JPH084744A - コード用固定具 - Google Patents

コード用固定具

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JPH084744A
JPH084744A JP13682094A JP13682094A JPH084744A JP H084744 A JPH084744 A JP H084744A JP 13682094 A JP13682094 A JP 13682094A JP 13682094 A JP13682094 A JP 13682094A JP H084744 A JPH084744 A JP H084744A
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JP
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support
fixture
cord
base
adhesive layer
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JP13682094A
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English (en)
Inventor
Hideo Matsumoto
日出夫 松本
Toru Otaka
徹 尾高
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3M Co
Original Assignee
Minnesota Mining and Manufacturing Co
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Publication date
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  • Hooks, Suction Cups, And Attachment By Adhesive Means (AREA)
  • Suspension Of Electric Lines Or Cables (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コード用固定具に関し、固定具取り付け用の
穴を支持体に設けることを不要にし、支持体の任意の位
置に取り付けることを可能とし、支持体が金属である場
合に支持体の固定具取り付け部分における錆の発生を防
止し、取り付け用の装置を使用することなく手作業で簡
単に取り付け得るようになすこと、を同時に可能にする
コード用固定具を提供することを目的とする。 【構成】 コードを支持体に固定的に取り付けるための
固定具を、前記支持体に固着せしめられるものであっ
て、該支持体との当接面に接着剤層を有する基体、及び
前記基体のほぼ中央に該基体と一体的に付設されたもの
であって、コードを装着するための湾曲体を有するコー
ド保持体、を有するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコード用固定具に関し、
特に、自動二輪、自動車等の車両に付設されるブレーキ
のワイヤーケーブル、ランプのコード等の配線コード
(ケーブル・ハーネスとも呼ばれる)を所定の部位に固
定するための固定具、いわゆる“リテーナ”に関する。
本発明による固定具は、狭い空間をも含めて任意の場所
に簡便かつ迅速にコード等を配列できるので、自動車等
の車両の組み立て部品としてはもちろんのこと、コード
等の固定を必要とするその他の分野においても広くかつ
有利に利用することができる。本発明の固定具を利用可
能な分野としては、例えば、建物の壁の中等に這わせた
被覆電線や電話線等のコードを配管等の支持体に固着す
ることを要する建築分野、オフィス等の室内でパーソナ
ルコンピュータ用ケーブル等のコードを配線させること
を要するOA(オフィス・オートメーション)機器分
野、ロボット等を作製する工業用機械分野、その他を挙
げることができる。従って、本願明細書において「コー
ド」なる語を用いた場合には、それは、上記したような
ケーブル、配線コードのみを意味するのでなく、所定の
部位に固定することが求められるコードあるいはそれに
類する部材一般を指していることを理解されたい。ま
た、本願明細書では、固定具が用いられる部位のこと
を、そこにおいて固定具が支承されるものであることを
認識して、特に「支持体」と呼ぶことにする。
【0002】
【従来の技術】従来、コードの固定具として、いろいろ
なタイプのものが知られている。以下、添付の図面を参
照しながら従来例の典型とその問題点を説明する。図1
は、例えば実開昭57−109077号公報、同60−
119820号公報、同61−74219号公報及び実
開平1−163280号公報に記載のようなクリップタ
イプの固定具の略示断面図である。図示のようなコード
保持用フックを有する固定具21は、それを支持体20
に取り付ける場合、支持体20に穴(図示せず)を設
け、その穴に固定具21の差し込み式のクリップ22を
装入して固定する。クリップ22は、固定具のストッパ
23と組み合わさって、固定具21を支持体20に固定
的に支承するように働く。しかし、この種の固定具は、
そのクリップを挿入するための穴を支持体に設けること
が必要であるため、任意の場所に取り付けることができ
ないという問題点を有している。すなわち、従来の固定
具は、支持体上におけるその取り付け場所が始めから限
定されていて、何らかの理由で取り付け場所の変更が必
要になっても、変更不可能である。また、支持体の穴の
部分で水漏れが起こったり、また、支持体が鋼板等の金
属からできている場合、その穴の部分から錆が発生した
りする問題点もある。
【0003】ボルトとナットを用いた固定具も、例えば
実開平3−65079号公報及び同5−10111号公
報から公知である。この種の固定具は、図2に断面図で
示すように、固定具24を支持体20に固定するために
ボルト25及びナット26を使用する。しかし、このよ
うなボルト止めを利用した固定具は、上記したクリップ
タイプの固定具と同様に、支持体に穴をあけることに伴
ういくつかの問題点(取り付け場所、水漏れ、錆の発生
など)を有しており、さらに加えて、支持体への取り付
けに手間がかかるという問題点も有している。
【0004】また、折り曲げタイプの固定具も、例えば
実開昭56−60879号公報から公知である。この種
の固定具は、図3に断面図で示すように、支持体20に
穿った穴に固定具27(例えば金属製線材)の先端部を
差し込み、その先端部を開くように折り曲げて、抜けな
いようにして固定する。図中の28が、固定具の折り曲
げ片である。このような折り曲げ片を利用した固定具
は、上記した従来の固定具と同じように支持体に穴を必
要とするので、取り付け場所、水漏れ、錆の発生などの
問題点を回避することができない。また、支持体の穴に
固定具を差し込んでさらにその先端部を折り曲げること
は、手間がかかり、煩雑な作業である。
【0005】さらにまた、従来の方法として、固定具を
支持体に溶接で固着する試みも採用されている。この方
法は、図4に断面図で示すように、支持体20にその形
状に適合した固定具29を密着させた後、溶接部30に
おいて溶接するものである。この方法は、上記した従来
の方法で問題とされてきた穴を支持体に設ける必要がな
いという点で注目に値する。しかし、この方法の場合、
溶接を行う装置、例えば自動溶接装置を別に用意する必
要があるため、取り付けるために手間がかかるという問
題点がある。また、自動溶接装置を用いた場合、予め溶
接する場所を決めてマイコンなどで設定しておくことが
必要であるので、後になって取り付け位置を変更するこ
とは容易でないという問題点もある。さらにまた、別の
問題点として、溶接部分で錆が発生すること、支持体及
び固定具は溶接可能な材料に限定されること、などが挙
げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、固定
具取り付け用の穴を支持体に設けることを不要にするこ
と、固定具を支持体の任意の位置に取り付けることを可
能とすること、支持体が金属である場合に、その支持体
の固定具取り付け部分において錆が発生するのを防止す
ること、そして、支持体に固定具を取り付ける場合に、
取り付け用の装置を不要にし、手作業で簡単に取り付け
得るようになすこと、を同時に可能にするコード用固定
具を提供することにある。
【0007】本発明のその他の目的は、以下に記載する
本発明の詳細な説明から容易に理解できるであろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した目的は、本発明
の1つの態様において、コードを支持体に固定的に取り
付けるための固定具であって、前記支持体に固着せしめ
られるものであって、該支持体との当接面に接着剤層を
有する基体、及び前記基体のほぼ中央に該基体と一体的
に付設されたものであって、コードを装着するための湾
曲体を有するコード保持体、を有してなることを特徴と
するコード用固定具によって達成することができる。
【0009】本発明のコード用固定具は、好ましくは、
金属又はプラスチック材料から形成される。それは、固
定具の材質が金属である場合、金属のシートや薄い平板
などを切断、折り曲げなどの加工に供することによっ
て、基体とコード保持体の一体構造を容易に形成できる
からである。また、金属の場合は、支持体が例えば平
板、パイプなどの円筒、曲面を有する部材など、いかな
る形状を有していても、基体を容易に変形させてその基
体の接着剤層面を支持体の表面に密着させることができ
るため、長時間高い接着力を実現できる点でも好まし
い。固定具の形成に有利に用いることのできる金属は、
例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼、銅などであ
る。錆に対して耐性を有することから、特にステンレス
鋼、例えばSUS−304、SUS−430などが好ま
しい。
【0010】本発明では、固定具の材質がプラスチック
材料である場合も好ましい。それは、プラスチック材料
は、それを射出成形又は押出成形に供することによっ
て、基体及びコード保持体の一体成形品を容易に製造で
きるからである。プラスチック材料はまた、錆が発生し
ないという点でも好ましい。固定具の形成に有利に用い
ることのできるプラスチック材料は、非常に多くの材料
を包含するというものの、好ましくは、ナイロン、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアセタ
ール、ポリカーボネート、PVC(ポリ塩化ビニル)、
アクリル、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン樹脂)などの樹脂である。なかんずく、加工しや
すいという理由から、6,6−ナイロン、6−ナイロン
を主成分とするナイロン系樹脂が好ましい。
【0011】本発明による固定具において、基体の形状
は、それが固着せしめられるべき支持体の形状に依存し
ていろいろに変更することができる。例えば、基体の表
面のうち支持体との当接面についてみると、支持体の表
面が平面であれば、基体の支持体との当接面もそれにあ
わせて平面状とすることができ、また、支持体の表面が
湾曲していれば、基体の支持体との当接面も、支持体の
表面に密着可能に湾曲させることができる。
【0012】固定具の基体は、前記した通り、好ましく
はシート状又は薄い平板状である。かかる基体の厚み
は、固定具の使用個所などに依存して変更しうるという
ものの、例えば、材質が金属である場合、好ましくは
0.1〜2mm、特に好ましくは0.3〜1.2mmであ
る。また、プラスチック材料からなる基体の厚みは、好
ましくは0.5〜5mm、特に好ましくは0.5〜2mmで
ある。
【0013】本発明の固定具において、基体のほぼ中央
には、以下に詳述するコード保持体が一体的に付設され
る。このことは、コード保持体の側から規定すると、コ
ード保持体の基部(基体との結合部)を中心にして左右
両方向に基体が延在していることを意味する。基体をコ
ード保持体の左右いずれかの側のみに延長させて設けた
構造は、コードをコード保持体の湾曲体(例えばフッ
ク)に装着する時に生ずる応力が、基体におけるコード
保持体の付けねに集中して、基体表面とその表面に施さ
れた接着剤層との界面や、基体の接着剤層と支持体表面
との界面で剥離が発生するので、避けなければならな
い。
【0014】基体に一体的に付設せしめられたコード保
持体(以下、略して「保持体」とも記す)は、そこにコ
ードを装着して保持するための湾曲体を有している。本
発明の1つの態様におけるコード保持体は、基体に一体
的に付設せしめられた腕体と、その腕体の先端部(基体
に結合した端部とは反対の端部)に配設されたフック状
の湾曲体とからなる。この保持体は、湾曲体がフック状
であるので、腕体と結合する湾曲体の付け根とフックの
最先端部の間に、コードを装着するためのスリットを有
する構造である。フック状の湾曲体は、コードを容易に
装着するために丸みのある鉤状であるのが好ましい。ま
た、湾曲体にコードを装着した後は、コードが支持体の
振動などで外れたり、位置がずれたりすることを防止す
るために、湾曲体の内径をコードの外径とほぼ同じとす
るかもしくはそれよりもやや小さくするのが好ましい。
また、コードの装着をさらに容易にするため、フック状
部分の最先端が外側に反ったように折れ曲がっているの
が特に好ましい。
【0015】本発明の別の態様における好ましいコード
保持体は、基体に一体的に付設せしめられたものであっ
て、スリットを有する円筒状の湾曲体からなる。このス
リットを有する円筒状の湾曲体は、上述の態様の保持体
と同じ効果を得るために、湾曲体の内径をコードの外径
とほぼ同じとするかもしくはそれよりもやや小さくする
のが好ましい。また、コードの装着をさらに容易にする
ため、スリットの幅を1〜8mmの範囲にするのが好まし
い。特に好ましいスリットの幅は、3〜5mmの範囲であ
る。スリットを設ける角度は、装着されたコードの長手
方向に対して任意の角度(0度から90度まで)とする
ことが可能であるが、0〜10度の範囲であると、コー
ドの装着が容易であるので好ましい。あるいは、スリッ
トを設ける角度が20〜40度の範囲であると、一度装
着したコードが外れにくくなり、コードの装着も困難と
はならないので、好ましい。
【0016】本発明のもう1つ別の態様におけるコード
保持体は、基体そのものを変形させて湾曲体を構成した
ものである。すなわち、この保持体は、基体の中央部を
湾曲させて、スリットを介して基体が左右に分割されか
つ分割された基体の両方に湾曲体が一体的に付設せしめ
られているように構成したものである。この態様におけ
る湾曲体も、上記の態様における保持体と同じ効果を得
るために、湾曲体の内径をコードの外径とほぼ同じとす
るかもしくはそれよりもやや小さくするのが好ましい。
また、スリットの幅は、前述の保持体と同じ効果を得る
ために、好ましくは1〜8mmの範囲、特に好ましくは3
〜5mmの範囲である。
【0017】基体はまた、支持体との当接面において接
着剤層を有する。接着剤層は、基体の表面のうち支持体
に当接せしめられる領域の全部に施されていてもよく、
さもなければ、必要に応じて、その領域の一部に施され
ていてもよい。接着剤層は、固定具取り付け用の穴を支
持体に設けることを不要にするばかりか、固定具を支持
体の任意の位置に取り付けることも可能にする。また、
支持体が金属である場合に、支持体の固定具取り付け部
分における錆の発生を防ぐことも可能にする。さらに、
固定具取り付け用の装置を別に用意することを不要に
し、固定具の支持体への取り付けを手作業で簡便に行う
ことを可能にする。
【0018】接着剤層は、好ましくは、アクリル系接着
剤からなる層膜であることができる。この層膜は、さら
に好ましくは、両面粘着テープを基体の支持体に接する
面に積層して形成することができる。両面粘着テープ
は、接着剤層と支持体との界面あるいは接着剤層と基体
との界面での接着力をともに長期間高く維持できるの
で、その使用が推奨される。両面粘着テープは、さらに
好ましくは、両面フォームテープである。このようなテ
ープは、固定具製造の任意の段階で基体に積層すること
ができる。例えば、基体が金属の場合、基体の加工途中
で(例えば、平板の状態で、もしくは保持体を加工する
前に)その基体にテープを積層してもよく、さもなけれ
ば、基体を最終的な形状に加工した後でその基体にテー
プを積層してもよい。また、基体がプラスチックの場
合、成形により最終形状を得た後で基体にテープを積層
することができる。
【0019】本発明の実施において、両面アクリルフォ
ームテープを基体に積層して接着剤層を形成するのが好
ましい。かかるテープは、すぐれた耐環境性(耐熱性、
耐水性など)、強力な接着力、そして高い振動吸収性を
有するため、例えば、自動二輪などの車両において、日
光や風雨、そして激しい振動に曝される位置に付設され
た支持体に対して、長期間にわたって高い接着力を実現
できるという特徴を有している。有利に使用することの
できる両面アクリルフォームテープの一例として、例え
ば、住友スリーエム社から商業的に入手可能の「両面ア
クリルフォームテープ、品番4211」、同「品番42
13」などを挙げることができる。
【0020】固定具の基体は、好ましくは、可撓性を有
している材料、例えばアクリル、ナイロン、ポリ塩化ビ
ニル(PVC)、ポリプロピレン、ABSなどのプラス
チック材料又はステンレス鋼などの金属材料から形成さ
れる。本発明の基体材料の保有する可撓性は、それを曲
げ弾性反発力で規定した場合、好ましくは0.05〜
3.0kgf の範囲内である。曲げ弾性反発力が0.1kg
f よりも小さいと、基体の腰が弱くなり基体が不要に揺
動するため、基体を支持体に貼り付けることが困難にな
る傾向がある。反対に、曲げ弾性反発力が3.0kgf よ
りも大きいと、基体を曲げる際にかなりの困難を伴う。
特に好ましくは、0.1〜1.0kgf の範囲である。
【0021】上記した曲げ弾性反発力は、添付の図15
に示す方法で次のようにして測定した:外径100mmの
鉄製の円柱31を用意し、その表面に供試材料片(長さ
100mm×幅25mm×厚さ1mmの平板)32を固定手段
(図示せず)で固定した。次いで、供試材料片32の、
円柱31に固定した位置から50mm離れた点にプッシュ
・プルゲージを当てて矢印Aで示される方向に荷重をか
けていき、材料片32が円柱31の外周面に沿って密着
した瞬間(点線の部分を参照されたい)のプッシュ・プ
ルゲージの指示値をもって曲げ弾性反発力(矢印Bの方
向の力)とした。
【0022】本発明において可撓性基体材料として有利
に用いることのできるプラスチック材料は、そのいくつ
かを例示して示すと、次のような曲げ弾性反発力及び折
り曲げ易さを有している(厚さ1mmの平板で測定)。 プラスチックの種類 曲げ弾性反発力(kgf) 折り曲げ易さ アクリル 0.2 非常に良い ポリプロピレン 0.5 良い ナイロン 0.4 非常に良い ABS 0.6 良い PVC 0.2 非常に良い 基体がこのようにフレキシブルであると、支持体がパイ
プなどの円筒又は曲面を有するものなどの時、基体を容
易に変形させてその接着剤層面と支持体面とを密着させ
ることができるため、長期間高い接着力を実現できるの
で好ましい。かかる基体は、特に、互いに外径を異にす
る複数個の円筒状の支持体に対して、1種類の、すなわ
ち、基体形状を同じくする固定具のみで対応できる点で
好ましい。なお、基体の可撓性をその基体の厚さから規
定すると、基体が満足すべき可撓性を有するためには、
その基体は、材質が金属の場合で0.3〜1.2mmの厚
さ、材質がプラスチックの場合で0.5〜2mmの厚さ、
をそれぞれ有するのが好ましい。また、好ましい1変更
例として、基体の変形をさらに容易なものとするため、
基体表面のうち支持体と接する面とは反対側の面に複数
の溝を設けることが推奨される。このように基体表面に
複数の溝を設けることは、基体がプラスチック材料から
形成されている場合に、基体の変形を容易にするという
点において特に好ましい効果を発揮する。
【0023】前記した目的は、本発明のもう1つの態様
において、コードを円筒形支持体に固定的に取り付ける
ための固定具であって、前記支持体に嵌合せしめられる
ものであって、該支持体にその外周の二分の一よりも長
くかつ全周よりも短い領域において当接可能に湾曲せし
められておりかつ該支持体との当接面に滑り止め手段を
有する、自体弾性を具えている基体、及び前記基体のほ
ぼ中央に該基体と一体的に付設されたものであって、コ
ードを装着するための湾曲体を有するコード保持体、を
有してなることを特徴とするコード用固定具によって達
成することができる。
【0024】本発明によるコード用固定具において用い
られる基体は、円筒形支持体に嵌合せしめられるもので
あって、自体弾性を具えている。基体は、したがって、
その弾性を利用して変形できるので、固定具を円筒形支
持体に取り付けるのが容易になり、固定具の基体を支持
体の湾曲した表面に沿って密着させることができるよう
になる。自体弾性を具えている基体の材料として、好ま
しくは、例えばナイロン、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリプロピレン、ポリアセタールなどのプラスチッ
ク、そしてステンレス鋼を挙げることができる。基体の
厚さは、材質がステンレス鋼の場合に好ましくは0.1
〜2mm、そして材質がプラスチックの場合に好ましくは
1〜5mmである。
【0025】固定具の基体は、また、支持体にその外周
の二分の一よりも長くかつ全周よりも短い領域において
当接可能に湾曲せしめられていることを特徴とする。基
体がこのように支持体に当接可能に湾曲せしめられてい
ると、基体の滑り止め手段(以下に詳述する)と支持体
の界面で固定具が滑るのを防止するうえで有効である。
また、固定具を円筒形支持体に取り付けるのを容易にす
るため、基体の両端をそれらが外側に向かって反るよう
に折り曲げておくことが好ましい。
【0026】基体はまた、支持体にその外周の二分の一
よりも長くかつ全周よりも短い領域において当接可能な
構造とする。基体の支持体との密着面が、支持体の外周
の二分の一以下に減少すると、支持体に取り付けた固定
具が容易に外れるという不都合が発生する。また、支持
体の振動により固定具が滑って回転してしまう不都合を
より効果的に防止するため、基体と支持体との密着面を
支持体の外周の3分の2以上とすることが特に好まし
い。反対に、前記密着面が支持体の全周以上となると、
固定具の支持体への取り付けが困難となるので、特に好
ましくは6分の5以下である。
【0027】本発明の固定具において、基体のほぼ中央
にはコード保持体が一体的に付設される。保持体の構成
及びその作用は、それぞれ、すでに説明した通りであ
る。さらに、本発明の固定具において、基体の支持体と
の当接面には滑り止め手段が施される。滑り止め手段
は、基体と円筒形支持体の界面で生じる滑りを抑え、支
持体からの固定具の外れ、円筒形支持体を中心とした固
定具の回転、そして取り付け位置からの固定具のずれを
防ぐのに非常に有効な手段である。また、この滑り止め
手段を採用した態様では、固定具を支持体に固定するた
めに接着剤(例えば両面粘着テープ)を使用しないの
で、固定具を支持体に取り付ける際に離型シートを剥離
する手間が省け、また、固定具を繰り返し使用すること
が、例えば一度装着した固定具を外して別の位置で再度
使用することが、可能となる。
【0028】滑り止め手段は、いくつかの好ましい態様
を有する。例えば、滑り止め手段は、エトラストマー部
材を接着剤層を介して基体に一体的に結合せしめた構成
とすることができる。このように、基体の支持体に接す
る面に接着剤層を介してエトラストマー部材を積層する
と、滑り止め手段と支持体の界面の滑り抵抗を大きくす
ると同時に、支持体の振動をエトラストマー部材が吸収
するため、円筒形支持体を中心とした固定具の回転及び
取り付け位置からの固定具のずれを長期にわたって防ぐ
ことができる。
【0029】滑り止め手段の構成に用いることのできる
エトラストマー部材は、好ましくは、ポリウレタン又は
ゴムを包含するエトラストマー材料からなる部材であ
る。ゴムとして、好ましくは、シリコンゴム、ウレタン
ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エチレンプ
ロピレンジエンメチレンゴム、天然ゴムなどを挙げるこ
とができ、特に好ましくはシリコンゴムを挙げることが
できる。また、エトラストマー部材に併用する接着剤層
は、好ましくは、耐環境性(耐熱性、耐水性など)及び
接着力にすぐれたアクリル系接着剤の層膜である。
【0030】本発明によれば、上記のような態様の滑り
止め手段を設けるため、エトラストマー部材を基材とし
た片面粘着テープを基体の所定面に貼り付けることが推
奨される。このようにすれば、基体の所定面に接着剤層
及びエトラストマー部材を順次積層する手間を省くこと
ができる。有利に使用することのできる片面粘着テープ
の一例として、例えば、住友スリーエム社から商業的に
入手可能の「ハイプロテクション フィルムテープ、品
番SJ−8591」及び同「品番SJ−8592」(と
もにポリウレタンを基材とする)、そして同じく同社か
ら商業的に入手可能の「シリコンゴムテープ、品番54
45」(シリコンゴムを基材とする)などを挙げること
ができる。
【0031】滑り止め手段は、もう1つの態様に従え
ば、エトラストマー部材を基体と一体成形した構成とす
ることができる。このような一体成形タイプの滑り止め
手段は、上記したような接着剤層介在タイプの滑り止め
手段と同様に、滑り止め手段と支持体の界面の滑り抵抗
を大きくすると同時に、支持体からの固定具の外れ、円
筒形支持体を中心とした固定具の回転及び取り付け位置
からの固定具のずれを長期にわたって防ぐことができ
る。さらに、このタイプの滑り止め手段は、エトラスト
マー部材を、それを積層しにくい基体部位(例えば、基
体の支持体に接する面のうち湾曲等の複雑な形状を有す
る部位)に別途積層する手間が省ける点でも好ましい。
基体及びエトラストマー部材の一体成形は、プラスチッ
ク成形の分野で一般的に用いられている技法を用いて行
うことができる。また、もしもゴムを含む材料からなる
滑り止め手段を基体と一体成形する場合には、2色成形
法によるのが好ましい。エトラストマー部材として、ウ
レタンゴムを有利に用いることができる。
【0032】
【作用】本発明によれば、コード用固定具の支持体への
取り付けを接着剤層を介して行うかもしくは、支持体が
円筒形である場合は、滑り止め手段を介しても行えるの
で、支持体に固定具取り付け用の穴を設けなくても済
み、したがって、支持体が金属の時の錆の問題を回避で
きるばかりでなく、固定具を支持体の任意の位置に手作
業等で簡単に取り付けることができる。
【0033】また、本発明の固定具では、基体のほぼ中
央にコード保持体を付設しているので、コードを保持体
の湾曲体に装着した時に応力が生じて保持体の付け根に
集中しても、接着剤層が基体あるいは支持体から剥離す
る不都合を回避することができる。さらにまた、本発明
の固定具においてその基体を円筒形支持体に嵌合するよ
うに湾曲させ、基体自体を弾性を有する材料から構成
し、かつ固定具の取り付けを滑り止め手段を介して行う
場合には、固定具を円筒形支持体に取り付けるのが容易
になるばかりか、固定具が滑って支持体から外れたり、
支持体を中心に回転したり、取り付け位置からずれたり
するのを防止することができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を添付図面を参照しながら説明
する。図1は、本発明によるコード用固定具の好ましい
1態様を示した斜視図である。固定具1は、平板状のス
テンレス鋼製基体2を切断及び折り曲げ加工して製作し
たものであり、表面が平滑な支持体に適用できるように
設計されている。コード保持体17は、腕体4及びフッ
ク状の湾曲体(以下、単に「フック」と呼ぶことにす
る)5から構成される。すなわち、腕体4は、基体2の
ほぼ中央に位置しており、その先端にコードを保持する
ためのフック5を有する(フック5の最先端は、ここで
は図示されていないけれども、コードを装着するのを簡
便にするため、やや外側に向けて反らせてもよい)。基
体2の腕体4と反対の面には、基体を支持体(図示せ
ず)に固着するため、接着剤層3を設ける。図示の例の
場合、固定具の加工が完了した後に基体2の所定の領域
に両面粘着テープを貼付して接着剤層3を形成したの
で、液状接着剤を塗布することの手間も解消することが
できた。
【0035】図1に示した固定具は、上記したように、
表面平滑な支持体に有利に適用することができる。しか
し、図示の固定具の基体は、適度の可撓性を有していて
変形可能であるので、図2に断面で示すように基体2を
湾曲させて円筒形支持体10に取り付けることも可能で
ある。また、図1ないし図3は、特にステンレス鋼を基
体及びコード保持体に使用した例を示したけれども、ス
テンレス鋼に代えて例えばアルミニウム、銅及びその他
の金属を使用することも、あるいは金属でなくて例えば
ナイロン、アクリル、ABSなどのプラスチック材料を
使用することも、可能である。ここで、プラスチック材
料を使用する場合には、それを射出成形などすることに
より、所定の形状を具えた固定具を得ることとなる。さ
らにまた、図1ないし図3に示した好ましい態様は、そ
れを本発明の範囲内で変更することによって、例えば、
以下に説明する図5ないし図7の固定具の製作に応用す
ることもできる。
【0036】先の説明において、基体の端部に腕体を付
設することは回避しなければならないと記載した。これ
は、例えば図4に断面で示すように円筒形支持体10の
湾曲した表面に基体12の接着剤層13を介して固定具
11を固着した場合、コード(図示せず)をフック15
に装着する時に生ずる応力が、基体11の腕体14の付
けねに集中するため(図中の矢印を参照されたい)、接
着剤層13と支持体10との界面、または接着剤層13
と基体12との界面で剥離が起こり易くなるからであ
る。
【0037】図5は、固定具をプラスチック材料から成
形するとともに、その基体の支持体との当接面に滑り止
め手段(ここではエトラストマー部材)を設けた例を示
す斜視図である。図示の例の場合、支持体は円筒形であ
り、それに固定具の湾曲した基体を嵌合して固定的に取
り付けるものである。固定具1は、ナイロン系樹脂の一
体成形により形成されたもので、湾曲した基体6と、基
体6のほぼ中央からそれに垂直に突出した腕体8及び腕
体8の先端に形成されたフック9からなるコード保持体
18とを有する。基体6の両端部及びフック9の先端
は、それぞれ、支持体(図示せず)及びコード(図示せ
ず)の装入を容易にする目的で、外側に向けて反った形
状を有している。基体6の支持体と接する面には、滑り
止め手段7が設けられる。本例の場合、滑り止め手段7
は、エトラストマ−部材であり、使用の簡便性から、基
材がエトラストマー部材からなる片面粘着テープを使用
した。なお、片面粘着テープに代えて、ウレタンゴムな
どのエトラストマー部材と基体とを2色成形により一体
に成形することによっても、同様な効果が得られること
はもちろん、この場合は、粘着テープから離型紙を剥が
す作業がなくなるため、基体の形状が複雑であっても正
確に滑り止め手段を適用できるという効果も生まれる。
さらに、エトラストマー部材に代えて、両面粘着テー
プ、吸着性にすぐれた材料などを使用しても、遜色のな
い結果を得ることができることはもちろんである。
【0038】図5の固定具では、プラスチック材料の弾
性を利用することにより、コードをフックに、固定具を
支持体に、それぞれ容易に装着することができ、また、
滑り止め手段を使用することにより、支持体に対する固
定具の固着をより確実かつ強固なものとすることができ
る。図6は、図5に図示して先に説明した固定具の1変
形例を示した斜視図である。図示の固定具の場合、基体
6を湾曲させないで、その代わりに基体表面のうち滑り
止め手段7とは反対の面に、図示のように複数の溝16
を設けている。図示の基体は、それが自体フレキシブル
なプラスチック材料からできていることに加えて、多数
の溝があるので、支持体の形状にあわせて容易に変形さ
せ、支持体に固着することができる。また、図示の場合
は、基体が平板の状態の時に両面粘着テープを積層する
ことができるので、作業性の点からも有利である。な
お、基体に設ける溝の形状及び本数は、所望とする結果
に応じて広く変更することが可能である。
【0039】図7は、図1ないし図3に図示して先に説
明した固定具の1つの変形例を示した斜視図である。図
示の固定具の場合、金属の1枚板からその加工により固
定具1が形成されており、その加工の際に基体6を湾曲
させたものである。また、腕体8及びフック9からなる
コード保持体18も、基体6の一部から形成されたもの
である。さらにまた、基体6の支持体(図示せず)との
当接面には、基材がエトラストマー部材からなる片面粘
着テープを使用して滑り止め手段7を設けた。
【0040】図8は、本発明によるコード用固定具のさ
らにもう1つの好ましい態様を示した斜視図である。こ
の固定具1では、コード保持体18が、基体6に一体的
に付設せしめられたものであって、スリット19を有す
る円筒状の湾曲体9からなる。基体6の支持体(図示せ
ず)との当接面にアクリルフォームテープを積層するこ
とにより、接着剤層7を設けている。また、この固定具
は、ナイロン系樹脂を材料にして作製されている。スリ
ット19を設ける角度は、装着されるべきコード(図示
せず)の長手方向(参考のため、線分X−Xで示す)に
対して0°である。すなわち、本例の場合、コードの長
手方向に平行に、スリットが設けられている。なお、ス
リットの幅は、装着されるべきコードの種類などに依存
していろいろに変更し得るというものの、好ましくは1
〜8mm、更に好ましくは3〜5mmである。
【0041】図9は、図8に示した固定具の好ましい1
つの変形例である。本例の固定具では、スリット19を
設ける角度xを、0°(コードの長手方向に平行)とし
ないで、コードの長手方向(線分X−X)に対して30
°とした。このようにスリットの開口方向を変更する
と、上述のようにコードの装着が容易となることのほ
か、一度装着したコードが特に外れにくくなるという効
果を得ることができる。なお、スリットの角度xは、コ
ードの長手方向に対して0°からほぼ90°となるまで
の広い範囲で選択することができるけれども、好ましく
は20〜40°である。
【0042】図10は、本発明によるコード用固定具の
さらにもう1つの好ましい態様を示した斜視図である。
本例の固定具では、コード保持体18が、その湾曲体9
の部分にスリットを有するのではなくて、基体6が、そ
れを左右に分割する形でスリット19を有する。湾曲体
9は、図示される通り、基体そのものを加工したもので
あり、したがって、スリット19を介して分割された基
体のそれぞれに一体的に付設せしめられている。基体6
の支持体(図示せず)との当接面にアクリルフォームテ
ープを積層することにより、接着剤層7を設けている。
また、この固定具は、ナイロン系樹脂を材料にして作製
されている。スリット19を設ける角度は、装着される
べきコード(図示せず)の長手方向(参考のため、線分
X−Xで示す)に対して0°である。
【0043】図8ないし図10に示す固定具は、基体の
厚さを1mmにして作製されたもので、基体は十分な可撓
性を有し、円筒形支持体にも容易にかつ強固に固着可能
である。以下に記載する例は,本発明によるコード用固
定具を使用した場合に得られる支持体への強固な固着を
説明するためのものである。例1 図5に示したような構成を有する固定具をナイロン系樹
脂の射出成形により製造した。固定具の寸法は、基体、
コード保持体及びフックの厚みがすべて3mmとなるよう
に調整し、また、基体の彎曲部の内径は、その部分に外
径38mmの塩化ビニルパイプがぴったりと嵌合するよう
な寸法とした。滑り止め手段としては、住友スリーエム
社製の片面粘着テープ「ハイプロテクションフィルムテ
ープSJ−8591」(ポリウレタン基材)を使用し
た。
【0044】得られた固定具の引抜強度及び回転滑り強
度を図16に示すようにして測定した。引抜強度(kgf) の測定 固定具1を塩化ビニルパイプ(外径38mm)31に固着
した後、プッシュ・プルゲージのフックをフック9に取
り付けて、フック9を垂直方向(矢印Cの方向)に引っ
張って、固定具をパイプから外すために要する力(プッ
シュ・プルゲージの指示値)を引抜強度とした。回転滑り強度(kgf) の測定 固定具1を塩化ビニルパイプ(外径38mm)31に固着
した後、プッシュ・プルゲージのフックをフック9に取
り付けて、フック9を回転方向(矢印Dの方向)に引っ
張って、固定具がパイプの円筒面に沿って滑り始める力
(プッシュ・プルゲージの指示値)を回転滑り強度とし
た。
【0045】測定の結果、引抜強度は2.5 kgf、そし
て回転滑り強度は2.0 kgfであり、パイプへの固定具
の固着は満足し得る程度に強力であることが確認され
た。例2 前記例1に記載の手法を繰り返した。但し、本例の場
合、滑り止め手段としては、住友スリーエム社製の片面
粘着テープ「シリコンゴムテープ 品番5445」(シ
リコンゴム基材)を使用した。得られた固定具の引抜強
度及び回転滑り強度を前記例1にならって測定したとこ
ろ、引抜強度は2.5 kgf、そして回転滑り強度は2.
0 kgfであり、パイプへの固定具の固着は満足し得る程
度に強力であることが確認された。比較例1 前記例1に記載の手法を繰り返した。但し、本例の場
合、比較のため、住友スリーエム社製の片面粘着テープ
「紙テープ 品番244」を滑り止め手段として使用し
た。得られた固定具の引抜強度及び回転滑り強度を前記
例1にならって測定したところ、引抜強度は1.7 kg
f、そして回転滑り強度は0 kgfであり、パイプへの固
定具の固着は不満足なものであることが確認された。比較例2 前記例1に記載の手法を繰り返した。但し、本例の場
合、比較のため、滑り止め手段の使用を省略した。得ら
れた固定具の引抜強度及び回転滑り強度を前記例1にな
らって測定したところ、引抜強度は1.7 kgf、そして
回転滑り強度は0kgfであり、パイプへの固定具の固着
は不満足なものであることが確認された。 例3 前記例1に記載の手法を繰り返した。但し、本例の場
合、滑り止め手段の使用に代えて接着剤層:住友スリー
エム社製の両面粘着テープ「両面アクリルフォームテー
プ 品番4211」を使用した。得られた固定具の引抜
強度及び回転滑り強度を前記例1にならって測定したと
ころ、引抜強度は48.0 kgf、そして回転滑り強度は
44.0 kgfであり、パイプへの固定具の固着は非常に
満足し得る程度に強力であることが確認された。例4 前記例1に記載の手法を繰り返した。但し、本例の場
合、滑り止め手段の使用に代えて接着剤層:住友スリー
エム社製の両面粘着テープ「両面アクリルフォームテー
プ 品番4213」を使用した。得られた固定具の引抜
強度及び回転滑り強度を前記例1にならって測定したと
ころ、引抜強度は47.0 kgf、そして回転滑り強度は
45.0 kgfであり、パイプへの固定具の固着は非常に
満足し得る程度に強力であることが確認された。例5 前記例1に記載の手法を繰り返した。但し、本例の場
合、滑り止め手段の使用に代えて接着剤層:住友スリー
エム社製の両面粘着テープ「ネオプレンフォームテープ
品番4265」を使用した。得られた固定具の引抜強
度及び回転滑り強度を前記例1にならって測定したとこ
ろ、引抜強度は15.0 kgf、そして回転滑り強度は1
6.0 kgfであり、例3及び例4の固着ほど強固ではな
いというものの、パイプへの固定具の固着は許容し得る
ことが確認された。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
コード用固定具の支持体への取り付けを接着剤層を介し
て行うかもしくは、支持体が円筒形である場合は、滑り
止め手段を介しても行えるので、支持体に固定具取り付
け用の穴を設けなくても済み、したがって、支持体が金
属の時の錆の問題を回避できるばかりでなく、固定具を
支持体の任意の位置に手作業等で簡単に取り付けること
ができる。
【0047】また、本発明の固定具では、基体のほぼ中
央にコード保持体を付設しているので、コードを保持体
の湾曲体に装着した時に応力が生じて保持体の付けねに
集中しても、接着剤層が基体あるいは支持体から剥離す
る不都合を回避することができる。さらに、本発明の固
定具においてその基体を円筒形支持体に嵌合するように
湾曲させ、基体自体を弾性を有する材料から構成し、か
つ固定具の取り付けを滑り止め手段を介して行う場合に
は、固定具を円筒形支持体に取り付けるのが容易になる
ばかりか、固定具が滑って支持体から外れたり、支持体
を中心に回転したり、取り付け位置からずれたりするの
を防止することができる。
【0048】さらにまた、本発明の固定具は、それを必
要に応じて金属又はプラスチック材料のいずれからも製
作することができ、しかも、その製作は、従来の固定具
の製作に比較して簡便である。また、金属の場合は、い
かなる形状の支持体に対しても、長期間高い接着力を実
現できるという長所もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるコード用固定具の好ましい一態様
を示した斜視図である。
【図2】図1に示した固定具を円筒状支持体に適用した
例を示した略示断面図である。
【図3】図1に示した固定具の一変形例を示した斜視図
である。
【図4】コード保持体(フック状の湾曲体を有する腕
体)を本発明によらないで基体に付設して製造した固定
具の使用状況を示した略示断面図である。
【図5】本発明によるコード用固定具のもう1つの好ま
しい態様を示した斜視図である。
【図6】本発明によるコード用固定具のさらにもう1つ
の好ましい態様を示した斜視図である。
【図7】本発明によるコード用固定具のさらにもう1つ
の好ましい態様を示した斜視図である。
【図8】本発明によるコード用固定具のさらにもう1つ
の好ましい態様を示した斜視図である。
【図9】図8に示した固定具の好ましい一変形例を示し
た斜視図である。
【図10】本発明によるコード用固定具のさらにもう1
つの好ましい態様を示した斜視図である。
【図11】従来のクリップタイプの固定具の略示断面図
である。
【図12】従来のボルト・ナットタイプの固定具の略示
断面図である。
【図13】従来の折り曲げタイプの固定具の略示断面図
である。
【図14】従来の溶接タイプの固定具の略示断面図であ
る。
【図15】本願明細書に記載の曲げ弾性反発力の測定に
用いた方法を説明するための略示断面図である。
【図16】本願明細書に記載の引抜強度及び回転滑り強
度の測定に用いた方法を説明するための略示断面図であ
る。
【符号の説明】
1…固定具 2…基体 3…接着剤層 4…腕体 5…フック 6…基体 7…滑り止め手段 8…腕体 9…フック 10…支持体 16…溝 17…コード保持体 18…コード保持体

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コードを支持体に固定的に取り付けるた
    めの固定具であって、 前記支持体に固着せしめられるものであって、該支持体
    との当接面に接着剤層を有する基体、及び前記基体のほ
    ぼ中央に該基体と一体的に付設されたものであって、コ
    ードを装着するための湾曲体を有するコード保持体、を
    有してなることを特徴とするコード用固定具。
  2. 【請求項2】 前記接着剤層が両面粘着テープからな
    る、請求項1に記載のコード用固定具。
  3. 【請求項3】 前記両面粘着テープがアクリルフォーム
    テープである、請求項2に記載のコード用固定具。
  4. 【請求項4】 前記基体の表面のうち前記支持体と接す
    る面とは反対側の面に、その面に設けられた複数の溝が
    存在する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコード
    用固定具。
  5. 【請求項5】 コードを円筒形支持体に固定的に取り付
    けるための固定具であって、 前記支持体に嵌合せしめられるものであって、該支持体
    にその外周の二分の一よりも長くかつ全周よりも短い領
    域において当接可能に湾曲せしめられておりかつ該支持
    体との当接面に滑り止め手段を有する、自体弾性を具え
    ている基体、及び前記基体のほぼ中央に該基体と一体的
    に付設されたものであって、コードを装着するための湾
    曲体を有するコード保持体、を有してなることを特徴と
    するコード用固定具。
  6. 【請求項6】 前記滑り止め手段がエラストマー部材か
    らなり、接着剤層を介して前記基体に一体的に結合せし
    められている、請求項5に記載のコード用固定具。
  7. 【請求項7】 前記滑り止め手段がエラストマー部材か
    らなり、前記基体と一体成形せしめられている、請求項
    5に記載のコード用固定具。
JP13682094A 1994-06-20 1994-06-20 コード用固定具 Pending JPH084744A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001284005A (ja) * 2000-03-28 2001-10-12 Hitachi Chem Co Ltd 異方導電材テープ
JP2006123759A (ja) * 2004-10-29 2006-05-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd ケーブル保持装置およびそれを用いた二輪車

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JP2001284005A (ja) * 2000-03-28 2001-10-12 Hitachi Chem Co Ltd 異方導電材テープ
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