JPH08501702A - 低脂肪スプレッド及びその製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ８−３５ミクロンの粒子径をもつ脂肪基質を有する油中水エマルジョンからなる低脂肪スプレッド、安定剤、乳化剤及び脂肪基質の独特の組合せをもち脂肪分２８％以下を与える低脂肪スプレッドとその製造法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】低脂肪スプレッド及びその製造法 本発明は低脂肪スプレッド（塗布食品）に関する。特に本発明は脂肪分２８％ 以下の低脂肪スプレッドに関する。 マーガリンその他の油性スプレッドは８３％といった高い脂肪分を含有してい る。多くの低脂肪スプレッドも市販されている。４０％以下の低脂肪スプレッド も市販されているが、脂肪含量３０％以下のものは一般的ではない。 「低脂肪、バター香気液状スプレッドと方法」と題する米国特許第４，２９２ ，３３３号は３０％以下の分散した脂肪と、エマルジョン安定剤を含有する連続 水相と、親油性乳化剤及び親水性乳化剤からなる乳化剤系を有する油中水エマル ジョンを開示している。この特許は水溶性エマルジョン安定剤が基本であること を教示している。また好ましい安定剤として微結晶セルロース、カラギナン、グ アーガム、アルギネート及びキサンテンガムを開示している。 米国特許第４，２９２，３３３号はまた親油性乳化剤と親水性乳化剤とからな る２成分乳化剤組成物を開示している。この乳化剤は脂肪酸グリセリドでもよい 。 ヨーロッパ特許出願第９０２０２４１５号（９００９１１）には脂肪分３０％ 以下水性相少なくとも７０％のスプレッドが開示されている。このスプレッドは モノグリセリドとポリグリセロールエステルの混合物とゲル化剤としての微結晶 性セルロースと１５〜２８％の脂肪相を含んでいる。 ＦＭＣ コーポレーシヨンが「Research Disclosure」に１９９２年４月に発 表した「低脂肪マーガリン」には次の低脂肪マーガリン組成が開示されている。 スプレッド中の脂肪分を８０％から２８％以下に減少させることは簡単なこと ではない。脂肪分２８％以下の場合、スプレッドは主として水からなる。スプレ ッドを油中水エマルジョンとして維持することはこれらの状況下では特に容易で はない。またこのように多量の脂肪を除くには置きかえた脂肪の機能性や特殊な 感応性をまねることに多くの考察や努力が払われねばならない。 満足のいく機能性や感応性をもつ生成物を得るには検討すべき多くの性質があ る。低脂肪スプレッドは全脂肪系と同様の品質と香味を提供する必要がある。ま た全脂肪系の特性をまねるには粘度（濃さ、滑らかさ）及び吸収／吸着（味覚に 対する生理的効果）、ワックス性及び口被覆性を制御する必要がある。 本発明は脂肪分２８％以下の低脂肪スプレッドに関する。このスプレッドは少 なくとも５６％の水を有する分散した水相、８−３５ミクロンの平均粒子径をも つ脂肪基質、ガム、及び２８％以下の油分をもつ連続油相を、分散相と連続相を 混合したときに安定な油中水エマルジョンを形成し維持するに適した有効量の乳 化剤と共に含む油中水エマルジョンである。 通常本発明のスプレッドは脂肪分１０−２８％６をもつ。好ましくは本発明の スプレッドは脂肪分１５−２５％をもつ。より好ましくは２０−２５％の脂肪分 をもつ。 コロイド状微結晶性セルロース等の適切な安定剤が用いられる。通常安定剤の 平均粒子径は０．０５〜０．６ミクロンである。より好ましい安定剤は０．１− ０．５ミクロンの平均粒子径をもつ。 有効量の安定剤が用いられる。安定剤は０．５−４wt％が好ましく、特に０． ９−２．２Wt％が好ましい。以下に示すガイドラインを用いることにより望まし くない実験なしに安定剤の有効量を決めることができる。 ８−３５ミクロンの平均粒子径をもつ脂肪基質が通常好ましいが、それより大 きいものもまた小さいものも用いうる。脂肪基質のより好ましい平均粒子径は１ ２−２８ミクロンであり最も好ましい平均粒子径は１６−２４ミクロンである。 適切な乳化剤の例としてはＣ_８−Ｃ₁₈脂肪酸とモノ−、ジ−又はポリグリセロ ールからつくられた脂肪酸エステルがある。典型的には、それら又はそれらの混 合物は３−７のＨＬＢをもつ。 本発明の生成物は適宜の手段で混合して製造しうる。 実施例に示す以外又は他に特段の断りがない限り、成分量、パラメータ、又は 反応条件を表す数字はすべての場合用語「約」をもって解されるべきである。 本発明は低脂肪スプレッドとしての使用に適する油中水エマルジョンを包含す る。このスプレッドは５℃（４１゜Ｆ）から２２℃（７１．６゜Ｆ）の範囲の温 度で塗布できてしかもしっかりとした状態を得ている。 特に断りのない限り％は分散相と水性相を混合したときに得られる全エマルジ ョン重量に対する重量％を意味する。例 １ 表１に示す組成をもつ低脂肪マーガリンを下記の方法で作った。水性相の製造 本発明の低脂肪スプレッドをつくる際に次の方法を用いた。安定剤を高い剪断 力のもとに水に分散させた。次いでキサンテンガムを加え連続した高剪断力で混 合した。次いで脂肪基質を加え高剪断力で混合した。 当業者に周知の他の水溶性成分を加えた。次いで水性相を約４２℃（107.6° Ｆ）に冷却した。脂肪相の製造 脂肪成分を混合し６０℃（１４０゜Ｆ）に約２０分加熱した。 混合物から約１５％の脂肪分を除き、約８０℃（１７６゜Ｆ）に加熱し、乳化 剤を混合により加えた。この混合物を前記脂肪相のバルクにもどし、脂肪可溶性 香料及び他の脂肪可溶性成分を加えた。 次いで脂肪相を乳化温度に冷却した。乳化及び結晶化 均一な粗製油中水エマルジョンを空気の混入又はエマルジョン転位なしに得る ために水性相を制御された条件下に脂質相に徐々に加えた。 エマルジョンを約４０℃（１０４゜Ｆ）でつくり、結晶化用と生成物最終処理 用の冷却ユニットを通した。 表１は２５％脂肪分含有低脂肪スプレッドである。このスプレッドは重 例 ２ 脂肪分２０％のスプレッドを例１に記載の方法でつくった。このスプレッドは 次の組成をもっていた。 本発明の低脂肪スプレッドの製造法をその実施例と共に記載したが、成分のよ り詳しい説明を下記する。安定剤 コロイド状安定剤が好ましい。特に好ましい安定剤は微結晶性セルロー １Ｆ微結晶性セルロースは共処理されたカルボキシメチルセルロースと微結晶性 セルロースである。微結晶性セルロースは低脂肪スプレッドに粘弾 性を付与し脂肪と同様の口感覚を付与する。 当業者に周知の他の安定剤も用いうる。これらの例としてはカラギーナン、グ アーガム、キサンタンガム、大豆蛋白分離物、メチルセルロース、デキストラン 、でん粉、ゼラチン、イナゴマメガム、ペクチン等及びそれらの混合物がある。ガム ガムは低脂肪スプレッドに構造を付与する。好ましいガムはキサンタンガムで ある。当業者に周知の他のガムも置きかえうる。これらのガムの例としてはカラ ギーナン、グアーガム、イナゴマメガム及びペクチンがある。ガムはエマルジョ ンの０．１−２．０wt％存在する。好ましくはスプレッドはガムを０．１−０． ５wt％、より好ましくは０．１５−０．４wt％含む。脂肪基質 ８ミクロンより大きい平均粒子径をもつ微結晶性セルロース、特にガラクトマ ンナンと共処理した微結晶性セルロースは脂肪基質として好ましい。通常、８− ３５ミクロンの平均粒子径をもつ微結晶性セルロースが好ましく、１６−２４ミ クロンの平均粒子径をもつ微結晶性セルロースがより好ましい。１８−２２ミク ロンの平均粒子径をもつ微結晶性セルロースが最も好ましい。 好ましくはグアーと共処理した微結晶性セルロースに対するＦＭＣコーポレーシ ョンの商標である。これらは２０ミクロンの平均粒子径をもつ。１の共処理法に おいて、微結晶性セルロースは水性媒体中でグアーガム等の ガラクトマンナンガムと緊密に混合され次いで、好ましくはスプレー乾燥により 、乾燥されて、粒子が球状形状の粉末からなる凝集体を形成する。所望により、 第３の可食性、成分たとえば親油性物質又は親水性物質、たとえば蛋白質系物質 又はポリサッカライド又はその混合物を組成物中に混合することもできる。これ らについての更なる詳細はヨーロッパ特許出願９０／９０８７４５．４号（公開 番号４７５９９８）又は米国特許第５，１９２，５６９号を参照されたい。微結 晶性セルロース脂肪基質はスプレッド中に０．０１−１０wt％の範囲で存在しう る。より好ましくは０．０５−５wt％、最も好ましくは０．８−２．５wt％の範 囲で存在しうる。乳化剤 Ｃ_８−Ｃ₁₈脂肪酸とモノー、ジー又はポリグリセロールからつくられた脂肪酸 エステルが有効であることを見出した。特にエステル交換したリシ 食性の部分水素化大豆油からつくったモノグリセリドを蒸留したＤＩＭＯ ０はデンマーク、ＤＫ−８２２０ブラブランドのGrinsted Products の登 乳化剤濃度及び２以上の乳化剤を用いる場合の乳化剤比は安定な油中水エマル ジョンをつくるよう選ばれる。 有効な乳化剤濃度はエマルジョンの転移を防ぎまた通常の使用条件でエマルジ ョンから水が放出されるのを防ぐ。乳化剤の有効な濃度は通常０．１−２％の範 囲である。好ましい乳化剤濃度は０．４−１．０％の範囲である。２以上の乳化 剤を組合せて用いる場合、一方が脂肪酸のモノグリセリドで他方がポリグリセロ ールエステルであることが好ましい。通常モノ グリセリド：ポリグリセロールエステルの重量比は５：１から１：５の範囲であ る。３：２から２：５、特に３：２から２：４の範囲がより好ましい。５℃から ３５℃の通常の使用温度においてスプレッドから水が放出されないことが好まし い。 好ましいことが判明した上記の脂肪酸エステル等の乳化剤は３から７の範囲の ＨＬＢをもっている。乳化剤混合物としての好ましいＨＬＢもこの範囲である。 この場合成分のＨＬＢがこの範囲にある必要はない。これらのガイドラインに従 って、当業者は好ましい乳化剤濃度及び好ましい乳化剤又はその組合せを余分な 実験をすることなしに選択しうる。水 実施例で用いた水は脱イオン水である。油 低脂肪スプレッドに典型的に加えられる適宜の油を用いうる。特にヒマワリ油 、水素化大豆油、及びヤシ油が好ましい。しかし乳脂肪等の他の油の使用も余分 の実験なしに当業者がなしうることである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ， ＣＡ，ＣＨ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，Ｈ Ｕ，ＪＰ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＧ ，ＭＮ，ＭＷ，ＮＬ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ， ＳＤ，ＳＥ，ＳＫ，ＵＡ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．少なくとも５６％の水、 ８−３５ミクロンの範囲の平均粒子径をもつ微結晶性セルロース／ガラクトマ ンナン共処理脂肪基質、脂肪基質用の有効量の安定剤、 ガム、 ２８重量％以下の油からなる連続相、及び 分散相と連続相を混合した時安定なエマルジョンを形成し且つ維持するに適す る乳化剤の有効量（但しすべての％は全エマルジョン重量に基づく重量％である ）によって特徴づけられる低脂肪油中水エマルジョンスプレッド。 ２．エマルジョンが油を１５−２５％、水を少なくとも６７％、安定剤を０．５ −４％及びガムを少なくとも０．１％含有する請求項１記載の低脂肪スプレッド 。 ３．安定剤が０．０５−０．５ミクロンの範囲の平均粒子径をもつ微結晶性セル ロースである請求項１記載の低脂肪スプレッド。 ４．ガムがキサンテンで、乳化剤がＣ_８−Ｃ₁₈脂肪酸成分とグリセロール、ジグ リセロール及びポリグリセロールからなる群から選ばれたグリセロール成分をも つ脂肪酸エステルである請求項３記載の低脂肪スプレッド。 ５．乳化剤が脂肪酸エステルの混合物である請求項４記載の低脂肪スプレッド。 ６．脂肪酸エステルの混合物がＣ_８−Ｃ₁₈脂肪酸のモノグリセリドとＣ_８−Ｃ₁₈ 脂肪酸のポリグリセロールエステルとを含む請求項５記載の低脂肪スプレッド。 ７．脂肪酸がＣ₁₂−Ｃ₁₈脂肪酸である請求項６記載の低脂肪スプレッド。 ８．脂肪酸がＣ₁₄−Ｃ₁₈脂肪酸である請求項７記載の低脂肪スプレッド。 ９．脂肪基質が共処理した微結晶性セルロース／グアーである請求項１記載の低 脂肪スプレッド。 10．脂肪基質が１６−２４ミクロンの範囲の平均粒子径をもち０．５−２．５の 範囲の重量％をもつ請求項４記載の低脂肪スプレッド。 11．脂肪基質が共処理した微結晶性セルロース／ガラクトマンナンである請求項 １０記載の低脂肪スプレッド。 12．脂肪基質が１８−２２ミクロンの範囲の平均粒子径をもつ請求項１０記載の 低脂肪スプレッド。 13．微結晶性セルロース安定剤が０．１−０．６ミクロンの範囲の平均粒子径を もつ請求項１２記載の低脂肪スプレッド。 14．乳化剤が３−７の範囲のＨＬＢをもつ請求項１２記載の低脂肪スプレッド。 15．乳化剤が４−６の範囲のＨＬＢをもつ請求項１２記載の低脂肪スプレッド。 16．a)水、安定剤、ガム、及び８−３５ミクロンの範囲の平均粒子径をもつ微結 晶性セルロース／ガラクトマンナン共処理脂肪基質を b)油及び分散相と連続相を混合したとき安定なエマルジョンを形成し且つ維 持するに適する乳化剤からなる連続相と混合することにより２８wt％以下の脂肪 分を含有する油中水エマルジョンを形成することを特徴とする油中水エマルジョ ン低脂肪スプレッドの製造法。 17．脂肪基質がグアーと共処理した微結晶性セルロースである請求項１６記載の 方法。 18．安定剤が０．０５−０．５ミクロンの範囲の平均粒子径をもつ微結晶性セル ロースである請求項１６記載の方法。 19．乳化剤が３−７の範囲のＨＬＢをもつ請求項１６記載の方法。 20．乳化剤が脂肪酸エステルである請求項１８記載の方法。 21．乳化剤がＣ_８−Ｃ₁₈脂肪酸成分とグリセロール、ジグリセロール及びポリグ リセロールからなる群から選ばれたグリセロール成分をもつ脂肪酸エステルであ る請求項２０記載の方法。 22．乳化剤がＣ_８−Ｃ₁₈脂肪酸成分とグリセロール、ジグリセロール及びポリグ リセロールからなる群から選ばれたグリセロール成分をもつ脂肪酸エステルの混 合物である請求項２１記載の方法。 23．脂肪基質が１２−２５ミクロンの範囲の平均粒子径をもつ請求項２２記載の 方法。 24．乳化剤混合物がＣ_８−Ｃ₁₈脂肪酸のモノグリセリドとＣ_８−Ｃ₁₈脂肪酸のポ リグリセリドとを含む請求項２３記載の方法。 25．乳化剤混合物がＣ₁₂−Ｃ₁₈脂肪酸のモノグリセリドとＣ₁₂−Ｃ₁₈脂肪酸のポ リグリセリドを含む請求項２３記載の方法。 26．脂肪基質が１６−２４ミクロンの範囲の平均粒子径をもつ請求項２５記載の 方法。 27．乳化剤混合物がＣ₁₄−Ｃ₁₈脂肪酸のモノグリセリドとＣ₁₄−Ｃ₁₈脂肪酸のポ リグリセリドを含む請求項２６記載の方法。 28．油中水エマルジョン低脂肪スプレッドが安定剤０．５−４wt％、微結晶性セ ルロース脂肪基質０．５−２．５wt％、乳化剤０．３−２wt％を含有し、且つ該 スプレッドが５℃では硬いが２２℃以上の温度では塗布性をもつ請求項２７記載 の方法。 29．油がヒマワリ油、大豆油及びヤシ油からなる群から選ばれる請求項２８記載 の方法。 30．油中水エマルジョン低脂肪スプレッドが安定剤０．５−４wt％、微結晶性セ ルロース脂肪基質０．５−２．５wt％、乳化剤０．４−１．０wt ％を含有し、且つ該塗布性スプレッドが５℃から２２℃の範囲の温度で硬い請求 項２７記載の方法。 31．油がヒマワリ油、大豆油及びヤシ油からなる群から選ばれる請求項３０記載 の方法。