JPH0847822A - クラウニング面加工方法 - Google Patents

クラウニング面加工方法

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JPH0847822A
JPH0847822A JP18454294A JP18454294A JPH0847822A JP H0847822 A JPH0847822 A JP H0847822A JP 18454294 A JP18454294 A JP 18454294A JP 18454294 A JP18454294 A JP 18454294A JP H0847822 A JPH0847822 A JP H0847822A
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JP
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power roller
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machining
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JP18454294A
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English (en)
Inventor
Shigetoshi Nakamura
村 重 敏 中
Riichi Otani
谷 利 一 大
Toshifumi Hibi
比 利 文 日
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械部品等におけるクラウニング面の加工に
おいて、加工効率に優れ、滑らかなクラウニング面を得
ることのできるクラウニング面加工方法を提供する。 【構成】 被加工部材1を治具2,3,4および5によ
り拘束し(図3の(a))、被加工部材1の底板部1b
に所定の弾性変形を加えて(図3の(b))、大径エン
ドミルMを用いて被加工面1aを平面加工し(図3の
(c))、被加工部材1を拘束している治具2,3,4
を取去ることにより(図3の(d))、被加工面1aに
クラウニング面を形成する方法とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械部品等におけるク
ラウニング面、なかでもとくに、トロイダル型無段変速
機におけるパワーローラ側に凸となるクラウニング面を
有するパワーローラ支持部材を製造するのに好適なクラ
ウニング面加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】クラウニング面を有する機械部品とし
て、例えば、トラクションドライブ式のトロイダル型無
段変速機におけるパワーローラ支持部材があり、このよ
うなパワーローラ支持部材は、特願平6−41139号
明細書および図面において記載されたものがある。
【0003】図5および図6は、それぞれこのトロイダ
ル型無段変速装置の横断面図および縦断面図であって、
図5の右側に配置される図示しないエンジンの出力は、
これもまた図示しないトルクコンバータを介して入力軸
14に伝達される。この入力軸14上には入力ディスク
16および出力ディスク18のそれぞれが配置され、こ
れらの両ディスク16,18の、相互に対向するトロイ
ダル曲面16a,18aのそれぞれには、パワーローラ
20が押し付け配置されている。ここで、パワーローラ
20は、入力軸14に対して対称位置に配置した2個で
一対をなす。
【0004】各パワーローラ20は、入力ディスク16
および出力ディスク18に接触する内輪20aと、この
内輪20aに、ベアリングボール20bを介して接触す
る外輪20cとからなり、このようなパワーローラ20
は、偏心軸22を介してパワーローラ支持部材24に、
その背面から支持されている。
【0005】また、それぞれのパワーローラ20を支持
するそれぞれのパワーローラ支持部材24は、図6に示
すように、パワーローラ20の回転軸線20dと直交す
る傾転軸線24aの回りでそれらの回動(以下「傾転」
という)運動を許容すべく、図では上下の端部分をそれ
ぞれの球面軸受26,28によって軸支されており、そ
して、上端球面軸受26の相互および、下端球面軸受2
8の相互は、主には、両パワーローラ支持部材24の間
隔を所期した通りに維持すべく機能するそれぞれのリン
ク30,32によって連結されている。なおここで、そ
れぞれのリンク30,32は、それらの中央部をそれぞ
れのリンクポスト34,36によって、ケーシング10
0および、後述する変速制御弁のバルブボディ38に連
結されている。
【0006】各パワーローラ支持部材24の下端部に
は、傾転軸線24aと同軸をなす延長軸40が設けら
れ、この延長軸40には、液圧アクチュエータ42のピ
ストン42aが取付けられている。このピストン42a
は、前記バルブボディ38に設けられたシリンダ内に嵌
合されて、それの上下側に、それぞれの油室42b,4
2cを区画する。さらにまた、両パワーローラ支持部材
24のいずれか一方、図では左側に位置するパワーロー
ラ支持部材24の、延長軸40の下端には、そのパワー
ローラ支持部材24と一体に回動するプリセスカム44
が取付けられており、このプリセスカム44のカム面に
はL字状に折曲された中間部を枢支したカムリンク46
の一端が当接されている。なお、そのカムリンク46の
他端は、調整ねじ48を介して変速制御弁50のスプー
ル52に当接されている。
【0007】ここで、バルブボディ38に設けられた変
速制御弁50は、スプール52に加え、変速指令手段と
してのステップモータ54により、ピニオン56を介し
て軸線方向に移動されるラック軸58と、このラック軸
58の先端部に連結されてスプール52に摺動可能に嵌
まり合うスリーブ60とを備えている。
【0008】このような変速制御弁50において、ステ
ップモータ54を、増速比方向もしくは減速比方向へ正
もしくは逆回転させると、スリーブ60とスプール52
との協働下で、液圧アクチュエータ42に連通される2
つのポート62,64と、ライン圧導入ポート66との
連通および遮断が行なわれる。ここにおいて、ポート6
2は、図の右側の液圧アクチュエータ42の下側油室4
2cおよび、左側液圧アクチュエータ42の上側油室4
2bのそれぞれに連通されており、ポート64は、それ
ぞれの液圧アクチュエータ42の、上述したとは逆の図
の左側の液圧アクチュエータ42の下側油室42cおよ
び、右側液圧アクチュエータ42の上側油室42bにそ
れぞれ連通されている。
【0009】これがため、変速比を変化させるべく、ス
テップモータ54を駆動して、スリーブ60をスプール
52に対して相対変位させると、その変位方向に応じて
ライン圧がポート62,64のいずれか一方に供給さ
れ、そのライン圧は、左右のパワーローラ支持部材24
を、図示の中立位置から上下逆方向へ相対変位させる。
そしてこの結果として、2個一対のパワーローラ20
は、傾転軸線24aの回りに傾転して、入出力ディスク
間での無段変速が行なわれる。
【0010】このような、トラクションドライブ式のト
ロイダル型無段変速機においては、動力伝達のために、
パワーローラ20からパワーローラ支持部材24へ相当
大きな押し付け力がかかり、そのため、パワーローラ支
持部材24の支持面がパワーローラ20に対して凹状
(弓型状)に変形する。パワーローラ支持部材24が変
形すると、各パワーローラ20にかかる荷重が不均一と
なるため、パワーローラ20の耐久性が低下するという
問題がある。
【0011】この問題を解決するために、あらかじめパ
ワーローラ支持部材24の支持面がパワーローラ20側
に凸となるクラウニングを有する面として形成してお
く。こうしておけば、パワーローラ20からの荷重が加
わった際にクラウニング面が変形して平面となって、各
パワーローラ20にかかる荷重が不均一となるのを防ぐ
ことができるため、パワーローラ20の耐久性が低下す
るという問題が解消される。
【0012】従来、上記のクラウニング面の加工方法と
しては、図7に示すように、パワーローラ支持部材10
1の被加工面101a(支持面)を小径のボールエンド
ミル102等の工具を用いて所定のクラウニング面を得
る加工を行なうか、あるいは、放電加工機や電解加工機
等の型加工を用いて加工していた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7に
おいて示した、被加工面101a(支持面)を小径のボ
ールエンドミル102を用いて所定のクラウニング面を
得る加工方法においては、クラウニング面を得るために
は小径のボールエンドミル102である必要があり、そ
のため加工効率が非常に悪く、また、小径のボールエン
ドミル102によって切削する際に、工具送りにより被
加工面101aに波目状のアンジュレーション(送り
目)が形成されてしまい、通常、パワーローラ支持部材
101におけるクラウニングの高さは数十〜数百μmの
オーダであるため、このような波目状のアンジュレーシ
ョンが形成されると滑らかな加工面が得られず、各パワ
ーローラにかかる荷重が不均一となるという問題があ
る。
【0014】また、パワーローラ支持部材101の内周
側面101bと被加工面101aとの境界部は、小径の
ボールエンドミル102を用いていることにより、クラ
ウニング加工ができない非有効部102cが必ず存在す
るため、レイアウト上、不利となるという問題もある。
【0015】さらに、上記した放電加工機や電解加工機
等の型加工を用いて加工した場合には、さらに加工効率
が悪いという問題があり、これらの問題を解決すること
が課題であった。
【0016】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題に鑑み
てなされたもので、機械部品等におけるクラウニング面
の加工において、加工効率に優れ、滑らかなクラウニン
グ面を得ることのできるクラウニング面加工方法を提供
することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に係るクラウニン
グ面加工方法は、請求項1として、被加工部材の被加工
面にクラウニング面を加工する際、被加工部材に所望の
クラウニング量に応じた量の弾性変形をさせ、この被加
工部材を弾性変形させた状態で把持手段により把持し、
形削り加工等の機械加工によって被加工面を平面加工
し、この加工の後被加工部材を把持手段から解放する構
成とし、請求項2として、被加工部材の材質にかかわら
ず被加工部材を弾性変形させる力を一定にし、被加工部
材を弾性変形させてクラウニング面となる被加工面を加
工する構成とし、請求項3として、被加工部材を弾性変
形させる力を被加工部材の材質に応じて変えて被加工部
材の弾性変形量を一定にしてクラウニング面となる被加
工面を加工する構成とし、請求項4として、加工される
被加工部材がトロイダル型無段変速機におけるパワーロ
ーラ側に凸となるクラウニング面を有するパワーローラ
支持部材である構成とし、請求項5として、被加工部材
の複数か所を治具によって把持し、各治具にかける力を
可変制御することにより所望の弾性変形形状を得る構成
としており、上記の構成を課題を解決するための手段と
している。
【0018】
【発明の作用】本発明の請求項1に係るクラウニング面
加工方法は、被加工部材の被加工面にクラウニング面を
加工する際、被加工部材に所望のクラウニング量に応じ
た量の弾性変形をさせ、この被加工部材を弾性変形させ
た状態で把持手段により把持し、形削り加工等の機械加
工によって被加工面を平面加工し、この加工の後被加工
部材を把持手段から解放する構成としたことにより、被
加工面の平面加工には大径のエンドミル等の工具を用い
れば良く、その結果、加工効率が向上することとなると
共に、小径のボールエンドミルを使用しなくてもすむた
め被加工面に工具送りによる波目状のアンジュレーショ
ン(送り目)が形成されることがなくなって滑らかな加
工面となり、さらに、被加工部材が、例えば、パワーロ
ーラ支持部材のように被加工面と内周側面とが隣接して
いる場合には、小径のボールエンドミルにより曲面であ
るクラウニング面を加工する際に境界部に必ず加工でき
ない非有効部が形成されてしまうが、本発明に係る方法
においては、大径のエンドミル等による平面加工である
ため、このような非有効部が形成されることがなく、レ
イアウト上有利となる。そして、平面加工の後、被加工
部材を把持手段から解放すれば、被加工部材の弾性変形
がもとの状態に復元されて、平面加工された被加工面は
所望のクラウニング面となる。
【0019】また、本発明の請求項2に係るクラウニン
グ面加工方法は、被加工部材の材質にかかわらず被加工
部材を弾性変形させる力を一定にし、被加工部材を弾性
変形させてクラウニング面となる被加工面を加工する構
成とすることにより、被加工部材の材質、硬度の違いに
よる剛性の違いに応じた弾性変形量が生じ、したがっ
て、被加工部材の剛性の違いに応じたクラウニング面が
形成されることとなり、例えば、トロイダル型無段変速
機におけるパワーローラのパワーローラ支持部材への押
し付け力が一定とした場合には、パワーローラ支持部材
の材質が変更されたとしても、パワーローラ支持部材の
支持面は常に平面となる。
【0020】さらに、本発明の請求項3に係るクラウニ
ング面加工方法は、被加工部材を弾性変形させる力を被
加工部材の材質に応じて変えて被加工部材の弾性変形量
を一定にしてクラウニング面となる被加工面を加工する
構成とすることにより、被加工部材の材質、硬度の違い
による剛性の違いがあっても同一のクラウニング面形状
が形成されることとなる。
【0021】また、本発明の請求項4に係るクラウニン
グ面加工方法は、加工される被加工部材がトロイダル型
無段変速機におけるパワーローラ側に凸となるクラウニ
ング面を有するパワーローラ支持部材である構成とする
ことにより、トロイダル型無段変速機におけるパワーロ
ーラ支持部材が上記した作用によって、パワーローラ支
持部材の支持面が滑らかなクラウニング面となり、従来
のパワーローラの耐久性が低下するという問題が解消さ
れることとなる。
【0022】またさらに、本発明の請求項5に係るクラ
ウニング面加工方法は、被加工部材の複数か所を治具に
よって把持し、各治具にかける力を可変制御することに
より所望の弾性変形を得る構成とすることにより、弾性
変形によって3次元の曲面が自由に形成されることとな
る。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0024】図1は、本発明に係るクラウニング面加工
方法を適用してクラウニング面を加工する被加工部材で
あるトロイダル型無段変速機におけるパワーローラ支持
部材1の形状を示す図である。
【0025】なお、被加工部材としてパワーローラ支持
部材1を示したが、本発明に係るクラウニング面加工方
法をパワーローラ支持部材1への適用に限定するもので
はない。
【0026】図1の(a)は、パワーローラ支持部材1
の正面図であって、また、図1の(b)は、図1の
(a)におけるA−A線断面図であり、また、図1の
(c)は、側面図である。
【0027】図1の(b)において、パワーローラ支持
部材1の凹状断面内部の底面はクラウニング面が形成さ
れる被加工面1aであり、凹状断面内部の底板部1bに
形成された穴1cは、パワーローラ用の偏心軸が挿入さ
れるためのものである。
【0028】ここで、被加工面1aにクラウニング加工
を施すのであるが、被加工面1aに加工するクラウニン
グ面の形状を等高線によって図2に示す。
【0029】穴1cの周辺部分が凸状面の頂点、つま
り、一番高くなっている部分であり、穴1cから離れる
にしたがって滑らかに下っていくものとする。
【0030】次に、パワーローラ支持部材1の被加工面
1aを図2において示したクラウニング面形状に加工す
るための加工手順を説明する。
【0031】まず、図3の(a)に示すように、パワー
ローラ支持部材1の2か所の把持部1dを、図面の上下
方向から治具2よって把持し、さらに、2か所の把持部
1dを先端が円錐形状の治具3により図面の左右方向か
ら押え付けてある。また、図面の下方向から、穴1cに
挿入する先端にテーパの付いた軸状の治具4により穴1
cの周縁部にのみ接するように図面の上方向に向けて押
し付けてある。
【0032】このときの治具2および3にかける力の方
向を図4に示す。
【0033】図4の(a)は、図1の(a)におけるA
−A線断面を示した図であって、図4の(a)に示すよ
うに、治具3に矢印D1 ,D2 の方向から力を加える。
この結果、側板部1eには矢印E1 ,E2 の方向に力が
加わることにより、底板部1bには曲げモーメントが作
用して、底板部1bは底板部1bの下方向に凸である弓
状に弾性変形する。
【0034】また、治具2に矢印C1 ,C2 方向から加
えた力は、把持部1dの回転を拘束するようように働く
が、矢印D1 ,D2 の方向への動きは拘束されていな
い。
【0035】さらに、穴1cに挿入する先端にテーパの
付いた軸状の治具4に矢印Fの方向の力を加えることに
より、穴1cが形成されていることによる影響を抑え、
所望の形状に弾性変形させることができる。つまり、穴
1cに挿入する先端にテーパの付いた軸状の治具4に矢
印Fの方向の力を加えることにより、穴1cの周辺の弾
性変形形状を所望の形状に成形することができる。
【0036】以上のようにして、パワーローラ支持部材
1の図1の(a)におけるA−A線断面の所望の弾性変
形形状を得ることができる。
【0037】一方、図1の(a)におけるB−B線断面
の弾性変形について説明すると、図4の(b)に示すよ
うに、まず、先端部が鉤状となった治具5をパワーロー
ラ支持部材1の上面部1fに当接させ、さらに、パワー
ローラ支持部材1の側面部1gに当接する治具5の当接
面5gがパワーローラ支持部材1の底面の方向に傾斜し
た面となっている。
【0038】そして、矢印G1 ,G2 の方向から治具5
に力を加えることにより、パワーローラ支持部材1の底
板部1bには曲げモーメントが働くとともに、治具5の
当接面5gがパワーローラ支持部材1の底板部1bの方
向に傾斜した面となっているため、底板部1bが下方向
に凸の弓形状に弾性変形する。このとき、治具5に矢印
H1 方向へ力を加えているが、これは、治具5の当接面
5gがパワーローラ支持部材1の底板部1bの方向に傾
斜した面となっているために生ずる当接面5gとパワー
ローラ支持部材1の側面部1gとのずれを防ぐように働
く。
【0039】また、穴1cに挿入する先端にテーパの付
いた軸状の治具4は上記したA−A線断面の弾性変形と
同様に作用する。
【0040】以上のようにして得られたパワーローラ支
持部材1のA−A線断面の弾性変形およびB−B線断面
の弾性変形により、図3の(b)に示すように、パワー
ローラ支持部材1の被加工面1aは曲面となるが、各治
具に加える力を適切に調整することにより、所望の弾性
変形による曲面形状が得られる。
【0041】また、各治具に加える力を調整するには、
アクチュエータを各治具に接続し、それぞれのアクチュ
エータの力制御を行なうことによっても可能である。
【0042】ここで、図3の(b)に示した被加工面1
aの曲面をエンドミル等を用いて平面加工するのである
が、平面加工であるため大径のエンドミルM(図3の
(c))を用いることができ、この結果、非常に効率良
く切削を行なうことができる。
【0043】また、小径のボールエンドミルを使用しな
いため、パワーローラ支持部材1の被加工面1aに工具
送りによる波目状のアンジュレーション(送り目)が形
成されることがなく、滑らかな加工面となり、さらに、
被加工面1aと内側面部1hとの境界部に非有効部が形
成されない。
【0044】そして、図3の(c)に示すように、パワ
ーローラ支持部材1の被加工面1aを平面加工した後、
パワーローラ支持部材1を拘束している各治具を取り去
ることにより、被加工面1aは所望のクラウニング面と
なる。
【0045】ここで、被加工部材であるパワーローラ支
持部材1の材質に変更があった場合には、パワーローラ
支持部材1を弾性変形させる力を一定、つまり、各治具
にかける力を一定にしておけば、パワーローラ支持部材
1の剛性の違いに応じたクラウニング面が形成されるこ
ととなり、パワーローラのパワーローラ支持部材1への
押し付け力が一定とした場合には、パワーローラ支持部
材の材質が変更されたとしても、押し付け力がかかった
ときにパワーローラ支持部材の支持面を常に平面の状態
に保つことができる。
【0046】一方、パワーローラのパワーローラ支持部
材1への押し付け力を大きくするため、その押し付け力
に耐えうる剛性の材料に変更する場合には、パワーロー
ラ支持部材1を弾性変形させる各治具にかける力をパワ
ーローラ支持部材の材質に応じて変え、パワーローラ支
持部材1の弾性変形量が一定になるように各治具にかけ
る力を調整することにより、同一のクラウニング面形状
とすることができ、このような変更に即座に対応するこ
とができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の請求
項1に記載したクラウニング面加工方法によれば、被加
工部材の被加工面にクラウニング面を加工する際、被加
工部材に所望のクラウニング量に応じた量の弾性変形を
させ、この被加工部材を弾性変形させた状態で把持手段
により把持し、形削り加工等の機械加工によって被加工
面を平面加工し、この加工の後被加工部材を把持手段か
ら解放する構成としたことにより、被加工面の平面加工
には大径のボールエンドミル等の工具を用いることが可
能となり、その結果、加工効率を向上することができる
と共に、小径のボールエンドミルを使用しないため被加
工面に工具送りによる波目状のアンジュレーション(送
り目)の形成を防ぐことができて滑らかな加工面とする
ことができ、さらに、被加工部材が、例えば、パワーロ
ーラ支持部材のように被加工面と内周側面とが隣接して
いる場合に、非有効部が形成されることがなく、レイア
ウト上有利となるという優れた効果が得られる。
【0048】また、本発明の請求項2に記載したよう
に、被加工部材の材質にかかわらず被加工部材を弾性変
形させる力を一定にし、被加工部材を弾性変形させてク
ラウニング面となる被加工面を加工する構成とすること
により、被加工部材の材質、硬度の違いによる剛性の違
いに応じた弾性変形量が生じて、被加工部材の剛性の違
いに応じたクラウニング面を形成することが可能とな
り、例えば、トロイダル型無段変速機におけるパワーロ
ーラのパワーローラ支持部材への押し付け力が一定とし
た場合、パワーローラ支持部材の材質が変更されたとし
ても、パワーローラのパワーローラ支持部材への押し付
け力が一定であれば、パワーローラ支持部材の支持面を
常に平面とすることができる。
【0049】さらに、本発明の請求項3に記載したよう
に、被加工部材を弾性変形させる力を被加工部材の材質
に応じて変えて被加工部材の弾性変形量を一定にしてク
ラウニング面となる被加工面を加工する構成とすること
により、被加工部材の材質、硬度の違いによる剛性の違
いがあっても同一のクラウニング面形状を形成すること
ができるという効果がもたらされる。
【0050】また、本発明の請求項4に記載したよう
に、加工される被加工部材がトロイダル型無段変速機に
おけるパワーローラ側に凸となるクラウニング面を有す
るパワーローラ支持部材である構成とすることにより、
トロイダル型無段変速機におけるパワーローラ支持部材
が上記した効果によって、パワーローラ支持部材の支持
面が滑らかなクラウニング面となり、従来のパワーロー
ラの耐久性が低下するという問題を解消することができ
るという効果が得られる。
【0051】またさらに、本発明の請求項5に記載した
ように、被加工部材の複数か所を治具によって把持し、
各治具にかける力を可変制御することにより所望の弾性
変形を得る構成とすることにより、弾性変形によって3
次元の曲面が自由に形成することができるという効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】被加工部材であるパワーローラ支持部材の形状
を示す正面説明図(図1の(a))、図1の(a)にお
けるA−A線断面図(図1の(b))および側面図(図
1の(c))である。
【図2】パワーローラ支持部材のクラウニング面の形状
を等高線表示した説明図である。
【図3】本発明に係るクラウニング面加工方法による加
工の一実施例を示す説明図である。
【図4】図3における治具にかける力の方向を示す説明
図である。
【図5】トロイダル型無段変速装置の構造を示す横断面
説明図である。
【図6】トロイダル型無段変速装置の構造を示す縦断面
説明図である。
【図7】従来のクラウニング面加工方法による加工の様
子を示す説明図である。
【符号の説明】
1 パワーローラ支持部材(被加工部材) 1a 被加工面 1b 底板部 1c パワーローラの偏心軸用穴 1d 把持部 1e 側板部 1f 上面部 1g 側面部 1h 内側面部 2〜5 治具 M 大径エンドミル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工部材の被加工面にクラウニング面
    を加工する際、被加工部材に所望のクラウニング量に応
    じた量の弾性変形をさせ、この被加工部材を弾性変形さ
    せた状態で把持手段により把持し、形削り加工等の機械
    加工によって被加工面を平面加工し、この加工の後被加
    工部材を把持手段から解放することを特徴とするクラウ
    ニング面加工方法。
  2. 【請求項2】 被加工部材の材質にかかわらず被加工部
    材を弾性変形させる力を一定にし、被加工部材を弾性変
    形させてクラウニング面となる被加工面の加工をするこ
    とを特徴とする請求項1に記載のクラウニング面加工方
    法。
  3. 【請求項3】 被加工部材を弾性変形させる力を被加工
    部材の材質に応じて変えて被加工部材の弾性変形量を一
    定にしてクラウニング面となる被加工面の加工をするこ
    とを特徴とする請求項1に記載のクラウニング面加工方
    法。
  4. 【請求項4】 加工される被加工部材がトロイダル型無
    段変速機におけるパワーローラ側に凸となるクラウニン
    グ面を有するパワーローラ支持部材であることを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれかに記載のクラウニング
    面加工方法。
  5. 【請求項5】被加工部材の複数か所を治具によって把持
    し、かつ、各治具にかける力を可変制御することにより
    所望の弾性変形形状を得ることを特徴とする請求項1な
    いし4のいずれかに記載のクラウニング面加工方法。
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