JP2021188465A - 地盤改良方法 - Google Patents

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恵祐 田中
Keisuke Tanaka
詩瑶 中本
Shion Nakamoto
里衣 笹岡
Rie Sasaoka
佳克 米丸
Yoshikatsu Yonemaru
聡碩 松本
Akihiro Matsumoto
道孝 岡本
Michitaka Okamoto
勝利 藤崎
Katsutoshi Fujisaki
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Abstract

【課題】サンドコンパクションパイル工法における地盤の締固め効果を増大させる。【解決手段】地盤中に砂杭材料5からなる砂杭6を造成することにより地盤を締固める地盤改良方法は、砂杭材料5が装入された筒状のケーシング1を地盤中に貫入する貫入工程(S1〜S3)と、ケーシング1の先端1aから砂杭材料5を地盤中に排出しながらケーシング1を引き上げる引き上げ工程(S7〜S9)と、この排出された砂杭材料5を加熱する加熱工程(S7〜S9)と、を含む。砂杭材料5は砂材と熱膨張性粒子とを含む。加熱工程(S7〜S9)では、砂杭材料5中の熱膨張性粒子が加熱されて膨張する。【選択図】図5

Description

本発明は、地盤中に砂杭を造成することにより地盤を締固める地盤改良方法に関する。
従来、軟弱地盤の改良方法の一例として、サンドコンパクションパイル工法(SCP工法)が知られている。この工法は、軟弱地盤中に大径の砂杭(サンドコンパクションパイル:SCP)を造成することで地盤を安定化する工法であり、すべり破壊の防止、液状化の防止、沈下量の低減、及び地盤強度の増加等を目的として実施される。このような工法は特許文献1に開示されている。
特開2017−082468号公報
しかしながら、従来のSCP工法については地盤の締固め効果の増大が望まれている。
本発明は、このような実状に鑑み、従来のSCP工法をベースとして簡易に地盤の締固め効果を増大させることを目的とする。
そのため本発明に係る地盤改良方法は、地盤中に砂杭材料からなる砂杭を造成することにより地盤を締固める地盤改良方法である。本発明に係る地盤改良方法は、砂杭材料が装入された筒状のケーシングを地盤中に貫入する貫入工程と、ケーシングの先端から砂杭材料を地盤中に排出しながらケーシングを引き上げる引き上げ工程と、この排出された砂杭材料を加熱する加熱工程と、を含む。砂杭材料は砂材と熱膨張性粒子とを含む。加熱工程では、砂杭材料中の熱膨張性粒子が加熱されて膨張する。
本発明によれば、加熱工程にて砂杭材料中の熱膨張性粒子が加熱されて膨張する。これにより、熱膨張性粒子の膨張圧が発生するので、その圧力によって周辺地盤がより締固められる。従って、簡易に地盤の締固め効果を増大させることができる。
本発明の第1実施形態における砂杭造成方法を示す図 ケーシングに取り付けられた蒸気供給管を示す断面図 蒸気供給管の先端に設けられた逆止弁を示す図 熱膨張性粒子用の空気圧送システムを示す図 本発明の第2実施形態における砂杭造成方法を示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態における砂杭造成方法を示す図である。尚、図1では、図示簡略化のため、後述する蒸気供給管10の図示を省略している。
本実施形態では、地盤中に砂杭を造成することにより地盤を締固める地盤改良方法の一例として、図1に示す砂杭造成方法が実行される。
本実施形態における砂杭造成方法では、例えば、円形断面を有する筒状のケーシング(換言すれば、ケーシングパイプ)1に砂杭材料受入口2から砂杭材料5を装入し、バイブロハンマ等の振動機3により振動を与えると共に、ケーシング1の貫入、引き上げ、及びケーシング1の先端(下端)1aによる打ち戻しを繰り返す打ち戻し式により造成される。詳細には、無限軌道式走行車体に支持されたリーダー(図示せず)を介して支承され、砂杭材料受入口2及び振動機3を備えたケーシング支承ホルダ4により、ケーシング1の上端部が支承される。ケーシング1が支承された状態で、図1に示した、ステップS1〜S6の施工順序で、砂杭6が造成され得る。ここにおいて、砂杭6は、サンドコンパクションパイル(SCP)と称され得るものである。
本実施形態における砂杭造成方法では、まず、ケーシング1をリーダーに沿って立設させ、所定の位置に据える位置決めを行う(図1のステップS1参照)。
次に、振動機3を起動し、ケーシング1を地盤中の所定深度まで貫入する(図1のステップS1〜S3参照)。この貫入完了に先立って、砂杭材料受入口2からケーシング1内に砂杭材料5が装入され得る。また、この貫入完了後に、砂杭材料受入口2からケーシング1内に砂杭材料5が装入され得る。ここで、図1のステップS1〜S3が本発明の「貫入工程」に対応する。
次に、ケーシング1を所定の高さだけ引き上げながら、圧縮空気等の排出手段を使用してケーシング1内の砂杭材料5をケーシング1の先端1aから排出する(図1のステップS4参照)。ここで、図1のステップS4が本発明の「引き上げ工程」に対応する。
続いて、ケーシング1を地盤中に降下させて地盤中の砂杭材料5をケーシング1の先端1aを用いて打ち戻し、砂杭材料5を締固めて、拡径する(図1のステップS5参照)。ここで、図1のステップS5が本発明の「打ち戻し工程」に対応する。
ケーシング1の貫入及び引き上げ、並びに砂杭材料5の排出及び締固めを繰り返し、砂杭6を造成する(図1のステップS6参照)。このとき、例えば、ケーシング1の先端1aが軌跡P1を描くようにして、砂杭6を造成する。このようにして造成された砂杭6が地盤の前後方向あるいは左右方向に間隔を空けて複数設けられることにより、地盤が改良される。すなわち、本実施形態における地盤改良方法では、地盤中に砂杭材料5からなる砂杭6を地盤の前後方向あるいは左右方向に複数、間隔を空けて造成することにより、地盤を締固める。
本実施形態では、砂杭材料5は、少なくとも、砂材と熱膨張性粒子とを含む。ここで、熱膨張性粒子は、例えば、熱可塑性の重合体で形成された外殻と、この外殻中に内包された揮発性の膨張剤とを含んで形成されている。揮発性の膨張剤としては、低沸点有機溶剤で形成されたものが好ましい。熱膨張性粒子は、1μm〜100μmの範囲内の平均粒径を有するものが好ましく、5μm〜70μmの範囲内の平均粒径を有するものが更に好ましい。熱膨張性粒子は、膨張開始温度(発泡開始温度)が70℃以上であることが好ましい。つまり、熱膨張性粒子は、70℃未満では膨張(発泡)しないことが好ましい。これにより、熱膨張性粒子が気象変化などで膨張することを防止することができる。熱膨張性粒子としては、例えば、松本油脂製薬株式会社製のマツモトマイクロスフェアー(登録商標)F、FNシリーズや、積水化学工業株式会社製のアドバンセル(登録商標)EMなどを用いることができる。
本実施形態では、前述の引き上げ工程(ステップS4)及び/又は打ち戻し工程(ステップS5)にて、ケーシング1の先端1aから既に排出された地盤中の砂杭材料5を加熱することで、当該砂杭材料5中の熱膨張性粒子を膨張させて拡径させる。これにより、砂杭6が拡径されることとなり、地盤の締固め効果が増大する。
すなわち、本実施形態では、前述の引き上げ工程(ステップS4)に並行して、及び/又は、前述の打ち戻し工程(ステップS5)に並行して、加熱工程が実行され、この加熱工程では、ケーシング1の先端1aから既に排出された地盤中の砂杭材料5中の熱膨張性粒子が加熱されて膨張する。
本実施形態では、ケーシング1の先端1aから既に排出された地盤中の砂杭材料5を加熱する手段の一例として、図2及び図3に示す蒸気供給管10の内部を流通可能な加熱蒸気が用いられる。
図2は、ケーシング1の外周面1bに取り付けられた蒸気供給管10を示す断面図である。図3は、蒸気供給管10の先端(下端)に設けられた逆止弁15を示す図である。ここで、図3(A)は逆止弁15の閉弁状態を示し、図3(B)は逆止弁15の開弁状態を示す。
図2及び図3に示すように、ケーシング1の外周面1bには複数本(図2では4本)の蒸気供給管10がケーシング1の周方向に互いに間隔を空けて(好ましくは等間隔に)設けられている。尚、ケーシング1の外周面1bに取り付けられる蒸気供給管10の本数は4本に限らず任意の本数であり得る。
蒸気供給管10は、ケーシング1と平行に延びている。本実施形態では、蒸気供給管10は、外管12と内管11とからなる2重管構造を有する。蒸気供給管10(外管12及び内管11)の先端(下端)は、ケーシング1の先端(下端)1aより下方に突出している。蒸気供給管10(外管12及び内管11)の先端(下端)には逆止弁15が設けられている。
蒸気供給管10の内管11内を加熱蒸気が流通可能である。この加熱蒸気は、地上のボイラ(図示せず)から蒸気配管(図示せず)を介して蒸気供給管10の内管11内に供給され、更に、内管11の先端(下端)から外部に放出され得る。
蒸気供給管10の内管11内を流通する加熱蒸気からの熱がケーシング1に伝わると、ケーシング1内に装入されている砂杭材料5中の熱膨張性粒子が膨張しかねない。この対策として、蒸気供給管10の外管12と内管11との間の空間内には、エアロゲルなどの断熱材が装入されていることが好ましい。また、蒸気供給管10の外管12と内管11との間の空間に空気が存在するだけでも、断熱効果がある。
逆止弁15は、蒸気供給管10の先端(下端)の開口を塞ぐことが可能な蓋16と、蓋16を蒸気供給管10の先端(下端)に取り付ける蝶番17とにより構成されている。尚、本実施形態では、逆止弁15が蓋16と蝶番17とにより構成される例を挙げて説明したが、逆止弁15の構成はこれに限らない。逆止弁15については、蒸気供給管10の内管11の先端(下端)から外部への加熱蒸気の放出を許容し、かつ、外部からの異物が蒸気供給管10の先端(下端)から蒸気供給管10内に入り込ませない機能を実現できればよい。
蒸気供給管10の内管11の先端(下端)から放出される加熱蒸気の圧力(吐出圧)は、0.1Mpa以上であることが好ましく、0.3MPa以上であることが更に望ましい。
ここで、砂杭6の造成時に砂材に添加される熱膨張性粒子の添加量の決定方法の一例について説明する。
砂杭6の造成において砂杭材料5が熱膨張性粒子を含まない場合を仮定したときの砂杭6’の締固め後の間隙比をe、熱膨張性粒子の膨張前の粒子密度をρ[t/m]、体積膨張率をn[%]とする。
熱膨張性粒子の膨張後の体積が、砂杭6の造成において砂杭材料5が熱膨張性粒子を含まない場合を仮定したときの砂杭6’中の間隙体積を上回らないと、熱膨張による締固めが生じないため、これを満たすように熱膨張性粒子の添加量を決定する。このとき、以下の式(1)〜(3)により、熱膨張性粒子の添加量W[t]を決めることができる。
まず、砂杭6’の1mあたりの間隙体積VVS[m]を以下の式(1)で求める。
VS=e÷(1+e) ・・・(1)
次に、砂杭6’の1m中の間隙充填に必要な熱膨張性粒子の重量WMINを以下の式(2)で求める。
MIN=VVS×(n/100)×ρ ・・・(2)
この重量WMINは砂杭6’の1m中の間隙を完全に充填するのに必要な熱膨張性粒子の重量を理論的に求めたもので、砂杭6’を更に膨張させ、周辺地盤の密度を更に向上させる場合は、当式で求めた重量WMINの約1〜3倍の量の熱膨張性粒子を砂材に混合することが望ましい。
ゆえに、熱膨張性粒子の添加量W[t]は、以下の式(3)で求めることができる。
W=K×WMIN ・・・(3)
ここで、Kは1以上の値であり、好ましくは、1≦K≦3である。
仮に、式(1)〜(3)において、e=0.609とし、ρ=0.2とし、n=1000とし、K=1とした場合には、熱膨張性粒子の添加量Wは0.0076[t](すなわち7.6[kg])となる。
従って、砂杭材料5を作成に関しては、前述の加熱工程で膨張した後の熱膨張性粒子の体積が、砂杭6の造成において砂杭材料5が熱膨張性粒子を含まない場合を仮定したときの砂杭6’中の間隙体積VVSを上回るように、砂杭材料5が作成されることが好ましい。
以下、熱膨張性粒子の添加方法(砂杭材料5の作成方法)の第1例〜第3例を説明するが、熱膨張性粒子の添加方法(砂杭材料5の作成方法)はこれらに限らない。
熱膨張性粒子の添加方法の第1例では、コンクリートミキサーのような混合装置を用いて、砂材に熱膨張性粒子を混合する。
熱膨張性粒子の添加方法の第2例では、現場において砂材のマウンドを造成して、その上部に熱膨張性粒子を散布し、バックホウ等で混合する。
熱膨張性粒子の添加方法の第3例について、図4を用いて説明する。図4は、熱膨張性粒子用の空気圧送システム20を示す図である。
この空気圧送システム20は、熱膨張性粒子が溜められたタンク21と、タンク21からサンドホッパ7まで延びる配管22と、配管22の途中に設けられた圧送ポンプ23及び流量計24と、制御装置25とを備える。ここで、サンドホッパ7とは、砂杭材料5を砂杭材料受入口2に投入する際に用いられるものであり、図示しないクレーン等によって昇降自在となっている。また、サンドホッパ7は、上面開口の容器であり、その下端部に容器内の収容物を排出するための排出口と、この排出口を開閉する開閉手段とを備えている。
この空気圧送システム20では、タンク21内の熱膨張性粒子が、圧送ポンプ23の運転により、配管22を介して、サンドホッパ7まで風管輸送される。制御装置25は、所定量の熱膨張性粒子をサンドホッパ7に供給した後に自動的に圧送ポンプ23の運転を停止するように、流量計24の流量測定値に基づいて、圧送ポンプ23の運転を制御することができる。
熱膨張性粒子の添加方法の第3例では、地上にて、この空気圧送システム20を用いて、サンドホッパ7まで所定量の熱膨張性粒子を風管輸送し、その後に、ホイルローダ等を用いて砂材をサンドホッパ7に積み込む。その後、サンドホッパ7をクレーン等で吊り上げ、サンドホッパ7内の砂材及び熱膨張性粒子(すなわち砂杭材料5)を砂杭材料受入口2に投入してケーシング1の内部に落下させる。この落下の途中で、砂材と熱膨張性粒子とが良好に混合する。
尚、前述の熱膨張性粒子の添加方法の第3例では、サンドホッパ7内に熱膨張性粒子を入れた後に砂材を入れたが、これとは逆に、サンドホッパ7内に砂材を入れた後に熱膨張性粒子を入れてもよい。又は、サンドホッパ7内に砂材と熱膨張性粒子とを同時に入れてもよい。
本実施形態によれば、地盤中に砂杭材料5からなる砂杭6を造成することにより地盤を締固める地盤改良方法は、砂杭材料5が装入された筒状のケーシング1を地盤中に貫入する貫入工程(ステップS1〜S3)と、ケーシング1の先端1aから砂杭材料5を地盤中に排出しながらケーシング1を引き上げる引き上げ工程(ステップS4)と、この排出された砂杭材料5を加熱する加熱工程と、を含む。砂杭材料5は砂材と熱膨張性粒子とを含む。加熱工程では、砂杭材料5中の熱膨張性粒子が加熱されて膨張する。ゆえに、熱膨張性粒子の膨張圧が発生するので、その圧力によって周辺地盤がより締固められる。従って、簡易に地盤の締固め効果を増大させることができる。
また本実施形態によれば、地盤改良方法は、引き上げ工程(ステップS4)の後にケーシングを打ち戻すことにより、地盤中に排出された砂杭材料5を締固める打ち戻し工程(ステップS5)を更に含む。これにより、当該砂杭材料5を締固めて拡径することができ、この拡径によって、周辺地盤をより締固めることができる。
また本実施形態によれば、加熱工程は、打ち戻し工程(ステップS5)に並行して実行される。これにより、打ち戻し工程と加熱工程とを一括して実行することができる。
また本実施形態によれば、加熱工程は、引き上げ工程(ステップS4)に並行して実行される。これにより、引き上げ工程と加熱工程とを一括して実行することができる。尚、ケーシング1の引き上げ速度については、加熱対象である砂杭材料5中の熱膨張性粒子が良好に熱膨張するように適宜設定され得る。
また本実施形態によれば、熱膨張性粒子の膨張開始温度が70℃以上である。これにより、熱膨張性粒子が気象変化などで膨張することを防止することができる。
また本実施形態によれば、ケーシング1の外周面1bには、ケーシング1と平行に延びて内部を加熱蒸気が流通可能な蒸気供給管10が設けられている。加熱工程では、蒸気供給管10の先端から放出される加熱蒸気により、砂杭材料5を加熱する。これにより、簡素な構成で砂杭材料5の加熱を行うことができる。
また本実施形態によれば、蒸気供給管10は外管12と内管11とからなる2重管構造を有する。内管11内を加熱蒸気が流通可能である。好ましくは、外管12と内管11との間の空間内に断熱材が装入されている。これにより、蒸気供給管10の内管11内を流通する加熱蒸気からの熱がケーシング1に伝わることを抑制することができる。
また本実施形態によれば、加熱工程で膨張した熱膨張性粒子の体積が、砂杭6の造成において砂杭材料5が熱膨張性粒子を含まない場合を仮定したときの砂杭6’中の間隙体積VVSを上回るように、砂杭材料5を作成する。これにより、熱膨張性粒子の熱膨張による締固めの効果を確実に得ることができる。
図5は、本発明の第2実施形態における砂杭造成方法を示す図である。尚、図5においても、図示簡略化のため、蒸気供給管10の図示を省略している。
前述の第1実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態では、貫入工程(ステップS1〜S3)の後に、引き上げ工程(ステップS7〜S9)を一連で実行することで、砂杭6を造成する。つまり、前述の打ち戻し工程(ステップS5)が省略されている。このとき、例えば、ケーシング1の先端1aが軌跡P2を描くようにして、砂杭6を造成する。
本実施形態では、引き上げ工程(ステップS7〜S9)にて、ケーシング1の先端1aから既に排出された地盤中の砂杭材料5を加熱することで、当該砂杭材料5中の熱膨張性粒子を膨張させて拡径させる。これにより、砂杭6が拡径されることとなり、地盤の締固め効果が増大する。
すなわち、本実施形態では、引き上げ工程(ステップS7〜S9)に並行して加熱工程が実行され、この加熱工程では、ケーシング1の先端1aから既に排出された地盤中の砂杭材料5中の熱膨張性粒子が加熱されて膨張する。
特に本実施形態によれば、前述の打ち戻し工程を省略することができるので、従来に比べて砂杭造成の施工時間を大幅に短縮することができると共に、施工時の振動及び騒音を低減することができる。すなわち、締固め工期を短縮することができ、また、締固め中の振動及び騒音を低減することができる。
ところで、SCP工法では、一般に、φ400mm程度のケーシング1が用いられる。それゆえ、造成される砂杭の直径は700mm程度である。この点、前述の第1及び第2実施形態にて造成される砂杭6の直径は、700mmよりも大きくなる(例えば800〜900mm程度になり得る)。従って、従来に比べて、造成される砂杭間の間隔を大きくすることができるので、その分、砂杭の造成本数を減らすことができる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
前述の第1及び第2実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態では、砂杭材料5が、砂材と造粒物とを含んでいる。この造粒物は、前述の熱膨張性粒子と、加重材と、加重材を熱膨張性粒子に付着させるバインダーとを含む。本実施形態では、バインダーとしてセメント及び水を用いるが、この他、糊などの接着材でもよい。
加重材は、密度が大きい材料からなり、例えば、鉄粉、高炉水砕スラグ微粉末、及び銅スラグの少なくとも1つを含む。加重材の比重は、3g/cm以上であることが好ましい。
本実施形態では、熱膨張性粒子と加重材とバインダー(セメント及び水)とを混合して造粒することで、造粒物を形成する。ここで、セメントの添加量は、造粒物の一軸圧縮強さが8N/mm以下となるように定める。これ以上強度が大きくなると、熱膨張性粒子が拘束されて膨張できなくなるからである。これは本発明者が実験等により得た知見である。造粒物の一軸圧縮強さの測定方法は、コンクリートの一軸圧縮強さの測定方法と同様であり、例えば、JIS A 1108に沿って測定され得る。
本実施形態では、例えば、前述の貫入工程(ステップS1〜S3)に先立って、砂杭材料5を作成する。この工程が本発明の「砂杭材料作成工程」に対応する。この工程は、熱膨張性粒子と加重材とバインダーとを混合することにより造粒物を形成する造粒物形成工程と、造粒物を砂材に混合する造粒物混合工程とを含む。この造粒物混合工程については、例えば、前述の熱膨張性粒子の添加方法の第1例〜第3例において、熱膨張性粒子を造粒物とすればよい。
特に本実施形態によれば、砂杭材料5は、砂材と、熱膨張性粒子と、加重材と、加重材を熱膨張性粒子に付着させるバインダーとを含む。地盤改良方法は、貫入工程(S1〜S3)に先立って砂杭材料5を作成する砂杭材料作成工程を更に含む。砂杭材料作成工程は、熱膨張性粒子と加重材とバインダーとを混合することにより造粒物を形成する造粒物形成工程と、造粒物を砂材に混合する造粒物混合工程と、を含む。これにより、比重が小さい熱膨張性粒子を造粒化して比重を大きくすることができるので、砂材への混合時の粉塵の発生を抑制することができ、また、当該混合作業を効率よく行うことができる。
また本実施形態によれば、造粒物の一軸圧縮強さが8N/mm以下である。これにより、造粒化に伴う熱膨張性粒子の膨張性能の低下を防止することができる。
また本実施形態によれば、バインダーはセメントを含む。また、加重材は、鉄粉、高炉水砕スラグ微粉末、及び銅スラグの少なくとも1つを含む。しかしながら、バインダー及び加重材はこれらに限らない。
尚、前述の第1〜第3実施形態では、熱膨張性粒子を熱膨張させるために加熱蒸気を用いたが、この他、温められた地下水を用いてもよい。すなわち、加熱工程にて用いられる加熱手段は加熱蒸気に限らない。
また、図示の実施形態はあくまで本発明を例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。
1…ケーシング、1a…先端、1b…外周面、2…砂杭材料受入口、3…振動機、4…ケーシング支承ホルダ、5…砂杭材料、6,6’…砂杭、7…サンドホッパ、10…蒸気供給管、11…内管、12…外管、15…逆止弁、16…蓋、17…蝶番、20…空気圧送システム、21…タンク、22…配管、23…圧送ポンプ、24…流量計、25…制御装置

Claims (14)

  1. 地盤中に砂杭材料からなる砂杭を造成することにより地盤を締固める地盤改良方法であって、
    前記砂杭材料が装入された筒状のケーシングを地盤中に貫入する貫入工程と、
    前記ケーシングの先端から前記砂杭材料を地盤中に排出しながら前記ケーシングを引き上げる引き上げ工程と、
    前記排出された前記砂杭材料を加熱する加熱工程と、
    を含み、
    前記砂杭材料は砂材と熱膨張性粒子とを含み、
    前記加熱工程では、前記砂杭材料中の前記熱膨張性粒子が加熱されて膨張する、
    地盤改良方法。
  2. 前記引き上げ工程の後に前記ケーシングを打ち戻すことにより、前記排出された前記砂杭材料を締固める打ち戻し工程を更に含む、請求項1に記載の地盤改良方法。
  3. 前記加熱工程は、前記打ち戻し工程に並行して実行される、請求項1又は請求項2に記載の地盤改良方法。
  4. 前記加熱工程は、前記引き上げ工程に並行して実行される、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の地盤改良方法。
  5. 前記熱膨張性粒子の膨張開始温度が70℃以上である、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の地盤改良方法。
  6. 前記ケーシングの外周面には、前記ケーシングと平行に延びて内部を加熱蒸気が流通可能な蒸気供給管が設けられており、
    前記加熱工程では、前記蒸気供給管の先端から放出される前記加熱蒸気により、前記砂杭材料を加熱する、請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の地盤改良方法。
  7. 前記蒸気供給管は外管と内管とからなる2重管構造を有し、
    前記内管内を前記加熱蒸気が流通可能である、請求項6に記載の地盤改良方法。
  8. 前記外管と前記内管との間の空間内に断熱材が装入されている、請求項7に記載の地盤改良方法。
  9. 前記砂杭材料は、加重材と、前記加重材を前記熱膨張性粒子に付着させるバインダーと、更に含む、請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の地盤改良方法。
  10. 前記貫入工程に先立って前記砂杭材料を作成する砂杭材料作成工程を更に含み、
    前記砂杭材料作成工程は、
    前記熱膨張性粒子と前記加重材と前記バインダーとを混合することにより造粒物を形成する造粒物形成工程と、
    前記造粒物を前記砂材に混合する造粒物混合工程と、
    を含む、請求項9に記載の地盤改良方法。
  11. 前記造粒物の一軸圧縮強さが8N/mm以下である、請求項10に記載の地盤改良方法。
  12. 前記バインダーはセメントを含む、請求項9〜請求項11のいずれか1つに記載の地盤改良方法。
  13. 前記加重材は、鉄粉、高炉水砕スラグ微粉末、及び銅スラグの少なくとも1つを含む、請求項9〜請求項12のいずれか1つに記載の地盤改良方法。
  14. 前記膨張した熱膨張性粒子の体積が、前記砂杭の造成において前記砂杭材料が前記熱膨張性粒子を含まない場合を仮定したときの前記砂杭中の間隙体積を上回るように、前記砂杭材料を作成する、請求項1〜請求項13のいずれか1つに記載の地盤改良方法。
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