JPH084308Y2 - 表紙カバー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は書籍の表紙（裏表紙）を保護すると共に、体
裁を整える表紙カバーに関するものである。

〔従来の技術〕

従来の表紙カバーは、紙、ビニール又は布等の材質で
長方形に成形したもの、或は両側を包部を成形したも
の、又は両側に上下に渉る係止帯を設けたものがある。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記従来の表紙カバーのうち、単に長方形状のもの
は、両側端を書籍の厚さに応じて表紙裏面へ折り返して
被着するため、表紙との係止力が弱い問題がある。

次に、両側に包部を有するものは、表紙との係止力は
良好となるが、書籍の厚さへの対応性に欠け、カバーが
大き過ぎたり、窮屈となったりし、汎用性に問題があ
る。

更に、両側に係止帯を有するものは、書籍の上下方向
への係止力は良好であるが、両端を折り返すのみである
から、左右方向への係止力に問題がある。

そこで、本考案は書籍との係止力が良好であると共
に、しおりを兼用できる表紙カバーを提供せんとするも
のである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案はカバーの中央背当て部の上下部位置に一対の
切り込みを穿設し、この二つの切り込みに二つ折りした
紐体を挿通し、背当て部内面に係止すると共に、紐体の
折り曲げ端部を上部切り込み上に突出させて係止環と
し、他端の分離端部を挿通した下部切り込みから上方へ
返して係止環に通し、背当て部に係止した係止部と、上
方へ返した抑え部で書籍を巻着固定すること、余部の分
離端部を二本のしおり部としたこと、及びカバーの両側
部を折り返し係止部とすると共に、帯体をカバーの内面
両側端部にカバーの上下巾にわたって当て、上下端のみ
カバーと接着して設けたこを特徴とするものである。

〔作用〕

次に本考案の作用を説明する。

カバーの中央背当て部に被着しようとする書籍の背を
当て、書籍の中間頁を開き、係止部を背当て部に位置決
めされた紐体を上方へ引き上げ、左右の頁間隙に抑え部
を埋めると共に、上端の係止環に挿通して抑え部を緊張
させるのである。

さすれば、書籍の背はカバーの係止部と一体に成った
中央背当て部に係止され、抑え部は係止環を通して緊張
されるため、書籍の厚さに対応できると共に上下、左右
方向に対し係止できる。

そして、係止環を通して返した紐体の他方端余部はし
おり部として利用でき、目印頁に挟むことにより書籍と
の係止力を補足するのであり、二本のしおりが異頁に挿
入されれば抑え部の緊張が強くなり、かつカバーへの書
籍の係止力も増大する。

一方、カバーの両側折り返し係止部を背当て部で係止
した書籍の表紙に応じて裏面へ折り返して被着すれば、
表紙を挿通した帯体が書籍の厚さにかかわらず確実に係
止するものである。

〔実施例〕

第１図乃至第５図は本考案の一実施例を示すものであ
り、長方形状のカバー本体（１）の中央に背当て部
（２）とし、背当て部（２）の上下部位置に一対の切り
込み（3a）（3a）（3b）（3b）を穿設し、この切り込み
（3a）（3a）と同（3b）（3b）を利用して、二つ折りし
た紐体（４）の折り曲げたところを上切り込み（3a）
（3a）上に残して係止して係止部（14）とする。

そして、上方に残した紐体（４）を係止環（５）とな
し、この係止環（５）へ下切り込み（4b）（4b）から上
方へ返して上伸した紐体（４）を挿通し、上伸した部分
を抑え部（６）となし、係止環（５）を通過し、返した
残余をしおり部（７）としてある。

この場合、一本の紐体を二重として利用でき、紐体
（４）が強くなると共に、紐体自体で書籍（11）を巻着
する恰好となり係止力が強力となるのであり、更にしお
り部（７）を二本形成できる利点もある。

一方、カバー本体（１）の両側には折り返し係止部
（８）（８）が設けてあり、又折り返し係止部（８）の
内面両側端部には帯体（９）を上下巾にわたって上下端
のみカバー本体（１）と接着して当ててあり、表紙（1
2）に応じて折曲し、帯体（９）とカバー端の非接着部
の側端開放部（10）から表紙（12）の側端を挿入して係
止するものである。

〔考案の効果〕

以上の様に本考案のカバーは、係止部、抑え部としお
り部からなる二重と成った紐体が、特別の環体及び固定
手段を要せずに被着する書籍のその厚さに応じて上下方
向及び左右方向に対し強力に係止できるのであり、余部
は二本のしおりとなって利用できると共に、書籍に挿し
入れることによって書籍の係止力を補足し、異頁に挿入
されれば一層強力となる。しかも係止部が切り込みによ
ってカバーに固定かつ位置決めされ、カバーの中央部と
書籍の背部が一致するために体裁がよい。

更にカバー両側の折り返し係止部が書籍の厚さに応じ
て折曲でき、かつ帯体で係止できるため、表紙端でのカ
バーの離脱を防止し、美麗に処理できる等の効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すカバーの展開図、第２
図は同折り返し係止部の斜視図、第３図は同被着過程を
示す斜視図、第４図は同使用状態を示す斜視図、第５図
は使用状態の平面図である。 符号 （１）はカバー本体 （２）は背当て部 （４）は紐体 （５）は係止環 （６）は抑え部 （７）はしおり部 （８）は折り返し係止部 （９）は帯体 （14）は係止部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カバーの中央背当て部の上下部位置に一対
   の切り込みを穿設し、この二つの切り込みに、二つ折り
   した紐体を挿通し、背当て部内面に係止すると共に、紐
   体の折り曲げ端部を上部切り込み上に突出させて係止環
   とし、他端の分離端部を挿通した下部切り込みから上方
   へ返して係止環に通し、背当て部に係止した係止部と、
   上方へ返した抑え部で書籍を巻着固定すること、余部の
   分離端部を二本のしおり部としたこと、及びカバーの両
   側部を折り返し係止部とすると共に、帯体をカバーの内
   面両側端部にカバーの上下巾にわたって当て、上下端の
   みカバーと接着して設けたことを特徴とする表紙カバ
   ー。