JPH084811Y2 - ロータリ作業機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ロータリカバーの後部に連結されるリヤカ
バーの下方に、ロータリ軸と平行してレーキ体を上下動
自在に設けたロータリ作業機に係るものである。

〔従来の技術〕

従来、ロータリ軸を正逆転切替可能にしたロータリ作
業機等には、ロータリ軸と平行して設けられるレーキ体
を、ロータリ軸の上方後方位置に取付け、作業状態に対
応してレーキ体を回動させるようにしたものがある。

〔本考案が解決しようとする課題〕

ところがこの種のロータリ作業機では、下降したリヤ
カバーが、レーキ体と干渉するのを防止するため、レー
キ体をサイドカバーに取付ける取付位置を、ロータリカ
バーに連結されるリヤカバーの回動位置よりも下方に設
けられている。このため耕耘爪とレーキ体の取付位置と
の間隔が狭くなって土等が詰まり易くなり、殊にロータ
リ軸を逆転させた耕耘時には、耕耘爪とレーキ体との間
から土が後方に飛散するのが制限されて、耕耘作業後の
仕上り状態が劣る等の不具合があった。

本考案は上記の如き実情に鑑み、これらの欠点を解消
すべく創案されたものであって、耕耘爪とレーキ体の基
端部との間に十分な空間をとることができて、土が詰っ
たりすることはなく、逆転耕耘時でも土を後方へ円滑に
飛散させることができ、しかも上記レーキ体を作業条件
に応じた所望する位置に円滑に回動させて固定できるよ
うにして、耕耘後の仕上り状態を良好にすることができ
るロータリ作業機を提供することを目的課題としたもの
である。

〔課題を解決するための手段〕

上記の課題を解決するため本考案が講じた技術的手段
は、リヤカバー下方のサイドカバーの対向間に、ロータ
リ軸と平行してレーキ体を設けたロータリ作業機におい
て、上記レーキ体をパイプ状の支持体に複数のレーキ爪
を貫通固定して構成し、該レーキ体とリヤカバーとを、
サイドカバーに挿通した回動軸を介して同一軸心上に支
持すると共に、上記回動軸のサイドカバー外側に設けた
回動操作レバーと、レーキ体の側端に設けてサイドカバ
ーの内側面に摺接させた回動プレートとを、サイドカバ
ーに穿設した円弧状の長孔に挿通案内される緊締具を介
して連結し、回動操作レバーの回動に連動して、サイド
カバーの内側面に回動プレートが案内されて回動するレ
ーキ体を、緊締具の緊締により任意の回動位置でサイド
カバーに固定すべく構成したことを特徴とするものであ
る。

〔考案の作用〕

したがって、本考案によれば、パイプ状の支持体に複
数のレーキ爪を貫通固定した剛性の高いレーキ体が、確
実に耕耘あとを砕土整地する。そしてサイドカバーに挿
通した回動軸を介してリヤカバーと同一軸心上に支持さ
れたレーキ体は、その取付基端部と耕耘爪との間に十分
な空間が確保されるので、粘土質等の重い土壌を耕耘し
ても、レーキ体と耕耘爪との間に土が詰ることはない。
また緊締具を緩めてからサイドカバー外側の回動操作レ
バーを操作すれば、緊締具がサイドカバーに穿設した円
弧状の長孔に沿って摺動し、これに伴ってレーキ体は、
その側端に設けた回動プレートがサイドカバーの内側面
に案内されて円滑に上下回動するので緊締具を再び緊締
すれば、レーキ体を作業条件に応じて所望する位置に固
定することができる。したがって砂質土等の比較的軽い
土壌の場合には、レーキ体を下げて耕耘すれば仕上り状
態を良好にすることができ、しかも圃場を浅耕するため
に、リヤカバーを大きく下降させても、同一軸心に設け
たレーキ体とは干渉しないので良好な耕耘後の仕上り状
態を確保することができる。

〔実施例〕

次に本考案の実施例を添付した図面を基いて詳述す
る。１は農用トラクタ等の後部に昇降自在に装着される
ロータリ作業機であって、該ロータリ作業機１には複数
の耕耘爪２を装着したロータリ軸３が左右方向に架設さ
れ、ロータリ軸３の上方にロータリカバー４が設けられ
ている。上記ロータリ軸３は機体の一側に設けたチェー
ンケース５に連結されて、トラクタ等のPTO軸からギア
ケース６を介して伝達される動力により正逆転切替可能
となっている。

７は上記ロータリカバー４の後方に連結されるリヤカ
バー、８は側方への土飛散を防止するサイドカバーであ
って、該サイドカバー８の対向間にレーキ体９がロータ
リ軸３と平行状に設けられている。上記レーキ体９は、
角パイプからなる支持体10に、複数のレーキ爪11を所定
間隔ごとに貫通させ、支持体10に溶着固定して構成され
ている。そして支持体10の両端部には、第４図に示すよ
うにサイドカバー８の内側面に摺接させた回動プレート
12がそれぞれ固定されている。

13はサイドカバー８を挿通した回動軸であって、該回
転軸13は上記回動プレート12の挿通孔を貫通し、ついで
ロータリカバー４の後端に設けたボス部14を貫通し、さ
らにリヤカバー７の前端に設けた回動パイプ15に挿入さ
れていて、レーキ体９とリヤカバー７とが同一軸心上に
支持されて上下に回動するようになっている。

16は上記回動軸13の機体側方に突出した側端部に装着
した回動操作レバーであって、該回動操作レバー16の下
端部に緊締具としての固定用ボルト17を挿着し、該固定
用ボルト17をサイドカバー８に穿設した円弧状の長孔18
を貫通して前記回動プレート12に螺着することにより、
サイドカバー８外側の回動操作レバー16とサイドカバー
８内側の回動プレート12とが連結されている。そして固
定用ボルト17を緩めて回動操作レバー16を回動すれば、
固定用ボルト17が長孔18に沿って摺動し、これに伴って
レーキ体９は回動プレート12がサイドカバー８の内側面
に案内されて回動し、ついで固定用ボルト17を緊締すれ
ば、サイドカバー８が押圧されてレーキ体９を所望する
位置に固定できるようになっている。

第５図はロータリ軸の傾斜爪軸部に藁等が巻付いてホ
ルダ内に侵入するのを防止する巻付防止構造を示してい
る。すなわちセンタドライブ型ロータリ等では、チェン
ケース下部に発生する残耕を完全に耕耘する等のために
傾斜爪軸19を設けているが、この傾斜爪軸19の円周方向
に溝20を設け、該溝20の端面をホルダ21の端面と面一に
形成してある。したがって傾斜爪軸19および溝20に藁等
が巻付いても、傾斜爪軸19の回転により、藁等には放射
方向の力が作用するので、傾斜爪軸19とホルダ21との隙
間から内部に進入してオイルシール22が損傷をうけるこ
とはない。

また第６図は他の巻付防止構造を示すものであって、
傾斜爪軸23に立上り部24を有する遮閉板25を設け、ホル
ダ26には上記立上り部24の外周を僅かな隙間を存して覆
い、かつ立上り部24の側面と面一状となるカバー体27が
設けてある。そしてこの遮閉板25とカバー体27とによ
り、ホルダ26の取付ボルト28およびカバー体27の取付ボ
ルト29が覆われるようになっている。したがって藁等が
ホルダ26内に侵入するのを確実に防止でき、しかも巻付
防止構造をコンパクトにすることができる。

上記の如き構成において、いま農用トラクタ等にロー
タリ作業機１を装着して圃場を走行すれば耕耘爪２が耕
耘した後を剛性の高いレーキ体９により確実に砕土整地
することができる。そしてリヤカバー７と同一軸心に支
持されたレーキ体９は、耕耘爪２との間に十分な空間が
確保されるので、粘土質等の重い土壌を耕耘するときで
も、レーキ体９と耕耘爪２との間に土が詰ることはな
く、一方、ロータリ軸３を逆転させた耕耘時でも土を円
滑に後方へ飛散させることができるので、常に耕耘後の
仕上状態を良好にすることができる。また固定用ボルト
17を緩めてから回動操作レバー16を操作すれば、固定用
ボルト17が長孔18に沿って摺動して回動プレート12を回
動させ、レーキ体９が上下動するが、このとき回動プレ
ート12がサイドカバー８の内側面に摺接して回動するの
で、レーキ体９はサイドカバー８に案内されて、回動軸
13にこじれ等を生ずることなく円滑に上下回動する。つ
いで固定用ボルト17を緊締すれば、レーキ体９を所望す
る位置に固定することができるので、砂質土等の軽い土
壌の場合には、レーキ体９を下げて良好な仕上り状態に
耕耘することができる。さらに圃地を浅耕するためリヤ
カバー７を大きく下降させても、レーキ体９とは干渉し
ないので、良好な浅耕性能を確保することができる。

〔考案の効果〕

これを要するに本考案は、リヤカバー下方のサイドカ
バーの対向間に、ロータリ軸と平行してレーキ体を設け
たロータリ作業機において、上記レーキ体をパイプ状の
支持体に複数のレーキ爪を貫通固定して構成し、該レー
キ体とリヤカバーとを、サイドカバーに挿通した回動軸
を介して同一軸心上に支持すると共に、上記回動軸のサ
イドカバー外側に設けた回動操作レバーと、レーキ体の
側端に設けてサイドカバーの内側面に摺接させた回動プ
レートとを、サイドカバーに穿設した円弧状の長孔に挿
通案内される緊締具を介して連結し、回動操作レバーの
回動に連動して、サイドカバーの内側面に回動プレート
が案内されて回動するレーキ体を、緊締具の緊締により
任意の回動位置でサイドカバーに固定すべく構成したか
ら、パイプ状の支持体に複数のレーキ爪を貫通固定した
剛性の高いレーキ体により、確実に砕土整地することが
でき、しかもサイドカバーと同一軸心上に支持したレー
キ体は耕耘爪との間に十分な空間が確保されるので、重
い土壌を耕耘しても土がレーキ体と耕耘爪との間に詰る
ことはなく、一方、逆転耕耘時でも土を後方へ円滑に飛
散させることができるので、常に耕耘後の仕上り状態を
良好にするこができる。そして緊締具を緩めて回動操作
レバーを回動すれば、これに連動してレーキ体を、サイ
ドカバーに案内させて円滑に上下回動させることがで
き、ついで緊締具を緊締すれば、レーキ体を所望する位
置に確実に固定できるので、常に圃場条件に応じた適正
状態に保持することができて、良好な耕耘後の仕上り状
態を確保することができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るロータリ作業機の実施例を示すもの
であって、第１図は側面図、第２図は平面図、第３図は
要部を拡大した側面図、第４図は同上平面図、第５図は
巻付防止構造を示す縦断側面図、第６図は他の巻付防止
構造を示す縦断側面図、第７図は同上正面図である。 図中、３…ロータリ軸、７…リヤカバー、８…サイドカ
バー、９…レーキ体、10…支持体、11…レーキ爪、12…
回動プレート、13…回動軸、16…回動操作レバー、17…
固定用ボルト、18…長孔である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】リヤカバー下方のサイドカバーの対向間
   に、ロータリ軸と平行してレーキ体を設けたロータリ作
   業機において、上記レーキ体をパイプ状の支持体に複数
   のレーキ爪を貫通固定して構成し、該レーキ体とリヤカ
   バーとを、サイドカバーに挿通した回動軸を介して同一
   軸心上に支持すると共に、上記回動軸のサイドカバー外
   側に設けた回動操作レバーと、レーキ体の側端に設けて
   サイドカバーの内側面に摺接させた回動プレートとを、
   サイドカバーに穿設した円弧状の長孔に挿通案内される
   緊締具を介して連結し、回動操作レバーの回動に連動し
   て、サイドカバーの内側面に回動プレートが案内されて
   回動するレーキ体を、緊締具の緊締により任意の回動位
   置でサイドカバーに固定すべく構成したことを特徴とす
   るロータリ作業機。