JPH0848048A - 記録ヘッド部構造及び記録装置、並びにこれらの製造方法 - Google Patents

記録ヘッド部構造及び記録装置、並びにこれらの製造方法

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JPH0848048A
JPH0848048A JP20434294A JP20434294A JPH0848048A JP H0848048 A JPH0848048 A JP H0848048A JP 20434294 A JP20434294 A JP 20434294A JP 20434294 A JP20434294 A JP 20434294A JP H0848048 A JPH0848048 A JP H0848048A
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JP
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lid
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dye
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JP20434294A
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English (en)
Inventor
Kenji Suzuki
賢二 鈴木
Takuji Shibata
拓二 柴田
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高品質の記録が保証され、熱効率が高く、小
型軽量化が容易で、使用済みインクシートのような廃棄
物を発生することのない記録ヘッド部構造並びにこれら
の製造方法。 【構成】 ベース101 と蓋体106 とが、スパッタによっ
て形成されたガラス層109 の融着によって互いに接合し
ている。ベース101 には浅い溝102 とこれから分岐する
浅い溝103 とが形成されていて、溝103 の先端部に設け
られた小径の柱体105 の周囲の環状空間104 による毛細
管作用により、開口110 、溝102 を経由して供給される
液体染料が上昇し、環状空間104 上の環状染料吐出口
(気化部)107 に液体染料が供給される。気化部107 に
レーザ光が集光し、此処で液体染料が気化し、被記録紙
にドット状に付着して記録がなされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録ヘッド部構造及び
記録装置並びにこれらの製造方法に関し、更に詳述すれ
ば、熱記録ヘッド部構造及びこの熱記録ヘッド部構造を
具備する熱記録装置並びにこれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオカメラ、テレビジョン、コ
ンピュータグラフィクス等の画像記録のカラー化が進む
につれ、ハードコピーのカラー化に対するニーズが急速
に高まっている。これに対応して、色々な方式のカラー
プリンタが開発され、様々な分野に展開している。
【0003】これらの記録方式の中で、適当なバインダ
樹脂中に高濃度の転写染料の分散するインク層が塗布さ
れいてるインクシートと、転写された染料を受容する染
着樹脂がコーティングされた印画紙等の被転写体を、一
定の圧力で密着させ、インクシート上に位置する感熱記
録ヘッドから画像情報に応じた熱が加えられ、インクシ
ートから受像層に加えられた熱量に応じた転写染料を熱
転写させる方式がある。
【0004】上記の操作を、減法混色の三原色即ち、イ
エロー、マゼンタ、シアンに分解された画像信号につい
て夫々繰り返すことで、連続的な階調を持つフルカラー
画像を得ることを特徴とする、所謂熱転写方式は、小型
化、保守が容易で、即時性を備え、銀塩カラー写真並の
高品位な画像を得る優れた技術として注目を集めてい
る。
【0005】図21は、こうした熱転写方式のプリンタの
要部の概略正面図である。
【0006】感熱記録ヘッド(以下、サーマルヘッドと
呼ぶ)61とプラテンローラ63とが対向し、これらの間
に、ベースフィルム62b上にインク層62aを設けたイン
クシート62と、紙70b上に染着樹脂層70aを設けた被記
録紙(被転写体)70とが挟まれ、これらが回転するプラ
テンローラ63によってサーマルヘッド61に押し付けられ
て走行する。
【0007】そして、サーマルヘッド61によって選択的
に加熱されたインク層62a中のインク(転写染料)が、
被転写体70の染着樹脂層70aにドット状に転写され、熱
転写記録が遂行される。このような熱転写記録には、一
般に長いサーマルヘッドを被記録紙走行方向に直角に固
定して配したライン方式が採用されている。
【0008】然し、この方式は、以下のような欠点を有
している。
【0009】 インク供給体であるインクシートが一
回限りの使い捨てであり、これがプリント時に発生する
多量の廃棄物となって省資源及び環境保護上の問題にな
る。
【0010】 廃棄物を低減する目的でインクシート
を多数回使用してフルカラー画像を得る手段が提案され
ている。然し、転写染料層と被転写体は接触しているの
で、最初に転写染料Aを被転写体に転写し、次いで転写
染料Bを重ねて転写する場合に、逆に被転写体上の転写
染料Aが、インクシートの転写染料B層に逆転写されて
転写染料Bを汚染する。従って2枚目以降のプリント画
質は低下する。
【0011】 インクシートが大きな体積を占有する
ために、プリンタ装置の小型軽量化に限度がある。
【0012】 所謂熱転写方式は、実際には染料の熱
転写現象を利用した転写機構である。従って、被転写体
の受像層内への染料が拡散するためには、受像層も充分
に加熱する必要があり、熱効率が悪い。
【0013】 効率よく転写を行うためには、インク
シートと被転写体とを高い圧力で押しつけなければなら
ない。従って、プリンタは強固な構造を取る必要があ
り、プリンタ装置の小型軽量化に限度がある。
【0014】 転写感度を向上させるには、被転写体
の染着樹脂と転写染料との相溶性を高めれば良い。然
し、転写染料と相溶性の高い染着樹脂は、一般に保存安
定性、特に光安定性が劣る。
【0015】このように、所謂熱転写方式は数々の欠点
を内包している。従って、前記の利点を失うことなく廃
棄物及び転写エネルギーを低減し、プリンタを小型軽量
化する技術が強く望まれていた。
【0016】
【発明に至る経過】本発明者は、鋭意研究の結果、前記
の要請に応える熱記録方式として、図22に示すような記
録方式の開発に成功した。
【0017】この方式では、熱溶融性の染料層を有する
記録ヘッド部と対向する染料を受容する受容層を持つ被
記録体50の間に微小の空隙を設け、レーザL等の適当な
加熱手段により記録部上の液化染料22を選択的に気化さ
せて空隙間を移動させ、被記録体50上に連続的な階調を
持つ画像が得られる。この操作を減法混色の三原色であ
るイエロー、マゼンタ、シアンに分解された画像信号に
ついて夫々繰り返すことで、フルカラー化が達成でき
る。
【0018】この方式では、記録時に失われる染料は、
バインダ樹脂を殆ど含まないために、失われた分だけ
を、染料溜めから溶融状態で転写部へ流すことにより、
或いは適当な基体上に連続的に塗布され、その基体が記
録部に移動することにより、記録ヘッド部に連続的に供
給することができる。従って、記録ヘッド部は原理的に
多数回使用できるのでの課題は解決される。
【0019】また、染料層と被記録体とが接触しないた
めに、既に記録体に移行した記録染料が異なる記録染料
層に逆移行して画像を損なうの問題も解決され、同時
に染料供給に小体積の染料溜めを使用し、インクシート
を使用しないために、プリンタ装置を小型軽量化でき、
の問題も解決される。
【0020】更に、この記録方式は、染料の気化を利用
した記録機構であるために、被記録体の受像層を加熱す
る必要が無く、インクシートと被転写体とを高い圧力で
押し付ける必要もない。従って、、の課題も解決さ
れる。そして、記録ヘッド部と被記録体とが直接接触し
ないために、記録ヘッド部と被記録体との熱融着も原理
的に起こり得ないだけではなく、染料と受像層樹脂の相
溶性が小さくても記録可能である。従って、染料及び受
像層樹脂の設計、選択の幅が著しく広がり、の課題も
解決される。
【0021】然し、検討の結果、図22の記録ヘッド部に
は、解決しなければならない次のような問題が未だ残さ
れていることが解った。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した図
22に示す如き記録方式のもつ特長を生かしながら(即
ち、高品質の記録が保証され、熱効率が高く、小型化、
軽量化が容易であり、使用済みインクシートのような廃
棄物を発生することがなく)、かつ、良好な記録が更に
一層保証される記録ヘッド部構造及び記録装置並びにこ
れらの製造方法を提供することを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、記録材供給用
の通路を有するベース部材と、このベース部材にガラス
層を介して取り付けられかつ記録材吐出口付きの記録材
収容部を形成する蓋体とを具備する記録ヘッド部構造に
係るものである。
【0024】本発明において、ガラス層はスパッタ法又
はガラスパック法によりベース部材及び/又は蓋体に設
けられたものであることが望ましい。
【0025】上記「ガラスパック」とは、表面に設けら
れた凹部にガラスを充填することを指す。
【0026】上記において、ガラス層をスパッタ法によ
りベース部材及び/又は蓋体の少なくとも接合面のほぼ
全域に設けることができる。
【0027】また、上記において、ガラス層をガラスパ
ック法によりベース部材及び/又は蓋体の接合面に局部
的に設けることができる。
【0028】上記において、ガラス層を、接合面に形成
した溝内に充填することができる。
【0029】また、本発明において、記録材収容部にお
ける少なくともベース部材に毛細管構造体を設けること
が望ましい。
【0030】上記において、毛細管構造体が柱状体、粉
粒体又は繊維から構成されていることが望ましい。
【0031】上記において、毛細管構造体先端が蓋体に
接合されていて、この蓋体の気化用の孔が前記毛細管構
造体の周囲に開口するように環状に形成されていること
が望ましい。
【0032】また、本発明において、ベース部材及び/
又は蓋体が石英ガラスで構成されていることが望まし
い。
【0033】また、本発明において、記録材の層が間隙
を隔てて被記録体に対向し、前記記録材を気化させ、前
記間隙を通して前記被記録体に移行させるように構成す
ることが望ましい。
【0034】また、本発明において、記録材収容部を複
数の異なる色の染料毎に設けることができる。
【0035】本発明はまた、前記した記録ヘッド部構造
を有する記録装置に係る。
【0036】上記記録装置において、被記録体に間隙を
隔てて対向する記録材を飛翔させ、前記間隙を通して前
記被記録体に移行させるための加熱手段を有することが
望ましい。
【0037】上記において、加熱手段が、レーザと、こ
のレーザから出射されたレーザ光を吸収するレーザ光吸
収体とからなるものであることが望ましい。
【0038】上記において、染料を加熱ビームの照射に
より飛翔させ、被記録体に移行させるように構成するこ
とが望ましい。
【0039】本発明はまた、ベース部材と蓋体とをガラ
ス融着によって接合する工程を含む、記録ヘッド部構造
又は記録装置の製造方法に係るものである。
【0040】上記方法において、ベース部材及び/又は
蓋体にスパッタ法又はガラスパック法によってガラス層
を形成する工程と、前記ベース部材と前記蓋体とを前記
ガラス層の融着によって接合する工程とを含むことが望
ましい。
【0041】上記方法により、前記した記録ヘッド部構
造又は記録装置を製造することができる。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0043】図1は記録ヘッド部の拡大断面図(図2の
I−I線断面図)、図2は同概略平面図、図3は記録装
置の分解概略斜視図である。
【0044】図3中、1は非接触方式のレーザ光熱転写
型カラービデオプリンタであり、筐体2aで覆われたフ
レームシャーシ2上に、被記録紙50を入れるカセット3
と記録用の平面ベース4とを有している。
【0045】筐体2a内の被記録紙排出口2b側には、
モータ5等により駆動する紙送り駆動ローラ6aが設け
られ、この紙送り駆動ローラ6aとの間で被記録紙50を
軽圧力で挟持する圧接従動ローラ6bが設けられてい
る。筐体2a内のカセット3の上方には、駆動IC80を
マウントしたヘッド駆動回路基板7とDC電源8とを設
けてある。ヘッド駆動回路基板7と、平面ベース4上に
配置されたヘッド部(記録部)10とは、フレキシブルハ
ーネス7aを介して接続されている。
【0046】ヘッド部10は、イエロー(Y)、マゼンタ
(M)及びシアン(C)の固形粉末状の各昇華性染料12
Y、12M、12C(図1、図2では総称して符号12で示
す。)を収納する各固体染料収納槽11Y、11M、11C
(図1、図2では総称して符号11で示す。)と;ベース
部材15と蓋体20との間に形成され、上記各固体染料収納
槽11内の固形粉末状の気化性染料12をベース部材15側に
被着されたITO(インジウム−錫酸化物)の透明導電
膜からなるヒータ(発熱体)16により加熱液化して収納
する狭路状の各液体染料供給用溝9、24と;各溝24から
毛細管作用によって導かれた液状の気化性染料(液化分
散染料)22を気化させる各気化部17と;ベース部材15に
支持盤(図示せず)を介して取付けられ、各気化部17に
レーザ光Lを照射する各半導体レーザチップ(レーザ光
源)18と;を備えている。
【0047】この例で注目すべきことは、ベース部材15
と蓋体20とは、石英ガラスからなり、ガラス層21の融着
によって互いに接合していることである。これについて
は後に詳述する。融着用のガラス層21は、レーザ光を透
過し、染料に変質等の影響を及ぼさないので、接合用と
して好適である。
【0048】記録ヘッド部10においては、各固体染料収
納槽11と各液体染料供給用溝9との接続口23には逆止弁
26が夫々設けられている。更に、各液体染料収納槽15内
の気化部17に対向する位置には、気化部17側に液体染料
22を効率よく加圧供給するための染料加圧供給手段(例
えば振動体)25が夫々設けられている。
【0049】この染料加圧供給手段25は、例えばバイモ
ルフ又はピエゾ素子等から構成されており、その振動に
よって液体染料22を矢印方向へ連続供給するものである
が、必ずしも設けなくても、液体染料22を連続的に供給
することができる。逆止弁26は、染料加圧供給手段25の
加圧時には接続口23を閉じ、減圧時と無加圧時には接続
口23を開放するようになっている。
【0050】各固体染料収納槽11内の固形粉末状の染料
12は、逆止弁26の開放時にヒータ16により加熱液化され
て液体染料22になり、各液体染料供給用溝9内に貯留さ
れるようになっている。
【0051】液体染料22は、溝9に連通する溝24の先端
部にて柱体23の周囲の環状空間24aを毛細管作用によっ
て蓋体20の環状気化部17へ上昇し、此処にレーザ光Lが
集光し、気化染料32が被記録紙50の染料受容層50aに移
行し、付着して定着される。
【0052】図3に示すように、このカラービデオプリ
ンタ1のカセット3内の被記録紙50は、1枚ずつ分離さ
れて平面ベース4とヘッド部10との間に供給され、紙送
り駆動ローラ6a迄送られる。
【0053】記録ヘッド部10は、一対の軽荷重付加ばね
9、9により被記録紙50を挟んで平面ベース4に軽荷重
(約50g)で押し付けられている。また、ヘッド部10に
は3色(Y、M、C)分の半導体レーザチップ18が3列
に画素分だけ多数個並置されている。各色の染料は、各
液体染料収納槽11(11Y、11M、11C)から夫々加熱液
化されて各気化部17に定量供給される。
【0054】即ち、各固体染料収納槽11内の固形粉末状
の染料12は、ヒータ16により融解点まで加熱されて溶融
(液化)され、これよにって得られた各液体染料22は、
各ベース部材15の毛細管現象によって各気化部17に定量
供給される。
【0055】この状態から、1枚の被記録紙50が紙送り
駆動ローラ6aと圧接従動ローラ6bとに挟持される
と、1ラインずつ1色ずつドット信号が記録ヘッド部10
に送られて、各半導体レーザチップ18により発生したレ
ーザ光Lにより、各気化部17に保持された各液体染料22
が気化され、生じたY、M、Cの気化染料32が、平面ベ
ース4と保護層13との間に送られる被記録紙50の表面に
塗布された染料受容層50aにY→M→Cと順次間隙d中
を飛翔して移行し、カラープリントされる。
【0056】ライン方式の記録では、気化部17を1行の
長さに亘って色毎に1列配置し、気化部の列に直交する
方向へ被記録紙を送りながら各気化部を選択的に作動さ
せて記録を行う。シリアル方式の記録では、1行分の幅
に気化部を配置した記録ヘッドを走査させ、この間各気
化部を選択的に作動させて1行分の記録を行い、次いで
被記録紙を1行分だけ送ってから次の行の記録を行う。
【0057】図4はシリアル方式における記録ヘッド部
及び被記録紙の移動を示す概略裏面図、図5は記録ヘッ
ド部の走査機構を示す概略斜視図(下側から見た斜視
図)である。
【0058】この例のプリンタヘッド40は、図4に概略
図示するように構成され、各色の染料収容部(又は染料
供給ヘッド部)37Y、37M、37Cが各レーザアレイ30
(それぞれ各色用のレーザ18Y、18M、18Cからな
る。)とユニット化されている。
【0059】そして、このプリンタヘッド40は、図5に
示すように、送りねじ機構からなるヘッド送り軸42とヘ
ッド支軸43により印画紙50の紙送り方向Xと直交するヘ
ッド送り方向Yに往復移動自在にしてある。また、ヘッ
ド40の上側には、印画紙50を挟むように支持するヘッド
受けローラ44が回転自在に設けられている。印画紙50
は、紙送り駆動ローラ45と従動ローラ46との間に挟持さ
れて紙送り方向Xに移動するようになっている。なお、
ヘッド40は、フレキシブルハーネス77を介してヘッド駆
動回路基板(図示せず)等にそれぞれ接続されている。
このような機構によってフルカラーの記録が遂行され
る。
【0060】前述したように、図1において、ベース部
材15と蓋体20とをガラス融着によって接合していること
がこの例の特徴的事項である。この接合の具体的方法及
び記録ヘッド部の構造について、次に述べる実験によっ
て説明する。
【0061】<実験例1>図6はこの例における実験用
記録ヘッド部を示し、同図(a)は拡大斜視図、同図
(b)は同図(a)のb−b線断面図、同図(c)は同
図(a)のc−c線断面図、同図(d)は蓋体を接合す
る前のベース部材の拡大平面図である。
【0062】実験用記録ヘッド100 は、記録材供給用通
路102 を有するベース101 と記録材の吐出口107 を有す
る蓋体106 とが、ガラス層109 を介して接合され構成さ
れている。図6(a)において、吐出口107 の反対側側
面に開口110 が形成されている。開口110 は液体染料を
供給するための開口である。開口110 に染料液化装置が
接続するのであるが、この装置は図示省略されている。
【0063】ベース101 は、幅の広い溝102 と、この幅
広な溝102 の端部から分岐する多数の幅狭な溝103 とか
らなる記録材供給用の通路を備えており、幅狭な溝103
の先端部にはその底面から垂直に細径の柱体105 が設け
られていて毛細管構造体を構成している。
【0064】溝102 、103 の深さは、浅い程液体染料
(記録材)の毛細管現象の作用が強くなるのであるが、
これが浅過ぎると液体染料通路として狭くなり過ぎ、液
体染料の供給が不充分になる。上記深さは少なくとも6
μm必要であることが実験で確認されているが、現実に
は60μmとして液体染料の供給を充分ならしめている。
【0065】また、蓋体106 は、ベース101 の前記毛細
管構造体の部位に対応する位置に、記録材吐出口107 を
有している。吐出口107 は、図6(a)中にA部を拡大
して示すように、ベース101 の幅狭な溝103 の先端部に
立てられた柱体105 の周囲の上に環状をなして開口して
いる。
【0066】蓋体106 の環状を呈する記録材吐出口107
内に存在する円柱状の部分108 は、ベース101 の柱体10
5 の先端に接続されていて、この接続によって柱体105
を蓋体106 の表面にまで延長させている。
【0067】ベース101 に溝102 、103 を形成するの
に、通例のフォトリソグラフィの手法によることができ
る。この例ではエッチングをリアクティブ イオン エ
ッチングによっている。この方法によれば、指向性の強
い(異方性)エッチングがなされるので、小径の柱体10
5 を形成し、その周囲の筒状の空間で毛細管現象を起こ
させるのに有利である。然し、溝深さを10μm以上とす
るには、後述するパウダビームエッチングがエッチング
速度が速いので有利である。
【0068】上記の溝が形成されたベース素材としての
板状体と、蓋体素材としての板状体とは、所定の寸法に
切り出され、洗浄、乾燥の工程を経てベース101 と蓋体
106とになる。
【0069】前述したように、ベース101 と蓋体106 と
はガラス層109 を介して接合されている。
【0070】ガラス層109 は、スパッタによって形成さ
れる。スパッタによれば、ガラス層109 を極めて薄くか
つ均一な厚さに形成することができる。この例ではガラ
ス層109 を約 0.5μmの厚さに形成しており、その表面
粗さは最大数十nmである。この程度の表面粗さで、後述
するベース101 と蓋体106 とのガラス融着が確実になさ
れることが確認されている。ガラス層109 の表面粗さが
これよりも粗い場合は層厚を増加してガラス融着の確実
性を確認する必要がある。
【0071】ガラス層109 は、ベース101 と蓋体106 と
の双方の全面に亘って形成し、ベース101 と蓋体106 と
をガラス層109 の融着によって接合する。図7は接合前
のベース101 及び蓋体 106Aの拡大斜視図である。ガラ
ス層109 による溝102 、103の深さの変化は僅かであ
り、液体染料の導通に差し支えることはない。なお、ガ
ラス層109 は、ベース101 と蓋体 106Aとのいずれか一
方のみに設けても良い。然し、両者の場合接合を確実に
する観点から、両者双方にガラス層109 を設けるのが望
ましい。蓋体106 の吐出口107 は、ベース101 と蓋体 1
06Aとの接合後に形成される。
【0072】ベース101 及び蓋体106 は、レーザ光が透
過できること、染料の気化温度約 300℃、更には融着温
度に耐える耐熱性を有すること、及びガラス層109 との
密着性の観点から、ガラスに類似の石英ガラス製として
おり、平面的サイズはいずれも5mm×20mmとしている。
このサイズは、後述する融着用治具のサイズから決めら
れたもので、他のサイズとする場合は、これに応じた融
着用治具を使用すれば良い。厚さは、ベース101 が 0.5
mm、蓋体106 が0.06mmとしている。
【0073】ガラス層109 の形成に用いるガラスは、熱
膨張係数が石英ガラスのそれに近い100×10-7/℃であ
り、組成は40.4%Si、34.4%Pb、 8.6%Na、 7.8
%Fe、 6.2%Zn、 2.6%Bである。このガラスは、
歪点(変形開始温度)が 415℃、徐冷点(徐冷しても非
晶質が維持される温度)が 440℃、転移点(徐冷によっ
て結晶質になる温度)が 560℃である。そして、後述す
る融着作業の温度を570 ℃としている。
【0074】スパッタは島津製作所社製のスパッタ装置
HSR−521Aを用いて行い、雰囲気ガスはアルゴン
と酸素との混合ガスで、その比率は、Ar:O2 が 3.0
sccm(スタンダード キュービック センチメート
ル):1.2sccm である。また、真空度を1Paとし、進行
波(Forward Power) 300Wで 0.5μmのガラス層を形成
した。ターゲットにはガラスを使用した。
【0075】ベース101 と蓋体106 との接合には、図
8、図9に示す治具が用いられる。図8は治具の平面
図、図9は同正面図である。この治具は、ビデオ用磁気
ヘッド製造に用いられる融着用治具である。
【0076】図示のように、断面コ字状の枠体81の一方
の側壁82に締め付けねじ85が螺合されて、締め付けねじ
85の先端には、枠体81のベースに固定されたガイド板84
を通して前進後退可能な押し棒86が取り付けられてい
る。
【0077】押し棒86の先端部は、環状板ばね90の幅方
向中央部に開けられた孔を通して環状体ばね90の内周側
に突出していて、この内周側で割りピン88により押し棒
86と環状板ばね90とが分離しないようにしてある。ま
た、環状板ばね90の外周側に位置する押し棒86の部分に
は、押し棒86の前進に際して環状板ばね90を押圧し得る
ように、フランジ86aが固定されている。
【0078】環状板ばね90の押し棒86に対向する位置に
は、環状板ばねの幅方向中央に開けられた孔を通して設
けられたピン87によりばね受け91が取り付けられてい
る。図8、図9中、89は、ピン87から環状板ばね90が外
れぬようにするための割りピンである。
【0079】接合面にスパッタ法によりガラス層109 を
形成したベース101 と蓋体 106Aとを、ガラス層109 を
対向させてセットし(図7参照:これらの集合体を 100
Aで表す)、セラミックとの反応を防止するために両背
後にマイカ板94、94を介在させてセラミックス材からな
る一対の押さえ板92、93によりベース101 及び蓋体 106
Aを挟持して、他方の側壁83とばね受け91との間にこれ
らを装着し、締め付けねじ85を締め付けることで圧接状
態(例えば 1.0kg・cm)とする。そして、治具と共に融
着用加熱炉に装入して昇温し、ガラス層109 によりベー
ス101 と蓋体106 とを融着結合させる。上記圧接の程度
は、ねじ85の締め付け力によって調整される。
【0080】なお、加熱温度は、ガラス層の軟化温度以
上の温度とする必要があるが、必ずしも、ガラス層の溶
融温度まで昇温する必要はない。軟化温度+(10〜40
℃)程度の温度とすることが好結果を得ることができ
る。この例では軟化点 560℃に対して融着温度を 570
℃、保持時間を1時間としている。
【0081】ベース部材と蓋体との接合は、接着剤を用
いての接着によることが考えられる。接着は、作業が容
易ではあるが、上記のような記録ヘッド部の組み立ては
次のような問題がある。接着剤の塗布では、接着剤の層
厚をサブミクロンオーダーの厚さとすることは不可能で
ある。スクリーン印刷によって溝102 、103 以外の領域
のみに接着剤を塗布したとしても、接合時に接着剤が極
めて浅い溝にはみ出して溝の断面積を小さくしたり、或
いは塞いでしまい、液状染料の通路としての溝の機能が
失われてしまう。図23は、接着剤を用いての上記組み立
てのプロセスフロー図である。この方法では乾燥に長時
間を要する。
【0082】これに対し、この例では、ガラス層をスパ
ッタによって 0.5μmという極めて薄い層とすることが
でき、上記のような問題が起こらず、溝がガラスによっ
て狭められることが実質的にない。従って、液体染料通
路としての溝の機能が確保され、更に液体染料は毛細管
作用によって気化部にスムーズに供給され、液体染料の
気化部におけるレベルが常に一定に維持される。また、
ベース部材と蓋体との密着性、耐熱性、耐久性も良好で
ある。その結果、常に良好な記録が保証される。更に、
接合が容易で組み立ての工数が僅かで済む。
【0083】前述の如くして、ベース101 と蓋体106 と
をガラス層109 を介して一体に接合した後、蓋体への記
録材吐出口107 の形成加工が施される。
【0084】吐出口107 の形成加工は、図10(a)に断
面図で示すように、記録材吐出口形成位置を除く蓋体10
6 の上面にマスク95を形成した後、同図(b)に示すよ
うに、その上面方向からパウダビームエッチングを施す
ことによりなされる。パウダビームエッチングによれ
ば、強い指向性を以て高速でエッチングが進行し、厚さ
0.06mm程度の蓋体に短時間で貫通孔を設けることができ
る。パウダビームエッチング法としては、特開平4−19
070 号公報や同4−115869号公報等に示された微細なア
ルミナ粉末やシリコンカーバイド粉等を使用する方法
(例えば固気2相ビームのパウダ粒径を1μm以上と
し、被加工面を密に微細加工できる方法)が挙げられ
る。
【0085】図6(a)〜(c)に示した記録ヘッド部
の気化部の完成に至る手段をプロセスフロー図に纏める
と、図11に示す通りである。
【0086】<実験例2>蓋体106 の柱体105 上の円柱
状部分108 は、これに替えて複数の小円柱体 108Aとす
ることができる。図12はこのように構成した記録ヘッド
部の気化部周辺を示し、同図(a)は拡大部分斜視図、
同図(b)は拡大断面図(図1(c))に対応する断面
図)である。
【0087】各円柱体105 上には複数の小円柱体 108A
が立設し、これら小円柱体 108Aの周囲に幅狭の空間 1
08Bが形成されると共に、小円柱体群の周囲に環状吐出
口 107Aが形成される。この構造は、前記と同様にパウ
ダビームエッチングによって形成される。液体染料は、
毛細管作用により幅狭の空間 108Bを通って効率的に上
昇し、蓋体106 の吐出口 107Aに迅速に供給される。従
って、吐出口 107Aでレーザ光Lによって気化した染料
は、効率的に被記録紙(図示せず)に移行する。その他
は前記実験例1におけると同様である。
【0088】<実験例3>この例では、溝102 から分岐
する溝103 に柱体を設けていない。図13はこの例による
記録ヘッド部の気化部周辺を示し、同図(a)は拡大斜
視図、同図(b)は同図(a)のb−b線断面図、同図
(c)は同図(a)のc−c線断面図、同図(d)は蓋
体を接合する前のベース部材の拡大平面図である。
【0089】染料の吐出口 107Bは、パウダビームエッ
チングによって円形の貫通孔として設けられている。液
体染料は、溝103 の幅狭の先端部 104Bにて毛細管作用
によって上昇し、吐出口 107Bで気化して記録に供され
る。この例では、溝のパターニングが前記実験例1、2
におけるよりも簡単である。その他は前記実験例1にお
けると同様である。
【0090】<実験例4>この例では、前記実験例3の
溝103 に石英ガラスの粉末を装入している。図14はこの
例による記録ヘッド部の気化部周辺を示し、同図(a)
は拡大斜視図、同図(b)は同図(a)のb−b線断面
図、同図(c)は同図(a)のc−c線断面図、同図
(d)は蓋体を接合する前のベース部材の拡大平面図で
ある。
【0091】この例にあっては、石英ガラス粉末粒子12
0 の間隙によって毛細管作用をより効果的にしている。
その他は前記実験例3におけると同様である。なお、こ
の例にあっては、石英ガラスの粉末に替えて、石英ガラ
ス製又はセラミックス製の繊維を使用して同様の効果を
奏することができる。
【0092】<実験例5>この例は、前記実験例4にお
ける吐出口を略環状に形成した例である。図15はこの例
による記録ヘッド部の気化部周辺を示し、同図(a)は
拡大斜視図、同図(b)は同図(a)のb−b線断面
図、同図(c)は同図(a)のc−c線断面図、同図
(d)は蓋体を接合する前のベース部材の拡大平面図で
ある。
【0093】蓋体 106Cには、ベース101 の溝103 の先
端部 104Cの中央に対向する位置に、蓋体 106Cに2箇
所で接続する柱体 108Cを設け、接続部141 、141 間の
柱体108Cの周囲に円弧状吐出口 107C、 107Cを互い
に対向して形成している。この例では、吐出口の断面積
を小さくすることにより、記録ドットを小径にして解像
度を上げることができる。その他は前記実験例4におけ
ると同様である。
【0094】以上の実験例は、いずれもスパッタ法で形
成したガラス層の融着によってベース部材と蓋体とを接
合しているが、次に述べる実験例5、実験例6は、ガラ
スパック法で形成した帯状ガラスの融着によってベース
部材と蓋体とを接合した例である。
【0095】<実験例6>図16はこの例による記録ヘッ
ド部の気化部周辺を示し、同図(a)は拡大斜視図、同
図(b)は同図(a)のb−b線断面図、同図(c)は
同図(a)のc−c線断面図、同図(d)は蓋体を接合
する前のベース部材の拡大平面図である。
【0096】ベース 101Dの側縁近くに帯状の溝150 が
設けられ、溝150 に融着用ガラス159 が充填されてい
る。溝150 は、溝102 、103 の形成と同時に形成する。
ガラスの充填には、溝150 上にロッド状ガラスを載置
し、この状態でベース 101Dを加熱してロッド状ガラス
を溶融し、表面を研磨仕上げすることによってなされ
る。ベース 101Dは、融着用ガラス159 を溝150 に充填
した以外は、図6のベース101 と異なるところはない。
従って、ベース 101Dの溝102 、103 にはガラスの層は
存在しない。
【0097】実験用記録ヘッドは、図17に示すように、
ベース 101Dに蓋体 106Aを重ね合わせ、両者を互いに
圧接した状態で加熱し、溝150 中のガラス159 によって
ベースと蓋体とをガラス融着によって接合する。上記圧
接は、前述したと同様に、図8、図9に示した融着用治
具を用いてなされる。ベース 101Dと蓋体 106Aとを接
合した後、パウダビームエッチングによって吐出口 107
D(円形の貫通孔)を形成する。その他は前記実験例1
におけると同様である。
【0098】この例にあっても、柱体105 の周囲の狭い
環状空間104 の毛細管作用により、液体染料が吐出口 1
07Dにスムーズに供給される。なお、溝150 及びこれに
充填するガラス159 は、蓋体側に設けても良く、ベース
部材と蓋体との双方に設けて良いことは言う迄もない。
【0099】図16(a)〜(c)に示した記録ヘッド部
の気化の完成に至る手順を纏めると、図18に示す通りで
ある。
【0100】<実験例7>上記の吐出口は、前記実験例
4におけるような、1対の円弧状貫通孔 107C、107C
とすることができる。図19はこのようにした気化部周辺
の拡大斜視図である。このようにして、前記実験例4に
おけると同様の効果を奏することができる。
【0101】ガラスパック法によるベース部材と蓋体と
の接合は、前述のガラススパッタ法による場合と同様
に、密着性、耐熱性及び耐久性の点で良好である。但
し、溝へのガラス充填の作業がガラススパッタ法におけ
るスパッタ作業に較べて若干手数がかかるので、組み立
てに要する工数がやや増える。
【0102】記録ヘッドの組み立てについて、ガラスス
パッタ法、ガラスパック法及び比較の接着剤による方法
を評価して纏めると、下記表に示す通りである。これに
よれば、本発明に基づくガラス接合によって、接合部の
密着性、耐熱性、耐久性が大きく向上し、また作業時間
も著しく短縮でき、本発明に基づくガラス接合(融着)
の優位性が明らかである。なお、評価内容は次の通りで
ある。 密着性:ベース部材と蓋体との接合の確実さ(染料浸み
出し防止) 所要時間:3方式の工程フローで比較 耐熱性:染料加熱温度 150℃を基準 耐久性:使用環境を考慮
【0103】 *接着剤(エポキシ樹脂、UV硬化樹脂) 註)○印:良好 △印:普通 ×印:劣る
【0104】吐出口に赤外線吸収材としての金属薄膜を
蒸着によって設けると、レーザ光の赤外線成分が吸収さ
れ、光→熱交換の効率が上昇する。蒸着金属としては、
チタン、鉄、ニッケル、クロム等が好適である。図20
は、図1(実験例1)の記録ヘッド部の完成後に蓋体10
6 の上方から赤外線吸収用金属薄膜160 を蒸着によって
形成した例を示す拡大部分断面図である。
【0105】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明の技術的思想に基いて種々の変形を前記の実施例に加
えることができる。
【0106】例えば、固体染料を一旦液状にし、これを
気化させて記録を行う他、固体染料をレーザ光によって
加熱して直接気化、即ち昇華させて記録を行うことがで
きるし、染料収納槽11に液化染料(室温にて液状)を収
容することもできる。
【0107】また、記録層やヘッド部の構造や形状は、
前記以外の適宜の構造、形状として良く、ヘッド部を構
成する各部分の材料には、他の適宜の材料を使用して良
い。
【0108】また、記録染料をマゼンタ、イエロー、シ
アンの3色としてフルカラーの記録を行うほか、1色の
モノカラー又は白黒の記録を行うことができる。
【0109】また、記録染料の被記録紙への移行は、液
化染料の気化によるほか、固体染料の昇華或いはアブレ
ーション(レーザ光照射による気化過程以外で物質の一
部がエッチング現象により沸騰する勢いで飛び出すこ
と)等の飛翔現象を利用することも可能である。
【0110】更に、染料等の記録材を気化又は昇華させ
るエネルギーとしては、レーザ光のほか、他のエネルギ
ー、例えば他の電磁波やスタイラス電極を用いた放電を
使用することも可能である。
【0111】
【発明の作用効果】本発明は、記録材供給用の通路を有
するベース部材と蓋体とによって記録ヘッド部が構成さ
れ、ベース部材と蓋体とがガラス層を介して接合されて
いる。ガラス層は、接着材層とは異なり、極めて薄く設
けられるので、前記接合に際して記録材供給用の通路を
塞いだり、断面積を減少させたりすることを実質的にな
くすことができる。その結果、記録材がスムーズに供給
され、常に良好な記録が保証される。
【0112】また、ガラスによる上記接合は、融着によ
って簡単になされ、記録ヘッド部の組み立てが容易であ
り、接合の密着性も良好で耐久性にも優れた記録ヘッド
部が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例による記録装置の記録部の断面図(図2
のI−I線断面図)である。
【図2】同記録部の概略平面図である。
【図3】同記録装置の分解斜視図である。
【図4】同プリンタヘッドの概略裏面図である。
【図5】同プリンタを下方からみた概略斜視図である。
【図6】第一の実験に用いた記録ヘッドを示し、同図
(a)は斜視図、同図(b)は同図(a)のb−b線断
面図、同図(c)は同図(a)のc−c線断面図、同図
(d)は蓋体接合前のベースの平面図である。
【図7】同ベースと蓋体との接合の要領を示す斜視図で
ある。
【図8】同融着用治具の平面図である。
【図9】同融着用治具の正面図である。
【図10】同染料吐出口形成の要領を示し、同図(a)は
吐出口形成前の拡大断面図、同図(b)は吐出口形成後
の拡大断面図である。
【図11】同記録ヘッドの毛細管部形成のプロセスフロー
図である。
【図12】第二の実験に用いた記録ヘッドを示し、同図
(a)は拡大部分斜視図、同図(b)は拡大部分断面図
である。
【図13】第三の実験に用いた記録ヘッドを示し、同図
(a)は斜視図、同図(b)は同図(a)のb−b線断
面図、同図(c)は同図(a)のc−c線断面図、同図
(d)は蓋体接合前のベースの平面図である。
【図14】第四の実験に用いた記録ヘッドを示し、同図
(a)は斜視図、同図(b)は同図(a)のb−b線断
面図、同図(c)は同図(a)のc−c線断面図、同図
(d)は蓋体接合前のベースの平面図である。
【図15】第五の実験に用いた記録ヘッドを示し、同図
(a)は斜視図、同図(b)は同図(a)のb−b線断
面図、同図(c)は同図(a)のc−c線断面図、同図
(d)は蓋体接合前のベースの平面図である。
【図16】第六の実験に用いた記録ヘッドを示し、同図
(a)は斜視図、同図(b)は同図(a)のb−b線断
面図、同図(c)は同図(a)のc−c線断面図、同図
(d)は蓋体接合前のベースの平面図である。
【図17】同ベースと蓋体との接合の要領を示す斜視図で
ある。
【図18】同記録ヘッドの毛細管部形成のプロセスフロー
図である。
【図19】第七の実験に用いた記録ヘッドの拡大部分斜視
図である。
【図20】他の実験に用いた記録ヘッドの拡大部分断面図
である。
【図21】従来の感熱記録ヘッドを用いた記録装置の要部
正面図である。
【図22】本発明完成前の記録部の部分断面図である。
【図23】接着剤を用いての記録ヘッドの毛細管部形成の
プロセスフロー図である。
【符号の説明】
9、24・・・溝 24a・・・環状空間 10・・・記録部(ヘッド部) 11・・・固体染料収納槽 12・・・固体染料 20、106 ・・・蓋体 15・・・ベース部材 16・・・ヒータ 17・・・気化部(染料吐出口) 18・・・半導体レーザチップ 19・・・集光レンズ 21・・・ガラス層 22・・・液化染料 23・・・柱体 32・・・気化染料 50・・・被記録紙 100 ・・・実験用記録ヘッド 100A・・・融着接合前の実験用記録ヘッド 101 、 101D・・・ベース 102 、103 ・・・溝 104 、 104B、 104C・・・空間 105 、 105A、108 ・・・柱体 106A・・・染料吐出口(気化部)形成前の蓋体 107 、 107A、 107B、 107C、 107D・・・染料吐出
口(気化部) 109 ・・・ガラス層 120 ・・・石英粉末粒子 150 ・・・ガラス充填溝 159 ・・・ガラス 160 ・・・赤外線吸収用金属薄膜 L・・・レーザ光 d・・・間隙

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録材供給用の通路を有するベース部材
    と、このベース部材にガラス層を介して取り付けられか
    つ記録材吐出口付きの記録材収容部を形成する蓋体とを
    具備する記録ヘッド部構造。
  2. 【請求項2】 ガラス層がスパッタ法又はガラスパック
    法によりベース部材及び/又は蓋体に設けられている、
    請求項1に記載した記録ヘッド部構造。
  3. 【請求項3】 ガラス層がスパッタ法によりベース部材
    及び/又は蓋体の少なくとも接合面のほぼ全域に設けら
    れている、請求項2に記載した記録ヘッド部構造。
  4. 【請求項4】 ガラス層がガラスパック法によりベース
    部材及び/又は蓋体の接合面に局部的に設けられてい
    る、請求項2に記載した記録ヘッド部構造。
  5. 【請求項5】 ガラス層が、接合面に形成した溝内に充
    填されている、請求項4に記載した記録ヘッド部構造。
  6. 【請求項6】 記録材収容部における少なくともベース
    部材に毛細管構造体が設けられている、請求項1〜5の
    いずれか1項に記載した記録ヘッド部構造。
  7. 【請求項7】 毛細管構造体が柱状体、粉粒体又は繊維
    から構成されている、請求項6に記載した記録ヘッド部
    構造。
  8. 【請求項8】 毛細管構造体先端が蓋体に接合されてい
    て、この蓋体の気化用の孔が前記毛細管構造体の周囲に
    開口するように環状に形成されている、請求項1〜7の
    いずれか1項に記載した記録ヘッド部構造。
  9. 【請求項9】 ベース部材及び/又は蓋体が石英ガラス
    で構成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載
    した記録ヘッド部構造。
  10. 【請求項10】 記録材の層が間隙を隔てて被記録体に対
    向し、前記記録材を気化させ、前記間隙を通して前記被
    記録体に移行させるように構成された、請求項1〜9の
    いずれか1項に記載した記録ヘッド部構造。
  11. 【請求項11】 記録材収容部が複数の異なる色の染料毎
    に設けられている、請求項1〜10のいずれか1項に記載
    した記録ヘッド部構造。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項に記載した
    記録ヘッド部構造を有する記録装置。
  13. 【請求項13】 被記録体に間隙を隔てて対向する記録材
    を飛翔させ、前記間隙を通して前記被記録体に移行させ
    るための加熱手段を有する、請求項12に記載した記録装
    置。
  14. 【請求項14】 加熱手段が、レーザと、このレーザから
    出射されたレーザ光を吸収するレーザ光吸収体とからな
    る、請求項13に記載した記録装置。
  15. 【請求項15】 染料を加熱ビームの照射により飛翔さ
    せ、被記録体に移行させるように構成された、請求項1
    2、13又は14に記載した記録装置。
  16. 【請求項16】 ベース部材と蓋体とをガラス融着によっ
    て接合する工程を含む、請求項1又は12に記載した記録
    ヘッド部構造又は記録装置の製造方法。
  17. 【請求項17】 ベース部材及び/又は蓋体にスパッタ法
    又はガラスパック法によってガラス層を形成する工程
    と、前記ベース部材と前記蓋体とを前記ガラス層の融着
    によって接合する工程とを含む、請求項16に記載した製
    造方法。
  18. 【請求項18】 請求項16又は17に記載した製造方法であ
    って、請求項3〜11及び請求項13〜15のいずれか1項に
    記載した構成を有する記録ヘッド部構造又は記録装置の
    製造方法。
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