破壊 が生じないように注意せねばならない。プラスチツクは通常は量産品なので、各 成形素材のための若干の催かな実験で可能の処理条件が精確に規定される。 本発明による方法によつて、完成した成形品においてもはや２つだけの異なる 種類のプラスチツク分子が存在するのではなく、３種類の分子、即ち記憶効果の ため成形品の最初の形状を記憶している分子、成形の際液状で従つて加熱変形後 成形品の大きい寸法を記憶している分子、及び圧縮成形過程の際生ずる成形素材 の最小形状を記憶している分子が存在し、圧縮成形過程において所望の目標寸法 への変形が行われるようにすること ができる。これらの３つの分子群の間の力の平衡によつて、成形素材が精確な寸 法で所望の最終形状をとることができる。 プラスチツク管を製造する際における一般的な方法の使用は、例えば押出し成 形部署として構成される成形部署を、材料に関係して管の所望の最終直径より0. 5ないし５％大きい管直径に設計し、この部署で製造される管を、冷却後に圧縮 成形部署において連続方法で短時間、再び材料に関係して所望の最終直径より0. 5ないし５％小さい直径に圧縮し、従つて管が圧縮成形過程後に所望の最終直径 を持つように、行われる。 圧縮成形部署において、間欠的に駆動される圧縮成形ダイ又はそれぞれ管半分 を受入れる環状溝を持つロールを使用することができる。大きい管直径では、場 合によつてはそれぞれ半殻を形成する２つの圧縮成形ダイではなく、管周の適当 な一部に対応する３つ以上の圧縮成形ダイを使用する。 プラスチツク菅の端部受け口を製造する際における方法の使用は、管端部を加 熱し、材料に関係して所望の最終直径より0.4ないし５％大きい直径に拡張し、 こうして形成される受け口を冷却後所望の最終直径以下に圧縮し、従つて圧縮成 形工具を開いた後受け口が一部弾性的に拡張して、所望の最終直径を持つことを 特徴としている。 実施例 ２mmの肉厚と125 mmの外径を持つポリエチレン管における端部受け口の製造 管端部が120℃の温度に加熱され、続いて拡張心金により131mmの外径に拡張さ れる。冷却後に拡張心金が除去され、123mmの管直径を決定する２つの殻状圧縮 成形ダイの間で受け口が圧縮される。圧編成形ダイを開いた後、受け口は126mm の直径を持つ。この直径は90℃の温度まで安定に維持される。 前述したように、本発明による方法は、受け口及び押出し成形される管に使用 可能であるだけでなく、射出成形、押出し成形、圧縮成形その他の変形過程で熱 い材料から製造されて処理なしでは収縮するプラスチツク成形品にも使用可能で 、成形工具の形状及び寸法を成形品に合わせることができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ Ｆ１６Ｌ 47/06 0330−3Ｅ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ プラスチツク材料特にポリエチレン及びポリプロピレンのようなポリオレフ インをその変形温度以上に加熱し、この状態で成形品に成形し、続いて熱変形温 度以下に冷却する、成形品の製造方法において、成形品を熱い状態で、所望の最 終寸法より少し過大な寸法を持つ中間製品となるように成形し、冷却後に初めて 材料圧縮を行う圧縮成形過程で所望の最終寸法にすることを特徴とする、熱い状 態で成形可能なプラスチツクから成形品を製造する方法。 ２ 例えば押出し成形部署として構成される成形部署を、材料に関係して管の所 望の最終直径より0.5ないし５％大きい管直径に設計し、この部署で製造される 管を、冷却後に圧縮成形部署において連続方法で短時間、再び材料に関係して所 望の最終直径より0.5ないし５％小さい直径に圧縮し、従つて管が圧縮成形過程 後に所望の最終直径を持つようにするという粂件で、プラスチツク管を製造する 際における請求項１に記載の方法の使用。 ３ 管端部を加熱し、材料に関係して所望の最終直径より0.5ないし５％大きい 直径に拡張し、こうして形成される受け口を冷却後所望の最終直径以下に圧縮し 、従つて圧縮成形工具を開いた後受け口が所望の最終直径を持つようにすること を特徴とする、プラスチツクにある端部受け口を製造する際における請求項１に 記載の方法の使用。