JPH0369773A - 膨張剤による塊状物の破砕方法および膨張剤への注水装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は生石灰等からなる膨張剤の水和エネルギーを
利用してコンクリート、あるいは岩石等の塊状物を水平
方向に沿い破砕する方法、および水和反応に必要とする
水を膨張剤に注水する注水装置に関する。

〔発明が解決しようとする課題〕

コンクリート等の塊状物に装填孔を穿孔し、この孔に充
填した膨張剤の水和エネルギーを利用して塊状物を静的
に破砕する方法が実用化されている。この破砕方法には
、従来、粉末状の膨張剤を用い膨張剤と水を装填孔外で
予め混合しておき、これを速やかに装填孔に装填し破砕
する方法と、粒状の膨張剤を先ず装填孔に充填し、装填
孔内で注水して水和反応を起こさしめ破砕する方法とが
あった。

塊状物を垂直方向に沿い破砕するため、下向き垂直方向
の装填孔を穿孔した場合は、膨張剤を予め水で混合する
方法でも、装填孔内で注水する方法でも自由に選定して
行なうことができる。しかし、水平方向に破砕するため
に水平方向の装填孔を穿孔した場合には、開口端から液
が流れ出てしまうので垂直方向の場合のように膨張剤を
装填できなかった。

水平方向の装填孔に膨張剤を装填するには、通常装填孔
の開口端に栓を嵌め、この栓に穿孔した孔から、粉末状
の膨張剤に予め水を混合したスラリー状物を注入する等
の手段がとられていた。粒状の膨張剤のみを用いて装填
孔内で注水する方法は実用化されていなかった。

粉末状の膨張剤に予め水を混合して用いる場合は、水和
反応が早く進行するので、手早く装填孔に装填しなくて
はならない。また、気温が高い（１５℃以上）場合、あ
るいは孔径が大きい（５０ｍｍφ以上）場合等には水和
反応による熱エネルギーが孔内の膨張剤内に蓄積され、
水分の一部が水蒸気となり、これが孔外に爆発的に突出
する危険がある。従って、予め水を混合した粉末状膨張
剤を、比較的手間がかかる水平方向の装填孔に装填する
作業は危険性があり、これに代わる安全性が高い方法が
求められていた。

この発明は上記問題点に着目しなされたものである。そ
の目的は、膨張剤による塊状物の破砕作業の作業能率が
優れ、かつ安全性が高い、破砕方法およびこの破砕方法
で用い好適な膨張剤への注水装置を提案するにある。

〔課題を解決するための手段〕

この膨張剤による塊状物の破砕方法は塊状物に略水平方
向の装填孔を穿孔し、この装填孔内に粒状の膨張剤を充
填し、Ｌ形管体をその一端を前記装填孔の開口端部に嵌
着し、その他端部を略垂直方向に立上げて取付け、前記
他端部開口端から装填孔内の膨張剤に注水して水和反応
せしめることを特徴とする。他の一つの発明になる膨張
剤への注水装置は、膨張剤により破砕すべき塊状物に穿
孔した略水平方向の装填孔に充填した膨張剤に水和反応
に必要とする水を注水する装置であって、Ｌ形管体から
なり一端部外周面は前記装填孔の開口端に差込み密に嵌
着すべく弾性体からなることを特徴とする。

この破砕方法で用いる膨張剤は粒状のものであり、粒径
ｌｆｆ１ｍ−１０ｍｍの範囲のものが好適である。より
好ましくは、アーモンド程度の大きさの高密度成形体を
解砕してなった粒状の膨張剤である。このような膨張剤
は、圧縮空気により容易に装填孔に充填でき、粒子間に
形成された空隙は水和反応に必要とする水が容易に浸入
することができ、水和反応を適度な速度に制御すること
ができる。

〔実　施　例〕

以下、図示する実施例により説明する。

第１図において、コンクリート造の塊状物ｌの垂直な壁
面に開口した水平方向の装填孔２（孔径４０ｍｍ、長さ
１００　ｃｍ）を穿孔し、この孔２内に圧気により高密
度成形体を解砕してなった粒状の膨張剤３を充填する。

その開口端にＬ形管体からなる注水装置４の一端を嵌着
し、他端を壁面に沿い垂直に立上げて取付ける。取付け
た注水装置４の立上った他端から水５を注入する。この
水は管体内を流下し、装填孔２内の膨張剤３の粒体間空
隙容量に見合った量だけ流入し、水和反応を起こさしめ
、その水和エネルギーによる膨張圧で塊状物１を水平方
向に沿い破砕する。注入した水５の余剰分は注水装置４
の立上り部分に滞留する。

第２図はＬ形管体からなる実施例の注水装置４であり、
塩化ビニル樹脂製の折曲管６の一端に内面が高密度ポリ
エチレン樹脂製のライナー７、外周面が低密度ポリエチ
レン発泡体等の弾性体８からなる外径４０ｍｍの水平筒
部９を嵌着接合し、その他端に高密度ポリエチレン樹脂
製の透明な垂直筒部１０を嵌着接合し構成されている。

この注水装置４は、外周面が弾性体８となった水平筒部
９を第１図の装填孔２の開口端に差込み、垂直筒部ｌＯ
を垂直に立上げ装填孔２に取付けられる。この際に、コ
ンクリート造の塊状物１に穿孔した装填孔２の面は著し
く粗面であるにかかわらず水平筒部９の外周面の弾性体
８は装填孔２内面に密に嵌着し、水密性とすることがで
きる。従って、立上った垂直筒部１０端から注入した水
は漏出することなく確実に装填孔２内に流入せしめるこ
とができる。

垂直筒部１０は長さ３０ｃｍ、径３５ｍｍで、立上った
上端開口部から１回の注水で、装填孔２内に充填した膨
張剤３が必要とする水量を送り込むことができる。垂直
筒部１０が透明であると注入水量、筒内に滞留する余剰
水量、あるいは膨張剤から発生するガス量等が観測でき
好適である。

注水装置４は合成樹脂あるいはその発泡体等の軽量材を
用いると、仮に装填孔内の膨張剤が噴出し、これに同伴
して注水装置が突出しても、当たって受ける損傷を小に
とどめることができ好ましい。

〔作　　　用〕

この発明は以上の通りである。この破砕方法は、粒状の
膨張剤を充填した水平方向の装填孔にＬ形管体の注水装
置を用いることにより、１回の注水で必要にして充分な
量の水を供給し、水和反応を行なわしめることができる
。従って、従来のように装填孔の開口端に栓を嵌込み、
水を混合した膨張剤スラリーを注入する等の繁雑で忙し
い作業の必要がなく、段取りよく、能率よく破砕作業を
行なうことができる。従来は水を混合し水和反応が進行
している膨張剤を装填孔に注入するので、噴出時には作
業者が被災し易いが、この方法では短時間、１回で充分
な注水ができ、装填孔内ではじめて膨張剤と水が接触し
水和反応が開始するものであるので、作業者が罹災する
恐れがない。また、作業者は装填孔の正面から外れた位
置で注水作業ができるので、この点からも安全性が極め
て高い。

この発明になる膨張剤への注水装置は、外周面が弾性体
からなる一端部を、装填孔の粗面をなした開口端に差込
み、密に嵌着することができる。従って、立上った他端
部開口端から注入した水が漏出せず、１回、短時間の注
水で必要にして充分な水を水平の装填孔内に流入せしめ
水和反応を行なわしめることができる。

〔発明の効果〕

この破砕方法および注水装置は、水平方向の装填孔に膨
張剤を充填し、コンクリートあるいは岩石等の塊状物を
破砕する作業の能率化と安全性を著しく高めることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の実施例を示すものであり、第１図は、
膨張剤によるコンクリート造塊状物の破砕方法を示す縦
断面図、第２図は、膨張剤への注水装置の断面図である
。 １・・・・・・コンクリート造塊状物、２・・・・・・
装填孔、３・・・・・・粒状膨張剤、４・・・・・・注
水装置、５・・・・・・水、６・・・・・・折曲管、７
・・・・・・ライナー、８・・・・・・弾性体、９・・
・・・・水平筒部、１０・・・・・・垂直筒部第１図 第２図

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）塊状物に略水平方向の装填孔を穿孔し、この装填
   孔内に粒状の膨張剤を充填し、Ｌ形管体を、その一端を
   前記装填孔の開口端部に嵌着し、その他端部を略垂直方
   向に立上げて取付け、前記他端部開口端から装填孔内の
   膨張剤に注水して水和反応せしめることを特徴とする膨
   張剤による塊状物の破砕方法。
2. （２）膨張剤により破砕すべき塊状物に穿孔した略水平
   方向の装填孔に充填した膨張剤に水和反応に必要とする
   水を注水する装置であって、Ｌ形管体からなり一端部外
   周面は前記装填孔の開口端に差込み密に嵌着する弾性体
   からなることを特徴とする膨張剤への注水装置。