JPH08500250A - ノーウォークおよび関連ウイルスを検出し、かつ特徴付けるための方法並びに試薬 - Google Patents

ノーウォークおよび関連ウイルスを検出し、かつ特徴付けるための方法並びに試薬

Info

Publication number
JPH08500250A
JPH08500250A JP6507522A JP50752294A JPH08500250A JP H08500250 A JPH08500250 A JP H08500250A JP 6507522 A JP6507522 A JP 6507522A JP 50752294 A JP50752294 A JP 50752294A JP H08500250 A JPH08500250 A JP H08500250A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
norwalk
protein
virus
sequence
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6507522A
Other languages
English (en)
Inventor
マトソン、デイビッド・オー
エステス、メアリー・ケー
ジアン、クザイ
グラハム、デイビッド・ワイ
Original Assignee
ベイラー・カレッジ・オブ・メディシン
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ベイラー・カレッジ・オブ・メディシン filed Critical ベイラー・カレッジ・オブ・メディシン
Publication of JPH08500250A publication Critical patent/JPH08500250A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/10Transferases (2.)
    • C12N9/12Transferases (2.) transferring phosphorus containing groups, e.g. kinases (2.7)
    • C12N9/1241Nucleotidyltransferases (2.7.7)
    • C12N9/127RNA-directed RNA polymerase (2.7.7.48), i.e. RNA replicase
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/005Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from viruses
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/70Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving virus or bacteriophage
    • C12Q1/701Specific hybridization probes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2770/00MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA ssRNA viruses positive-sense
    • C12N2770/00011Details
    • C12N2770/16011Caliciviridae
    • C12N2770/16022New viral proteins or individual genes, new structural or functional aspects of known viral proteins or genes

Abstract

(57)【要約】 二本鎖cDNAは、ボランティアの便検体から精製された。 ノーウォークウイルスから抽出された核酸から合成される。インビトロ転写ベクターにサブクローニングした後にDNAクローンから誘導された一本鎖RNAプローブは、ノーウォークウイルスが約8kbのサイズのssRNAゲノムを含んでいることを示すためにも使用される。ノーウォーク一特異的cDNAの利用可能性およびゲノム配列情報は、その全ゲノムのクローニングおよび鋭敏な診断アッセイの確立を早める。かかるアッセイは、ノーウォークおよびノーウォーク関連ウイルスの抗原のプローブまたはプライマー、および、cDNAから発現されたか、或は、既に知られているゲノム配列に基づいて作られたタンパク質に対するポリクローナルまたはモノクローナル抗体を使用した検出に基づく。ノーウオークウイルスゲノムから導き出されかつ発現システムで生成されたタンパク質を使用したアッセイは、抗体の反応を測定できる。ノーウォークおよびノーウォーク関連ウイルスのワクチンは、発現されたノーウォークウイルスタンパク質から作られる。

Description

【発明の詳細な説明】 ノーウォークおよび関連ウイルスを検出し、かつ特徴付けるための方法並びに試 薬 この出願は、この出願と共に継続し、全て「ノーウォークおよび関連ウイルス を検出し、かつ特徴付けるための方法および試薬」と題する出願人の米国特許出 願07/443,492号(1989年11月8日出願)、米国特許出願07/515,993号(1992年 4月27日出願、現在は放棄されている)、米国特許出願07/573,509号(1990年 8月27日出願)、および米国特許出願07/696,454号(1991年 5月 6日出願 )の一部継続出願である。 この発明は、食品医薬品局および国立衛生研究所の認可または裁定により部分 的に支持されている。米国政府は、この発明に対してある程度の権利を有してい る。発明の分野 この発明は、概ね、ノーウォークウイルス[Norwalkvirus ]およびカリチウ イルス[calicivirus ]のクローンの合成、並びにノーウォークおよび関連ウイ ルスに対するプローブの作製に関する。また、この発明は、ノーウォークおよび 関連ウイルスの検出し、かつ特徴付ける方法に関する。発明の背景 ノーウォークウイルスは最も重要なウイルス性病原体の一つであり、この病原 体は米国において2番目にありふれた病気である急性胃腸炎を引き起こす(Ding le et al., Am.J.Hyg 58:16-30(1953);Kapikian and Chanock,ウイルス学, B.N.Field′s 第2版,Raven Press,New York,pp.671- 693 (1990)の “ノーウォーク群のウイルス”)。成人ウイルス性胃腸炎の 42%までは、ノーウォークまたはノーウォーク様ウイルスによって引き起こさ れるものと見積られている(Kaplan et al.,Ann. Internal Med.96(6):756-761 (1982) )。ノーウォークウイルスが水および食物の両者を介して伝染するこ とは書物に記録されており、特にハマグリ、トリガイ、およびカキを含む汚染さ れた貝類を消費することで病気の大流行が発生している(Murphy et al.,Med. J .Ausl.2:329-333(1979);Gunn et .,Am.J.Epidemiol.115:348-351 (1982);Wilso n et al.,Am.J.PublicHealth 72;72-74(1982);Gill et al.,Br.Med.J.287:1532- 1534(1983);DuPont New Engl.J.Med.314:707-708 (1986);Morse et al.,New Eng l. J.Med.314:678-681(1986);Sekine et al.,Microbiol. Immunol.33:207-217 ( 1989))。 海産食品の消費の増大に伴って、近年、魚および貝関連食品の有毒化が増大して いることが注目され、これがこれらの存在に対する臨床医の認識を増すことに貢 献している(Eastaugh and Shepherd,Arch. Intern.Med.149:1735-1740(1989) )。 ノーウォークウイルスは1973年に発見された。最近まで、このウイルスに 関する知識は限られたものに止まっていた。これは、このウイルスを細胞培養物 中で増殖させることに成功しておらず、ウイルス培養に対する適切な動物モデル が見出されていないためである。流行の発生時およびヒトボラン ティアの研究から得られるヒトの便のサンプルのみがこのウイルスの源である。 しかしながら、便中のウイルスの濃度は、通常の電子顕微鏡を用いるウイルス検 出が不可能であるほど低い(Dolin el al., Proc. Soc. Exp. Med. and Biol. 1 40:578-583(1972);Kapikian et al. J.Virol. 10:1075-1081 (1972);Thornhill et al.J, Infect.Dis.132:28-34 (1975)。ノーウォークウイルスの現在 の検出法には、免疫電子顕微鏡法および、ラジオイムノアッセイ(RIA)や急 性かつ回復期のヒト由来血清を用いるビオチン−アビジン酵素結合免疫吸着アッ セイ(ELISA)のような他の免疫学的方法が含まれる。現在までのところ、 量が不十分であること、またはウイルス性抗原の尋常ならざる特性のいずれかの ために、動物由来の超免疫抗血清の調製は成功していない。 ビリオンの予備的な生理学的特徴付けにより、この粒子が1つのポリペプチドを 有することが示されている(Greenberget al.,J.Vlrol.37:994-999(1981))が、 ウイルスゲノムを特徴付けようとする努力は成功していない。 ノーウォークウイルスに関連するウイルスには、典型的なカルチウイルス形態 を示すウイルスやアストロウイルス類[astroviruses]のような小腸腸内ウイル ス[small roundenteric viruses ]が含まれる。この明細書中で表1に示され るヒト小腸ウイルスの分類図は、Journal o f MedicalVirology,9:257-265 (19 82)においてCaul and Appletonによって概観が述べられている図の最新版であ る。この系は、Cubiit et al.,J.Infectious Diseases,156:806-814 (1987)で参照されている;新規下痢要因ウイルス[NovelDiarrhoea Viruses ] , Ciba Foundation Symposium No.128,pp.108-125(John Wiley & Sons,N.Y. (1 987))という書籍の“小腸ウイルス:分類と食物介在感染における役割”と題す るApplelonの論文の表1;およびウイルス学(B.N.Firlds, 2d ed.Raven Press( 1990))という書籍に掲載される、Kapikian a nd Chanock による“ノーウォー ク群のウイルス”と題する章の表1。 表1に示されるように、ヒト小腸構造ウイルスにはカリチウイルスおよびアス トロウイルスが含まれる。近年のノーウォークウイルスの配列決定により、ノー ウォークウイルスはカリチウイルスであり、他のカリチウイルスと同様のゲノム 構成を有していることが示されている。ヒト小腸腸内ウイルスに加え、その形態 に基づいてアストロウイルス類、カリチウイルス類、および小腸構造ウイルス類 に分類される非ヒト小腸ウイルスが存在する。これらのウイルスの例としては、 ピグミーチンパンジーから単離される霊長類カリチウイルス(雑誌Science 221: 79-81 (1983)に掲載)、ブタ腸内カリチウイルス(Journal of Clinical Microb iology 12:105-111 (1983)に掲載)およびウシアストロウイルス(Vel Pathol.2 1:208-215(1984)に掲載)が挙げられる。カリチウイルスの個々の型は時々宿主 特異性および組織走性を発現するが、群全体としては、それらは胃腸炎、肝炎、 流産、皮膚病変、肺炎、心筋炎、および脳炎を引き起こす。ヒトに感染するカリ チウイルス類はこの文脈に適合している。 すなわち、アザラシ、魚、ブタおよびウシと同様に、ヒトにおいて、ノーウォー ク様ウイルスは胃腸炎を引き起こし、E型肝炎は肝炎を引き起こし、かつサンミ ゲルトド5型ウイルスは皮膚小嚢を引き起こす(Textbook of PediatricInfecli ous Disease, 3d ed.,R.D.Feigin and J.D.Cherry,eds., W.B.Sanders, Philade lphia, (in press)のD.0.Matson “Calicivirus Infections”)。発明の要約 したがって、この発明の目的は、cDNAライブラリーの合成およびクローニ ングによりノーウォーク並びにその関連ウイルスを検出し、かつ特徴付けること にある。 ノーウォーク並びに関連ウイルスのcDNA由来のアミノ酸配列を推測するこ とも、この発明に関連する目的である。 ノーウォークウイルスとノーウォーク関連ウイルスとの遺伝的な相関を確認す るためのプローブまたはプライマーを開発することはこの発明の他の目的である 。 ノーウォークおよびその関連ウイルスに対するポリクローナルおよびモノクロ ーナル抗体を調製する方法を開発することは、この発明のさらなる目的である。 ノーウォークおよびその関連ウイルスを検出するためのプローブを作製する方 法を開発することは、この発明のさらにまた別の目的である。 ウイルスの存在が疑われるサンプルにおいてノーウォークおよびその関連ウイ ルスを検出するために、アッセイにおいて前記cDNAまたはそれらの断片また はそれらの誘導体を 用いることは、この発明のさらなる目的である。 タンバク質を発現させて抗体応答を測定することも、この発明のさらなる目的 である。 前記目的を達成するための、ノーウォークウイルスcDNAクローンのゲノム センス鎖のヌクレオチド配列には、表2に示されるヌクレオチド配列が含まれる 。ノーウォークヌクレオチド配列には蛋白質をコードする領域が存在する。ノー ウォークウイルスゲノムのヌクレオチド配列、その断片および誘導体は、診断用 製品、ワクチン並びに抗ウイルス剤の作製に用いられる。 この発明の他のさらなる目的、特徴および利点は、以下に示すこの発明の現時 点での好ましい態様の記述から明らかになるであろう。図面の簡単な説明 図1. ノーウォークおよびその関連ウイルスのEM写真。ノーウォークウイル ス(A)、ヒトカリチウイルス(B)、小腸構造ウイルス(C)、およびヒトア ストロウイルス。バーは0.1μmである。 図2a. 陽性ノーウォークcDNAクローンのスクリーニングのための、便サ ンプルと32p−標識プラスミドDNAとのハイブリダイゼーション。2人のボ ランティアからの1対の便[ノーウォークウイルスに感染する前(b)と後(a )]からの核酸をゼ-タバインド[Zetabind]フィルター上に点在させた。複製 ストリップを作製し、50℃および65℃で、テストクローン(pUC−27,p UC−593,pUC−13および pUCNV-953)の各々とハイブリダイズさせた。ノーウォーク感染の(前では なく)後の便サンプルと唯一反応するクローンの1種(pUCNV-953)は潜在 的な陽性クローンであると考えられ、さらなる特徴付けのために選択された。 図2b. クローン32p−標識pUCNV−953と、3名のボランティアから感 染後の異なる時期に集めた別の3組の便サンプル(B=病気の急性期前;A=病 気の急性期;P=病気の後急性期)とのドットブロットハイブリダイゼーション 。核酸は直接点在させるか、もしくはRNAseまたはDNAseで処理した後 に点在させた。二本鎖相同cDNA(pUCNV−953)を便サンプルと同様の 処理の後点在させた。 図3. CsClグラジエント中のノーウォークウイルスをpGEMNV−953 から作製したssRNAプローブとのドットブロットハイブリダイゼーション。 CsClグラジエントの各画分からのアリコート50μlをゼータマインドフィ ルター上に点在させた。このフィルターの複製を作製し、その各々を2種のss RNAプローブとハイブリダイズさせた。その後、この2種の鎖をcRNA(ウ イルス核酸とのハイブリダイゼーションが陽性)およびvRNA(ウイルス核酸 とはハイブリダイズしない、データは示さず)と称した。グラフは、ドットブロ ットハイブリダイゼーションと同じCsClグラジエントの各画分におけるノー ウォークウイルスのEMカウントを示す。各グリッド当り5つの方形についてカ ウントし、方形当りのウイルス粒子の平均数を算出した。 図4. 第1のノーウォークウイルスcDNAクローンのゲ ノムセンス鎖のヌクレオチド配列。このcDNA中の長オープンリーディングフ レームの推定アミノ酸配列も示す。 図5. ノーウォークcDNAクローンの模式図。pUCNV−953は最初の 同定されたクローンである。制限酵素分析およびクローンの部分配列決定により 重複クローンを決定した。AAAはウイルスゲノムの3’末端のポリ(a)を示 す。 図6. ノーウォークウイルスはRNA指向性RNAポリメラーゼ[RNA-direct ed RNA polymerase ]の配列モチーフをコードする。ノーウォークウイルスp UCNV−4095 (NV)の一部の推定アミノ酸配列を、E型肝炎ウイルス(H EV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、A型肝炎ウイルス(HAV)、日本脳炎 ウイルス(JE)、ポリオウイルス(polio )、口蹄疫ウイルス(FMD)、脳 心筋炎ウイルス(EMC)、シンドビス[Sindbis]ウイルス(SNBV)、タ バコモザイクウイルス(TMV)、アルファルファモザイクウイルス(AMV) 、スズメノチャヒキモザイクウイルス(BMV)、およびササゲモザイクウイル ス(CpMV)の推定RNA指向性RNAポリメラーゼをコードすると考えられ ている合意アミノ酸残基と比較した。NV以外のウイルスの配列は、Reyes et a l.,Science 247:1335-1339 (1990)からのものである。 図7. ノーウォークウイルスゲノムの増幅に用いられる3対の初期プライマー 。RNAをCTAB法により便サンプル(サンプル543-11)から抽出し、RT− PCRにより増幅した。レーン1および5はベテスダ・リサーチ・ラボラトリ ーズ[Bethesda Research Laboratories]より入手したlkbマーカー(1.6 、1.0および0.5k bとして移動するマーカーを標識した);レーン2は ノーウォークウイルスプライマ-8および9を用いるPCR:レーン3はノーウ ォークウイルスプライマー16および17を用いるPCR;レーン4はノーウォ ークウイルスプライマー1および4を用いるPCR。増幅生成物はアガロースゲ ル上で分離し、エチジュウムブロマイドで染色した後UVで可視化した。レーン 3に見られる小生成物は、実験の度に量が変化した。この研究に用いられる3つ のプライマー対の位置は、オートラジオグラフの上に与えられている。マップの 下の数字はRT−PCR産物の(塩基対での)サイズを示している。 図8. これは、表2に示されるノーウォークゲノムの構成を模式的に示す。こ こに示される特徴は、ノーウォークウイルスゲノムのヌクレオチド配列およびこ のゲノムにおいてコードされるタンパク質の推定アミノ酸配列の分析に基づいて いる。このゲノムは、3’末端の111個のAを含む7753個のヌクレオチドを有し ている。この配列を翻訳することにより、このゲノムが(第2ラインの白抜きの ボックスによって示される)3つのオープンリーディングフレームをコードする ことが予測される。第1のオープンリーディングフレームは、ヌクレオチド146 の開始コドンから始り、(終始コドンを除いて)ヌクレオチド5359まで伸びるも のと予想される。第2のオープンリーディングフレームはヌクレオチド5346 から始まってヌクレオチド6935まで伸び、第3のオープンリーディ ングフレームはヌクレオチド6938と7573との間に存在する。これらの推定タンパ ク質とタンパク質データバンクの他のタンバク質との比較に基づくと、第1のオ ープンリーディングフレームは最後には開裂して少なくとも3つのタンパク質を 生成する。これらの3つのタンパク質には、ピコルナウイルス2C様タンパク質 、3C様プロテアーゼおよび3D様RNA依存性RNAポリメラーゼが含まれる 。第2のオープンリーディングフレームは、ピコルナウイルスVP3タンパク質 との配列相同性を有するカプシドタンパクをコードする。 図9. ヒトカリチウイルス サッポロ[Sapporo ]cDNAのヌクレオチドお よびアミノ酸配列。ヒトカリチウイルス サッポロ(HuCVサッポロ)の551 ヌクレオチドの公知配列の全てが示されている。ヌクレオチド配列の下は、Hu CVサッポロのアミノ酸配列である。HuCVサッポロヌクレオチド配列の上は 、ヒューストン・デイ・ケア・センター大発生(デイ・ケア)に由来するcDN Aの配列である。デイ・ケア配列において、″.″はその部位でHuCVサッポ ロヌクレオチドと同じヌクレオチドを示している。デイ・ケア配列の何処にヌク レオチドの相違が生じているかは、新しい文字がその位置を示している。″N″ はその部位のヌクレオチドが不確実であることを示している。HuCVサッポロ のアミノ酸配列の下は、cDNAの23s2m31 およびc-29*4-gel (これ らは共に551ヌクレオチドの公知配列に寄与している)並びに新規36プライマ ー(表6参照)の範囲を示す矢印である。 図10.カリチウイルスcDNAと公知の配列を有するカリチウイルス株とのヌ クレオチド相同性。全ての比較は、ヒトカリチウイルスサッポロの配列を参照し た。ベースラインの長さは公知の配列領域を示す。ボックスは,HuCVサッポ ロと示された株とのヌクレオチド配列相同の領域を示している。ボックスの長さ は、示された株の相同性が存在する部分を示し、ボックスの高さは相同性の強さ を示す。SDは標準偏差である。SDが3以上は重要である。ノーウォーク相同 ボックスの下の数字は、ノーウォークウイルスの相同性が観察された領域を示し ている。 図11.ノーウォークウイルス配列からのプライマーを用いてノーウォーク関連 ウイルスSRSV/KY/89のヌクレオチド配列を得るために用いられる戦略 。この図は、ノーウォークウイルスゲノムの部分的な模式図、並びに3D様ポリ メラーゼ領域の位置を示す、予想されるORFI、VP3様ドメインの位置を示 す第2のORFおよびORF3の開始位置を示す。最下部において、実線は、ノ ーウォークウイルスゲノムの配列から選択されたプライマーセット(36および 35のような数字を参照)を用いたことに基づいて配列決定されたKY89の領 域を示す。 図12.ノーウォークウイルスヌクレオチド配列とノーウォークウイルス関連ウ イルスSRSV/KY/89ヌクレオチド配列との比較。ノーウォーク関連ウイ ルスSRSV/KY/89のヌクレオチド配列の一部は、ノーウォークウイルス (NV)ゲノム由来のプライマーを用いて決定した。このノーウ ォーク関連ウイルスの配列を得るために用いられるNVゲノム由来のプライマー は表6に示されている。これらのプライマーの幾つかは、SRSV/KY/89 から得られた開始ヌクレオチド配列に基づいて、SRSV/KY/89の配列の 残りを得るために修飾されている。ここに示されるプライマーおよび表6に示さ れるプライマーは、例としてのみ用いられる:他のNVプライマーを用いること もできる。 図13 ノーウォークウイルスおよびノーウォーク関連ウイルスSRSV/KY /89のタンパク質の推定アミノ酸配列の比較。SRSV/KY/89のタンパ ク配列は、図12に示されるヌクレオチド配列から推測した。図13aは、SR SV/KY/89のORF2(カプシド)の推定アミノ酸配列とノーウォークウ イルスゲノムにおいてコードされる同じ領域との比較を示す。図13bは、SR SV/KY/89のポリメラーゼタンパクの部分の推定アミノ酸配列とノーウォ ークウイルスのそれとの比較を示す。他のノーウォーク関連ウイルス由来の類似 配列の比較は、抗原性領域を含む保全並びに発散領域の発見を可能にする。この 情報により、全てのノーウォーク関連ウイルスを検出するための広範に反応する プライマーおよび個々のノーウォーク関連ウイルスを検出するための特異的なプ ライマーセットの選択が直ちに可能となる。同様に、診断、ワクチンおよび抗ウ イルス剤の開発のために、共通のアミノ酸配列又は特定のアミノ酸配列を有する 断片およびペプチドを選択することができる。 図14.ノーウォークウイルスおよびNVゲノム由来のプラ イマーを用いて得られたノーウォーク関連ウイルスの部分ヌクレオチド配列の比 較。SRSV/CDC6/91,SRSV/UT/88、SMA/78;S R SV/ケンブリッジ、UK/92、SRSV/CDC 32、ノーウォークウイ ルス/68、SRSV−3/88、SRSV/KY89/89。図14aおよび 14bはこのゲノムの2つの異なる領域を示す。 図15.ノーウォークウイルスカプシドタンパクの発現。ノーウォークウイルス DNAのサブゲノム断片(ヌクレオチド5337ないし7753)を有するバキュロウイ ルス組換体を選別し、10PFU/細胞の感染多重度での昆虫( Spodopterafug iperda )細胞の感染に用いた。27℃で4日間インキュべートしたポスト感染 細胞を回収し、12%ポリアクリルアミドゲル上での電気泳動によりタンパク質 を分析した。クーマシーブルーで染色した後、タンパク質は可視化された。ノー ウォーク発現タンパク質(矢の頭で強調されている)は組換体感染細胞にのみ見 られ、野生型バキュロウイルス(wt)または偽感染(m)昆虫細胞には見られ なかった。 図16.ノーウォークウイルスが発現するタンパク質は、ノーウォークウイルス に感染したボランティアの血清との免疫反応性を示す。図11に示される発現タ ンパク質を96穴ELISAプレートの壁面に吸収させ、ノーウォークウイルス に感染する前(プレ)および感染3週間後(ポスト)のボランティアから採取し た血清サンプルの希釈液を用いてその反応性をテストした。37℃で2時間イン キュベートした後、ペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ヒトIgG、IgMおよびIg A血清 を添加し、続いて、基質を添加した後に414nmでの光学密度を読み取ることに より反応性を測定した。このデータは、感染後血清が1:100および1:10 00 の血清希釈率で発現抗原と強く反応し、幾つかの血清は1:10,000 の希釈率でも特異的に反応することを示している。 図17.ノーウォークゲノムの3’末端を有するバキュロウイルス組換体は、昆 虫細胞中でウイルス様粒子を生成する。バキュロウイルス組換体C−8(図11 参照)に感染した昆虫細胞の溶解質を電子顕微鏡で分析し、多数のウイルス様粒 子を有することが示された。これらの粒子は、ノーウォークウイルスに感染した ボランティアの便から得られたウイルス粒子と同じサイズである。バー= 50 nm。 図18.ノーウォークウイルス様粒子をCsClグラジエント中で精製すること ができる。バキュロウイルス組換体C−8に感染した昆虫細胞の上清をジェネト ロン[ genetron ]を用いる抽出およびPEG沈殿により処理し、これらのPE Gペレットから溶出されるウイルスをS W50.1ローターにおいてCsCl 中で4℃で24時間遠心した。このグラジエントを分画し、各画分中の物質をE LISAプレートの2つのウェルに吸着させた。次いで、複製ウェルを、プレも しくはポスト感染血清のいずれか、ペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ヒト血清および 基質で処理し、OD414nmを読み取ることにより反応を監視した。グラジエン ト中1.31g/cm3の密度でピークが観察され、電子顕微鏡によりこのピー クにウイルス様粒子が含まれることが示された。このピークはまた、同じバ キュロウイルス組換体に由来する昆虫細胞において発現されるタンパク質と一緒 に移動する、分子量約58,500の主要タンパク質を含む。 図19.ノーウォークウイルスに感染したボランティアからのプレおよびポスト 血清サンプルの反応性の測定に発現したウイルス様粒子を用いることにより、ほ とんどのボランティアが免疫応答を有することが示されている。免疫応答を示さ なかったボランティア6も、ウイルスが投与された後でも病気になることはなか った。 図20.霊長類パン・パニスカス[ Pan paniscus ]cDNA atprcvw2の部 分配列。発明の詳細な説明 当該分野の熟練者には、この発明の範囲および精神から離れることなくここに 開示される発明に種々の置換えや変更を加え得ることは容易に理解される。 ここで用いられる“断片”という用語は、ペプチドを産生し、またはコードす るために発現することが求められるノーウォークウイルスゲノムまたはノーウォ ークウイルスのサブゲノムクローンのあらゆる部分であると定義される。上記ペ プチドは、次に、ポリクローナルもしくはモノクローナル抗体を誘発することが できる。わずかアミノ酸5個のペプチドが抗原性を有することもあるが、通常は 、アミノ酸15個以上のペプチドが必要とされる。これはペプチドの特性に依存 し、予め予測することは不可能である。 ここで用いられる゛誘導体”という用語は、ノーウォーク ウイルスゲノムを表わし、かつ本来のcDNAを直接または連続的に用いること により検出されるDNAまたはさらなるcDNAの大切片、あるいはそれらの推 定アミノ酸配列と定義される。したがって、クローンpUCNV−1011は、本来 のクローンとは重複もしておらず、配列を共有もしていないが、誘導体である。 また、DNA断片のRNA相対物、並びに1つ以上の塩基が置換され、あるいは 標識および末端構造が読み取りもしくは発現に影響することなく加えられている DNAまたはcDNA断片も誘導体の定義の範囲に含まれる。 ここで用いられるノーウォーク“関連ウイルス”および゛ノーウォーク様ウイ ルス”という用語は、ヒトおよび非ヒトカリチウイルス、アストロウイルスおよ び小腸構造ウイルス(SRSV)と定義される。これらのウイルスのほとんどの ゲノム配列は知られていないので、この分類は、Journalof Medlial Virology,9 ;257-265(1982)においてCauland Appletonにより;新規下痢要因ウイルス[Nove lDiarrhoea Viruses ], Ciba Foundation Symposium No .128,pp.108-125(Iohn Wiley &Sons,N.Y. (1987))という書籍における“小 腸ウイルス:分類と食物介在感染における役割”と題する論文においてAppleton により;並びに,ウイルス学( B.N.Field' s 第2版, Raven Press, (1990) )という書籍の “ノーウォーク群のウイルス”と題する章においてKapikian a nd Chanockにより記述される形態学に基づいている。ウイルスのゲノム配列が知 られてくるに従って、当該分野の熟練者は、ヌクレオチド相同性に基づいて、ノ ー ウォーク関連ウイルスおよびノーウォーク様ウイルスを決定することができるで あろう。 ここでSRSVもしくはノーウォーク群と呼ばれるウイルスのサブグループが ノーウォーク関連ウイルスの範囲に入る。 ノーウォーク群には、スノー・マウンテン因子(SMA)、ハワイ因子、タウン トン[ Taunton ]因子、アマルリー、オトフケ、およびモントゴメリー・カウ ンティー因子[ Amulree, Otofuke, and Montgomery County Agent ]が含まれ る。ノーウォーク群は、無定型表面もしくは不揃いの概観を有する、小さく、丸 い構造ウイルスである。分子クロ−ニングのためのノーウォークウイルスの製造 ノーウォークウイルスは、成人ボランティアに、安全にテストされたノーウォ ークウイルス( 8FIIa )を投与することにより製造した。ボランティアでの研 究に用いられたウイルス接種物は、Alberti Kapikian博士(アレルギーおよび感 染疾患研究所、国立衛生研究所、ベテスダ,MD)の好意によるものである。こ のウイルスは、オハイオ州ノーウォークにおける急性胃腸炎の大発生に起源を持 つ(Dolin et al.,1971 )。8FIIac7) 1ないし100倍TBS液希釈2ml をミリQ水[ milli-Q water ] ( Millipore,Bedford.MA01739)80ml と共に各個人に経口投与した。ウイルス投与の2分前および5分後に各個人に重 炭酸ナトリウムを摂取させた。ボランティアでの研究は、ベイラー・カレッジ・ オブ・メディスン、メソジスト・ホスピタルおよびジェネラル・クリニカル・リ サーチ・センターでインスティチュート・レ ビュー・ボード・フォー・ヒューマン・リサーチの承認を受けた。ボランティア には、ジェネラル・クリニカル・リサーチ・センターにおいてウイルスを投与し た。ボランティアはここに人院し、4日間広範な診療を受けた。全ての便を集め 、後の使用のために−70℃で保存した。便サンプルからのノーウォークウイルスの精製 便サンプルの10%TBS溶液を、3000rpmで15分間の低速遠心により清 澄化した。次いで、得られた上清を、ジェネトロンを用いて、0.5%ツビッタ ーゲント 3-14 [ Zwittergent 3-14 ]清浄剤( Calbiochem Corp., La Joll a. CA )の存在下で2ないし3回抽出した。50.2 Ti ローター( Beck man Instruments. Inc.,Palo Alio,CA 94304 )において40%ショ糖クッシ ョンを通して36,000 rpmで90分間ペレット化することにより、水相中のウ イルスを濃縮した。このぺれっとをTBS中に懸濁させ、CsCl溶液(屈折率 1.368)と混合して、SW50.1 ローター (Beckman )において約35,000 rpmで約24時間遠心した。底部穿孔によりこのCsClを分画し、EM試 験により各画分をウイルスについて監視した。ノーウォークウイルスを含有する ピーク画分をプールし、サンプル中のCsClをTBSで希釈して、約35,000 rpmで1時間ウイルスをペレット化することにより除去した。精製したウイル スは、約70℃で保存した。精製ウイルスからの核酸の抽出 抽出の1つの方法には、CsClグラジエントからの精製ノーウォークウイル スを、プロテイナーゼK緩衝液( 0.1M Tris-Cl pH 7.5、12.5mM EDTAN 0.15MNaCl、 1% w/v SDS)中に おいて約37℃で約30分間プロテイナーゼK(400μg/ml)で処理するこ とが含まれる。次いで、このサンプルを、フェノールークロロホルムで1度、お よびクロロホルムで1度抽出した。水相中の核酸を0.2M Na OA cの 存在下で2.5容積のエタノールを用いて沈殿させることにより濃縮し、次いで 15分間微小遠心することによりペレット化した。cDNA合成および増幅したcDNAのクローニング 合成およびクローニングの方法の1つには、精製ノーウォークウイルスから抽 出した核酸を10mM CH3 HgOHで変性することが含まれる。次いで、 ランダムヘキサヌクレオチドプライマー(Amersham,Arlington Heights,IL 6000 5)が補われたcDNA合成キットを用いてcDNAを合成した。第2の鎖が合 成された後、反応混合物をフェノールークロロホルムを用いて1度、クロロホル ムを用いて1度抽出し、次いでエタノール沈殿を行なった。DNA標識用のラン ダムプライマーキット(Promega Corp., Madison,WI 53711-5305)を用いてDN Aの増幅を行なった。クレノーフラグメント(Promega Corp. )を添加した後 、変性( 100℃、2分間)、リアニーリング(室温までの2分問の冷却)およ び伸長(室温、30分間)のサイクルを8回行なった。DNAライブラリーを、 SmaI 部位への鈍端ライゲーションを用いてpUC−13に構築した。陽性クローンについてのライブラリーのスクリーニング スクリーニングの1方法として、形質転換されたDH5アルファ・バクテリア 細胞(BRL)から白色コロニーを取り出し、各コロニーについてプラスミドD NAのマスタープレートおよびミニプレップ[minipreps ]両者を調製した。ア ガロースゲル中でのこのプラスミドDNAの電気泳動の後、インサートを有する クローンを同定した。アガロースゲル中のインサートDNAを切り出し、PRIME- A-GENE (登録商標)ラベリング・システム(Promega Corp. )におけるように 、ランダムプライマーおよびクレノ−DNAポリメラーゼを32pで標識した。 酵素のような他の同位体もしくは生化学標識、蛍光、化学発光または生物発光( bioluminescent )基質を用いることもできる。2名のボランティア(543およ び544)からの一対の便サンプル(ノーウォーク感染の前後)から抽出された核 酸を、ゼータバインドフィルター(AMF,Cuno,Meriden. CT )上に点在させた。 複製フィルターストリップを作製し、65℃でホルムアミドなしで、各々の標識 プラスミドプローブと個別にハイブリダイズさせた。潜在的な−性クローンは、 それらのプレーおよびポスト−感染便との異なる反応によって判定した。ボラン ティアのポスト感染便と反応する(しかしプレーとは反応しない)クローンは陽 性であると考えられ、マスタープレート上のこれらのクローンをさらに特徴付け た。ひとたびノーウォーククローンの1つが同定されると、それを用いてcDN Aライブラリーを再スクリーニングし、さらに重複するクローンを同定した。こ れらの付加的なクローンを用いてcDNAライブラリーを再ス クリーニングすることにより、最終的に、ノーウォークウイルスゲノムの全てを 表わすクローンを同定することが可能となる。ノーウォークウイルスに関連するウイルスからのcDNAの逆転写酵素−ポリメ ラーゼ・チェイン・リアクション生成 ノーウォークウイルスゲノム配列の知識を用いる、ノーウォークウイルスに関 連するウイルスのcDNAクローンを生成する1つの方法は、逆転写酵素−ポリ メラーゼ・チェイン・リアクション法である。この方法において、関連ウイルス を含む検体300μLからRNAを抽出した。相補的DNAを、ノーウォークウイ ルスの配列から誘導されるプライマー対(例えば、表6に示されるプライマー3 6および35)を用いる逆転写酵素−ポリメラーゼ・チェイン・リアクション( RT−PCR)により調製した。得られた生成物をプラスミドベクターにライゲ ートし、E.coli に形質導入した。次いで、菌からプラスミドを部分的に精製し 、ジデオキシ鎖終結法によりプラスミドに挿入されたPCR生成物の配列を決定 して、ヌクレオチドおよび予想されたタンパク相同性についてノーウォークウイ ルスとの相関を調べた。 以下の例は説明として提示されるものであり、この発明をいかなる形でも制限 することを意図するものではない。 例1電子顕微鏡での確認 より良い診断並びにノーウォークウイルスおよび関連ウイルスの分子特徴付け を可能にするために、便サンプルから精 製したビリオンより核酸を抽出し、この核酸からノーウォークのcDNAライブ ラリーを誘導した。従来、便サンプルからのA型肝炎およびロータウイルスの精 製に用いられる方法に幾つかの変更を加えて、ノーウォークウイルスを精製した 。まず、ノーウォークウイルスを投与したボランティアから得られた便サンプル をジェネトロンで処理して脂質および水不溶性物質を除去した。次いで、水相中 のウイルスを40%ショ糖クッションを通してペレット化した。得られたペレッ トを再懸濁して超音波処理し、CsClグラジエント中に仕込んで等密度遠心を 行なった。 図1は、上記方法により単離された精製ノーウォークウイルスおよびRT−P CRを用いるcDNAの生成に用いられるノーウォーク関連ウイルスの電子顕微 鏡像を示す。 例2最初のcDNA合成、クローニングおよびスクリーニング これらの精製ウイルスから、サンプルをプロテイナーゼK処理し、続いてフェ ノールークロロホルム抽出およびエタノール沈殿を行なう( Jiang et al., 198 6: 1987 )ことにより抽出した核酸からcDNAライブラリーを作製した。ウイ ルスゲノムの性質が未知であったため、cDNA合成の前に、抽出した核酸を水 酸化メチル水銀(II)で変性させた。ガブラー・ホフマン[ Gubler-Hoffman ] 法(cDNA合成システム・プラス、Amersham)を用いてランダム・プライムド cDNA [random primed cDNA ]を合成し、少量のcDNAを得た。この少 量のcDNAの直接クー−ニングは不成功で あった。したがって、クローニングの前に、ランダムプライマーおよびDNAポ リメラーゼのクレノーフラグメントを用いてDNAのより多くのコピーを合成す ることにより、DNAの増幅工程を行なった。この手法には、変性、ランダムプ ライマーおよびDNAポリメラーゼのクレノーフラグメントの添加、リアニーリ ングおよび伸長のサイクルが含まれる。この手法では、合成のサイクル数が増加 するに従って、生成物への標識核酸の線形組込みが観察された。過剰のより小さ い断片の合成を避けるために、実施サイクル数は制限された(<10)。ノーウォ ークcDNAの場合、増幅を8サイクル行ない、約2.5μgのDNAが得られ た。これは、出発テンプレートDNAの少なくとも 100倍の増幅であった。こ の増幅cDNAを、鈍端ライゲーションによりpUC−13にクロ−ニングし、 陽性クローン(pUCNV−953)を単離した。 陽性ノーウォークウイルスクローンを得るために、潜在的なインサートを有す るプラスミドDNAのミニプリパレーションをアガロースゲル電気泳動によって スクリーニングした。ゲル中のより大きなクローンのインサートを切り出し、ゲ ル中でPRIME-A-GENE (登録商標)標識システム( PromegaCorp.)を用いてD NAでプローブを作製した。これらのプローブを2名のボランティアからの一対 の便サンプル(ノーウォーク感染の前後)と個別にハイブリダイズさせた(図2 a)。1つのクローン( pUCNV−953 )が両ボランティアからのポスト 感染便サンプルと反応したが、プレ感染便サンプルとは反応しなかった。 例3クローンpUCNV−953のウイルス起源の確認 さらにクローンpUCNV−953のウイルス起源を確認するために、さらに6 対の便サンプルをテストし、同じ結果を得た。図2bは、このクローンと、病気 の感染後の異なる時期に採取した便サンプルとのドット・ブロット・ハイブリダ イゼーションを示す。急性期に採取された便を用いた場合にのみ強い信号が観測 され、病気の前後には見られなかった。この結果は、ノーウォーク下痢を呈する ボランティアからの回復期血清を用いる従来のウイルス抗原検出のためのRIA アッセイ並びにウイルス粒子試験のためのサンプルの免疫電子顕微鏡(IEM) 研究と一致した。この結果はまた、病気の過程における便中のウイルス放出のパ ターンと一致する( Thornhillet al.,1975 )。pUCNV−953クローンが、 ノーウォークウイルス精製スキームからのCsClグラジエントの画分とハイブ リダイズする場合には、ハイブリダイゼーションとEMウイルス粒子計測数との 間に素晴らしい相関が見られた(図3)。ハイブリダイゼーション信号およびウ イルス粒子計測数の両者のピークは、1.38g/cm3の密度を有する画分に あり、これは従来のノーウォークウイルスの生理学的特性の報告と一致した。最 後に、このクローンを、アガロースゲル上で電気泳動して高度に精製したノーウ ォークウイルスとハイブリダイズさせることによりテストした。ノーウォークウ イルスとでは単一のハイブリダイゼーションバンドが観察されたが、HAVおよ びロータウイルスとでは 観察されなかった。pUCNV−953 cDNAの配列決定分析により、このク ローンが511bpであることが示された(図4)。この部分ゲノムcDNAは、 潜在的なオープン・リーディング・フレームをコードしており、それに対するア ミノ酸配列が推測されている(図4)。ジーンバンク( Molecular Biology Inf ormation Resource, Eugene Software,Baylor College of Medicine )における 他の配列との比較では、重要なヌクレオチドまたは推定アミノ酸配列相同性は見 出されなかった。 例4ウイルスゲノムの特徴付けへのノーウォークウイルスcDNAの使用 pUCNV−953 cDNAを転写ベクター pGEM−3Zf(+)にサブ クロ−ニングし、増殖させた。次いで、SP6およびT7ポリメラーゼ(Bethes da Research Laboratory)を用いて、イン・ビトロ転写によりssRNAプロー ブを生成させた。2つの対向するセンスssRNAプローブがウイルス核酸と別 々にハイブリダイズする場合には、1本の鎖のみがウイルスと反応し、これはウ イルスゲノムが一本鎖であることを示している。図2bに示されるように、ウイ ルス核酸をフィルター上に仕込む前に(DNAseではなく) RNAseで処 理することによりハイブリダイゼーション信号が除去された。これはウイルスゲ ノムがssRNAを含むことを示している。pUCNV−953の配列をコンピ ューター解析することにより、挿入されたDNAの2本の鎖の1本に長大 なオープン・リーディング・フレームが見出された。このコーディング鎖と同じ 配列を有するssRNΛプローブはウイルス核酸とは反応せず、その相補的ss RNAプローブもハイブリダイゼーション・テストでは反応しない。したがって 、ノーウォークウイルスは、正センス[ positive sense ]一本鎖RNAゲノム を有している。ノーウォークウイルスのゲノムのサイズは、精製ウイルスRNA と分子量マーカーとのアガロースゲル中における移動速度の比較に基づいて、約 8kbであると見積もられている。 pUCNV−953 cDNAを、以下のとおりに作製された第2のcDNAラ イブラリーの再スクリーニングに用いた。精製ノーウォークウイルスから核酸を 単離することによりノーウォークもしくは関連ウイルスのクローンを合成した; cDNAを逆転写酵素およびランダムプライマーを用いて合成した;DNAの第 2鎖をcDNAから合成した;および少なくとも1つのDNAのコピーをプラス ミドまたはクローニングおよび発現ベクターに挿入した;並びに元のpUCNV −953を用いてこのライブラリーをスクリーニングし、ノーウォークまたは関連 ゲノムの断片(もしくは全体)を有するクローンを同定した。その代わりに、少 なくとも1つのDNAのコピーをラムダZAPII(登録商標、Stratagene Inc . )のようなクローニングおよび発現ベクターに挿入し、cDNAライブラリ ーをスクリーニングしてノーウォークまたは関連ゲノムの断片もしくはその全体 を有する組換えファージを同定した。この方法を用いて、さらなるcDNAを作 製し、見 出した。これらのさらなるcDNAをライブラリーの再スクリーニングに用いた 結果、新たなクローンが検出された(図5)。 したがって、当該分野における熟練者は、完全なノーウォークウイルスcDN A配列、またはそれらの断片もしくは誘導体を、ノーウォークおよび他の関連ウ イルスのゲノムを検出するアッセイに用い得ることを認識するであろう。検出ア ッセイには、ノーウォークウイルスゲノムを直接検出するための標識cDNAま たはssRNAプローブ、およびプローブ結合の量を測定することが含まれる。 代わりに、プライマーもしくはオリゴヌクレオチドプローブ(10ヌクレオチド 以上)およびポリメラーゼ・チェイン・リアクション増幅がノーウォークおよび ノーウォーク関連ウイルスゲノムの検出に用いられる。cDNA中のオープン・ リーディング・フレームの発現は、診断用製品、ワクチンおよび抗ウイルス剤に おいて用いられる超免疫もしくはモノクローナル抗体の作製に利用される。 上記方法論を用いることにより、表2のヌクレオチド配列が同定された。この ヌクレオチド配列内に、幾つかのタンパク質のコーディング領域が同定されてい る。この配列において、第1のタンパク質はヌクレオチド146ないし5339によっ てコードされ、そのアミノ酸配列が表3に示されている。この第1のタンパク質 は最終的に開裂して、ピコルナウイルス2C様タンパク質、3C様プロテアーゼ およびRNA依存性RNAポリメラーゼを含む少なくとも3つのタンパク質を 作製する。このRNA依存性RNAポリメラーゼは、表3に示されるノーウォー クウイルスゲノムのヌクレオチド4543ないし4924から推測される。ゲノムのこの 部分がRNAポリメラーゼを含むという事実は、他の正センスRNAウイルスに おけるRNAポリメラーゼとの比較により確認されている(図6 配列番号38 ないし50)。 また、表2に示される配列において、2つの他のタンパクコーディング領域も 見出された。それらは、ヌクレオチド5336ないし6935およびヌクレオチド6938な いし7573によりコードされる。これらの2つのタンパク質のアミノ酸配列を表4 および5にそれぞれ示す。 例5ノーウォークウイルスゲノムの配列の検出に基づく診断アッセイ 臨床において、または汚染された水および食物検体に存在するウイルスは少量 であるので、ノーウォークウイルスを検出するために選択されるアッセイはハイ ブリダイゼーションアッセイである。従来、ノーウォークウイルスのゲノムは知 られておらず、配列情報を利用することができなかったため、ノーウォーク及び 関連核酸を検出することは不可能であった。ノーウォークウイルスcDNAから 作製されたプローブまたはノーウォークウイルスゲノム配列から作製されたプラ イマーは、確立しようとする診断製品のためのゲノムを増幅する方法を可能にす る。ノーウォークウイルスのみを同定するためのプローブおよび他のノーウォー ク関連ウイルスを同定す るためのプローブにより、ノーウォークの特異的アッセイまたは多くの、もしく は全てのノーウォーク関連因子に共通の配列を検出するための一般的なアッセイ のいずれかを開発することが可能となる。 過去、便サンプル中のウイルスRNAのRT−PCRにおいて遭遇した主要な 困難性の1つは、逆転写酵素およびTaqポリメラーゼ両者の酵素活性を阻害す る特徴付けされていない因子(複数)が便中に存在することである(Wild etal. ,J.Clin.Microbiol.28:1300-1307,1990 )。これらの因子は、通常の核酸抽出法 では除去することが困難である。阻害囚子(複数)からウイルスRNAを特異的 に分離するための技術が、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB )およびオリゴd(T)セルロースを用いて開発された。これらの技術は、酸不 溶性多糖を上清中に残しながら核酸を選択的に沈殿させるCTAB独特の特性に 基づいていていた。得られた核酸はオリゴd(T)に吸着させ、溶出することに よりさらに精製した。この工程はポリ(A)テイルを欠く無関係の核酸を除去す る。この技術を用いることにより、PCRによって、極少量(10%懸濁液400 μl)の便サンプル中のノーウォークウイルスが容易に検出された。例えば、R T−PCRおよびランダムプライマーを用いるRT−PCRによるウイルスRN Aの増幅工程の後に、少量の便中に低濃度で存在するRNAウイルスのゲノムを クローニングすることが今や可能であることは、当該分野の熟練者には認識され るであろう。ある場合には、オリゴd(T)を用いること なく、CTABを用いてRT−PCR活性核酸が抽出される。 加えて、便から阻害物質(複数)を除去することができるので、便中に存在する 他のウイルス(DNΛウイルス、非ポリ(A)テイルRNAウイルス)の核酸を 検出し、クローニングすることも可能である。 CTABおよびオリゴd(T)セルロースの抽出技術並びに続くRT−PCR を用いるウイルスRNAの検出は便サンプルに対して用いられ、かつ水および食 物サンプルに対して用いることができた。便サンプルを蒸留水に懸濁させ(約1 0%wl/vol )、ジェネトロンで1度抽出した。上清中のウイルスを、最終濃度 約8%のポリエチレングリコールを用いて沈殿させた。このウイルスペレットを SDSの存在下において約37℃で約30分間プロテイナーゼK(約400μg/ ml)で処理し、続いてフェノール クロロホルムで1度、クロロホルムで1度 抽出した。約5%CTABおよび約0.4MNaClの溶液を、サンプル:CT AB=約5:2の割合で添加した。ほぼ室温で約15分間および約45℃で約5 分間インキュベートした後、微小遠心で約30分間遠心することにより(ウイル スRNAを含む)核酸を集めた。得られたペレットを約IM NaClに懸濁し 、クロロホルムで2回抽出した。水相中のウイルスRNAを直接RT−PCR反 応に用い、あるいはオリゴd(T)セルロースに対して吸着/溶出させることに よりさらに精製した。 オリゴd(T)に対する吸着/溶出のバッチ法は、ポリ (A)テイルドRN Aの精製に用いられた。この方法におい て、上述のとおり部分的に精製された核酸または(CTAB処理を用いずに)フ ェノール クロロホルムで直接抽出されたRNAを、結合緩衝液[ binding buf fer ](約0.5MNaClおよび10mMTrls, pH7.5)中におい てオリゴd(T)セルロース(約2−4mg/サンプル)と混合した。この混合 液を約4℃で約1時間穏やかに振とうしながらインキュベートし、微小遠心で約 2分間遠心した。このオリゴd(T)セルロースペレットを結合緩衝液で3−4 回洗浄した後、IX TE緩衝液(約10mM Tris,1mM EDTA, pH7.5)でポリ(A)テイルドRNAを溶出した。遠心により上清を集めて オリゴd(T)セルロースを除去し、上清中のウイルスRNAをエタノールで沈 殿させた。この段階で得られたRNAは基本的には阻害物質を含有せず、RT− PCRに用いることが可能であった。 予備実験において、CTAB技術を用いて、0.05g未満の便サンプル中に ノーウォークウイルスRNAが検出された。CTABもしくはオリゴd(T)単 独のいずれかを用いて抽出されたRNAで阻害活性の痕跡が観察された。しかし ながら、RT−PCRの前に抽出された核酸を希釈する(1:2 )ことにより これは容易に除かれた。CTABおよびオリゴd(T)技術を組み合わせること により、結果として、RT−PCR検出およびウイルスゲノムのクローニングに 直接用いることが可能な、高品質の阻害物質非含有RNAが得られる。少量の便 からクローニングするためのこの方法の開発に伴い、当該技術における熟練者は 、彼らが、ゲノムの5’末 端を発現するものを含むゲノムの残りのcDNAを得ることができることを知る であろう。 PCRを用いる検出のために、化学的な方法によりゲノムの上記ヌクレオチド 配列を作製した。これらのプライマーには、プライマ−1:ヌクレオチド7448な いし7465に位置するCACGCGGAGGCTCTCAAT ;プライマー4:ヌクレオチド7010な いし7027に位置するGGTGGCGAAGCGGCCCTC ;プライマ−8:ヌクレオチド1409な いし1426に位置するTCAGCAGTTATAGATATG:プライマー9:ヌクレオチド612 な いし629 に位置するATGCTATATACATAGGTC:プライマー16:ヌクレオチド4010 ないし4027に位置するCAACAGGTACTACGTGACおよび プライマー17:ヌクレオチ ド4654ないし4671に位置するTGTGGCCCAAGATTTGCT (それぞれ配列番号51ない し56)が含まれる。これらのプライマーは、逆転写酵素およびポリメラーゼ・ チェイン・リアクション法(RT−PCR)を用いるウイルスの検出に有用であ ることが示されている。図7はこれらのプライマーを用いたデータを示す。プラ イマーセット 1および4、 8および9、並びに16および17において、プ ライマー1、8および17について上に与えられた配列の逆相補物[ reverse compliments ]を用いた。 新規の、付加的なプライマーセット(表6および配列番号15ないし37)を 、ノーウォーク関連ウイルスを検出するためのプローブとして用いた。表7は、 新たに選択されたプライマーセット 36−35、69−39、78−80の、 多くのノーウォーク関連ウイルスを検出する能力が示されている。これらの結果 は、元のノーウォークウイルス配列由来のプライマーセットを、ノーウォーク関 連ウイルスの検出に用いるさらなる例である。これらのウイルスの多くのヌクレ オチド配列データは、これらの異なるウイルスのプライマーセット 36−35 または69−39 によって記述されるRNA領域内に、これらの異なる因子 をノーウォークウイルスゲノム配列に由来するプライマーを用いて検出すること ができるにもかかわらず、遺伝的相関する連続が存在する(87%ないし0%) ことを示している。別の小腸構成ウイルスの2516ヌクレオチドの配列(SRSV /KY/89 配列番号12)もまた、元のノーウォークウイルス配列由来の合 計で8つのプライマーセット(プライマー 56および23、42および55、 58 および59、60およびを61、72 および63、76 および77、 64 および75、並びに74および3;表6)を用いることにより得られた。 例6ノーウォークウイルスタンパク質に対するポリクローナ抗体およびモノクローナ ル抗体の調製 cDNA断片またはそれらの誘導体にコードされているタンパク質(複数)は 原核性もしくは真核性発現系において産生され、診断アッセイのために動物を免 疫してポリクローナル抗体を産生せしめるために用いられる。原核性ホストには 、グラム陽性菌の他に、E.coli、S.tymphimurium、 Serratiamarcescens Nおよ びBacillus subtilis のようなグラム陰性菌を含んでもよい。真核性ホストに は酵母、昆虫もしく は哺乳動物細胞が含まれ得る。免疫動物には、モルモット、マウス、ウサギ、ウ シ、ヤギもしくはウマのような哺乳動物、またはニワトリのような非哺乳動物も しくはネズミではない種が含まれ得る。これらの動物を、免疫応答の刺激を増強 するためのフロイントのアジュバントのようなアジュバントと混合した発現タン パク質で繰り返し免疫することにより、このタンパク室に対する抗体が産製する 。 代わりに、部分cDNA配列から(あるいは元のもしくは他のクローンを用い て検出される付加的なcDNAの配列決定を行なうことにより決定される他の配 列から)推定されるアミノ酸配列と一致するように作製された、アミノ酸15個 よりも大きい合成ペプチドを、ウシ血清アルブミン、リソザイムのような担体タ ンパク質に結合し、またはグルタルアルデドを用いる処理で架橋し、動物の免疫 に用いて診断テストのためのポリクローナル抗体を産生させる。 発現タンパク質もしくは合成ペプチドのいずれかで免疫された動物の血清を、 ノーウォーク及び関連ウイルスに対する抗体が生成していることを示すために、 免疫電子顕微鏡法、ウェスタンブロット(イムノブロット)およびブロッキング ELISAのような免疫学的アッセイで試験する。発現タンパク質もしくは合成 ペプチドとの反応性は、ポリクローナル血清の特異性を示している。ノーウォー ク群の他のウイルス(スノーマウンテン因子、ハワイ因子、タウントン因子等) との反応性は、交差反応エピトープを認識する試薬の生成を示している。 上述の免疫原を注入され、かつ生成したポリクローナル抗体を有することが示 された Balb\c マウスを、免疫原で追加免疫した後殺す。牌臓細胞とミ エローマ細胞とを融合してハイブリドーマを生成するためにそれらの脾臓を取り 出す。この融合により得られたハイブリドーマを、発現タンパク質、ペプチドお よびウイルス粒子との反応性についてスクリーニングし、ノーウォークウイルス に対するモノクローナル抗体を産生する細胞を選択する。ノーウォーク関連ウイ ルスを用いたハイブリドーマのスクリーニングにより、それらのウイルスに対す るモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマを同定することもまた可能にな る。診断アッセイの開発 ノーウォークウイルスゲノムの推定アミノ酸配列の解析により、ノーウォーク ウイルスが図8に示される遺伝構成を有していることが示されている。非細胞含 有翻訳系およびバキュロウイルス発現系におけるこのゲノムの領域の発現により 、ゲノムの5’末端が非構造タンパク質をコードし、かつゲノムの3’末端が少 なくとも1つの構造タンパク質をコードすることが示されている。この情報に基 づいて、完全なゲノムもしくはこのゲノムのサブゲノム領域を発現させて、ウイ ルス性抗原もしくはゲノムの特定領域に対する免疫応答を検出する診断アッセイ を創出することが可能である。この情報は、ノーウォークウイルス、抗原または ノーウォークウイルスに対する免疫応答の検出に用いることができる。この情報 はまた、現時点では特徴付けされておらず、胃腸炎を引き起こし、 もしくは他の疾患を引き起こす可能性のある他の類似ウイルスの検出に用いるこ ともできる。これらのウイルスの幾つかはカリチウイルスまたはピコルナウイル ス・スーパーファミリーに属する。これらのウイルスの全ては、それらのDNA 配列中に一致する、もしくは類似のゲノム領域を有する。 ノーウォークウイルスに関連するウイルスに由来するcDNAの有用性は、こ れらの関連ウイルスに対する診断アッセイのための新規抗体および抗血清の製造 を可能にする。例えば、培養することができないカリチウイルス由来のcDNA の有用性は、これらのクローンのタンパク生成物の発現を可能にする。このタン バク生成物は、新規抗体および抗血清の開発に用いられる。加えて、ノーウォー クウイルスに関連するウイルスに由来するcDNAをノーウォークウイルスに由 来するcDNAと合体させ、生成したタンパク質の一部がノーウォークウイルス ゲノム配列から誘導され、かつタンパク質の他の部分がノーウォークウイルスに 関連するウイルスのゲノム配列から誘導されたものであるようなキメラタンパク 質を製造することに遺伝子工学が用いられている。これらのキメラタンパク質は 、その後、診断用試薬、ワクチンおよび抗ウイルス剤の製造に用いられる。診断 アッセイの例は、後述の特定の例および図に示される。 例7ノーウォークウイルスゲノムの理解に基づいてウイルスゲノムの特定領域を検出 することによりノーウォークウイルスまたはノーウォーク関連 ウイルスの核酸を検出する診断アッセイの開発 ノーウォークウイルスゲノムの遺伝構成は、オリゴヌクレオチドプライマーお よびプローブを開発してノーウォークウイルス配列および他の関連もしくは類似 ウイルスの共通配列を検出することが可能な領域としての遺伝配列の特定領域を 推測することを可能にする。これらの共通ゲノム配列の幾つかは、カリチウイル スもしくはピコルナウイルス・スーパーファミリーに属するウイルスに見出され ている。この検出は、標準PCR、ハイブリダイゼーションまたは他の遺伝子増 幅法により行なうことができる。 35( CTT GTT GGT TTG AGG CCA TATNノーウォークウイルスゲノムのn t4944-4924に相補的、配列番号15 )および36 ( ATA AAA GTT GGC ATG A AC A,ノーウォークウイルスゲノムの nt 4475-4493、配列番号16 )と呼ば れる2つのプライマーを、ノーウォークウイルスRNAポリメラーゼをコードし ているらしい領域から選択した。次いで、これらのプライマーを、1982年発生時 のヒトカリチウイルスサッポロ株(HuCVサッポロ)(図9、配列番号5)の ヌクレオチド配列からの逆転写酵素−PCRによるcDNAクローンの調製に用 いた。得られた配列を、ノーウォークウイルスおよびジーンバンクから入手した ネコおよびウサギカリチウイルスの配列と比較した。“c-29*4-ゲル”と呼ばれ 、カリチウイルス配列を含むことが決定されているサッポロ株からの第1のcD NAは488ヌクレオチドの長さであり、そのうちの40ヌクレオチドはプライマ ー36および35が寄与するものであ り、かつ残りの448ヌクレオチドはヒトカリチウイルス・サッポロに独特のもの である。クローンc-29*4-ゲルのプライマ−36および35の間の配列もまた、 図9および配列番号8に示されている。 HuCVサッポロcDNAクローンが正しいことは、5つの事実により立証さ れている。第1に、この配列はノーウォークウイルス、ネコカリチウイルス、お よびウサギカリチウイルスとヌクレオチドおよびアミノ酸レベルで高い相同性を 示す(図10並びに表7および8を参照)。第2に、この配列は正鎖上の領域を コードする連続タンパク質を含む。ノーウォーク、ネコおよびウサギカリチウイ ルスにおいて、連続タンパク質コーディング領域もまた相同領域に見出される。 第3に、この配列は、RNA依存性RNAポリメラーゼ活性を有するRNAウイ ルスタンパク質のマーカーであるアミノ酸モチーフYGDDを有している。c-29 *4-ゲルにおいて、YGDDモチーフは配列の末端から予想される距離に存在す る。第4に、同じcDNA生成物が6つの異なる便検体から得られた。第5に、 ジーンバンクにおける他の配列に対しては重要な相同性は見出されなかった。 c-29*4-ゲルのヌクレオチド配列は、内部プライマー[internal primer ]の 合成に用いられる。この内部プライマーは、ヒトカリチウイルス・サッポロRN Aからの第2のRT−PCR生成物のセットの作製に用いられる。多くのcDN Aクローンが得られた。その1つである“at23s2m31”と名付けられたクローン は、ウイルスゲノム上でc-29*4-ゲル に含まれる配列から5’末端側に位置する重複配列を有する。配列at23s2m31 は、146ヌクレオチドの長さであり、46ヌクレオチドでc-29*4-ゲルと重複して いる。at23s2m31配列およびc-29*4-ゲルとの重複領域については図9を参照。得 られたc-29*4-ゲルおよびat23s2m31 の結合配列情報は、プライマ−35が寄与 するc-29*4-ゲルを除いて551ヌクレオチドの長さである。 ヒトカリチウイルス・サッポロの配列がノーウォークウイルス配列の知見から 派生したとしても、前者は同じ領域において区別することができる(表8または 図9参照)。ヒトカリチウイルス・サッポロの公知の配列は、このウイルスがノ ーウォークウイルスよりも動物カリチウイルスにより密接に関連していることを 示している。 1987年5月、ヒューストンにおいて1人の子供がウイルスに感染し、その形態 に基づいてこのウイルスはカリチウイルスであると同定された。この子供から採 取されたウイルス粒子を含有するサンプルは、ノーウォークウイルスおよびヒト カリチウイルス・サッポロを検出するために開発された血清学的アッセイに反応 しなかった。この株のウイルスゲノムからのRT−PCRを用いるcDNAの調 製にプライマー36および35が用いられた。得られたcDNA生成物は4847コ ンプリートと呼ばれ、プライマーを除いて434ヌクレオチドの長さであり、ノー ウォークウイルスおよびヒトカリチウイルス・サッポロのそれとは区別すること ができる(図10の相同性比較における”ヒューストン”;表10および配列番 号10参 照)。このヒューストンcDNAが正しいことを示す証拠は、ノーウォークウイ ルスおよびヒトカリチウイルス・サッポロとの相同性が統計的に有意ではないこ とを除いて、上にc-29*4-ゲルについて列挙したものと同じである。ヒトカリチウイルス・サッポロおよび関連因子に対する増幅プライマーの作製へ のヒトカリチウイルス・サッポロ株由来の配列の使用 ヒトカリチウイルス・サッポロの公知配列は、cDNAクローンc-29*4-ゲル の最初の増幅に用いられる2つのプライマーのうちの1つ、すなわちプライマ− 36(表6参照)と呼ばれるプライマーと重複する。その領域における公知カリ チウイルス配列(表8、配列番号57ないし62)の相同性の試験により、新規 の36プライマーを合成することが可能であり、かつノーウォークウイルスより もヒトカリチウイルス・サッポロにより密接に関連するカリチウイルスの増幅に 用い得ることが示された。新規プライマーが合成され、プライマー“新36”と 称された(表6、最終行、配列番号37を参照)。 1986年11月にヒューストン・デイ・ケア・センター(“デイ・ケア”)にお いて下痢の大発生を引き起こしたカリチウイルスからのcDNAクローンの生成 に、プライマ−35と共に新36プライマーを用いた。デイ・ケア大発生を引き 起こしたこのカリチウイルス株は、EIAによると、抗原性の上ではヒトカリチ ウイルス・サッポロに関連を有するもののノーウォークウイルスとは別個のもの であった。プライマー新36および35を用いてRT−PCRにより得られたデ イ・ケアc DNA生成物は、プライマーを除いて445ヌクレオチドの長さであり(図9およ び配列番号9を参照)、かつ図10に示されるように、ヒトカリチウイルス・サ ッポロに近い相同性を有し、ノーウォークウイルスとはより隔たってはいるもの の依然として重要な相同性を有している。このデイ・ケアcDNAが正しいこと を示す証拠は、上にc-29*4-ゲルについて列挙したものと同じである。動物カリチウイルスからのcDNAの誘導へのノーウォークウイルス配列由来の プライマ−35および36の使用 ピグミーチンパンジー、パン・パニスカスの口からカリチウイルスを単離した 。このカリチウイルスは、EIAによってヒトカリチウイルス・サッポロ株から 抗原的に区別される。RT−PCRおよびプライマー36および35を用いて、 霊長類カリチウイルス(PrCV)RNAからcDNAを生成した。このcDN Aの完全ヌクレオチド配列は未だ利用することはできない。atprcvw2 と呼ばれ るcDNAは、予想されたサイズであり、かつ公知配列の領域においてヒトカリ チウイルス・サッポロ、ネコカリチウイルス(複数)およびウサギカリチウイル スと重大なヌクレオチド相同性を有している。公知配列の領域ではノーウォーク ウイルスとの重大な相同性は観察されていない。公知のアミノ酸配列には、正鎖 上のプライマ−35から予期された距離にYGDDモチーフが含まれる。胃腸炎の大発生に関連付けられる別の小腸内ウイルスであるKY89の検出およ び特徴付けへのノーウォークウイルスゲノム配列由来の多数のプライマーの使用 ノーウォークウイルスの公知配列は、1989年の日本における胃腸炎の大発生時 の便から採取された因子であるSRSV/KY/89のような他のウイルスの配 列を得るために用いられている。元来、cDNA生成物および配列情報はプライ マーセット36−35を用いて得られたものである。別の8セットのプライマー (表6および配列番号21ないし36に示される、プライマー56および23、 42および55、58および59、60および61、72および63、76およ び77、64および75、並びに74および3)を用いる継続された研究により 、2516ヌクレオチドのSRSV/KY/89配列が決定された(図11および1 2、配列番号12を参照)。この配列には、ゲノムのポリメラーゼ領域およびカ プシド領域の一部が含まれる。図14および6(配列番号38ないし50および 63ないし75)は他のノーウォーク関連ウイルス由来の配列を示す。他のノー ウォーク関連ウイルスを用いてこのアプローチを連続的に適用する(例えば、表 7に示すように)ことにより、多数のノーウォーク関連ウイルスの完全な配列を 発見することが可能になる。当該分野の熟練者は、そのような配列情報並びにノ ーウォーク関連ウイルスの断片および誘導体の発現を利用することにより、ノー ウォークウイルス断片および誘導体が用いられているのと同じ方法で、抗体、抗 原、ウイルス性遺伝物質または抗ウイルス物質を検出する診断アッセイの開発並 びに特定のノーウォーク関連ウイルスに対するワクチンを開発することが可能に なることを理解するであろう。 例8発現したノーウォークウイルスタンパク質を用いる、ノーウォークウイルスに対 する免疫応答を検出する診断アッセイの開発 ノーウォークウイルスゲノムまたはそれらの断片もしくは誘導体においてコー ドされる蛋白質は、原核性又は真核性発現系において産生され、ウイルス感染に よる免疫応答を検出する診断アッセイにおいて抗原として用いられる。原核性ホ ストには、グラム陽性菌の他に、Escherichia coli、Salmonella tymphimurium 、 Serratia marcescens 、Bacillus subtilis, Staphylococcus aureusおよびS treptococus sanguinisのようなグラム陰性菌も含まれる。真核性ホストには酵 母、昆虫もしくは哺乳動物細胞が含まれる。診断アッセイには、酵素結合免疫吸 着アッセイ、ラジオイムノアッセイ、イムノブロット又は他のアッセイのような 多くの形態が含まれる。図15は、ノーウォークウイルスゲノムの3’末端によ りコードされたカプシドタンパク質のデータを示す。これは、表2および図8に 示されるDNA配列のヌクレオチド5337ないし7753により発現される。このタン パク質は約58,500の分子量を有しており、以下58,500 mwtタンパク質と称す る。これは、バキュロウイルス組換体(C−6およびC−8)に感染した昆虫細 胞において産生された。C−6およびC−8感染細胞おける58,500 mwtタン パク質を表わすバンド(図15の矢印を参照)は、野生型(WT)バキュロウイ ルスに感染した昆虫細胞または偽感染細胞では見られない。ノーウォークウイル スcDNAもしくは断片もしく は誘導体によってコードされる他のタンパク質は、バキュロウイルス組換体およ び他の発現系を用いることにより同様に発現される。 図16は、バキュロウイルス発現系を用いて産生される 58,500 mwtタン パク質を利用して、ノーウォークウイルス接種によるボランティアの感染前後の 免疫応答を検出したデータを示す。抗原をELISAプレート上におき、プレー およびポスト-感染ヒト血清を添加した。このデータは個人がいつ感染したのか を示すものであり、ポスト-血清は抗原に強く反応する。ノーウォークウイルス cDNAまたはそれらの断片もしくは誘導体においてコードされる他のタンパク 質は、ノーウォークウイルス感染に続く免疫応答の検出に、同様に用いられる。 幾つかのタンバク質は、粒子を形成し得る内因性の特性を有している。上述の 58,500 mwtタンパク質もその特性を有している。タンパク質から形成される 粒子はいかなる発現系においても現われ、抗体応答もしくは免疫応答の検出に基 づく診断アッセイの構築に用いられる。図17は、バキュロウイルス発現系を用 いて、ノーウォークゲノムの3’末端を有する組換体から産生された粒子の電子 顕微鏡像を示す。これらの粒子は、本来のウイルス粒子と似たサイズを有してい る。それらは、抗原性であり、免疫反応性であり、かつ免疫原性である。それら は、発現した粒子の多くが核酸を欠いているという点で、自然の状態で感染した 結果得られるウイルス粒子のほとんどとは異なる。rNV粒子は、マウス、ウサ ギお よびモルモットに非経口的に与えるとき、あるいはマウスに経口的に与えるとき に高い免疫原性を示す。 図18は、CsClグラジエント中で遠心した後のrNV粒子の特性について のデータを示す。粒子の密度(黒塗りの四角で記号化されている)は1.31g /ccであり、これはボランティアに投与された元の感染性ノーウォーク接種物 から精製された粒子の密度1.38g/ccとは異なる。このグラジエントを分 画した。各画分をELISAプレート上におき、次いでヒト血清を導入した。白 抜きの四角は、プレー感染血清にはELISA活性がないことを示している。黒 塗りの菱形は、ポスト-感染血清に反応性があることを示している。ノーウォー クウイルスcDNAまたはそれらの断片もしくは誘導体においてコードされる他 のタンパク質から作製される他の粒子も、ノーウォークウイルス感染の後の免疫 応答の検出に同様に用いられる。 図19は、58,500mwtタンパク質によって形成された精製粒子を用いて、ノ ーウォークウイルスに感染した9名のボランティアの(接種前ではなく)接種後 の血清サンプル中の免疫応答を検出したデータを示す。これらのボランティアの 1人である6番は、臨床的な症状の監視または免疫応答の測定に基づいても、ノ ーウォークウイルス感染の兆候を示さなかった。精製された発現粒子をELIS Aプレート上にのせ、各ボランティアから採取した1つの感染前血清サンプルお よび1つの感染後血清サンプルを粒子に添加した。感染前および感染後の各々の サンプルにおいて粒子に結合した抗体の量 を測定した。図19に示すデータは、発現タンパク質が免疫反応性で、かつ抗原 性の粒子を形成することを示している。ノーウォークウイルスcDNAまたはそ れらの断片もしくは誘導体においてコードされる他のタンパク質も、免疫反応性 および抗原活性の検出に同様に用いられる。 ノーウォークおよびノーウォーク関連ウイルスを検出する診断アッセイのさら なる開発も追求された。第1に、新しいELISAアッセイがノーウォークカプ シドタンパク質を利用することに基づいて創出された。このタンパク質は、ノー ウォークウイルスcDNA配列から推測された後バキュロウイルス発現系を用い て生成されたcDNA断片から合成されるように加工されている。この発現した ノーウォークウイルスカプシドタンパク質は、自己集合して組換えノーウォーク ウイルス粒子(rNV)となった。このrNV抗原を用いて2つの新しいELI SAアッセイが確立された。1方のアッセイは抗ウイルス抗体を検出し、他方は ウイルス抗原を検出する。両ELISA法は、そのような因子の検出に利用可能 な(ヒトボランティア由来の試薬に基づく)従来のアッセイと比較して、非常に 鋭敏である。抗体ELISAのさらなる特徴付は、このアッセイがノーウォーク ウイルスによるヒトへの感染、あるいはスノーマウンテンおよびハワイ因子のよ うなノーウォーク群に属するウイルスによるヒトへの感染のサブセット、に続く 免疫応答を検出することを示している。対照的に、抗原ELISAは、バキュロ ウイルス発現組換えノーウォークウイルス粒子(rNV)に作製した超免疫血清 を用いることを基礎としている。この抗原ELISAは非常に特異的であること が見出されており、始原型ノーウォークウイルス( 8FIIa)および密接に関連す る因子のサブセットは認識するが、スノーマウンテン因子およびハワイ因子のよ うなノーウォーク群に属する他の全てのウイルスは認識しない(表1および7を 参照)。抗原ELISAは小腸構成ウイルスやカリチウイルスのようなノーウォ ーク群に属する他のウイルスを検出はしないが、これらおよび他のノーウォーク 関連ウイルスはノーウォークウイルスのヌクレオチド配列から選択されたプライ マーを用いて検出することが可能である(表7を参照)。 より広範に反応する診断アッセイを開発するために、ノーウォークウイルスゲ ノムの他の断片を利用することを基礎とするELISAを開発した。この新しい 診断アッセイは、抗体応答、またはカプシド領域以外のノーウォークウイルスゲ ノムの断片から推測される抗原の検出に基いている。このアプローチの例および データは以下の通りである。 特定のノーウォークウイルス非構造タンパク質がノーウォークウイルスゲノム の第1ORFにおいてコードされることが予想される。このORFはウイルスゲ ノムの5′末端に位置し、190,000(190K)の予想分子量を有している。このO RF1が診断アッセイにおいて有用かどうかを、まず全ウイルスRNAにおいて コードされるタンパク質を発現させ、次いで、細胞非含有系を用いて、コードさ れたタンパク質の合成とその免疫活性の試験を行なった。これは、ノーウォー クウイルスゲノムcDNAの全cDNA(pGNV−F)のイン・ビトロ転写に より行なった。この全cDNAは、図5の物理マップに示される元のノーウォー クウイルスcDNAのサブゲノム誘導体をライゲートすることにより構築した。 次に、合成されたNVmRNAを、ノーウォークウイルス特異的タンパク質の合 成に向かうそれらの能力について、放射標識タンパク質を生成するための35sメ チオニンの存在下において、網状赤血球溶解物中における細胞非含有翻訳により 試験した。発現したタンパク質をポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE) により分析した。ウイルスRNAを含有するサンプルにおいては分子量約130,00 0の明瞭なバンドが観察されたが、陰性対照(ウイルスRNAなし)においては 見出されなかった。このタンパク質の免疫反応性を、ノーウォークウイルスを投 与したボランティアから採取した感染前および感染後の血清との反応性により試 験した。この130Kタンパク質は、ノーウォークウイルスに感染したボランティ アの回復期血清によって沈殿したが、感染前に採取された血清によっては沈殿し なかった。これは、このタンパク質がウイルス特異的であることを示している。 これは、130Kタンパク質がいくらかの免疫反応性エピトープを有していること を示した。この翻訳系において作製されるタンパク質のサイズが明らかに小さい ことは、このタンパク質のゲル上での移動が異常であるか、あるいは内部開始コ ドンが翻訳の開始に用いられているか、もしくはタンパク質が翻訳された後にあ る種の翻訳後修飾が起こっているかのいずれかであることを 示唆している。 診断アッセイに有用なノーウォークウイルスcDNAの免疫反応性誘導体をさ らに特徴付けるために、バキュロウイルス発現系を用いて、ノーウォークウイル スゲノムの2C領域(図8を参照)を発現させた。この領域は、それが非構造タ ンパク質の5−末端に位置し、かつ予想されるノーウォークウイルスタンパク質 の配列と関連カリチウイルスおよびピコルナウイルスについて公表された新規配 列との間で高レベルの保全が見出されたため、最初の発現のために選択された。 ウイルスゲノムの5′末端cDNAをバキュロウイスル転移ベクターpVL13 93にサブクローニングした。昆虫Sf9細胞に、野生型バキュロウイルスDN Aと一緒に共形質導入[co-transfection ]した後、ノーウォークウイルス遺伝 子を有する組換え体を同定し、選別した。プラーク生成を3回繰り返した後、組 換え−感染昆虫細胞の放射標識溶解物を調製し、PAGEにより放射標識タンパ ク質を分析した。その結果、組換え−感染細胞においては見掛けの分子量が57,0 00(57K)のタンパク質が生成したが、非感染細胞では生成していないことが 示された。このタンパク質のサイズからは、ヌクレオチド953に位置する内部A UG開始コドンがこのタンパク質の生成に用いられたことが示唆される。この5 7Kタンパク質もまた、ノーウォークウイルスに感染したボランティアに由来す る回復期血清により沈殿する(が、感染前血清では沈殿しない)。このタンパク 質は、主に細胞に関連して残った。当該分野における熟練者は、この2C非構造 タンパ ク質の収量および純度の改善が可能であり、それがノーウォークおよび関連ウイ ルス感染を検出するためのより迅速なELISAをもたらすであろうことを容易 に理解するであろう。当該分野の熟練者はまた、ノーウォークウイルスゲノムの 別の領域(例えば、3C様、3D様および3d0RF)からタンパク質を発現す ることにより、2C非構造およびrNV構造タンパク質を用いて構築したELI SAと同様に、ノーウォークおよび関連ウイルスの診断アッセイが構築されるこ とも理解するであろう。これらの新規アッセイは、ノーウォーク関連ウイルスの 検出のスペクトルを広げるに違いない。 ノーウォークおよびノーウォーク関連ウイルスを検出するための鋭敏な方法が 初期に欠如していたことが、多くのノーウォーク関連ウイルスの明確な記述を困 難なものとしていた。しかしながら、表7に示されるように、ここに提供される 方法およびデータは、ノーウォークウイルスゲノムのヌクレオチド配列の発見が 、いかにしてノーウォークウイルスおよび他の関連因子を検出するための試験を 開発する能力にまで達するかを示している。これらのデータおよび方法はまた、 ノーウォークウイルスゲノムの断片および誘導体を、ノーウォークおよび関連ウ イルスの証拠およびこれに対する免疫性を得るために用いることができることを 示している。 例9発現したノーウォークウイルスおよびノーウォーク関連ウイルスを用いる、ウイ ルス性抗原を検出するための診断アッセイの開発 原核性もしくは真核性発現系における1以上のノーウォークウイルス遺伝子の 発現により形成される個々のタンパク質、粒子またはタンパク質凝集体を免疫原 として用い、あるいは動物に接種して、ウイルス性抗原を検出する診断アッセイ のためのポリクローナルおよびモノクローナル抗体を製造する。 バキュロウイルス発現系を用いて生成した組換えノーウォークウイルス粒子( rNV)は、非経口免疫に従って、マウス、モルモットおよびウサギにおけるポ リクローナル抗体の製造に用いられている(表9を参照)。rNVを経口投与さ れたマウスはまた、血清抗体を発現している。また、rNVで免疫されたマウス 由来のハイブリドーマも、ミエローマ細胞との融合により得られている。これら の抗体を捕獲ELISAにおいて用いることにより、NV抗体を検出できること が示されている。rNV粒子に対して作製された抗血清に基づくこの抗原ELI SAは、非常に特異的であり、ノーウォーク関連ウイルスのサブセットのみを検 出する(表7を参照)。したがって、カプシド抗原に対するより広範な反応性を 有するELISAを構築するために、(スノーマウンテン、ハワイ等の)他のノ ーウォーク関連ウイルス由来のさらなるカプシド抗原を発現させなければならな い。ELISAは、ウイルス性抗原の検出に用いることができる唯一の形式であ る。他の形式には、免疫蛍光法もしくはイムノサイトケミストリー、または免疫 電子顕微鏡法が含まれ得る。ノーウォークウイルスとノーウォーク関連ウイルス とを比較することにより、カプシドタンパクの保全領域を同定し、そのような配 列の断 片を動物の免疫に用い、その結果ノーウォークウイルスに対してより広範な反応 性を有する抗血清を製造することが可能となる。その代わりに、ノーウォークお よびノーウォーク関連ウイルスの発現タンパク質で動物を連続的に免疫すること により、所望の広範な反応性を有する抗血清が得られるであろう。数種のノーウ ォークおよびノーウォーク関連ウイルスの1種に特異的な抗原検出アッセイ、並 びにより広範な反応性を有するさらなるアッセイは、いずれも用いられるであろ う。 ゲノムの他の領域にコードされているタンパク質の断片の発現は、ウイルス性 抗原を検出するためのELISAにおいて用いられる、他のタンパク質に対する 抗血清の製造に利用することができる。ゲノムの5′末端にコードされるポリプ ロテインを代表する第1ORFおよびポリプロテインの断片2Cの発現は、これ らの非構造タンパク質の各々およびこれらに対して作製された抗血清がこれらの ウイルスタンパク質を検出する診断アッセイの開発に利用可能であることを示し ている。これらのアッセイは、配列保全の故に、広範に反応し、多くの別のノー ウォーク関連ウイルスを検出することができる。当該分野の熟練者は、ノーウォ ークウイルスのゲノム構成の知識によって、ウイルス性抗原を検出する診断アッ セイに用いるために、他のノーウォーク関連ウイルスのゲノムの同じ領域を同様 に発現させることが可能であることを理解するであろう。 例10ノーウォークウイルス発現抗原を用いるワクチンの開発 発現したノーウォークウイルスタンパク質から、ノーウォークウイルス、ノー ウォーク群のウイルスまたは他の小腸内ウイルスに対するワクチンを作製する。 発現タンパク質は、単独で、もしくは1種以上の他のノーウォークウイルスタン パク質との組み合わせで発現したノーウォークウイルスカプシドタンパク質であ っても、自己形成粒子であってもよい。例えば、図17に示される粒子は、バキ ュロウイルス発現系を用いて作製された。これらは、単独で、もしくは1種以上 の他のノーウォークウイルスタンパク質との組み合わせで発現する場合にはワク チンとして用いられる。同様に、ノーウォークウイルスcDNAまたはそれらの 断片もしくは誘導体においてコードされる他のタンパク質は、単独で、もしくは 1種以上のノーウォークウイルスタンパク質との組み合わせで発現する場合には ワクチンとして用いられる。 個人には、経口、非経口または両方法の組み合わせによりワクチン投与する。 非経口ワクチン投与では、発現タンパク質をアジュバントと混合し、最大免疫応 答および保護免疫が得られる量および間隔で1以上の投与量を投与する。経口ワ クチン投与はノーウォークウイルス接種物による自然感染と同意義である。すな わち、個人は、脱塩素水または緩衝液と共にワクチンを摂取する。経口ワクチン 投与では、続いて、胃の活性を中和するために重炭酸ナトリウム処理することも できる。例えば、各人は、ワクチン投与の2分前および5分後に重炭酸ナトリウ ム溶液を摂取する。 例11発現したノーウォークウイルスカプシドを他の抗原もしくは他の抗原の一部の発 現のための担体として用いることによる、他の因子に対するワクチンの製造 発現した後に粒子を形成するノーウォークウイルスカプシドタンパクをコード するゲノムの領域(すなわち、領域5346ないし6935および5337ないし7753)を同 定することにより、カプシドタンパクをコードするcDNAに抗原性エピトープ をコードするcDNAの1以上の非相同片を組み込む遺伝子加工が可能となる。 そのような組換え遺伝子が発現することにより、抗原性の組換えカプシドが生成 し、抗体が誘導されて、ノーウォークウイルスおよびその抗原に対して、並びに 非相同エピトープもしくは抗原に対して保護される。 代わりに、ノーウォークウイルスカプシドタンパク担体を、1以上の非相同タ ンパク抗原または非相同エビトープを有する合成ペプチドと混合し、あるいは共 有結合的に結合させる。この混合物は抗原性であり、抗体を誘導し、ノーウォー クウイルスおよびその抗原に対して、並びに非相同エピトープもしくは抗原に対 して保護する。 個人には、例10に記載される経口もしくは非経口法を用いてワクチン投与す る。 例12キット ノーウォークウイルスに対する免疫応答を検出するためのキットは、表2に示 されるノーウォークウイルスゲノムまた はそれらの断片もしくは誘導体から推測されるタンパク質を容器内に供給するこ とにより調製される。ノーウォーク関連ウイルスに対する免疫応答を検出するた めに、同様のタンパク質をノーウォーク関連ウイルスから調製する。例えば、そ のようなキットには、ノーウォークウイルスヌクレオチド1ないし7753によりコ ードされるタンパク質、ノーウォークウイルスヌクレオチド146ないし5359によ りコードされるタンパク質、ノーウォークウイルスヌクレオチド5337ないし7573 によりコードされるタンパク質、ノーウォークウイルスヌクレオチド5346ないし 6935によりコードされるタンパク質、ノーウォークウイルスヌクレオチド6938な いし7573によりコードされるタンパク質およびそれらの組み合わせを用いること ができる。また、このキットには、偽陽性および偽陰性対照、試薬およびサンプ ル収集装置を含めることもできる。このキットは、1つのサンプルを検出するた めに、もしくは多数のサンプルを検出するために備えることができる。 例 13キット ノーウォークウイルスおよびノーウォーク関連ウイルスを検出するためのキッ トは、表3、4、または5に示されるノーウォークウイルスゲノムの推定アミノ 酸配列、またはこの推定アミノ酸配列の断片もしくは誘導体から発現されるタン パク質から作製された少なくとも1つの抗血清を容器内に供給することにより調 製される。同様の抗血清を、ノーウォーク関連ウイルスゲノムによってコードさ れるタンパク質から 調製する。例えば、ノーウォークウイルスヌクレオチド1ないし7753によりコー ドされるタンパク質に対して作製された抗血清、ノーウォークウイルスヌクレオ チド146ないし5359によりコードされるタンパク質に対して作製された抗血清、 ノーウォークウイルスヌクレオチド5337ないし7573によりコードされるタンパク 質に対して作製された抗血清、ノーウォークウイルスヌクレオチド5346ないし69 35によりコードされるタンパク質に対して作製された抗血清、ノーウォークウイ ルスヌクレオチド6938ないし7573によりコードされるタンパク質に対して作製さ れた抗血清およびそれらの組み合わせを用いることができる。また、このキット には、偽陽性および偽陰性対照、試薬およびサンプル収集装置を含めることもで きる。このキットは、1つのサンプルを検出するために、もしくは多数のサンプ ルを検出するために備えることができる。 結論として、ここに記載される発明および態様は、目的を遂行、言及される目 的および効果並びにその他本願に固有の事項の達成に適している。この発明の新 規の特徴は添付の請求の範囲に示されている。開示を目的としてこの発明の現時 点で好ましい態様が記述されているが、ここに記述される合成および使用の詳細 における多くの変更は当該分野における熟練者には明らかであろう。しかしなが ら、この発明を開示された特定の形態に限定する意図はなく、逆に、この発明の 精神および範囲内にある、全ての変更、合成および使用の代替手段並びに均等物 を含めることを意図するものであることは理解されるべきである。 配 列 表 (1)一般情報: (i)出願人: マトソン,デビット オウ エステス,マリー ケイ ジアン,キシィ グラハム,デビット ワイ (ii)発明の名称:ノーウォークおよび関連ウイルスを検出しかつ特徴 付け るための方法ならびに試薬 (iii)配列の数: 75 (iv)住所: (A) 番地:フルブライト アンド ヤオルスキー パテント デパートメント (B) 通り:1310 マッキニー,スイート (C) 市:ヒューストン (D) 州:テキサス (E) 国:アメリカ合衆国 (F) ZIP:77010−3095 (v) コンピュータ読取形式: (A) 媒体形式:フロッピーディスク (B) コンピュータ:IBM PC コンパチブル (C) オペレーションシステム:PC−DOS/MS−DOS (D) ソフトウェア:パテントイン リリース #1.0, バージョン #1.25 (vi) 本出願の記録: (A) 出願番号: (B) 出願日: (C) 分類: (viii) 弁護士/代理人の情報: (A) 氏名:ロウナー,チャーレン エイ (B) 登録番号:33,035 (C) 参照/明細番号: D−5526 (ix) 遠距離通信情報: (A) 電 話:713−651−3634 (B) ファックス:713−651−5246 (C) テレックス:ウエスタン ユニオン 762829 (2) 配列番号1の情報 (i) 配列の特徴: (A)配列の長さ:7753塩基対 (B) 配列の型:核酸 (C) 鎖の数:一本鎖 (D) トポロジー:不明 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A) 生物名:ノーウォークウイルス (B) 株名:8FIIa (vii) 直接の起源: (B) クローン:pUCNV−953およびその誘導体 (ix) 配列の特徴 (A) 特徴を表す記号:CDS (B) 存在位置:146..5359 (D) 他の特徴:/記=146〜5359のヌクレオチドにより コード化されたタンパク質は結局は開裂して、少なくとも、ピコルナウイルス2 C様タンパク質、3C様プロテアーゼおよびRNA依存RNAポリメラーゼにな る。 (ix) 配列の特徴 (A) 特徴を表す記号:CDS (B) 存在位置:5346..6935 (D) 他の情報:/記=5346〜6935のヌクレオチドは2 つの異なるアミノ酸配列をコードするのに使用される。一つは、146〜535 9のヌクレオチドによりコードされるアミノ酸であり、もう一つは、5346〜 6953のヌクレオチドによりコードされるアミノ酸である。 (ix) 配列の特徴 (A) 特徴を表す記号:CDS (B) 存在位置:6938〜7573
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12Q 1/68 A 9453−4B // A61K 39/395 D 9284−4C (72)発明者 ジアン、クザイ アメリカ合衆国、テキサス州 77025、ヒ ューストン、カプリ 9211 (72)発明者 グラハム、デイビッド・ワイ アメリカ合衆国、テキサス州 77054、ヒ ューストン、ミスチャイアー 4051

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. ノーウォークまたはノーウォーク関連ウイルスゲノムに結合するに十分な サイズを有する、表2に示される式のcDNA配列並びにそれらの断片および誘 導体。 2. 表2に示されるノーウォークウイルスゲノムまたはそれらの断片もしくは 誘導体のヌクレオチド1ないし7753を含むヌクレオチドによってコードされるタ ンパク質。 3. 前記タンパク質が原核性発現系または真核性発現系において産生される請 求の範囲第2項記載のタンパク質。 4. 前記タンパク質が化学的方法により製造される請求の範囲第2項記載のタ ンパク質。 5. 表2に示されるノーウォークウイルスゲノムまたはそれらの断片もしくは 誘導体のヌクレオチド146ないし5359によってコードされるタンパク質。 6. 前記タンパク質が原核性発現系または真核性発現系において産生される請 求の範囲第5項記載のタンパク質。 7. 前記タンパク質が化学的方法により製造される請求の範囲第5項記載のタ ンパク質。 8. 表2に示されるノーウォークウイルスゲノムまたは断片のヌクレオチド45 43ないし4924によってコードされるRNA依存性RNAポリメラーゼ。 9. 前記RNAポリメラーゼが原核性発現系または真核性発現系において産生 される請求の範囲第8項記載のRNAポリメラーゼ。 10. 前記RNAポリメラーゼが化学的方法により製造され る請求の範囲第8項記載のRNAポリメラーゼ。 11. 表2に示されるノーウォークウイルスゲノムまたはそれらの断片もしく は誘導体のヌクレオチド5337ないし7573によってコードされるタンパク質。 12. 前記タンパク質が原核性発現系または真核性発現系において産生される 請求の範囲第11項記載のタンパク質。 13. 前記タンパク質が化学的方法により製造される請求の範囲第11項記載 のタンパク質。 14. 表2に示されるノーウォークウイルスゲノムまたはそれらの断片もしく は誘導体のヌクレオチド5346ないし6935によってコードされるタンパク質。 15. 前記タンパク質が原核性発現系または真核性発現系において産生される 請求の範囲第14項記載のタンパク質。 16. 前記タンパク質が化学的方法により製造される請求の範囲第14項記載 のタンパク質。 17. 表2に示されるノーウォークウイルスゲノムまたはそれらの断片もしく は誘導体のヌクレオチド6938ないし7573によってコードされるタンパク質。 18. 前記タンパク質が原核性発現系または真核性発現系において産生される 請求の範囲第17項記載のタンパク質。 19. 前記タンパク質が化学的方法により製造される請求の範囲第17項記載 のタンパク質。 20. ノーウォークまたはノーウォーク関連ウイルスを検出するためのRNA プローブを製造する方法であって、 ノーウォークウイルスcDNAクローンを転写ベクターに サブクローニングする工程; 該cDNA含有転写ベクターを増殖させる工程; RNAポリメラーゼを添加して、イン・ビトロ転写により一本鎖RNAを生成 させる工程;および 該一本鎖RNAを単離する工程 を包含する方法。 21. ノーウォークまたはノーウォーク関連ウイルスを含有することが疑われ るサンプルにおいてノーウォークまたはノーウォーク関連ウイルスを同定する方 法であって、 ノーウォークウイルスまたはノーウォーク関連ウイルスに特異的なcDNAま たはRNAプローブを、該cDANまたはRNAプローブがノーウォークまたは ノーウォーク関連ウイルスゲノムに結合する条件下において、試験しようとする 前記サンプルに添加する工程;および 前記cDNAまたはRNAプローブの結合量を測定する工程 を包含する方法。 22. 前記サンプルが、食物、水および便からなる群より選ばれる請求の範囲 第21項記載の方法。 23. 前記cDNAが、pUCNV−953、pUCNV−4145、pUCNV−4 095、pUCNV−5030およびpUCNV−5101からなる群より選ばれるか、あ るいはそれらの断片もしくは誘導体である請求の範囲第21項に記載の方法。 24. ノーウォークまたはノーウォーク関連ウイルスを含有することが疑われ るサンプルにおいてノーウォークまたはノ ーウォーク関連ウイルスを同定する方法であって、 各々約10ヌクレオチド以上の、少なくとも2つのオリゴヌクレオチドを、該 ヌクレオチドがノーウォークまたはノーウォーク関連ウイルスゲノムに結合する 条件下において、前記サンプルに添加する工程; 前記結合オリゴヌクレオチドの間のヌクレオチド配列を増幅する工程;および 増幅した配列の量を測定する工程 を包含する方法。 25. ノーウォークまたはノーウォーク関連ウイルスを含有することが疑われ るサンプルにおいてノーウォークまたはノーウォーク関連ウイルスを同定する方 法であって、 CTAB法を用いて核酸を単離する工程; 核酸を増幅する工程;および 増幅生成物を測定する工程 を包含する方法。 26. 前記CTAB法が、 前記サンプルをジェネトロンで抽出する工程; 前記ジェネトロン抽出サンプルの上清を除去する工程; 前記上清中のウイルスをポリエチレングリコールで沈殿させる工程; 前記沈殿物をSDSの存在下においてプロテイナーゼKで30゜分処理する工 程; 前記処理沈殿物をフェノールークロロホルム、次いでクロロホルムで連続的に 抽出する工程; 前記連続的に抽出したサンプルの上清に、約5%CTABおよび約0.4M NaClの溶液を、サンプル:CTABを約5:2の割合で添加することにより混 合液を形成する工程: 前記溶液をインキュベートする工程; 前記溶液を遠心して核酸を集める工程: 前記核酸をIM NaClに懸濁し、その後クロロホルムで抽出する工程 を包含する請求の範囲第25項に記載の方法。 27. 前記核酸に対して逆転写を行なう工程; プライマーを用いて核酸を増幅する工程;および アガロースゲル電気泳動を用いて増幅した核酸を検出する工程 をさらに包含する請求の範囲第25項に記載の方法。 28. 食物、生物学的および環境的サンプルからのノーウォークまたは病原因 子をクローニングする方法であって、 CTAB法を用いて核酸を単離する工程; 核酸を増幅する工程;および 前記増幅された核酸をベクターに組み込む工程 を包含する方法。 29. 式CTT GTT GGT TTG AGG CCA TATで表わされるプライマー配列。 30. 式ATA AAA GTT GGC ATG AAC Aで表わされるプライマー配列。 31. 式GTT GAC ACA ATC TCA TCA TCで表わされるプライマー配列。 32. 式GGC CTG CCA TCT GGA TTG CCで表わされるプライマー配列。 33. 式GGG CCC CCT GGT ATA GGT AAで表わされるプライマー配列。 34. 式TGG TGA TGA CTA TAG CAT CAG ACA CAA Aで表わされるプライマー配 列。 35. 式ACT CAC CCA AAT CCT CCAで表わされるプライマー配列。 36. 式GTT CTG ACC ACC TAA CCTで表わされるプライマー配列。 37. 式AGT TTG GGT CCC CAT CTT AAT CCT TTで表わされるプライマー配列。 38. 式TGA ACC AAA ACC AGG GGGで表わされるプライマー配列。 39. 式AGC AAA GTC ATA CAT GAA ATで表わされるプライマー配列。 40. 式CCA TTA TAC ATT TGT AGで表わされるプライマー配列。 41. 式ATT ATA GTT TCT TGC ATAで表わされるプライマー配列。 42. 式CAC ACT CTG GAC ATT GTC TGで表わされるプライマー配列。 43. 式CAT TGG GTT TCC AGA CCT Aで表わされるプライマー配列。 44. 式ATA ATT GGG GAT CTT CCA AAで表わされるプライ マー配列。 45. 式TAG TGG CAT GGG TAT TTCで表わされるプライマー配列。 46. 式TAT GCC AAT CAC AGC CACで表わされるプライマー配列。 47. 式GTC TGG CTC CCA AGT TGA CCで表わされるプライマー配列。 48. 式CGG TAT CAG GGT CAA CATで表わされるプライマー配列。 49. 式TGA GGC TGC CCT GCT CCAで表わされるプライマー配列。 50. 式CCA CCG CTG TCC GGG AGGで表わされるプライマー配列。 51. 式GTT GCT GTT GGC ATT AAC Aで表わされるプライマー配列。. 52. ノーウォークまたはノーウォーク関連ウイルスを検出するためのプロー ブの製造方法であって、 表2に示されるノーウォークウイルスゲノムまたはそれらの断片もしくは誘導 体から、1以上の短もしくは長ヌクレオチドを合成する工程 を包含する方法。 53. 請求の範囲第52項に記載の方法により製造されたプローブ。 54. ノーウォークまたはノーウォーク関連ウイルスを検出するためのプロー ブの製造方法であって、 表2に示されるノーウォークウイルスゲノムまたはそれらの断片もしくは誘導 体のサブゲノム領域から、1以上の短もしくは長ヌクレオチドを合成する工程 を包含する方法。 55. 請求の範囲第54項に記載の方法により製造されたプローブ。 56. 前記サブゲノム領域が式CTT GTT GGT TTG AGG CCA TATの配列を含む請 求の範囲第55項記載のプローブ。 57. 前記サブゲノム領域が式ATA AAA GTT GGC ATG AAC Aの配列を含む請求 の範囲第55項記載のプローブ。 58. 前記サブゲノム領域が式GTT GAC ACA ATC TCA TCA TCの配列を含む請求 の範囲第55項記載のプローブ。 59. 前記サブゲノム領域が式GGC CTG CCA TCT GGA TTG CCの配列を含む請求 の範囲第55項記載のプローブ。 60. 前記サブゲノム領域が式GGG CCC CCT GGT ATA GGT AAの配列を含む請求 の範囲第55項記載のプローブ。 61. 前記サブゲノム領域が式TGG TGA TGA CTA TAG CAT CAG ACA CAA Aの配 列を含む請求の範囲第55項記載のプローブ。 62. 前記サブゲノム領域が式GTT CTG ACC ACC TAA CCTの配列を含む請求の 範囲第55項記載のプローブ。 63. 前記サブゲノム領域が式AGT TTG GGT CCC CAT CTT AAT CCT TTの配列を 含む請求の範囲第55項記載のプローブ。 64. 前記サブゲノム領域が式TGA ACC AAA ACC AGG GGGの配列を含む請求の 範囲第55項記載のプローブ。 65. 前記サブゲノム領域が式AGC AAA GTC ATA CAT GAA A Tの配列を含む請求の範囲第55項記載のプローブ。 66. 前記サブゲノム領域が式CCA TTA TAC ATT TGT AGの配列を含む請求の範 囲第55項記載のプローブ。 67. 前記サブゲノム領域が式CAC ACT CTG GAC ATT GTC TGの配列を含む請求 の範囲第55項記載のプローブ。 68. 前記サブゲノム領域が式CAT TGG GTT TCC AGA CCT Aの配列を含む請求 の範囲第55項記載のプローブ。 69. 前記サブゲノム領域が式ATA ATT GGG GAT CTT CCA AAの配列を含む請求 の範囲第55項記載のプローブ。 70. 前記サブゲノム領域が式TAT GCC AAT CAC AGC CACの配列を含む請求の 範囲第55項記載のプローブ。 71. 前記サブゲノム領域が式GTC TGG CTC CCA AGT TGA CCの配列を含む請求 の範囲第55項記載のプローブ。 72. 前記サブゲノム領域が式CGG TAT CAG GGT CAA CATの配列を含む請求の 範囲第55項記載のプローブ。 73. 前記サブゲノム領域が式TGA GGC TGC CCT GCT CCAの配列を含む請求の 範囲第55項記載のプローブ。 74. 前記サブゲノム領域が式CCA CCG CTG TCC GGG AGGの配列を含む請求の 範囲第55項記載のプローブ。 75. 前記サブゲノム領域がノーウォークゲノムの第1オープン・リーディン グ・フレームを含む請求の範囲第54項記載の方法。 76. 請求の範囲第75項に記載の方法により製造されるプローブ。 77. 前記サブゲノム領域がヌクレオチド146ないし5359を 含む請求の範囲第54項記載の方法。 78. 請求の範囲第77項に記載の方法により製造されるプローブ。 79. 前記ヌクレオチドが、ピコルナウイルス2C様タンパク質、3C様プロ テアーゼ、RNA依存性RNAポリメラーゼまたはそれらの組み合わせをコード する請求の範囲第54項記載の方法。 80. 請求の範囲第79項に記載の方法により製造されるプローブ。 81. 前記ヌクレオチドがカプシドタンパクをコードする請求の範囲第54項 記載の方法。 82. 請求の範囲第81項に記載の方法により製造されるプローブ。 83. 前記サブゲノム領域がヌクレオチド5337ないし7573を含む請求の範囲第 54項記載の方法。 84. 請求の範囲第83項に記載の方法により製造されるプローブ。 85. 前記サブゲノム領域がヌクレオチド5346ないし6935を含む請求の範囲第 54項記載の方法。 86. 請求の範囲第85項に記載の方法により製造されるプローブ。 87. 前記サブゲノム領域がヌクレオチド6938ないし7573を含む請求の範囲第 54項記載の方法。 88. 請求の範囲第87項に記載の方法により製造されるプローブ。 89. ノーウォーク関連ウイルスを検出するためのプローブの製造方法であっ て、 GTTGCTGTTGGCATTAACA 、 TAGTGGCATGGGTATTTCNATTATAGTTTCTTGCATA、 AGCAAA GTCATACATGAAATNおよびACTCACCCAAATCCTCCAよりなる群から1以上のヌクレオチ ド配列を選択する工程; 該ヌクレオチド配列を化学的方法または発現系において生成させる工程 を包含する方法。 90. 請求の範囲第89項に記載の方法により製造されるプローブ。 91. ノーウォークウイルスに対する免疫応答を検出するためのキットであっ て、 表2に示されるノーウォークウイルスゲノムまたはそれらの断片もしくは誘導 体によってコードされるタンパク質を収容する容器 を具備するキット。 92. 前記タンパク質が、ヌクレオチド1ないし7753によってコードされるタ ンパク質、ヌクレオチド146ないし5359によってコードされるタンパク質、ヌク レオチド5337ないし7573によってコードされるタンパク質、ヌクレオチド5346 ないし6935によってコードされるタンパク質、ヌクレオチド6938ないし7573によ ってコードされるタンパク質およびそれらの組み合わせからなる群より選択され る請求の範囲第91項記載のキット。 93. ノーウォーク関連ウイルスに対する免疫応答を検出するためのキットで あって、 該ノーウォーク関連ウイルスのゲノムによってコードされるタンパク質を収容 する容器 を具備するキット。 94. ノーウォークウイルスに対する免疫応答を検出する方法であって、 ノーウォークウイルスに晒されていることが疑われる個体から血清サンプルを 収集する工程; 表2に示されるノーウォークウイルスゲノムまたはそれらの断片もしくは誘導 体によってコードされるタンパク質を選択する工程; 前記選択されたタンパク質と前記血清とが反応し得る条件下にある診断アッセ イにおいて、前記血清に前記選択されたタンパク質を添加する工程;および 前記血清と前記選択されたタンパク質との反応量を測定する工程 を包含する方法。 95. 前記診断アッセイが、酵素結合免疫吸着アッセイ、ラジオイムノアッセ イおよびイムノブロットからなる群より選ばれる請求の範囲第94項記載の方法 。 96. 前記選択されたタンパク質がカプシドタンパクである請求の範囲第94 項記載の方法。 97. 前記選択されたタンパク質が、粒子を形成することが可能である本質的 な特性を有する請求の範囲第94項記載の方 法。 98. 前記選択されたタンパク質が、ヌクレオチド1ないし7753によってコー ドされるタンパク質、ヌクレオチド146ないし5359によってコードされるタンパ ク質、ヌクレオチド5337ないし7573によってコードされるタンパク質、ヌクレ オチド5346ないし6935によってコードされるタンパク質、ヌクレオチド6938ない し7573によってコードされるタンパク質およびそれらの組み合わせからなる 群より選択される請求の範囲第94項記載の方法。 99. ノーウォークウイルスに対する免疫応答を検出する診断アッセイであっ て、 表2に示されるノーウォークウイルスゲノムまたはそれらの断片もしくは誘導 体においてコードされるタンパク質を選択する工程; 該タンパク質を抗原として用いる工程; ノーウォーク感染個体からの感染後血清を、該血清と前記抗体とが反応し得る 条件下で添加する工程;および 前記血清と前記抗体との反応量を測定する工程 を包含するアッセイ。 100. 前記タンパク質がカプシドタンパクである請求の範囲第99項記載の 方法。 101. 前記選択されたタンパク質が、粒子を形成することが可能である本質 的な特性を有する請求の範囲第99項記載の方法。 102. 前記選択されたタンパク質が、ヌクレオチド1ない し7753によってコードされるタンパク質、ヌクレオチド146ないし5359によって コードされるタンパク質、ヌクレオチド5337ないし7573によってコードされ るタンパク質、ヌクレオチド5346ないし6935によってコードされるタンパク質、 ヌクレオチド6938ないし7573によってコードされるタンパク質およびそれらの組 み合わせからなる群より選択される請求の範囲第99項記載の方法。 103. ノーウォークウイルスおよびノーウォーク関連ウイルスを検出するた めのキットであって、 表2に示されるノーウォークウイルスゲノムによってコードされるタンパク質 または該ゲノムの断片もしくは誘導体から作製される少なくとも1つの抗血清を 含む容器 を具備するキット。 104. 前記タンパク質が、ヌクレオチド1ないし7753によってコードされる タンパク質、ヌクレオチド146ないし5359によってコードされるタンパク質、ヌ クレオチド5337ないし7573によってコードされるタンバク質、ヌクレオチド5346 ないし6935によってコードされるタンパク質、ヌクレオチド6938ないし7573に よってコードされるタンパク質およびそれらの組み合わせからなる群より選択さ れる請求の範囲第102項記載のキット。 105. ノーウォークまたはノーウォーク関連ウイルスに対する抗体を製造す る方法であって、 表2に示されるノーウォークウイルスゲノムまたはそれらの断片もしくは誘導 体によってコードされるタンパク質で動 物を免疫すること を包含する方法。 106. 前記タンパク質が、ヌクレオチド1ないし7753によってコードされる タンパク質、ヌクレオチド146ないし5359によってコードされるタンパク質、ヌ クレオチド5337ないし7573によってコードされるタンパク質、ヌクレオチド5346 ないし6935によってコードされるタンパク質、ヌクレオチド6938ないし7573によ ってコードされるタンバク質およびそれらの組み合わせからなる群より選択され る請求の範囲第105項記載の方法。 107. 表2に示されるノーウォークウイルスのcDNA配列またはそれらの 断片もしくは誘導体によってコードされるノーウォークウイルス抗原を包含する 、ノーウォークウイルスに対するワクチン。 108. 前記抗原が、表2に示されるノーウォークウイルスゲノムのヌクレオ チド146ないし5359またはそれらの誘導体を用いて製造される請求の範囲第10 7項記載のワクチン。 109. 前記抗原が、表2に示されるノーウォークウイルスゲノムのヌクレオ チド5337ないし7573またはそれらの誘導体を用いて製造される請求の範囲第10 7項記載のワクチン。 110. 前記抗原が、表2に示されるノーウォークウイルスゲノムのヌクレオ チド5346ないし6935またはそれらの誘導体を用いて製造される請求の範囲第10 7項記載のワクチン。 111. 前記抗原が、表2に示されるノーウォークウイルスゲノムのヌクレオ チド6938ないし7573またはそれらの誘導体 を用いて製造される請求の範囲第107項記載のワクチン。 112. 前記抗原が、粒子を形成することが可能である本質的な特性を有する 請求の範囲第107項記載のワクチン。 113. ノーウォークウイルスに対して個体を免疫する方法であって、 請求の範囲第107項記載のワクチンの免疫学的に有効な投与量を経口もしく は非経口的に投与する工程 を包含する方法。 114. ノーウォークウイルスに対して個体を免疫する方法であって、 請求の範囲第107項記載のワクチンの免疫学的に有効な投与量を経口および 非経口的に投与する工程 を包含する方法。 115. 図9に示されるヒトカリチウイルスゲノムのcDNA配列並びにそれ らの断片および誘導体であって、該断片および誘導体はノーウォークまたはノー ウォーク関連ウイルスゲノムに結合するに十分なサイズおよびヌクレオチド相同 性を有するcDNA配列。 116. 図9に示されるヒトカリチウイルス・サッポロ・ゲノムのヌクレオチ ド1ないし551またはそれらの断片もしくは誘導体を含むヌクレオチドによって コードされるタンパク質。 117. ヌクレオチド1ないし149並びにそれらの断片および誘導体を含むヒ トカリチウイルス・サッポロ・ゲノムのcDNAサブクローンであって、該断片 および誘導体がノーウ ォークまたはノーウォーク関連ウイルスゲノムに結合するに十分なサイズおよび ヌクレオチド相同性を有するcDNAサブクローン。 118. ヒト・カリチウイルス・サッポロゲノムのcDNAサブクローンであ って、ヌクレオチド113 〜551 ならびにそのフラグメントおよび誘導体を具備し 、前記フラグメントおよび誘導体はノーウオークウイルスゲノムまたはノーウオ ーク関連ウイルスゲノムに結合するために十分な大きさおよびヌクレオチド相同 性を有するcDNAサブクローン。 119. 図9にデイケアカリチウイルスのcDNA配列ならびにそのフラグメ ントおよび誘導体であって、前記フラグメントおよび誘導体はノーウオークウイ ルスゲノムまたはノーウオーク関連ウイルスゲノムに結合するために十分な大き さおよびヌクレオチド相同性を有するもの。 120. 図12に示すSRSV/KY/89のcDNA配列ならびにそのフラグメントお よび誘導体であって、前記フラグメントおよび誘導体はノーウオークウイルスゲ ノムまたはノーウオーク関連ウイルスゲノムに結合するために十分な大きさおよ びヌクレオチド相同性を有するもの。 121. 表10に示すヒト・カリチウイルスのcDNA配列ならびにそのフラ グメントおよび誘導体であって、前記フラグメントおよび誘導体はノーウオーク ウイルスゲノムまたはノーウオーク関連ウイルスゲノムに結合するために十分な 大きさおよびヌクレオチド相同性を有するもの。 122. 霊長類カリチウイルスのcDNAサブクローンであっ て、配列 TGGACGGACC TGCTGTTGAA GATCTCTTCA AANGGCTCGAACGACCAAAG CACGATCG GT ATTGTGTTGA CTACGCAAAG TGGGACTCAACCCANCCACCA AAAGTAACAT CCAATCAATN GAC ATCおよびそのフラグメントおよび誘導体を具備し、前記フラグメントおよび誘 導体はノーウオークウイルスゲノムまたはノーウオーク関連ウイルスゲノムに結 合するために十分な大きさおよびヌクレオチド相同性を有するcDNAサブクロ ーン。 123. 霊長類カリチウイルスのcDNAサブクローンであって、配列 GTGA NATGNN ACATCTTCGA CTCGATGGAC CTATTCACATATGGTGATGA CGGTGTCTAC ATCGTCCCAC CACTATATCA TCTGTCATGCCCAAGTCTTC ACCAACCTGA AACおよびそのフラグメントおよ び誘導体を具備し、前記フラグメントおよび誘導体はノーウオークウイルスゲノ ムまたはノーウオーク関連ウイルスゲノムに結合するために十分な大きさおよび ヌクレオチド相同性を有するcDNAサブクローン。 124. ノーウオークウイルスまたはノーウオーク関連ウイルスに対する免疫 反応を検出する方法であって、 ノーウオークウイルスに晒されたことが疑われる個体から血清サンプルを採取 する工程と、 ノーウオーク関連ウイルスのゲノム配列またはそのフラグメント若しくは誘導 体(このフラグメントおよび誘導体はノーウオークウイルスゲノムまたはノーウ オーク関連ウイルスゲノムに結合するために十分な大きさおよびヌクレオチド相 同性を有する)によってコードされるタンパクを選別する工程と、 キメラタンパクおよび前記血清の反応を可能とする条件下での診断試験におい て、前記選別されたタンパクを前記血清に添加する工程と、 前記血清および前記選別されたタンパクの反応量を測定する工程とを具備する 方法。 125. 請求項124に記載の方法であって、前記診断試験が、酵素結合免疫吸 着試験、ラジオイムノアッセイ及びイムノブロットからなる群から選ばれる方法 。 126. 請求項124に記載の方法であって、前記ゲノム配列が請求項117のcD NAである方法。 127. 請求項124に記載の方法であって、前記ゲノム配列が請求項119のcD NAである方法。 128. 請求項124に記載の方法であって、前記ゲノム配列が請求項120のcD NAである方法。 129. 請求項124に記載の方法であって、前記ゲノム配列が請求項121のcD NAである方法。 130. 請求項124に記載の方法であって、前記ゲノム配列が請求項122のcD NAである方法。 131. 請求項124に記載の方法であって、前記ゲノム配列が請求項123のcD NAである方法。 132. ノーウオークウイルスまたはノーウオーク関連ウイルスを検出するた めのキットであって、 ノーウオーク関連ウイルスのゲノム配列によってコードされるタンパク、また は前記ゲノム配列のフラグメント若しくは誘導体から作成された少なくとも一つ の抗血清を含む容器 を具備し、 前記フラグメントおよび誘導体はノーウオークウイルスゲノムまたはノーウオ ーク関連ウイルスゲノムに結合するために十分な大きさおよびヌクレオチド相同 性を有するキット。 133. 請求項132に記載のキットであって、前記ゲノム配列が請求項117のc DNAであるキット。 134. 請求項132に記載のキットであって、前記ゲノム配列が請求項119のc DNAであるキット。 135. 請求項132に記載のキットであって、前記ゲノム配列が請求項120のc DNAであるキット。 136. 請求項132に記載のキットであって、前記ゲノム配列が請求項121のc DNAであるキット。 137. 請求項132に記載のキットであって、前記ゲノム配列が請求項122のc DNAであるキット。 138. 請求項132に記載のキットであって、前記ゲノム配列が請求項123のc DNAであるキット。 139. ノーウオーク関連ウイルスのゲノムによってコードされるタンパクと 組合わされたノーウオークウイルスゲノムにコードされるタンパクを含むキメラ タンパク。 140. ノーウオークウイルスに対する免疫反応を検出する方法であって、 ノーウオークウイルスに晒されたことが疑われる個体から血清サンプルを採取 する工程と、 キメラタンパクおよび前記血清の反応を可能とする条件下での診断試験におい て、請求項139の前記キメラタンパクを 前記血清に添加する工程と、 前記血清および前記キメラタンパクの反応量を測定する工程とを具備する方法 。 141. ノーウオークウイルスまたはノーウオーク関連ウイルスのためのワク チンであって、 抗原として用いられる請求項139のキメラタンパクを含有するワクチン。 142. ノーウオークウイルスまたはノーウオーク関連ウイルスを検出するた めのキットであって、 請求項139のキメラタンパクから作成された少なくとも一つの抗血清を含む容 器を具備したキット。
JP6507522A 1992-09-07 1993-09-07 ノーウォークおよび関連ウイルスを検出し、かつ特徴付けるための方法並びに試薬 Pending JPH08500250A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US94136592A 1992-09-07 1992-09-07
US07/941,365 1992-09-08
PCT/US1993/008447 WO1994005700A2 (en) 1992-09-07 1993-09-07 Methods and reagents to detect and characterize norwalk and related viruses

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08500250A true JPH08500250A (ja) 1996-01-16

Family

ID=25476348

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6507522A Pending JPH08500250A (ja) 1992-09-07 1993-09-07 ノーウォークおよび関連ウイルスを検出し、かつ特徴付けるための方法並びに試薬

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JPH08500250A (ja)
AU (1) AU4851493A (ja)
WO (1) WO1994005700A2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004088311A1 (ja) * 2003-03-31 2004-10-14 Denka Seiken Co., Ltd. ノロウイルス又はサポウイルス検体用希釈液及びウイルス検出方法
JP2010268808A (ja) * 1999-06-22 2010-12-02 National Institute Of Infectious Diseases Srsv検出キット

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6572862B1 (en) * 1989-11-08 2003-06-03 Baylor College Of Medicine Methods and reagents to detect and characterize Norwalk and related viruses
ATE309536T1 (de) 1999-12-06 2005-11-15 Sangamo Biosciences Inc Methoden zur verwendung von randomisierten zinkfingerprotein-bibliotheken zur identifizierung von genfunktionen
AU2001244577A1 (en) 2000-09-29 2002-04-15 Bml, Inc. Method of detecting norwalk-like virus (gi)
EP1342727A4 (en) * 2000-11-15 2005-12-21 Bml Inc ANTIBODIES TO NORWALK VIRUS AND METHOD FOR DETECTING VIRUSES USING THE ANTIBODY
EP1209242A3 (en) 2000-11-21 2004-01-14 Tosoh Corporation Oligonucleotides and method for characterizing and detecting genogroup II type small round structured virus (SRSV)
CA2561565C (en) 2004-04-08 2013-11-26 Sangamo Biosciences, Inc. Methods for repression of phospholamban gene and modulating cardiac contractility
JP5215865B2 (ja) 2005-11-22 2013-06-19 ノバルティス ヴァクシンズ アンド ダイアグノスティクス インコーポレイテッド ノロウイルス抗原およびサポウイルス抗原
PL2324113T3 (pl) 2008-08-08 2018-08-31 Takeda Vaccines, Inc. Cząstki wirusopodobne zawierające złożone kapsydowe sekwencje aminokwasowe do zwiększonej reaktywności krzyżowej
CN102791286B (zh) * 2010-01-21 2017-08-08 莱戈赛特医药股份有限公司 杯状病毒病毒样颗粒上靶定异源抗原的呈递
EP3153578A1 (en) 2010-07-06 2017-04-12 Novartis Ag Norovirus derived immunogenic compositions and methods
PL3299030T3 (pl) 2011-07-11 2022-12-05 Takeda Vaccines, Inc. Pozajelitowe preparaty szczepionek przeciw norowirusowi
KR20220041211A (ko) 2019-08-09 2022-03-31 넛크래커 테라퓨틱스 인코포레이티드 치료학적 조성물로부터 물질을 제거하기 위한 제조 방법 및 장치
CN112522276B (zh) * 2020-12-15 2022-07-15 武汉纽福斯生物科技有限公司 一种emc1核苷酸序列及其应用
WO2023060086A1 (en) 2021-10-04 2023-04-13 Takeda Vaccines, Inc. Methods for determining norovirus-reactive antibodies

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1991007502A1 (en) * 1989-11-08 1991-05-30 Baylor College Of Medicine Methods and reagents to detect and characterize norwalk and related viruses
AU1893592A (en) * 1991-03-25 1992-10-21 Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Norwalk virus human gastroenteritis agent and molecular cloning of corresponding cdnas

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010268808A (ja) * 1999-06-22 2010-12-02 National Institute Of Infectious Diseases Srsv検出キット
JP4629935B2 (ja) * 1999-06-22 2011-02-09 国立感染症研究所長 Srsv検出キット
JP2013099348A (ja) * 1999-06-22 2013-05-23 National Institute Of Infectious Diseases Srsv検出キット
WO2004088311A1 (ja) * 2003-03-31 2004-10-14 Denka Seiken Co., Ltd. ノロウイルス又はサポウイルス検体用希釈液及びウイルス検出方法
US7955792B2 (en) 2003-03-31 2011-06-07 Denka Seiken Co., Ltd. Diluent for norovirus or sapovirus specimen and method for detecting virus

Also Published As

Publication number Publication date
WO1994005700A3 (en) 1994-08-04
WO1994005700A2 (en) 1994-03-17
AU4851493A (en) 1994-03-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6942865B2 (en) Methods and reagents to detect and characterize norwalk and related viruses
CA2065287C (en) New hcv isolates
JPH08500250A (ja) ノーウォークおよび関連ウイルスを検出し、かつ特徴付けるための方法並びに試薬
JPH10507643A (ja) C型肝炎ウイルス遺伝子型の新規配列、ならびにそれらの予防薬、治療薬および診断薬としての使用
JPH06107687A (ja) 抗ウイルス剤
JPH06508026A (ja) 診断と治療に用いるhcvゲノム配列
US6156883A (en) Polyclonal and monoclonal antibodies to Norwalk virus and methods for making them
JP2006149393A (ja) E型肝炎パキスタン株の組換えタンパク質ならびに診断法およびワクチンにおけるそれらの利用
CN104962581B (zh) 一种表达非洲猪瘟病毒p72蛋白的重组病毒疫苗株
CA2029219A1 (en) Methods and reagents to detect and characterize norwalk and related viruses
US7582303B2 (en) Avian hepatitis E virus, vaccines and methods of protecting against avian hepatitis-splenomegaly syndrome and mammalian hepatitis E
KR0178399B1 (ko) 장을 통해 전염되는 비a비b형 간염 바이러스 병원체 및 그것의 특유한 에피토프
Matsui et al. Cloning and characterization of human astrovirus immunoreactive epitopes
WO1994018217A1 (en) Non-a, non-b, non-c, non-d, non-e hepatitis reagents and methods for their use
WO1995021922A2 (en) Non-a, non-b, non-c, non-d, non-e hepatitis reagents and methods for their use
Poulos et al. Production and use of antibodies for the detection of Taura syndrome virus in penaeid shrimp
EP2613807B1 (en) Foot and mouth disease virus with increased stabilitity and its use as vaccine
JP3061258B2 (ja) 非a非b非c非d非e型肝炎試薬及びそれらの使用方法
US6696562B1 (en) Avian astrovirus
US6451578B1 (en) Non-A, non-B, non-C, non-D, non-E hepatitis reagents and methods for their use
US6720166B2 (en) Non-a, non-b, non-c, non-c, non-d, non-e hepatitis reagents and methods for their use
EP3147365B1 (en) Pestivirus species
US5789559A (en) DNA sequences of enterically transmitted non-A/non-B hepatitis viral agent
US20130071421A1 (en) Turkey viral hepatitis virus and uses thereof
US5824649A (en) DNA sequences of enterically transmitted non-A/non-B hepatitis viral agent and characteristic epitopes thereof