JPH0847878A - 関節機構 - Google Patents

関節機構

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JPH0847878A
JPH0847878A JP20434494A JP20434494A JPH0847878A JP H0847878 A JPH0847878 A JP H0847878A JP 20434494 A JP20434494 A JP 20434494A JP 20434494 A JP20434494 A JP 20434494A JP H0847878 A JPH0847878 A JP H0847878A
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arm
shaft
common shaft
rotation
common
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Seijirou Kawada
静二郎 川田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 駆動軸17に回動可能に結合した第一の腕54の
先端部に軸受54aを形成して共通軸9を設け、共通軸9
に固定した第二の腕3の先端部には回動可能な従動軸2
を設け、従動軸2の上部にはフォーク1を設ける。駆動
軸17の駆動は、第一の腕54に固定し、駆動軸17と同心の
歯車20とモータ22に直結の歯車21との係合により回動さ
せ、駆動軸17の台23を固定した昇降台26のモータ25に直
結したカム24による作用によって昇降させる。回動伝達
は、駆動軸17に固定する平歯車55と共通軸9に固定する
平歯車57の間に奇数の平歯車561 〜56n を連設し、共通
軸9に固定する平歯車58と従動軸2に固定する平歯車60
の間に奇数の平歯車591 〜59n を連設することによって
なされる。 【効果】 歯車駆動により反発力がなく、テンション機
構によって駆動軸〜共通軸〜従動軸間の各歯車のバック
ラッシュによる遊びが解消されるため、腕の振れがな
く、正確に動作する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、関節機構に関し、例え
ば、所定の位置から他の所定の位置へ物品を移動させる
のに好適な関節機構に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウエハ表面に酸化シリコン膜等の
堆積膜を形成するため、CVD装置が汎用されている
が、近時、多数の半導体ウエハを上下に積み重ねるよう
に配した状態で処理する縦型炉と称される装置が注目さ
れてきている。この縦型炉は旧来の横型の炉とは異なっ
て、半導体ウエハの装入及び取り出しが容易であり、作
業に必要な占有面積も少なくて済むという利点がある。
そして、こうしたCVD装置を含む種々の処理装置は、
多数の半導体ウエハを円筒形のカートリッジ内に収納
し、カートリッジ毎に一括して処理するので有利であ
る。
【0003】図8は、このようなウエハカートリッジ移
送装置の一例であって、要部の概要を示す一部破砕斜視
図である。
【0004】本装置50は、床28上の昇降台26に固定され
た台23には駆動軸17が固定され、駆動軸17にはプーリー
12が固定され、第一の腕54が回動可能に取り付けてあ
る。第一の腕54の先端部には、上方に向かって中空の軸
受54aが延設され、軸受54aの上端にはプーリー52が固
定され、共通軸9が図示しないベアリングを介して軸受
54aに回動可能に取り付けてあり、かつ、共通軸9は軸
受54aに対して回動可能にしてある。
【0005】共通軸9にはプーリー10が固定され、プー
リー12、10に掛装されたベルト14により、第一の腕54の
回動に伴って共通軸9が回動するようになっていて、プ
ーリー12の直径、円周はプーリー10の直径、円周の2倍
にしてある。プーリー12、10及びベルト14は、中空の第
一の腕54内に収容されている。
【0006】共通軸9の上端には円板9aが設けられ、
円板9aと第二の腕3とは溶接により固定されている。
軸受54aに対して第二の腕3は回動可能となっており、
中空の第二の腕3の先端には、第二の腕3に対して回動
可能に従動軸2が取り付けられ、従動軸2にはプーリー
51が固定され、従動軸2の上端にはフォーク1が固定さ
れている。プーリー52はベルト53によってプーリー51に
回動を伝達するようになっていて、プーリー51の直径、
円周はプーリー52の直径、円周の2倍にしてある。プー
リー52、51及びベルト53は、中空の第二の腕3内に収容
されている。
【0007】駆動軸17、共通軸9間の距離と共通軸9、
従動軸2間の距離とは等しくしてある。第一の腕54には
駆動軸17と同心に平歯車20が固定され、平歯車20はモー
タ22の軸に取り付けられた平歯車21と噛合し、第一の腕
54はモータ22の駆動によって駆動軸17を中心にして回動
する。更に、昇降台26はモータ25に直結したカム24によ
ってガイド27に沿い上下動する。
【0008】第一の腕54の回動によって、軸受54a及び
共通軸9は駆動軸17を中心にして回動し、共通軸9に固
定された第二の腕3は共通軸9を中心にして回動する。
このとき、第一の腕54と第二の腕3とは共通軸9を中心
にして互いに逆方向に回動し、従動軸2に取り付けられ
たフォーク1は一定方向を向いた状態で直線運動する。
【0009】次にこの運動原理を説明する。図9に示す
ように、第一の腕54の回動によって第一の腕54、第二の
腕3は共通軸9を中心にして、一点鎖線、二点鎖線で示
すように順次開いていく。実線で示す基準の状態におけ
る駆動軸17と共通軸9とを結ぶ線Lに平行で共通軸9を
通る線L1 、L2 に対する第一の腕54と第二の腕3の角
度θ1a、θ1b;θ2a、θ2bを等しく保つことにより、従
動軸2は矢印のように直線運動する。
【0010】第一の腕54が回動し、図10で示すように、
第一の腕54に回動可能に取り付けられた共通軸9が、図
12に実線で示す位置から駆動軸17を中心として矢印a方
向に一点鎖線で示す位置まで角度θだけ回動すると、共
通軸9及びプーリー10は公転、自転を同時に行い、この
結果当初の状態からみて回転する。但し、ここで言う公
転とは、他のものを中心として回転(回動)すること、
自転とは自らを中心として回転(回動)することであ
る。
【0011】まず、図10に示すように第一の腕54の回動
に伴い、共通軸9及びプーリー10は、図11に示すように
駆動軸17を中心として矢印a方向即ち時計方向に角度θ
だけ公転する。同時に、共通軸9及びプーリー10は、矢
印b方向即ち半時計方向に角度2θだけ自転する。以
下、この自転の生ずる理由について説明する。
【0012】図10の第一の腕54の回動に伴い、駆動軸17
に取り付けられたプーリー12は回動せず常に静止してい
るので、図11に示すように、プーリー12とベルト14との
接点Sはプーリー12の外周に沿って時計方向に角度θだ
け一点鎖線で示すように移動する。これに伴い、ベルト
14の図面において下側部分は、実線で示す状態にくらべ
長さlだけプーリー12に巻き込まれ、また、ベルト14の
図面において上側部分は、実線で示す状態にくらべ長さ
lだけプーリー12との接触から解除されることとなる。
長さlの値は、プーリー10の円周の長さをs、プーリー
12の円周の長さを2sとすると、次式で与えられる。 l=2s・θ/2π・・・・・(1)
【0013】このように、ベルト14とプーリー12との接
触位置が移動すると、ベルト14の図面において下側部分
は緊張し、ベルト14の上側部分は緩む。従って、プーリ
ー10には矢印b方向への回転力が働き、共通軸9及びプ
ーリー10は矢印b方向へと自転する。この自転角度につ
いて説明すると、次の通りである。
【0014】プーリー12、10間の距離は不変であり、ベ
ルト14がプーリー10、12間に一定距離を以て掛装された
状態は、プーリー10が公転してもその儘保たれ、プーリ
ー10の公転に伴う矢印b方向への自転によって、ベルト
14とプーリー10との接点Sは長さlだけ移動することに
なる。従って、プーリー10の回転角をφ10とすると、次
式が成り立つ。 l=s・φ10/2π・・・・・(2)
【0015】上記(1)、(2)式より、φ10=2θが
導かれる。即ち、プーリー10及び共通軸9は、ベルト14
に対して反時計方向に角度2θだけ自転する。
【0016】以上述べたことを総合すると、次のような
結果となる。プーリー10及び共通軸9が図11に実線で示
す位置にあるとき目印Pをプーリー10の周面に設けてお
いて、プーリー10及び共通軸9を一点鎖線で示す位置ま
で回動させる。このとき目印Pは、プーリー10の矢印a
方向への工程に伴って矢印cに示すように角度θ回転す
ると共に、プーリー10の矢印b方向への自転に伴って矢
印dに示すように角度2θだけ回転する。即ち、目印P
は、反時計方向に角度θ(2θ−θ)だけ回転すること
となる。
【0017】以上のことから、図11において共通軸9が
実線で示す位置から一点鎖線で示す位置に移動させ、共
通軸9の中心線に垂直な面上に互いに直交する座標軸
x、yを設定すると、この座標軸x、yは、図13に実線
で示す方向から一点鎖線で示すように反時計方向に角度
θだけ回転する。
【0018】このような原理によって、第二の腕3は共
通軸9に固定されているので、上述の如く共通軸9が反
時計方向に角度θだけ回転するのに伴い、第二の腕3は
共通軸9を中心として反時計方向に角度θだけ回動する
ことになる。かくして、第一の腕54と第二の腕3は、共
通軸9を中心として互いに逆方向に同じ角度θだけ回動
する。
【0019】然し、このような従来の関節機構には改善
を必要とする問題がある。即ち、図13は上記したような
関節機構の最先端部を示すものであるが、図示の如く、
この部分の従動軸2に結合されているプーリー51を駆動
させるベルト53は矢印で示す両方向に張力が働いてお
り、プーリー51の回動を規制し拘束している。然し、プ
ーリー51の最端位置Pにおいてはその拘束力がなく、プ
ーリー51をどちらかに回そうとすれば、ベルト53のばね
定数による反発力が生じる。
【0020】従って、図14に示すように、第一の腕54及
び第二の腕3を伸ばして従動軸2をA方向へ進めようと
すると、第一の腕54及び第二の腕3の重心の移動に伴い
矢印Bの方向に慣性力が生じるため、従動軸2はA’方
向へ振れて進む。この現象はベルト53の張力を増しても
そのばね定数が大きくならない限り振れは改善されな
い。これが所定方向への正確な移動がなされないという
従来の関節機構の宿命的な欠点となっている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みてなされたものであり、移動方向を不正確にする
要因を排除し、物品を確実かつ正確に移送できる関節機
構を提供することを目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、第一の腕及び
第二の腕を軸支する共通軸に対して前記第一の腕が回動
可能に取り付けられ、前記共通軸に前記第二の腕が固定
され、前記共通軸を中心にして前記第一及び第二の腕を
互いに逆方向に回動させる回動変更手段と、この回動変
更手段に設けられかつ前記第一の腕の回動角度及び前記
第二の腕の回動角度を所定の関係に保持するように制御
する制御手段とを有する関節機構において、前記共通軸
を従動させる駆動軸が前記第一の腕に設けられ、前記共
通軸に従動する従動軸が前記第二の腕に設けられ、前記
駆動軸及び前記従動軸と前記共通軸とが、同じ回動方向
で回動するように歯車駆動によって連動し、かつ、前記
駆動軸及び前記共通軸の間並びにこの共通軸及び前記従
動軸の間に、歯車間の噛み合い面における遊び(即ち、
この面におけるバックラッシュによる遊び)を解消する
ための張力付与手段が設けられていることを特徴とする
関節機構に係る。
【0023】本発明において、第一の腕の回動角度と第
二の腕の回動角度とが等しいことが望ましい。
【0024】また、本発明において、駆動軸の回動角度
と共通軸の回動角度との比、及び従動軸の回動角度と前
記共通軸の回動角度との比がいずれも1:2であること
が望ましい。
【0025】また、本発明において、回動伝達手段が、
奇数で複数の平歯車を、第一の腕の駆動軸と共通軸との
間及び第二の腕の共通軸と従動軸の間に夫々連設して構
成することができる。
【0026】また、本発明において、回動伝達手段を第
一の腕用として駆動軸とこれに従動する共通軸及び第二
の腕用として共通軸とこれに従動する従動軸にピニオン
を設け、第一の腕のピニオン同士及び第二の腕のピニオ
ン同士をラックの接合により連結させて構成することが
できる。
【0027】上記において、回動伝達手段をラックとピ
ニオンとの間に従動する中間ピニオンを介在させて構成
することができる。
【0028】また、本発明において、回動伝達手段を、
第一の腕用として駆動軸及びこれに従動する共通軸、並
びに第二の腕用として共通軸及びこれに従動する従動軸
に夫々傘歯車を設け、第一の腕の傘歯車同士及び第二の
腕の傘歯車同士を夫々同一軸に配設されて連動する別の
傘歯車を中間に介在させて構成することができる。
【0029】また、本発明において、第一の腕の駆動軸
とこれに従動する共通軸の歯車及び第二の腕の共通軸と
これに従動する従動軸の歯車の歯数の比が夫々2:1に
構成されていることが望ましい。
【0030】また、本発明において、第一の腕及び第二
の腕の回動伝達手段を上記した2種類の回動伝達手段の
組み合わせによって構成することができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0032】図1は、実施例によるウエハカートリッジ
移送装置の要部を示す一部破砕斜視図である。図示の如
く、本例の装置70は図8により前述した従来例の装置と
共通する部分が在る。従って、本例の従来例との異なる
点を中心に説明する。
【0033】即ち、本例は第一の腕54における駆動軸17
から共通軸9に至る回動の伝達方法及び第二の腕3にお
ける共通軸9から従動軸2に至る回動の伝達方法が従来
と異なる点であり、その他の構造及び作用等は変わらな
い。図示のとおり、第一の腕における駆動軸17には平歯
車55が固定して結合され、対する共通軸9には平歯車57
が固定して結合されており、この双方の平歯車55、57の
間は平歯車561 〜56nの数個が順次噛合して連接され介
在している。
【0034】そして、駆動軸17側及び共通軸9側の平歯
車を含む合計の平歯車は奇数であり、駆動軸17の回動は
共通軸9に同一方向への回動を伝達するようになってい
る。更に両端末の歯車のギヤ比は2:1で、駆動軸17側
の平歯車55が2、共通軸9側の平歯車57が1となり、間
に介在する平歯車561 〜56n は駆動軸17側から共通軸9
に至り順次縮径され、夫々が第一の腕54に僅かな揺動を
可能にして軸支されている。
【0035】また、駆動軸17には平歯車55に密着してプ
ーリー61が固定して結合され、同じく共通軸9にも平歯
車57に密着してプーリー62が回動可能に軸支されてい
る。そして、一方の端末をプーリー61に係止させたワイ
ヤロープ63aと、同じく一方の端末をプーリー62に係止
させたワイヤロープ63bが対向して設けられ、双方のワ
イヤロープ63a、63bは間にコイルスプリング64を介在
させて連結されている。図2はこの要部を抽出拡大して
示した平面図である。このように双方のワイヤロープ63
a、63bは端末部をプーリー61、62の外周溝に係回させ
て先端を凹部61a、62aに係止して架設されている。
【0036】一方、第二の腕3側においては、従動軸2
を駆動する共通軸9の平歯車と従動軸2の平歯車のギヤ
比は第一の腕側とは逆に1:2の比率となって、その他
は第一の腕と同様の措置が施されている。即ち、共通軸
9には平歯車58に密着してプーリー65が回動可能に軸支
され、従動軸2側の平歯車60に密着してプーリー66が軸
支されている。そして、双方のプーリー65、66の間には
ロッド67a、67bがコイルスプリング68を介在させて上
記した第一の腕54側と同様にして架設されている。従っ
て、回動の駆動源である駆動軸17と末端の従動軸2にお
ける動作は1:1となる。
【0037】これらのワイヤロープとコイルスプリング
によるテンション機構によって連設された歯車のバック
ラッシュによる遊びが解消される。これが本例における
特筆すべき要点である。即ち、従来のベルトとプーリー
(2:1)による回動伝達方法に対して、ギヤ比2:1
を歯車の連設による回動伝達方法を採り、バックラッシ
ュによる遊びの解消によって最先端の従動軸の所定方向
からの振れを排除することに成功したものである。な
お、上記したプーリー61、62、65、66は夫々隣接の歯車
と一体構造にしてもよい。このように、回動伝達手段が
従来のプーリーとベルトに代えて、連設した歯車による
伝達が異なるだけで、その他は変わらないので各部の動
作や作用等の説明は省略する。
【0038】図3は第二の実施例による回動伝達方法を
示し、第一の腕における回動伝達の機構要部のみを抽出
して図示したものである。本例は前述の例における中間
歯車の連設の代わりにラックの接合による回動伝達方法
である。駆動軸17には平歯車(ピニオン)55及びプーリ
ー61が固定して結合され、共通軸9には平歯車57及びプ
ーリー62が回動可能に軸支されている。本例においても
駆動軸17の平歯車55と共通軸9の平歯車57とのギヤ比は
2:1であり、プーリー61と62も同じ比率に構成されて
いる。そして双方のプーリー61と62は前例と同様にロッ
ド63a、63bに間にコイルスプリング64を介在させて架
設してある。
【0039】そして、図示のように、平歯車55と平歯車
57とをラック69で連結し、ラック69の歯69aが上記両平
歯車55、57が噛合し合い、ラック69は押さえのローラ70
a及び70bによって圧接されている。従って、平歯車55
の回動はストレートに平歯車57に伝達されている。然
し、本例においても上記ロッド63a、63bによるテンシ
ョン作用によってギヤのバックラッシュによる遊びを解
消する機能を果たしている。第二の腕については図示省
略するが、これと同様の機構になり、第二の腕における
ギヤ比等も第一の実施例の場合と同じになっている。但
し、この場合、ラックの突出部l分だけ第一の腕54及び
第二の腕3内の収容スペースを多く確保する必要があ
る。
【0040】図4は第三の実施例による回動伝達方法を
示し、同じく第一の腕における回動伝達機構の要部のみ
を抽出して図示したものである。本例は上記した第二の
実施例の変形例であり、ラック69と平歯車55及び57の間
に従動する平歯車71a、71bを介在させたものであって
機能等は前記第二の実施例と同じであるので詳細な説明
は省略する。
【0041】従って、本例の駆動軸17の平歯車55及び共
通軸9の平歯車57も2:1のギヤ比でありプーリー61、
62も同じ比である。このような構造によって、第二の実
施例に見られたラックの突出量を少なくすることができ
る利点がある。勿論本例においても第二の腕は図示省略
するが同様の機構になっている。
【0042】図5は第四の実施例による回動伝達方法を
示し、同じく第一の腕における回動伝達機構の要部のみ
を抽出して図示したものである。本例は図示のように傘
歯車を用いたものであり、(a)は平面図、(b)は正
面図である。
【0043】即ち、駆動軸17には傘歯車72が固定して結
合され、共通軸9には傘歯車73が回動可能に軸支されて
いる。本例においても傘歯車72と73のギヤ比は2:1で
あり、ワイヤロープ63a、63bによるテンション機構は
ワイヤロープ63a、63bの各端末を傘歯車72及び73の軸
受け部周縁に巻回し固定している。そして、この傘歯車
72と73との連結機構としては、同一軸74の両端に配設さ
れた同サイズの傘歯車75a及び75bの傘歯車72及び73と
の噛合によりなされる。
【0044】この回動伝達方法は、第二の腕についても
同じになっている。第二の腕については図示省略する
が、第二の腕においては上記各例と同様にギヤ比は逆に
なっている。即ち、従動軸側の傘歯車を駆動する共通軸
側の傘歯車の歯数の比は1:2となっている。
【0045】上記したどの実施例においても、回動伝達
方法が異なるのみで共通していることは、いずれも歯車
駆動による駆動伝達方式であって、駆動源である駆動軸
17と最終の従動軸2における駆動量が1:1となること
である。そして更にテンション機構によってギヤのバッ
クラッシュによる遊びを解消することによって不正確な
動作を排除し得たことである。これによって、この移送
装置は慣性の力に影響されることなく、所望の正確な動
作が可能になった。
【0046】次のように精巧な移送装置を必要とする移
送の実例を図6及び図7により説明する。図6はコンベ
ヤとCVD装置間のウエハカートリッジの移送状態を示
す平面図であり、図7はCVD装置の下部装入孔に未処
理のウエハを収容したカートリッジの装入状態を示す図
である。
【0047】先ず、図6は、CVD装置の装入孔32の下
方とコンベヤ41との中間に移送装置50の駆動軸17が位置
していて、共通軸9は駆動軸17を中心にして矢印e方向
に回動し、従動軸2に取り付けられたフォーク1は矢印
fのように直線運動する。フォーク1はCVD装置下方
を向いて従動軸2に固定してある。第一の腕54、第二の
腕3は、従動軸2がコンベヤ41上に位置している場合を
実線で、CVD装置下に位置している場合を一点鎖線で
示してある。
【0048】フォーク1はウエハカートリッジ39を担持
してこれをコンベヤ41とCVD装置の装入孔32との間で
移送する。この例では、処理を終了したウエハカートリ
ッジを装入孔32からコンベヤ41に移送して搬送し、次に
コンベヤ41によって搬送されてくる未処理のウエハカー
トリッジをコンベヤ41から装入孔32へ移送する。装入孔
32及びコンベヤ41からのウエハカートリッジの担持並び
にこれらへのウエハカートリッジの載置は、前述したよ
うにカム24(図8参照)によって行う。
【0049】なお、未処理のウエハカートリッジを担持
する場合は、その直前にフォーク1を位置させる。この
ようにして、ウエハカートリッジは直線運動して移送さ
れ、移送に要する時間が短く、運動がスムーズで安全に
移送される。
【0050】次に、図7に示すように、ウエハ38を収容
したウエハカートリッジ39の底板39aの中央には、下向
きの突起部39bが設けられていて、移送装置30のフォー
ク1の厚さは、突起部39bの厚さよりも僅かに小さくし
てある。
【0051】CVD装置40の筺体の底板31aに取り付け
られた昇降装置33の昇降可能な柱体33aには、ブラケッ
ト34を介して底蓋35が取り付けられ、底蓋35上には装入
孔32に嵌入する円形の装入部36が設けてある。
【0052】次に、この状態からフォーク1がカム24
(図1及び図8参照)の回転によって下降し、一点鎖線
で示すように、ウエハカートリッジ39の突起部39bが昇
降装置30の装入部36に当接して装入部36上にウエハカー
トリッジ39が載置され、それ迄ウエハカートリッジを支
承していたフォーク1は底板39aから離れる。
【0053】次に、第二の腕3が図において手前に回動
し、引続き未処理のウエハカートリッジ39は昇降装置33
の駆動によって上昇し、このウエハカートリッジ39は装
入孔32を通過してCVD装置40内に装入される。この状
態で装入部36は装入孔32に嵌入し、底蓋35が装入孔32を
塞いでCVD装置40を密閉するようになる。
【0054】なお、処理が終了したウエハカートリッジ
をCVD装置から排出させるときは、上記とは逆の手順
に従ってウエハカートリッジを下降させる。
【0055】このように、非常に高価であるため装置の
不正確な動作による事故や破損、又は衝撃や振動による
初塵汚染等が許されないウエハの移送においては、CV
D装置40の僅かな間隙しかない装入孔32へ微小の狂いも
なく確実にカートリッジ39を移送しなければならない。
然し、従来の移送装置では、前述したような慣性に伴う
振れ等の誤動作を発生させる宿命的な欠点があったが、
本発明によってこれらの諸問題は解決されるに至ったの
である。
【0056】以上、本発明の実施例について説明した
が、上述の実施例は本発明の技術的思想に基いてこれ以
外に各種の変形が可能である。例えば、回動伝達方法と
して、上記した種類の歯車以外の歯車(例えばウォーム
ギヤ)にすることも可能である。また、第一の腕と第二
の腕について上記した種類のうちの別々の種類の歯車駆
動の組み合わせにすることも可能であり、上記した種類
の歯車駆動と上記以外の駆動方法との組み合わせにする
ことも可能である。
【0057】また、本発明は、半導体ウエハのほか、液
晶表示装置用ガラス基板や、これら板状体に限らず、種
々の物品の移送に同様に適用可能である。
【0058】
【発明の作用効果】本発明は、第一の腕と第二の腕との
回動可能な軸の軸線を中心とする逆回動を、歯車駆動に
よって駆動を伝達するように関節機構を構成しているの
で回動の反発力がなく、更にテンション機構により歯車
間の噛み合い面における遊び(即ちこの面におけるバッ
クラッシュによる遊び)を解消しているので、慣性に影
響されないので振れが発生せず、両腕の回動角度を所定
の関係に保持することが可能で動作が正確である。従っ
て、移送する物品を安全、正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例によるウエハカートリッジ移送装置の要
部を示す一部破砕斜視図である。
【図2】同要部を抽出拡大した平面図である。
【図3】他の実施例による要部を抽出拡大した平面図で
ある。
【図4】更に他の実施例による要部を抽出拡大した平面
図である。
【図5】更に他の実施例による要部を抽出拡大した平面
図である。
【図6】実施例による移送装置によるコンベヤとCVD
装置間のウエハカートリッジの移送状態を示す図であ
る。
【図7】同移送装置によるCVD装置へのカートリッジ
の装入状態を示す図である。
【図8】従来例によるウエハカートリッジ移送装置の要
部を示す一部破砕斜視図である。
【図9】腕の運動を説明するための模式的平面図であ
る。
【図10】腕の運動を説明するための模式的斜視図であ
る。
【図11】軸の運動原理を説明するための模式的平面図で
ある。
【図12】軸上に設定した座標軸の移動を示す模式図であ
る。
【図13】従来例による関節機構の最先端部を説明するた
めの模式図である。
【図14】従来例による関節機構の概略の模式的平面図で
ある。
【符号の説明】
1・・・フォーク 2・・・従動軸 3・・・第二の腕 9・・・共通軸 9a・・・円板 17・・・駆動軸 20、21、55、56、57、58、59、60・・・平歯車 22、25・・・モータ 23・・・台 24・・・カム 26・・・昇降台 27・・・ガイド 28・・・床 50、70・・・装置 54・・・第一の腕 54a・・・軸受 61、62、65、66・・・プーリ 63a、63b、67a、67b・・・ワイヤロープ 64、68・・・コイルスプリング

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の腕及び第二の腕を軸支する共通軸
    に対して前記第一の腕が回動可能に取り付けられ、前記
    共通軸に前記第二の腕が固定され、 前記共通軸を中心にして前記第一及び第二の腕を互いに
    逆方向に回動させる回動変更手段と、この回動変更手段
    に設けられかつ前記第一の腕の回動角度及び前記第二の
    腕の回動角度を所定の関係に保持するように制御する制
    御手段とを有する関節機構において、 前記共通軸を従動させる駆動軸が前記第一の腕に設けら
    れ、前記共通軸に従動する従動軸が前記第二の腕に設け
    られ、前記駆動軸及び前記従動軸と前記共通軸とが、同
    じ回動方向で回動するように歯車駆動によって連動し、
    かつ、前記駆動軸及び前記共通軸の間並びにこの共通軸
    及び前記従動軸の間に、歯車間の噛み合い面における遊
    びを解消するための張力付与手段が設けられていること
    を特徴とする関節機構。
  2. 【請求項2】 第一の腕の回動角度と第二の腕の回動角
    度とが等しい、請求項1に記載した関節機構。
  3. 【請求項3】 駆動軸の回動角度と共通軸の回動角度と
    の比、及び従動軸の回動角度と前記共通軸の回動角度と
    の比がいずれも1:2である、請求項1又は2に記載し
    た関節機構。
  4. 【請求項4】 回動伝達手段が、奇数で複数の平歯車
    を、第一の腕の駆動軸と共通軸との間及び第二の腕の共
    通軸と従動軸の間に夫々連設して構成されている、請求
    項1、2又は3に記載した関節機構。
  5. 【請求項5】 回動伝達手段が、第一の腕用として駆動
    軸とこれに従動する共通軸及び第二の腕用として共通軸
    とこれに従動する従動軸にピニオンを設け、第一の腕の
    ピニオン同士及び第二の腕のピニオン同士をラックの接
    合により連結させて構成されている、請求項1、2又は
    3に記載した関節機構。
  6. 【請求項6】 回動伝達手段が、ラックとピニオンとの
    間に従動する中間ピニオンを介在させて構成されてい
    る、請求項5に記載した関節機構。
  7. 【請求項7】 回動伝達手段が、第一の腕用として駆動
    軸及びこれに従動する共通軸、並びに第二の腕用として
    共通軸及びこれに従動する従動軸に夫々傘歯車を設け、
    第一の腕の傘歯車同士及び第二の腕の傘歯車同士を夫々
    同一軸に配設されて連動する別の傘歯車を中間に介在さ
    せて構成されている、請求項1、2又は3に記載した関
    節機構。
  8. 【請求項8】 第一の腕の駆動軸とこれに従動する共通
    軸の歯車及び第二の腕の共通軸とこれに従動する従動軸
    の歯車の歯数の比が夫々2:1に構成されている、請求
    項1〜5のいずれか1項に記載した関節機構。
  9. 【請求項9】 第一の腕及び第二の腕の回動伝達手段
    が、請求項1〜8のいずれか1項に記載した2種類の回
    動伝達手段の組み合わせにより構成されている関節機
    構。
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