JPH08501717A - 排液用トロカールカテーテル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 トロカールカテーテル（１１０）は、段階的な径の内腔を有するカテーテルと共に用いるための段階的な径の先端を有するトロカールロッド（１２１）を包含する。トロカール（１２０）は、カテーテルの内腔（１１３）に挿入し、患者を切開してカテーテルを据え付けた後、カテーテルの内腔から取り出すように用いられる。トロカールロッド（１２１）の先端（１３０）には、段差付きの同軸縦孔（１３２）が設けられており、その中に、穿刺針ロッド、バネ（１４０）、および安全スリーブ（１４４）を組み込む。穿刺針ロッド（１２２）は、径の小さい基部（１３８）を有し、この部分はトロカールロッド（１２１）の先端における同軸縦孔（１３２）の対応する径の小さい部分に圧入される。バネ（１４０）は、穿刺針ロッド（１２２）の径の小さい部分上に保持され、安全スリーブ（１４４）を先端方向へ偏位させる。穿刺針ロッドの先端は穿刺チップ（１２５）までテーパーを付けた径の大きい部分（１２３）を有し、安全スリーブは段階的な内径を有し、それが穿剌チップ（１２５）を覆う先端側の所定位置を越えて移動することを防止する。段差付きの同軸縦孔（１３６）は、安全スリーブがバネに抗して基部方向へ押し込まれたとき、それを収容する径の大きい部分を有する。安全スリーブ（１４４）の先端部外表面上にある突起（１５０）は、カテーテル（１１０）がトロカール（１２０）から不用意に抜けることを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】 排液用トロカールカテーテル 発明の背景 １．発明の分野 本発明は、外科用の排液用トロカールカテーテルに関する。さらに詳しくは、 本発明は、バネ偏位式安全シールド機構を有し、排液用カテーテルと共に用いる トロカールに関する。 ２．技術分野の状況 排液用トロカールカテーテルは、外科の分野では公知である。これらの用具は 、一般的には、柔軟で部分的に弾力性のあるカテーテルと、このカテーテル内に 取り外し可能なように挿入する金属製トロカールとからなる。かかる公知の用具 としては、従来技術に関する図１の縦断面図に概略的に示す胸部排液用トロカー ルカテーテルがある。従来技術の胸部排液用トロカールカテーテル用具１０は、 長さ約９．５インチ、断面約１／４インチ、内腔１３を定める内径約１／８イン チの柔軟で部分的に弾力性のあるカテーテル１２を包含する。内腔１３は、カテ ーテルの先端１４における段階的に径の小さい部分１６を有する。カテーテルの 基端１８は、排液管またはシリンジ（図示せず）と連結するために、フレア状に なっている。カテーテルの先端には、好ましくは、排液用の開口部、すなわち排 液口（図示せず）が複数個設けられている。カテーテル１２の内腔１３には、長 さ約１１インチ、外径約１／８インチの金属製トロカール２０が挿入される。ト ロカールの先端は穿刺針２２を有し、トロカールの基端は掌握用または押込用の 小さい円形プラスチック製ベース２４を有する。トロカールの穿刺針２２は、カ テーテルの先端の段階的に小さい内径１６と適合する段階的に小さい外径２６を 有し、穿刺針はカテーテルの先端を越えて所定の一定長さだけ延伸する。トロカ ール２０は、それゆえ、その点を越えてカテーテルを通過することができない。 また、トロカールおよびカテーテルの段階的な径は、トロカール２０の前進によ って、カテーテル１２がそれと共に移動することを保証する。 使用する際には、カテーテルがトロカールから抜けないように注意しながら、 滅菌トロカールを挿入した滅菌カテーテルを無菌パッケージから取り出す。外科 医は、典型的には４本の指でカテーテルを包み込み、親指はトロカールのベース に載せるようにして、カテーテルの基端を握る。この用具を患者の胸部に差し込 み、トロカールの穿刺針で胸部を切開する。トロカールによって保持されたカテ ーテルを、切開によって患者の胸腔内に押し込む。カテーテルを適当な長さだけ 胸腔内に挿入した後、トロカールをカテーテルから取り出し、患者の胸部から体 液を排出、すなわち排液するために、排液管または排液装置をカテーテルの基端 に連結する。 従来技術のトロカールカテーテルは、図１に詳しく示したように、いくつかの 欠点を有する。第１に、トロカールの穿刺針２２は露出しており、この用具を切 開前に取り扱っている間に、不用意な突剌や穿刺を起こしうる。さらに、カテー テルを胸腔に据え付け、トロカールをカテーテルから取り出した後、トロカール の穿刺針は、再び露出しており、同様の危険をもたらす。第２に、従来技術の用 具を用いると、切開前に外科医がこの用具を取り扱っているときに、カテーテル がトロカールから抜けることを防止する有効な手段が存在しない。トロカールお よびカテーテルはいずれも無菌でなければならないので、据え付け前にカテーテ ルがトロカールからはずれると危険であるのは、カテーテルが無菌でない表面に 接触し、使用不可能になるからである。 他の公知のカテーテルとしては、図１ａに示すような恥骨上カテーテルが挙げ られる。このカテーテルは、トロカールが斜角を付けた鋭利なチップ２２２を有 すること以外は、図１に示すものと同様のトロカールと共に用いられる。恥骨上 カテーテル２１２もまた、内腔２１３を定める内径を有する柔軟で部分的に弾力 性のあるカテーテルである。内腔２１３は、カテーテルの先端２１４における段 階的に径の小さい部分２１６を有する。カテーテルの基端２１８は、排液管また は排液シリンジ（図示せず）と連結するために、フレア状になっている。カテー テル２１２の内腔２１３には、図１に示すものと同様の金属製トロカールが挿入 される。恥骨上カテーテルには、さらに、その先端２１４近くに５ｃｃの定着用 ラテックス製バルーン２２５と、カテーテルを恥骨上領域に挿入した後、必要に 応じて縫合糸やテープで皮膚に定着させるためのカラー２２３とが設けられてい る。カラー２３の基部側には、ルアー式コネクター２１９ａおよび２２１ａを通 して膨張または洗浄を行うために、Ｙ字部２１９および２２１が設けられている 。 恥骨上カテーテルは、恥骨上領域での使用には多くの向上が見られるが、依然 として従来技術の胸部カテーテルと同じ種類のトロカールに頼っており、同じ欠 点を有する。 発明の概要 それゆえ、トロカールの穿刺針が不用意な穿刺や突剌を防止するように保護さ れているトロカールカテーテルを提供することが、本発明の１つの目的である。 カテーテルが切開前にトロカールから不用意にはずれないようにしたトロカー ルカテーテルを提供することも、本発明の目的である。 切開前は、トロカールの穿刺針を保護し、切開を行っているときは、トロカー ルの穿刺針を自動的に露出させる自動機構を提供することが、本発明の別の目的 である。 臓器や壁の不用意な穿刺を防止するように切開の間にトロカールの穿刺針を保 護する自動機構を提供することが、本発明のさらなる目的である。 本発明の別の目的は、切開後にトロカールの穿刺針を保護すると共に、トロカ ールをカテーテルから取り出すときにも、トロカールの穿刺針を自動的に保護す る自動機構を提供することである。 以下で詳細に考察するこれら目的に合わせて、本発明のトロカールカテーテル は、従来技術のカテーテルと実質的に同一で段階的な径の内腔を有するカテーテ ルと、バネ偏位式安全シールドおよびカテーテル固定手段を有するトロカールと からなる。トロカールの先端には、穿刺針ロッドを嵌め込む３つの段差を付けた 同軸縦孔、同軸バネ、およびバネ偏位式安全シールドが設けられている。バネ偏 位式安全シールドは、カテーテル先端における内腔の段階的に小さい径よりわず かに小さい外径を有し、それを通って延伸することができる。穿刺針ロッドは段 階的な外径を有し、尖端までテーパーを付けた径の大きい先端および径の小さい 基端とからなる。安全シールドは、穿剌針ロッドの段階的な外径と適合する段階 的な内径を有する。安全シールドの段階的な内径のうち径が大きい部分は、安全 シールドの先端にある。かくして、同軸バネは安全シールドをトロカールの先端 へバイアス（偏位）させ、安全シールドの移動は、トロカールの先端における同 軸縦孔の第１ステップと、穿刺針ロッドの段階的な外径とによって制限される。 安全シールドの先端には、カテーテルの先端における内腔の段階的に小さい径よ りわずかに大きい外径まで傾斜した突起が周囲に設けられている。カテーテルが 弾力性を有するので、安全シールドの傾斜した突起は、力を少し加えることによ って、内腔の段階的に小さい径を通して押し進めることができ、トロカールをカ テーテルから取り出すには、同程度の力を必要とする。 本発明の付加的な目的および利点は、添付の図面と共に詳細な説明を参照すれ ば、当業者に明白となる。 図面の簡単な説明 図１は、従来技術の胸部排液用トロカールカテーテルの略縦断面図である。 図１ａは、従来技術の恥骨上カテーテルの略縦断面図である。 図２は、図１と同様の図であるが、本発明のトロカールカテーテルを示すもの である。 図３は、切開前の図２のトロカールカテーテルの先端部の拡大図である。 図４は、図３と同様の図であるが、切開時のものである。 図５は、図３および４と同様の図であるが、切開後にカテーテルからトロカー ルを取り出す間のものである。 図６は、恥骨上トロカールカテーテルの別の具体例の拡大縦断面図である。 図６ａは、切開前の図６のトロカールカテーテルの基端および先端の部分上面 図である。 図６ｂは、図６ａと同様の図であるが、切開時のものである。 好ましい具体例の詳細な説明 ここで、図２および３を参照すると、本発明のトロカールカテーテル１１０は 、カテーテル１１２およびトロカール１２０からなる。カテーテル１１２は、上 記の図１に示す従来技術のカテーテル１２と実質的に同一であり、先端ステップ １１６を有する内腔１１３を含む。しかしながら、本発明のトロカール１２０は 、従来技術のトロカールとは全く異なっており、基端キャップ１２４および中空 の先端１３０を有するロッド１２１と、ロッド１２１の先端１３０に嵌合する穿 刺針ロッド１２２と、バネを備えたシールドまたは安全スリーブ１４４とを含む 。 図３〜５に示すように、本発明のトロカールロッド１２１の先端１３０には、 第１ステップ１３４および径の大きい第２ステップ１３６を有する段差付きの同 軸縦孔１３２が設けられている。縦孔１３２は、トロカールロッドの先端へ延伸 しており、好ましい具体例（フランス式１３号サイズの用具）では、その径は約 ０．０５５インチである。第１ステップ１３４は、内径が約０．０９インチであ り、径の大きいステップは、内径が約０．１０２インチである。径の大きいステ ップ１３６はトロカール先端の内部へ長さ約０．１８５インチにわたって延伸し ており、第１ステップ１３４はトロカール先端のさらに内部へ長さ約０．２０５ インチにわたって延伸している。 穿剌針ロッド１２２は、尖端１２５までテーパーを付けた外径の大きい先端部 １２３を有する。先端部１２３より基部側は、縦孔１３２に圧入される段階的に 外径の小さいシャフト１３８である。スライド式カラーの形態である安全シール ド１４２は、穿刺針ロッド１２２の周囲を延伸している。カラー１４２は、内腔 １１３の径の小さい部分１１６よりわずかに小さい外径を有する。カラー１４２ の内径は、内径の大きい部分１４４および段階的に内径の小さい部分１４６を含 む。内径の小さい部分１４６は穿刺針ロッドのシャフト１３８の周囲に嵌合し、 内径の大きい部分１４４は穿刺針ロッド１２２の径の大きい部分１２３の周囲に 嵌合する。径の大きい部分１２３と穿刺針ロッド１２２のシャフト１３８との間 に形成された受座１３７、および安全シールド１４２の径の大きい部分と径の小 さい部分との間に形成された止め面１４５は、図３に示すように、安全シールド の先端方向への軸方向移動を制限する。同軸バネ１４０は、安全シールド１４２ の後方でシャフト１３８の周囲に嵌合する。バネの一端はロッド１２１の先端１ ３０における第１ステップ１３４によって形成された受け座１３３に接触してお り、バネの他端は安全シールドの基端面１４７に接触している。図３および４を 比較すれば理解されるように、安全シールドの基部方向への軸方向移動は、径の 大きいステップ１３６によって形成された止め面１３５、ならびにバネ１３４に よって制限される。 トロカール１２０の先端を組み立てる際には、安全スリーブ１４４を、スリー ブ１４２の内径の大きい部分１４４が穿刺針ロッド１２２の径の大きい部分１２ ３を覆うまで、穿刺針ロッド１２２のシャフト１３８にかぶせる。次いで、バネ １４０をシャフト１３８にかぶせた後、シャフト１３８をロッド１２１の径の小 さい縦孔１３２に圧入する。図３に示すように、組み立てたトロカール１２０に 穿刺チップ１２５を覆うバネ偏位式の軸方向移動可能な安全シールドが設けられ ていることは理解される。また、図３に示すように、穿刺針ロッド１２２の長さ および安全シールド１４２の長さを、このシールドがバネ１４０によって偏位し たときにチップ１２５を覆うように選択することは理解される。本発明の好まし い具体例では、シールドは、シールドの止め部材１４５が穿剌針ロッド１２２の 径の大きい部分１２３の受け座１３７に接触するとき、穿剌チップ１２５を越え て、約０．１インチだけ延伸する。それゆえ、本発明のトロカールカテーテル１ １０が患者の胸部２００に穿刺されたとき、安全スリーブ１４２がバネ１４０に よって押し戻され、それによって、図４に示すように、穿刺チップ１２５が露出 して切開できることが理解される。しかしながら、切開前は、バネ偏位式安全シ ールドが穿刺針の不用意な穿刺や突刺を防止する。同様に、穿刺チップが胸壁を 通過して胸腔に達した後、切開を行っている間、バネ偏位式安全シールドは、先 端方向へ延伸し、穿刺針が肺や他の臓器または壁を穿剌することを防止する。 図３および４に示すように、安全シールド１４２は、シールドの先端近くの点 においてシールドの外表面から約０．００１〜０．００２インチだけ隆起した外 部 突起１５０が設けられている。図４および５を比較すれば、突起１５０が、カテ ーテル１１２の内腔１１３における径の小さい部分１１６を貫通するシールドの 移動を抑制することは理解される。同様に、突起１５０は、トロカールとは相対 的に先端方向へのカテーテルの移動を抑制する。かくして、図３および４に示す ように、安全シールドがカテーテルの先端１１４を越えて延伸するようにトロカ ールをカテーテルの内腔に挿入したとき、カテーテルは、突起１５０の作用によ って、トロカールから抜けることを抑制される。それにもかかわらず、使用前に トロカールをカーテルに挿入するために、かつ、カテーテルを据え付けた後、ト ロカールをカテーテルから取り出すために、突起１５０は内腔１１３の径の小さ い部分１１６を通過できなければならない。突起１５０が内腔を通過することを 助けるために、傾斜した縁部１５２、１５４が突起１５０に設けられている。こ れらの縁部は、安全シールドを最小限の力で通過させることができると共に、カ テーテルが不用意にトロカールから抜けることを防止しながら、突起が内腔１１ ３の狭い部分１１６の内側を押し進むことを可能にする。 ここで図５を参照すると、カテーテル１１２が弾性材料から製造されているこ とが思い起こされる。安全シールドの突起が内腔の径の小さい部分１１６を伸縮 させ、そこを通過できるように、カテーテルの先端１１４が充分な弾力性を有す ることが重要である。図５は、患者の胸腔２０２に挿入したカテーテル１１２と 、カテーテルから取り出す途中の段階のトロカールとを示す。トロカールをカテ ーテルから取り出すにつれて、シールド１４４上の突起１５０が、傾斜した縁部 １５によって助けられ、線分１６０によって示すように、内腔を伸縮させること が理解される。カテーテルの先端１１４における弾性およびレジリエンスが、内 腔１１３の狭い部分１１６が突起の通過後にその小さい径を回復するようなもの であることが理解される。 現在のところ好ましい具体例によれば、穿刺針、バネ、および安全シールドは 、すべてステンレス鋼で構成されている。トロカールの残りの部分は、好ましく は、アルミニウムから構成されている。穿刺針ロッドのチップ１２５は、胸部ト ロカールの場合、好ましくは、６０°の頂点を有する円錐形であるが、恥骨上ト ロカ ールの場合の穿刺針ロッドは、図１ａに示すように、好ましくは、斜角を付けた 円筒形として形成される。 図６、６ａおよび６ｂは、バネ偏位式の安全手段を有するトロカールカテーテ ルの別の具体例を示す。この具体例では、泌尿器または恥骨上カテーテル３１２ は、その基端３１８からその先端３１４まで延伸した（図１〜５のカテーテルの 段差付き貫通孔とは対照的に）比較的一定の縦貫通孔３１３を有する。トロカー ル３２１は、トロカールの先端を斜めに切断して製造した穿刺針３２２を有する 中空チューブ部材として形成される。トロカール３２１の基端３２０はハンドル またはキャップ部材３２４に取り付けられ、該部材には、好ましくは、基部フラ ンジ３２６および軸方向の縦孔３３９が設けられている。安全ロッド３４４はト ロカール３２１の内部に挿入され、それに対して軸方向に移動可能である。安全 ロッドの先端には、鈍端チップ３４５が設けられ、基端には、ハンドル部材３２ ４の軸方向縦孔３２９内に存在する表示用止め部材３４６が設けられている。バ ネ３２８は、表示用止め部材３４６を偏位させ、それによって、図６および６ａ に示すように、鈍端チップがトロカール３２１の穿刺針３２２を越えて充分に延 伸するように、安全ロッド３４４を先端方向へ偏位させる。かくして、トロカー ル３２１、安全ロッド３４４、およびバネ３２８は共に、組み立てた用具がかな り長い（例えば、長さが約９インチ）こと、安全ロッド３４４が中空で、先端に 開口部を有する必要のないこと、および、それが恥骨上または泌尿器カテーテル に通して用いること以外は、ヴェレス（Veress）型ニードルに類似しているよう である。ロッド３４４、止め部材３４６、縦孔３３９およびバネ３２８の寸法は 、図６ｂに示すように、トロカールの穿剌針３２２を露出させるために鈍端チッ プ３４５をバネ３２８に抗して内側へ圧入しうるようなものである。 好ましい具体例によれば、ハンドル部材３２４は、典型的には不透明であって 、そこには、観察用の窓３２７が設けられており、それを通して、表示用止め部 材３４６を観察しうる。表示用止め部材を赤色などに着色することによって、医 師は、穿剌針３２２と相対的な鈍端チップ３４５の位置を容易に決定することが できる。例えば、図６ａに示すように、鈍端チップが切開前に安全な位置にある と き、表示用止め部材は、それが窓３２７を通して観察できない位置へ、バネ３２ ８によって偏位される。しかしながら、切開時には、図６ｂに示すように、鈍端 チップがバネ３２８に抗して押し戻されるとき、表示用止め部材３４６は、それ が窓３２７を通して観察できる位置へ移動し、それによって、トロカールの穿刺 針３２２が露出する。 また、この具体例におけるトロカールの先端には、段差付きのカテーテルと共 に使用できるように、かつ、切開前の取り扱い時にカテーテルが抜けることを防 止できるように、第１の具体例を参照にして上で説明したような突起を１個また はそれ以上設けてもよいことは理解される。 ここでは、安全機構を有するトロカールカテーテルについて説明し、例示して きた。ある安全機構は、外部スリーブからなり、それはさらに、切開前およびカ テーテルの組み立て前に、カテーテルがトロカールから不用意にはずれて抜ける ことを防止する手段を包含する。別の安全機構は、延伸したヴェレス（Veress） 型ニードル機構に類似している。本発明の特定の具体例について説明してきたが 、本発明をそれらに限定するものではなく、本発明を可能な限り広い範囲で把握 し、本明細書をそのように読解すべきである。かくして、特定の寸法や材料を開 示してきたが、他の材料や寸法を利用することもできることは理解される。また 、トロカールのある具体例の先端は３つの段差を付けた内部縦孔を有すると説明 してきたが、２つの段差を付けた縦孔でも本発明の本質的特徴を達成することが できることは理解される。さらに、カテーテルがトロカールから抜けることを防 止する手段は突起として示してきたが、他のタイプの表面突出物を同様に用いる こともでき、かつ、これら突出物が安全スリーブを完全に取り囲んでいる必要の ないことも理解される。また、本発明のトロカールが、図１および１ａに示す従 来技術のカテーテルを含む事実上いかなる種類の柔軟なカテーテルであっても共 に使用可能であることは理解される。しかしながら、いくつかの具体例では、カ テーテルが、実質的に示されているような段階的な径の内腔を有することが好ま しい。それゆえ、ここに与えた発明に対し、その精神および請求の範囲から逸脱 することなく、さらに他の変更を加えうることは、当業者によって理解される。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ， ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，Ｇ Ｂ，ＧＥ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，ＮＬ，ＮＯ， ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＩ，Ｓ Ｋ，ＴＪ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ (72)発明者 ターケル，デビッド アメリカ合衆国33175フロリダ州、マイア ミ、エスダブリュー・フォーティーセブン ス・ストリート 12260番 【要約の続き】 止する。段差付きの同軸縦孔（１３６）は、安全スリー ブがバネに抗して基部方向へ押し込まれたとき、それを 収容する径の大きい部分を有する。安全スリーブ（１４ ４）の先端部外表面上にある突起（１５０）は、カテー テル（１１０）がトロカール（１２０）から不用意に抜 けることを防止する。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．段階的な径の内腔を有するカテーテルを通して延伸し、それと共に用いる トロカールであって、カテーテルの内腔に挿入し、患者を切開してカテーテルを 据え付けた後、カテーテルの内腔から取り出すように用いられ、 ａ）内径の大きい先端部および内径の小さい基部を有する安全スリーブと、 ｂ）穿刺チップまでテーパーを付けた外径の大きい先端部および外径の小さい 基部を有する穿刺針ロッドであり、該安全スリーブが該穿刺針ロッド上を軸方向 に移動可能であり、該内径の大きい先端部が該外径の大きい先端部上を移動可能 であり、かつ、該内径の小さい基部が該外径の小さい基部上を移動可能であるよ うな穿刺針ロッドと、 ｃ）該外径の小さい基部上に保持されたバネと、 ｄ）該外径の小さい基部、該バネ、および該安全スリーブを収容する段差付き の収容用縦孔を設けた先端を有するトロカールロッドであり、該収容用縦孔が、 該穿剌針ロッドの径の小さい基部を嵌め込む相対的に径の小さい部分、該穿剌チ ップが該安全スリーブによって覆われるような第１の位置へ該バネを該安全スリ ーブに抗して偏位させる第１の受座、および該安全スリーブの一部を該バネに抗 して収容する相対的に径の大きい部分を有するトロカールロッドと、 からなるトロカール。 ２．段階的な径の内腔が、カテーテルの基部では大きい径を有し、カテーテル の先端部では小さい径を有し、かつ、前記安全スリーブが内腔の前記先端部を通 して嵌合する外径を有する請求項１記載のトロカール。 ３．前記カテーテルが弾力性を有し、前記トロカールが、さらに、ｅ）内腔の 先端部を通した前記安全スリーブの移動を抑制する手段を有する請求項２記載の トロカール。 ４．内腔の先端部を通した前記安全スリーブの移動を抑制する前記手段が前記 安全スリーブの先端部外表面上に表面突起を有する請求項３記載のトロカール。 ５．前記表面突起が傾斜した縁部を有する請求項４記載のトロカール。 ６．前記トロカールを前記カテーテルの前記内腔に挿入したとき、前記穿剌チ ップがカテーテルの先端を越えて延伸し、前記安全スリーブが前記穿刺チップの 先端を越えて延伸する請求項１記載のトロカール。 ７．前記穿刺チップの前記先端が前記安全スリーブから露出するような第２の 位置へ前記安全スリーブが前記バネに抗して移動可能である請求項６記載のトロ カール。 ８．前記収容用縦孔が、さらに、相対的に径の小さい前記部分および相対的に 径の大きい前記部分の間にある相対的に中間の径の部分と、相対的に中間の径の 該部分および相対的に径の大きい前記部分の間にあるストッパーとを有し、該ス トッパーが前記安全スリーブの基部方向への移動を制限する請求項１記載のトロ カール。 ９．前記収容用縦孔が、さらに、相対的に径の小さい前記部分および相対的に 径の大きい前記部分の間にある相対的に中間の径の部分と、相対的に中間の径の 該部分および相対的に径の大きい該部分の間にあるストッパーとを有し、該スト ッパーが前記安全スリーブの基部方向への移動を制限する請求項７記載のトロカ ール。 10．段階的な径の内腔が、カテーテルの基部では大きい径を有し、カテーテル の先端部では小さい径を有し、かつ、前記安全スリーブが内腔の前記先端部を通 して嵌合する外径を有する請求項９記載のトロカール。 11．前記カテーテルが弾力性を有し、前記トロカールが、さらに、ｅ）内腔の 先端部を通した前記安全スリーブの移動を抑制する手段を有する請求項１０記載 のトロカール。 12．内腔の先端部を通した前記安全スリーブの移動を抑制する前記手段が前記 安全スリーブの先端部外表面上に表面突起を有する請求項１１記載のトロカール 。 13．前記表面突起が傾斜した縁部を有する請求項１２に記載のトロカール。 14．段階的な径の内腔を有する前記カテーテルと組み合わせた請求項１記載の トロカール。 15．段階的な径の内腔を有する前記カテーテルが胸部カテーテルおよび恥骨上 カテーテルのうちのいずれか一方である請求項１４記載のトロカール。 16．段階的な径の内腔を有する前記カテーテルと組み合わせた請求項４記載の トロカール。 17．段階的な径の内腔を有する前記カテーテルが胸部カテーテルおよび恥骨上 カテーテルのうちのいずれか一方である請求項１６記載のトロカール。 18．段階的な径の内腔を有する前記カテーテルと組み合わせた請求項９記載の トロカール。 19．段階的な径の内腔を有する前記カテーテルが胸部カテーテルおよび恥骨上 カテーテルのうちのいずれか一方である請求項１８記載のトロカール。 20．ａ）内腔を有する柔軟なカテーテルと、 ｂ）該内腔を通して延伸し、柔軟な該カテーテルと共に使用するトロカール手 段であり、該カテーテルの該内腔に挿入し、患者を切開して該カテーテルを据え 付けた後、カテーテルの該内腔から取り出すように用いられるトロカール手段と 、からなるトロカールカテーテルであって、該トロカール手段が、 １）鋭利な先端と、 ２）該トロカール手段と同軸をなし、それによって保持される安全手段であり 、鈍い先端を有し、該トロカール手段と相対的に軸方向に移動可能であり、最初 の切開の後、該トロカール手段の鋭利な該先端から患者を保護する安全手段と、 ３）該トロカール手段に連結され、該安全手段の鈍い該先端が該トロカール手 段の鋭利な該先端を越えて延伸するような第１の位置へ該安全手段を偏位させる バネと、 を包含し、該トロカール手段の鋭利な該先端が該安全手段の鈍い該先端を越え て延伸するような第２の位置へ該安全手段が該バネに抗して移動可能であるトロ カールカテーテル。 21．前記トロカール手段が少なくとも部分的に中空であり、前記安全手段が前 記トロカール手段内に保持される請求項２０記載のトロカールカテーテル。 22．前記安全手段が鋭利な前記先端を越えて軸方向に移動可能な中空スリー ブである請求項２０記載のトロカールカテーテル。 23．鋭利な前記先端が少なくとも部分的に中空であり、前記安全手段が鋭利な 前記先端内を軸方向に移動可能である請求項２０記載のトロカールカテーテル。 24．柔軟な前記カテーテルが少なくとも９インチの長さである請求項２３記載 のトロカールカテーテル。