JPH08501863A - 樹脂管の外周面係合用継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 樹脂管の外周面に係合するための継手は、圧縮スリーブ２４と圧縮スリーブ２４の内端に永久的に結合された弾性ガスケツト１８とグリツプ部材２５とナツト３０とを有する。ナツト３０が締め付けられると、弾性ガスケツト１８は本体１２のソケツト１７に当接し、ナツト３０がさらに締め付けられると、ソケツト１７は容易にグリツプ部材２５を圧縮する。結果として、グリツプ部材２５から内方へ突出するとげのような突条２６が、継手が接続される管１１の外面に係合する。管１１の端部はグリツプ部材２５とスリーブ２４を経て本体１２のソケツト１７の内部へ自由に挿通できる。継手の本体の内部には衝合面が備えられ、ナツトは圧縮スリーブ２４の外端から突出するフランジの内面３４と外面３５に当接する。

Description

【発明の詳細な説明】 樹脂管の外周側係合用継手 本発明は継手が合成樹脂管の内部へ挿通された内部スリーブと常に一体である 必要がなく、樹脂管の外周側に係合するようにした管継手に関するものである。 発明の背景 本出願人のオーストラリア特許第５３４４５２号に係る「管付属具の改良」に は、管の内部へ挿入される尾部を有するスリーブと、圧縮リングとが備えられ、 圧縮リングは尾部の外面に対向して管の端部を圧縮するためのセレーシヨンを、 尾部も好ましくはセレーシヨンを備えられる。管付属具はさらに合成樹脂からな る弾性シールリングをスリーブと本体の間に備えられ、これらの組立体は円錐状 の内面を有するナツトにより、円錐状の内面が圧縮リングの円錐状の外面へ係合 するように構成される。スリーブは１対の互いに離隔したフランジを備えており 、一方のフランジは弾性ガスケツトに押し付けられ、他方のフランジは圧縮リン グの一端に押し付けられ、これにより圧縮リングと弾性シールリングの軸方向間 隔がナツトの締付けにより変化しないようになっている。 上述の特許明細書に開示された管付属具は、技術的にも商業的にも非常に高い 評価を受けていることが証明された。上述の特許明細書に基づき製造された管付 属具は、何らの欠陥も見あたらず、世界の各地で競争相手の製造する管付属具よ りも数多く販売されている。 前記特許第５３４４５２号に基づき製造された管付属具（および一般に使用さ れている他の管付属具）にしばしば見られ実用上の問題は、スリーブの尾部を管 へ挿入する前に、ナツトと圧縮リングを管に外嵌する必要がある点である。もし 、ナツトまたは圧縮リングを不注意に付け忘れると、スリーブの尾部は普通には 引つ出すことができなくなり（爪を有するセレーシヨンがあるために）、取り外 すためには管を切断する必要がある。 本発明の主な目的は本体とナツトとグリツプ（圧縮リング）を管に挿通できる ように副組立体として予め構成し、ナツトを締め付けることにより簡単に締結で き、ナツトを緩めることにより取り外すことができるように改良した樹脂管の外 周側係合用継手を提供することにある。 さらに、管付属具は通常は必要でないが管へ挿通される尾部により管の内部の 流体の流れが妨げられないことが要求され、継手は樹脂管の外径についての規格 に適合するという利点がある。例えば外径が５０ｍｍの管の相違が、０．５ｍｍ （０．０２０インチ）以下でも適合する。これは管の外面のみが係合する継手と して、管からの流体の洩れと管の軸方向の移動を抑え、管の耐久性を維持するこ とを可能にする。 従来の管付属具にはいかなるスリーブやナツトも用いない外筒本体からなるも のが知られているが、円錐状の内面が管の軸線方向に先細りになつており、この 円錐状の内面に管が取り付けられ、鋸歯状の輪郭を有する圧縮スリーブと協働す る円錐状の内面が管の外面を抱持し、単に管を円錐状のスリーブを経て本体の端 部へ押し込むか、引き出すだけで鋸歯状の突起が管の面を固く抱持し、その位置 に保持する。上述の管付属具は簡単で廉価であるが、取外しが困難なことがある 。 従来の管付属具では、管を管付属具の内部へ挿入する前に、管の端部に丸みま たは切欠を設け、また管の端部を潤滑する必要があるので不便である。さらに、 管を手で挿入する際に、管と管付属具との間のシールを保つ必要があり、これは 弾性ガスケツトが軸方向の力を受けて捩られることがある。 本発明の他の目的は洩れに対するシールを得るために、弾性ガスケツトを面に 積極的に押し付け、かつ管を抱持する度合を一定のレベルに制限するナツトを備 えており、これにより弾性ガスケツトの過大な捩れを防止する手段を構成し、か つ管に接するグリツプの圧 縮の度合を制御する継手を提供することにある。このような制限手段がないと、 スプリツトリングが破損する可能性がある。フインガ型のスプリツトリングは過 大な力が作用すると破損することは知られている。 弾性ガスケツトと鋸歯状のスプリツトリングとを備えたスリーブ型の管付属具 において生じる他の問題は、弾性ガスケツトやスプリツトリングが緩んだ状態で 提供されても、これらが不注意に手で締め付けられ、弾性ガスケツトが円錐状の ソケツトの内部へ押し込まれるとこれらが容易に引き抜けなくなるという点にあ る。このような管付属具は再び緩んだ状態にしてもソケツトが位置ずれを生じ、 もし弾性ガスケツトが鋭利な部品に引つ掛かりまたは押し付けられると、結果的 に洩れを生じるような損傷を受ける恐れが常にある。本発明の他の目的は、ナツ トを緩めると弾性ガスケツトが引き出される手段を得ることにある。 本発明の他の目的は弾性ガスケツトと内方へ突出する爪ないし突条との圧縮の 度合が、継手を装着される管の寸法の誤差の範囲で継手部品の寸法により効果的 に調整され、管に最大限の誤差があつても、またスリーブやナツトを締め過ぎる と弾性ガスケツト、グリツプまたは管が損傷するような不都合があつても、弾性 ガスケツト固有のシール機能と管固有のグリツプ機能を発揮する。 別の規格（オーストラリア、ＩＳＯ、英国、米国など）により製造された管で は、内径が相対的に少し異なるだけでも、寸法が異なる他の規格に製造された管 付属具と互換を採れないことがある。本発明の他の目的は管と管付属具の間の互 換手段ないし変換手段を得ることにあり、これにより製造経費を削減し、１つの 規格の管付属具で安価な変換手段により異なる規格に製造された、似て異なる管 に使用できるようにした。 従来技術 米国特許第４０４３５７６号は本出願人が承知している最も似て いる従来技術であり、スイスのライヒ氏とレーマン氏の発明に係り、ジヨージ・ フイツシヤー・アクチエンゲゼルシヤフトに譲渡されている。 上述の特許明細書には、平滑な管の継手が本体と該本体へ螺合されるナツトと 本体の内部に収容された弾性ガスケツトとスラストとロツクリング構造とを備え ており、ロツクリング構造はハウジングとスリーブナツトの間に備えられている 。本体はテーパ状の内面を備えており、弾性ガスケツトを圧縮する。ナツトがハ ウジングヘ捩じ込まれると、ロツクリング構造は軸方向に移動し、ナツトの肩に より圧縮スリーブを経て弾性ガスケツトを所定の度合に圧縮する。ナツトは結果 としてロツクリング構造の舌片を変形させて管を抱持する。 発明の要約 本発明ではグリツプと、圧縮スリーブと該圧縮スリーブの内端に永久的に結合 された弾性ガスケツトの副組立体とを備えている。管の端部は副組立体を経て継 手の本体のソケツトの内部へ挿入される。ナツトが締め付けると弾性ガスケツト は本体のソケツトに当接する。さらにナツトを締結すると弾性ガスケツトは容易 にグリツプを圧縮する結果、グリツプ部から内方へ突出する爪状の突条が、継手 に接続する管の外面に係合する。継手本体は内部に衝合面を備えられ、また圧縮 スリーブの外端から突出するフランジの内面と外面に衝合するナツトを備えられ ている。 図面の簡単な説明 以下、本発明の２つの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 第１図は樹脂管の外周側係合用継手における管の端部を、ナツトとグリツプと スリーブからなるサブ組立体を経て接続具本体のソケツトの内部へ挿入した状態 を示す側面断面図、 第２図はナツトが本体に締結された状態を示す同様の側面断面図、 第３図は管の端部が栓の一端部をなす場合の、管の挿入前の外周 側係合用継手の上半部を断面で示す第１図と同様の側面側面図、 第４図は外周側係合用継手のナツトが締結された状態を示す、第３図と同様の 側面断面図である。 第１，２図に示す実施例では、樹脂管の外周側係合用継手１０は、管１１の内 部に当接面ないし肩１３を有する本体１２からなる。第１図に示すように、本体 １２は継手の内部へ挿入した時管１１の端部へ当接される。本体１２はねじ部１ ４を備えており、外端１５と肩１３との間の平坦な環状面１６は、環状の弾性ガ スケツト１８を受け入れるソケツト１７の衝合面を構成する。ソケツト１７の肩 １３はソケツト１７の内端にあり、かつ２つの円筒状（または円錐状）の中間部 と、段部２１により軸方向に分割された内壁１９と外壁２０を備えている。外壁 ２０の直径は内壁１９のそれよりも大きい。 管１１を囲むスリーブ２４は内端に弾性ガスケツト１８を支持する。弾性ガス ケツト１８はろう付け、または他の適当な手段によりスリーブ２４の端部へ結合 される。弾性ガスケツト１８は機械的なトルク伝達溝または適当な手段によりス リーブ２４の端面に結合することができる。弾性ガスケツト１８の外径は外壁２ ０のそれよりも小さく、かつ中間の内壁１９のそれよりも大きく、スリーブ２４ を本体１２の内部へ挿入できるようになつている。この時、弾性ガスケツト１８ は外壁２０の内部で自由に移動できるが、内壁１９へ進入するためにはスリーブ ２４の軸方向移動により圧縮される。 スリーブ２４に対し軸方向外方に隣接するグリツプ２５が配設される。グリツ プ２５は軸方向に間隔を存して配設されかつ径内方へ突出する突条２６と外方へ 向つて先細りの円錐面２７とを備えている。グリツプ２５は容易に変形でき、し たがつて周方向にも変形可能な典型的なスプリツトリングを構成する。 ナツト３０は尾部３１に、軸方向内方へ向けて先細りになっている円錐面３２ を備えており、円錐面３２の円錐角はグリツプ２５の円錐面２７のそれとほぼ同 じである。尾部３１の外端から内方へ環 状の平坦な肩３３が設けられ、ナツト３０を締め付けると、肩３３はスリーブ２ ４の端面３４へ押し付けられる。 第１，２図に示すように、スリーブ２４の外端に形成したフランジの環状面３ ５は、面３４から軸方向内方へ僅かに距離を存して配設される。 樹脂管の外周側係合用継手において管１１をソケツト１７の内部へ挿入し、ナ ツト３０を本体１２に締め付けても、最初は肩３３がスリーブ２４の環状面３４ に当接するまでには至らない。円筒状のグリツプ２５の内端はスリーブ２４の外 端の内空部３６に緩く収容されている。弾性ガスケツト１８とスリーブ２４とグ リツプ２５はナツト３０と一緒に移動する。なぜなら、管１１が挿入される時、 最初は管１１を取り囲む継手の各部には隙間が存在するからである。しかし、ナ ツト３０が僅かに軸方向内方へ移動すると、弾性ガスケツト１８は段部２１に当 り、弾性ガスケツト１８が圧縮されない限り、弾性ガスケツト１８は段部２１を 乗り越えられない。ナツト３０が引続き移動すると、ナツト３０はスリーブ２４ とグリツプ２５に軸方向内方への僅かな移動を生じさせ、こうして、ナツト３０ の内周面３２は、グリツプ２５の外周面２７を収容することになる。換言すれば 、ナツト３０はグリツプ２５の突条２６を管１１の外周面に係合させる。ナツト ３０を締結すると、ナツト３０は肩３３をスリーブ２４の環状面３４に当接し、 さらにスリーブ２４を軸方向内方へ押し進め、弾性ガスケツト１８を十分に圧縮 させる。弾性ガスケツト１８がソケツト１７の小径の中間内壁１９へ嵌合するよ うに、ソケツト１７は弾性ガスケツト１８が本体１２と管１１との間の完全なシ ールを果たすような寸法とされる。第２図に示すように、ナツト３０が完全に締 結された時、ソケツト１７は２つの面３５，３４が本体１２の外端１５と肩３３ にそれぞれ当接するように働く。この状態では、弾性ガスケツト１８の圧縮は非 常に高い圧力に抗して効果的なシールを果たすことになる。しかし、グリツプ２ ５が阻 止されるので、弾性ガスケツト１８の回転ねじれは回避される。ナツト３０はそ れ以上内方へ移動できないので、弾性ガスケツト１８とグリツプ２５の圧縮は、 管１１の直径により規定された範囲で滑るように調整される。 仮に、管１１が本体１２の内部へ挿入されず、かつナツト３０が螺合されると 、ナツト３０を緩んだ状態にねじ戻さない限り、管１１が本体１２の内方へ押し 込められることはない。 ナツト３０がねじ戻されると、スリーブ２４も引き戻されてスリーブ２４の円 錐面４０とナツト３０の円錐面４１との係合を緩め、グリツプ２５の内端に対す るスリーブ２４の衝合を緩める。弾性ガスケツト１８はスリーブ２４の内端に結 合されているので、弾性ガスケツト１８も引き戻され、ソケツト１７の小径の空 部に止まることはない。 第２図から明らかなように、ナツト３０が本体１２へ締結された時、グリツプ ２５から径外方へ突出するフランジ４２は、ナツト３０の肩４３に近接している が係合しない。仮に、固定されている本体１２に対し、管１１に張力が加えられ ると、いかなる相対運動も最初はグリツプ２５に径方向の圧縮を及ぼすが、この 相対移動は非常に僅かであり、肩４３に対するフランジ４２の衝合により抑えら れる。 本発明では本体１２は挿入体として用いられ、特にオーストラリア特許第５３ ４４５２号に開示される標準的な挿入式管付属具に適用される。管付属具は部品 をしかるべき部位に組込んだ状態で市販され、管１１の外周面の隙間を維持しつ つ保持する捕縛体の役目を果たす。 第２の実施例を示す第３，４図は、外径が少し異なる規格の管１１が、いかに 本発明の実施例である継手ないし管付属具に収容されるかを示す。第３，４図に 示すソケツト１７の最奥部は第１，２図のものと同様であり、管１１の効果的な 部分は栓４６の延長部１１ ａにある。栓４６はソケツト１７の内部へ嵌合する均一な外径の部分を有する。 しかし、栓４６は外径が変化する複数の環状の爪ないし突条４７を有し、該突条 ４７は管１１の内部へ挿入可能であるが、内径が僅かに異なるだけの複数の管１ １の１つから抜けないようになつている。こうして、似てはいるが内径が異なる 規格に製造された管に係合するような、多くの管付属具ないし継手を製造しかつ 在庫をもつ必要がなくなる。

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Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ねじ部を有する本体と、本体の内部に前記ソケツトを区画する環状の内面 とを有し、前記本体の直径は前記ソケツトの内端のそれよりも大きい樹脂管の継 手において、 内端部に設けた前記本体のねじ部に螺合するねじ穴と、前記ナツトの両端の間で 内方へ向いている衝合面と、前記衝合面と前記ナツトの外端との間に設けた外方 へ先細りの内面とを有するナツトと、 前記ナツトの衝合面と協働する外端に設けた衝合面と、内端に固着した弾性ガス ケツトとを有する環状のスリーブと、 前記ナツトの外方へ先細りの内面に連接する外方へ先細りの外面と、径内方へ突 出する複数の突条を備えた内面とを備えている変形可能のグリップとからなり、 前記ソケツトの内端、スリーブおよびグリツプの内径は管の外径よりも僅かに大 きく、前記継手は管に固定可能であり、前記管の一端は前記グリツプとスリーブ を経て前記ソケツトの内端へ挿入可能であり、前記ナツトをねじ部へ螺合する時 前記スリーブが軸方向へ移動し、前記弾性ガスケツトと前記本体とのシール係合 が生じ、前記突条が前記管をクランプするように前記グリツプが径内方へ変形す ることを特徴とする、樹脂管の外周側係合用継手。 ２．前記ナツトは前記ねじ穴と衝合面との間に外方へ先細りの内面を有し、前 記スリーブは付随して外方へ先細りの異径の外面を有し、かつ前記ナツトの先細 りの内面に緩く係合し、前記先細りの内面は組立体として前記ナツトに前記スリ ーブを保持する、請求項１に記載の樹脂管の外周側係合用継手。 ３．前記環状のスリーブは外端に径外方へ突出するフランジを有し、該フラン ジは内方へ向く衝合面と外方へ向く衝合面とを配設され、これにより前記ナツト が締結される時、内方へ向く衝合面が前記本体の外端に当接し、前記ナツトの内 方へ向く衝合面が前記フランジの内方へ向く衝合面に当接し、前記弾性ガスケツ トの圧縮の 度合を調整する、請求項１，２のいずれかに記載の樹脂管の外周側係合用継手。 ４．複数の面を区画する前記ソケツトは内端に肩を備えており、前記ソケツト の環状の内面は円筒形であり、前記ソケツトの内面と外面の間に中間の環状面を 含み、さらに前記ナツトの締付けにより前記弾性ガスケツトが当接する環状の平 坦面で終っている、請求項１に記載の樹脂管の外周側係合用継手。 ５．前記ソケツトの外面の直径は前記弾性ガスケツトの外径よりも大きく、前 記中間の環状面の直径は前記弾性ガスケツトの外径よりも小さいが、前記弾性ガ スケツトが前記ソケツトの外面からの軸方向移動を許し、かつ前記ソケツトの環 状の平坦面に当接してシールするに十分な寸法のものである、請求項４に記載の 樹脂管の外周側係合用継手。 ６．前記変形可能のグリツプはスプリツトリングであり、前記突条は断面鋸歯 状のものである、請求項１，２のいずれかに記載の樹脂管の外周側係合用継手。 ７．中空の互換栓は突条を有する中空の尾部を有し、該尾部は挿入可能である が抜けないようになつており、外径が僅かに異なる複数の管の１つにシール可能 に当接し、前記管の一端は前記グリツプと管の延長部として前記グリツプと前記 スリーブを経て前記ソケツトの内端へ挿入可能に前記グリツプとの互換性を有し 、かつ前記ナツトの締付けによりシールするようにクランプされる、請求項１に 記載の樹脂管の外周側係合用継手。