JPH0563218A - 太陽電池及びその製造方法 - Google Patents

太陽電池及びその製造方法

Info

Publication number
JPH0563218A
JPH0563218A JP3244938A JP24493891A JPH0563218A JP H0563218 A JPH0563218 A JP H0563218A JP 3244938 A JP3244938 A JP 3244938A JP 24493891 A JP24493891 A JP 24493891A JP H0563218 A JPH0563218 A JP H0563218A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solar cell
electrode
polymer resin
conductive paste
manufacturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3244938A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Murakami
勉 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP3244938A priority Critical patent/JPH0563218A/ja
Priority to EP92114719A priority patent/EP0531827B1/en
Priority to US07/936,775 priority patent/US5380371A/en
Priority to AU21380/92A priority patent/AU651486B2/en
Priority to DE69215176T priority patent/DE69215176T2/de
Publication of JPH0563218A publication Critical patent/JPH0563218A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 特性が良好で、且つ実使用時の耐久性の高い
太陽電池と、この太陽電池を歩留りよく製造できる太陽
電池製造方法を提供する。 【構成】 基体上に半導体層を堆積してなる薄膜の太陽
電池において、前記半導体層103、104、105の
上部に高分子樹脂からなるパッシベーション層107を
コーティングし、該パッシベーション層の上に導電性ペ
ーストからなる上部電極108を積層し、該上部電極の
上に電気メッキによる集電電極109を積層したことを
特徴とする。また、方法としては、半導体層の上部に高
分子樹脂からなるパッシベーション層をコーティング
し、該パッシベーション層の上に前記高分子樹脂を溶解
し得る成分を含有する導電性ペーストからなる上部電極
を積層し、該上部電極の上に電気メッキにより集電電極
を積層することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特性の良好な太陽電池
及びその製造方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】太陽光を電気エネルギーに変換する光電
変換素子である太陽電池は、石油代替エネルギー源とし
て注目されている。太陽電池の種類としては単結晶シリ
コン太陽電池、アモルフアスシリコン太陽電池、多結晶
シリコン太陽電池などがあげられるが、単結晶シリコン
の場合作製方法として半導体プロセスを用いるため生産
コストは高いものとなっていることや、単結晶シリコン
は間接遷移であるため光吸収係数が小さく、単結晶の太
陽電池は入射太腸光を吸収するために少なくとも50ミ
クロンの厚さにしなければならず材料費が高くなること
や、バンドギャップが約1.1eVであり太陽光スペク
トルの内の波長約500nm以下の短波長成分は表面再
結合の問題や、バンドギヤツプ以下のエネルギーは無駄
になる等の事情により有効に利用できないことである。
また、仮に、多結晶シリコンを用いて生産コストを下げ
たとしても、間接遷移の問題は残り、太陽電池の厚さを
減らすことはできない。さらに多結晶シリコンには粒界
その他の問題を合わせ持っている。
【0003】ところで太陽電池を用いて既存の電力代替
を行う一例として例えば個人住宅で用いる電力を考える
と必要な電力は3KW程度である。一方、太陽によるエ
ネルギーはピーク時で1KW/m2であるため変換効率
10%とすると30m2の太陽電池が必要となる。従っ
て、太陽電池を電力用に用いるためにはできるだけ大き
な面積の太陽電池モジユールを作製する必要がある。
【0004】しかしながら単結晶シリコンの場合は面積
の大きなウエハーは製造できず、大面積化が困難であ
り、大きな電力を取り出す場合には単位素子を直列化あ
るいは、並列化をするための配線を行なわなければなら
ない。さらには、単結晶シリコンは機械的に弱いため屋
外で使用する際には太陽電池を様々な気象条件によりも
たらされる機械的損傷から保護するため、ガラスや高分
子樹脂、アルミフレーム等からなる高価なエンカプシュ
レーションが必要になる。
【0005】以上の事から単位発電量に対する生産コス
トが既存の発電方法に比ベて割高になってしまうという
問題がある。このような事情から低コストでかつ大面積
に作製できるアモルファスシリコン太陽電池の研究が進
められている。
【0006】図5(A)〜(C)は、従来の太陽電池の
典型的な例を示すものである。図において500は太陽
電池本体、501は基板、502は下部電極、503は
n層、504はi層、505はp層、506は透明電
極、507はパッシベーション層、508は集電電極、
509はバスバーを表す。
【0007】アモルファスシリコン太陽電池の構造は一
般的には、基板上に薄膜のp層505、i層504、n
層503からなる半導体接合の上に表面の抵抗を低くす
るための透明導電膜506を積層し、その後、電流を集
めるための比較的細い金属からなる集電電極508を堆
積し、更に前記集電電極によって集められた電流を集め
るためのバスバー509と呼ばれる比較的太い金属から
なる電極を堆積する。アモルファスシリコンは結晶に比
較して膜質が劣るため変換効率が低い事が欠点である
が、これを解決するために半導体接合を2以上の直列に
積層するタンデムセルも検討されている。また、前記集
電電極やバスバーは不透明であるため有効面積の損失と
なる。集電電極やバスバーの面積を減らし、かつ電流を
有効に取り出す為に集電電極及びバスバーの比抵抗を小
さくし、かつ電極の断面積を増加する事が有効な手段で
ある。従って、電極材料としては、銀や銅のように比抵
抗の低い材料が好適である。例えば銀の比抵抗は、1.
62×l0-6Ωcmであり、銅の比抵抗は1.72×1
-6Ωcmであるが、これに対しアルミニウムでは2.
75×10-6Ωcm、亜鉛では5.9×10-6Ωcmで
ある。
【0008】これらの電極を形成する方法として、従来
結晶系の太陽電池の場合は蒸着法、メッキ法、印刷法な
どの方法が用いられる。蒸着法では良質の金属が堆積で
き、かつ半導体とのオーミックコンタクトも良く出来る
が、堆積速度が遅いことと真空プロセスを用いるためス
ループットが低いこと、また、特定のパターンを形成す
るためにはマスキングが必要であるという問題がある。
メッキ法では、Niの無電解メッキが一般的に行われて
いるが、剥離し易いこととマスクが必要であるという問
題がある。印刷法は 最も自動化し易くかつ量産性が高
いという特徴を有しており、Agペーストをスクリーン
印刷して高温でシンターしてコンタクトする方法が行わ
れている。また、抵抗を下げるため更に印刷した電極の
上にメッキやはんだのコートを行うことも検討されてい
る。
【0009】アモルファスシリコン太陽電池の場合に
は、上述した方法のいずれも検討されているが、実用的
には印刷法が量産性に優れ実用化されている。しかしな
がらアモルファスシリコンの場合、上述した結晶系のよ
うにシンターすることが出来ないため抵抗の高い電極と
なってしまう。すなわち、銀の導電性ペーストは高分子
の樹脂をバインダーとして含むため、比抵抗は、約4×
10-5Ωcmであり、純粋な銀よりも1桁抵抗が高い。
従って集電電極の面積を変えずに抵抗を下げるためには
電極の厚みを厚くすることが望ましい。しかしながら、
厚みを厚くしようとすると導電性ペーストの粘度を大き
くする必要があり、スクリーンが目詰まりを起こしたり
するため限界がある。この為スクリーン印刷によって実
用的に作製される電極の厚みとしてはl0μmから20
μmである。したがつてスクリーン印刷法により作製さ
れる集電電極は抵抗を下げるために幅広にならざるを得
なかった。
【0010】このような事情からスクリーン印刷を用い
た場合は微細な電極が形成できず有効面積の損失が大き
いというのが実状であった。
【0011】また、メッキ法も結晶系と同様に用いるこ
とが可能であり、例えば、公開特許公報昭60−664
26号公報にメッキ法による太陽電池の透明電極上ヘの
電極形成方法が開示されている。しかし、この方法にお
いては、集電電極以外の部分にメッキされないようにす
るためレジストなどでパターニングをする必要がある。
メッキ法においてはパターニングを施さなければならな
いため製造工程が複雑となることや、透明電極上に厚い
メッキ皮膜を作製しようとすると、太陽電池を長時間酸
性或いはアルカリ性のメッキ浴中に浸積するため、太陽
電池に悪影響を与えることや、形成した電極は厚膜であ
るがために剥離し易いという問題がある。更にメッキを
行うときに競争反応的に発生する水素により透明電極が
影響を受けるという間題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は薄膜太陽電池
における上述した問題を解決して、特性の良好な太陽電
池を提供することを目的とするものである。
【0013】本発明の他の目的は量産性が良く、信頼性
の高い太陽電池の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明の太陽電池は、基体上に半導体層を堆積
してなる薄膜の太陽電池において、前記半導体の上部に
高分子樹脂からなるパッシベーション層をコーティング
し、該パッシベーション層の上に導電性ペーストからな
る上部電極を積層し、該上部電極の上に電気メッキによ
り集電電極を積層したことを特徴とする太陽電池であ
る。
【0015】前記高分子樹脂はポリエステル、エチレン
酢酸ビニル共重合体、アクリル、エポキシ、ポリウレタ
ンの内から選ばれた成分からなり、太陽光に対する透過
率が90%以上であり実質的に絶縁性であることが好ま
しい。
【0016】また、前記導電性ペーストは銀、パラジウ
ム、銅、カーボン及びこれらの合金の内少なくとも一つ
の導電性フィラーを含み、ポリエステル、エポキシ、ポ
リウレタンの内少なくとも一つの高分子樹脂のバインダ
ーを含むことが好ましい。さらに、前記電気メッキされ
る金属は、銅、アルミニウム、クロムの内少なくとも一
つを含むことが好ましい。
【0017】本発明の太陽電池製造方法は、基体上に半
導体層を堆積してなる薄膜の太陽電池の製造方法におい
て、前記半導体の上部に高分子樹脂からなるパッシベー
ション層をコーティングし、該パッシベーション層の上
に前記高分子樹脂を溶解し得る成分を含有する導電性ぺ
−ストからなる上部電極を積層し、該上部電極の上に電
気メッキによる集電電極を積層したことを特徴とする太
陽電池の製造方法である。
【0018】本発明において、前記高分子樹脂は電着
法、電解重合法、プラズマ重合法、スピンコート法、ロ
ールコート法、ディッピング法の内から選ばれた方法で
形成される事が望ましく、また、前記導電性ペーストは
銀、パラジウム、銅、カーボンの内少なくとも一つの導
電性フィラーを含み、ポリエステル、エポキシ、ポリウ
レタンの内少なくとも一つの高分子樹脂バインダーを含
むことが望ましい。さらに、前記導電性ペ一ストに含ま
れる前記高分子樹脂を溶解する成分は酢酸エチル、メチ
ルエチルケトン、トルエンの内少なくとも一つであるか
または高分子樹脂のバインダーの未反応成分であること
が望ましい。また、前記電気メッキされる金属は、銅、
アルミニウム、クロムの内少なくとも一つを含むことが
望ましい。
【作用】以上述べたように、太陽電池の半導体層の上部
に高分子樹脂からなるパッシベーション層、導電性ペー
ストの上部電極、電気メッキによる集電電極を形成する
ことにより、シャントやショートの原因となる半導体層
の欠陥部分に上部電極が接触するのを防止するとともに
低抵抗の集電電極を形成することが可能となる。その結
果、ショートによる光電流の損失が防止され、しかも集
電電極幅を細くして有効面積を増加できるため高効率の
太陽電池を得ることができる。
【0019】即ち、導電性ペースト塗布時に、ペースト
に含まれる溶剤または高分子樹脂バインダーのモノマー
がパッシベーション層を部分的に溶解し、導電性フィラ
ーが透明電極と集電電極とを接触させ、電気的なコンタ
クトをとることができると同時に、パッシベーション及
び高分子樹脂のバインダーが欠陥部分を被覆するため、
上記したショートを抑制することが可能となる。更に、
導電性ペーストで形成した上部電極の上に、電気メッキ
により選択的に付着力の優れた集電電極を形成でき、配
線の抵抗を小さくできるため、変換効率が高くしかも耐
久性の高い太陽電池を得ることができる。
【0020】
【実施態様例】以下に本発明の実施態様例を図を用いて
説明する。
【0021】図1(A)は、本発明のpin型非晶質太
陽電池の構成例を模式的に表わしたものである。図1
(B)は、図1(A)の断面図を表した図である。図1
(C)は、図1(A)を上部から見た図である。
【0022】図1(A)は光が図の上部から入射する構
造の太陽電池であり、図において100は太陽電池本
体、l0lは基体、102は下部電極、103はn型半
導体層、lO4はi層、105はp層、106は透明電
極、107はパッシベーション層、108は上部電極、
109は集電電極、110はバスバーを表す。
【0023】基体101は、導電性のものでも電気絶縁
性のものでも良い。具体的には、例えばFe、Ni、C
r、Al、Mo、Au、Nb、Ta、V、Ti、Pt、
Pb等の金属またはこれらの合金、例えば真ちゅう、ス
テンレス鋼等の薄板及びその複合体、及び、例えばポリ
エステル、ポリエチレン、ポリカーポネート、セルロー
スアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミ
ド、エポキシ等の耐熱性合成樹脂のフィルムまたはシー
ト又はこれらとガラスファイバー、カーボンファイバ
ー、ホウ素ファイバー、金属繊維等との複合体、及びこ
れらの金属の薄板、樹脂シート等の表面に異種材質の金
属薄膜及び/またはSiO2、Si34、Al23、A
lN等の絶縁性薄膜を、例えばスパッタ法、蒸着法、鍍
金法等により表面コーティング処理を行ったものおよ
び、ガラス、セラミックスなどが挙げられる。
【0024】前記基体101が電気絶縁性である場合に
は、堆積膜の形成される側の表面にAl、Ag、Pt、
Au、Ni、Ti、Mo、W、Fe、V、Cr、Cu、
ステンレス、真ちゅう、ニクロム、SnO2、In
23、ZnO、ITO(In23+SnO2)等のいわ
ゆる金属単体又は合金、及び透明導電性酸化物(TC
O)を、例えばメッキ、蒸着、スパッタ等の方法を用い
下部電極102を形成する。また、前記基体101が導
電性であっても表面を平滑化あるいはテクスチャー化す
る目的で上述と同様の材料、手段を用いて下部電極10
2を作製する。
【0025】n層103、i層104、p層105は通
常の薄膜作製プロセスに依って作製されるもので、例え
ば蒸着法、スパッタ法、高周波プラズマCVD法、マイ
クロ波プラズマCVD法、ECR法、熱CVD法、LP
CVD法等公知の方法を所望に応じて用いることより作
製できる。工業的に採用されている方法としては、原料
ガスをプラズマで分解し、基体上に堆積させるプラズマ
CVD法が好んで用いられる。また、反応装置として
は、バッチ式の装置や連続成膜装置などが所望に応じて
使用できる。
【0026】本発明の太陽電池においては、分光感度や
電圧の向上を目的としてpin接合を2以上積層するい
わゆるタンデムセルにも用いることが出来る。
【0027】本発明の太陽電池において好適に用いられ
るi層lO4を構成する半導体材料としては、a−S
i:H、a−Si:F、a−Si:H:F、a−SiG
e:H、a−SiGe:F、a−SiGe:H:F、a
−SiC:H、a−SiC:F、a−SiC:H:F等
のいわゆるIV族及びIV族合金系アモルファス半導体
が挙げられる。
【0028】本光起電力素子において好適に用いられる
p層105またはn層103を構成する半導体材料とし
ては、前述したi層104を構成する半導体材料に価電
子制御剤をドーピングすることによって得られる。作製
方法は、前述したi層104の作製方法と同様の方法が
好適に利用できる。また原料としては、周期律表第IV
族堆積膜を得る場合、p型半導体を得るための価電子制
御剤としては周期律表第III族の元素を含む化合物が
用いられる。第III族の元素としては、例えばB、A
l、Ga、Inが挙げられる。
【0029】n型半導体を得るための価電子制御剤とし
ては周期律表第Vの元素を含む化合物が用いられる。第
V族の元素としては、例えばP、N、As、Sbが挙げ
られる。
【0030】本発明において用いられる透明電極106
としては、太陽や白色蛍光灯等からの光を半導体層内に
効率良く吸収させるために光の透過率が85%以上であ
ることが望ましく、さらに、電気的には光で発生した電
流を半導体層に対し横方向に流れるようにするためシー
ト抵抗値は100Ω/□以下であることが望ましい。こ
のような特性を備えた材料としてSnO2,In23
ZnO、CdO、CdSnO4,ITOなどの金属酸化
物が挙げられる。これらの作製方法としては、例えば抵
抗加熱蒸着法、電子ビーム加熱蒸着法、スパッタリング
法、スプレー法等を用いることができ所望に応じて適宜
選択される。
【0031】本発明において用いられるパッシベーショ
ン層107は、集電電極109を電気メッキ法で形成す
るときに太陽電池がメッキ液にさらされないようにする
ための保護層の役目をすると共に、この部分に電極が形
成されないようにするためのマスクの役目も持つ。ま
た、同時にシャントやショートの原因となる低抵抗の欠
陥部分が上部電極lO8、集電電極109及びバスバー
110に接触することを防ぐための絶縁性材料である。
また、パッシベーション層107は、半導体層全面に積
層されるものであるため太陽光の入射を妨げないように
光透過性の材料である必要がある。また、太陽電池とし
て屋外で使用する場合の環境を考え、耐候性が良く、
熱、湿度及び光に対する安定性が要求される。また、場
合によっては、太陽電池が曲げられたり衝撃が与えられ
るため、機械的な強度も合わせ持つ必要がある。このよ
うな材料としては高分子樹脂が好適であり、具体的には
ポリエステル、エチレン酢酸ビニル共重合体、アクリル
樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン等が用いられる。前記高
分子樹脂の好適な分子量としては数平均分子量が1〜2
万程度である。また、膜厚としては、電気的絶縁性が保
たれ、かつ、光透過性を損なわれないことが好ましいこ
とから高分子樹脂の種類により適宜選択されるが、代表
的には数μm位が適当である。
【0032】このような高分子樹脂を積層する方法とし
ては、通常行なわれている方法が用いられる。例えば、
溶剤に溶かしてスピンコートやディッピングする方法、
熱で溶融してローラーでコーテイングする方法、電解重
合で堆積する方法、電着で堆積する方法、プラズマ重合
による方法などが用いられ、高分子樹脂の物性及び所望
の膜厚など諸条件から適宜決定されるが、量産性の観点
からはディッピング法、ローラーコート法、電着法など
が好適である。とりわけ電着法は水溶性の溶媒を用いる
ことが出来るため廃液の処理が簡単であることや電流の
コントロールで膜厚が容易に制御出来るため好適な方法
である。
【0033】このような電着の装置は例えば図2(A)
または図2(B)の様な装置が使用できる。図2におい
て201は電着槽、202は電着液、203は対向電
極、204は基体、205は透明電極106までのの全
ての層、206は電源、207は導線を示す。電着を行
う場合に太陽電池の基体204に対して電圧を印加する
こともできる。場合によっては透明電極106に適当な
端子を設けて電圧を印加することとしても良い。後者の
場合、太陽電池内部には電圧がかからないため太陽電池
に不要な電流が流れず電着工程中太陽電池が破壊される
ことはなく、また基体204の裏側に電着されないため
電着の速度が速くできかつ電着液を節約できるという効
果がある。
【0034】本発明において用いられる上部電極108
は、集電電極109を形成する際のパターンとなる物で
あり、工程上は集電電極109の形成に先立って作製さ
れるが機能上は集電電極108と同様の機能を果たすも
のである。電極材料としてはAg、Pt、Cu、C等の
金属またはこれらの合金の粉末にポリマーのバインダ
ー、バインダーの溶剤を適度な比率で混合しペ−スト状
としたいわゆる導電性ペーストが挙げられる。所望の比
抵抗としてはメッキを行うときに十分な電流が流れる事
が必要であり、望ましくは10-2Ωcm〜10-5Ωcm
であり、このような導電性ペーストは市販のものを適宜
選んで使用することが可能である。市販のものとして
は、例えば銀のフィラーを用いバインダーがポリエステ
ルのものとして、デュポン製5007番や、藤倉化成製
FC−301CA番などがある。銀のフィラーでバイン
ダーがエポキシのものとしては、エイブルボンド製84
−1LM−1番や、959−1番などがある。銀のフィ
ラーでバインダーがポリウレタンのものとしては、スリ
ーボンド製3322番や3320D番などがある。これ
らの導電性ペーストに粘度調整のため適当な溶媒を加え
て用いても良い。
【0035】これらの導電性ペーストの電極は従来知ら
れたスクリーン印刷法を用いる事により生産性良く作製
できる。スクリーン印刷法はナイロンやステンレスで出
来たメッシュに所望のパターニングを施したスクリーン
を用いて導電性ペーストを印刷インキとして用いるもの
であり電極幅としては、最小で50μm位とする事がで
きる。印刷機は市販の例えば、東海精機製HK−406
0等が好適に用いられる。スクリーン印刷した導電性ペ
ーストはバインダーを架橋させるためと溶剤を揮発させ
るために乾燥炉で加熱する。
【0036】ところで、本発明においては、前記パッシ
ベーション層107の物性に応じた導電性ぺースト材料
を選ぶ必要がある。すなわちパッシベーション層107
は絶縁性又は高抵抗であるが為にその上に上部電違lO
8を積層しても該上部電極と透明電極107とのオーミ
ックコンタクトは充分でなく集電電極109に充分に電
流を流すことができないが、導電性ペーストに含まれる
溶剤又は高分子樹脂の未反応成分がパッシベーション層
107を溶解し導電性フィラーが透明電極106に接触
することにより、上部電極108と透明電極106とが
充分に接触するようになる。この場合欠陥部分と導電性
フィラーの接触も同時に起こる可能性があるが溶剤で溶
解しきれないバインダー及びパッシベーション層107
が欠陥部分を被覆しているため適度な抵抗が生じショー
トの程度は軽くなる。
【0037】本発明の集電電極109の形状や面積は電
極材料の比抵抗や厚みおよび太陽電池が発生する電流量
と透明電極l07のシート抵抗とにより最適な設計がな
される。また、光入射に対して影にならないように最小
限の面積とし、且つ電流に対して抵抗とならないように
設計する。
【0038】本発明における集電電極109の作製方法
としては、電気メッキ法が好適に用いられ、析出させる
金属としては電気メッキで析出可能な金属である、例え
ば銅、ニッケル、銀、金、アルミニウム、クロム等およ
びそれらの混合物を用いることが出来る。
【0039】これらの金属を電気メッキする場合は析出
する金属の種類に応じてメッキ浴を調整すれば良くメッ
キ浴の処方は、従来公知の方法が用いられ市販のメッキ
液を使用する事も可能である。メッキの装置としては例
えば図3(A)または図3(B)の様な装置が使用でき
る。図3において301はメッキ槽、302はメッキ液
303は対向電極、304は基体、305はパッシベー
ション層l07までの全ての層を表し、306は上部電
極、307は電源、308は導線を示す。メッキを行う
場合には図3(A)に示すように太陽電池の基体304
にマイナスの電圧を印加することもできるし、場合によ
っては、図3(B)に示すように、上部電極306にマ
イナスの電圧を印加することとしても良い。後者の場
合、太陽電池内部には電圧がかからないため太陽電池に
不要な電流が流れず、メッキ工程中太陽電池が破壊され
ることはなく、また基体304の裏側にメッキされない
ためにメッキの速度が速くできかつメッキ液を節約でき
るという効果がある。
【0040】本発明において用いられるバスバー11O
は、集電電極109を流れる電流を更に集めるための電
極である。電極材料としては、例えばAg、Pt、C
u、等の金属やCまたはこれらの合金からなるものを用
いることができ、ワイヤー状、箔状のものを張り付けた
り前記上部電極108と同様の導電性ペ−ストを用いて
も良いし、前記集電電極109と同様に電気メッキ法で
作製しても良い。箔状のものとしては例えば銅箔や、或
いは銅箔にスズメッキしたもので、場合によっては接着
剤付きのものが用いられる。このようなものとして例え
ば市販の3M製1345番等が用いられるこの場合、バ
スバー110には大きな電流が流れるため集電電極10
9よりも断面積を大きくして低抵抗とする必要がある。
【0041】以上のように作製された太陽電池は、屋外
使用の際、耐候性を良くするために従来知られた方法で
エンカプシュレーションをしてモジュール化される。エ
ンカプシュレーション用材料としては太陽電池との接着
性、耐候性、緩衝効果の点でEVA(エチレンビニール
アセテート)が好適に用いられる。また、さらに耐湿性
や耐傷性を向上させるために、表面保護層として弗素系
の樹脂が積層される。弗素系の樹脂としては、例えば4
フッ化エチレンの重合体TFE(デュポン製テフロンな
ど)、4フッ化エチレンとエチレンの重量合体ETFE
(デュポン製テフゼルなど)、ポリフッ化ビニル(デュ
ポン製テドラーなど)、ポリクロロフルオロエチレンC
TFE(ダイキン工業製ネオフロン)等が挙げられる。
またこれらの樹脂に紫外線吸収剤を加えることで耐候性
を向上させても良い。これらの樹脂を太陽電池基体と積
層する方法としては例えば真空ラミネーター(日本フィ
ジテック機器製VTL−100型)のような市販の装置
を用いて、真空中で加熱圧着することで可能である。こ
のようにして作製される本発明の太陽電池のモジュール
の構造は図4に示すようなものである。図において40
0は太陽電池モジュール本体、401は基体、402は
下部電極、403はn型半導体層、404はi層、40
5はp層、406は透明電極、407はパッシベーショ
ン層、408は集電電極、409はバスバー、410は
接着層、411は表面保護層を表す。
【実施例】以下、実施例により、本発明の太陽電池製造
方法及び本発明の太陽電池の構成を更に詳しく説明する
が、本発明はこれらの実施例により限定されるものでは
ない。
【0042】(実施例l)図1(A)に示す層構成の太
陽電池を以下のようにして作製した。まず、十分に脱
脂、洗浄を行ったSUS4З0BA製基板(30cm
角、厚み0.1mm)101を不図示のDCスパツタ装
置に入れCrを2000Å堆積し、下部電極102を形
成した。基板101を取り出し、不図示のRFプラズマ
CVD成膜装置に入れn層103、i層104、p層l
O5の順に堆積を行った。その後、不図示の抵抗加熱蒸
着装置に入れて、InとSnの合金を抵抗加熱により蒸
着し、反射防止効果を兼ねた機能を有する透明電極10
6を700Å堆積した。
【0043】次に、アクリル系アニオン電着塗料(上村
工業製アクリルクリヤーA−7X)を用いてパッシベー
ション層107を堆積した後、基板101を不図示のス
クリーン印刷機(東海精機製HK−4060)に設置
し、幅100μm長さ8cmの上部電極108を問隔1
cmで印刷した。このとき導電性ペーストは、Agフィ
ラー70部、ポリエステルバインダー30部(体積
比)、溶剤として酢酸エチルを20部含む組成のものを
用いた。印刷後、基板101を恒温器に入れて150℃
で5分間保持し導電性ペーストをキュアした。次に以下
のようにして図3(A)のメッキ槽を用い、電気メッキ
法によりニッケルの集電電極109を形成した。
【0044】まず、基板304を中性のスルファミン酸
溶液に5秒間浸積し、その後市販の高純度化学社製電気
メッキ液N−l00ESを温度50℃、pH4に保った
メッキ液302を満たしたメッキ槽301中に浸積し
た。その後電源307を用いて基板304に約−1ボル
トを印加し、20mA/cm2の電流密度でメッキを行
つた。この条件では上部電極306上のみに2μmのニ
ッケルが析出し、他の部分には全く析出がなかった。
【0045】さらに、接着剤付きの幅5mmの銅箔のバ
スバー109を図1(C)に示すように接着し30cm
角のシングルセルを作製した。同様の方法で試料を10
枚作製した。
【0046】次に、これら試料のエンカプシュレショ一
ンを以下のように行つた。基板101の上下にEVAを
積層し、さらにその上にフッ素樹脂フィルムETFE
(エチレンテトラフルオロエチレン)(デュポン製製品
名テフゼル)を積層した後、真空ラミネーターに投入し
て150℃で60分間保持し、真空ラミネ一ションを行
った。
【0047】得られた試料の初期特性を以下のようにし
て測定した。まず、試料の暗状態での電圧電流特性を測
定し原点付近の傾きからシャント抵抗を求めたところ5
00KΩcm2〜300KΩcm2と良好な特性であり、
ばらつきが少なかった。次に各試料にキセノンランプに
よる擬似太陽光源(以下シミュレータと呼ぶ)を用いて
AMl.5の太陽光スペクトルを100mW/cm2
強度で照射し太陽電池特性を測定し、変換効率を求めた
ところ6.1%±0.5%と良好な特性であり、ばらつ
きも少なかった。またこの時の電流電圧の曲線からシリ
ーズ抵抗を求めたところ平均で5Ωcm2であり、集電
電極l09の抵抗が低く良好な特性であることがわかっ
た。
【0048】これらの試料の耐久特性を、日本工業規格
C8917の結晶系太陽電池モジュールの環境試験方法
及び耐久試験方法に定められた温湿度サイクル試験A−
2に基づいて評価した。
【0049】まず、試料を温湿度が制御できる恒温恒湿
器に投入し、−40℃から+85℃(相対湿度85%)
に変化させるサイクル試験を10回繰り返し行った。次
に、試験終了後の試料を初期と同様にシミュレータを用
い太陽電池特性を測定したところ、初期変換効率に対し
て平均で98%であり有意な劣化は生じなかった。ま
た、シャント抵抗を測定したところ約10%の減少で有
意な劣化はなかった。また、エンカプシュレーションの
樹脂と基板との剥離は全く見られずパッシベーション層
107が良好な接着効果を有することがわかる。
【0050】本実施例の結果から本発頭の太陽電池製造
方法で作製した本発明の太陽電池は歩留まりが良く良好
な特性で有り耐久性も良いことがわかる。
【0051】(比較例l)図5(A)に示す層構成の従
来の太陽電池を以下のようにして作製した。実施例1と
同様に基板501上に透明電極506までを形成した。
次に、実施例1と同様にして集電電極508を印刷し
た。さらに接着剤付きの銅箔をバスバー509として積
層し、30cm角のシングルセルを作製した。
【0052】次にこの試料のエンカプシュレーションを
実施例1と同様に行った。得られた試料の初期特性は、
変換効率は5.2%、シャント抵抗は5KΩcm2であ
り、シリーズ抵抗は15Ωcm2であった。実施例1に
比較してシリーズ抵抗が高くなったため変換効率が低く
なったと考えられる。次にこの試料の耐久特性を実施例
1と同様に評価した。
【0053】温湿度サイクル試験終了後の試料の太陽電
池特性を測定したところ初期値に対し90%となり、有
意な劣化が起きていた。また、シャント抵抗は約10K
Ωcm2であり、シャントが観察された。
【0054】この試料は以下のようにしてシャントの部
分を確認した。試料に1.5ボルトの逆バイアスを印加
した。シャント部分には電流が流れ発熱するが正常な部
分は逆バイアスなので電流が流れず発熱しない。この状
態で試料表面を赤外線のカメラで観察したところ発熱部
分が観察され集電電極の下でシャントしている事がわか
った。
【0055】(比較例2)図5(A)に示す従来の太陽
電池を従来のメッキ法を用いて以下のようにして作製し
た。実施例lと同様に基板501上に透明電極506ま
でを形成した。次に、ポリエステルフィルムで出来たバ
スバー509と同一形状のポジパターンのマスクを透明
電極506上に積層し、レジスト層をスピンコート法で
積層した。次に、実施例lと同様にしてニッケルをメッ
キして集電電極508を形成した。さらに接着剤付きの
銅箔をバスバー509として積層し、30cm角のシン
グルセルを作製した。以上の作製法で試料を10枚作製
した。
【0056】次に、この試料のエンカプシュレーション
を実施例1と同様に行った。得られた試料の初期特性
は、6.1%±3%であり、ばらつきが大きかった。こ
の原因は、特性の悪い試料はシャント抵抗が低く、ニッ
ケルの集電電極508を形成した事により集電電極10
7と欠陥部分とが接触してショートしたと考えられる。
シャント抵抗の値は200Ωcm2から15KΩcm2
あった。
【0057】次にこの試料の耐久特性を実施例1と同様
に評価した。温湿度サイクル試験終了後の試料の太陽電
池特性を測定したところ初期値に対し92%であり有意
な劣化が起きていた。
【0058】また、シャント抵抗を測定したところ平均
約50%減少していた。この試料を比較例1と同様にし
て赤外線のカメラでシャント部分を観察したところ集電
電極の下でシャントしている事がわかった。
【0059】(実施例2)次に集電電極108を図3
(B)の様にして作製して図1(A)に示す層構成の太
陽電池を実施例1とほぼ同様に作製した。まず、実施例
1と同様の手順で基板101上にパッシベーション層1
07までを堆積した。
【0060】次に、実施例1と同様にしてPdフイラー
60部、エポキシ40部(体積比)、溶剤としてMEK
を15部含む組成の導電性ペーストを用いて上部電極1
08を印刷した。
【0061】次に図3(B)のメッキ装置を用いて以下
のようにして集電電極109の形成を行った。まず、基
板101を中性のスルファミン酸溶液に5秒間浸積し、
その後市販の高純度化学社製電気メッキ液C−100E
Pを温度55℃、pH8.5に保ったメッキ液302を
満たしたメッキ槽301中に浸積した。その後電源30
7を用いて基板304に約−0.5ボルトを印加し20
mA/cm2の電流密度でメッキを行った。この条件で
は上部電極108上のみに2μmの銅が析出して集電電
極109が形成でき、他の部分には全く析出がなかっ
た。
【0062】さらに接着剤付きの銅箔をバスバー110
を積層し、30cm角のシングルセルを作製した。以上
の作製法で試料を10枚作製した。次に、この試料のエ
ンカプシュレーションを実施例1と同様に行った。
【0063】得られた試料の初期特性は、変換効率6.
0%、±1%、シャント抵抗は350〜200KΩcm
2であり、シリーズ抵抗は平均で5Ωcm2であり良好な
特性であった。
【0064】次にこの試料の耐久特性を実施例1と同様
に評価した。温湿度サイクル試験終了後の試料の太陽電
池特性を測定したところ初期値に対し97%であり、有
意な劣化は生じなかった。また、シャント抵抗を測定し
たところほとんど変化していなかった。
【0065】本実施例の結果から本発明の太陽電池製造
方法で作製した本発明の太陽電池は歩留まりが良く、良
好な特性で有り、耐久性も良いことがわかる。
【0066】(実施例3)次に、集電電極lO9をニッ
ケル/銅/ニッケルの3層構造として以下のようにして
図1(A)に示す層構成の太陽電池を作製した。
【0067】実施例1と同様に基板101上にパッシベ
ーション層107までを作製した。次に実施例1と同様
にしてニッケルを1μm堆積して、その後実施例2と同
様にして、銅をlμm堆積し、最後にニッケルを1μm
堆積して集電電極109を形成した。さらに接着剤付き
の銅箔のバスバー110を積層し、30cm角のシング
ルセルを作製した。同様にして10枚の試料を作製し
た。さらに、この試料のエンカプシュレーションを実施
例1と同様に行った。得られた試料の初期特性は、6.
4%、シリーズ抵抗は4Ωcm2であり良好な特性であ
った。
【0068】次にこの試料の耐久特性を実施例1と同様
に評価した。温湿度サイクル試験終了後の試料の太陽電
池特性を測定したところ初期値に対し98%であり、有
意な劣化は生じなかった。また、シャント抵抗を測定し
たところほとんど変化していなかった。
【0069】本実施例の結果から本発明の太陽電池製造
方法で作製した本発明の太陽電池は歩留まりが良く、良
好な特性で有り、耐久性も良いことがわかる。
【0070】(実施例4)次に、上部電極108、集電
電極109、バスバー110の形状を図1(D)の示す
形状とし、図1(A)の構成の太陽電池を実施例と同様
の方法で作製した。この場合上部電極のパターンは50
μm幅で長さ25cmのものを間隔1cmで作製した。
その後実施例1と同様にニッケルを3μm堆積して、接
着剤付きの銅箔のバスバーl09を張りつけ、以上のよ
うに30cm角のシングルセルを作製した。
【0071】エンカプシュレーションを行わず初期特性
を測定したところ、集電電極109およびバスバー11
0で陰になる部分まで含めた面積での効率(実効効率)
が、6.8%でありシリーズ抵抗は4Ωcm2であり良
好な特性であった。
【0072】
【発明の効果】本発明の太陽電池によれば、基体上に半
導体層を堆積してなる薄膜の太陽電池において、前記半
導体の上部に高分子樹脂からなるパッシベーション層を
コーティングし、該パッシベーション層の上に導電性ペ
ーストからなる上部電極を積層し、該上部電極の上に電
気メッキにより集電電極を積層することで特性が良好で
耐久性に優れた太陽電池が得られる。
【0073】また、本発明の太陽電池製造方法によれ
ば、基板上に半導体層を堆積してなる薄膜の太陽電池の
製造方法において、前記半導体の上部に高分子樹脂から
なるパッシベーション層をコーティングし、パッシベー
ション層の上に前記高分子フィルムを溶解し得る成分を
含有する導電性ぺ−ストからなる上部電極を積層し、該
上部電極の上に電気メッキにより集電電極を積層するこ
とで、特性の良い耐久性の優れた太陽電池を高い歩留り
で製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の太陽電池の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の電着法の装置を示す概略図である。
【図3】本発明のメッキ装置を示す概略図である。
【図4】本発明の太陽電池モジュールを示す概略図であ
る。
【図5】従来の太陽電池の構成を模式的に示す図であ
る。
【符号の説明】
100、400、500 太陽電池本体、 101、401、501 基板、 102、402、502 下部電極、 103、403、503 n層、 104、404、504 i層、 105、405、505 p層、 106、406、506 透明電極、 107、407、507 パッシベ−ション層、 108、306、408 上部電極、 109、409、508 集電電極、 110、410、509、バスバー、 201 電着槽、 202 電着液、 203 対向電極、 204 基板、 205 半導体層、 206 電源、 207 導線、 301 メッキ槽、 302 メッキ液、 303 対向電極、 304 基板、 305 半導体層、 307 電源、 308 導線、 411 接着層、 412 表面保護層。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に半導体層を堆積してなる薄膜の
    太陽電池において、前記半導体層の上部に高分子樹脂か
    らなるパッシベーション層をコーティングし、該パッシ
    ベーション層の上に導電性ペーストからなる上部電極を
    積層し、該上部電極の上に電気メッキによる集電電極を
    積層したことを特徴とする太陽電池。
  2. 【請求項2】 前記高分子樹脂がポリエステル、エチレ
    ン酢酸ビニル共重合体、アクリル、エポキシ及びポリウ
    レタンの内から選ばれた成分からなることを特徴とする
    請求項lに記載の太陽電池。
  3. 【請求項3】 前記高分子樹脂の太陽光に対する透過率
    が90%以上であることを特徴とする請求項1または2
    に記載の太陽電池。
  4. 【請求項4】 前記高分子樹脂が実質的に絶縁性である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載
    の太陽電池。
  5. 【請求項5】 前記導電性ペーストが銀、パラジウム、
    銅、カーボンまたはこれらの合金からなる導電性フィラ
    ーの内少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれか1項に記載の太陽電池。
  6. 【請求項6】 前記導電性ペーストがポリエステル、エ
    ポキシまたはポリウレタンからなるバインダーの内少な
    くとも一つのを含むことを特徴とする請求項1乃至5の
    いずれか1項に記載の太陽電池。
  7. 【請求項7】 前記電気メッキにより形成される前記集
    電電極は、銅、アルミニウム及びクロムの内少なくとも
    一つから構成されることを特徴とする請求項1乃至6の
    いずれか1項に記載の太陽電池。
  8. 【請求項8】 基体上に半導体層を堆積してなる薄膜の
    太陽電池において、前記半導体層の上部に高分子樹脂か
    らなるパッシベーション層をコーティングし、該パッシ
    ベーション層の上に前記高分子樹脂を溶解し得る成分を
    含有する導電性ペーストからなる上部電極を積層し、該
    上部電極の上に電気メッキにより集電電極を積層するこ
    とを特徴とする太陽電池製造方法。
  9. 【請求項9】 前記高分子樹脂が電着法、電解重合法、
    プラズマ重合法、スピンコート法、ロールコート法及び
    ディッピング法の内から選ばれた方法で形成されること
    を特徴とする請求項8に記載の太陽電池製造方法。
  10. 【請求項10】 前記導電性ペーストが銀、パラジウ
    ム、銅、カーボンまたはこれらの合金からなる導電性フ
    ィラーの内少なくとも一つのを含むことを特徴とする請
    求項8または9に記載の太陽電池製造方法。
  11. 【請求項11】 前記導電性ペーストがポリエステル、
    エポキシまたはポリウレタンからなるバインダーの内少
    なくとも一つのを含むことを特徴とする請求項8乃至1
    0のいずれか1項に記載の太陽電池製造方法。
  12. 【請求項12】 前記導電性ペーストに含まれる前記高
    分子樹脂を溶解する成分は酢酸エチル、メチルエチルケ
    トン及びトルエンの内少なくとも一つであることを特徴
    とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の太陽電
    池製造方法。
  13. 【請求項13】 前記バインダーは未反応成分を含むこ
    とを特徴とする請求項11記載の太陽電池製造方法。
  14. 【請求項14】 前記電気メッキにより形成される前記
    集電電極は、銅、アルミニウム及びクロムの内少なくと
    も一つから構成されることを特徴とする請求項8乃至1
    3のいずれか1項に記載の太陽電池製造方法。
JP3244938A 1991-08-30 1991-08-30 太陽電池及びその製造方法 Pending JPH0563218A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3244938A JPH0563218A (ja) 1991-08-30 1991-08-30 太陽電池及びその製造方法
EP92114719A EP0531827B1 (en) 1991-08-30 1992-08-28 Solar cell and fabrication method thereof
US07/936,775 US5380371A (en) 1991-08-30 1992-08-28 Photoelectric conversion element and fabrication method thereof
AU21380/92A AU651486B2 (en) 1991-08-30 1992-08-28 Photoelectric conversion element and fabrication method thereof
DE69215176T DE69215176T2 (de) 1991-08-30 1992-08-28 Solarzelle und deren Herstellungsmethode

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3244938A JPH0563218A (ja) 1991-08-30 1991-08-30 太陽電池及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0563218A true JPH0563218A (ja) 1993-03-12

Family

ID=17126200

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3244938A Pending JPH0563218A (ja) 1991-08-30 1991-08-30 太陽電池及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0563218A (ja)

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006279075A (ja) * 2002-06-07 2006-10-12 E I Du Pont De Nemours & Co 太陽電池の製造に使用するための繊維およびリボン
JP2007243230A (ja) * 2007-06-26 2007-09-20 Sanyo Electric Co Ltd 太陽電池素子の製造方法及び太陽電池素子
JP2009524920A (ja) * 2006-01-25 2009-07-02 フラウンホーファー−ゲゼルシャフト ツール フエルデルング デア アンゲヴァンテン フォルシュング エー.ファオ. 太陽電池セルの金属電極パターン作製方法
JP2010103572A (ja) * 2010-02-08 2010-05-06 Sanyo Electric Co Ltd 太陽電池素子の製造方法及び太陽電池素子
WO2010058976A2 (en) * 2008-11-19 2010-05-27 Lg Electronics Inc. Solar cell and method of manufacturing the same
WO2010068050A2 (ko) * 2008-12-10 2010-06-17 에스에스씨피 주식회사 태양 전지용 전극의 제조방법, 이를 이용하여 제조된 태양 전지용 기판 및 태양 전지
WO2010125861A1 (ja) * 2009-04-30 2010-11-04 シャープ株式会社 裏面電極型太陽電池およびその製造方法
KR101036539B1 (ko) * 2003-03-24 2011-05-24 코나르카 테크놀로지, 인코포레이티드 메쉬 전극을 갖는 광전지
WO2011111192A1 (ja) * 2010-03-10 2011-09-15 三菱電機株式会社 太陽電池セルの電極形成方法及び太陽電池セル
WO2011118688A1 (ja) * 2010-03-26 2011-09-29 三洋電機株式会社 太陽電池、太陽電池モジュール、電子部品及び太陽電池の製造方法
CN102290453A (zh) * 2010-06-21 2011-12-21 Lg电子株式会社 太阳能电池
WO2013077038A1 (ja) 2011-11-22 2013-05-30 株式会社カネカ 太陽電池およびその製造方法、ならびに太陽電池モジュール
CN103996752A (zh) * 2014-06-10 2014-08-20 中节能太阳能科技(镇江)有限公司 一种太阳能电池正电极栅线制备方法
WO2015147225A1 (ja) * 2014-03-26 2015-10-01 株式会社カネカ 太陽電池モジュールおよびその製造方法
JP2016060906A (ja) * 2014-09-12 2016-04-25 Jsr株式会社 導電性膜形成用組成物、導電性膜、めっき膜の製造方法、めっき膜および電子機器
EP2595196B1 (en) * 2010-06-25 2020-06-03 Kyocera Corporation Solar cell element
WO2024181058A1 (ja) * 2023-02-27 2024-09-06 株式会社カネカ 太陽電池の製造方法および太陽電池

Cited By (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006279075A (ja) * 2002-06-07 2006-10-12 E I Du Pont De Nemours & Co 太陽電池の製造に使用するための繊維およびリボン
KR101036539B1 (ko) * 2003-03-24 2011-05-24 코나르카 테크놀로지, 인코포레이티드 메쉬 전극을 갖는 광전지
JP2009524920A (ja) * 2006-01-25 2009-07-02 フラウンホーファー−ゲゼルシャフト ツール フエルデルング デア アンゲヴァンテン フォルシュング エー.ファオ. 太陽電池セルの金属電極パターン作製方法
JP2007243230A (ja) * 2007-06-26 2007-09-20 Sanyo Electric Co Ltd 太陽電池素子の製造方法及び太陽電池素子
JP4549367B2 (ja) * 2007-06-26 2010-09-22 三洋電機株式会社 太陽電池素子の製造方法及び太陽電池素子
US9711667B2 (en) 2008-11-19 2017-07-18 Lg Electronics Inc. Solar cell and method of manufacturing the same
WO2010058976A2 (en) * 2008-11-19 2010-05-27 Lg Electronics Inc. Solar cell and method of manufacturing the same
US10573770B2 (en) 2008-11-19 2020-02-25 Lg Electronics Inc. Solar cell and method of manufacturing the same
WO2010058976A3 (en) * 2008-11-19 2010-08-05 Lg Electronics Inc. Solar cell and method of manufacturing the same
US9324886B2 (en) 2008-11-19 2016-04-26 Lg Electronics Inc. Solar cell and method of manufacturing the same
CN102197495A (zh) * 2008-11-19 2011-09-21 Lg电子株式会社 太阳能电池及其制造方法
WO2010068050A3 (ko) * 2008-12-10 2010-09-23 에스에스씨피 주식회사 태양 전지용 전극의 제조방법, 이를 이용하여 제조된 태양 전지용 기판 및 태양 전지
WO2010068050A2 (ko) * 2008-12-10 2010-06-17 에스에스씨피 주식회사 태양 전지용 전극의 제조방법, 이를 이용하여 제조된 태양 전지용 기판 및 태양 전지
JP2010262979A (ja) * 2009-04-30 2010-11-18 Sharp Corp 太陽電池およびその製造方法
WO2010125861A1 (ja) * 2009-04-30 2010-11-04 シャープ株式会社 裏面電極型太陽電池およびその製造方法
JP2010103572A (ja) * 2010-02-08 2010-05-06 Sanyo Electric Co Ltd 太陽電池素子の製造方法及び太陽電池素子
WO2011111192A1 (ja) * 2010-03-10 2011-09-15 三菱電機株式会社 太陽電池セルの電極形成方法及び太陽電池セル
WO2011118688A1 (ja) * 2010-03-26 2011-09-29 三洋電機株式会社 太陽電池、太陽電池モジュール、電子部品及び太陽電池の製造方法
CN102290453A (zh) * 2010-06-21 2011-12-21 Lg电子株式会社 太阳能电池
US8981208B2 (en) 2010-06-21 2015-03-17 Lg Electronics Inc. Solar cell
EP2595196B1 (en) * 2010-06-25 2020-06-03 Kyocera Corporation Solar cell element
WO2013077038A1 (ja) 2011-11-22 2013-05-30 株式会社カネカ 太陽電池およびその製造方法、ならびに太陽電池モジュール
US9246026B2 (en) 2011-11-22 2016-01-26 Kaneka Corporation Solar cell and method of manufacture thereof, and solar cell module
US9812594B2 (en) 2011-11-22 2017-11-07 Kaneka Corporation Solar cell and method of manufacture thereof, and solar cell module
US10193007B2 (en) 2014-03-26 2019-01-29 Kaneka Corporation Solar cell module and method for manufacturing same
JPWO2015147225A1 (ja) * 2014-03-26 2017-04-13 株式会社カネカ 太陽電池モジュールおよびその製造方法
WO2015147225A1 (ja) * 2014-03-26 2015-10-01 株式会社カネカ 太陽電池モジュールおよびその製造方法
CN103996752A (zh) * 2014-06-10 2014-08-20 中节能太阳能科技(镇江)有限公司 一种太阳能电池正电极栅线制备方法
CN103996752B (zh) * 2014-06-10 2016-04-13 中节能太阳能科技(镇江)有限公司 一种太阳能电池正电极栅线制备方法
JP2016060906A (ja) * 2014-09-12 2016-04-25 Jsr株式会社 導電性膜形成用組成物、導電性膜、めっき膜の製造方法、めっき膜および電子機器
WO2024181058A1 (ja) * 2023-02-27 2024-09-06 株式会社カネカ 太陽電池の製造方法および太陽電池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5380371A (en) Photoelectric conversion element and fabrication method thereof
JP2939075B2 (ja) 太陽電池モジュール
AU695669B2 (en) Photovoltaic element, electrode structure thereof, and process for producing the same
US6184458B1 (en) Photovoltaic element and production method therefor
JP2992638B2 (ja) 光起電力素子の電極構造及び製造方法並びに太陽電池
US6051778A (en) Electrode structure, process production thereof and photo-electricity generating device including the electrode
US5681402A (en) Photovoltaic element
US6132585A (en) Semiconductor element and method and apparatus for fabricating the same
US4773942A (en) Flexible photovoltaic device
US6008451A (en) Photovoltaic device
KR100334595B1 (ko) 광기전력소자의제조방법
JPH0563218A (ja) 太陽電池及びその製造方法
JPH07106617A (ja) 透明電極及びその形成方法並びに該透明電極を用いた太陽電池
US5268039A (en) Photovoltaic device including shunt preventing layer and method for the deposition thereof
JP3619681B2 (ja) 太陽電池及びその製造方法
JPH06318724A (ja) 電極及び光起電力素子
JPH06140651A (ja) 太陽電池モジュール
JP3078936B2 (ja) 太陽電池
JPH06318723A (ja) 光起電力素子およびその作製方法
JP2000150929A (ja) 光起電力素子およびその製造方法
JP4585652B2 (ja) 光起電力素子及び光起電力素子の製造方法
JP3112339B2 (ja) 太陽電池モジュール
JPH0936404A (ja) 集電電極並びに光起電力素子及びその製造方法
JPH0563219A (ja) 太陽電池及びその製造方法
JPH0918040A (ja) 集電電極および光起電力素子