JPH0843801A - 液晶表示装置の製造方法 - Google Patents
液晶表示装置の製造方法Info
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- JPH0843801A JPH0843801A JP17853794A JP17853794A JPH0843801A JP H0843801 A JPH0843801 A JP H0843801A JP 17853794 A JP17853794 A JP 17853794A JP 17853794 A JP17853794 A JP 17853794A JP H0843801 A JPH0843801 A JP H0843801A
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- crystal layer
- substrate
- layer material
- electrode
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 性能が均一で、かつ表示画面の外側の領域に
おける接続配線や液晶駆動回路の劣化がなく信頼性が高
く、かつ画像表示品質の高い高分子分散型の液晶表示装
置を提供する。 【構成】 基板上に液晶層材料を塗布し、画面の領域を
選択的に硬化させて液晶層205として形成した後に
は、この硬化した液晶層205と比べて、画面外周領域
の未硬化の液晶層材料102は溶剤に対して極めて溶け
やすいという材質的な特質がある。そこでこの特質を生
かして、液晶層205が形成された画面の領域を取り巻
く未硬化部分の液晶層材料102を溶剤により溶解して
除去する。
おける接続配線や液晶駆動回路の劣化がなく信頼性が高
く、かつ画像表示品質の高い高分子分散型の液晶表示装
置を提供する。 【構成】 基板上に液晶層材料を塗布し、画面の領域を
選択的に硬化させて液晶層205として形成した後に
は、この硬化した液晶層205と比べて、画面外周領域
の未硬化の液晶層材料102は溶剤に対して極めて溶け
やすいという材質的な特質がある。そこでこの特質を生
かして、液晶層205が形成された画面の領域を取り巻
く未硬化部分の液晶層材料102を溶剤により溶解して
除去する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示装置の製造方
法に関する。
法に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子分散型液晶表示装置は、高分子樹
脂重合体と液晶組成物とを、そのそれぞれを別の相のま
まに混在させた液晶層を備えたものである。混合により
いずれかが他方に溶解されるのではなく、いずれか一方
の中に他方が分散的に保持されたもので、例えば高分子
樹脂相における連続状または多数のカプセル状の空隙中
に液晶相としてTN液晶のような液晶組成物が分散保持
されているといった形態のものである。このような高分
子分散型液晶表示装置は、光源からの光の利用効率を向
上することができるため、液晶表示装置の中でも特に光
源光の利用効率が高く輝度特性の良好な表示装置として
有望なものとして考えられている。
脂重合体と液晶組成物とを、そのそれぞれを別の相のま
まに混在させた液晶層を備えたものである。混合により
いずれかが他方に溶解されるのではなく、いずれか一方
の中に他方が分散的に保持されたもので、例えば高分子
樹脂相における連続状または多数のカプセル状の空隙中
に液晶相としてTN液晶のような液晶組成物が分散保持
されているといった形態のものである。このような高分
子分散型液晶表示装置は、光源からの光の利用効率を向
上することができるため、液晶表示装置の中でも特に光
源光の利用効率が高く輝度特性の良好な表示装置として
有望なものとして考えられている。
【0003】このような液晶組成物が高分子樹脂などの
重合体中に液滴状もしくは枝状に分散した液晶層は、液
晶層に電界を印加しないときは液晶分子の配列が揃って
いないため液晶分子と高分子との屈折率の違いから光を
散乱させ、また電界を印加したときには液晶分子の配列
が揃い、光を透過するという性質がある。この液晶層を
表示装置に応用した場合、電界を印加しないときは光を
散乱させるためにこの散乱光をカットするような光学系
を用いると、電界を印加しないときは「黒」表示、電界
を印加したときは「白」表示を行なうことができる。し
たがって、従来の捩れネマティック(Twisted Nematic
=TN)型液晶のような偏光板を使用する必要がなく、
このような液晶層を用いた表示装置は、光透過率が高く
表示輝度が高いという特徴がある。この表示モードは、
NCAP(Nematic CurvilinearAligned Phase )、P
DLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)、PNL
C(Polymer Network Liquid Crystal)、LCPC(Li
quid Crystal Polymer Composite)などと呼ばれ、近年
このようないわゆる高分子分散型液晶を表示装置に応用
した高分子分散型液晶表示装置の研究が活発に為されて
いる。
重合体中に液滴状もしくは枝状に分散した液晶層は、液
晶層に電界を印加しないときは液晶分子の配列が揃って
いないため液晶分子と高分子との屈折率の違いから光を
散乱させ、また電界を印加したときには液晶分子の配列
が揃い、光を透過するという性質がある。この液晶層を
表示装置に応用した場合、電界を印加しないときは光を
散乱させるためにこの散乱光をカットするような光学系
を用いると、電界を印加しないときは「黒」表示、電界
を印加したときは「白」表示を行なうことができる。し
たがって、従来の捩れネマティック(Twisted Nematic
=TN)型液晶のような偏光板を使用する必要がなく、
このような液晶層を用いた表示装置は、光透過率が高く
表示輝度が高いという特徴がある。この表示モードは、
NCAP(Nematic CurvilinearAligned Phase )、P
DLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)、PNL
C(Polymer Network Liquid Crystal)、LCPC(Li
quid Crystal Polymer Composite)などと呼ばれ、近年
このようないわゆる高分子分散型液晶を表示装置に応用
した高分子分散型液晶表示装置の研究が活発に為されて
いる。
【0004】高分子分散型液晶を表示装置に用いる場
合、重合体出発物(以降、プレポリマと称する)となる
モノマやオリゴマと液晶組成物とを混合し、 2枚の電極
付き基板を組み立てたパネルの間隙に注入し、しかる後
に光または熱により前記のプレポリマを重合させるとい
う方法を取るのが一般的である。光重合を行なう場合
は、重合を加速し、また相分離を同時に行なうための材
料(フォトイニシエイタと称する)を添加する場合が多
い。
合、重合体出発物(以降、プレポリマと称する)となる
モノマやオリゴマと液晶組成物とを混合し、 2枚の電極
付き基板を組み立てたパネルの間隙に注入し、しかる後
に光または熱により前記のプレポリマを重合させるとい
う方法を取るのが一般的である。光重合を行なう場合
は、重合を加速し、また相分離を同時に行なうための材
料(フォトイニシエイタと称する)を添加する場合が多
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プレポ
リマは揮発性が高く、また粘度も従来のTN型液晶より
大きいことから、TN型液晶のような真空中での注入法
ではプレポリマの組成が変化してしまい、十分な散乱能
を有する高分子分散型液晶が得られないという問題があ
る。さらに、この揮発の程度の制御が困難であるため、
重合後のポリマ組成が製造ごとに変化し、表示能力すな
わち光散乱能も製造ごとに変化するという問題がある。
リマは揮発性が高く、また粘度も従来のTN型液晶より
大きいことから、TN型液晶のような真空中での注入法
ではプレポリマの組成が変化してしまい、十分な散乱能
を有する高分子分散型液晶が得られないという問題があ
る。さらに、この揮発の程度の制御が困難であるため、
重合後のポリマ組成が製造ごとに変化し、表示能力すな
わち光散乱能も製造ごとに変化するという問題がある。
【0006】また、近年ではアクティブマトリックス型
の液晶表示装置に高分子分散型液晶層を用いることが提
案されており、このようなアクティブマトリックス方式
の場合、アレイ基板上に走査ドライバ回路や信号ドライ
バ回路などの液晶駆動回路をTFT等で作り込む、いわ
ゆる駆動回路一体方式の技術も盛んに開発が為されてい
る。特にこのような駆動回路一体方式の場合には、画面
の外側の領域に形成されている前記の液晶駆動回路や、
それと各走査線や信号線との間を接続する接続配線の上
に、高分子分散型液晶層が存在すると、液晶駆動回路や
接続配線の近傍に寄生容量や寄生抵抗が発生して、正確
な駆動信号や制御信号等の伝達が行なわれなくなるなど
して画像表示品質の低下を引き起こすという問題があ
る。また、高分子分散型液晶層中の液晶が化学的にその
下の接続配線や液晶駆動回路に対して悪影響を与えて劣
化させるという問題がある。
の液晶表示装置に高分子分散型液晶層を用いることが提
案されており、このようなアクティブマトリックス方式
の場合、アレイ基板上に走査ドライバ回路や信号ドライ
バ回路などの液晶駆動回路をTFT等で作り込む、いわ
ゆる駆動回路一体方式の技術も盛んに開発が為されてい
る。特にこのような駆動回路一体方式の場合には、画面
の外側の領域に形成されている前記の液晶駆動回路や、
それと各走査線や信号線との間を接続する接続配線の上
に、高分子分散型液晶層が存在すると、液晶駆動回路や
接続配線の近傍に寄生容量や寄生抵抗が発生して、正確
な駆動信号や制御信号等の伝達が行なわれなくなるなど
して画像表示品質の低下を引き起こすという問題があ
る。また、高分子分散型液晶層中の液晶が化学的にその
下の接続配線や液晶駆動回路に対して悪影響を与えて劣
化させるという問題がある。
【0007】本発明は、このような問題を解決するため
に成されたもので、その目的は、重合後のポリマ組成が
製造ごとに変化するという問題、つまり完成して得られ
た液晶表示装置の表示能力すなわち光散乱能が製造ごと
に変化するという問題を解消して、性能が均一で、かつ
表示画面の外側の領域における接続配線や液晶駆動回路
の劣化がなく信頼性が高く、かつ画像表示品質の高い高
分子分散型の液晶表示装置を提供することにある。
に成されたもので、その目的は、重合後のポリマ組成が
製造ごとに変化するという問題、つまり完成して得られ
た液晶表示装置の表示能力すなわち光散乱能が製造ごと
に変化するという問題を解消して、性能が均一で、かつ
表示画面の外側の領域における接続配線や液晶駆動回路
の劣化がなく信頼性が高く、かつ画像表示品質の高い高
分子分散型の液晶表示装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示装置の
製造方法は、液晶組成物と光硬化型樹脂重合体との混合
物からなる液晶層材料を、第1の電極が形成された第1
の基板上に塗布する工程と、前記第1の基板上に塗布さ
れた前記液晶層材料の表示画面に対応する領域に選択的
に光を照射して該領域の液晶層材料の光硬化型樹脂重合
体を硬化させて液晶層を形成する工程と、前記液晶層を
介して前記第1の電極が形成された第1の基板に対向す
るように、第2の電極が形成された第2の基板を配置す
る工程と、前記硬化した液晶層の周囲の未硬化の液晶層
材料を溶剤により除去する工程と、を含むことを特徴と
している。
製造方法は、液晶組成物と光硬化型樹脂重合体との混合
物からなる液晶層材料を、第1の電極が形成された第1
の基板上に塗布する工程と、前記第1の基板上に塗布さ
れた前記液晶層材料の表示画面に対応する領域に選択的
に光を照射して該領域の液晶層材料の光硬化型樹脂重合
体を硬化させて液晶層を形成する工程と、前記液晶層を
介して前記第1の電極が形成された第1の基板に対向す
るように、第2の電極が形成された第2の基板を配置す
る工程と、前記硬化した液晶層の周囲の未硬化の液晶層
材料を溶剤により除去する工程と、を含むことを特徴と
している。
【0009】また、液晶組成物と熱硬化型樹脂重合体と
の混合物からなる液晶層材料を、第1の電極が形成され
た第1の基板上に塗布する工程と、前記第1の基板上に
塗布された前記液晶層材料の表示画面に対応する領域に
選択的に熱を加えて該領域の液晶層材料の熱硬化型樹脂
重合体を硬化させて液晶層を形成する工程と、前記液晶
層を介して前記第1の電極が形成された第1の基板に対
向するように、第2の電極が形成された第2の基板を配
置する工程と、前記硬化した液晶層の周囲の未硬化の液
晶層材料を溶剤により除去する工程と、を含むことを特
徴としている。また、液晶組成物と樹脂重合体との混合
物からなる液晶層材料を、第1の電極が形成された第1
の基板上に塗布する工程と、前記第1の基板上に塗布さ
れた前記液晶層材料の表示画面に対応する領域に選択的
に光を照射しかつ該領域に選択的に熱を加えて、該領域
の液晶層材料の樹脂重合体を硬化させて液晶層を形成す
る工程と、前記液晶層を介して前記第1の電極が形成さ
れた第1の基板に対向するように、第2の電極が形成さ
れた第2の基板を配置する工程と、前記硬化した液晶層
の周囲の未硬化の液晶層材料を溶剤により除去する工程
と、を含むことを特徴としている。
の混合物からなる液晶層材料を、第1の電極が形成され
た第1の基板上に塗布する工程と、前記第1の基板上に
塗布された前記液晶層材料の表示画面に対応する領域に
選択的に熱を加えて該領域の液晶層材料の熱硬化型樹脂
重合体を硬化させて液晶層を形成する工程と、前記液晶
層を介して前記第1の電極が形成された第1の基板に対
向するように、第2の電極が形成された第2の基板を配
置する工程と、前記硬化した液晶層の周囲の未硬化の液
晶層材料を溶剤により除去する工程と、を含むことを特
徴としている。また、液晶組成物と樹脂重合体との混合
物からなる液晶層材料を、第1の電極が形成された第1
の基板上に塗布する工程と、前記第1の基板上に塗布さ
れた前記液晶層材料の表示画面に対応する領域に選択的
に光を照射しかつ該領域に選択的に熱を加えて、該領域
の液晶層材料の樹脂重合体を硬化させて液晶層を形成す
る工程と、前記液晶層を介して前記第1の電極が形成さ
れた第1の基板に対向するように、第2の電極が形成さ
れた第2の基板を配置する工程と、前記硬化した液晶層
の周囲の未硬化の液晶層材料を溶剤により除去する工程
と、を含むことを特徴としている。
【0010】また、液晶組成物と光硬化型樹脂重合体と
の混合物からなる液晶層材料を、第1の電極が形成され
た第1の基板上に塗布する工程と、前記第1の基板上に
塗布された前記液晶層材料の表示画面に対応する領域に
選択的に光を照射して該領域の液晶層材料の光硬化型樹
脂重合体を硬化させて液晶層を形成する工程と、前記硬
化した液晶層の周囲の未硬化の液晶層材料を溶剤により
除去する工程と、前記未硬化の液晶層材料が除去された
第1の基板に前記液晶層を介して対向するように、第2
の電極が形成された第2の基板を配置する工程と、を含
むことを特徴としている。
の混合物からなる液晶層材料を、第1の電極が形成され
た第1の基板上に塗布する工程と、前記第1の基板上に
塗布された前記液晶層材料の表示画面に対応する領域に
選択的に光を照射して該領域の液晶層材料の光硬化型樹
脂重合体を硬化させて液晶層を形成する工程と、前記硬
化した液晶層の周囲の未硬化の液晶層材料を溶剤により
除去する工程と、前記未硬化の液晶層材料が除去された
第1の基板に前記液晶層を介して対向するように、第2
の電極が形成された第2の基板を配置する工程と、を含
むことを特徴としている。
【0011】また、液晶組成物と熱硬化型樹脂重合体と
の混合物からなる液晶層材料を、第1の電極が形成され
た第1の基板上に塗布する工程と、第1の基板上に塗布
された前記液晶層材料の表示画面に対応する領域に選択
的に熱を加えて該領域の液晶層材料の熱硬化型樹脂重合
体を硬化させて液晶層を形成する工程と、前記第1の基
板上に塗布された液晶層材料のうち前記硬化した液晶層
の周囲の未硬化の液晶層材料を溶剤により除去する工程
と、前記未硬化の液晶層材料が除去された第1の基板に
前記液晶層を介して対向するように、第2の電極が形成
された第2の基板を配置する工程と、を含むことを特徴
としている。
の混合物からなる液晶層材料を、第1の電極が形成され
た第1の基板上に塗布する工程と、第1の基板上に塗布
された前記液晶層材料の表示画面に対応する領域に選択
的に熱を加えて該領域の液晶層材料の熱硬化型樹脂重合
体を硬化させて液晶層を形成する工程と、前記第1の基
板上に塗布された液晶層材料のうち前記硬化した液晶層
の周囲の未硬化の液晶層材料を溶剤により除去する工程
と、前記未硬化の液晶層材料が除去された第1の基板に
前記液晶層を介して対向するように、第2の電極が形成
された第2の基板を配置する工程と、を含むことを特徴
としている。
【0012】また、液晶組成物と樹脂重合体との混合物
からなる液晶層材料を、第1の電極が形成された第1の
基板上に塗布する工程と、前記第1の基板上に塗布され
た前記液晶層材料の表示画面に対応する領域に選択的に
光を照射しかつ該領域に選択的に熱を加えて、該領域の
液晶層材料の樹脂重合体を硬化させて液晶層を形成する
工程と、前記硬化した液晶層の周囲の未硬化の液晶層材
料を溶剤により除去する工程と、前記未硬化の液晶層材
料が除去された第1の基板に前記液晶層を介して対向す
るように、第2の電極が形成された第2の基板を配置す
る工程と、を含むことを特徴としている。
からなる液晶層材料を、第1の電極が形成された第1の
基板上に塗布する工程と、前記第1の基板上に塗布され
た前記液晶層材料の表示画面に対応する領域に選択的に
光を照射しかつ該領域に選択的に熱を加えて、該領域の
液晶層材料の樹脂重合体を硬化させて液晶層を形成する
工程と、前記硬化した液晶層の周囲の未硬化の液晶層材
料を溶剤により除去する工程と、前記未硬化の液晶層材
料が除去された第1の基板に前記液晶層を介して対向す
るように、第2の電極が形成された第2の基板を配置す
る工程と、を含むことを特徴としている。
【0013】
【作用】本発明の製造方法においては、従来のような真
空中での液晶層材料の注入法を用いること無く、基板上
に液晶組成物と樹脂重合体との混合物からなる液晶層材
料を塗布してこれを樹脂重合体の持つ熱硬化特性や光硬
化特性を利用して硬化させて液晶層を形成するので、従
来の真空中での注入法に起因したプレポリマの組成の変
化を解消することができる。そして得られた液晶表示装
置の表示能力すなわち光散乱能が製造ごとに変化すると
いう問題を解消することができ、性能が均一な高分子分
散型の液晶表示装置を実現できる。本発明の製造方法
は、上記のように基本的に液晶層材料を塗布し、選択的
に表示画面領域のみを硬化させているので、従来の注入
法と比べてその製造プロセスが極めて簡易なものとな
る。
空中での液晶層材料の注入法を用いること無く、基板上
に液晶組成物と樹脂重合体との混合物からなる液晶層材
料を塗布してこれを樹脂重合体の持つ熱硬化特性や光硬
化特性を利用して硬化させて液晶層を形成するので、従
来の真空中での注入法に起因したプレポリマの組成の変
化を解消することができる。そして得られた液晶表示装
置の表示能力すなわち光散乱能が製造ごとに変化すると
いう問題を解消することができ、性能が均一な高分子分
散型の液晶表示装置を実現できる。本発明の製造方法
は、上記のように基本的に液晶層材料を塗布し、選択的
に表示画面領域のみを硬化させているので、従来の注入
法と比べてその製造プロセスが極めて簡易なものとな
る。
【0014】また、印刷法により液晶層材料を基板上に
印刷すると、この印刷に用いられる印刷ローラやスキー
ジ等の印刷用具と基板上のTFTなどの構造物および液
晶層材料との間で摩擦等により静電気が生じ、この帯電
により基板上のTFTなどの構造物が破壊されたり、あ
るいは印刷ローラ等の印圧の制御が困難であったが、本
発明によれば、液晶層材料は例えばスピンコータ等を用
いて基板上に塗布するので、基板上に液晶層材料を正確
で均一な膜厚に塗布することができる。
印刷すると、この印刷に用いられる印刷ローラやスキー
ジ等の印刷用具と基板上のTFTなどの構造物および液
晶層材料との間で摩擦等により静電気が生じ、この帯電
により基板上のTFTなどの構造物が破壊されたり、あ
るいは印刷ローラ等の印圧の制御が困難であったが、本
発明によれば、液晶層材料は例えばスピンコータ等を用
いて基板上に塗布するので、基板上に液晶層材料を正確
で均一な膜厚に塗布することができる。
【0015】しかも、本発明においては、高分子分散型
液晶層の形成材料である樹脂重合体と液晶組成物との混
合物からなる液晶層材料は、基板上に液晶層材料を塗布
した後、表示に係る領域つまり画面の領域を選択的に硬
化させて液晶層として形成するが、このように硬化させ
て液晶層を形成した後には、硬化した液晶層と比べて画
面外周領域の未硬化の部分が溶剤に対して極めて溶けや
すいという材質上の特質がある。そこでこの特質を生か
して、画面外周領域の未硬化の部分は溶剤により簡易に
溶解する一方、硬化部分は上記の特質上既に溶剤では容
易には除去されないように硬化しているので、あたかも
エッチャントとして溶剤を用いて未硬化部分の液晶層材
料を除去して、硬化部分の液晶層だけを残すことができ
る。従って、従来のような未硬化の液晶層材料が残留す
ることに起因した液晶駆動回路や接続配線の近傍に寄生
容量や寄生抵抗が発生するという問題や、液晶駆動回路
や接続配線が劣化するという問題を、極めて簡易かつ確
実な方法により解消することができる。その結果、性能
が均一で、かつ表示画面の外側の領域における接続配線
や液晶駆動回路の劣化がなく信頼性が高く、かつ画像表
示品質の高い高分子分散型液晶表示装置を実現すること
ができる。
液晶層の形成材料である樹脂重合体と液晶組成物との混
合物からなる液晶層材料は、基板上に液晶層材料を塗布
した後、表示に係る領域つまり画面の領域を選択的に硬
化させて液晶層として形成するが、このように硬化させ
て液晶層を形成した後には、硬化した液晶層と比べて画
面外周領域の未硬化の部分が溶剤に対して極めて溶けや
すいという材質上の特質がある。そこでこの特質を生か
して、画面外周領域の未硬化の部分は溶剤により簡易に
溶解する一方、硬化部分は上記の特質上既に溶剤では容
易には除去されないように硬化しているので、あたかも
エッチャントとして溶剤を用いて未硬化部分の液晶層材
料を除去して、硬化部分の液晶層だけを残すことができ
る。従って、従来のような未硬化の液晶層材料が残留す
ることに起因した液晶駆動回路や接続配線の近傍に寄生
容量や寄生抵抗が発生するという問題や、液晶駆動回路
や接続配線が劣化するという問題を、極めて簡易かつ確
実な方法により解消することができる。その結果、性能
が均一で、かつ表示画面の外側の領域における接続配線
や液晶駆動回路の劣化がなく信頼性が高く、かつ画像表
示品質の高い高分子分散型液晶表示装置を実現すること
ができる。
【0016】また、本発明によれば、従来のTN型液晶
層のような液体に近い状態の液晶層とは異なり、高分子
分散型液晶層自体に十分な機械的強度を持たせることが
できるので、従来のセルギャップを保持するためのスペ
ーサを不要とすることもでき、その構造および製造方法
も簡易化することができる。
層のような液体に近い状態の液晶層とは異なり、高分子
分散型液晶層自体に十分な機械的強度を持たせることが
できるので、従来のセルギャップを保持するためのスペ
ーサを不要とすることもでき、その構造および製造方法
も簡易化することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明に係る液晶表示装置の製造方法
の実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。
の実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】(実施例1)図1は本発明の第1の実施例
の製造方法を示す図である。図1(a)は、石英基板上
に複数の画素が配列されたアレイ基板101を示す図で
あり、各画素ごとにp−Si(poly Silicon)TFT2
01がスイッチング素子として配設されている。このp
−SiTFT201のTFTアレイは以下のように形成
した。
の製造方法を示す図である。図1(a)は、石英基板上
に複数の画素が配列されたアレイ基板101を示す図で
あり、各画素ごとにp−Si(poly Silicon)TFT2
01がスイッチング素子として配設されている。このp
−SiTFT201のTFTアレイは以下のように形成
した。
【0019】固相成長法により形成した第1のp−Si
膜を島状にエッチングし、引続き、熱酸化法により前記
の第1のp−Si膜を酸化してゲート絶縁膜とする。
膜を島状にエッチングし、引続き、熱酸化法により前記
の第1のp−Si膜を酸化してゲート絶縁膜とする。
【0020】引き続き、第2のp−Si膜を成膜しP
(燐)をドーピングして低抵抗化した後、エッチングし
てゲート電極と一体形成のゲート配線202を得る。
(燐)をドーピングして低抵抗化した後、エッチングし
てゲート電極と一体形成のゲート配線202を得る。
【0021】引き続き、前記ゲート電極をマスクとした
セルフアライン法により、TFTのソース・ドレイン部
にイオン注入を行なう。
セルフアライン法により、TFTのソース・ドレイン部
にイオン注入を行なう。
【0022】引き続き、減圧CVD法によりシリコン酸
化膜を形成し層間絶縁膜とする。続いて、ITOを成膜
しこれをエッチングして画素電極203を得る。次に前
記の層間絶縁膜をエッチングしてコンタクトホールを形
成した後、スパッタ法によりCr・Alの順に成膜し、
これをエッチングして信号配線204を得る。
化膜を形成し層間絶縁膜とする。続いて、ITOを成膜
しこれをエッチングして画素電極203を得る。次に前
記の層間絶縁膜をエッチングしてコンタクトホールを形
成した後、スパッタ法によりCr・Alの順に成膜し、
これをエッチングして信号配線204を得る。
【0023】以上の工程で表示領域と周辺駆動回路系
(液晶駆動回路)や接続配線とが同一基板上に形成され
たp−Siアレイ基板101を得る。
(液晶駆動回路)や接続配線とが同一基板上に形成され
たp−Siアレイ基板101を得る。
【0024】図1(b)は、前記アレイ基板101上
に、液晶材料とプレポリマとフォトイニシエイタの混合
物からなる液晶層材料102を塗布した状態を示す図で
ある。液晶材料にはTN型材料を、プレポリマにはアク
リル系モノマを用いた。その混合比率は、液晶:プレポ
リマ:フォトイニシエイタ=75:20: 5とした。この液
晶層材料102をスピンコート法により前記のp−Si
TFTアレイ基板101に塗布した。塗布後の液晶層材
料102の膜厚はスピンコートの回転数を調整すること
により10μmとした。スピンコートの条件により、塗布
後の液晶層材料102はアレイ基板101の凹凸を反映
せず平坦にすることができた。スピンコート後に50℃以
下程度でのプレヒートを行なっても良い。なお、この塗
布後の液晶層材料102の膜厚としては、最終的に形成
したい液晶層の層厚に対応して設定することになるが、
1.0〜20μmの膜厚で発明の適用が可能である。
に、液晶材料とプレポリマとフォトイニシエイタの混合
物からなる液晶層材料102を塗布した状態を示す図で
ある。液晶材料にはTN型材料を、プレポリマにはアク
リル系モノマを用いた。その混合比率は、液晶:プレポ
リマ:フォトイニシエイタ=75:20: 5とした。この液
晶層材料102をスピンコート法により前記のp−Si
TFTアレイ基板101に塗布した。塗布後の液晶層材
料102の膜厚はスピンコートの回転数を調整すること
により10μmとした。スピンコートの条件により、塗布
後の液晶層材料102はアレイ基板101の凹凸を反映
せず平坦にすることができた。スピンコート後に50℃以
下程度でのプレヒートを行なっても良い。なお、この塗
布後の液晶層材料102の膜厚としては、最終的に形成
したい液晶層の層厚に対応して設定することになるが、
1.0〜20μmの膜厚で発明の適用が可能である。
【0025】図1(c)は、塗布後の液晶層材料102
の樹脂重合体を光重合させて液晶層205を形成する工
程を示す図である。表示画面に対応する領域(つまり液
晶表示パネルの表示が行なわれる画面の部分)のみに紫
外線が照射されるように、マスク104を用いて、表示
領域の外側の領域を覆った。この工程は先の液晶層材料
102塗布の工程から余り時間を置かない方が良い。こ
うして液晶層201を形成する。このとき、表示領域の
外側の、周辺駆動回路系(液晶駆動回路)や接続配線が
形成された領域には、未硬化のままの液晶層材料102
がまだ残留している。
の樹脂重合体を光重合させて液晶層205を形成する工
程を示す図である。表示画面に対応する領域(つまり液
晶表示パネルの表示が行なわれる画面の部分)のみに紫
外線が照射されるように、マスク104を用いて、表示
領域の外側の領域を覆った。この工程は先の液晶層材料
102塗布の工程から余り時間を置かない方が良い。こ
うして液晶層201を形成する。このとき、表示領域の
外側の、周辺駆動回路系(液晶駆動回路)や接続配線が
形成された領域には、未硬化のままの液晶層材料102
がまだ残留している。
【0026】引き続き、図1(d)に示すように、前記
の(c)の工程で光が照射されなかった部分の液晶層材
料102を、溶剤を用いた洗浄によって除去する。
の(c)の工程で光が照射されなかった部分の液晶層材
料102を、溶剤を用いた洗浄によって除去する。
【0027】さらに、図1(e)のように、前記のアレ
イ基板101と対向する遮光膜および対向電極(いずれ
も図示の簡潔化のために図示省略)が形成された対向基
板103においては、パネル組立用シール剤105を表
示領域の外周に形成する。
イ基板101と対向する遮光膜および対向電極(いずれ
も図示の簡潔化のために図示省略)が形成された対向基
板103においては、パネル組立用シール剤105を表
示領域の外周に形成する。
【0028】そして図1(f)に示すように、アレイ基
板101と対向基板103とを組み合わせ、熱を印加し
てパネル組立用シール剤105を硬化させて、液晶表示
パネルとして組み上がる。この後、基板の不要箇所を切
り落とすなどして、液晶表示パネルが完成する。
板101と対向基板103とを組み合わせ、熱を印加し
てパネル組立用シール剤105を硬化させて、液晶表示
パネルとして組み上がる。この後、基板の不要箇所を切
り落とすなどして、液晶表示パネルが完成する。
【0029】なお図1においては、アレイ基板、対向基
板とも1表示装置分の角型基板として示したが、複数の
表示装置を同一基板に形成する場合や、丸型基板を用い
る場合等についても本発明は有効であることは言うまで
もない。
板とも1表示装置分の角型基板として示したが、複数の
表示装置を同一基板に形成する場合や、丸型基板を用い
る場合等についても本発明は有効であることは言うまで
もない。
【0030】従来の製造方法では、真空中での注入によ
りプレポリマの組成が揮発し、かつ、この揮発の程度を
制御し辛かったため、重合後のポリマー組成が製造ごと
に変化し、表示能力すなわち光散乱能も製造ごとに変化
していた。これを例えば電界無印加時の光透過率で評価
すると、従来の真空注入法では透過率が 0.1− 5%の間
で製造ごとに変化していた。しかし、上述のような本発
明に係る製造方法によれば、液晶とプレポリマとの混合
物である液晶層材料102を真空にさらすことがないた
め、表示能力が製造ごとに変化することはなく、電界無
印加時の光透過率は 0.1−0.15%の範囲で極めて均一で
あることが確認された。しかも、表示画面の外側の領域
における接続配線や液晶駆動回路の劣化がなく信頼性が
高く、かつ画像表示品質も高いことが確認された。
りプレポリマの組成が揮発し、かつ、この揮発の程度を
制御し辛かったため、重合後のポリマー組成が製造ごと
に変化し、表示能力すなわち光散乱能も製造ごとに変化
していた。これを例えば電界無印加時の光透過率で評価
すると、従来の真空注入法では透過率が 0.1− 5%の間
で製造ごとに変化していた。しかし、上述のような本発
明に係る製造方法によれば、液晶とプレポリマとの混合
物である液晶層材料102を真空にさらすことがないた
め、表示能力が製造ごとに変化することはなく、電界無
印加時の光透過率は 0.1−0.15%の範囲で極めて均一で
あることが確認された。しかも、表示画面の外側の領域
における接続配線や液晶駆動回路の劣化がなく信頼性が
高く、かつ画像表示品質も高いことが確認された。
【0031】(実施例2)この第2の実施例の製造方法
においては、上記の第1の実施例において説明した図1
(a)、(b)の工程までは上記の第1の実施例と同様
に行なう。
においては、上記の第1の実施例において説明した図1
(a)、(b)の工程までは上記の第1の実施例と同様
に行なう。
【0032】そして、図1(c)、(d)に示すよう
に、遮光膜および対向電極(いずれも図示の簡潔化のた
めに図示省略)が形成された対向基板103とアレイ基
板101とを、互いに液晶層材料102を介して対向す
るように貼り合わせる。この第2の実施例においては、
前述の第1の実施例に述べたようなパネル組立用シール
剤105は対向基板103には形成していない。
に、遮光膜および対向電極(いずれも図示の簡潔化のた
めに図示省略)が形成された対向基板103とアレイ基
板101とを、互いに液晶層材料102を介して対向す
るように貼り合わせる。この第2の実施例においては、
前述の第1の実施例に述べたようなパネル組立用シール
剤105は対向基板103には形成していない。
【0033】引き続き、図1(e)に示すように、表示
領域およびその周辺の一部のみに紫外線を選択的に照射
できるようにマスク104を用いて、表示領域のプレポ
リマ(つまり液晶層材料102のうちの光硬化型樹脂重
合体)を光重合させる。
領域およびその周辺の一部のみに紫外線を選択的に照射
できるようにマスク104を用いて、表示領域のプレポ
リマ(つまり液晶層材料102のうちの光硬化型樹脂重
合体)を光重合させる。
【0034】この工程で液晶層材料102の光硬化型樹
脂重合体が硬化し、これがちょうど接着剤のように機能
して、アレイ基板101と対向基板103とが接着され
るため、第1の実施例のようなシール剤は本実施例にお
いては省略することも可能である。このとき、セルギャ
ップをより確実に保つためには、アレイ基板101また
は対向基板103に予めセルギャップに相当する段差を
設けておく。あるいは液晶層材料に粒径の揃ったスペー
サを混入し分散させておくことが望ましい。
脂重合体が硬化し、これがちょうど接着剤のように機能
して、アレイ基板101と対向基板103とが接着され
るため、第1の実施例のようなシール剤は本実施例にお
いては省略することも可能である。このとき、セルギャ
ップをより確実に保つためには、アレイ基板101また
は対向基板103に予めセルギャップに相当する段差を
設けておく。あるいは液晶層材料に粒径の揃ったスペー
サを混入し分散させておくことが望ましい。
【0035】そして、図1(f)に示すように、前記の
(e)の工程で光が照射されなかった部分の未硬化の液
晶層材料102を、溶剤を用いた洗浄によって除去す
る。この後、基板の不要箇所を切り落とすなどして、液
晶表示パネルが完成する。
(e)の工程で光が照射されなかった部分の未硬化の液
晶層材料102を、溶剤を用いた洗浄によって除去す
る。この後、基板の不要箇所を切り落とすなどして、液
晶表示パネルが完成する。
【0036】このような第2の実施例の製造方法によっ
ても、液晶とプレポリマとの混合物である液晶層材料1
02を真空にさらすことがないため、表示能力が製造ご
とに変化することはなく、電界無印加時の光透過率は
0.1−0.15%の範囲で極めて均一であることが確認され
た。しかも、表示画面の外側の領域における接続配線や
液晶駆動回路の劣化がなく信頼性が高く、かつ画像表示
品質も高いことが確認された。
ても、液晶とプレポリマとの混合物である液晶層材料1
02を真空にさらすことがないため、表示能力が製造ご
とに変化することはなく、電界無印加時の光透過率は
0.1−0.15%の範囲で極めて均一であることが確認され
た。しかも、表示画面の外側の領域における接続配線や
液晶駆動回路の劣化がなく信頼性が高く、かつ画像表示
品質も高いことが確認された。
【0037】(実施例3)以上の実施例においては、液
晶とプレポリマとの混合物からなる液晶層材料102を
アレイ基板101上に塗布する際にスピンコート法を用
いたが、ロールコート法やディップコート法を用いても
良いことは言うまでもない。
晶とプレポリマとの混合物からなる液晶層材料102を
アレイ基板101上に塗布する際にスピンコート法を用
いたが、ロールコート法やディップコート法を用いても
良いことは言うまでもない。
【0038】ディップコート法を用いる場合には、ディ
ップ直後にはアレイ基板101の両面に前記の液晶層材
料102が塗布されることになるため、工程上の注意が
必要で、液晶層を形成すべきいずれか一主面には液晶層
材料102を残し、他の主面は、液晶層材料102を溶
剤による除去や払拭などにより取り去ることが必要であ
る。このようなディップコート法を上記の第1の実施例
および第2の実施例に適用して、上記各実施例と同様に
電界無印加時の光透過率が 0.1−0.15%の範囲で極めて
均一であり、しかも表示画面の外側の領域における接続
配線や液晶駆動回路の劣化がなく信頼性が高く、かつ画
像表示品質も高い高分子分散型の液晶表示装置を実現す
ることができる。
ップ直後にはアレイ基板101の両面に前記の液晶層材
料102が塗布されることになるため、工程上の注意が
必要で、液晶層を形成すべきいずれか一主面には液晶層
材料102を残し、他の主面は、液晶層材料102を溶
剤による除去や払拭などにより取り去ることが必要であ
る。このようなディップコート法を上記の第1の実施例
および第2の実施例に適用して、上記各実施例と同様に
電界無印加時の光透過率が 0.1−0.15%の範囲で極めて
均一であり、しかも表示画面の外側の領域における接続
配線や液晶駆動回路の劣化がなく信頼性が高く、かつ画
像表示品質も高い高分子分散型の液晶表示装置を実現す
ることができる。
【0039】(実施例4)第1〜第3の実施例におけ
る、液晶層材料102の液晶材料とともに用いられる樹
脂重合体として、本実施例では光硬化型樹脂の代りに熱
硬化型樹脂を用いて、この熱硬化型樹脂を加熱により硬
化させて液晶層205を形成し、未硬化の熱硬化型樹脂
を含む液晶層材料102はそれを溶解する溶剤を用いて
除去する。そしてこの場合には、上記のマスク104と
しては上記各実施例とは異なり、そのマスクが被覆して
いる部分には熱が遮断され、マスク104から露出して
いる部分には選択的に熱が印加されるような材質のマス
クを用いる。そしてその他の工程は、第1〜第3の実施
例と同様にして、本発明に係る製造方法によって液晶表
示装置を製造することもできる。このような製造方法に
より形成される液晶表示装置に好適な熱硬化型樹脂とし
ては、例えば熱硬化型エポキシ樹脂、ポリビニルアルコ
ールを好適に用いることができる。
る、液晶層材料102の液晶材料とともに用いられる樹
脂重合体として、本実施例では光硬化型樹脂の代りに熱
硬化型樹脂を用いて、この熱硬化型樹脂を加熱により硬
化させて液晶層205を形成し、未硬化の熱硬化型樹脂
を含む液晶層材料102はそれを溶解する溶剤を用いて
除去する。そしてこの場合には、上記のマスク104と
しては上記各実施例とは異なり、そのマスクが被覆して
いる部分には熱が遮断され、マスク104から露出して
いる部分には選択的に熱が印加されるような材質のマス
クを用いる。そしてその他の工程は、第1〜第3の実施
例と同様にして、本発明に係る製造方法によって液晶表
示装置を製造することもできる。このような製造方法に
より形成される液晶表示装置に好適な熱硬化型樹脂とし
ては、例えば熱硬化型エポキシ樹脂、ポリビニルアルコ
ールを好適に用いることができる。
【0040】また、上記の各実施例に示した溶剤として
は、例えばアセトンのように未硬化の高分子化合物に対
して溶融性の高い溶剤を好適に用いることができる。ま
た、上記実施例のうち、一方の基板上に液晶層を形成し
アレイ基板101と対向基板103との両基板を貼り合
わせた後に、その硬化した液晶層205の周りの未硬化
の液晶層材料102を除去する場合には、両基板どうし
の隙間がセルギャップ程度の狭い隙間であることから、
溶剤に液晶表示パネルを浸すだけでは十分には未硬化の
液晶層材料102を除去することができない場合があ
る。そのような場合には、例えばノズルから溶剤を強制
的に圧力をかけつつ噴出させるなどして未硬化の液晶層
材料102に十分効果的に到達させることが望ましい。
は、例えばアセトンのように未硬化の高分子化合物に対
して溶融性の高い溶剤を好適に用いることができる。ま
た、上記実施例のうち、一方の基板上に液晶層を形成し
アレイ基板101と対向基板103との両基板を貼り合
わせた後に、その硬化した液晶層205の周りの未硬化
の液晶層材料102を除去する場合には、両基板どうし
の隙間がセルギャップ程度の狭い隙間であることから、
溶剤に液晶表示パネルを浸すだけでは十分には未硬化の
液晶層材料102を除去することができない場合があ
る。そのような場合には、例えばノズルから溶剤を強制
的に圧力をかけつつ噴出させるなどして未硬化の液晶層
材料102に十分効果的に到達させることが望ましい。
【0041】なお、本発明を実施するにあたっては、液
晶やプレポリマの材質およびそれらの混合比は、前述の
実施例のみには限定されないことは言うまでもない。
晶やプレポリマの材質およびそれらの混合比は、前述の
実施例のみには限定されないことは言うまでもない。
【0042】また、本発明はp−SiTFTを用いた表
示装置のみには限定されない。a−SiTFTやMIM
素子を用いたアクティブマトリクス表示装置や、スイッ
チング素子を用いない単純マトリクス型液晶表示装置に
も適用可能であることは、それらに高分子分散型液晶層
が用いられることからも明らかである。つまり、上記の
ようないわゆる高分子分散型液晶を用いる液晶表示装置
において本発明は適用可能である。
示装置のみには限定されない。a−SiTFTやMIM
素子を用いたアクティブマトリクス表示装置や、スイッ
チング素子を用いない単純マトリクス型液晶表示装置に
も適用可能であることは、それらに高分子分散型液晶層
が用いられることからも明らかである。つまり、上記の
ようないわゆる高分子分散型液晶を用いる液晶表示装置
において本発明は適用可能である。
【0043】
【発明の効果】以上、詳細な説明で明示したように、本
発明によれば、重合後のポリマ組成が製造ごとに変化す
るという問題、つまり完成して得られた液晶表示装置の
表示能力すなわち光散乱能が製造ごとに変化するという
問題を解消して、性能が均一で、かつ表示画面の外側の
領域における接続配線や液晶駆動回路の劣化がなく信頼
性が高く、かつ画像表示品質の高い高分子分散型の液晶
表示装置を提供することができる。
発明によれば、重合後のポリマ組成が製造ごとに変化す
るという問題、つまり完成して得られた液晶表示装置の
表示能力すなわち光散乱能が製造ごとに変化するという
問題を解消して、性能が均一で、かつ表示画面の外側の
領域における接続配線や液晶駆動回路の劣化がなく信頼
性が高く、かつ画像表示品質の高い高分子分散型の液晶
表示装置を提供することができる。
【図1】第1の実施例の液晶表示装置の製造方法を示す
図である。
図である。
【図2】第2の実施例の液晶表示装置の製造方法を示す
図である。
図である。
101………アレイ基板 102………液晶層材料 103………対向基板 104………マスク 201………p−SiTFT 202………ゲート配線 203………画素電極 204………信号配線 205………液晶層
Claims (6)
- 【請求項1】 液晶組成物と光硬化型樹脂重合体との混
合物からなる液晶層材料を、第1の電極が形成された第
1の基板上に塗布する工程と、 前記第1の基板上に塗布された前記液晶層材料の表示画
面に対応する領域に選択的に光を照射して該領域の液晶
層材料の光硬化型樹脂重合体を硬化させて液晶層を形成
する工程と、 前記液晶層を介して前記第1の電極が形成された第1の
基板に対向するように、第2の電極が形成された第2の
基板を配置する工程と、 前記硬化した液晶層の周囲の未硬化の液晶層材料を溶剤
により除去する工程と、を含むことを特徴とする液晶表
示装置の製造方法。 - 【請求項2】 液晶組成物と熱硬化型樹脂重合体との混
合物からなる液晶層材料を、第1の電極が形成された第
1の基板上に塗布する工程と、 前記第1の基板上に塗布された前記液晶層材料の表示画
面に対応する領域に選択的に熱を加えて該領域の液晶層
材料の熱硬化型樹脂重合体を硬化させて液晶層を形成す
る工程と、 前記液晶層を介して前記第1の電極が形成された第1の
基板に対向するように、第2の電極が形成された第2の
基板を配置する工程と、 前記硬化した液晶層の周囲の未硬化の液晶層材料を溶剤
により除去する工程と、を含むことを特徴とする液晶表
示装置の製造方法。 - 【請求項3】 液晶組成物と樹脂重合体との混合物から
なる液晶層材料を、第1の電極が形成された第1の基板
上に塗布する工程と、 前記第1の基板上に塗布された前記液晶層材料の表示画
面に対応する領域に選択的に光を照射しかつ該領域に選
択的に熱を加えて、該領域の液晶層材料の樹脂重合体を
硬化させて液晶層を形成する工程と、 前記液晶層を介して前記第1の電極が形成された第1の
基板に対向するように、第2の電極が形成された第2の
基板を配置する工程と、 前記硬化した液晶層の周囲の未硬化の液晶層材料を溶剤
により除去する工程と、を含むことを特徴とする液晶表
示装置の製造方法。 - 【請求項4】 液晶組成物と光硬化型樹脂重合体との混
合物からなる液晶層材料を、第1の電極が形成された第
1の基板上に塗布する工程と、 前記第1の基板上に塗布された前記液晶層材料の表示画
面に対応する領域に選択的に光を照射して該領域の液晶
層材料の光硬化型樹脂重合体を硬化させて液晶層を形成
する工程と、 前記硬化した液晶層の周囲の未硬化の液晶層材料を溶剤
により除去する工程と、 前記未硬化の液晶層材料が除
去された第1の基板に前記液晶層を介して対向するよう
に、第2の電極が形成された第2の基板を配置する工程
と、を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。 - 【請求項5】 液晶組成物と熱硬化型樹脂重合体との混
合物からなる液晶層材料を、第1の電極が形成された第
1の基板上に塗布する工程と、 第1の基板上に塗布された前記液晶層材料の表示画面に
対応する領域に選択的に熱を加えて該領域の液晶層材料
の熱硬化型樹脂重合体を硬化させて液晶層を形成する工
程と、 前記第1の基板上に塗布された液晶層材料のうち前記硬
化した液晶層の周囲の未硬化の液晶層材料を溶剤により
除去する工程と、 前記未硬化の液晶層材料が除去された第1の基板に前記
液晶層を介して対向するように、第2の電極が形成され
た第2の基板を配置する工程と、を含むことを特徴とす
る液晶表示装置の製造方法。 - 【請求項6】 液晶組成物と樹脂重合体との混合物から
なる液晶層材料を、第1の電極が形成された第1の基板
上に塗布する工程と、 前記第1の基板上に塗布された前記液晶層材料の表示画
面に対応する領域に選択的に光を照射しかつ該領域に選
択的に熱を加えて、該領域の液晶層材料の樹脂重合体を
硬化させて液晶層を形成する工程と、 前記硬化した液晶層の周囲の未硬化の液晶層材料を溶剤
により除去する工程と、 前記未硬化の液晶層材料が除
去された第1の基板に前記液晶層を介して対向するよう
に、第2の電極が形成された第2の基板を配置する工程
と、を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17853794A JPH0843801A (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | 液晶表示装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17853794A JPH0843801A (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | 液晶表示装置の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0843801A true JPH0843801A (ja) | 1996-02-16 |
Family
ID=16050217
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17853794A Withdrawn JPH0843801A (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | 液晶表示装置の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0843801A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002131760A (ja) * | 2000-10-24 | 2002-05-09 | Nec Kagoshima Ltd | Uvキュアラブル液晶を用いた液晶セルの製造方法 |
JP2012063731A (ja) * | 2010-09-14 | 2012-03-29 | Samsung Mobile Display Co Ltd | 液晶表示装置及び液晶表示装置の製造方法 |
-
1994
- 1994-07-29 JP JP17853794A patent/JPH0843801A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002131760A (ja) * | 2000-10-24 | 2002-05-09 | Nec Kagoshima Ltd | Uvキュアラブル液晶を用いた液晶セルの製造方法 |
JP2012063731A (ja) * | 2010-09-14 | 2012-03-29 | Samsung Mobile Display Co Ltd | 液晶表示装置及び液晶表示装置の製造方法 |
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