JPH0847774A - 耐摩耗肉盛層形成方法およびその方法を用いる耐摩耗複合材 - Google Patents
耐摩耗肉盛層形成方法およびその方法を用いる耐摩耗複合材Info
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- JPH0847774A JPH0847774A JP6201410A JP20141094A JPH0847774A JP H0847774 A JPH0847774 A JP H0847774A JP 6201410 A JP6201410 A JP 6201410A JP 20141094 A JP20141094 A JP 20141094A JP H0847774 A JPH0847774 A JP H0847774A
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- E02F9/2808—Teeth
- E02F9/285—Teeth characterised by the material used
Abstract
盛層形成方法を提供する。 【構成】 アーク電極1の先端の延長上の直線と母材2
の表面とが交わる位置より後方側において溶融池3に硬
質粒子4と第2粒子5とをノズル6により合わせて供給
する。アーク電極1は母材2の直角方向より溶接進行方
向に30°傾いており、アークが溶融池3の被投入部分
を溶接進行方向の後方側に押し上げる。この押し上げら
れ固化されつつある溶融池部分に硬質粒子4が供給され
るので硬質粒子4が溶融池中を沈降せず均一に分散し、
得られる肉盛層7の耐摩耗性が優れている。
Description
リッパポイント等の局所的に耐摩耗性の要求される部位
に耐摩耗性を簡便かつ高能率に付与する耐摩耗肉盛層形
成方法およびその方法を用いる耐摩耗複合材に関するも
のである。
来、カッティングエッジ,リッパポイント等の局所的に
耐摩耗性の要求される部位に耐摩耗性を付与する際に、
例えば特開平2−6097号公報に開示されているよう
に、母材上に、肉盛溶接法によって金属マトリックス
(軟質素地)と硬質粒子等とよりなる複合組織を有する
耐摩耗肉盛層を形成することが行われている。その場
合、前記耐摩耗肉盛層の形成に際しては、前記公報にも
記載されているように、溶接時に母材上に形成される溶
融池に硬質粒子等を散布,混入するようにするのが一般
的であるが、密度が溶融金属より大きな硬質粒子では溶
融池中で硬質粒子が沈降してしまい硬質粒子が均等に分
散している耐摩耗肉盛層が形成されずに良好な耐摩耗性
が得られないといった問題点がある。
とを目的として、耐摩耗性の肉盛層として硬質粒子が均
等に分散している耐摩耗肉盛層が形成されて所望の優れ
た耐摩耗性を付与し得る耐摩耗肉盛層形成方法およびそ
の方法を用いた耐摩耗複合材を提供することを目的とす
るものである。
層形成方法、前述された目的を達成するために、アーク
電極から発生されるアークによって母材上に形成される
溶融池に硬質粒子を供給することによりその母材上に硬
質粒子を含む耐摩耗肉盛層を形成する耐摩耗肉盛層形成
方法であって、この溶融池における前記アークにより押
し上げられ固化されつつある溶融金属部分にその硬質粒
子を供給することを特徴とするものである。
り押し上げられつつある溶融金属部分に硬質粒子を供給
するので硬質粒子が溶融池中に沈降してしまうことなく
その溶融金属部分が固化されるようになることから、固
化後に得られる肉盛層中にその硬質粒子が均一に分散す
るようになる。
接進行方向に水平に対して0°以上25°未満の角度を
なすように配されている状態でその母材の表面に肉盛層
が形成される場合、アーク電極はそのアーク電極の先端
が溶接進行方向の反対方向を向くように前記母材の表面
に対して傾斜して配され、このアーク電極の先端の延長
上の直線と前記母材の表面とが交わる位置より溶接進行
方向の後方側の前記溶融池におけるアークにより押し上
げられつつある溶融金属部分に前記硬質粒子が供給され
る。このようにアークにより前記溶接進行方向の後方側
に押し上げられつつある溶融池における溶融金属部分に
硬質粒子が供給されて、硬質粒子の多くがその溶融池中
を沈降することなくその溶融金属部分は固化されてしま
うことから、硬質粒子が均一に分散している耐摩耗肉盛
層が得られる[肉盛方法1]。なお、この溶接進行方向
は上り方向であっても下り方向であってもよい。
方法は、アーク電極から発生されるアークによって母材
上に形成される溶融池に硬質粒子を供給することにより
その母材上に硬質粒子を含む耐摩耗肉盛層を形成する耐
摩耗肉盛層形成方法であって、この溶融池における重力
流下しつつある溶融金属部分にその硬質粒子を供給する
ことを特徴とする。
分に硬質粒子を供給するので硬質粒子が溶融池中に沈降
してしまうことなくその溶融金属部分が固化されるよう
になることから、固化後に得られる肉盛層中にその硬質
粒子が均一分散するようになる。
接進行方向に水平に対して25°以上90°未満の角度
をなして上り傾斜面になるように配されている状態でそ
の母材の表面に肉盛層が形成される場合、アーク電極は
そのアーク電極の先端が前記母材の表面に対して直角に
またはそのアーク電極の先端が前記溶接進行方向を向く
ように傾斜させて配され、このアーク電極の先端の延長
上の直線と前記母材の表面とが交わる位置より溶接進行
方向の前方側(上方側)の前記溶融池における重力流下
しつつある溶融金属部分に前記硬質粒子が供給される。
このように硬質粒子が重力流下しつつある溶融池におけ
る溶融金属部分に供給されて硬質粒子がその溶融池中に
沈降することなくその溶融金属部分は固化されてしまう
ことから、硬質粒子が均一に分散している耐摩耗肉盛層
が得られる。[肉盛方法2]。
態で肉盛層が形成される場合、溶接進行方向はその母材
の表面を上る方向とされ、前記アーク電極の先端が溶接
進行方向を向くようにそのアーク電極の先端が前記母材
の表面に対して傾斜して配され、このアーク電極の先端
の延長上の直線と前記母材の表面とが交わる位置の前記
溶融池における重力流下しつつある溶融金属部分に前記
硬質粒子が供給される。この鉛直態様においては前記2
5°以上90°未満の傾斜の態様より溶融金属が重力流
下しやすいので硬質粒子の供給位置がやや下方に移動さ
れている。そして、この硬質粒子が重力流下しつつある
溶融池における溶融金属部分に供給されて、硬質粒子が
同様にその溶融池中に沈降することなく固化後に得られ
る肉盛層中に均一に分散することになる。[肉盛方法
3]。
電極の先端は母材に対して特定の方向に傾斜させてまた
は直角に配されるが、このアーク電極の先端の母材に対
する角度は形成される肉盛層に影響を与える。この理由
は、アーク電極から発せられるプラズマ気流の方向と溶
融池における溶融金属に作用する重力とその溶融金属の
表面張力との作用により母材の溶け込み具合と溶融金属
の押し上げられまたは動力流下する状態が変化し肉盛層
の仕上がり具合が変わるからであると考えられる。例え
ば肉盛層が形成される母材が水平に配されている場合、
アーク電極の先端は母材に直角方向から溶接進行方向に
20〜45°傾いた状態(トーチ角20〜45°の状
態)に配されることが好ましい。トーチ角が20°より
小さくなるとアークによる押し上げ作用が認め難くな
り、また、硬質粒子が添加された溶融金属の母材に対す
る溶け込みが浅くなって融合不良を生じる場合もあり、
45°より大きくなるとアークが不安定になったり大滴
のスパッタ(溶融池の溶融金属が吹き飛ばされたもの)
が多くなる傾向がある。また、母材が鉛直に配されてい
る場合、アーク電極の先端は溶接進行方向と同一方向を
向くように母材の直角方向から10〜20°傾いた状態
(トーチ角−10〜−20°の状態)に配されることが
好ましい。トーチ角が−20°より小さくなるとアーク
が不安定になったり大滴のスパッタが多くなり、−10
°より大きくなると溶融池における溶融金属が下方に垂
れ過ぎて、良好な肉盛層が形成されなくなる傾向があ
る。以上のようにトーチ角がプラスの値の場合はアーク
電極が溶接進行方向に対して後を向いているのでそのト
ーチ角を後退角と呼ぶ場合がある。
面の傾斜具合により変化するものであり、このトーチ角
θの好ましい範囲が母材の表面が水平面となす傾斜角α
に対して示されたものが図1(a)のグラフである。こ
のθとαとの関係がそれぞれ図1(b)に図示されてい
る。なお、トーチ角がプラスであるときアーク電極は母
材に対して直角方向から溶接進行方向に傾くように(ア
ーク電極の先端が溶接進行方向と反対方向を向くよう
に)配されており、マイナスであるときアーク電極は母
材に対して直角方向から溶接進行方向の反対方向に傾く
ように(アーク電極の先端が溶接進行方向を向くよう
に)配されている。
て、硬質粒子の供給にはノズルが用いられることが多い
が硬質粒子を均等に供給するようにそのノズルを溶接進
行方向に対してウィービングさせることが好ましい。
および母材が溶融されているものである溶融池における
溶融金属に硬質粒子、および要すれば第2粒子が投入さ
れる。この硬質粒子の密度は溶融池における溶融金属の
密度の2分の1以上の値を有することが好ましい。な
お、硬質粒子の密度がそれより小さくなるとその硬質粒
子が溶融池の表面に浮上し、固化して得られる肉盛層の
表面から硬質粒子が露出しその硬質粒子が外れ易くな
る。このような硬質粒子の浮上を避けるために硬質粒子
の密度は溶融池における溶融金属の密度と同等以上であ
ることが好ましい。そして、硬質粒子の密度が溶融金属
の密度と同等以上であればその硬質粒子は溶融金属に均
一に分散する。また、硬質粒子が外れにくくするため
に、硬質粒子は溶融金属と濡れ性の良好なものを選択す
るのが良い。但し、硬質粒子の密度が大きいほどその硬
質粒子は溶融池中を沈降してしまい易くなるので、硬質
粒子の密度が溶融金属の密度より大きい場合は、この硬
質粒子に加えて第2粒子を溶融池における溶融金属に供
給することが好ましい。この第2粒子は沈降してくる硬
質粒子を受け止めて硬質粒子が溶融池の底部に沈下する
のを防止し、硬質粒子の均一分散を図るものである。
る硬質粒子を受け止める以外に、次のような作用をも奏
する。 溶融池の温度を下げることにより溶融金属の粘性を
高くするとともに凝固時間を短くして硬質粒子の沈降を
防止する。 溶融池の温度を下げ凝固時間を短くすることにより
硬質粒子の溶解および変質を抑制する。 混入した第2粒子の体積分だけ溶着量を増やすこと
ができ溶着速度が向上することになる。 このような第2粒子は、材質および添加量を調節す
ることにより肉盛層の組成を制御し、肉盛層の硬度,靱
性,割れ易さなどを調整することができる
を付与する成分であるので溶融池に供給されて溶融しな
いもの、すなわち融点が溶融金属の融点より高いものが
好ましい。同様に、第2粒子も前述のように硬質粒子の
沈降を防止する作用を奏するためにはその融点が溶融金
属の融点よりも高いものが望まれる。さらに、硬質粒子
も第2粒子も溶融金属との濡れ性が良く、強固な結合が
担保されるものであることが好ましい。
ましい選定条件を勘案して、実用上用いられる溶着金属
に対するそれら硬質粒子と第2粒子との好ましい組み合
わせを表1に示す。なお、表1の組み合わせにおいて溶
着金属がアルミニウム合金の場合は母材としてアルミニ
ウム合金または銅合金が用いられており、溶着金属が鉄
合金,ニッケル合金,コバルト合金,銅合金の場合は母
材として鉄合金,ニッケル合金,コバルト合金が用いら
れている。これら組み合わせは例示であり限定的なもの
ではない。
層の添加成分として通常の条件を満たすものである。す
なわち、硬質粒子は粒径が0.5〜5mm、好ましくは
0.5〜2.5mmであり、硬度が500〜2000H
v、好ましくは1000〜1800Hvのものであり、
第2粒子は粒径が0.5〜5mm、好ましくは0.5〜
2.5mmのものである。また、硬質粒子の添加量は溶
着金属に対して好ましくは5〜55容量%、より好まし
くは15〜45容量%とされ、55容量%より多くなる
と溶着金属と母材との融合不良、硬質粒子と溶着金属お
よび母材との融合不良が多発し、得られる肉盛層に使用
中欠けや剥がれが生じる傾向があり、5容量%より少な
くなると硬質粒子の分布が不均一になり得られる肉盛層
の耐摩耗性が安定しなくなる傾向がある。また、硬質粒
子と第2粒子との添加量の合計が溶着金属に対して好ま
しくは60容量%以下、より好ましくは50容量%以下
とされ、60容量%より多くなると溶着金属と母材との
融合不良、硬質粒子,第2粒子と溶着金属,母材との融
合不良が生じる傾向がある。
り、硬質粒子を含んでなる耐摩耗性を有する硬質肉盛層
が土石の摩擦方向に沿って縞を形成するように母材上に
設けられてなる土石を削り取るための耐摩耗複合材が得
られる[縞状肉盛]。
硬質肉盛層の耐摩耗性が優れているとともに、この硬質
肉盛層が土石の摩擦方向に沿うように縞状に設けられる
ことにより、土石を削り取る際に土石が各縞間の谷間を
通過し、これにより縞状に設けられている硬質肉盛層に
かかる衝撃が緩和されその硬質肉盛層の欠けが防止され
る。
材上に形成される硬質粒子を含んでなる硬質肉盛層と、
軟質な材料よりなる軟質肉盛層とがそれぞれ土石の摩擦
方向を横切る方向に沿って縞を形成するようにその摩擦
方向に交互に配されてなる土石を削り取るための耐摩耗
複合材を得ることができる[交互肉盛A]。さらに、本
発明の耐摩耗肉盛層形成方法により母材上に形成される
硬質粒子を含んでなる硬質肉盛層と、軟質な材料よりな
る軟質肉盛層とがそれぞれ土石の摩擦方向に沿って縞を
形成するようにその摩擦方向を横切る方向に交互に配さ
れてなる土石を削り取るための耐摩耗複合材を得ること
ができる[交互肉盛B]。
の摩耗形態は土石のサイズにより異なる。すなわち、土
石のサイズが小さいときはスクラッチング(エロージョ
ン)が発生し、このスクラッチングがサイズの増大に伴
いグラインディング、そしてガウジングへと変遷する。
このスクラッチング〜グラインディングが主形態の摩耗
では一般に硬い材料ほど耐摩耗性に優れるので硬い材料
が求められる、グラインディング〜ガウジングが主形態
の摩耗では硬い材料は欠損するので靱性を備える材料が
求められる。そこで、汎用性のある材料として靱性を有
するマトリックスに硬質粒子を複合させてなる耐摩耗複
合材が考えられるが、単に混合しただけでは土石サイズ
の分布が小さい方または大きい方に偏っている場合に充
分に対応しきれない。
っている場合のために、前述のように硬質粒子を含んで
なる硬質肉盛層と、軟質な材料よりなる軟質肉盛層とが
土石の摩擦方向に交互に配されてなる耐摩耗複合材[交
互肉盛A]が提供される。なお、粒径の小さい砂は軟質
肉盛層を優先的に摩耗させる傾向があるが、土石の摩擦
方向に軟質肉盛層と硬質肉盛層とが交互に配されるので
その硬質肉盛層により軟質肉盛層が保護され主にその硬
質肉盛層がその粒径の小さい砂を効率的に削り取るので
土石の削り取りが良好に成されるとともに、耐摩耗材の
耐久性が確保される。また、少量含まれている大きな岩
石が硬質肉盛層に衝突したときに、この硬質肉盛層への
衝撃を軟質肉盛層が緩和して硬質肉盛層の破損が防止さ
れる。
ている場合のために、前述のように硬質粒子を含んでな
る硬質肉盛層と、軟質な材料よりなる軟質肉盛層とが土
石の摩擦方向を横切る方向に交互に配されてなる耐摩耗
複合材[交互肉盛B]が提供される。なお、粒径の大き
い岩石は前述のように硬質肉盛層に大きな衝撃を加えそ
の硬質肉盛層を破損しやすいが、土石の摩擦方向に沿っ
て硬質肉盛層が縞状に配されるのでその硬質肉盛層には
大きな衝撃が加わりにくい。また、同様に縞状に配され
る軟質肉盛層が粒径の大きい岩石の衝撃を受け止め緩和
する。
置の場合も、前述の土石の摩擦方向の交互配置の場合も
軟質肉盛層の靱性変形により硬質肉盛層からなる硬質肉
盛層が把持されることと、硬質肉盛層への土石の直撃を
軽減することによって硬質肉盛層が破壊されにくいとい
う効果がある。
に偏って(平均土石サイズD≦15cm)いる土石を削
り取るための耐摩耗複合材[交互肉盛A]の肉盛形状の
一例が図5に示されている。なお、図5(a)は肉盛層
の模式的断面図であり、図5(b)は土石サイズの分布
を示すグラフである。また、土石サイズの分布が大きい
方に偏って(平均サイズD≧15cm)いる土石を削り
取るための耐摩耗複合材[交互肉盛B]の肉盛形状の一
例が図6に示されている。なお、図6(a)は肉盛層の
模式的断面図であり、図6(b)は土石サイズの分布を
示すグラフである。
短い台形、軟質肉盛層Bは断面形状が上が長い台形とな
るように最初に硬質肉盛層A、次に軟質肉盛層Bが形成
されることが好ましい。これは軟質肉盛層Bが塑性変形
により硬質肉盛層Aを把持し保護するという機能を持た
せるためである。また、最初に軟質肉盛層B、次に硬質
肉盛層Aが形成されても硬質肉盛層Aの間が金属で埋め
られているので岩石が硬質肉盛層Aを横から打撃するこ
とがなく、耐衝撃性が向上するという利点は得られる。
なお、硬質肉盛層Aの幅WA(硬質肉盛層Aの厚さの中
間部分における幅)は軟質肉盛層Bの幅WB(軟質肉盛
層Bの厚さの中間部分における幅)の2倍以上あること
が充分な耐摩耗性を得るために望ましい。また、図6の
交互肉盛Bの場合、幅WBは土石の平均サイズDより小
さくことが望ましい。この理由は、幅WBがDより大き
くなると軟質である軟質肉盛層Bの摩耗が激しくなるか
らである。
て、前記硬質粒子を含んでなる硬質肉盛層が最初に肉盛
され、次に前記軟質肉盛層が前記硬質肉盛層から前記硬
質粒子が溶け出しその軟質肉盛層中に溶け込むように肉
盛されることができる[硬質粒子溶出肉盛]。
盛層が硬質粒子の均一分散により優れた耐摩耗性を有す
ることは勿論のこと、軟質肉盛層が靱性を備えるととも
に硬質粒子が溶け込むことにより硬度が上昇する。よっ
て、砂地などの微粒子からなる地盤を掘削する際にも、
前述のように軟質肉盛層が硬質肉盛層を把持するという
効果が得られることは勿論のこと、軟質肉盛層のみが摩
耗により片減りするということが防止される。
盛層に用いられる硬質粒子として、使用済の例えば切削
チップ,ドリルのような切削工具を破砕してなるリサイ
クル粒子を用いることができる。これら切削工具は硬い
粒子を含んでいるのでそれら切削工具を破砕してなる粒
子は、本発明による耐摩耗複合材に耐摩耗性を付与する
材料として好適である。また、使用済であることから製
造コストが大きく削減される。
して例えば製造することができる。 使用済の切削工具を導電性の支持部材の上に並べアー
ク放電により加熱するとともに冷却してその切削工具に
亀裂または脆弱相を形成し、亀裂または脆弱相が形成さ
れた切削工具を圧砕機の打撃部上に載置して破砕する。 使用済の切削工具を支持部材の上に並べレーザー光を
照射して加熱するとともに冷却してその切削工具に亀裂
または脆弱相を形成し、と同様に破砕する。 使用済の切削工具を一方の電極である導電性支持体の
上に並べ、他方の電極から放電して加熱するとともに冷
却してその切削工具に亀裂または脆弱相を形成し、と
同様に破砕する。
を破砕しやすくするためのものであって、これらの前処
理を施さずにその切削工具を破砕して硬質粒子(リサイ
クル粒子)を製造することもできる。
具体的実施例について図面を参照しつつ説明する。
が形成される。この機構において25mm突き出される
溶接ワイヤ(川崎製鉄KC−50(50kg級軟鋼)
製、φ1.2mm)からなるアーク電極1が、水平に配
されている軟鋼SS400製の母材2の直角方向に対し
て角度θ1(トーチ角=30°)をなすように傾斜して
配されている。このアーク電極1による溶接電流は28
0A、溶接電圧は28Vとされ、溶接ワイヤーの供給速
度は100g/分とされ、溶接領域にシールドガスとし
て二酸化炭素が毎分30リッター供給される。また、ア
ーク電極1から発生されるアークによって形成される溶
融池3には粒径1.2mmのWC−7%Co粒子(密度
14.5g/cm3 )からなる硬質粒子4と粒径1.7
mmの鋼球(密度7.8g/cm3 )からなる第2粒子
5とが二股ノズル6を通して供給される。この二股ノズ
ル6は1.5Hzの三角波により溶接進行に対して、す
なわち図2において図面に対して前後方向にウィービン
グ(振動幅30mm)され、そこに硬質粒子4と第2粒
子5とがそれぞれ毎分172g,28gの割合(体積混
合比1:0.3)で供給される。
向かって毎分22cmの速度で行われる。なお、硬質粒
子4および第2粒子5が供給される前の溶融池3の溶融
金属の密度は7.06〜7.21g/cm3 である。
粒子5とは、アーク電極1の延長上の直線と母材2の表
面を通る平面とが交わる位置より溶接進行方向の後方
(左)側に供給される。この供給される部分の溶融池3
の溶融金属部分はアークの作用により押し上げられつつ
あるので、硬質粒子4が沈降することなくその溶融金属
部分は固化してしまい、また押し上げられるうちに硬質
粒子4、第2粒子が混合され、したがって硬化して得ら
れる肉盛層7中には硬質粒子4均一に分散されており、
肉盛層7は好ましい耐摩耗性を有するものとなる。
2粒子5を用い、図3に示される肉盛形成機構により、
溶接電流を130A、溶接電圧を23V、二酸化炭素供
給量を毎分15リッターとした以外は実施例1と同じ溶
接条件下に耐摩耗肉盛層が形成される。この機構におい
て実施例1と同様に15mm突き出される溶接ワイヤか
らなるアーク電極1が、水平に対してθ2(=65°)
の角度で傾斜している母材2の直角方向に対して角度θ
3(トーチ角=−10°)をなすように傾斜して配され
ている。また、溶融池3には硬質粒子4と第2粒子5と
が、鉛直方向に対してθ4(=15°)の角度でその出
口が傾斜するように配されている二股ノズル6を通して
それぞれ毎分38g,20gの割合(体積混合比1:
1)で供給される。
向にアーク溶接が毎分6cmの速度で行われる。
粒子5とは、アーク電極1の延長上の直線と母材2の平
面とが交わる位置より溶接進行方向の前方(上)側に供
給される。この供給部分の溶融池3の溶融金属部分は重
力流下しつつあるので硬質粒子4が沈降することなく溶
融金属部分は固化してしまい、また重力流下中に硬質粒
子4,第2粒子5が混合される。この結果、硬化後の肉
盛層7は、硬質粒子4が均一に分散されており好ましい
耐摩耗性を有するものである。
2粒子5を用い、図4に示される肉盛形成機構により実
施例2と同じ溶接条件下に耐摩耗肉盛層が形成される。
この機構において、母材2は鉛直に配され、母材2の直
角方向に対して角度θ5(トーチ角=−15°)をなす
ようにアーク電極1が傾斜して配されている。また、二
股ノズル6はその出口が鉛直方向に対してθ6(=25
°)の角度をなすように配されており、この二股ノズル
6に硬質粒子4と第2粒子5とがそれぞれ毎分38g,
20gの割合(体積混合比1:1)で供給され、硬質粒
子4と第2粒子5とが合わされて溶融池3に供給され
る。
うに毎分4cmの速度でアーク溶接が行われる。
粒子5とは、アーク電極1の延長上の直線と母材2の平
面とが交わる位置に供給される。この供給部分の溶融金
属部分は重力流下すると同時に固化されつつあるので硬
質粒子4は溶融池中を沈降せず、また重力流下中に硬質
粒子4,第2粒子5が混合される。したがって、得られ
る肉盛層7中において硬質粒子4が均一に分散されてい
る。
めに、次のようなベンチ摩耗試験が行われる。
れ、図7に示されているような試験体A,Bが切り出さ
れる。なお、正面図である図7(a)および側面図であ
る図7(b)に示されているように、これら試験体には
肉盛層7が45×90×4〜5mm(幅×長さ×厚さ)
の寸法で形成される。
しており、この硬質粒子のうち熱により変質されている
ものがやや多い。
がアーク後方に投入され、第2粒子も投入されているの
で、硬質粒子が均一に分散しておりその硬質粒子のうち
熱の影響により変質しているものは少ない。
珪砂が敷かれ、この敷かれた珪砂が模擬岩盤とされる。
この模擬岩盤に肉盛試験体A,Bが0.19MPaの圧
力で押し付けられ、14.5〜32m/分の速度で摺動
され、所定摺動距離における摩耗量(厚さが減少した量
(mm))が測定される。これによる摺動距離と摩耗量
との関係が図8のグラフに示されている。この図8か
ら、本発明の肉盛層形成方法(試験体B)によれば硬質
粒子が均一に分散し硬質粒子の変質が少ないことから耐
摩耗性の優れた肉盛層が形成されることがわかる。
ズD≦15cm)] 交互肉盛Aの効果を示すためにホイルローダのカッティ
ングエッジについて、次のような試験が行われる。
を施すことにより試験体A,Bが作製される。
行うことにより、ホイルローダのカッティングエッジの
刃先に図9に示されているような土石の摩擦方向(土石
が流れる方向)を横切る2本の硬質肉盛層(幅32m
m,盛高さ4〜5mm)8を10mm間隔で形成され
る。なお、図9(b)は図9(a)の矢視断面図であ
る。
後、図10に示されているように刃先から2本目の硬質
肉盛層を挟むように2本の軟質肉盛層9が、次の溶接条
件により盛高さ4〜5mmになるように形成される。こ
こで、図10(b)は図10(a)の矢視断面図であ
る。図示されているように、2本の軟質肉盛層9に挟ま
れている硬質肉盛層8は32mmの幅での肉盛後、軟質
肉盛層9の肉盛の影響により上側の幅が28mmに狭ま
り断面形状が略台形になる。また、軟質肉盛層9の断面
形状は上側の幅が14mmで略上広がりの台形になる。
いないカッティングエッジがホイルローダのバケットに
装着され、砂礫の積み込み作業を行なうことにより耐摩
耗性と硬質肉盛層との欠けの有無が評価される。また、
対象となる砂礫はクラッシャー投入前の原石(サイズ1
0〜15cm)と破砕後の製品砂(サイズ1mm以下)
の2種類であり、作業時間配分をおよそ1:1とされ
る。
(a)に示されている刃先の傾斜部分10が摩耗される
厚さ(mm)が摩耗長さとして評価される。この耐摩耗
性が、ホイルローダの稼働時間(時間)に対する摩耗長
さ(mm)がグラフに表されている図11に示されてい
る。この図11から本発明[交互肉盛A]に相当する試
験体Bの耐摩耗性が優れていることがわかる。
ッシャー投入前の原石積み込み作業時に硬質肉盛層8が
部分的に欠けた。このため硬質肉盛層は早期(稼働時間
約700時間)に消耗され、その後はカッティングエッ
ジの摩耗速度が大きくなった。一方、試験体Bはそのよ
うな欠けがほとんど発生せず、カッティングエッジの摩
耗速度を長時間低く維持することができた。
肉盛] 交互肉盛Bおよび軟質肉盛層より硬質肉盛層を先に肉盛
することの効果を示すために油圧ショベルのバケットツ
ースについて、次のような試験が行われる。
れることにより試験体A,Bが作製される。
行われることにより、油圧ショベルのバケットツースに
図12(a)に示されているような土石の摩擦方向(土
石が流れる方向)と平行な4本の硬質肉盛層(幅15m
m,盛高さ4〜5mm)8が5mm間隔で形成される。
の形成後、図12(b)に示されているようにそれら硬
質肉盛層8の間に軟質肉盛層9が、次の溶接条件により
盛高さ4〜5mmになるように形成される。この硬質肉
盛層8は、図12(b)の矢視部分断面図である図12
(c)に示されるように、15mmの(下側の)幅での
肉盛後、軟質肉盛層9の肉盛により溶かされて下側の幅
が13mmに狭まり上側の幅が8mmとなり断面形状が
略台形になる。また、軟質肉盛層9の断面形状は上側の
幅が14mmで下側の幅が7mmの略上広がりの台形に
なる。
層9を形成する際に硬質肉盛層8中の硬質粒子が溶け出
し軟質肉盛層9中にその硬質粒子が溶け込み、形成され
る軟質肉盛層9の硬度がやや向上する。この硬度の向上
の程度は硬質肉盛層8中の硬質粒子が溶け出し軟質肉盛
層9中に溶け込む程度により制御される。
ないバケットツースが油圧シャベルのバケットに装着さ
れ、砂礫の積み込み作業を行って耐摩耗性と硬質肉盛層
の欠けの有無が評価される。また、対象とされる砂礫
は、砂(サイズ1mm程度)50重量%、砂利(サイズ
1mm〜10cm)40重量%、栗石(サイズ10〜3
0cm)10重量%からなるものである。
先が摩耗された長さx(mm)が摩耗長さとして評価さ
れる。この耐摩耗性が、油圧ショベルの稼働時間(時
間)に対する摩耗長さ(mm)がグラフに表されている
図13に示されている。図13から本発明[交互肉盛
B]に相当する試験体Bの耐摩耗性が優れていることが
わかる。
試験後の試験体A,Bの断面図がそれぞれ図14
(a),図14(b)に示されている。このように、軟
質肉盛層を有さない試験体Aにおいては、母材であるバ
ケットツースの硬質肉盛層8に挟まれている部分が深く
えぐれるように摩耗される(図14(a))が、本発明
[交互肉盛B]に相当する試験体Bにおいては、硬質肉
盛層8はもちろんのこと軟質肉盛層9も軟鋼ほどは摩耗
しない(図14(b))。この理由は、軟質肉盛層9の
肉盛の際に硬質肉盛層8中の硬質粒子が溶け出して軟質
肉盛層9中に溶け込みその軟質肉盛層9の硬度が上昇し
ているからである。
の硬度を測定すると273Hvであり、溶接ワイヤのみ
からなる肉盛層の硬度165Hvと比べて硬度が上昇し
ていることがわかった。
盛層8が部分的に欠けたが、試験体Bには欠けがほとん
ど発生しなかった。すなわち、軟質肉盛層9は、硬質粒
子の溶け込みにより硬度が上昇しているが硬質肉盛層8
への衝撃を緩和し硬質肉盛層8を把持する機能はなお保
持していることがわかる。
ズD≧15cm)] 交互肉盛Bの効果を示すためにブルドーザのリッパポイ
ントについて、次のような試験を行われる。
行われることにより、ブルドーザのリッパポイントに図
15(a)に示されているような土石の摩擦方向(土石
が流れる方向)と平行な3本の硬質肉盛層(幅18m
m,盛高さ4〜5mm)8が5mm間隔で形成される。
肉盛層9が以下の溶接条件により盛高さ4〜5mmにな
るように形成される。この硬質肉盛層8は、図15
(A)の矢視部分断面図である図15(b)に示される
ように、18mmの幅での肉盛後、軟質肉盛層9の肉盛
の影響により上側の幅が13mmに狭まり断面形状が略
台形になる。また、軟質肉盛層9の断面形状は上側の幅
が10mmで下側の幅が5mmの略上広がりの台形にな
る。
1.2mm
リッパポイントがブルドーザーに装着され、ゆるめ発破
をかけていないチャート岩からなる岩盤のリッパ掘削が
行なわれ耐摩耗性と硬質肉盛層の欠けの有無とが評価さ
れる。また、掘削される岩のサイズは10〜80cm
(平均40cm程度)である。
いる刃先が摩耗される長さy(mm)が摩耗長さとして
評価される。この耐摩耗性が、リッパポイントのリッピ
ング時間(時間)に対する摩耗長さ(mm)がグラフに
表されている図16に示されている。この図16から本
発明[交互肉盛B]に相当する試験体は耐摩耗性が優れ
ている、特に初期摩耗速度が小さいことがわかる。この
ことは、掘削性のよい初期形状を長時間維持できること
を示しており、本発明によりリッパ掘削の優れた作業効
率が得られることがわかる。
層8の欠けはほとんど発生しなかった。
状肉盛層が形成され、次のような試験が行われる。
行われることにより、ブルドーザのエンドビットに図1
7(a)に示されているような土石の摩擦方向(土石の
流れる方向)と平行な硬質肉盛層(幅32mm,盛高さ
4〜5mm)8を8mm間隔で形成される(コーナー部
7本,エッジ部2本)。この図17(a)のエンドビッ
トは図17(b)に示されるブルドーザの円で囲まれた
部分に配されるものである。
エンドビットがブルドーザーに装着され、硬質砂岩の粉
状にすりつぶされたものから60cm程度の塊までが混
在している土砂についてリッパ掘削とドージング(排
土)の繰り返し作業が行なわれ、耐摩耗性と硬質肉盛層
の欠けの有無が評価される。
いるエンドビットの試験前の角部から摩耗後の角部の間
の長さz(mm)が摩耗長さとして評価される。この耐
摩耗性が、ブルドーザの稼働時間(時間)に対する摩耗
長さ(mm)がグラフに表されている図18に示されて
いる。この図18から本発明[縞状肉盛]に相当する試
験体は耐摩耗性が優れていることがわかる。
硬質肉盛層8の欠けは僅かであった。この理由は、硬質
肉盛層8が土石の摩擦方向に沿って縞状に設けられその
間に土石の摩擦方向に沿ったスリットが存在するからで
ある。
ても実施例1と同様に硬質粒子の密度は14.5g/c
m3 、第2粒子の密度は7.8g/cm3 、溶融金属の
密度は7.06〜7.21g/cm3 である。
添加した耐摩耗肉盛層が形成されているが、硬質粒子を
均一分散させるために第2粒子を必ず添加しなければな
らないわけではない。第2粒子を添加しない以外は前記
実施例7と同じ条件下にブルドーザのリッパポイントに
硬質粒子4を含む硬質肉盛層8と軟質肉盛層9とを交互
肉盛して耐摩耗肉盛層を形成した。この耐摩耗肉盛層の
断面の金属組織を表す写真が図19として示されてい
る。この写真においてやや白く写っているのが軟質肉盛
層9でありその両側に黒く見える硬質粒子4を含む硬質
肉盛層8が配されていることがわかる。また、軟質肉盛
層9の材料をニッケル系合金に代えて同様に形成された
交互肉盛による耐摩耗肉盛層の断面の金属組織を表す写
真が図20に示されている。この図20の写真におい
て、白っぽく写っている4つの層が軟質肉盛層9であり
その間に配された3つの層が硬質肉盛層8であり黒く見
える硬質粒子4が分散されている。これらの写真からい
ずれの耐摩耗肉盛層においても硬質粒子4が硬質肉盛層
8中において沈降することなく均一に分散しており、図
19に示す前者においては軟質肉盛層9に硬質粒子4が
少量混入されていることわかる。
沈降してしまうことなく硬質粒子が供給される溶融金属
部分が固化されるので硬質粒子が均一に分散し所望の優
れた耐摩耗性を備える肉盛層が得られる。この肉盛層が
形成される母材表面が水平、鉛直またはどのような傾斜
状態にあっても、溶融金属に硬質粒子を供給する位置を
調整することにより硬質粒子の最良の分散状態を得るこ
とができる。また、硬質粒子に加えて第2粒子を加える
ことにより硬質粒子の沈降をより確実に防止することが
でき、更に溶融池における溶融金属,硬質粒子,第2粒
子のそれぞれの密度の相互関係を調整することにより硬
質粒子を肉盛層中にいっそう均一に分散させることがで
き、優れた耐摩耗性の肉盛層を得ることができる。ま
た、第2粒子の添加により肉盛層の硬度,靱性,割れ易
さなどを調整することもできる。
肉盛層が設けられている本発明の耐摩耗複合材は、硬質
肉盛層が欠けにくく優れた耐摩耗性が長期間維持され
る。さらに、硬質肉盛層に加えて軟質肉盛層がその硬質
肉盛層と交互に配されてなる本発明の耐摩耗複合材によ
れば、土石サイズの分布の偏りに応じて優れた耐摩耗性
が長期間にわたり発現され、土石の削り取りが良好に行
われる。この耐摩耗複合材の材料として使用済の切削工
具を破砕してなる粒子を用いれば経済的である。
て、硬質粒子を含んでなる硬質肉盛層が最初に肉盛さ
れ、次に軟質肉盛層がその硬質肉盛層から前記硬質粒子
が溶け出しその軟質肉盛層中に溶け込むように肉盛され
ることが好ましい。このような順番で肉盛することによ
り、硬質肉盛層の耐摩耗性が優れていることは勿論のこ
と、軟質肉盛層が靱性を備えるとともに硬質粒子が溶け
込むことにより硬度が上昇している耐摩耗複合材を得る
ことができる。よって、砂地などの微粒子からなる地盤
を掘削する際にも、軟質肉盛層のみが摩耗により片減り
するということが防止される。
関係を示す図である。
模式図である。
す模式図である。
構を示す模式図である。
す図である。
施例例を示す図である。
体を示す図である。
果を示すグラフである。
ティングエッジを示す図である。
肉盛されているカッティングエッジを示す図である。
の耐摩耗性を示すグラフである。
示す図である。
性を示すグラフである。
合を示す断面図である。
肉盛されているリッパツースを示す図である。
を示すグラフである。
エンドビットを示す図である。
を示すグラフである。
属組織を示す写真である。
肉盛層の金属組織を示す写真である。
Claims (13)
- 【請求項1】 アーク電極から発生されるアークによっ
て母材上に形成される溶融池に硬質粒子を供給すること
によりその母材上に硬質粒子を含む耐摩耗肉盛層を形成
する耐摩耗肉盛層形成方法であって、この溶融池におけ
る前記アークにより押し上げられつつある溶融金属部分
にその硬質粒子を供給することを特徴とする耐摩耗肉盛
層形成方法。 - 【請求項2】 前記母材の表面を溶接進行方向に水平に
対して0°以上25°未満の角度なすように配し、前記
アーク電極の先端が前記溶接進行方向の反対方向を向く
ようにそのアーク電極の先端を前記母材の表面に対して
傾斜させて配し、このアーク電極の先端の延長上の直線
と前記母材の表面とが交わる位置より溶接進行方向の後
方側の前記溶融池におけるアークにより押し上げられつ
つある溶融金属部分に前記硬質粒子を供給することを特
徴とする請求項1に記載の耐摩耗肉盛層形成方法。 - 【請求項3】 アーク電極から発生されるアークによっ
て母材上に形成される溶融池に硬質粒子を供給すること
によりその母材上に硬質粒子を含む耐摩耗肉盛層を形成
する耐摩耗肉盛層形成方法であって、この溶融池におけ
る重力流下しつつある溶融金属部分にその硬質粒子を供
給することを特徴とする耐摩耗肉盛層形成方法。 - 【請求項4】 前記母材の表面を溶接進行方向に水平に
対して25°以上90°未満の角度をなして上り傾斜面
になるように配し、前記アーク電極の先端を前記母材の
表面に対して直角またはそのアーク電極の先端が前記溶
接進行方向に向くように傾斜させて配し、このアーク電
極の先端の延長上の直線と前記母材の表面とが交わる位
置より溶接進行方向の前方側の前記溶融池における重力
流下しつつある溶融金属部分に前記硬質粒子を供給する
ことを特徴とする請求項3に記載の耐摩耗肉盛層形成方
法。 - 【請求項5】 前記母材の表面を鉛直方向に配し、溶接
進行方向がその母材の表面を上る方向とされ、前記アー
ク電極の先端が溶接進行方向を向くようにそのアーク電
極の先端を前記母材の表面に対して傾斜させて配し、こ
のアーク電極の先端の延長上の直線と前記母材の表面と
が交わる位置の前記溶融池における重力流下しつつある
溶融金属部分に前記硬質粒子を供給することを特徴とす
る請求項3に記載の耐摩耗肉盛層形成方法。 - 【請求項6】 前記溶融金属部分に前記硬質粒子に加え
て第2粒子も供給することを特徴とする請求項1乃至5
のうちのいずれかに記載の耐摩耗肉盛層形成方法。 - 【請求項7】 土石を削り取るための耐摩耗複合材にお
いて、請求項1乃至6のうちのいずれかに記載の耐摩耗
肉盛層形成方法により母材上に形成される硬質粒子を含
んでなる硬質肉盛層が土石の摩擦方向に沿って縞を形成
するように設けられてなることを特徴とする耐摩耗複合
材。 - 【請求項8】 土石を削り取るための耐摩耗複合材にお
いて、請求項1乃至6のうちのいずれかに記載の耐摩耗
肉盛層形成方法により母材上に形成される硬質粒子を含
んでなる硬質肉盛層と、軟質な材料よりなる軟質肉盛層
とがそれぞれ土石の摩擦方向を横切る方向に沿って縞を
形成するようにその摩擦方向に交互に配されてなること
を特徴とする耐摩耗複合材。 - 【請求項9】 土石を削り取るための耐摩耗複合材にお
いて、請求項1乃至6のうちのいずれかに記載の耐摩耗
肉盛層形成方法により母材上に形成される硬質粒子を含
んでなる硬質肉盛層と、軟質な材料よりなる軟質肉盛層
とがそれぞれ土石の摩擦方向に沿って縞を形成するよう
にしてその摩擦方向を横切る方向に交互に配されてなる
ことを特徴とする耐摩耗複合材。 - 【請求項10】 前記硬質粒子として、使用済の切削工
具を破砕してなる粒子を用いることを特徴とする請求項
7乃至9のうちのいずれかに記載の耐摩耗複合材。 - 【請求項11】 前記硬質粒子を含んでなる硬質肉盛層
が最初に肉盛され、次に前記軟質肉盛層が前記硬質肉盛
層から前記硬質粒子が溶け出しその軟質肉盛層中に溶け
込むように肉盛されることを特徴とする請求項8乃至1
0のうちのいずれかに記載の耐摩耗複合材。 - 【請求項12】 上面と下面とが先端において会合しそ
の会合部分が掘削刃先を形成してなる土石を削り取るた
めの耐摩耗複合材において、この耐摩耗複合材の上面お
よび下面の少なくとも一方において、硬質粒子を含んで
なる硬質肉盛層と、軟質な材料よりなる軟質肉盛層とが
それぞれ土石の摩耗方向を横切る方向に沿って縞を形成
するようにその摩擦方向に交互に配されてなる耐摩耗層
が前記掘削刃先から後方に延びるように設けられている
ことを特徴とする耐摩耗複合材。 - 【請求項13】 上面と下面とが先端において会合しそ
の会合部分が掘削刃先を形成してなる土石を削り取るた
めの耐摩耗複合材において、この耐摩耗複合材の上面お
よび下面の少なくとも一方において、硬質粒子を含んで
なる硬質肉盛層と、軟質な材料よりなる軟質肉盛層とが
それぞれ土石の摩耗方向に沿って縞を形成するようにそ
の摩擦方向を横切る方向に交互に配されてなる耐摩耗層
が前記掘削刃先から後方に延びるように設けられている
ことを特徴とする耐摩耗複合材。
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