JPH084350A - 基礎杭兼用貯槽 - Google Patents

基礎杭兼用貯槽

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JPH084350A
JPH084350A JP16287694A JP16287694A JPH084350A JP H084350 A JPH084350 A JP H084350A JP 16287694 A JP16287694 A JP 16287694A JP 16287694 A JP16287694 A JP 16287694A JP H084350 A JPH084350 A JP H084350A
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JP
Japan
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pipe
storage tank
water
foundation pile
pile
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Application number
JP16287694A
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English (en)
Inventor
Hidehiko Yoshiwaka
秀彦 義若
Hayao Yanagimoto
速雄 柳本
Toshitaka Ono
敏孝 小野
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 非常用水や蓄熱水の貯槽設置のための専用ス
ペースを不要化し、設置コストおよび運転コストの両面
で経済性の高い基礎杭兼用貯槽を提供する。 【構成】 底部を密封した1本又は複数本の中空基礎杭
の中空部を非常用水や蓄熱水の貯蔵空間として利用し、
該中空部に受入れ・払出し配管を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオフィスビル等の建築物
を支持する基礎杭を非常用水や地域冷暖房等の蓄熱水の
貯槽として利用する基礎杭兼用貯槽に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、火災時の消火用水や地震時の断水
対策として非常用水を確保するには、学校等のプール用
水を利用すること、地上部に貯水槽を設けることが行わ
れており、最近では水道配管の途中に震災用貯槽を設
け、常時はこの震災用貯槽を通して水道水を供給してお
き、地震によって水道配管が損傷して断水した際には、
震災用貯槽内に貯溜している水を飲用水として供給する
対策が講じられている所もある。
【0003】また、地域冷暖房システムでは、一般に冷
水や温水の蓄熱水の貯槽は地上部またはビルの地下室に
設置されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これら非常用水の貯槽
や地域冷暖房等の蓄熱水の貯槽を地上部やビルの地下室
に設置する場合、特に都市部においてはスペースの確保
が困難であると共に、地価が高いため不経済である。
【0005】また、冷水や温水の蓄熱水用貯槽では、外
気温から断熱する必要があるため貯槽の製作コストが高
くなると共に、外気温の影響を受け易くて断熱効果が十
分発揮できないためランニングコスト増を招く課題があ
った。
【0006】ビル等の建築部を支持するため地中に設け
られる基礎杭は、上部構造物の鉛直荷重と地震時の水平
力に抵抗させるため通常地表面から数10mの深さにあ
る支持層迄根入れされるので長尺であり、また、最近は
直径1m程度もの大径杭が用いられるようになって来て
いる。この基礎杭は場所打コンクリート杭のように中空
でないものもあるが、中空杭を用いるか、または既設杭
の場合管内土砂を排除して中空化すれば、基礎杭の中空
部は大径かつ長尺であるため大きな容積を有する。
【0007】しかも、基礎杭は一般的にひとつのビルで
数10本用いられるため、合計容積は極めて大きくな
る。例えば内径1m、根入れ深さ50mの基礎杭の場合
には、中空部の容積は約40m3 /本となり、10本で
は400m3 の容積が得られる。これは高さ2mの平面
貯槽にすれば、底面積は200m2 (10m×20m)
に相当し、仮に地価を50万円/m2 とすれば1億円の
土地代になる。この基礎杭の中空部は現状では何ら利用
されていない。
【0008】本発明の目的は、このような従来技術の課
題を解消し、建築物を支持するための中空基礎杭の中空
部を非常用水や蓄熱水の貯槽として利用することによっ
て、貯槽設置のための専用スペースを不要化し、設置コ
ストおよび運転コストのいずれにおいても経済性の高い
基礎杭兼用貯槽を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では、底部が密封
された1本又は複数本の中空基礎杭の中空部に貯蔵液体
の受入れ・払出し配管を設ける。
【0010】この単杭又は群杭の中空基礎杭は、必要十
分な容積の中空部を有する中空杭であれば、打設、中掘
り圧入、掘削埋込み等の手段で設置されるコンクリート
製、鋼管製のどのようなものでも良く、設置方式と構成
材料は特に限定されないが、好ましくは底蓋を設けた既
製の鋼管杭を掘削孔内に挿入し、掘削孔壁と鋼管杭の隙
間にグラウト材を充填したものとする。
【0011】また、この中空基礎杭としては、中空杭で
あれば既設建築物の支持杭として用いられている既設杭
を利用することができる。中空基礎杭の中に設ける受入
れ・払い出し配管を非常用水や冷水、温水等の蓄熱水の
配管に接続することによって、中空基礎杭はそれぞれの
目的にあった貯槽として利用される。
【0012】
【作用】本発明によれば、中空基礎杭の中空部は非常用
水や地域冷暖房等の蓄熱水の貯槽として有効に利用さ
れ、貯槽設置用スペースを別途手当てする必要がない。
このように中空部を貯槽として利用しても、基礎杭の本
来の機能である上部構造物からの鉛直荷重や地震時の水
平荷重に対する支持力を損なうような悪影響はない。
【0013】さらに、地中の中空基礎杭は周囲が土砂で
覆われているため一定の地中温度に保たれ、かつ断熱効
果が期待できるため、中空基礎杭の中空部を貯槽として
利用することは、特に冷水や温水の蓄熱水の貯蔵に有利
となる。
【0014】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例を
説明する。図1は基礎杭兼用貯槽を非常用水の貯蔵に適
用した実施例である。ビル等の上部建築物18は、先端
が支持地盤11に達している基礎杭兼用貯槽1にフーチ
ング8を介して支持されている。この基礎杭兼用貯槽1
は建築物の下方に多数配置されるが、図1では1本のみ
を示している。
【0015】この実施例の基礎杭兼用貯槽1は、掘削孔
7内に既製の鋼管杭を挿入し、掘削孔壁と鋼管杭の隙間
にコンクリートのグラウト材6を充填した方式のもので
ある。鋼管杭の先端は底蓋2で密封されており、基礎杭
の内部は中空にされている。基礎杭兼用貯槽として用い
る基礎杭としてはこの他、鋼管杭を直接ハンマーで打設
したものや、中掘圧入したものを用いてもよい。
【0016】要は基礎杭の底部が底蓋2で密封され、内
部が中空であることを満足すればよい。打設杭や中掘圧
入杭の場合は、設置完了後管内土砂を排除して杭先端の
管内にコンクリートを流し込むことによって底蓋2を形
成する。
【0017】基礎杭兼用貯槽1の内部には、貯蔵液体の
受入れ配管5と払出し配管4が設けられている。この払
出し配管4や受入れ配管5としては、金属管や鉛ビ管か
ら必要流量に応じて所定サイズのものを選択して用い
る。配設手段は上部のみ固定して垂下するのみでもよい
が、基礎杭管壁に固定してもよい。
【0018】受入れ配管5は短くして基礎杭管内の上方
から供給水が排出されるようにし、払出し配管4は基礎
杭管内の底部に吸込口が位置するようにする。こうすれ
ば基礎杭の管内貯槽部に貯えた非常用水を全量利用する
ことができるとともに、管内に水流を生じさせることが
できて水を腐らせることがない(死水が生じない)た
め、震災用タンクとして非常時の飲用水を衛生的に供給
できる。
【0019】即ち、図1に示すように受入れ配管5に上
水道配管21の上流側21aを接続し、払出し配管4に
下流側21bを接続し、下流側配管21bにはポンプ付
き流路9とバルブ付き流路9aを並列に設けておき、こ
れらは建築物18のポンプピット10内に配置されてい
る。
【0020】通常は、ポンプは停止した状態でバルブを
開いておき、上流側から流れる水3を基礎杭管内の貯槽
部を経由して下流側に流下させているが、地震等により
上水道配管21が損傷して断水した場合、バルブを閉じ
てポンプを作動させることによって、貯槽部内に貯えら
れている水3を下流側に払出す。貯槽部内に貯える水3
が消火用水等であって飲用水でない場合には、このよう
な措置は必要ではなく、単に水を貯める手段のみとして
よい。
【0021】図2は本発明の基礎杭兼用貯槽を地域冷暖
房システムにおける蓄熱水の貯蔵に利用した実施例であ
る。地域冷暖房では、安価な深夜電力を利用して冷凍機
やヒーターを運転して蓄熱した冷水や温水を、昼間の冷
房や暖房の負荷に供給することで、電力消費の平滑化と
ランニングコストの低減が図っている。
【0022】本発明の基礎杭兼用貯槽をこれに利用する
と、地中の断熱効果を利用できる利点がある。この蓄熱
水への適用例では、前記非常用水の適用例と同様な基礎
杭兼貯槽1の受入れ配管5と払出し配管4は、図2に示
すように三方弁16を通して熱交換用配管19、熱供給
用配管20に接続される。
【0023】基礎杭兼用貯槽1に蓄熱する水3を貯える
時は、三方弁16を貯槽側に切り換え、深夜電力で運転
される冷凍機やヒートポンプなどの熱源受入れ設備14
から熱交換器13に給供される熱を、ポンプ15により
払出し管4から熱交換器13を経て受入れ管5へと循環
させる水へ伝達させることによって、基礎杭兼用貯槽1
内の水3を冷却または加温する。
【0024】昼間の冷房又は暖房負荷時には、三方弁1
6を負荷側に切り換え、基礎杭兼用貯槽1内の蓄熱水3
を負荷側の熱供給用配管20を通して空調設備12に熱
供給する。なお、上記実施例では3本の基礎杭兼用貯槽
1を示しているが、必要容量に応じてこの数は増減変更
できる。
【0025】図3は本発明の基礎杭兼用貯槽1をビル内
の冷暖房に適用した実施例のイラスト図である。ビル1
8の底面は多数のフーチング8を介して基礎杭で支持さ
れている。1個のフーチング8には4本の基礎杭が配置
されており、これらの基礎杭は本発明の基礎杭兼用貯槽
1で構成されている。なお、図3は1個のフーチング8
の基礎杭4本のみに本発明を適用した例を示している
が、冷・暖房負荷に応じて決定される蓄熱水の必要容量
に応じて本発明を適用する基礎杭の数を決定する。
【0026】
【発明の効果】本発明の基礎杭兼用貯槽では、上部建築
物を支持するために設けられる中空基礎杭の中空部を貯
蔵空間として利用するので、貯槽設置スペースの省スペ
ース化と、基礎杭を兼用することによる貯槽費のコスト
低減と、建築物に使用される多数の中空基礎杭の活用に
よる貯蔵容量の大容量化が容易に図れる。
【0027】また、地中にある基礎杭の中空部を貯槽と
して利用するため、周囲が一定の地中温度に保たれ、か
つ断熱効果が期待できるので、特に蓄熱水の貯蔵におい
て断熱材を省略できるとともにランニングコストを低減
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基礎杭兼用貯槽を非常用水の貯蔵に適
用した一実施例を示す説明図である。
【図2】本発明の基礎杭兼用貯槽を地域冷暖房の蓄熱水
の貯蔵に適用した一実施例を示す説明図である。
【図3】本発明の基礎杭兼用貯槽をビル内の冷暖房に適
用した一実施例を示すイラスト図である。
【符号の説明】
1 基礎杭兼用貯槽 2 底蓋 3 水 4 払出し管 5 受入れ管 6 グラウト材 7 掘削孔 8 フーチング 9 ポンプ付き流路 9a バルブ付き流路 10 ポンプピット 11 支持地盤 12 空調設備 13 熱交換器 14 熱源受入れ設備 15 ポンプ 16 三方弁 17 バルブ 18 建築物 19 熱交換用配管 20 熱供給用配管 21 上水道配管 22 蓄熱水の分配手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底部を密封した1本又は複数本の中空基
    礎杭の中に貯蔵液体の受入れ・払出し配管を設けたこと
    を特徴とする基礎杭兼用貯槽。
  2. 【請求項2】 掘削孔の中に底蓋を設けた既製の鋼管杭
    を挿入し、掘削孔壁と鋼管杭の隙間にグラウト材を充填
    して成る中空基礎杭の中に貯蔵液体の受入れ・払出し配
    管を設けたことを特徴とする基礎杭兼用貯槽。
  3. 【請求項3】 中空基礎杭が既設のものであることを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載の基礎杭兼用貯
    槽。
  4. 【請求項4】 貯蔵液体が非常用水であり、受入れ・払
    出し配管が非常用水の配管に接続されていることを特徴
    とする請求項1ないし請求項3に記載の基礎杭兼用貯
    槽。
  5. 【請求項5】 貯蔵液体が蓄熱水であり、受入れ・払出
    し配管が蓄熱水の配管に接続されていることを特徴とす
    る請求項1ないし請求項3に記載の基礎杭兼用貯槽。
JP16287694A 1994-06-21 1994-06-21 基礎杭兼用貯槽 Pending JPH084350A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003247792A (ja) * 2001-12-18 2003-09-05 Nippon Steel Corp 回転圧入鋼管杭または回転圧入鋼管製水槽を用いた地中埋設温度成層型蓄熱水槽
JP2009097831A (ja) * 2007-10-18 2009-05-07 Sankei Kikaku:Kk 地熱収集ブロック及び杭並びに地熱利用システム
JP2009103442A (ja) * 2001-12-18 2009-05-14 Nippon Steel Corp 地中埋設温度成層型蓄熱水槽

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Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

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Effective date: 20020305