JPH084841Y2 - コンバインカッター - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ディスク型カッターの交換が容易に行われ
るように改善したコンバインカッターに関する。

［従来の技術］ 近年、コンバインにおける脱穀調整作業の選別能率が
向上したことにより、選別機構が小型化されるととも
に、選別機構の排塵口が、圃場における稲の未刈部より
遠い側に形成されるようになったことから、選別部の未
刈稲側上部に空間が形成される結果となり、この空間を
利用して伝導カウンター機構を設ける構造のコンバイン
が出現している。この伝導カウンター機構は、コンバイ
ン本体の駆動をディスク型カッター機構に仲介するもの
で、従来のものは、カッター交換のために、この伝導カ
ウンター機構はディスク型カッター機構の一側前面にボ
ルトなどによって着脱可能にとりつけられていた。

［考案が解決しようとする課題］ 上述のようなコンバインカッターにおいては、ディス
ク型カッターを交換するときに、伝導カウンター機構を
とり外さないとカッターケースからディスク型カッター
をとり外し交換することができず、多くの時間と労力を
要することから、収穫時における稼働時間に影響を及ぼ
すという課題があった。

本考案の目的は、ディスク型カッター機構に対して、
伝導カウンター機構を水平可動可能に片持支持させるこ
とにより、従来のような煩雑な作業を省略し、迅速なカ
ッター交換がなしうるようになし、省力化は勿論のこ
と、稼働時間効率の向上が図れるコンバインカッターを
提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 従来技術の課題を解決する本考案の構成は、コンバイ
ン本体の後方に、一側前端部をコンバイン本体に対して
水平回動可能に片持軸支したディスク型カッター機構を
設け、該ディスク型カッター機構を構成するカッターケ
ースの他側部前面に水平姿勢の伝導カウンター機構をと
りつけ、この伝導カウンター機構の軸の内側端に、コン
バイン本体の駆動機構にベルトで連結されるプーリーを
設けるとともに、上記軸の外側端に設けたスプロケット
をチェンを介して上記ディスク型カッターのカッター軸
のスプロケットに接続し、上記伝導カウンター機構を仲
介としてディスク型カッターを駆動するようにしたコン
バインカッターにおいて、上記伝導カウンター機構の外
側端部を、上記ディスク型カッター機構の外側端部に水
平回動可能に片持支持させるとともに、上記伝導カウン
ター機構の内側端部とカッターケースの前面とを係脱手
段にて結合したものである。

［作用］ コンバイン本体の駆動機構との絶縁，ディスク型カッ
ターへの伝導手段の絶縁により伝導カウンター機構がフ
リーとなり、コンバイン本体に対するディスク型カッタ
ー機構の水平回動，ディスク型カッター機構に対する伝
導カウンター機構の水平回動操作により、ディスク型カ
ッターがカッターケースから容易にとり外し交換しう
る。

［実施例］ 図面について本考案実施例の詳細を説明する。

第１図は一部切欠平面図，第２図はディスク型カッタ
ー機構部の側面図である。

Ａはコンバイン本体,Bは刈取部,Cは脱穀部,Dはディス
ク型カッター機構であって、上記刈取部Ｂにて刈り取ら
れた稲は脱穀部Ｃにおいて脱穀調整され、脱穀済みの排
稈は搬送体１によりコンバイン本体Ａの後方にとりつけ
られた上記ディスク型カッター機構Ｄにおいて細断処理
されるか、あるいは、細断処理されずにディスク型カッ
ターＤの後方に設けられる集稈装置や結束装置（図示
略）などに送られる。

第１図から明らかなように、上記ディスク型カッター
機構Ｄを構成するカッターケース２の一側端縁、即ち、
刈取り済みの圃場側に臨む一側端縁が上記コンバイテン
本体Ａに対して水平回動可能に片持軸支３されている。
また、上記カッターケース２の他側端縁、詳しくは、未
刈稲側に臨む一側端縁とコンバイン本体Ａは、一般に知
られている尾錠構造のセット金具４によって着脱可能に
連結されている。

５は、上記カッターケース２の未刈稲側前方に片持軸
支６された伝導カウンター機構で、これの軸７の外側端
にはスプロケット８が、また、内側端にはプーリー９が
設けてあり、上記スプロケット８は、上記カッターケー
ス２に軸架した高速回転するカッター軸10端に設けたス
プロケット11にチェン12にて接続され、また、内側端の
上記プーリー９は、ベルト13を介して上記コンバイン本
体Ａの駆動機構（図示略）に接続されたプーリー14と接
続されている。図中15は、ギア16,17を介して減速され
た低速回転するカッター軸で、上記高速回転するカッタ
ー軸10には高速回転刃18,上記低速回転するカッター軸1
5には送り込み刃19が適当間隔毎にとりつけられ、一般
に知られているディスク片カッターが構成されている。
また、上記両カッター軸10,15の両端は、第２図に示す
ように、カッターケース２に水平に設けた切欠孔20に挿
通され、矢印方向に抜去しうるように構成されてある。

上記伝導カウンター機構５の中途部下面には、下向き
の取付板21が設けてあり、この取付板21に「形操作レバ
ー22の水平辺22aの中途部が軸支されており、この水平
辺22aの先端上部に係止切欠き22bを形成するとともに、
上記操作レバー22の水平辺22aが水平姿勢のときに、上
記係止切欠き22bが係合し、かつ、平面形状が「形の係
合ピン23が上記カッターケース２の前面に設けてある。

［作用の説明］ 次に、上記機構に基づいてディスク型カッターの交換
作業について説明する。

先ず、第１図において、コンバイン本体Ａ側のプーリ
ー14と伝導カウンター機構５のプーリー９を接続してい
るベルト13をとり外したのち、セット金具４を解いてカ
ッターケース２とコンバイン本体Ａの連結を解除し、カ
ッターケース２を仮想線で示すように水平回動する。次
に、第２図に示す操作レバー22を矢印方向に回動して操
作レバー22の係止切欠き22bと係合ピン23の係合関係を
解いたのち、片持軸支６を中心として伝導カウンター機
構５を仮想線で示すように水平回動してカッターケース
２の前面を解除する。この状態でカッター軸10,15をカ
ッターケース２から取り外し、新しいカッター軸と交換
したのち、上記の逆の操作で第１図のようにセットし、
再び刈取り作業に移るものである。

［考案の効果］ 上述のように本考案の構成によれば、次のような効果
が得られる。

コンバイン本体に対してディスク型カッター機構を水
平回動してカッターケースの前面をコンバイン本体から
解除したのち、伝導カウンター機構を水平回動してカッ
ターケースの一側前面を伝導カウンター機構から解放す
ることにより、ディスク型カッターがカッターケースか
ら容易に交換でき、従来技術に比べて、大巾な省力化と
稼働時間効率の向上が図れる。

【図面の簡単な説明】 第１図は一部切欠平面図、第２図はディスク型カッター
機構部の側面図である。 Ａ…コンバイン本体,B…刈取部,C…脱穀部,D…ディスク
型カッター機構,1…搬送体,2…カッターケース,3…片持
軸支,4…セット金具,5…伝導カウンター機構,6…片持軸
支,7…軸,8…スプロケット,9…プーリー,10…カッター
軸,11…スプロケット,12…チェン,13…ベルト,14…プー
リー,15…カッター軸,16,17…ギア,18…高速回転刃,19
…送り込み刃,20…切欠孔,21…取付板,22…操作レバー,
22a…水平辺,22b…係合切欠き,23…係合ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】コンバイン本体の後方に、一側前端部をコ
   ンバイン本体に対して水平回動可能に片持軸支したディ
   スク型カッター機構を設け、該ディスク型カッター機構
   を構成するカッターケースの他側部前面に水平姿勢の伝
   導カウンター機構をとりつけ、この伝導カウンター機構
   の軸の内側端に、コンバイン本体の駆動機構にベルトで
   連結されるプーリーを設けるとともに、上記軸の外側端
   に設けたスプロケットをチェンを介して上記ディスク型
   カッターのカッター軸のスプロケットに接続し、上記伝
   導カウンター機構を仲介としてディスク型カッターを駆
   動するようにしたコンバインカッターにおいて、 上記伝導カウンター機構の外側端部を、上記ディスク型
   カッター機構の外側端部に水平回動可能に片持支持させ
   るとともに、上記伝導カウンター機構の内側端部とカッ
   ターケースの前面とを係脱手段にて結合したことを特徴
   とするコンバインカッター。