JPH0848990A - 冷凍機油組成物および冷凍機用流体組成物 - Google Patents

冷凍機油組成物および冷凍機用流体組成物

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JPH0848990A
JPH0848990A JP6201323A JP20132394A JPH0848990A JP H0848990 A JPH0848990 A JP H0848990A JP 6201323 A JP6201323 A JP 6201323A JP 20132394 A JP20132394 A JP 20132394A JP H0848990 A JPH0848990 A JP H0848990A
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oil
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克也 瀧川
Umekichi Sasaki
梅吉 佐々木
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聡 須田
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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C2210/00Fluid
    • F04C2210/26Refrigerants with particular properties, e.g. HFC-134a

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 HFC−134aを含有するHFC冷媒と共
に用いることのできる、冷凍圧縮機の焼付きが発生せ
ず、潤滑性に優れ、かつ長期にわたって高い信頼性が得
られる冷凍機油組成物、並びにその冷凍機油組成物と、
HFC−134aを含有するHFC冷媒とを含有する冷
凍機用流体組成物を提供すること。 【構成】(A)分子量が200〜350のアルキルベン
ゼンを(A)成分全量基準で60重量%以上含有するア
ルキルベンゼン、70〜99重量%、および、(B)酸
素を含有する合成油、30〜1重量%、からなる、HF
C−134aを含有するHFC冷媒用冷凍機油;並びに
該冷凍機油100重量部に対して、(C)リン酸エステ
ル系化合物、0.005〜5.0重量部を配合してな
る、HFC−134aを含有するHFC冷媒用冷凍機油
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は冷凍機油組成物および冷
凍機用流体組成物に関し、詳しくは特定の性状を有する
アルキルベンゼンおよび合成油からなる混合基油を用い
てなる、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HF
C−134a)を含有するHFC冷媒用として有用な冷
凍機油組成物およびその冷凍機油組成物を含有する冷凍
機用流体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のオゾン層破壊の問題から、従来よ
り冷凍機器の冷媒として使用されてきたCFC(クロロ
フルオロカーボン)およびHCFC(ハイドロクロロフ
ルオロカーボン)が規制の対象となり、これらに代わっ
てHFC(ハイドロフルオロカーボン)が冷媒として使
用されつつある。
【0003】このHFC冷媒用の冷凍機油としては、H
FCと相溶するPAG(ポリアルキレングリコール)、
エステル等が検討あるいは使用されている。例えばPA
Gについては米国特許4,755,316号、特開平1
−198694号、同1−256594号、同1−25
9093号、同1−259094号、同1−25909
5号、同1−274191号、同2−43290号、同
2−55791号、同2−84491号等に記載されて
おり、エステルについては公表平3−505602号、
特開平3−88892号、同2−128991号、同3
−128992号、同3−200895号、同3−22
7397号、同4−20597号、同4−72390
号、同4−218592号、同4−249593号等に
記載されている。
【0004】しかしながらPAGは吸湿性が高く、電気
特性(体積抵抗率)が良くない。また、エステル油は、
その構造上、加水分解を起こし、酸を発生する可能性が
あり、種々の不都合が起こることが予測される。また、
これらの油を使用した場合、鉱油/CFC、あるいは鉱
油/HCFCの系に比べて潤滑性が劣るという大きな問
題を有している。
【0005】一方、特開平5−157379には、冷媒
と相溶しない冷凍機油を用いたHFC−134a冷媒用
冷凍システムについて記載されており、相溶しない油と
してアルキルベンゼンが挙げられている。また、特開平
5−59386には、炭化水素化合物とエステルあるい
はエーテルとの混合油を用いたテトラフルオロエタン用
冷凍機油について記載されている。しかしながら、通常
のアルキルベンゼンをHFC−134a用冷凍機油とし
て用いた場合にはシステム側での特別の工夫が必要であ
り、このような工夫なしに通常のアルキルベンゼンをH
FC−134a冷媒用冷凍システムに用いた場合には、
長期間の運転で冷凍圧縮機の焼付きが発生する可能性の
あることが明らかとなった。
【0006】本発明者らは、加水分解や吸湿性の懸念の
ないアルキルベンゼンに着目し、鋭意研究を重ねた結
果、特定の性状を有するアルキルベンゼンおよび特定の
合成油の混合物をHFC−134a冷媒用冷凍機油とし
て用いることにより、冷凍圧縮機の焼付きが発生せず、
長期にわたって高い信頼性が得られることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0007】さらに本発明者らは、上記の特定性状を有
するアルキルベンゼンと合成油とからなる混合基油にリ
ン酸エステル系化合物を特定量配合することにより、そ
の耐摩耗性、耐荷重性が大きく改善されることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、HFC−1
34aを含有するHFC冷媒と共に用いることのでき
る、冷凍圧縮機の焼付きが発生せず、潤滑性に優れ、か
つ長期にわたって高い信頼性が得られる冷凍機油組成
物、並びにその冷凍機油組成物と、HFC−134aを
含有するHFC冷媒とを含有する冷凍機用流体組成物を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(A)分子量が200〜350のアルキルベンゼンを
(A)成分全量基準で60重量%以上含有するアルキル
ベンゼン、70〜99重量%、および(B)酸素を含有
する合成油、30〜1重量%、からなる、HFC−13
4aを含有するHFC冷媒用冷凍機油である。
【0010】また、本発明は、(A)分子量が200〜
350のアルキルベンゼンを(A)成分全量基準で60
重量%以上含有するアルキルベンゼン、70〜99重量
%、および(B)酸素を含有する合成油、30〜1重量
%、からなる混合基油100重量部に対して、(C)リ
ン酸エステル系化合物、0.005〜5.0重量部を配
合してなる、HFC−134aを含有するHFC冷媒用
冷凍機油組成物である。
【0011】さらに、本発明は、 [I]HFC−134aを含有するHFC冷媒、ならび
に [II](A)分子量が200〜350のアルキルベンゼ
ンを(A)成分全量基準で60重量%以上含有するアル
キルベンゼン、70〜99重量%、および(B)酸素を
含有する合成油、30〜1重量%、からなる冷凍機油を
含有する冷凍機用流体組成物である。
【0012】さらにまた、本発明は、 [I]HFC−134aを含有するHFC冷媒、ならび
に [II](A)分子量が200〜350のアルキルベンゼ
ンを(A)成分全量基準で60重量%以上含有するアル
キルベンゼン、70〜99重量%、および(B)酸素を
含有する合成油、30〜1重量%、からなる混合基油1
00重量部に対して、(C)リン酸エステル系化合物、
0.005〜5.0重量部を配合してなる冷凍機油組成
物を含有する冷凍機用流体組成物である。
【0013】以下、本発明の内容を詳細に説明する。
【0014】本発明の冷凍機油または冷凍機油組成物
(以下、これらを一括して「冷凍機油組成物」という)
の(A)成分は、分子量が200〜350のアルキルベ
ンゼンを(A)成分全量基準で60重量%以上含有する
アルキルベンゼンである。
【0015】アルキルベンゼンとしては、分子量が20
0〜350の成分が(A)成分全量基準で60重量%以
上、好ましくは65重量%以上、さらに好ましくは70
重量%以上、よりさらに好ましくは80重量%以上含有
し、最も好ましくは100重量%であることが必要であ
る。この条件を満たさないアルキルベンゼンを使用した
場合には、長期の運転で冷凍圧縮機が焼付を起こす可能
性があり、信頼性に欠けるので好ましくない。
【0016】また特に長期運転下での冷凍圧縮機の焼付
き防止性により優れる点から、アルキルベンゼンとして
は、分子量が200〜300のアルキルベンゼンを
(A)成分全量基準で好ましくは30重量%以上、より
好ましくは35重量%以上、特に好ましくは40重量%
以上含有しているのが望ましい。
【0017】本発明の冷凍機油組成物の(A)成分であ
るアルキルベンゼンの、分子量が200〜350のアル
キルベンゼンは、その分子量がこの範囲内であれば構造
は任意であるが、冷凍システムの長期信頼性の面から、
炭素数1〜19のアルキル基を1〜4個有し、かつその
アルキル基の合計炭素数が9〜19であるアルキルベン
ゼン(a)であるのが好ましく、さらに炭素数1〜15
のアルキル基を1〜4個有し、かつアルキル基の合計炭
素数が9〜15であるアルキルベンゼンであるのがより
好ましい。
【0018】ここでいう炭素数1〜19のアルキル基と
しては、具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロ
ピル基(すべての異性体を含む)、ブチル基(すべての
異性体を含む)、ペンチル基(すべての異性体を含
む)、ヘキシル基(すべての異性体を含む)、ヘプチル
基(すべての異性体を含む)、オクチル基(すべての異
性体を含む)、ノニル基(すべての異性体を含む)、デ
シル基(すべての異性体を含む)、ウンデシル基(すべ
ての異性体を含む)、ドデシル基(すべての異性体を含
む)、トリデシル基(すべての異性体を含む)、テトラ
デシル基(すべての異性体を含む)、ペンタデシル基
(すべての異性体を含む)、ヘキサデシル基(すべての
異性体を含む)、ヘプタデシル基(すべての異性体を含
む)、オクタデシル基(すべての異性体を含む)、ノナ
デシル基(すべての異性体を含む)などが挙げられる。
【0019】このアルキル基としては直鎖状であって
も、分枝状であっても良いが、安定性、粘度特性などの
点から分枝状アルキル基が好ましく、特に入手可能性の
点から、プロピレン、ブテン、イソブチレンなどのオレ
フィンのオリゴマーから誘導される分枝状アルキル基が
より好ましい。
【0020】上記(a)のアルキルベンゼン中のアルキ
ル基の個数は1〜4個であるが、安定性、入手可能性の
点から1個または2個のアルキル基を有するアルキルベ
ンゼン、すなわちモノアルキルベンゼン、ジアルキルベ
ンゼン、またはこれらの混合物が最も好ましく用いられ
る。
【0021】またもちろんのこと、(a)のアルキルベ
ンゼンとしては、単一の構造のアルキルベンゼンだけで
なく、炭素数1〜19のアルキル基を1〜4個有し、か
つアルキル基の合計炭素数が9〜19であるという条件
を満たすアルキルベンゼンであれば、異なる構造を有す
るアルキルベンゼンの混合物であっても良い。
【0022】また本発明にかかる(A)成分であるアル
キルベンゼンには、分子量が200未満、または分子量
が350を超える成分を(A)成分全量基準で40重量
%未満、好ましくは35重量%未満、さらに好ましくは
30重量%未満含有しても良いが、これらの成分は圧縮
機の長期運転時の際の信頼性の点から、その分子量が3
50を超え、450以下であるアルキルベンゼンである
のが好ましく、分子量が350を超え、430以下であ
るアルキルベンゼンであるのがより好ましい。
【0023】この分子量が350を超え、450以下で
あるアルキルベンゼンは、その分子量がこの範囲内であ
れば構造は任意であるが、安定性、入手可能性の点か
ら、炭素数1〜40のアルキル基を1〜4個有し、かつ
そのアルキル基の合計炭素数が20〜40であるアルキ
ルベンゼン(b)であるのが好ましく、さらに炭素数1
〜30のアルキル基を1〜4個有し、かつアルキル基の
合計炭素数が20〜30であるアルキルベンゼンである
のがより好ましい。
【0024】ここでいう炭素数1〜40のアルキル基と
しては、具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロ
ピル基(すべての異性体を含む)、ブチル基(すべての
異性体を含む)、ペンチル基(すべての異性体を含
む)、ヘキシル基(すべての異性体を含む)、ヘプチル
基(すべての異性体を含む)、オクチル基(すべての異
性体を含む)、ノニル基(すべての異性体を含む)、デ
シル基(すべての異性体を含む)、ウンデシル基(すべ
ての異性体を含む)、ドデシル基(すべての異性体を含
む)、トリデシル基(すべての異性体を含む)、テトラ
デシル基(すべての異性体を含む)、ペンタデシル基
(すべての異性体を含む)、ヘキサデシル基(すべての
異性体を含む)、ヘプタデシル基(すべての異性体を含
む)、オクタデシル基(すべての異性体を含む)、ノナ
デシル基(すべての異性体を含む)、イコシル基(すべ
ての異性体を含む)、ヘンイコシル基(すべての異性体
を含む)、ドコシル基(すべての異性体を含む)、トリ
コシル基(すべての異性体を含む)、テトラコシル基
(すべての異性体を含む)、ペンタコシル基(すべての
異性体を含む)、ヘキサコシル基(すべての異性体を含
む)、ヘプタコシル基(すべての異性体を含む)、オク
タコシル基(すべての異性体を含む)、ノナコシル基
(すべての異性体を含む)、トリアコンチル基(すべて
の異性体を含む)、ヘントリアコンチル基(すべての異
性体を含む)、ドトリアコンチル基(すべての異性体を
含む)、トリトリアコンチル基(すべての異性体を含
む)、テトラトリアコンチル基(すべての異性体を含
む)、ペンタトリアコンチル基(すべての異性体を含
む)、ヘキサトリアコンチル基(すべての異性体を含
む)、ヘプタトリアコンチル基(すべての異性体を含
む)、オクタトリアコンチル基(すべての異性体を含
む)、ノナトリアコンチル基(すべての異性体を含
む)、テトラコンチル基(すべての異性体を含む)など
が挙げられる。
【0025】このアルキル基としては直鎖状であって
も、分枝状であっても良いが、安定性、粘度特性などの
点から分枝状アルキル基が好ましく、特に入手可能性の
点から、プロピレン、ブテン、イソブチレンなどのオレ
フィンのオリゴマーから誘導される分枝状アルキル基が
より好ましい。
【0026】上記(b)のアルキルベンゼン中のアルキ
ル基の個数は1〜4個であるが、安定性、入手可能性の
点から1個または2個のアルキル基を有するアルキルベ
ンゼン、すなわちモノアルキルベンゼン、ジアルキルベ
ンゼン、またはこれらの混合物が最も好ましく用いられ
る。
【0027】またもちろんのこと、(b)のアルキルベ
ンゼンとしては、単一の構造のアルキルベンゼンだけで
なく、炭素数1〜40のアルキル基を1〜4個有し、か
つアルキル基の合計炭素数が20〜40であるという条
件を満たすアルキルベンゼンであれば、異なる構造を有
するアルキルベンゼンの混合物であっても良い。
【0028】本発明の冷凍機油組成物の(A)成分であ
るアルキルベンゼンの粘度は特に限定されないが、好ま
しい動粘度は40℃で3〜50mm2/s、さらに好ま
しくは4〜40mm2/s、特に好ましくは5〜35m
2/sである。
【0029】本発明の冷凍機油組成物の(A)成分であ
るアルキルベンゼンの製造方法は任意であり、何ら限定
されるものでないが、一般に以下に示す合成法によって
製造できる。
【0030】原料となる芳香族化合物としては、具体的
には例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼン、メチルエチルベンゼン、ジエチルベンゼン、お
よびこれらの混合物などが用いられる。またアルキル化
剤としては、具体的には例えば、エチレン、プロピレ
ン、ブテン、イソブチレンなどの低級モノオレフィン、
好ましくはプロピレンの重合によって得られる炭素数6
〜40の直鎖状または分枝状のオレフィン;ワックス、
重質油、石油留分、ポリエチレン、ポリプロピレンなど
の熱分解によって得られる炭素数6〜40の直鎖状また
は分枝状のオレフィン;灯油、軽油などの石油留分から
n−パラフィンを分離し、これを触媒によりオレフィン
化することによって得られる炭素数6〜40の直鎖状オ
レフィン;およびこれらの混合物などが使用できる。
【0031】またアルキル化の際のアルキル化触媒とし
ては、塩化アルミニウム、塩化亜鉛などのフリーデルク
ラフツ型触媒;硫酸、リン酸、ケイタングステン酸、フ
ッ化水素酸、活性白土などの酸性触媒;など、公知の触
媒が用いられる。
【0032】本発明の冷凍機油組成物の(A)成分であ
るアルキルベンゼンは、例えば別個に製造した分子量が
200〜350の成分と分子量が200未満、または分
子量が350を超える成分を本発明で規定する範囲内の
比率で混合して得ることもできるが、上記に例示したよ
うな方法によって得られるアルキルベンゼン混合物や市
販されているアルキルベンゼン混合物を蒸留やクロマト
によって分離し、分子量が200〜350の成分を60
重量%以上含有する留分を得る方法が、実用上便利であ
る。
【0033】一方、本発明の冷凍機油組成物の(B)成
分は、酸素を含有する合成油である。(B)成分として
好ましい合成油は、具体的には、エステル、ポリグリコ
ール、ケトン、ポリフェニルエーテル、シリコーン、ポ
リシロキサン、パーフルオロエーテルなどが例示される
が、(c)エステル、(d)ポリグリコール、(e)ケ
トン、およびこれらの混合物などがより好ましく用いら
れる。
【0034】ここでいう(c)エステルとしては、例え
ば、二塩基酸エステル、ポリオールエステル、コンプレ
ックスエステル、ポリオール炭酸エステルおよびこれら
の混合物などが例示される。
【0035】二塩基酸エステルとしては、グルタル酸、
アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、
セバシン酸などの炭素数5〜10の二塩基酸と、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタ
ノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、
ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノー
ル、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノ
ールなどの直鎖または分枝アルキル基を有する炭素数1
〜15の一価アルコールとのエステルおよびこれらの混
合物が好ましく用いられ、より具体的には例えば、ジト
リデシルグルタレート、ジ2−エチルヘキシルアジペー
ト、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペー
ト、ジ2ーエチルヘキシルセバケート、およびこれらの
混合物などが挙げられる。
【0036】またポリオールエステルとしては、ジオー
ルあるいは水酸基を3〜20個有するポリオールと、炭
素数6〜20の脂肪酸とのエステルが好ましく用いられ
る。ここで、ジオールとしては、具体的には例えば、エ
チレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブ
タンジオール、2ーメチル−1,3−プロパンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−2−メチ
ル−1,3−プロパンジオール、1,7−ヘプタンジオ
ール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジ
オール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオー
ル、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオー
ル、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカン
ジオール、1,12−ドデカンジオールなどが挙げられ
る。ポリオールとしては、具体的には例えば、トリメチ
ロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロー
ルブタン、ジ−(トリメチロールプロパン)、トリ−
(トリメチロールプロパン)、ペンタエリスリトール、
ジ−(ペンタエリスリトール)、トリ−(ペンタエリス
リトール)、グリセリン、ポリグリセリン(グリセリン
の2〜20量体)、1,3,5ーペンタントリオール、
ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮
合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マ
ンニトールなどの多価アルコール、キシロース、アラビ
ノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクト
ース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビ
オース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、
シュクロース、ラフィノース、ゲンチアノース、メレジ
トースなどの糖類、ならびにこれらの部分エーテル化
物、およびメチルグルコシド(配糖体)などが挙げられ
る。脂肪酸としては、具体的には例えば、ペンタン酸、
ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカ
ン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テト
ラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタ
デカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、エイコサン
酸、オレイン酸などの直鎖または分枝のもの、あるいは
α炭素原子が4級であるいわゆるネオ酸などが挙げられ
る。さらに具体的には、吉草酸、イソペンタン酸、カプ
リン酸、ペラルゴン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エ
チルペンタン酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、
ノルマルノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸
などがより好ましい。ポリオールエステルは、遊離の水
酸基を有していてもよい。なお、特に好ましいものとし
ては、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、
ジ−(トリメチロールプロパン)、トリ−(トリメチロ
ールプロパン)、ペンタエリスリトール、ジ−(ペンタ
エリスリトール)、トリ−(ペンタエリスリトール)な
どのヒンダードアルコールのエステルで、具体的には例
えば、ネオペンチルグリコール2−エチルヘキサノエー
ト、トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロ
ールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール2
−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラル
ゴネート、およびこれらの混合物などが挙げられる。
【0037】またコンプレックスエステルとは、脂肪酸
および二塩基酸と、一価アルコールおよびポリオールと
のエステルのことであり、脂肪酸、二塩基酸、一価アル
コール、ポリオールとしては、二塩基酸エステルおよび
ポリオールエステルのところで例示したものと同様のも
のが使用できる。
【0038】またポリオール炭酸エステルとは、炭酸と
一価アルコールおよびポリオールとのエステルのことで
あり、ここでいう一価アルコールおよびポリオールとし
ては、先に例示したものと同様のもの、ジオールを単独
重合あるいは共重合したポリグリコール、あるいは先に
例示したポリオールにポリグリコールを付加したものな
どが使用できる。
【0039】一方、上記でいう(d)ポリグリコールと
しては、ポリアルキレングリコール、そのエーテル化
物、およびそれらの変性化合物などが好ましく使用され
る。
【0040】ポリアルキレングリコールとしては、エチ
レンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド
などのアルキレンオキシドを単独重合あるいは共重合し
たものが用いられる。なお、ポリアルキレングリコール
において、構造の異なったアルキレンオキシドが共重合
している場合、オキシアルキレン基の重合形式に特に制
限はなく、ランダム共重合していても、ブロック共重合
していてもよい。
【0041】またポリアルキレングリコールのエーテル
化物とは上記のポリアルキレングリコールの水酸基をエ
ーテル化したものである。ポリアルキレングリコールの
エーテル化物の具体例としては、モノメチルエーテル、
モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチ
ルエーテル、モノペンチルエーテル、モノヘキシルエー
テル、モノヘプチルエーテル、モノオクチルエーテル、
モノノニルエーテル、モノデシルエーテル、ジメチルエ
ーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブ
チルエーテル、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテ
ル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル、ジノニ
ルエーテル、ジデシルエーテルなどが挙げられる。
【0042】またポリグリコールの変性化合物として
は、ポリオールのアルキレンオキシド付加物、あるいは
そのエーテル化物などが挙げられる。ここでいうポリオ
ールとしては、ポリオールエステルのところで例示した
ものと同様のものが使用できる。
【0043】一方、上記でいう(e)ケトンとしては、
具体的には、一般式
【0044】
【化1】 で表される基を分子内に1個以上有する化合物のことを
意味している。
【0045】さらに具体的には、以下の(1)式、
(2)式、(3)式で表されるケトン化合物、およびこ
れらの化合物の混合物などが好ましい化合物として挙げ
られる。
【0046】
【化2】 上記(1)式中、Xは炭素数6〜50、好ましくは炭素
数6〜20のm+n価の芳香族環、またはアルキル基置
換芳香族環を示し、R1およびR2は同一でも異なってい
ても良く、それぞれ炭素数1〜50、好ましくは炭素数
1〜30の炭化水素基、好ましくはアルキル基、フェニ
ル基又はアルキルフェニル基を示し、mおよびnは同一
でも異なっていても良く、それぞれ1〜20、好ましく
は1〜10の整数を示している。
【0047】Xとして好ましい芳香族環としては、具体
的には例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセ
ン環、フェナントレン環、およびこれらの芳香族環の水
素原子の1個または複数個が炭素数1〜20のアルキル
基で置換されたアルキル置換芳香族環が挙げられる。
【0048】また、R1およびR2として好ましい基とし
ては、具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピ
ル基(すべての異性体を含む)、ブチル基(すべての異
性体を含む)、ペンチル基(すべての異性体を含む)、
ヘキシル基(すべての異性体を含む)、ヘプチル基(す
べての異性体を含む)、オクチル基(すべての異性体を
含む)、ノニル基(すべての異性体を含む)、デシル基
(すべての異性体を含む)、ウンデシル基(すべての異
性体を含む)、ドデシル基(すべての異性体を含む)、
トリデシル基(すべての異性体を含む)、テトラデシル
基(すべての異性体を含む)、ペンタデシル基(すべて
の異性体を含む)、ヘキサデシル基(すべての異性体を
含む)、ヘプタデシル基(すべての異性体を含む)、オ
クタデシル基(すべての異性体を含む)、ノナデシル基
(すべての異性体を含む)、イコシル基(すべての異性
体を含む)、ヘンイコシル基(すべての異性体を含
む)、ドコシル基(すべての異性体を含む)、トリコシ
ル基(すべての異性体を含む)、テトラコシル基(すべ
ての異性体を含む)、ペンタコシル基(すべての異性体
を含む)、ヘキサコシル基(すべての異性体を含む)、
ヘプタコシル基(すべての異性体を含む)、オクタコシ
ル基(すべての異性体を含む)、ノナコシル基(すべて
の異性体を含む)、トリアコンチル基(すべての異性体
を含む)、フェニル基、トリル基(すべての異性体を含
む)、キシリル基(すべての異性体を含む)、エチルフ
ェニル基(すべての異性体を含む)、プロピルフェニル
(すべての異性体を含む)、エチルメチルフェニル基
(すべての異性体を含む)、ブチルフェニル基(すべて
の異性体を含む)、ジエチルフェニル基(すべての異性
体を含む)、ペンチルフェニル基(すべての異性体を含
む)、ヘキシルフェニル基(すべての異性体を含む)、
ヘプチルフェニル基(すべての異性体を含む)、オクチ
ルフェニル基(すべての異性体を含む)、ノニルフェニ
ル基(すべての異性体を含む)、デシルフェニル基(す
べての異性体を含む)、ウンデシルフェニル基(すべて
の異性体を含む)、ドデシルフェニル基(すべての異性
体を含む)、トリデシルフェニル基(すべての異性体を
含む)、テトラデシルフェニル基(すべての異性体を含
む)、ペンタデシルフェニル基(すべての異性体を含
む)、ヘキサデシルフェニル基(すべての異性体を含
む)、ヘプタデシルフェニル基(すべての異性体を含
む)、オクタデシルフェニル基(すべての異性体を含
む)、ノナデシルフェニル基(すべての異性体を含
む)、イコシルフェニル基(すべての異性体を含む)、
ヘンイコシルフェニル基(すべての異性体を含む)、ド
コシルフェニル基(すべての異性体を含む)、トリコシ
ルフェニル基(すべての異性体を含む)、テトラコシル
フェニル基(すべての異性体を含む)などが挙げられ
る。
【0049】
【化3】 上記(2)式中、R3およびR5は同一でも異なっていて
も良く、それぞれ炭素数1〜50、好ましくは炭素数1
〜30の炭化水素基、好ましくはアルキル基、フェニル
基またはアルキルフェニル基を示し、R4は炭素数1〜
19、好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基を示
し、oは1〜5、好ましくは1〜3の整数を示してい
る。
【0050】R3およびR5として好ましい基としては、
具体的には例えば、前記(1)式で表される化合物中の
1およびR2として好ましい基として列挙したアルキル
基、フェニル基またはアルキルフェニル基などが挙げら
れる。
【0051】また、R4として好ましいアルキレン基と
しては、具体的には例えば、メチレン基、エチレン基
(すべての異性体を含む)、プロピレン基(すべての異
性体を含む)、ブチレン基(すべての異性体を含む)、
ペンチレン基(すべての異性体を含む)、ヘキシレン基
(すべての異性体を含む)、ヘプチレン基(すべての異
性体を含む)、オクチレン基(すべての異性体を含
む)、ノニレン基(すべての異性体を含む)、デシレン
基(すべての異性体を含む)などが挙げられる。
【0052】
【化4】 上記(3)式中、Aは1〜20価のアルコール残基を示
し、R6、R7およびR8は同一でも異なっていても良
く、それぞれ炭素数1〜4のアルキレン基を示し、R9
は炭素数1〜50、好ましくは炭素数1〜30の炭化水
素基、好ましくはアルキル基、フェニル基またはアルキ
ルフェニル基を示し、pおよびqは同一でも異なってい
ても良く、それぞれ0〜30、好ましくは0〜20の整
数を示し、rは1〜20の整数を示している。
【0053】Aで表されるアルコール残基のアルコール
として好ましいものとしては、具体的には例えば、メタ
ノール、エタノール、プロパノール(すべての異性体を
含む)、ブタノール(すべての異性体を含む)、ペンタ
ノール(すべての異性体を含む)、ヘキサノール(すべ
ての異性体を含む)、ヘプタノール(すべての異性体を
含む)、オクタノール(すべての異性体を含む)、ノナ
ノール(すべての異性体を含む)、デカノール(すべて
の異性体を含む)、ウンデカノール(すべての異性体を
含む)、ドデカノール(すべての異性体を含む)、トリ
デカノール(すべての異性体を含む)、テトラデカノー
ル(すべての異性体を含む)、ペンタデカノール(すべ
ての異性体を含む)、ヘキサデカノール(すべての異性
体を含む)、ヘプタデカノール(すべての異性体を含
む)、オクタデカノール(すべての異性体を含む)、ノ
ナデカノール(すべての異性体を含む)、イコサノール
(すべての異性体を含む)、ヘンイコサノール(すべて
の異性体を含む)、ドコサノール(すべての異性体を含
む)、トリコサノール(すべての異性体を含む)、テト
ラコサノール(すべての異性体を含む)などの脂肪族一
価アルコール;エチレングリコール、1,3−プロパン
ジオール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、1,2−ブタンジオール、2−メチル−1,3−
プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−エ
チル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,7
−ヘプタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,
3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プ
ロパンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−
ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11
−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオールな
どのジオール;トリメチロールエタン、トリメチロール
プロパン、トリメチロールブタン、ジ−(トリメチロー
ルプロパン)、トリ−(トリメチロールプロパン)、ペ
ンタエリスリトール、ジ−(ペンタエリスリトール)、
トリ−(ペンタエリスリトール)、グリセリン、ポリグ
リセリン(グリセリンの2〜20量体)、1,3,5−
ペンタントリオール、ソルビトール、ソルビタン、ソル
ビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトー
ル、キシリトール、マンニトールなどの多価アルコー
ル、キシロース、アラビノース、リボース、ラムノー
ス、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノ
ース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマ
ルトース、トレハロース、シュクロース、ラフィノー
ス、ゲンチアノース、メレジトースなどの糖類などのポ
リオール;ならびにこれらの部分エーテル化物、および
メチルグルコシド(配糖体)などが挙げられる。
【0054】また、R6、R7およびR8として好ましい
アルキレン基としては、具体的には例えば、メチレン
基、エチレン基(すべての異性体を含む)、プロピレン
基(すべての異性体を含む)、ブチレン基(すべての異
性体を含む)などが挙げられる。
【0055】またR9として好ましい基としては、具体
的には例えば、前記(1)式で表される化合物中のR1
およびR2として好ましい基として列挙したアルキル
基、フェニル基またはアルキルフェニル基などが挙げら
れる。
【0056】(A)および(B)成分からなる本発明の
冷凍機油(混合基油)における(A)成分の配合量の下
限は、(A)成分と(B)成分の合計量基準で70重量
%以上、好ましくは75重量%以上、より好ましくは8
0重量%以上である(すなわち、(B)成分の配合量の
上限は、(A)成分と(B)成分の合計量基準で30重
量%以下、好ましくは25重量%以下、より好ましくは
20重量%以下となる)。
【0057】一方、(A)成分の配合量の上限は、
(A)成分と(B)成分の合計量基準で99重量%以
下、好ましくは95重量%以下、より好ましくは90重
量%以下である(すなわち、(B)成分の配合量の下限
は、(A)成分と(B)成分の合計量基準で1重量%以
上、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量
%以上となる)。
【0058】(A)成分の配合量の下限が(A)成分と
(B)成分の合計量基準で70重量%未満の場合には、
冷凍圧縮機の長期信頼性に欠けるため好ましくない。一
方、(A)成分の配合量の上限が(A)成分と(B)成
分の合計量基準で99重量%を超える場合には、冷凍シ
ステムにおける冷凍機油の油戻り性が悪化するため好ま
しくない。
【0059】本発明における冷凍機油は上記の(A)ア
ルキルベンゼンおよび(B)酸素を含有する合成油の混
合物からなるものであり、添加剤未添加の状態でもHF
C−134aを含有するHFC冷媒用冷凍機油として好
適に用いることができるが、必要に応じて各種添加剤を
配合した冷凍機油組成物の形で使用することもできる。
【0060】特に本発明の冷凍機油組成物の耐摩耗性、
耐荷重性をさらに改良するために、(C)リン酸エステ
ル系化合物を配合するのが好ましい。なお、ここでいう
(C)リン酸エステル系化合物とは、リン酸エステル、
酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩、
塩素化リン酸エステルおよび亜リン酸エステルからなる
群より選ばれる少なくとも1種の化合物を意味してい
る。
【0061】これらのリン酸エステル系化合物は、リン
酸または亜リン酸とアルカノール、ポリエーテル型アル
コールとのエステルあるいはこの誘導体である。
【0062】具体的には例えば、リン酸エステルとして
は、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェー
ト、トリヘキシルホスフェート、トリヘプチルホスフェ
ート、トリオクチルホスフェート、トリノニルホスフェ
ート、トリデシルホスフェート、トリウンデシルホスフ
ェート、トリドデシルホスフェート、トリトリデシルホ
スフェート、トリテトラデシルホスフェート、トリペン
タデシルホスフェート、トリヘキサデシルホスフェー
ト、トリヘプタデシルホスフェート、トリオクタデシル
ホスフェート、トリオレイルホスフェート、トリフェニ
ルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシ
レニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェー
ト、キシレニルジフェニルホスフェートなどが挙げられ
る。酸性リン酸エステルとしては、モノブチルアシッド
ホスフェート、モノペンチルアシッドホスフェート、モ
ノヘキシルアシッドホスフェート、モノヘプチルアシッ
ドホスフェート、モノオクチルアシッドホスフェート、
モノノニルアシッドホスフェート、モノデシルアシッド
ホスフェート、モノウンデシルアシッドホスフェート、
モノドデシルアシッドホスフェート、モノトリデシルア
シッドホスフェート、モノテトラデシルアシッドホスフ
ェート、モノペンタデシルアシッドホスフェート、モノ
ヘキサデシルアシッドホスフェート、モノヘプタデシル
アシッドホスフェート、モノオクタデシルアシッドホス
フェート、モノオレイルアシッドホスフェート、ジブチ
ルアシッドホスフェート、ジペンチルアシッドホスフェ
ート、ジヘキシルアシッドホスフェート、ジヘプチルア
シッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェー
ト、ジノニルアシッドホスフェート、ジデシルアシッド
ホスフェート、ジウンデシルアシッドホスフェート、ジ
ドデシルアシッドホスフェート、ジトリデシルアシッド
ホスフェート、ジテトラデシルアシッドホスフェート、
ジペンタデシルアシッドホスフェート、ジヘキサデシル
アシッドホスフェート、ジヘプタデシルアシッドホスフ
ェート、ジオクタデシルアシッドホスフェート、ジオレ
イルアシッドホスフェートなどが挙げられる。酸性リン
酸エステルのアミン塩としては、前記酸性リン酸エステ
ルのメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブ
チルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチ
ルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチル
アミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチ
ルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオ
クチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、
トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチル
アミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、ト
リオクチルアミンなどのアミンとの塩が挙げられる。塩
素化リン酸エステルとしては、トリス・ジクロロプロピ
ルホスフェート、トリス・クロロエチルホスフェート、
トリス・クロロフェニルホスフェート、ポリオキシアル
キレン・ビス[ジ(クロロアルキル)]ホスフェートな
どが挙げられる。亜リン酸エステルとしては、ジブチル
ホスファイト、ジペンチルホスファイト、ジヘキシルホ
スファイト、ジヘプチルホスファイト、ジオクチルホス
ファイト、ジノニルホスファイト、ジデシルホスファイ
ト、ジウンデシルホスファイト、ジドデシルホスファイ
ト、ジオレイルホスファイト、ジフェニルホスファイ
ト、ジクレジルホスファイト、トリブチルホスファイ
ト、トリペンチルホスファイト、トリヘキシルホスファ
イト、トリヘプチルホスファイト、トリオクチルホスフ
ァイト、トリノニルホスファイト、トリデシルホスファ
イト、トリウンデシルホスファイト、トリドデシルホス
ファイト、トリオレイルホスファイト、、トリフェニル
ホスファイト、トリクレジルホスファイトなどが挙げら
れる。また、これらの混合物も使用できる。
【0063】これらの(C)リン酸エステル系化合物を
本発明の冷凍機油組成物に配合する場合、その配合量は
任意であるが、通常、(A)アルキルベンゼンおよび
(B)酸素を含有する合成油の合計100重量部に対し
て好ましくは0.005〜5.0重量部、より好ましく
は0.01〜3.0重量部である。
【0064】(C)リン酸エステル系化合物の配合量が
(A)成分および(B)成分の合計100重量部に対し
て0.005重量部未満の場合はリン酸エステル系化合
物の配合による耐摩耗性、耐荷重性の向上効果に乏し
く、一方、その配合量が(A)成分および(B)成分の
合計100重量部に対して5.0重量部を超える場合は
長期にわたって使用した場合に冷凍システム内に腐食が
発生する恐れがあるため、好ましくない。
【0065】これらのリン酸エステル系化合物の配合に
よってその耐摩耗性、耐荷重性が大きく改善されること
は本発明の冷凍機油組成物の特徴の一つである。HFC
用冷凍機油として知られているPAG(ポリアルキレン
グリコール)やエステルを単独で用いた場合には、リン
酸エステル系化合物の配合によって耐摩耗性、耐荷重性
のある程度までの改善は見られるものの、その効果は本
発明の冷凍機油組成物と比較すると極めて小さいもので
ある。
【0066】また、本発明の冷凍機油組成物において、
その安定性をさらに改良するために、 フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物 アルキルグリシジルエーテル型エポキシ化合物 グリシジルエステル型エポキシ化合物 アリルオキシラン化合物 アルキルオキシラン化合物 脂環式エポキシ化合物 エポキシ化脂肪酸モノエステル エポキシ化植物油 からなる群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合
物を配合することができる。
【0067】フェニルグリシジルエーテル型エポキシ
化合物としては、具体的には、フェニルグリシジルエー
テルまたはアルキルフェニルグリシジルエーテルが例示
できる。ここでいうアルキルフェニルグリシジルエーテ
ルとは、炭素数1〜13のアルキル基を1〜3個有する
ものであり、中でも炭素数4〜10のアルキル基を1個
有するもの、例えばn−ブチルフェニルグリシジルエー
テル、i−ブチルフェニルグリシジルエーテル、sec
−ブチルフェニルグリシジルエーテル、tert−ブチ
ルフェニルグリシジルエーテル、ペンチルフェニルグリ
シジルエーテル、ヘキシルフェニルグリシジルエーテ
ル、ヘプチルフェニルグリシジルエーテル、オクチルフ
ェニルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシジル
エーテル、デシルフェニルグリシジルエーテルなどが例
示できる。
【0068】アルキルグリシジルエーテル型エポキシ
化合物としては、具体的には、デシルグリシジルエーテ
ル、ウンデシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジ
ルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、テトラデ
シルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジ
ルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエー
テル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテ
ル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ソル
ビトールポリグリシジルエーテル、ポリアルキレングリ
コールモノグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコ
ールジグリシジルエーテルなどが例示できる。
【0069】グリシジルエステル型エポキシ化合物と
しては、具体的には、フェニルグリシジルエステル、ア
ルキルグリシジルエステル、アルケニルグリシジルエス
テルなどが挙げられ、好ましいものとしては、グリシジ
ル2,2−ジメチルオクタノエート、グリシジルベンゾ
エート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリ
レートなどが例示できる。
【0070】アリルオキシランとしては、具体的に
は、1,2−エポキシスチレン、アルキル−1,2−エ
ポキシスチレンなどが例示できる。
【0071】アルキルオキシランとしては、具体的に
は、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシペンタ
ン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシヘプ
タン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシノ
ナン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシウン
デカン、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシ
トリデカン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−
エポキシペンタデカン、1,2−エポキシヘキサデカ
ン、1,2−エポキシヘプタデカン、1,1,2−エポ
キシオクタデカン、2−エポキシノナデカン、1,2−
エポキシイコサンなどが例示できる。
【0072】脂環式エポキシ化合物としては、具体的
には、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポ
キシシクロペンタン、3,4−エポキシシクロヘキシル
メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレ
ート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)
アジペート、エキソ−2,3−エポキシノルボルナン、
ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメ
チル)アジペート、2−(7−オキサビシクロ[4.
1.0]ヘプト−3−イル)−スピロ(1,3−ジオキ
サン−5,3’−[7]オキサビシクロ[4.1.0]
ヘプタン、4−(1’−メチルエポキシエチル)−1,
2−エポキシ−2−メチルシクロヘキサン、4−エポキ
シエチル−1,2−エポキシシクロヘキサンなどが例示
できる。
【0073】エポキシ化脂肪酸モノエステルとして
は、具体的には、エポキシ化された炭素数12〜20の
脂肪酸と炭素数1〜8のアルコールまたはフェノール、
アルキルフェノールとのエステルなどが例示できる。特
にエポキシステアリン酸のブチル、ヘキシル、ベンジ
ル、シクロヘキシル、メトキシエチル、オクチル、フェ
ニルおよびブチルフェニルエステルが好ましく用いられ
る。
【0074】エポキシ化植物油としては、具体的に
は、大豆油、アマニ油、綿実油等の植物油のエポキシ化
合物などが例示できる。
【0075】これらのエポキシ化合物の中でも好ましい
ものは、フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合
物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、脂環式エポ
キシ化合物およびエポキシ化脂肪酸モノエステルであ
る。中でもフェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合
物およびグリシジルエステル型エポキシ化合物がより好
ましく、フェニルグリシジルエーテル、ブチルフェニル
グリシジルエーテルまたはアルキルグリシジルエステル
もしくはこれらの混合物が特に好ましい。
【0076】これらのエポキシ化合物を本発明の冷凍機
油組成物に配合する場合、その配合量は任意であるが、
通常、(A)アルキルベンゼンおよび(B)酸素を含有
する合成油の合計100重量部に対して好ましくは0.
1〜5.0重量部%、より好ましくは0.2〜2.0重
量部である。
【0077】また、上記リン酸エステル系化合物および
エポキシ化合物を2種以上併用してもよいことは勿論で
ある。
【0078】さらに本発明における冷凍機油組成物に対
して、その性能をさらに高めるため、必要に応じて従来
より公知の冷凍機油添加剤、例えばジ−tert−ブチ
ル−p−クレゾール、ビスフェノールA等のフェノール
系、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N−ジ(2−
ナフチル)−p−フェニレンジアミン等のアミン系など
の酸化防止剤、ジチオリン酸亜鉛などの摩耗防止剤、塩
素化パラフィン、硫黄化合物等の極圧剤、脂肪酸等の油
性剤、シリコーン系等の消泡剤、ベンゾトリアゾール等
の金属不活性化剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、清
浄分散剤等の添加剤を単独で、または数種類組み合わせ
て配合することも可能である。これらの添加剤の合計配
合量は、通常、(A)アルキルベンゼンおよび(B)酸
素を含有する合成油の合計100重量部に対して好まし
くは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下であ
る。
【0079】本発明の冷凍機油組成物を用いる冷凍機に
用いられる冷媒としては、炭素数1〜3、好ましくは1
〜2のフッ化アルカンで、1,1,1,2−テトラフル
オロエタン(HFC−134a)を50重量%以上(た
だしHFC−125を20重量%以上含む場合を除く)
含むものである。
【0080】HFC−134aに混合できるHFC(ハ
イドロフルオロカーボン)は特に限定されないが、具体
的には例えば、トリフルオロメタン(HFC−23)、
ジフルオロメタン(HFC−32)、ペンタフルオロエ
タン(HFC−125)、1,1,2,2−テトラフル
オロエタン(HFC−134)、1,1,1−トリフル
オロエタン(HFC−143a)、1,1−ジフルオロ
エタン(HFC−152a)などのHFCが挙げられ
る。
【0081】本発明でいうHFC−134aを含有する
HFC冷媒としては、より具体的には例えば、HFC−
134a単独;HFC−134a/HFC−32=60
〜80重量%/40〜20重量%の混合物;HFC−1
34a/HFC−32/HFC−125=50〜70重
量%/15〜35重量%/5〜19.99重量%の混合
物;などが挙げられる。
【0082】本発明に係る冷凍機油組成物は、通常、冷
凍機中においては上述したようなフッ化アルカンと混合
された冷凍機用流体組成物の形で存在している。この流
体組成物における冷凍機油組成物と冷媒との配合割合は
任意であるが、通常、冷媒100重量部に対して冷凍機
油組成物1〜500重量部、好ましくは2〜400重量
部である。
【0083】本発明の冷凍機油組成物は、その優れた電
気特性や低い吸湿性から、往復動式や回転式の密閉型圧
縮機を有するエアコンや冷蔵庫に特に好ましく用いられ
る。また自動車用エアコンや除湿機、冷凍庫、冷凍冷蔵
倉庫、自動販売機、ショーケース、化学プラント等の冷
却装置等に特に好ましく用いられる。また、遠心式の圧
縮機を有するものにも好ましく用いられる。
【0084】
【実施例】以下,実施例と比較例により,この発明の内
容を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例
に何ら限定されるものではない。
【0085】
【実施例1〜24および比較例1〜13】実施例・比較
例に用いた基油の性状を表1に、また添加剤の内容を表
2に示す。なお、アルキルベンゼン混合物の分子量分布
については、マススペクトルによって測定した。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】表3及び表4に示す組成により、本発明に
かかる冷凍機油組成物を調製し、これらの冷凍機油組成
物について、以下に示す長期運転性の評価試験を行い、
その結果を表3及び表4に示した(実施例1〜24)。 [評価試験1]冷房能力2.5kwの家庭用ルームエア
コンを用い、試験油350gおよびHFC−134a/
HFC−32=70重量%/30重量%の混合冷媒10
00gを充填し、雰囲気温度43℃に保った恒温室に入
れ、エアコンの温度設定を25℃として500時間の連
続運転を行い、運転性の評価を行った。 [評価試験2]有効内容積約300Lの家庭用3ドア冷
蔵庫を用い、試験油150gおよびHFC−134a1
80gを充填し、雰囲気温度43℃に保った恒温室に入
れ、冷凍室−18℃、冷蔵室3℃に設定し500時間の
連続運転を行い、運転性の評価を行った。 [評価試験3]性能評価試験1および性能評価試験2に
おいてともに良好な性能を示した試験油について、ロー
リングピストン型コンプレッサを用い、試験油70gお
よびHFC−134a50gを充填し、吐出圧16kg
f/cm2G、吸入圧0kgf/cm2G、回転数300
0rpm、試験温度160℃の条件で1000時間の連
続運転を行い、1000時間経過後のコンプレッサのベ
ーンの摺動表面の表面あらさを測定した。
【0089】また比較のため、表5の組成に従って
(A)成分として分子量が200〜350の成分の含有
量が(A)成分全量基準で60重量%未満のアルキルベ
ンゼン混合物を用いた場合(比較例1〜4)、(A)成
分として精製ナフテン系鉱油を用いた場合(比較例
5)、基油として(B)成分のみを用いた場合(比較例
6〜9)および(B)成分の配合比率が本発明の範囲外
である場合(比較例10〜13)についても冷凍機油組
成物を調製して同じ評価試験を行い、その結果も第5表
に併記した。
【0090】
【表3】
【0091】
【表4】
【0092】
【表5】
【0093】
【実施例25〜28および比較例14〜17】表6に示
す組成により、本発明にかかる冷凍機油組成物を調製
し、これらの冷凍機油組成物について、以下に示す油戻
り性試験を行い、その結果を表6に示した(実施例25
〜28)。 [油戻り性試験]図1に示す実験装置を用い、長さ1.
5m、内径0.0036mの銅管の恒温槽につかってい
る部分に油を5.0g充填し、恒温槽の温度を−20℃
に設定し、HFC−134aを毎分0.001m3の流
量にて流し、30分後に油受けに溜まった油量を測定
し、以下の式に従って油戻り率を算出した。
【0094】油戻り率(重量%)=(油受けに溜まった
油量(g)/5.0(g))×100
【0095】また比較のため、表6の組成に従って冷凍
機油の基油として(A)成分のみを用いた場合について
も同じ評価試験を行い、その結果も表6に併記した(比
較例14〜17)。
【0096】
【表6】
【0097】表3及び表4の性能評価試験の結果から明
らかなとおり、本発明にかかる冷凍機油組成物は、冷凍
圧縮機の焼付きが発生せず、潤滑性に優れ、かつ長期に
わたって高い信頼性が得られることをがわかる。
【0098】また特に実施例18〜24の冷凍機油組成
物はさらに(C)リン酸エステル系化合物を配合した場
合であるが、実施例1〜17の冷凍機油と比較してコン
プレッサのベーンの摺動表面の表面あらさが大きく改善
されており、リン酸エステル系化合物がその耐摩耗性向
上に対して非常に効果的であることが明らかである。
【0099】それに対して表5に示す比較例1〜4の冷
凍機油組成物は、(A)成分として分子量が200〜3
50のアルキルベンゼンの含有量が(A)成分全量基準
で60重量%未満のアルキルベンゼン混合物を用いた場
合であるが、冷凍圧縮機の焼付きが発生し、長期にわた
る信頼性が得られないものである。またこの焼付きは、
リン酸エステル系化合物などの配合によっても改善され
ない。この傾向は(A)成分としてナフテン系鉱油を用
いた比較例5においても同様である。
【0100】また、比較例6は冷凍機油の基油として
(B)成分のペンタエリスリトールエステルを単独で用
いた場合、および比較例8は冷凍機油の基油として
(B)成分のポリプロピレングリコールモノアルキルエ
ーテルを単独で用いた場合であるが、冷凍圧縮機の焼付
きは発生しないものの、耐摩耗性において本発明の冷凍
機油より大きく劣るものである。
【0101】さらに比較例7および比較例9は、比較例
6および比較例8の冷凍機油にさらに(C)リン酸エス
テル系化合物を配合した場合であるが、その耐摩耗性は
ほとんど改善されておらず、本発明の冷凍機油組成物に
おける基油((A)成分と(B)成分)と(C)リン酸
エステル系化合物との相乗効果が明らかである。
【0102】一方、表6の油戻り性試験の結果から明ら
かなとおり、本発明にかかる冷凍機油組成物は、基油と
して(A)成分のみを用いた比較例14〜17と比較し
て冷凍機油の油戻り性において優れていることがわか
る。
【0103】
【発明の効果】本発明によって、HFC−134aを含
有するHFC冷媒と共に用いた場合であっても、冷凍圧
縮機の焼付きが発生せず、潤滑性に優れ、かつ長期にわ
たって高い信頼性が得られる冷凍機油組成物が提供され
る。従って、本発明の冷凍機油組成物はHFC−134
aを含有するHFC冷媒と共に用いる冷凍機油組成物と
して非常に有用であり、本発明によって上記本発明の冷
凍機油組成物と、HFC−134aを含有するHFC冷
媒とを含有する冷凍機用流体組成物を得ることが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 評価試験4に用いた試験装置である。
【符号の説明】
1:冷媒タンク、2:銅配管、3:流量計、4、6:圧
力計、5:恒温槽、7:油受。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年6月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正内容】
【0086】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 105:20 137:04 131:04) C10N 40:30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)分子量が200〜350のアルキル
    ベンゼンを(A)成分全量基準で60重量%以上含有す
    るアルキルベンゼン、70〜99重量%、および、 (B)酸素を含有する合成油、30〜1重量%、からな
    る、HFC−134aを含有するHFC冷媒用冷凍機
    油。
  2. 【請求項2】(A)分子量が200〜350のアルキル
    ベンゼンを(A)成分全量基準で60重量%以上含有す
    るアルキルベンゼン、70〜99重量%、および、 (B)酸素を含有する合成油、30〜1重量%、からな
    る混合基油100重量部に対して、 (C)リン酸エステル系化合物、0.005〜5.0重
    量部を配合してなる、HFC−134aを含有するHF
    C冷媒用冷凍機油組成物。
  3. 【請求項3】[I]HFC−134aを含有するHFC
    冷媒、ならびに、 [II](A)分子量が200〜350のアルキルベンゼ
    ンを(A)成分全量基準で60重量%以上含有するアル
    キルベンゼン、70〜99重量%、 および、(B)酸素を含有する合成油、30〜1重量
    %、 からなる冷凍機油を含有する冷凍機用流体組成物。
  4. 【請求項4】[I]HFC−134aを含有するHFC
    冷媒、ならびに、 [II](A)分子量が200〜350のアルキルベンゼ
    ンを(A)成分全量基準で60重量%以上含有するアル
    キルベンゼン、70〜99重量%、 および、(B)酸素を含有する合成油、30〜1重量
    %、 からなる混合基油100重量部に対して、(C)リン酸
    エステル系化合物、0.005〜5.0重量部を配合し
    てなる冷凍機油組成物を含有する冷凍機用流体組成物。
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