JPH0846230A - 光起電力素子の電極及び光起電力素子 - Google Patents
光起電力素子の電極及び光起電力素子Info
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- JPH0846230A JPH0846230A JP6178909A JP17890994A JPH0846230A JP H0846230 A JPH0846230 A JP H0846230A JP 6178909 A JP6178909 A JP 6178909A JP 17890994 A JP17890994 A JP 17890994A JP H0846230 A JPH0846230 A JP H0846230A
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- photovoltaic element
- coupling agent
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- conductive resin
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
Landscapes
- Photovoltaic Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、密着性が高く、且つ信頼性の高い
電極と、光起電力素子の初期における電力損失やシャン
トの発生などを防ぎ、シリーズ抵抗の増加などの長期信
頼性における課題を解決して特性の良好な光起電力素子
を提供することを目的とする。 【構成】 本発明の光起電力素子の電極は、線状または
棒状の金属体にカップリング剤処理が施され、該金属体
の表面が少なくとも一つ以上の導電性樹脂層で被覆され
ていることを特徴とする。また、少なくとも一対の半導
体接合と該半導体接合の光入射側に位置する半導体層上
に形成された透明な上部電極を有する光起電力素子にお
いて、前記上部電極上に前記光起電力素子の電極が固定
されていることを特徴とする。
電極と、光起電力素子の初期における電力損失やシャン
トの発生などを防ぎ、シリーズ抵抗の増加などの長期信
頼性における課題を解決して特性の良好な光起電力素子
を提供することを目的とする。 【構成】 本発明の光起電力素子の電極は、線状または
棒状の金属体にカップリング剤処理が施され、該金属体
の表面が少なくとも一つ以上の導電性樹脂層で被覆され
ていることを特徴とする。また、少なくとも一対の半導
体接合と該半導体接合の光入射側に位置する半導体層上
に形成された透明な上部電極を有する光起電力素子にお
いて、前記上部電極上に前記光起電力素子の電極が固定
されていることを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光起電力素子の電極及
びこれを用いた光起電力素子に係わる。より詳しくは、
導電性に優れ、耐久性が高く、信頼性の高い電極に関
し、また、該電極を用いることにより初期特性が高く、
かつ長期使用時における信頼性の高い光起電力素子の構
成、特には太陽電池の構成に関する。
びこれを用いた光起電力素子に係わる。より詳しくは、
導電性に優れ、耐久性が高く、信頼性の高い電極に関
し、また、該電極を用いることにより初期特性が高く、
かつ長期使用時における信頼性の高い光起電力素子の構
成、特には太陽電池の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の太陽電池のような光起電力素子に
おいて、電極は光の入射を妨げないためとシリーズ抵抗
を低くするために櫛状のパターンで形成される。電極形
成の方法としてはSiに対してオーミック性接触がよい
金属を真空蒸着法、スパッタリング法等によって電極形
成面に直接付着形成する方法や、無電解メッキによる方
法がある。しかし、これらの方法は真空プロセスが必要
になったり、パターニングのためのマスクが必要であ
る。また、成膜時間が長いこと等、量産性の問題もあ
る。これに対し、スクリーン印刷により導電性樹脂を電
極形成面に付着、焼成して形成する方法がスループット
が高く、量産に適した方法として実用化されている。
おいて、電極は光の入射を妨げないためとシリーズ抵抗
を低くするために櫛状のパターンで形成される。電極形
成の方法としてはSiに対してオーミック性接触がよい
金属を真空蒸着法、スパッタリング法等によって電極形
成面に直接付着形成する方法や、無電解メッキによる方
法がある。しかし、これらの方法は真空プロセスが必要
になったり、パターニングのためのマスクが必要であ
る。また、成膜時間が長いこと等、量産性の問題もあ
る。これに対し、スクリーン印刷により導電性樹脂を電
極形成面に付着、焼成して形成する方法がスループット
が高く、量産に適した方法として実用化されている。
【0003】ところで、一般家庭の電力消費量は約3k
Wである。これを太陽電池でまかなおうとすると、変換
効率10%の太陽電池を用いた場合、受光面積30m2
の大面積の太陽電池が必要となる。このような大きな太
陽電池の場合は、更に電極の電流を集合させるバスバー
を設けることが必要となるため、工程が増えることにな
る。また、大面積になるほど欠陥の少ない太陽電池を作
製することは困難であり、これらの欠陥がシャントやシ
ョートの原因となって、変換効率を著しく低下すること
が知られている。欠陥の位置が前記電極やバスバーから
離れている時には、欠陥部分に流れこむ時の抵抗が大き
いため電流損失は比較的少ないが、逆に、欠陥部分が前
記電極やバスバーの下にある時は欠陥による電流損失は
大きなものとなる。
Wである。これを太陽電池でまかなおうとすると、変換
効率10%の太陽電池を用いた場合、受光面積30m2
の大面積の太陽電池が必要となる。このような大きな太
陽電池の場合は、更に電極の電流を集合させるバスバー
を設けることが必要となるため、工程が増えることにな
る。また、大面積になるほど欠陥の少ない太陽電池を作
製することは困難であり、これらの欠陥がシャントやシ
ョートの原因となって、変換効率を著しく低下すること
が知られている。欠陥の位置が前記電極やバスバーから
離れている時には、欠陥部分に流れこむ時の抵抗が大き
いため電流損失は比較的少ないが、逆に、欠陥部分が前
記電極やバスバーの下にある時は欠陥による電流損失は
大きなものとなる。
【0004】これら問題の対策として、バスバーを用い
ずに大面積の太陽電池に適した電極とする構成が開示さ
れている。例えば、米国特許第150,857号には、
銅ワイヤーを導電性粒子を含む固状ポリマーで被覆し、
太陽電池上に電極として形成及び取り付ける方法が開示
されている。また、米国特許第5,084,107号に
は、金属線体を導電性接着剤を介して光発電素子の電極
形成面上に固定する方法が示されている。これらの構成
の骨子は導電性ワイヤーを導電性粒子を含む固状ポリマ
ー(導電性接着剤)で覆い電極として形成するものであ
り、10cm以上の電極の長さでも抵抗損失を低くする
ことができる。
ずに大面積の太陽電池に適した電極とする構成が開示さ
れている。例えば、米国特許第150,857号には、
銅ワイヤーを導電性粒子を含む固状ポリマーで被覆し、
太陽電池上に電極として形成及び取り付ける方法が開示
されている。また、米国特許第5,084,107号に
は、金属線体を導電性接着剤を介して光発電素子の電極
形成面上に固定する方法が示されている。これらの構成
の骨子は導電性ワイヤーを導電性粒子を含む固状ポリマ
ー(導電性接着剤)で覆い電極として形成するものであ
り、10cm以上の電極の長さでも抵抗損失を低くする
ことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者が太陽電池の電極構成及び信頼性を検討する中で、上
記開示された方法で電極を作製すると、導電性ワイヤー
や金属体と導電性粒子を含む固状ポリマーや導電性接着
剤との界面において十分な密着性が得られないのみなら
ず、幅や径において一様な電極を得られないことが分か
った。
者が太陽電池の電極構成及び信頼性を検討する中で、上
記開示された方法で電極を作製すると、導電性ワイヤー
や金属体と導電性粒子を含む固状ポリマーや導電性接着
剤との界面において十分な密着性が得られないのみなら
ず、幅や径において一様な電極を得られないことが分か
った。
【0006】また、導電性ワイヤーや金属体と導電性接
着剤の界面における密着力が得られないため、初期にお
ける電力損失の問題や、長期使用時において上記界面に
おいて剥離現象によるシリーズ抵抗の増加を招いて変換
効率が低下する等、信頼性にも問題があることが分かっ
た。
着剤の界面における密着力が得られないため、初期にお
ける電力損失の問題や、長期使用時において上記界面に
おいて剥離現象によるシリーズ抵抗の増加を招いて変換
効率が低下する等、信頼性にも問題があることが分かっ
た。
【0007】さらに、導電性接着剤から形成される電極
層の抵抗によっては、シャントが起こり、また歩留まり
が低下するという問題、また水分等との相互作用による
イオン物質のマイグレーションを抑えることが困難とな
り、実用時に湿度によるリークが起こるという問題があ
ることが分かった。
層の抵抗によっては、シャントが起こり、また歩留まり
が低下するという問題、また水分等との相互作用による
イオン物質のマイグレーションを抑えることが困難とな
り、実用時に湿度によるリークが起こるという問題があ
ることが分かった。
【0008】本発明の目的は、以上のような課題を克服
して光起電力素子やその他のデバイスにも適用できる電
極であり、密着性が高く、かつ信頼性の高い電極を提供
することである。また、本発明の他の目的は、光起電力
素子の初期における電力損失や、シャントの発生等を防
ぎ、シリーズ抵抗の増加等の長期信頼性における課題を
解決して特性の良好な光起電力素子を提供することであ
る。
して光起電力素子やその他のデバイスにも適用できる電
極であり、密着性が高く、かつ信頼性の高い電極を提供
することである。また、本発明の他の目的は、光起電力
素子の初期における電力損失や、シャントの発生等を防
ぎ、シリーズ抵抗の増加等の長期信頼性における課題を
解決して特性の良好な光起電力素子を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の光起電力素子の電極は、線状または棒状
の金属体にカップリング剤処理が施され、該金属体の表
面が少なくとも一つ以上の導電性樹脂層で被覆されてい
ることを特徴とする。
めに、本発明の光起電力素子の電極は、線状または棒状
の金属体にカップリング剤処理が施され、該金属体の表
面が少なくとも一つ以上の導電性樹脂層で被覆されてい
ることを特徴とする。
【0010】また、本発明の光起電力素子は、少なくと
も一対の半導体接合と該半導体接合の光入射側に位置す
る半導体層上に形成された透明な上部電極を有する光起
電力素子において、前記上部電極上に前記光起電力素子
の電極が固定されていることを特徴とする。
も一対の半導体接合と該半導体接合の光入射側に位置す
る半導体層上に形成された透明な上部電極を有する光起
電力素子において、前記上部電極上に前記光起電力素子
の電極が固定されていることを特徴とする。
【0011】さらに、前記光起電力素子の電極は前記導
電性樹脂層を介して前記上部電極上に固定されているこ
とを特徴とする。
電性樹脂層を介して前記上部電極上に固定されているこ
とを特徴とする。
【0012】前記金属体は、銅または銅の合金であるの
が好ましく、前記カップリング剤がシラン系カップリン
グ剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カ
ップリング剤のいずれかであるのが好ましい。
が好ましく、前記カップリング剤がシラン系カップリン
グ剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カ
ップリング剤のいずれかであるのが好ましい。
【0013】前記導電性樹脂層の比抵抗は、0.1乃至
100Ωcmとするのが望ましい。
100Ωcmとするのが望ましい。
【0014】
【作用】本発明の電極は、線状または棒状の金属体と導
電性樹脂の接着性及び導電性の相互関係において、良好
な電極の得られる方法を実験的に見い出し、更に実験を
進めて完成したものであり、その骨子は、線状または棒
状の金属体にカップリング剤処理が施され、導電性樹脂
で被覆されている電極にある。
電性樹脂の接着性及び導電性の相互関係において、良好
な電極の得られる方法を実験的に見い出し、更に実験を
進めて完成したものであり、その骨子は、線状または棒
状の金属体にカップリング剤処理が施され、導電性樹脂
で被覆されている電極にある。
【0015】本発明により良好な特性の電極が得られる
理由は以下のように説明される。一般に電気機器の配線
として用いられている銅線やアルミニウム線等は安価で
優れた導電体である。また、エナメル線等はこれらの金
属線に絶縁塗料を被覆したものであるが、一般に無機物
質である金属体を有機物質を含む材料で被覆することは
容易でない。本発明の電極においても、金属体を有機物
からなる導電性樹脂層で被覆した構成をとっており、通
常均一な被覆性、高い密着性を得るのは難しいとされる
ものである。しかし、本発明においては、無機物質であ
る金属体をカップリング剤で処理することとした結果、
金属体表面が有機物質と結合しやすいように改質され
て、金属体と有機物質を含む導電性樹脂層との間に高い
密着性が得られ、高信頼性の電極を作製することが可能
となる。
理由は以下のように説明される。一般に電気機器の配線
として用いられている銅線やアルミニウム線等は安価で
優れた導電体である。また、エナメル線等はこれらの金
属線に絶縁塗料を被覆したものであるが、一般に無機物
質である金属体を有機物質を含む材料で被覆することは
容易でない。本発明の電極においても、金属体を有機物
からなる導電性樹脂層で被覆した構成をとっており、通
常均一な被覆性、高い密着性を得るのは難しいとされる
ものである。しかし、本発明においては、無機物質であ
る金属体をカップリング剤で処理することとした結果、
金属体表面が有機物質と結合しやすいように改質され
て、金属体と有機物質を含む導電性樹脂層との間に高い
密着性が得られ、高信頼性の電極を作製することが可能
となる。
【0016】本発明において、金属体の材質としては
銅、銅合金、アルミニウム、金等の導電性の良好な材質
が用いられ、特に安価な銅、銅合金が好ましい。金属体
の断面形状は円形であっても矩形であっても良く所望に
応じて適宜選択される。具体的には例えばJIS規格C
3202に示されるエナメル線用の25μmから1mm
までの銅等の金属ワイヤーが好適に用いられる。この様
な金属ワイヤーは公知の伸線機によって所望の直径に成
型して作られる。伸線機を通過した金属ワイヤーは硬質
であるが、伸び易さや曲げ易さの所望の特性に応じてア
ニールし軟質にして用いても良い。
銅、銅合金、アルミニウム、金等の導電性の良好な材質
が用いられ、特に安価な銅、銅合金が好ましい。金属体
の断面形状は円形であっても矩形であっても良く所望に
応じて適宜選択される。具体的には例えばJIS規格C
3202に示されるエナメル線用の25μmから1mm
までの銅等の金属ワイヤーが好適に用いられる。この様
な金属ワイヤーは公知の伸線機によって所望の直径に成
型して作られる。伸線機を通過した金属ワイヤーは硬質
であるが、伸び易さや曲げ易さの所望の特性に応じてア
ニールし軟質にして用いても良い。
【0017】また金属体の好適な線径としては太陽電池
の表面抵抗シャドーロスと抵抗ロスとの和が最小となる
様に選択されるものであるが、具体的には25μmから
300μm程度が好適に用いられる。細い径のワイヤー
を用いた場合にはピッチを狭くし、太い径のワイヤーを
用いた場合にはピッチを広くする等、線径とピッチの最
適化を行うことで最大の効率を得ることができる。
の表面抵抗シャドーロスと抵抗ロスとの和が最小となる
様に選択されるものであるが、具体的には25μmから
300μm程度が好適に用いられる。細い径のワイヤー
を用いた場合にはピッチを狭くし、太い径のワイヤーを
用いた場合にはピッチを広くする等、線径とピッチの最
適化を行うことで最大の効率を得ることができる。
【0018】本発明に用いられるカップリング剤として
は、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリン
グ剤、アルミニウム系カップリング等が好ましく、無機
物質と相互作用する親水基部分と有機物質と相互作用す
る有機官能基部分とから構成されている。カップリング
剤は、異種物質間の界面を制御することを主目的として
用いられ、特にその作用機構に共有結合が介するという
点で一般の界面活性剤とは異なる。すなわち、無機物質
(金属体)と有機物質(導電性樹脂中高分子樹脂)との
仲立ちの役目を果たし、両者を強固に結びつける。
は、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリン
グ剤、アルミニウム系カップリング等が好ましく、無機
物質と相互作用する親水基部分と有機物質と相互作用す
る有機官能基部分とから構成されている。カップリング
剤は、異種物質間の界面を制御することを主目的として
用いられ、特にその作用機構に共有結合が介するという
点で一般の界面活性剤とは異なる。すなわち、無機物質
(金属体)と有機物質(導電性樹脂中高分子樹脂)との
仲立ちの役目を果たし、両者を強固に結びつける。
【0019】シラン系カップリング剤は無機物質と有機
物質の双方に共有結合するが、チタネート系カップリン
グ剤及びアルミニウム系カップリング剤は有機物質とは
共有結合を形成しないこともあり、この場合は、無機物
質の表面の極性、表面エネルギーを変えることにより、
有機物質の結びつきを高めることができる。カップリン
グ剤と金属体表面との反応には、最適特性を得るための
最適量があり、通常はカップリング剤を所望の溶媒と混
合して調整し使用する。このような溶媒としてはメタノ
ール、エタノール、イソプロピルアルコール、トルエ
ン、ベンゼン、アセトン、メチルセルソルブ、テトラヒ
ドロフラン、水等が挙げられ、各カップリング剤と相溶
性の良い溶媒を選択して用いられる。あまり高濃度で用
いるとカップリング剤の活性が失活するので、通常低い
濃度で用い、具体的には0.1%〜5.0%の濃度が好
適に用いられる。また、カップリング剤の加水分解性基
は、シラン系、チタネート系、アルミニウム系によっ
て、無機物質との反応に対する適合性も考慮する必要が
ある。一方、カップリング剤の有機官能基にはアミノ
基、エポキシ基、カルボキシ基、フォスファイト基等が
あり、これらの有機官能基と有機物質との反応に対する
適合性も考慮する必要がある。
物質の双方に共有結合するが、チタネート系カップリン
グ剤及びアルミニウム系カップリング剤は有機物質とは
共有結合を形成しないこともあり、この場合は、無機物
質の表面の極性、表面エネルギーを変えることにより、
有機物質の結びつきを高めることができる。カップリン
グ剤と金属体表面との反応には、最適特性を得るための
最適量があり、通常はカップリング剤を所望の溶媒と混
合して調整し使用する。このような溶媒としてはメタノ
ール、エタノール、イソプロピルアルコール、トルエ
ン、ベンゼン、アセトン、メチルセルソルブ、テトラヒ
ドロフラン、水等が挙げられ、各カップリング剤と相溶
性の良い溶媒を選択して用いられる。あまり高濃度で用
いるとカップリング剤の活性が失活するので、通常低い
濃度で用い、具体的には0.1%〜5.0%の濃度が好
適に用いられる。また、カップリング剤の加水分解性基
は、シラン系、チタネート系、アルミニウム系によっ
て、無機物質との反応に対する適合性も考慮する必要が
ある。一方、カップリング剤の有機官能基にはアミノ
基、エポキシ基、カルボキシ基、フォスファイト基等が
あり、これらの有機官能基と有機物質との反応に対する
適合性も考慮する必要がある。
【0020】カップリング剤で金属体を処理する方法と
してはスプレー法、浸漬によるディッピング法、エナメ
ル線塗装に用いるロールコーター法等があるが、フェル
ト等の保持部にカップリング剤を含ませ、その保持部を
通過させて塗布する方法が簡便で薄膜に塗布できるので
好適に用いられる。カップリング剤の処理の効果を高め
るために、処理前に金属体表面の油脂分等の汚れを除去
するのが好ましく、このためには洗浄効果に優れたアセ
トン、MEK、IPA等の溶剤が用いられる。これらの
溶剤は、揮発性が高く金属体表面に残存しないため好適
である。また、カップリング処理した後、溶剤を揮発さ
せるのと同時にカップリング剤の金属体への反応を促進
させるために、所定の条件で乾燥する。この乾燥条件
は、カップリング剤の種類、金属体の種類の相互の関係
により決定される。
してはスプレー法、浸漬によるディッピング法、エナメ
ル線塗装に用いるロールコーター法等があるが、フェル
ト等の保持部にカップリング剤を含ませ、その保持部を
通過させて塗布する方法が簡便で薄膜に塗布できるので
好適に用いられる。カップリング剤の処理の効果を高め
るために、処理前に金属体表面の油脂分等の汚れを除去
するのが好ましく、このためには洗浄効果に優れたアセ
トン、MEK、IPA等の溶剤が用いられる。これらの
溶剤は、揮発性が高く金属体表面に残存しないため好適
である。また、カップリング処理した後、溶剤を揮発さ
せるのと同時にカップリング剤の金属体への反応を促進
させるために、所定の条件で乾燥する。この乾燥条件
は、カップリング剤の種類、金属体の種類の相互の関係
により決定される。
【0021】金属体に接して設けられる導電性樹脂層
は、金属体への湿度の浸透を防ぐとともに、金属体から
の金属イオンマイグレーションを防ぐ機能、更には光起
電力素子に接着固定する機能と集電する機能を有する。
銅電性樹脂層は、高分子樹脂及び導電性粒子を混合、分
散した導電性塗料を塗布し、乾燥または熱硬化して形成
される。このような機能を有するためには、高分子樹脂
は熱硬化性であっても熱可塑性であってもよく、透湿性
の比較的少ない樹脂が好適に用いられる。具体的にはエ
ポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ブチラール樹脂、フェノー
ル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリイミド樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。導
電性樹脂を硬化させる場合、前記高分子樹脂に好適な硬
化剤を用いる。また、カップリング剤との適合性を考慮
することにより、金属体との接着力を向上させることが
できる。
は、金属体への湿度の浸透を防ぐとともに、金属体から
の金属イオンマイグレーションを防ぐ機能、更には光起
電力素子に接着固定する機能と集電する機能を有する。
銅電性樹脂層は、高分子樹脂及び導電性粒子を混合、分
散した導電性塗料を塗布し、乾燥または熱硬化して形成
される。このような機能を有するためには、高分子樹脂
は熱硬化性であっても熱可塑性であってもよく、透湿性
の比較的少ない樹脂が好適に用いられる。具体的にはエ
ポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ブチラール樹脂、フェノー
ル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリイミド樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。導
電性樹脂を硬化させる場合、前記高分子樹脂に好適な硬
化剤を用いる。また、カップリング剤との適合性を考慮
することにより、金属体との接着力を向上させることが
できる。
【0022】また、導電性樹脂層の比抵抗としては太陽
電池によって発生する電流を集電するのに無視しうる抵
抗であり、かつ、シャントが生じない様に適度な抵抗値
とすることが必要であり、具体的には0.1乃至100
Ωcm程度が好ましい。このような抵抗値の導電性塗料
の導電性粒子としてはカーボンブラック、グラファイ
ト、In2O3,TiO2,SnO2,ITO,ZnO,及
び前記材料に適当なドーパントを添加した酸化物半導体
材料等が好適に用いられる。導電性粒子の粒径は、形成
する導電被覆層の厚みよりも小さくする必要があるが、
小さすぎると粒子同士の接触点での抵抗が大きくなるた
め所望の比抵抗が得られなくなる。この様な事情から前
記導電性粒子の粒径としては0.02μm乃至15μm
が好ましい。
電池によって発生する電流を集電するのに無視しうる抵
抗であり、かつ、シャントが生じない様に適度な抵抗値
とすることが必要であり、具体的には0.1乃至100
Ωcm程度が好ましい。このような抵抗値の導電性塗料
の導電性粒子としてはカーボンブラック、グラファイ
ト、In2O3,TiO2,SnO2,ITO,ZnO,及
び前記材料に適当なドーパントを添加した酸化物半導体
材料等が好適に用いられる。導電性粒子の粒径は、形成
する導電被覆層の厚みよりも小さくする必要があるが、
小さすぎると粒子同士の接触点での抵抗が大きくなるた
め所望の比抵抗が得られなくなる。この様な事情から前
記導電性粒子の粒径としては0.02μm乃至15μm
が好ましい。
【0023】導電性粒子と高分子樹脂とは所望の比抵抗
を得るため好適な比率で混合されるが、導電性粒子を増
加すると比抵抗は低くなるが樹脂の比率が少なくなるた
め塗膜としての安定性は悪くなる。従って、好適な比率
は、用いる高分子樹脂と導電性粒子及び所望の物性値に
よって適宜選択されるものである。具体的には導電性粒
子が5体積%から95体積%程度とすることで良好な比
抵抗が得られる。導電性粒子及び高分子樹脂の混合に際
しては、3本ロールミルやペイントシェーカー等の通常
の分散方法を用いることができる。分散時あるいは分散
後に導電性塗料の粘度調整のため適当な溶剤で希釈して
も良い。
を得るため好適な比率で混合されるが、導電性粒子を増
加すると比抵抗は低くなるが樹脂の比率が少なくなるた
め塗膜としての安定性は悪くなる。従って、好適な比率
は、用いる高分子樹脂と導電性粒子及び所望の物性値に
よって適宜選択されるものである。具体的には導電性粒
子が5体積%から95体積%程度とすることで良好な比
抵抗が得られる。導電性粒子及び高分子樹脂の混合に際
しては、3本ロールミルやペイントシェーカー等の通常
の分散方法を用いることができる。分散時あるいは分散
後に導電性塗料の粘度調整のため適当な溶剤で希釈して
も良い。
【0024】導電性樹脂層の厚みは前記金属ワイヤーの
径や所望の特性によって異なるが、例えば金属ワイヤー
径が100μmの場合、ピンホールが無く、バリヤ層と
しての機能が充分で有り、かつシャドウロスを極端に生
じないためには1乃至30μm程度が好ましい。
径や所望の特性によって異なるが、例えば金属ワイヤー
径が100μmの場合、ピンホールが無く、バリヤ層と
しての機能が充分で有り、かつシャドウロスを極端に生
じないためには1乃至30μm程度が好ましい。
【0025】導電性樹脂層は、熱により軟化させて太陽
電池に接着させるホットメルトタイプが望ましいが、接
着時には適度な圧力を加えても良い。また、導電性樹脂
層が熱可塑性であれば加熱により軟化するが、熱硬化性
の樹脂の場合は、ワイヤーへの塗布を行う時に溶剤の乾
燥のみ行って硬化反応はさせずに、接着時に加熱により
硬化させても良い。
電池に接着させるホットメルトタイプが望ましいが、接
着時には適度な圧力を加えても良い。また、導電性樹脂
層が熱可塑性であれば加熱により軟化するが、熱硬化性
の樹脂の場合は、ワイヤーへの塗布を行う時に溶剤の乾
燥のみ行って硬化反応はさせずに、接着時に加熱により
硬化させても良い。
【0026】導電性樹脂を被覆した電極の断面図を図1
に、電極を該導電性樹脂を介して上部電極上に固定され
た光起電力素子の一部を図2の断面図に示す。図におい
て101は金属ワイヤー、102は導電性樹脂層、20
1は上部電極が積層された光起電力素子本体である。導
電性樹脂層102はワイヤー101に同心円状に被覆形
成されることが好ましい。
に、電極を該導電性樹脂を介して上部電極上に固定され
た光起電力素子の一部を図2の断面図に示す。図におい
て101は金属ワイヤー、102は導電性樹脂層、20
1は上部電極が積層された光起電力素子本体である。導
電性樹脂層102はワイヤー101に同心円状に被覆形
成されることが好ましい。
【0027】導電性樹脂の塗布方法としては浸漬法等も
可能であるが、通常のエナメル線のコート方法が好適に
用いることができる。具体的には、導電性塗料を適当な
粘度となる様に溶剤で希釈し、金属ワイヤーにロールコ
ーター等を用いてコートし、所望の厚みを形成するため
のダイスを通過させてその後赤外線加熱等で乾燥、硬化
させる。コートを行うのに好適な装置の具体例を図3の
模式図に示す。金属ワイヤーの搬送方向は、縦方向でも
横方向でも良い。
可能であるが、通常のエナメル線のコート方法が好適に
用いることができる。具体的には、導電性塗料を適当な
粘度となる様に溶剤で希釈し、金属ワイヤーにロールコ
ーター等を用いてコートし、所望の厚みを形成するため
のダイスを通過させてその後赤外線加熱等で乾燥、硬化
させる。コートを行うのに好適な装置の具体例を図3の
模式図に示す。金属ワイヤーの搬送方向は、縦方向でも
横方向でも良い。
【0028】図3において301は金属ワイヤー、30
2は送り出しリール、303は伸線部、304は洗浄
槽、305はカップリング剤処理槽、306は乾燥炉、
307はコーター、308はダイス、309は硬化・乾
燥炉、310は膜厚測定器、311はテンションコント
ローラー、312は整列巻き駆動装置、313は巻き取
りリール、314は温度調節器である。送り出しリール
302は被覆層形成前の金属ワイヤーが巻いてあるボビ
ンである。
2は送り出しリール、303は伸線部、304は洗浄
槽、305はカップリング剤処理槽、306は乾燥炉、
307はコーター、308はダイス、309は硬化・乾
燥炉、310は膜厚測定器、311はテンションコント
ローラー、312は整列巻き駆動装置、313は巻き取
りリール、314は温度調節器である。送り出しリール
302は被覆層形成前の金属ワイヤーが巻いてあるボビ
ンである。
【0029】伸線部303を通り、常にコート装置全体
に渡って金属ワイヤーにテンションを加え、金属ワイヤ
ーがたるまないように直線状に調節される。洗浄槽30
4は必要に応じても用いるものであるが、アセトン、M
EK、IPA等の溶剤を満たしたタンクであって金属ワ
イヤー301の表面の汚れを洗浄するものである。カッ
プリング剤処理槽305には前記カップリング剤が蓄え
られていて金属ワイヤー301の表面をカップリング剤
処理する。乾燥炉306はカップリング剤を乾燥する装
置で熱風乾燥機や赤外線乾燥機等が所望に応じて用いら
れる。
に渡って金属ワイヤーにテンションを加え、金属ワイヤ
ーがたるまないように直線状に調節される。洗浄槽30
4は必要に応じても用いるものであるが、アセトン、M
EK、IPA等の溶剤を満たしたタンクであって金属ワ
イヤー301の表面の汚れを洗浄するものである。カッ
プリング剤処理槽305には前記カップリング剤が蓄え
られていて金属ワイヤー301の表面をカップリング剤
処理する。乾燥炉306はカップリング剤を乾燥する装
置で熱風乾燥機や赤外線乾燥機等が所望に応じて用いら
れる。
【0030】コーター307は導電性塗料を金属ワイヤ
ー301に塗布する装置である。コーター307には塗
布する導電性塗料が一定量貯められているが所望に応じ
て粘度調整のための溶剤添加機構や温度調整機構、導電
性塗料補充機構、ろ過機構等を追加しても良い。ダイス
308は塗布した導電性塗料を所望の厚みとなる様に制
御するためのものである。ダイス308は市販のエナメ
ルコート用のものが好適に用いられる。また、所望に応
じてフェルトを用いても良い。硬化・乾燥炉309は塗
布した導電性塗料の溶剤を除去して乾燥させたり、ある
いは熱硬化させたりするためのもので熱風乾燥機や赤外
線乾燥機等が所望に応じて用いられる。膜厚測定器31
0は塗布した導電性塗料の厚みを測定し管理するための
ものであり市販の外径測定器が好適に用いられる。膜厚
測定機310で測定した膜厚から送り速度や導電性塗料
粘度等のフィードバック制御を行っても良い。
ー301に塗布する装置である。コーター307には塗
布する導電性塗料が一定量貯められているが所望に応じ
て粘度調整のための溶剤添加機構や温度調整機構、導電
性塗料補充機構、ろ過機構等を追加しても良い。ダイス
308は塗布した導電性塗料を所望の厚みとなる様に制
御するためのものである。ダイス308は市販のエナメ
ルコート用のものが好適に用いられる。また、所望に応
じてフェルトを用いても良い。硬化・乾燥炉309は塗
布した導電性塗料の溶剤を除去して乾燥させたり、ある
いは熱硬化させたりするためのもので熱風乾燥機や赤外
線乾燥機等が所望に応じて用いられる。膜厚測定器31
0は塗布した導電性塗料の厚みを測定し管理するための
ものであり市販の外径測定器が好適に用いられる。膜厚
測定機310で測定した膜厚から送り速度や導電性塗料
粘度等のフィードバック制御を行っても良い。
【0031】テンションコントローラー311は金属ワ
イヤー301をたるみが生じない様にかつ降伏点以上の
力がかからない様に一定の張力に保つ装置である。整列
巻き駆動装置312は巻き取りリール313に巻き取る
際にワイヤーの間隔を制御しながら巻き取るための装置
である。巻き取りリール313は不図示のモーターによ
って所望の送り速度となるように回転駆動される。
イヤー301をたるみが生じない様にかつ降伏点以上の
力がかからない様に一定の張力に保つ装置である。整列
巻き駆動装置312は巻き取りリール313に巻き取る
際にワイヤーの間隔を制御しながら巻き取るための装置
である。巻き取りリール313は不図示のモーターによ
って所望の送り速度となるように回転駆動される。
【0032】温調機314は乾燥炉306及び硬化・乾
燥炉309の温度を設定値に保つためのものである。所
望に応じてスライダック、オンオフ制御、PID制御等
の公知の方法を選択して用いられる。
燥炉309の温度を設定値に保つためのものである。所
望に応じてスライダック、オンオフ制御、PID制御等
の公知の方法を選択して用いられる。
【0033】図3では縦形装置を示したが金属ワイヤー
の搬送方向は、縦方向でも横方向でも良いが所望に応じ
て設計されるものである。また、図3では1本の金属ワ
イヤーの塗布機であるが、同時に複数本の塗布を行って
も良い。
の搬送方向は、縦方向でも横方向でも良いが所望に応じ
て設計されるものである。また、図3では1本の金属ワ
イヤーの塗布機であるが、同時に複数本の塗布を行って
も良い。
【0034】導電性樹脂層は複数の層設けても良く、集
電、シャント防止、マイグレーション防止、電極固定等
の機能を複数の層を設けて機能分離しても良い。複数の
導電性塗料の塗布を行うには、1層毎にコート後にボビ
ンに巻き取っても良いが、場合によっては連続して複数
の層を塗って最後にボビンに巻き取っても良い。
電、シャント防止、マイグレーション防止、電極固定等
の機能を複数の層を設けて機能分離しても良い。複数の
導電性塗料の塗布を行うには、1層毎にコート後にボビ
ンに巻き取っても良いが、場合によっては連続して複数
の層を塗って最後にボビンに巻き取っても良い。
【0035】次に、本発明の光起電力素子を図4を用い
て詳細に説明する。図において、401は支持基板、4
02は下部電極、403、404、405はそれぞれ半
導体層、406は上部電極、407は本発明の電極(グ
リッド電極)を表す。
て詳細に説明する。図において、401は支持基板、4
02は下部電極、403、404、405はそれぞれ半
導体層、406は上部電極、407は本発明の電極(グ
リッド電極)を表す。
【0036】グリッド電極407は、金属体101と導
電性樹脂層102から構成され、導電性樹脂層409
は、光起電力素子としての効率を損なわない程度の抵抗
値であり、かつシャントを防ぐことができる程度だけ高
抵抗であることが必要である。即ち、太陽電池によって
発生する電流に対しては抵抗とならずに、また欠陥があ
る場合には抵抗として働くため、大きなリークを防ぐこ
とができる。導電性樹脂層409の好適な抵抗値として
はグリッドの設計や、光起電力素子の動作点での電流
値、欠陥の大きさ等により決定されるが、比抵抗として
0.1〜100Ωcmが好ましい。この範囲でシャント
が生じたときには十分な抵抗となり、旦つ光起電力素子
で発生した電流に対しては無視できるほどの抵抗値にな
る。
電性樹脂層102から構成され、導電性樹脂層409
は、光起電力素子としての効率を損なわない程度の抵抗
値であり、かつシャントを防ぐことができる程度だけ高
抵抗であることが必要である。即ち、太陽電池によって
発生する電流に対しては抵抗とならずに、また欠陥があ
る場合には抵抗として働くため、大きなリークを防ぐこ
とができる。導電性樹脂層409の好適な抵抗値として
はグリッドの設計や、光起電力素子の動作点での電流
値、欠陥の大きさ等により決定されるが、比抵抗として
0.1〜100Ωcmが好ましい。この範囲でシャント
が生じたときには十分な抵抗となり、旦つ光起電力素子
で発生した電流に対しては無視できるほどの抵抗値にな
る。
【0037】また、グリッド電極407は光起電力素子
400の光入射面側に配置されるが、配置方法としては
適当な間隔で平行に配置するのが良い。本発明のグリッ
ド電極はとりわけ大面積の太陽電池を形成する場合に適
しており、例えば、30cm角の太陽電池を作製する場
合には、半導体層上に長さ30cmのグリッド電極を平
行に所定の間隔で設置する様にすれば良い。本発明のグ
リッド電極は、シャントやリークによる電流リークを少
なくする構成であるため非晶質シリコン系太陽電池に好
適に用いられるものであり、pn接合、pin接合、シ
ョットキー接合等の半導体接合部を有する光起電力素子
に適用される。さらに、同様の構成は非晶質系以外に単
結晶系、多結晶系あるいはシリコン以外の半導体を用い
た太陽電池、ショットキー接合型の太陽電池等にも適用
できることは言うまでもない。
400の光入射面側に配置されるが、配置方法としては
適当な間隔で平行に配置するのが良い。本発明のグリッ
ド電極はとりわけ大面積の太陽電池を形成する場合に適
しており、例えば、30cm角の太陽電池を作製する場
合には、半導体層上に長さ30cmのグリッド電極を平
行に所定の間隔で設置する様にすれば良い。本発明のグ
リッド電極は、シャントやリークによる電流リークを少
なくする構成であるため非晶質シリコン系太陽電池に好
適に用いられるものであり、pn接合、pin接合、シ
ョットキー接合等の半導体接合部を有する光起電力素子
に適用される。さらに、同様の構成は非晶質系以外に単
結晶系、多結晶系あるいはシリコン以外の半導体を用い
た太陽電池、ショットキー接合型の太陽電池等にも適用
できることは言うまでもない。
【0038】以下に、本発明の太陽電池の実施態様構成
例について図4乃至6を用いて説明する。
例について図4乃至6を用いて説明する。
【0039】図4は基板と反対側から光入射するシング
ルセル構造の非晶質シリコン系太陽電池、図5はトリプ
ル構造とした非晶質シリコン系太陽電池、図6は図4及
び図5の太陽電池を光入射側から見た図であり、約30
cmの長さのグリッド電極が形成されている。更に、図
示しないが、透明性絶縁基板上に堆積した非晶質シリコ
ン系太陽電池、単結晶系、薄膜多結晶系太陽電池におい
ても本発明の思想を用いた構成は適用可能であることは
言うまでもない。
ルセル構造の非晶質シリコン系太陽電池、図5はトリプ
ル構造とした非晶質シリコン系太陽電池、図6は図4及
び図5の太陽電池を光入射側から見た図であり、約30
cmの長さのグリッド電極が形成されている。更に、図
示しないが、透明性絶縁基板上に堆積した非晶質シリコ
ン系太陽電池、単結晶系、薄膜多結晶系太陽電池におい
ても本発明の思想を用いた構成は適用可能であることは
言うまでもない。
【0040】基板401は非晶質シリコンのような薄膜
の太陽電池の場合の半導体層403、404、405を
機械的に支持する部材であり、また場合によっては電極
として用いられる。基板401は、半導体層403、4
04、405を成膜するときの加熱温度に耐える耐熱性
が要求されるが導電性のものでも電気絶縁性のものでも
良く、導電性の材料としては、具体的にはFe,Ni,
Cr,Al,Mo,Au,Nb,Ta,V,Ti,P
t,Pb,Tl等の金属またはこれらの合金、例えば真
ちゅう、ステンレス鋼等の薄板及びその複合体やカーボ
ンシート、亜鉛メッキ鋼板等が挙げられ、電気絶縁性材
料としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボ
ネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ
アミド、ポリイミド、エポキシ等の耐熱性合成樹脂のフ
ィルムまたはシート又はこれらとガラスファイバー、カ
ーボンファイバー、ホウ素ファイバー、金属繊維等との
複合体、及びこれらの金属の薄板、樹脂シート等の表面
に異種材質の金属薄膜及び/またはSiO2,Si
3N 4,Al2O3,AlN等の絶縁性薄膜をスパッタ法、
蒸着法、鍍金法等により表面コーティング処理を行った
ものおよび、ガラス、セラミックス等が挙げられる。
の太陽電池の場合の半導体層403、404、405を
機械的に支持する部材であり、また場合によっては電極
として用いられる。基板401は、半導体層403、4
04、405を成膜するときの加熱温度に耐える耐熱性
が要求されるが導電性のものでも電気絶縁性のものでも
良く、導電性の材料としては、具体的にはFe,Ni,
Cr,Al,Mo,Au,Nb,Ta,V,Ti,P
t,Pb,Tl等の金属またはこれらの合金、例えば真
ちゅう、ステンレス鋼等の薄板及びその複合体やカーボ
ンシート、亜鉛メッキ鋼板等が挙げられ、電気絶縁性材
料としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボ
ネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ
アミド、ポリイミド、エポキシ等の耐熱性合成樹脂のフ
ィルムまたはシート又はこれらとガラスファイバー、カ
ーボンファイバー、ホウ素ファイバー、金属繊維等との
複合体、及びこれらの金属の薄板、樹脂シート等の表面
に異種材質の金属薄膜及び/またはSiO2,Si
3N 4,Al2O3,AlN等の絶縁性薄膜をスパッタ法、
蒸着法、鍍金法等により表面コーティング処理を行った
ものおよび、ガラス、セラミックス等が挙げられる。
【0041】下部電極402は、半導体層403、40
4、405で発生した電力を取り出すための一方の電極
であり、半導体層403に対してはオーミックコンタク
トとなるような仕事関数を持つことが要求される。材料
としては、Al,Ag,Pt,Au,Ni,Ti,M
o,W,Fe,V,Cr,Cu,ステンレス,真ちゅ
う,ニクロム,SnO2,In2O3,ZnO,ITO等
のいわゆる金属単体又は合金、及び透明導電性酸化物
(TCO)等が用いられる。下部電極402の表面は平
滑であることが好ましいが、光の乱反射を起こさせる場
合にはテクスチャー化しても良い。また、基板401が
導電性であるときは下部電極402は特に設ける必要は
ない。
4、405で発生した電力を取り出すための一方の電極
であり、半導体層403に対してはオーミックコンタク
トとなるような仕事関数を持つことが要求される。材料
としては、Al,Ag,Pt,Au,Ni,Ti,M
o,W,Fe,V,Cr,Cu,ステンレス,真ちゅ
う,ニクロム,SnO2,In2O3,ZnO,ITO等
のいわゆる金属単体又は合金、及び透明導電性酸化物
(TCO)等が用いられる。下部電極402の表面は平
滑であることが好ましいが、光の乱反射を起こさせる場
合にはテクスチャー化しても良い。また、基板401が
導電性であるときは下部電極402は特に設ける必要は
ない。
【0042】下部電極の作製にはメッキ法、蒸着法、ス
パッタリング法等の方法を用いる。また、上部電極の作
製方法としては、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム加熱蒸着
法、スパッタリング法、スプレー法等を用いることがで
き所望に応じて適宜選択される。
パッタリング法等の方法を用いる。また、上部電極の作
製方法としては、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム加熱蒸着
法、スパッタリング法、スプレー法等を用いることがで
き所望に応じて適宜選択される。
【0043】本発明に用いられる太陽電池の半導体層と
しては、非晶質シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリ
コン等が挙げられる。非晶質シリコン太陽電池に於いて
i層104を構成する半導体材料としては、a−Si:
H,a−Si:F,a−Si:H:F,a−SiGe:
H,a−SiGe:F,a−SiGe:H:F,a−S
iC:H,a−SiC:F,a−SiC:H:F等のい
わゆるIV族及びIV族合金系非晶質半導体が挙げられ
る。p層405またはn層403を構成する半導体材料
としては、前述したi層404を構成する半導体材料に
価電子制御剤をドーピングすることによって得られる。
また原料としては、p型半導体を得るための価電子制御
剤としては周期律表第IIIの元素を含む化合物が用い
られる。第IIIの元素としては、B,Al,Ga,I
nが挙げられる。n型半導体を得るための価電子制御剤
としては周期律表第Vの元素を含む化合物が用いられ
る。第V族の元素としては、P,N,As,Sbが挙げ
られる。
しては、非晶質シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリ
コン等が挙げられる。非晶質シリコン太陽電池に於いて
i層104を構成する半導体材料としては、a−Si:
H,a−Si:F,a−Si:H:F,a−SiGe:
H,a−SiGe:F,a−SiGe:H:F,a−S
iC:H,a−SiC:F,a−SiC:H:F等のい
わゆるIV族及びIV族合金系非晶質半導体が挙げられ
る。p層405またはn層403を構成する半導体材料
としては、前述したi層404を構成する半導体材料に
価電子制御剤をドーピングすることによって得られる。
また原料としては、p型半導体を得るための価電子制御
剤としては周期律表第IIIの元素を含む化合物が用い
られる。第IIIの元素としては、B,Al,Ga,I
nが挙げられる。n型半導体を得るための価電子制御剤
としては周期律表第Vの元素を含む化合物が用いられ
る。第V族の元素としては、P,N,As,Sbが挙げ
られる。
【0044】非晶質シリコン半導体層の成膜法として
は、蒸着法、スパッタ法、RFプラズマCVD法、マイ
クロ波プラズマCVD法、ECR法、熱CVD法、LP
CVD法等の公知の方法を所望に応じて用いる。工業的
に採用されている方法としては、原料ガスをRFプラズ
マで分解し、基板上に堆積させるRFプラズマCVD法
が好適に用いられる。さらに、RFプラズマCVDに於
いては、原料ガスの分解効率が約10%と低く、堆積速
度が1Å/secから10Å/sec程度と遅いという
欠点があるが、これを改良したマイクロ波プラズマCV
D法も好適に用いることができる。以上の成膜を行うた
めの反応装置としては、バッチ式の装置や連続成膜装置
等の公知の装置が所望に応じて使用できる。本発明の太
陽電池に於いては、分光感度や電圧の向上を目的として
半導体接合を2以上積層するいわゆるタンデムセルやト
リプルセルにも用いることが出来る。
は、蒸着法、スパッタ法、RFプラズマCVD法、マイ
クロ波プラズマCVD法、ECR法、熱CVD法、LP
CVD法等の公知の方法を所望に応じて用いる。工業的
に採用されている方法としては、原料ガスをRFプラズ
マで分解し、基板上に堆積させるRFプラズマCVD法
が好適に用いられる。さらに、RFプラズマCVDに於
いては、原料ガスの分解効率が約10%と低く、堆積速
度が1Å/secから10Å/sec程度と遅いという
欠点があるが、これを改良したマイクロ波プラズマCV
D法も好適に用いることができる。以上の成膜を行うた
めの反応装置としては、バッチ式の装置や連続成膜装置
等の公知の装置が所望に応じて使用できる。本発明の太
陽電池に於いては、分光感度や電圧の向上を目的として
半導体接合を2以上積層するいわゆるタンデムセルやト
リプルセルにも用いることが出来る。
【0045】上部電極406は、半導体層403、40
4、405で発生した起電力を取り出すための電極であ
り、下部電極402と対をなすものである。上部電極4
06は非晶質シリコンのようにシート抵抗が高い半導体
の場合に必要であり、結晶系の太陽電池ではシート抵抗
が低いため特に必要としない。また、上部電極406
は、光入射側に位置するため、透明であることが必要
で、透明電極とも呼ばれる。上部電極406は、太陽や
白色蛍光灯等からの光を半導体層内に効率良く吸収させ
るために光の透過率が85%以上であることが望まし
く、さらに、電気的には光で発生した電流を半導体層に
対し横方向に流れるようにするためシート抵抗値は10
0Ω/□以下であることが望ましい。このような特性を
備えた材料としてSnO2,In2O3,ZnO,Cd
O,CdSnO4,ITO(In2O3+SnO2)等の金
属酸化物が挙げられる。
4、405で発生した起電力を取り出すための電極であ
り、下部電極402と対をなすものである。上部電極4
06は非晶質シリコンのようにシート抵抗が高い半導体
の場合に必要であり、結晶系の太陽電池ではシート抵抗
が低いため特に必要としない。また、上部電極406
は、光入射側に位置するため、透明であることが必要
で、透明電極とも呼ばれる。上部電極406は、太陽や
白色蛍光灯等からの光を半導体層内に効率良く吸収させ
るために光の透過率が85%以上であることが望まし
く、さらに、電気的には光で発生した電流を半導体層に
対し横方向に流れるようにするためシート抵抗値は10
0Ω/□以下であることが望ましい。このような特性を
備えた材料としてSnO2,In2O3,ZnO,Cd
O,CdSnO4,ITO(In2O3+SnO2)等の金
属酸化物が挙げられる。
【0046】本発明で用いられるタブ601は、グリッ
ド電極407を流れる電流を更に一端に集めるための集
電部である。集電部材料としてはCu,Ag,Pt等の
金属やこれらの合金から成るものを用いることができ、
形態としてはシート状、テープ状、箔状のものを接着剤
等で張り付けるのが望ましい。
ド電極407を流れる電流を更に一端に集めるための集
電部である。集電部材料としてはCu,Ag,Pt等の
金属やこれらの合金から成るものを用いることができ、
形態としてはシート状、テープ状、箔状のものを接着剤
等で張り付けるのが望ましい。
【0047】以上のように作製された太陽電池は、屋外
使用の際、耐候性を良くし機械的強度を保つために公知
の方法でエンカプシュレーションをしてモジュール化さ
れる。具体的にはエンカプシュレーション用材料として
は、接着層については、太陽電池との接着性、耐候性、
緩衝効果の点でEVA(エチレンビニールアセテート)
が好適に用いられる。また、さらに耐湿性や耐傷性を向
上させるために、表面保護層として弗素系樹脂が積層さ
れる。弗素系樹脂としては、例えば4フッ化エチレンの
重合体TFE(デュポン製テフロン等)、4フッ化エチ
レンとエチレンの共重合体ETFE(デュポン製テフゼ
ル等)、ポリフッ化ビニル(デュポン製テドラー等)、
ポリクロロフルオロエチレンCTFE(ダイキンエ業製
ネオフロン)等が挙げられる。またこれらの樹脂に公知
の紫外線吸収剤を加えることで耐候性を向上させても良
い。
使用の際、耐候性を良くし機械的強度を保つために公知
の方法でエンカプシュレーションをしてモジュール化さ
れる。具体的にはエンカプシュレーション用材料として
は、接着層については、太陽電池との接着性、耐候性、
緩衝効果の点でEVA(エチレンビニールアセテート)
が好適に用いられる。また、さらに耐湿性や耐傷性を向
上させるために、表面保護層として弗素系樹脂が積層さ
れる。弗素系樹脂としては、例えば4フッ化エチレンの
重合体TFE(デュポン製テフロン等)、4フッ化エチ
レンとエチレンの共重合体ETFE(デュポン製テフゼ
ル等)、ポリフッ化ビニル(デュポン製テドラー等)、
ポリクロロフルオロエチレンCTFE(ダイキンエ業製
ネオフロン)等が挙げられる。またこれらの樹脂に公知
の紫外線吸収剤を加えることで耐候性を向上させても良
い。
【0048】エンカプシュレーションの方法としては、
例えば真空ラミネーターのような公知の装置を用いて、
太陽電池基板と前記樹脂フィルムとを真空中で加熱圧着
する方法が望ましい。
例えば真空ラミネーターのような公知の装置を用いて、
太陽電池基板と前記樹脂フィルムとを真空中で加熱圧着
する方法が望ましい。
【0049】
【実施例】以下に、本発明の防錆処理をした金属体及び
導電性樹脂からなる電極及び光起電力素子について実施
例に基づいて詳しく説明するが、本発明はこれらの実施
例により限定されるものではない。
導電性樹脂からなる電極及び光起電力素子について実施
例に基づいて詳しく説明するが、本発明はこれらの実施
例により限定されるものではない。
【0050】(実施例1)本発明の製造方法を用いて以
下に示すようにして電極を作製した。導電性樹脂のコー
卜は図3に示した装置を用いて行った。まず、100μ
mφ銅ワイヤー301をリール302から伸線部303
に通して伸線した。この伸線された銅ワイヤーをアセ卜
ンをフェルトの保持部に含ませた洗浄槽304に通し、
表面の油分を除去した。
下に示すようにして電極を作製した。導電性樹脂のコー
卜は図3に示した装置を用いて行った。まず、100μ
mφ銅ワイヤー301をリール302から伸線部303
に通して伸線した。この伸線された銅ワイヤーをアセ卜
ンをフェルトの保持部に含ませた洗浄槽304に通し、
表面の油分を除去した。
【0051】次に連続的に、シラン系カップリング剤
(東レシリコーン製SH6062)をフェルトの保持部
に含ませた処理槽305に通し、乾燥炉306に通し
た。
(東レシリコーン製SH6062)をフェルトの保持部
に含ませた処理槽305に通し、乾燥炉306に通し
た。
【0052】その後、カーボンブラックを25重量部、
ウレタン樹脂65重量部、硬化剤としてブロックイソシ
アネート10重量部、さらに、溶剤としてIPAと酢酸
エチル混合液80重量部を不図示のペイントシェイカー
で混合分散した塗料を収容したコーター307を通し
た。ダイス308は大阪ダイヤモンド製PVFダイスを
使用し、不要な塗料を落とし、乾燥炉309を通した。
ウレタン樹脂65重量部、硬化剤としてブロックイソシ
アネート10重量部、さらに、溶剤としてIPAと酢酸
エチル混合液80重量部を不図示のペイントシェイカー
で混合分散した塗料を収容したコーター307を通し
た。ダイス308は大阪ダイヤモンド製PVFダイスを
使用し、不要な塗料を落とし、乾燥炉309を通した。
【0053】この脱脂処理、防錆処理、塗料塗布、乾燥
させた銅ワイヤーを巻き取りリールボビン313に巻き
取った。なお、乾燥炉306及び硬化・乾燥炉309は
坂口電熱社製赤外線炉SS−09を使用した。このとき
の導電性樹脂層の比抵抗は、1.0Ωcmであった。
させた銅ワイヤーを巻き取りリールボビン313に巻き
取った。なお、乾燥炉306及び硬化・乾燥炉309は
坂口電熱社製赤外線炉SS−09を使用した。このとき
の導電性樹脂層の比抵抗は、1.0Ωcmであった。
【0054】上記のようにして作製した電極の表面観察
を行った。次に、JIS規格C3003をもとに電極を
急激伸張し、切断した部分の観察を行い密着性を調べ
た。また、前記電極を温度85℃、湿度85%RHの環
境試験器の中に設置して、1000時間放置後(高温高
湿度試験)、同様に電極の表面観察及び密着性を調べ
た。その結果を表1に示す。
を行った。次に、JIS規格C3003をもとに電極を
急激伸張し、切断した部分の観察を行い密着性を調べ
た。また、前記電極を温度85℃、湿度85%RHの環
境試験器の中に設置して、1000時間放置後(高温高
湿度試験)、同様に電極の表面観察及び密着性を調べ
た。その結果を表1に示す。
【0055】(実施例2)カップリング剤をチタネート
系カップリング剤(味の素製プレンアクトKRTTS)
とする以外は実施例1同様にして電極を作製した。この
とき、導電性樹脂層の比抵抗は1.2Ωcmであった。
次に実施例1と同様に表面観察及び密着性を調べた。そ
の結果を表1に付記した。
系カップリング剤(味の素製プレンアクトKRTTS)
とする以外は実施例1同様にして電極を作製した。この
とき、導電性樹脂層の比抵抗は1.2Ωcmであった。
次に実施例1と同様に表面観察及び密着性を調べた。そ
の結果を表1に付記した。
【0056】(実施例3)カップリング剤をアルミニウ
ム系カップリング剤(味の素製プレンアクトAL−M)
とする以外は実施例1同様にして電極を作製した。この
とき、導電性樹脂層の比抵抗は1.5Ωcmであった。
次に実施例1と同様に表面観察及び密着性を調べた。そ
の結果を表1に付記した。
ム系カップリング剤(味の素製プレンアクトAL−M)
とする以外は実施例1同様にして電極を作製した。この
とき、導電性樹脂層の比抵抗は1.5Ωcmであった。
次に実施例1と同様に表面観察及び密着性を調べた。そ
の結果を表1に付記した。
【0057】(実施例4)塗料配合内容をSnO225
重量部、エポキシ樹脂65重量部、硬化剤としてフェノ
ール樹脂10重量部、溶剤としてIPAと酢酸エチル混
合液80重量部する以外は実施例1同様にして電極を作
製した。このとき、導電性樹脂層の比抵抗は8.8Ωc
mであった。次に実施例1と同様に表面観察及び密着性
を調べた。その結果を表1に付記した。
重量部、エポキシ樹脂65重量部、硬化剤としてフェノ
ール樹脂10重量部、溶剤としてIPAと酢酸エチル混
合液80重量部する以外は実施例1同様にして電極を作
製した。このとき、導電性樹脂層の比抵抗は8.8Ωc
mであった。次に実施例1と同様に表面観察及び密着性
を調べた。その結果を表1に付記した。
【0058】(実施例5)塗料配合内容をITO25重
量部、ポリエステル樹脂75重量部、硬化剤なし、溶剤
としてIPAと酢酸エチル混合液80重量部とする以外
は実施例1同様にして電極を作製した。このとき、導電
性樹脂層の比抵抗は7.9Ωcmであった。次に実施例
1と同様に表面観察及び密着性を調べた。その結果を表
1に付記した。
量部、ポリエステル樹脂75重量部、硬化剤なし、溶剤
としてIPAと酢酸エチル混合液80重量部とする以外
は実施例1同様にして電極を作製した。このとき、導電
性樹脂層の比抵抗は7.9Ωcmであった。次に実施例
1と同様に表面観察及び密着性を調べた。その結果を表
1に付記した。
【0059】(比較例1)カップリング剤処理を行わな
かったこと以外は実施例1同様にして電極形成を行っ
た。このとき、導電性樹脂層の均一部の比抵抗は1.0
Ωcmであった。次に実施例1と同様に表面観察及び密
着性を調べた。その結果を表1に付記した。
かったこと以外は実施例1同様にして電極形成を行っ
た。このとき、導電性樹脂層の均一部の比抵抗は1.0
Ωcmであった。次に実施例1と同様に表面観察及び密
着性を調べた。その結果を表1に付記した。
【0060】
【表1】 表1からもわかるように、本発明により作製した電極は
導電性樹脂を被覆する際にはじき等が起こらず線幅が均
一な電極が得られ、優れた密着性が得られた。また、高
温高湿度の過酷な環境に長時間保持しても亀裂や剥離が
発生することなく、高い信頼性を示した。
導電性樹脂を被覆する際にはじき等が起こらず線幅が均
一な電極が得られ、優れた密着性が得られた。また、高
温高湿度の過酷な環境に長時間保持しても亀裂や剥離が
発生することなく、高い信頼性を示した。
【0061】(実施例6)本発明の一実施例として、図
4に示す層構成のグリッド長が30cmの長さのグリッ
ドを形成したpin接合型シングルセル構成の非晶質太
陽電池400の作成方法について以下に示す。
4に示す層構成のグリッド長が30cmの長さのグリッ
ドを形成したpin接合型シングルセル構成の非晶質太
陽電池400の作成方法について以下に示す。
【0062】まず、十分に脱脂、洗浄したSUS基板S
US430BA製基板401を不示図のDCスパッタ装
置に入れAgを400nm堆積し、その後ZnOを40
0nm堆積して下部電極402を形成した。基板を取り
出し、不図示のRFプラズマCVD成膜装置に入れn層
403、i層404、p層405の順でアモルファスシ
リコン半導体層の堆積を行った。その後、不図示の抵抗
加熱の蒸着装置に入れ反射防止効果を兼ねた機能を有す
る透明性導電膜406としてITO膜を成膜した(成膜
温度170℃、膜厚70nm)。
US430BA製基板401を不示図のDCスパッタ装
置に入れAgを400nm堆積し、その後ZnOを40
0nm堆積して下部電極402を形成した。基板を取り
出し、不図示のRFプラズマCVD成膜装置に入れn層
403、i層404、p層405の順でアモルファスシ
リコン半導体層の堆積を行った。その後、不図示の抵抗
加熱の蒸着装置に入れ反射防止効果を兼ねた機能を有す
る透明性導電膜406としてITO膜を成膜した(成膜
温度170℃、膜厚70nm)。
【0063】次に、実施例1と同様にして銅ワイヤーの
脱脂処理、カップリング剤処理、塗料の塗布、乾燥した
ワイヤーを不図示の布線機を用いて上部電極406上に
配置し、両端を接着剤で仮固定した。このとき塗料はカ
ーボンブラックを25重量部、ウレタン樹脂65重量
部、硬化剤としてブロックイソシアネート10重量部、
さらに、溶剤としてIPAと酢酸エチル混合液80重量
部のものを用いた。このとき、導電性樹脂層の比抵抗は
1.0Ωcm、厚さは15μmであった。次に、不図示
の加熱圧着機を用いてワイヤーに塗布してある導電性樹
脂層を介して上部電極406上に固定しグリッド電極4
07を形成した。さらに、同様の手順により試料を10
枚作製した。幅5mmの接着剤付きの銅箔のタブ601
を接着し、陽極取り出し部602、陰極取り出し部60
3を半田で接続し図6に示す30cm×30cm角のシ
ングルセルを作製した。
脱脂処理、カップリング剤処理、塗料の塗布、乾燥した
ワイヤーを不図示の布線機を用いて上部電極406上に
配置し、両端を接着剤で仮固定した。このとき塗料はカ
ーボンブラックを25重量部、ウレタン樹脂65重量
部、硬化剤としてブロックイソシアネート10重量部、
さらに、溶剤としてIPAと酢酸エチル混合液80重量
部のものを用いた。このとき、導電性樹脂層の比抵抗は
1.0Ωcm、厚さは15μmであった。次に、不図示
の加熱圧着機を用いてワイヤーに塗布してある導電性樹
脂層を介して上部電極406上に固定しグリッド電極4
07を形成した。さらに、同様の手順により試料を10
枚作製した。幅5mmの接着剤付きの銅箔のタブ601
を接着し、陽極取り出し部602、陰極取り出し部60
3を半田で接続し図6に示す30cm×30cm角のシ
ングルセルを作製した。
【0064】上記のように電極形成された非晶質太陽電
池のエンカプシュレーションを以下のように行った。非
晶質太陽電池400の上下にEVAを積層し、さらにそ
の上下にフッ素樹脂フィルムETFE(エチレンテトラ
フルオロエチレン、デュポン製製品名テフゼル)を積層
した後、真空ラミネーターに投入して昇温し150℃で
45分間保持して真空ラミネーションを行った。
池のエンカプシュレーションを以下のように行った。非
晶質太陽電池400の上下にEVAを積層し、さらにそ
の上下にフッ素樹脂フィルムETFE(エチレンテトラ
フルオロエチレン、デュポン製製品名テフゼル)を積層
した後、真空ラミネーターに投入して昇温し150℃で
45分間保持して真空ラミネーションを行った。
【0065】得られた試料の初期特性を以下のように測
定した。AM1.5グローバル太陽光スペクトルで10
0mW/cm2の光量の疑似太陽光源(以下シュミレー
ターと呼ぶ)を用いて太陽電池特性を測定した。測定の
結果、変換効率は6.7±0.5%、シャント抵抗(暗
状態)は50kΩcm2以上、シリーズ抵抗は平均9.
5Ωcm2であり、良好な特性であった。
定した。AM1.5グローバル太陽光スペクトルで10
0mW/cm2の光量の疑似太陽光源(以下シュミレー
ターと呼ぶ)を用いて太陽電池特性を測定した。測定の
結果、変換効率は6.7±0.5%、シャント抵抗(暗
状態)は50kΩcm2以上、シリーズ抵抗は平均9.
5Ωcm2であり、良好な特性であった。
【0066】この試料の信頼性試験を、日本工業規格C
8917の結晶系太陽電池モジュールの環境試験方法及
び耐久試験方法に定められた温湿度サイクル試験A−2
に基づいて行った。まず、試料を温湿度が制御できる恒
温恒湿器に投入し、−40℃から+85℃(相対湿度8
5%)に変化させるサイクル試験を20回繰り返し行っ
た。サイクル試験10回終了毎に初期特性の測定と同様
にしてシミュレーターを用い太陽電池特性を測定した。
サイクル試験20回終了後の変換効率は初期値に対して
平均3.2%の低下であり、シャント抵抗(暗状態)は
初期値に対して平均10%の減少で、ともに有意な劣化
は生じなかった。また、シリーズ抵抗を測定したとこ
ろ、図7に示したように、平均2.4%増加したのみで
電極部での剥離等の現象も起きていなかった。
8917の結晶系太陽電池モジュールの環境試験方法及
び耐久試験方法に定められた温湿度サイクル試験A−2
に基づいて行った。まず、試料を温湿度が制御できる恒
温恒湿器に投入し、−40℃から+85℃(相対湿度8
5%)に変化させるサイクル試験を20回繰り返し行っ
た。サイクル試験10回終了毎に初期特性の測定と同様
にしてシミュレーターを用い太陽電池特性を測定した。
サイクル試験20回終了後の変換効率は初期値に対して
平均3.2%の低下であり、シャント抵抗(暗状態)は
初期値に対して平均10%の減少で、ともに有意な劣化
は生じなかった。また、シリーズ抵抗を測定したとこ
ろ、図7に示したように、平均2.4%増加したのみで
電極部での剥離等の現象も起きていなかった。
【0067】本実施例の結果から、本発明の太陽電池は
良好な特性を示し、信頼性も高いことが分かる。
良好な特性を示し、信頼性も高いことが分かる。
【0068】(比較例2)比較のためにカップリング剤
処理を行わなかったこと以外は実施例1同様にして電極
形成を行い、これを用いて実施例6と同様にして非晶質
太陽電池を10枚作製した。次にこれらの試料のエンカ
プシュレーションを実施例6と同様に行った。得られた
試料の初期特性を実施例6と同様の手順で測定したとこ
ろ、初期変換効率は5.8±2.1%と実施例1に比べ
て低く、ばらつきも大きいものであった。また、シリー
ズ抵抗は平均15.5Ωcm2と、実施例6に比較して
高い値を示した。
処理を行わなかったこと以外は実施例1同様にして電極
形成を行い、これを用いて実施例6と同様にして非晶質
太陽電池を10枚作製した。次にこれらの試料のエンカ
プシュレーションを実施例6と同様に行った。得られた
試料の初期特性を実施例6と同様の手順で測定したとこ
ろ、初期変換効率は5.8±2.1%と実施例1に比べ
て低く、ばらつきも大きいものであった。また、シリー
ズ抵抗は平均15.5Ωcm2と、実施例6に比較して
高い値を示した。
【0069】次にこの試料の信頼性試験を実施例6と同
様に評価した。温湿度サイクル試験終了後の試料の変換
効率を測定したところ、サイクル試験20回後で初期値
に対して17%の低下を示し、有意な劣化が起きてい
た。また、シリーズ抵抗は、図7に示したように経時的
に変化し、試験20回後では約2倍まで上昇し、電極間
の密着性が低下していることが分かった。
様に評価した。温湿度サイクル試験終了後の試料の変換
効率を測定したところ、サイクル試験20回後で初期値
に対して17%の低下を示し、有意な劣化が起きてい
た。また、シリーズ抵抗は、図7に示したように経時的
に変化し、試験20回後では約2倍まで上昇し、電極間
の密着性が低下していることが分かった。
【0070】(実施例7)太陽電池の構成を変えて図5
に示すトリプル型として、半導体層の形成にマイクロ波
CVD法を用いた以外はほぼ実施例4と同様の方法で以
下のようにして非晶質太陽電池500を作製した。ま
ず、SUS基板201上にAgとZnOからなる下部電
極202を形成し、その後、不示図のマイクロ波プラズ
マCVD成膜装置に入れ、n層403、i層404、p
層405の順でボトム層を形成した。次に、同様にn層
413、i層414、p層415の順でミドル層、n層
423、i層424、p層425の順でトップ層を順次
形成し、半導体層を堆積した。次に実施例5と同様に反
射防止効果を兼ねた機能を有する透明性導電膜406と
してITO膜を成膜した(成膜温度170℃、膜厚70
nm)。
に示すトリプル型として、半導体層の形成にマイクロ波
CVD法を用いた以外はほぼ実施例4と同様の方法で以
下のようにして非晶質太陽電池500を作製した。ま
ず、SUS基板201上にAgとZnOからなる下部電
極202を形成し、その後、不示図のマイクロ波プラズ
マCVD成膜装置に入れ、n層403、i層404、p
層405の順でボトム層を形成した。次に、同様にn層
413、i層414、p層415の順でミドル層、n層
423、i層424、p層425の順でトップ層を順次
形成し、半導体層を堆積した。次に実施例5と同様に反
射防止効果を兼ねた機能を有する透明性導電膜406と
してITO膜を成膜した(成膜温度170℃、膜厚70
nm)。
【0071】次に、実施例1と同様にして銅ワイヤーの
脱脂処理、カップリング剤処理、塗料の塗布、乾燥した
ワイヤーを不図示の布線機を用いて上部電極406上に
配置し、両端を接着剤で仮固定した。このとき塗料はI
TO粉末を25重量部、ブチラール樹脂65重量部、硬
化剤としてブロックイソシアネート10重量部、さら
に、溶剤としてIPAと酢酸エチル混合液80重量部の
ものを用いた。このとき、導電性樹脂層の比抵抗は7.
2Ωcmであった。また、厚さは18μmであった。
脱脂処理、カップリング剤処理、塗料の塗布、乾燥した
ワイヤーを不図示の布線機を用いて上部電極406上に
配置し、両端を接着剤で仮固定した。このとき塗料はI
TO粉末を25重量部、ブチラール樹脂65重量部、硬
化剤としてブロックイソシアネート10重量部、さら
に、溶剤としてIPAと酢酸エチル混合液80重量部の
ものを用いた。このとき、導電性樹脂層の比抵抗は7.
2Ωcmであった。また、厚さは18μmであった。
【0072】次に、不図示の加熱圧着機を用いてワイヤ
ーに塗布してある導電性樹脂層を介して上部電極上に固
定し電極を形成した。さらに、幅5mmの接着剤付き銅
箔のタブ601を接着し、陽極取り出し部602、陰極
取り出し部603を半田で接続し図6に示す30cm×
30cm角のトリプルセルを作製した。
ーに塗布してある導電性樹脂層を介して上部電極上に固
定し電極を形成した。さらに、幅5mmの接着剤付き銅
箔のタブ601を接着し、陽極取り出し部602、陰極
取り出し部603を半田で接続し図6に示す30cm×
30cm角のトリプルセルを作製した。
【0073】次に、これらの試料のエンカプシュレーシ
ョンを実施例6と同様に行った。得られた試料の初期特
性を実施例6と同様の手順で測定したところ、初期変換
効率は8.3±0.3%、シャント抵抗(暗状態)は4
2kΩcm2以上、シリーズ抵抗平均33.0Ωcm2と
なり、良好な特性を示した。
ョンを実施例6と同様に行った。得られた試料の初期特
性を実施例6と同様の手順で測定したところ、初期変換
効率は8.3±0.3%、シャント抵抗(暗状態)は4
2kΩcm2以上、シリーズ抵抗平均33.0Ωcm2と
なり、良好な特性を示した。
【0074】これらの試料の信頼性試験を、実施例6と
同様にして測定したところ、試験20回後で、シリーズ
抵抗は初期値に対して平均2.7%の上昇、変換効率は
初期値に対して平均1.8%の低下にすぎず、有意な劣
化は観られなかった。
同様にして測定したところ、試験20回後で、シリーズ
抵抗は初期値に対して平均2.7%の上昇、変換効率は
初期値に対して平均1.8%の低下にすぎず、有意な劣
化は観られなかった。
【0075】以上述べたように、本発明の太陽電池は良
好な特性で、信頼性も良いことが分かる。
好な特性で、信頼性も良いことが分かる。
【0076】(実施例8)実施例7において、導電性塗
料中の高分子樹脂および硬化剤の樹脂分と導電性粒子の
混合比(重量部)を10:90,20:80,80:2
0,95:5とし、導電性樹脂層の比抵抗がそれぞれ
0.01,0.1,100,200Ωcmとなるように
した。
料中の高分子樹脂および硬化剤の樹脂分と導電性粒子の
混合比(重量部)を10:90,20:80,80:2
0,95:5とし、導電性樹脂層の比抵抗がそれぞれ
0.01,0.1,100,200Ωcmとなるように
した。
【0077】これらの導電性塗料を用いた以外は、実施
例7の全く同様な手順で図5に示すトリプルセルをそれ
ぞれ10枚作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
例7の全く同様な手順で図5に示すトリプルセルをそれ
ぞれ10枚作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
【0078】
【表2】 表2が示すように、導電性樹脂層の比抵抗を0.1Ωc
m以上とすることにより、シャントは抑えられ、変換効
率がより安定して得られた。また、100Ωcm以下と
することにより、シリーズ抵抗は小さくなりより一層高
い変換効率が得られることが分かる。また、信頼性試験
後のシリーズ抵抗の増加及び変換効率の低下も少なく、
信頼性の高いことが分かる。
m以上とすることにより、シャントは抑えられ、変換効
率がより安定して得られた。また、100Ωcm以下と
することにより、シリーズ抵抗は小さくなりより一層高
い変換効率が得られることが分かる。また、信頼性試験
後のシリーズ抵抗の増加及び変換効率の低下も少なく、
信頼性の高いことが分かる。
【0079】(比較例3)比較のため、カップリング剤
処理を行わず、導電性樹脂の塗料内容のうち導電性フィ
ラーを銀粒子にかえたこと以外は実施例7と同様にし
て、電極形成を行いトリプルセルを作製した。このとき
導電性樹脂層の比抵抗は5×10-5Ωcm、厚さは20
μmであった。
処理を行わず、導電性樹脂の塗料内容のうち導電性フィ
ラーを銀粒子にかえたこと以外は実施例7と同様にし
て、電極形成を行いトリプルセルを作製した。このとき
導電性樹脂層の比抵抗は5×10-5Ωcm、厚さは20
μmであった。
【0080】次に、これらの試料のエンカプシュレーシ
ョンを実施例7と同様に行った。得られた試料の初期特
性を実施例7と同様の手順で測定したところ、初期変換
効率は6.0±2.0%と実施例7に比べて値が低くそ
のうえばらつきが大きかった。また、シリーズ抵抗は平
均50Ωcm2と高い値を示した。さらに、シャント抵
抗(暗状態)は1.2kΩcm2とシャントが生じてい
るものがあった。
ョンを実施例7と同様に行った。得られた試料の初期特
性を実施例7と同様の手順で測定したところ、初期変換
効率は6.0±2.0%と実施例7に比べて値が低くそ
のうえばらつきが大きかった。また、シリーズ抵抗は平
均50Ωcm2と高い値を示した。さらに、シャント抵
抗(暗状態)は1.2kΩcm2とシャントが生じてい
るものがあった。
【0081】
【発明の効果】請求項1乃至4の発明により、密着性が
極めて高く、信頼性の高い電極を提供することができ
る。また、請求項5の発明により、初期特性が高く、長
期信頼性に優れた光起電力素子が得られる。
極めて高く、信頼性の高い電極を提供することができ
る。また、請求項5の発明により、初期特性が高く、長
期信頼性に優れた光起電力素子が得られる。
【図1】導電性樹脂で被覆した金属体の構成を模式的に
示す断面図である。
示す断面図である。
【図2】上部電極上に本発明の電極が固定された光起電
力素子の一部を示す模式的断面図である。
力素子の一部を示す模式的断面図である。
【図3】導電性樹脂を金属体に被覆する装置を模式的に
示す図である。
示す図である。
【図4】本発明の光起電力素子の構成を模式的に示す断
面図である。
面図である。
【図5】本発明のトリプル型光起電力素子の構成を模式
的に示す断面図である。
的に示す断面図である。
【図6】本発明の太陽電池の構成を模式的に示す平面図
である。
である。
【図7】温湿度サイクル試験後のシリーズ抵抗の変化を
示すグラフである。
示すグラフである。
【符号の説明】 101,301 金属体(ワイヤー)、 102 導電性樹脂層、 201、401 基板、 302 送り出しリール、 303 伸線部、 304 洗浄層、 305 カップリング剤処理層、 306 乾燥炉、 307 コーター、 308 ダイス、 309 硬化・乾燥炉、 310 膜厚測定器、 311 テンションコントローラー、 312 整列巻き駆動装置、 313 巻き取りリール、 314 温度調整器、 400,500 光起電力素子本体、 402 下部電極、 403,413,423 n層、 404,414,424 i層、 405,415,425 p層、 406 上部電極、 407 グリッド電極、 601 タブ、 602 陽極取り出し部、 603 陰極取り出し部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新倉 諭 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】 線状または棒状の金属体にカップリング
剤処理が施され、該金属体の表面が少なくとも一つ以上
の導電性樹脂層で被覆されていることを特徴とする光起
電力素子の電極。 - 【請求項2】 前記金属体は、銅または銅の合金からな
ることを特徴とする請求項1に記載の光起電力素子の電
極。 - 【請求項3】 前記カップリング剤がシラン系カップリ
ング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系
カップリング剤のいずれかであることを特徴とする請求
項1または2に記載の光起電力素子の電極。 - 【請求項4】 前記導電性樹脂層の比抵抗が0.1乃至
100Ωcmであることを特徴とする請求項1〜3のい
ずれか1項に記載の光起電力素子の電極。 - 【請求項5】 少なくとも一対の半導体接合と該半導体
接合の光入射側に位置する半導体層上に形成された透明
な上部電極を有する光起電力素子において、前記上部電
極上に請求項1〜4のいずれか1項に記載の光起電力素
子の電極が固定されていることを特徴とする光起電力素
子。 - 【請求項6】 前記光起電力素子の電極は前記導電性樹
脂層を介して前記上部電極上に固定されていることを特
徴とする請求項5に記載の光起電力素子。
Priority Applications (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6178909A JPH0846230A (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | 光起電力素子の電極及び光起電力素子 |
AU20134/95A AU695669B2 (en) | 1994-05-19 | 1995-05-18 | Photovoltaic element, electrode structure thereof, and process for producing the same |
DE69534582T DE69534582T2 (de) | 1994-05-19 | 1995-05-18 | Photovoltaisches Bauelement, Elektrodenstruktur desselben und Herstellungsverfahren |
EP95107622A EP0684652B1 (en) | 1994-05-19 | 1995-05-18 | Photovoltaic element, electrode structure thereof, and process for producing the same |
CN95107160A CN1088262C (zh) | 1994-05-19 | 1995-05-19 | 光电装置及其制造方法 |
KR1019950012542A KR100195685B1 (ko) | 1994-05-19 | 1995-05-19 | 광기전력 소자 그의 전극 구조 및 그의 제조 방법 |
US08/897,105 US5942048A (en) | 1994-05-19 | 1997-07-18 | Photovoltaic element electrode structure thereof and process for producing the same |
CNB011226382A CN1193433C (zh) | 1994-05-19 | 2001-06-27 | 光电元件、它的电极结构及其制造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6178909A JPH0846230A (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | 光起電力素子の電極及び光起電力素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0846230A true JPH0846230A (ja) | 1996-02-16 |
Family
ID=16056801
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6178909A Pending JPH0846230A (ja) | 1994-05-19 | 1994-07-29 | 光起電力素子の電極及び光起電力素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0846230A (ja) |
-
1994
- 1994-07-29 JP JP6178909A patent/JPH0846230A/ja active Pending
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