JPH084472A - 岩盤等の破砕装置 - Google Patents

岩盤等の破砕装置

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JPH084472A
JPH084472A JP16635594A JP16635594A JPH084472A JP H084472 A JPH084472 A JP H084472A JP 16635594 A JP16635594 A JP 16635594A JP 16635594 A JP16635594 A JP 16635594A JP H084472 A JPH084472 A JP H084472A
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JP
Japan
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water
capsule body
borehole
bore hole
rock
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JP16635594A
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English (en)
Inventor
Kenji Hagimori
健治 萩森
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Okumura Corp
Original Assignee
Okumura Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 岩盤に穿設したボアホールに挿入して蒸気圧
またはガス圧により岩盤を確実に破砕し得る装置を提供
する。 【構成】 紙製筒状袋1内の前半部に着火具4と該着火
具4に通電することによって発熱し且つその熱によって
高圧蒸気を発生させる結晶水を含む水酸化カルシウム、
水酸化アンチモン、ミョウバン等からなる爆破材2を装
填すると共に該爆破材2を吸水によって膨張して高粘度
の液状物となる粉末の高吸水性樹脂からなる目詰材3に
より包被させ、さらに、筒状袋1内の後半部にセメント
混合物よりなる固化材6を装填してカプセル体C2を形成
し、目詰材3と固化材6とに含水させたのち、このカプ
セル体C2をボアーホールB内に挿入し、固化材6により
ボアーホールBを閉塞させると共に目詰材3を膨張させ
てボアーホールB内の空気を排除させ、爆破材2の着火
により発生する高圧蒸気によって岩盤Aを破砕する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は岩盤や岩石、或いはコン
クリートを静的に破砕する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から岩盤を破砕する方法として発破
工法が広く実施されているが、振動、騒音が生じるため
に採用できないケースが増えてきており、そのため、静
的に破砕し得る工法が開発されている。この静的破砕工
法は、図14に示すように、岩盤Aに穿設したボアホール
Bに着火具Dを備えた破砕薬カプセルCを装填したの
ち、この破砕薬カプセル後方側のボアホールB内に湿潤
砂又はセメント系の固化材Eを充填してボアホールBを
閉塞し、しかるのち、ボアホールB外に導出しているリ
ード線Fを通じて着火具Dを電気的に着火させることに
より破砕薬を反応させて蒸気圧(ガス圧)を発生させ、
この蒸気圧によって岩盤に亀裂を生じさせるものであ
る。
【0003】上記破砕薬カプセルCは、酸化還元反応に
よって熱を生じさせる発熱材とその熱により蒸気又はガ
スを発生させる化合物とを筒状ケース体に充填してな
り、上記のように着火具Dが着火した時に発熱材が酸化
還元反応して熱を発し、その熱により化合物が瞬時に蒸
気状態又はガス状態に変化し、その蒸気圧、ガス圧によ
って岩盤Aを低振動下で引張破砕するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、破砕薬
カプセルCはボアーホールBよりも小径に形成して、ボ
アホールBに多少の曲がりが生じていても該ボアホール
Bの深部にまで円滑に挿入し得るようにしているため、
ボアーホールBの開口側を固化材によって閉塞した場合
でもこの破砕薬カプセルCとボアーホールBとの間に空
間が生じ、その空間に封入された空気によって蒸気圧
(ガス圧)が岩盤に有効に作用するのを阻害し、破砕力
が減少するという問題点がある。
【0005】さらに、岩盤には節理その他の亀裂Gが多
数、発生しており、穿設したボアーホールBに該亀裂G
が横断状態で存在していると、破砕薬カプセルCから発
生する蒸気やガスがこれらの亀裂G内に沿って岩盤内に
漏出し、ボアーホールB内を所定の岩盤破砕圧力まで上
昇させることができなくなって岩盤を破砕することがで
きない場合が生じる。本発明はこのような問題点を全面
的に解消し得る岩盤等の破砕装置の提供を目的とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に記載した岩盤等の破砕装置は、
岩盤に穿設されたボアホールよりも小径の網袋又は容易
に破断可能な材料よりなる筒状袋に爆発材と該爆発材を
包被して吸水により膨張する目詰材とを内包してカプセ
ル体を形成し、このカプセル体内の上記爆発材にリード
線を接続してなる構造を有している。
【0007】また、本発明の請求項2に記載した破砕装
置は、上記筒状袋内の前半部に爆発材と該爆発材を包被
して吸水により膨張する目詰材とを装填すると共に後半
部に固化材を装填してなるカプセル体を形成し、該カプ
セル体内の上記爆発材にリード線を接続してなる構造を
有している。
【0008】上記破砕装置において、爆発材は結晶水を
含む塩化カルシウム、水酸化アンチモン、水酸化アルミ
ニウム等のように着火による酸化還元反応によって蒸気
圧、又はガス圧が生じる材料であり、目詰材は高吸水性
樹脂であり、又、固化材はセメント混合物よりなるもの
である。なお、筒状袋は薄紙より形成しておいてもよ
く、また、請求項2に記載の破砕装置においては、筒状
袋に固化材を貫通して目詰材に連通するパイプを設けて
おいてもよい。
【0009】
【作用】カプセル体の筒状袋体はボアーホールよりも小
径に形成され且つ網袋や紙袋等は柔軟な材料よりなるの
で ボアホールに曲がり生じていたりその孔壁に凹凸面
があっても、該ボアーホール内に容易に挿入し得る。請
求項1に記載したカプセル体はボアーホールに挿入する
前に水に浸したのち直ちに挿入するものであり、挿入
後、該カプセル体の後方側のボアーホール内にセメント
混合物等の固化材を充填してボアーホールを閉塞する。
一方、請求項2に記載したカプセル体によればその後半
部に固化材を設けているので、水に浸したのち、ボアー
ホール内に挿入して固化材を突き固めれば、固化材は筒
状袋の網目を通じてまたは紙袋の場合には該袋を破壊し
てボアーホールの孔壁に密着し、ボアーホールを閉塞す
る。
【0010】また、カプセル体内の目詰材は予め浸した
水分の吸収によって膨張し、その膨張圧によって筒状袋
の網目を通じてまたは紙袋の場合には該袋を破壊しなが
らボアーホールの孔壁に密着する。その膨張によってボ
アーホールとカプセル体との間の空間に存在していた空
気が突き固め前の固化材を通じてボアーホール外に放出
され、さらには節理等の亀裂内を通じて岩盤内に漏出す
る。
【0011】なお、請求項7に記載しているように、請
求項2に記載したカプセル体において、その筒状袋内の
後半部に充填した固化材を貫通して前半部内に充填して
いる目詰材までパイプを挿入しておけば、そのパイプを
把持してボアーホール内へのカプセル体の挿入作業が容
易に行えるばかりでなく、挿入後、このパイプを通じて
水を供給することにより目詰材を膨張させることができ
ると共に固化材をゾル化させて突き固めを行うことがで
きる。
【0012】こうして、目詰材の膨張と固化材によるボ
アーホールの閉塞を行ったのち、外部からリード線を通
じて目詰材に包被された爆破材に通電すると、該爆破材
が発熱すると共にその熱によって瞬時に蒸気状態に変化
する。即ち、爆破材が請求項3に記載しているように、
結晶水を含む塩化カルシウム、水酸化アルチモン、水酸
化アルミニウム等よりなるので、これらの物質が通電に
よる着火で発熱すると同時に結晶水が蒸発して蒸気圧が
発生する。
【0013】この蒸気圧が目詰材を介してボアーホール
の孔壁に作用し、さらに、ボアーホールに節理等の亀裂
が存在する場合にはその亀裂内に目詰材が瞬時に充填さ
れて該亀裂部を密閉し、ボアーホール内の蒸気圧が一層
上昇してその蒸気圧によって岩盤の破砕を行うものであ
る。この破砕は岩盤に亀裂を生じさせることによって行
われるが、発生する亀裂内にも目詰材が入って亀裂面を
目詰めするので、蒸気やガスが岩盤内に浸透することに
よる圧力低下を生じさせることなく、確実に破砕するこ
とができるものである。
【0014】
【実施例】本発明の実施例を図面について説明すると、
図1は請求項1に記載した岩盤等の破砕装置を示すもの
で、吸水性を有する薄紙又は多数の小径通水孔が穿設さ
れている合成樹脂フイルム等のような破れ易い材料より
形成された筒状袋1内の中心部に爆破材2を装填すると
共にこの爆破材2を包被した目詰材3を充填してカプセ
ル体C1を形成してあり、このカプセル体C1の筒状袋1内
に装填した上記爆破材2に着火具4を取付け、該着火具
4にリード線5の先端部を接続すると共にこのリード線
5を目詰材3内から筒状袋1の後端を貫通させて外部に
引き出してなるものである。
【0015】カプセル体C1の筒状袋1は岩盤Aに穿設さ
れるボアホールBよりも小径に形成されてあり、上記の
ように破断が容易な材料よりなるものであるが、このよ
うな材料以外に編成された網袋を採用してもよく、要す
るに、使用時において内部の目詰材3が膨張した時に、
その膨張圧力によって容易に破壊もしくは網袋の場合に
は編目から流出してボアホールBの孔壁に該目詰材3が
密着するような構造となっておればよい。
【0016】爆破材2としては、塩化カルシウム(CaCl2
・6H2O) 、水酸化アンチモン(Sb2O3・nH2O、 Sb2O5・nH
2O) 、水酸化アルミニウム(Al2O3・nH2O) 、ミョウバン
(KAl(SO4)3・12H2O)、硫酸アルミニウム(Al2(SO4)3・18
H2O)、硫酸カルシウム(CaSO4・2H2O) 等のように着火に
よって発熱し、その熱により結晶水が蒸発して蒸気圧が
生じる化合物の1種又は2種以上を組み合わせたものが
使用される。
【0017】また、目詰材3としては、吸水によって膨
張して高粘度を有する液状物となる粉末の高吸水性樹脂
(高吸水性ポリマー)が用いられ、必要に応じてこの高
吸水性樹脂に適量の砂粒や短繊維を混合しておくことが
望ましい。
【0018】このように構成した岩盤破砕装置を使用し
て岩盤Aを破砕するには、まず、図2に示すように、岩
盤Aにカプセル体C1よりも大径のボアーホールBを所定
深さまで穿設する。なお、このようなボアーホールBは
先端にビットを装着したロッドを配設してなる周知の穿
孔機によって該ロッドを回転、打撃しながら掘削するこ
とができる。
【0019】このボアーホールB内にカプセル体C1を挿
入するものであるが、その挿入前に該カプセル体C1を水
槽中の水に1〜3分間浸漬し、目詰材3に吸水させる。
この際、筒状袋1は網袋よりなる場合にはその細かい編
目を通じて目詰材3に直接吸水させることができ、薄紙
よりなる場合においても水を内部に浸透させることがで
きるが、合成樹脂薄フイルムよりなる場合には筒状袋1
の後端開口部からしか吸水させることができないので、
上述したように該筒状袋1に全体的に多数の小径通水孔
又はスリットを設けておけばよい。
【0020】こうして、筒状袋1内の目詰材3に吸水さ
せたのち、このカプセル体C1をボアーホールB内の深部
にまで挿入する。この時、筒状袋1は柔軟な材料よりな
り且つその内部に装填している目詰材3は粉状の高吸水
性樹脂よりなるので、カプセル体C1は全体的に柔軟性を
有してボアーホールBが多少湾曲していても或いはボア
ーホールBの孔壁に凹凸面があっても容易に挿入するこ
とができる。
【0021】カプセル体C1をボアーホールB内の深部に
まで装填し且つリード線5を外部に引き出した状態にし
たのち、カプセル体C1の後方側のボアーホールB内に湿
潤砂、又は急結性のセメント系材料に水と共に砂を混練
したセメント混合物よりなる固化材6を充填し、ボアー
ホールBの開口部から棒状物等の適宜な道具を使用して
この固化材6を突き固めることにより図3に示すように
ボアーホールBを閉塞する。なお、セメント系材料とし
て膨張性のものを適量上記急結性セメント系材料に混合
させておいてもよい。
【0022】一方、ボアーホールB内に装填したカプセ
ル体C1内の高吸水性樹脂からなる目詰材3は、上記吸水
によって膨張すると共に高粘度の流体となり、その膨張
により筒状袋1が網袋からなる場合にはその網目を通じ
て、紙袋の場合には該袋を破りながら増大し、固化材6
によって封入されたボアーホールB内の空間に充満して
図4に示すようにボアーホールの孔壁に密着する。この
時、カプセル体C1とボアーホールB間の空間に存在して
いた空気が目詰材3の膨張によって突き固め前の固化材
を通じてボアーホール外に放出され、或いは突き固め後
においては節理等の亀裂内を通じて岩盤内に浸透、排出
されると共に該亀裂の開口部は目詰材3によって閉塞さ
れる。
【0023】こうして、目詰材3の膨張と固化材6によ
るボアーホールBの閉塞を行ったのち、外部からリード
線5に通電して爆破材2の着火具4を着火させると、爆
破材2が酸化還元反応を起こして発熱し、その熱によっ
て爆破材2の結晶水が極めて短時間(30〜50ms) で蒸気
状態等に変化し、このとき発生する蒸気、ガスの高圧力
によって岩盤Aを破砕するものである。
【0024】着火具4の着火から蒸気圧(ガス圧)の発
生による岩盤Aの破砕までは瞬間的に行われ、その間、
蒸気圧、ガス圧がボアーホールBの孔壁に密着している
膨張した目詰材3を介してボアーホールBの孔壁に作用
し、さらに、ボアーホールBに節理等の亀裂が存在する
場合にはその亀裂内に目詰材Bを蒸気圧によって充填さ
せて該亀裂部を密閉し、ボアーホールB内の蒸気圧を一
層上昇させて岩盤Aの破砕が行われるものである。この
破砕は、図5に示すように、岩盤Aに亀裂aを生じさせ
ることによって行われるが、発生する亀裂a内にも目詰
材3が入って亀裂面を目詰めするので、蒸気やガスが岩
盤A内に浸透することによる圧力低下が生じることな
く、確実に岩盤Aを破砕することができる。なお、目詰
材3に砂粒や単繊維を混合させておけば、該砂粒や単繊
維によって亀裂を一層確実に閉塞させることができる。
【0025】図6は本発明の請求項2に記載した岩盤等
の破砕装置の実施例を示すもので、請求項1に記載した
上記破砕装置のカプセル体C1に固化材6を一体に組み込
んだ構造としているものである。即ち、筒状袋1の前半
部に爆破材2と該爆破材2を包被した目詰材3とを装填
すると共に後半部に固化材6を装填してカプセル体C2を
形成し、爆破材2に取付けている着火具4にリード線5
の先端部を接続すると共にこのリード線5を目詰材3内
から筒状袋1の後端を貫通させて外部に引き出した構造
を有しているものである。なお、筒状袋1及び該筒状袋
1内に装填している爆破材2、目詰材3、固化材6とし
ては、上記カプセル体C1において述べたものと同一のも
のを使用している。
【0026】このように構成した破砕装置は、ボアーホ
ールB内に挿入する前に、上記請求項1に記載した破砕
装置と同様に、そのカプセル体C2を水槽中に1〜3分間
浸漬する。この時、カプセル体C2内に目詰材3と共に固
化材6を設けているので、筒状袋1を通してこれらの目
詰材3と固化材6に吸水させることができる。
【0027】次いで、カプセル体C2を図7に示すよう
に、ボアーホールB内の深部にまで挿入し、含水した固
化材6を棒状物等によって突き固めて図8に示すように
ボアーホールBを閉塞する。一方、含水した目詰材3は
膨張して固化材6により閉塞されたボアーホールB内の
空間部に充満し、ボアーホールBの孔壁を目詰した状態
に密着する(図9)。
【0028】こうして、目詰材3の膨張と固化材6によ
るボアーホールBの閉塞を行ったのち、外部からリード
線5に通電して爆破材2の着火具4を着火させると、爆
破材2が酸化還元反応を起こして発熱し、その熱によっ
て爆破材2の結晶水が極めて短時間(30〜50ms) で蒸気
状態等に変化し、このとき発生する蒸気、ガスの高圧力
によって岩盤Aを破砕するものである。
【0029】図10は上記請求項2に記載した破砕装置の
変形例を示すもので、カプセル体C2において、その筒状
袋1内に該筒状袋1の後端開口部から固化材6を貫通し
て目詰材3に達する給水パイプ7と空気抜きパイプ8と
を挿し込み、固化材6にこれらのパイプ7、8を固定、
支持させた構造のカプセル体C3を形成してなるものであ
る。なお、筒状袋1及び該筒状袋1内に装填している爆
破材2、目詰材3、固化材6としては、上記カプセル体
C1、C2において述べたものと同一のものを使用してい
る。
【0030】このように構成した破砕装置のカプセル体
C3は、上記カプセル体C1、C2のように水槽中に漬けて含
水させることなく、そのまゝボアーホールB内に挿入す
る。この際、カプセル体C3の筒状袋1から後方に延出し
ている給水パイプ7又は空気抜きパイプ8を把持して該
カプセル体C3を図11に示すように、ボアーホールB内の
深部にまで容易に挿入することができる。
【0031】挿入後、給水パイプ7を通じて外部から水
を供給し、該パイプ7の先端開口部から、又、必要に応
じてパイプ周壁に穿設している小孔を通じて目詰材3と
固化材6とに水を注入する。この注水によって目詰材3
が上記のように膨張する一方含水によりゾル化した固化
材6を棒状物で突き固めてボアーホールBを閉塞させる
(図12、図13図参照) 。
【0032】この際、カプセル体C3とボアーホールB間
の空間に存在していた空気が目詰材3の膨張によって突
き固め前の固化材を通じてボアーホール外に放出され、
或いは突き固め後においては節理等の亀裂内を通じて岩
盤内に浸透、排出させることができるが、このカプセル
体C3においては空気抜きパイプ8を設けているので、こ
のパイプ8を通じて確実にボアーホールB外に排気させ
ることができるものである。なお、この空気抜きパイプ
8は必ずしも必要としない。
【0033】こうして、目詰材3の膨張と固化材6によ
るボアーホールBの閉塞を行ったのち、パイプ7、8を
詰めると共に外部からリード線5に通電して爆破材2の
着火具4を着火させると、爆破材2が酸化還元反応を起
こして発熱し、その熱によって爆破材2の結晶水が極め
て短時間(30〜50ms) で蒸気状態等に変化し、このとき
発生する蒸気、ガスの高圧力によって岩盤Aを破砕する
ものである。なお、以上の各破砕装置によれば、岩盤の
破砕について説明したが、岩石或いはコンクリートの破
砕にも使用できるものである。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1に記載し
た岩盤等の破砕装置によれば、岩盤に穿設されたボアホ
ールよりも小径の網袋又は容易に破断可能な材料よりな
る筒状袋に熱により蒸気圧等の高圧力を発生する爆発材
と該爆発材を包被して吸水により膨張する高吸水性樹脂
等の目詰材とを内包してカプセル体を形成し、このカプ
セル体内の上記爆発材にリード線を接続してなるもので
あるから、カプセル体の取扱が容易で破砕作業が能率よ
く行えると共に、カプセル体全体が可撓性を有してボア
ーホールに孔曲がりがあったり孔壁に凹凸が生じていて
もボアホール内に容易に挿入することができるものであ
り、又、このカプセル体内の目詰材に水分を吸収させる
と該目詰材が膨張して筒状袋を破壊又は袋が網袋の場合
にはその網目を通してボアーホール内の破砕すべき部分
の空間部に充満させることができ、その部分の空気を確
実に排除することができると共にボアーホールの孔壁に
節理等の亀裂が発生していてもその亀裂内に目詰材を浸
入させて目止めすることができる。
【0035】従って、カプセル体の後方側のボアーホー
ル内にセメント混合物等の固化材を充填してボアーホー
ルを閉塞したのち、外部からリード線を通じて目詰材に
包被された爆破材に通電すると、該爆破材が発熱すると
共にその熱によって瞬時に高圧の蒸気状態に変化し、こ
の蒸気圧を蒸気やガス漏れが生じないように目詰めされ
たボアーホールの孔壁に確実に作用させて高圧力でもっ
て岩盤の破砕を行うことができるものであり、その上、
破砕時に発生する亀裂内にも爆破時にその爆破力によっ
て目詰材を浸入させて該亀裂部を密閉し、蒸気やガス漏
れが生じない状態にすることができるので、ボアーホー
ル内の蒸気圧を一層上昇させることができるばかりでな
く、特に、砂粒を混入している高吸水性樹脂からなる目
詰材を使用することによって該砂粒混入樹脂を亀裂内に
あたかも楔状に食い込ませることができるので、岩盤を
容易に且つ確実に破砕することができるものである。
【0036】さらに、この高吸水性樹脂からなる目詰材
は膨張した際に、非圧縮性で粘性液状物となるので、爆
破材の蒸気圧力を殆ど低下させることなくボアーホール
の孔壁に伝達することができる。
【0037】また、請求項2に記載した発明によれば、
カプセル体の後半部内に固化材を設けているので、カプ
セル体を水に浸すことによって目詰材と共に固化材にも
含水させることができ、該固化材によるボアーホールの
閉塞作業が一層容易に且つ能率よく行えるものである。
なお、請求項7に記載しているように、請求項2に記載
したカプセル体において、その筒状袋内の後半部に充填
した固化材を貫通して前半部内に充填している目詰材ま
でパイプを挿入しておけば、そのパイプを把持してボア
ーホール内へのカプセル体の挿入作業が容易に行えるば
かりでなく、挿入後、このパイプを通じて水を供給する
ことにより目詰材を膨張させることができると共に固化
材をゾル化させて突き固めを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載した破砕装置の簡略断面図、
【図2】ボアホール内に挿入した状態の簡略断面図、
【図3】固化材を詰め込んだ状態の簡略断面図、
【図4】目詰材を膨張させた状態の簡略断面図、
【図5】爆破させた状態の簡略断面図、
【図6】請求項2に記載した破砕装置の簡略断面図、
【図7】ボアーホール内に挿入した状態の簡略断面図、
【図8】固化材を突き固めた状態の簡略断面図、
【図9】目詰材を膨張させた状態の簡略断面図、
【図10】給水パイプを備えた破砕装置の簡略断面図、
【図11】ボアーホール内に挿入した状態の簡略断面
図、
【図12】固化材を突き固めた状態の簡略断面図、
【図13】目詰材を膨張させた状態の簡略断面図、
【図14】従来例を示す簡略縦断面図。
【符号の説明】
1 筒状袋 2 爆破材 3 目詰材 4 着火具 5 リード線 6 固化材 7 給水パイプ C1〜C3 カプセル体 A 岩盤 B ボアーホール

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 岩盤に穿設されたボアホールよりも小径
    の網袋又は容易に破断可能な材料よりなる筒状袋に爆発
    材と該爆発材を包被して吸水により膨張する目詰材とを
    内包してカプセル体を形成し、このカプセル体内の上記
    爆発材にリード線を接続してなることを特徴とする岩盤
    等の破砕装置。
  2. 【請求項2】 岩盤に穿設されたボアホールよりも小径
    の網袋又は容易に破断可能な材料よりなる筒状袋内の前
    半部に爆発材と該爆発材を包被して吸水により膨張する
    目詰材とを装填すると共に後半部に固化材を装填してカ
    プセル体を形成し、該カプセル体内の上記爆発材にリー
    ド線を接続してなることを特徴とする岩盤等の破砕装
    置。
  3. 【請求項3】 爆発材は結晶水を含む塩化カルシウム、
    水酸化アルチモン、水酸化アルミニウム等のように着火
    による酸化還元反応によって蒸気圧、又はガス圧が生じ
    る材料であることを特徴とする請求項1又は請求項2記
    載の岩盤等の破砕装置。
  4. 【請求項4】 目詰材は高吸水性樹脂であることを特徴
    とする請求項1又は請求項2記載の岩盤等の破砕装置。
  5. 【請求項5】 筒状袋は薄紙よりなることを特徴とする
    請求項1又は請求項2記載の岩盤等の破砕装置。
  6. 【請求項6】 固化材はセメント混合物であることを特
    徴とする請求項2記載の岩盤等の破砕装置。
  7. 【請求項7】 筒状袋に固化材を貫通して目詰材に連通
    するパイプを設けていることを特徴とする請求項2又は
    請求項6記載の岩盤等の破砕装置。
JP16635594A 1994-06-23 1994-06-23 岩盤等の破砕装置 Pending JPH084472A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100441222B1 (ko) * 2001-09-05 2004-07-22 강대우 장약층 내부에 매장(埋藏)되는 공기주머니를 이용한 암반발파방법
CN114608399A (zh) * 2022-03-28 2022-06-10 嵩县金牛有限责任公司 一种用于矿山掘进爆破的便捷式封孔方法
CN115046445A (zh) * 2022-06-30 2022-09-13 广东中人爆破工程有限公司 一种炮孔快速填塞的方法

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