JPH0842391A - ピストン - Google Patents
ピストンInfo
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- JPH0842391A JPH0842391A JP19457094A JP19457094A JPH0842391A JP H0842391 A JPH0842391 A JP H0842391A JP 19457094 A JP19457094 A JP 19457094A JP 19457094 A JP19457094 A JP 19457094A JP H0842391 A JPH0842391 A JP H0842391A
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- piston
- outer ring
- ring member
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- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 スカート部に嵌合した外環部材をスラスト方
向に相対移動可能に支持するピストンにおいて、外環部
材とスカート部との間の隙間に油圧を供給することによ
ってスラップ音の低減を図ること。 【構成】 ピストンの往復揺動運動に伴って、ピストン
本体1が外環部材7の方へ向かって移動すると、隙間1
4内の圧油が周辺部31から押し出されるが、隙間14
は外環部材7の中央部30で大きく且つ周辺部31で小
さく形成されているので、ピストン本体1が外環部材7
に接近するにつれて隙間14は小さくなり、周辺部31
が絞りとしての機能を発揮するようになる。このためピ
ストン本体1は圧油による抵抗を受けて外環部材7の方
への接近を妨げられ、スラップ音の発生は防止される。
向に相対移動可能に支持するピストンにおいて、外環部
材とスカート部との間の隙間に油圧を供給することによ
ってスラップ音の低減を図ること。 【構成】 ピストンの往復揺動運動に伴って、ピストン
本体1が外環部材7の方へ向かって移動すると、隙間1
4内の圧油が周辺部31から押し出されるが、隙間14
は外環部材7の中央部30で大きく且つ周辺部31で小
さく形成されているので、ピストン本体1が外環部材7
に接近するにつれて隙間14は小さくなり、周辺部31
が絞りとしての機能を発揮するようになる。このためピ
ストン本体1は圧油による抵抗を受けて外環部材7の方
への接近を妨げられ、スラップ音の発生は防止される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、クラウン部とスカー
ト部とを一体構造に構成したピストン本体、及び前記ス
カート部に嵌合した外環部材を有するピストンに関す
る。
ト部とを一体構造に構成したピストン本体、及び前記ス
カート部に嵌合した外環部材を有するピストンに関す
る。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の駆動によって発生する騒音の
一つにスラップ音がある。このスラップ音は、ピストン
がシリンダ内を往復運動する時に該ピストンのスカート
部がシリンダライナの壁面に衝突することによって発生
するものである。つまり、シリンダ内をピストンが往復
運動できるように、ピストンとシリンダライナの壁面と
の間には隙間が形成されている一方で、燃焼室からのブ
ローダウンを防止するため、ピストンに形成されたピス
トンリング溝にはピストンリングが嵌入しているので、
ピストンがシリンダ内を往復運動する時、ピストンピン
軸に垂直な方向即ちスラスト方向のシリンダライナ壁面
にピストンが衝突してスラップ音が発生する。
一つにスラップ音がある。このスラップ音は、ピストン
がシリンダ内を往復運動する時に該ピストンのスカート
部がシリンダライナの壁面に衝突することによって発生
するものである。つまり、シリンダ内をピストンが往復
運動できるように、ピストンとシリンダライナの壁面と
の間には隙間が形成されている一方で、燃焼室からのブ
ローダウンを防止するため、ピストンに形成されたピス
トンリング溝にはピストンリングが嵌入しているので、
ピストンがシリンダ内を往復運動する時、ピストンピン
軸に垂直な方向即ちスラスト方向のシリンダライナ壁面
にピストンが衝突してスラップ音が発生する。
【0003】従来、このスラップ音を低減するため、種
々のピストンが開発されてきた。例えば、本願出願人が
先に出願したピストン、即ち特願平5−39299号に
開示したピストンがある(「以下、第一従来例」とい
う)。このピストンは、外環部材がスカート部に嵌合さ
れ且つピストンピンに対してスラスト方向に相対移動可
能に設けられ、該外環部材とスカート部との間にゴム製
又は合成樹脂製の緩衝部材を挟んだ構造のものである。
しかしながら、ゴム又は合成樹脂は衝撃吸収性に優れて
いるものの、長期的に見れば、へたりが生じるだけでな
く、製造時のばらつきが金属に比べて大きいため、ピス
トンのスラップ音低減効果にもばらつきが生じてしまう
という問題がある。
々のピストンが開発されてきた。例えば、本願出願人が
先に出願したピストン、即ち特願平5−39299号に
開示したピストンがある(「以下、第一従来例」とい
う)。このピストンは、外環部材がスカート部に嵌合さ
れ且つピストンピンに対してスラスト方向に相対移動可
能に設けられ、該外環部材とスカート部との間にゴム製
又は合成樹脂製の緩衝部材を挟んだ構造のものである。
しかしながら、ゴム又は合成樹脂は衝撃吸収性に優れて
いるものの、長期的に見れば、へたりが生じるだけでな
く、製造時のばらつきが金属に比べて大きいため、ピス
トンのスラップ音低減効果にもばらつきが生じてしまう
という問題がある。
【0004】この問題の解決手段の一つとして、同じく
本願出願人が先に出願したピストン、即ち特願平5−2
37246号に開示したピストンがある(以下、「第二
従来例」という)。このピストンは、上記第一従来例の
ピストンにおいて、緩衝部材の背面から油圧をかけるよ
うに構成したものである。しかしながら、このピストン
は構造が複雑であり、上記第一従来例のピストンと同様
にゴム製又は合成樹脂製の緩衝部材を用いたものである
から、上記第一従来例のピストンがもつ問題と同様の問
題を有している。
本願出願人が先に出願したピストン、即ち特願平5−2
37246号に開示したピストンがある(以下、「第二
従来例」という)。このピストンは、上記第一従来例の
ピストンにおいて、緩衝部材の背面から油圧をかけるよ
うに構成したものである。しかしながら、このピストン
は構造が複雑であり、上記第一従来例のピストンと同様
にゴム製又は合成樹脂製の緩衝部材を用いたものである
から、上記第一従来例のピストンがもつ問題と同様の問
題を有している。
【0005】これに対し、図6及び図7に示すように、
ゴム製又は合成樹脂製の緩衝部材を使用せずに、上記第
二従来例のピストンと同様にスライド部材の背面から油
圧をかけて緩衝効果を得るように構成したピストンがあ
る(以下、「第三従来例」という。実開昭59−767
37号公報参照)。このピストンは、ピストンピン43
の軸心と直角な方向で且つ該ピストンピン43の両側に
位置するピストン本体40のスカート部41にそれぞれ
スライド部材42を設けたものである。スライド部材4
2はピストン本体40の放射方向へ摺動可能となってお
り、外周面にはシリンダライナの壁面に密着する円弧面
が形成されたものである。ピストン本体40は、スライ
ド部材42との間に寸法Lのクリアランスを持つ油溜り
48を有しており、スライド部材42がシリンダライナ
に常に密着するようにこの油溜り48に油圧が供給され
るように構成されている。油圧はコンロッド44の中心
部に穿孔された油路46、ピストンピン43に穿孔され
た油路47、油溜り48に向かってのみ圧油を流すワン
ウェイバルブ45、及びピストン本体40に穿孔された
油路49を経由して、油溜り48に供給される。
ゴム製又は合成樹脂製の緩衝部材を使用せずに、上記第
二従来例のピストンと同様にスライド部材の背面から油
圧をかけて緩衝効果を得るように構成したピストンがあ
る(以下、「第三従来例」という。実開昭59−767
37号公報参照)。このピストンは、ピストンピン43
の軸心と直角な方向で且つ該ピストンピン43の両側に
位置するピストン本体40のスカート部41にそれぞれ
スライド部材42を設けたものである。スライド部材4
2はピストン本体40の放射方向へ摺動可能となってお
り、外周面にはシリンダライナの壁面に密着する円弧面
が形成されたものである。ピストン本体40は、スライ
ド部材42との間に寸法Lのクリアランスを持つ油溜り
48を有しており、スライド部材42がシリンダライナ
に常に密着するようにこの油溜り48に油圧が供給され
るように構成されている。油圧はコンロッド44の中心
部に穿孔された油路46、ピストンピン43に穿孔され
た油路47、油溜り48に向かってのみ圧油を流すワン
ウェイバルブ45、及びピストン本体40に穿孔された
油路49を経由して、油溜り48に供給される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
三従来例においては、以下のような問題を指摘すること
ができる。まず第一に、油溜り48は上下左右及びワン
ウェイバルブ45によってほぼ完全に密閉された状態に
ある。この状態でスライド部材42にスラスト力が加わ
ると、油溜り48内の圧油は逃げ場がないために急激に
油圧が上昇し、それに伴って急激に高い剛性をもつよう
になるため、ピストンスラップの衝撃を十分に緩和する
ことができないという問題がある。
三従来例においては、以下のような問題を指摘すること
ができる。まず第一に、油溜り48は上下左右及びワン
ウェイバルブ45によってほぼ完全に密閉された状態に
ある。この状態でスライド部材42にスラスト力が加わ
ると、油溜り48内の圧油は逃げ場がないために急激に
油圧が上昇し、それに伴って急激に高い剛性をもつよう
になるため、ピストンスラップの衝撃を十分に緩和する
ことができないという問題がある。
【0007】また、第二にピストンの動きに関連した問
題点をあげることができる。周知の如く、ピストンとシ
リンダライナとの間には隙間があるから、ピストンは上
下運動しつつ左右に移動するのみならず、ピストンピン
の軸回りに回転運動を行う。上記第三従来例において
は、スライド部材42はピストン本体40に対して放射
方向に摺動可能に設けられているので、ピストンの左右
の動きを緩衝することはできるが、ピストンの回転運動
に対してはスライド部材42はピストン本体40と一体
的に動くことになるので、ピストンの回転運動を緩衝す
ることはできない。即ち、スライド部材42の背面に油
圧が加わっていたとしても、スライド部材42の外周面
が常にシリンダライナの壁面に密着するとは限らない。
これではピストンの回転運動によってスライド部材42
がシリンダライナを衝撃的に加振することになり、ピス
トンのスラップ音を低減することはできない。
題点をあげることができる。周知の如く、ピストンとシ
リンダライナとの間には隙間があるから、ピストンは上
下運動しつつ左右に移動するのみならず、ピストンピン
の軸回りに回転運動を行う。上記第三従来例において
は、スライド部材42はピストン本体40に対して放射
方向に摺動可能に設けられているので、ピストンの左右
の動きを緩衝することはできるが、ピストンの回転運動
に対してはスライド部材42はピストン本体40と一体
的に動くことになるので、ピストンの回転運動を緩衝す
ることはできない。即ち、スライド部材42の背面に油
圧が加わっていたとしても、スライド部材42の外周面
が常にシリンダライナの壁面に密着するとは限らない。
これではピストンの回転運動によってスライド部材42
がシリンダライナを衝撃的に加振することになり、ピス
トンのスラップ音を低減することはできない。
【0008】この発明の目的は、上記の課題を解決する
ことであり、上記第一従来例のピストンから緩衝部材を
排除したピストン、即ちピストン本体のスカート部に外
環部材を嵌合し、前記ピストン本体のボス部に取り付け
られた外環支持部材で前記外環部材をスラスト方向に相
対移動可能に支持するピストンにおいて、前記外環部材
と前記スカート部との間の隙間に油圧を供給して前記緩
衝部材の機能を該油圧で代替するように構成するととも
に、ピストンの往復運動時に該油圧を上記隙間から逃が
すように構成して圧油の剛性化を防止し、以てスラップ
音の低減を図った低騒音ピストンを提供することであ
る。
ことであり、上記第一従来例のピストンから緩衝部材を
排除したピストン、即ちピストン本体のスカート部に外
環部材を嵌合し、前記ピストン本体のボス部に取り付け
られた外環支持部材で前記外環部材をスラスト方向に相
対移動可能に支持するピストンにおいて、前記外環部材
と前記スカート部との間の隙間に油圧を供給して前記緩
衝部材の機能を該油圧で代替するように構成するととも
に、ピストンの往復運動時に該油圧を上記隙間から逃が
すように構成して圧油の剛性化を防止し、以てスラップ
音の低減を図った低騒音ピストンを提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するため手段】この発明は、上記目的を達
成するため、次のように構成されている。即ち、この発
明は、ピストンリング溝を備えたクラウン部とピストン
ピンを挿通するピン孔が形成されたボス部を備えたスカ
ート部とから構成したピストン本体、前記スカート部に
嵌合する外環部材、前記ボス部と前記外環部材との間に
介在され且つ前記外環部材をスラスト方向に相対移動可
能に支持する外環支持部材を有するピストンにおいて、
前記外環部材と前記スカート部との間の隙間を前記外環
部材の中央部で大きく且つ周辺部で小さく形成し、前記
隙間に油圧を供給するように構成したことを特徴とする
ピストンに関する。
成するため、次のように構成されている。即ち、この発
明は、ピストンリング溝を備えたクラウン部とピストン
ピンを挿通するピン孔が形成されたボス部を備えたスカ
ート部とから構成したピストン本体、前記スカート部に
嵌合する外環部材、前記ボス部と前記外環部材との間に
介在され且つ前記外環部材をスラスト方向に相対移動可
能に支持する外環支持部材を有するピストンにおいて、
前記外環部材と前記スカート部との間の隙間を前記外環
部材の中央部で大きく且つ周辺部で小さく形成し、前記
隙間に油圧を供給するように構成したことを特徴とする
ピストンに関する。
【0010】また、上記ピストンにおいて、前記外環部
材は外周面の半径がシリンダボアの半径に等しく形成さ
れており、前記スカート部は半径が前記外環部材の内周
面の半径よりも小さく且つ半径中心が前記ピストン本体
の中心から反対方向に偏倚するように形成されたもので
ある。
材は外周面の半径がシリンダボアの半径に等しく形成さ
れており、前記スカート部は半径が前記外環部材の内周
面の半径よりも小さく且つ半径中心が前記ピストン本体
の中心から反対方向に偏倚するように形成されたもので
ある。
【0011】
【作用】この発明によるピストンは、上記のように構成
されており、次のように作用する。即ち、このピストン
は、前記外環部材が前記外環支持部材によってスラスト
方向に相対移動可能に支持されており、しかも前記外環
部材と前記スカート部との間の隙間に油圧が供給される
ように構成されているので、このピストンをシリンダボ
ア内に組み込み、前記隙間に油圧を供給すると、前記外
環部材はシリンダライナに向けて押し付けられて該シリ
ンダライナの壁面に密着した状態になる。
されており、次のように作用する。即ち、このピストン
は、前記外環部材が前記外環支持部材によってスラスト
方向に相対移動可能に支持されており、しかも前記外環
部材と前記スカート部との間の隙間に油圧が供給される
ように構成されているので、このピストンをシリンダボ
ア内に組み込み、前記隙間に油圧を供給すると、前記外
環部材はシリンダライナに向けて押し付けられて該シリ
ンダライナの壁面に密着した状態になる。
【0012】このピストンを往復運動させると、前記ピ
ストン本体は前記ピストンピンの軸回りに回転運動即ち
揺動運動をする。その揺動運動に伴って、前記ピストン
本体は前記外環部材に対して相対移動する。前記ピスト
ン本体が前記外環部材の方へ向かって移動すると、即ち
前記ピストン本体が前記外環部材に衝突しようとする
と、前記隙間内の圧油が前記周辺部から押し出される
が、前記隙間は前記外環部材の中央部で大きく且つ周辺
部で小さく形成されているので、前記ピストン本体が前
記外環部材に接近するにつれて前記隙間は小さくなり、
前記周辺部が絞りとしての機能を発揮するようになる。
このため前記ピストン本体は圧油による抵抗を受けて前
記外環部材の方へ接近しにくくなる。このように前記ピ
ストン本体が前記ピストンピンの軸回りに揺動した時
に、前記ピストン本体は油圧緩衝作用を受けてスラップ
音の発生は防止され、長期にわたってスラップ音低減性
能を維持することができる。
ストン本体は前記ピストンピンの軸回りに回転運動即ち
揺動運動をする。その揺動運動に伴って、前記ピストン
本体は前記外環部材に対して相対移動する。前記ピスト
ン本体が前記外環部材の方へ向かって移動すると、即ち
前記ピストン本体が前記外環部材に衝突しようとする
と、前記隙間内の圧油が前記周辺部から押し出される
が、前記隙間は前記外環部材の中央部で大きく且つ周辺
部で小さく形成されているので、前記ピストン本体が前
記外環部材に接近するにつれて前記隙間は小さくなり、
前記周辺部が絞りとしての機能を発揮するようになる。
このため前記ピストン本体は圧油による抵抗を受けて前
記外環部材の方へ接近しにくくなる。このように前記ピ
ストン本体が前記ピストンピンの軸回りに揺動した時
に、前記ピストン本体は油圧緩衝作用を受けてスラップ
音の発生は防止され、長期にわたってスラップ音低減性
能を維持することができる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照しながら、この発明による
ピストンの実施例について説明する。この発明によるピ
ストンの一実施例を図1、図2、図3、図4及び図5を
参照して説明する。図1はこの発明によるピストンの一
実施例を示す分解斜視図、図2は図1のピストンにおけ
るピストン本体を示しており且つピンに直交する断面
図、図3は図2の線A−Aにおけるピンに平行な断面
図、図4は図1のピストンにおけるピストン本体と外環
部材との関係を示す断面図、及び図5はこのピストンへ
油圧を供給するための油圧供給経路を示す断面図であ
る。
ピストンの実施例について説明する。この発明によるピ
ストンの一実施例を図1、図2、図3、図4及び図5を
参照して説明する。図1はこの発明によるピストンの一
実施例を示す分解斜視図、図2は図1のピストンにおけ
るピストン本体を示しており且つピンに直交する断面
図、図3は図2の線A−Aにおけるピンに平行な断面
図、図4は図1のピストンにおけるピストン本体と外環
部材との関係を示す断面図、及び図5はこのピストンへ
油圧を供給するための油圧供給経路を示す断面図であ
る。
【0014】図1に示すように、このピストンは、ピス
トンヘッド部であるクラウン部2とボス部13を備えた
スカート部3とを一体構造に構成したピストン本体1、
スカート部3に嵌合する外環部材7、ボス部13と外環
部材7との間に介在され外環部材7をスラスト方向に相
対移動可能に支持する外環支持部材10、ピストン本体
1とコンロッド11とを回転自在に連結するピストンピ
ン22、及びピストンピン22に外環支持部材10を取
り付けるためのサブピストンピン23を有している。
トンヘッド部であるクラウン部2とボス部13を備えた
スカート部3とを一体構造に構成したピストン本体1、
スカート部3に嵌合する外環部材7、ボス部13と外環
部材7との間に介在され外環部材7をスラスト方向に相
対移動可能に支持する外環支持部材10、ピストン本体
1とコンロッド11とを回転自在に連結するピストンピ
ン22、及びピストンピン22に外環支持部材10を取
り付けるためのサブピストンピン23を有している。
【0015】ピストン本体1のクラウン部2には複数の
ピストンリング溝12が形成されており、各ピストンリ
ング溝12にはピストンリング(図示せず)が嵌入され
る。スカート部3は、クラウン部2の外径よりも小さい
外径を有し且つクラウン部2の下部に一体的に形成され
ている。また、ピストン本体1のスカート部3はピスト
ンピン22を挿通するピン孔4が形成されたボス部13
を備えている。ピストン本体1には、図3に示すよう
に、ピン孔4からスカート部3へ向かって延びる油路6
が形成されている。そして、スカート部3には、図1に
示すように、油路6から導入された圧油をスカート部3
の一面に分布させるための油溝5が十字状に形成されて
いる。
ピストンリング溝12が形成されており、各ピストンリ
ング溝12にはピストンリング(図示せず)が嵌入され
る。スカート部3は、クラウン部2の外径よりも小さい
外径を有し且つクラウン部2の下部に一体的に形成され
ている。また、ピストン本体1のスカート部3はピスト
ンピン22を挿通するピン孔4が形成されたボス部13
を備えている。ピストン本体1には、図3に示すよう
に、ピン孔4からスカート部3へ向かって延びる油路6
が形成されている。そして、スカート部3には、図1に
示すように、油路6から導入された圧油をスカート部3
の一面に分布させるための油溝5が十字状に形成されて
いる。
【0016】外環部材7は一対の半円弧面部材7bから
なり、ピストン本体1のスカート部3に嵌合され、且つ
ピストンピン22に対して対称に配置される。各半円弧
面部材7bの周方向両側にはそれぞれ円周方句に延びる
腕部18が形成されている。また、外環部材7がシリン
ダを構成するシリンダライナと同程度の熱膨張率を有す
る材料で製作されていることが、外環部材7とシリンダ
ライナとの間に熱膨張差が発生せず好ましいものであ
る。例えば、シリンダライナが鋳鉄で製作されている場
合には、外環部材7は鋳鉄又は鋼等で製作し、また、シ
リンダライナがセラミックスで製作されている場合に
は、外環部材7をセラミックスで製作することが好まし
い。
なり、ピストン本体1のスカート部3に嵌合され、且つ
ピストンピン22に対して対称に配置される。各半円弧
面部材7bの周方向両側にはそれぞれ円周方句に延びる
腕部18が形成されている。また、外環部材7がシリン
ダを構成するシリンダライナと同程度の熱膨張率を有す
る材料で製作されていることが、外環部材7とシリンダ
ライナとの間に熱膨張差が発生せず好ましいものであ
る。例えば、シリンダライナが鋳鉄で製作されている場
合には、外環部材7は鋳鉄又は鋼等で製作し、また、シ
リンダライナがセラミックスで製作されている場合に
は、外環部材7をセラミックスで製作することが好まし
い。
【0017】外環支持部材10はピストン本体1のスカ
ート部3に形成されたボス部13にピストンピン22を
両側から挟むように配置され、外環部材7を支持するも
のである。外環支持部材10はピストンピン22の軸回
りに回動可能に設けられている。また、外環支持部材1
0は外環部材7の上下方向移動を規制し且つ外環部材7
のスラスト方向の相対移動を許容する案内溝19を有し
ている。案内溝19は外環支持部材10の上部と下部に
それぞれ凸状に形成された係止部即ち鍔部20,21に
よって規定されている。案内溝19の幅は外環部材7の
腕部18の幅と略等しく形成されているので、腕部18
は案内溝19に係合可能である。この係合により、外環
部材7は腕部18を介して外環支持部材10に形成され
た案内溝19に摺動可能に支持される。また、案内溝1
9の中央部にはスカート部3のピン孔4に整合するピン
孔29が形成されている。
ート部3に形成されたボス部13にピストンピン22を
両側から挟むように配置され、外環部材7を支持するも
のである。外環支持部材10はピストンピン22の軸回
りに回動可能に設けられている。また、外環支持部材1
0は外環部材7の上下方向移動を規制し且つ外環部材7
のスラスト方向の相対移動を許容する案内溝19を有し
ている。案内溝19は外環支持部材10の上部と下部に
それぞれ凸状に形成された係止部即ち鍔部20,21に
よって規定されている。案内溝19の幅は外環部材7の
腕部18の幅と略等しく形成されているので、腕部18
は案内溝19に係合可能である。この係合により、外環
部材7は腕部18を介して外環支持部材10に形成され
た案内溝19に摺動可能に支持される。また、案内溝1
9の中央部にはスカート部3のピン孔4に整合するピン
孔29が形成されている。
【0018】ピストンピン22は中心孔28を有してお
り、該中心孔28にはサブピストンピン23の小径部2
4が圧入可能になっている。また、ピストンピン22は
外周面の3箇所に即ち中央部と両端部に円周状に形成さ
れた油溝8,9を有しており、各油溝8,9は油路1
5,16を介して中心孔28に連通する。ピストンピン
22をピストン本体1及びコンロッド11に取り付けた
状態においては、図5に示すように、中央部の油溝8は
コンロッド11の油路38と連通し、両端部の油溝9は
ピストン本体1のピン孔4からスカート部3へ向かって
延びる油路6に連通する。
り、該中心孔28にはサブピストンピン23の小径部2
4が圧入可能になっている。また、ピストンピン22は
外周面の3箇所に即ち中央部と両端部に円周状に形成さ
れた油溝8,9を有しており、各油溝8,9は油路1
5,16を介して中心孔28に連通する。ピストンピン
22をピストン本体1及びコンロッド11に取り付けた
状態においては、図5に示すように、中央部の油溝8は
コンロッド11の油路38と連通し、両端部の油溝9は
ピストン本体1のピン孔4からスカート部3へ向かって
延びる油路6に連通する。
【0019】サブピストンピン23は、図1に示すよう
に小径部24と大径部25とからなるピン部26と、大
径部25の端部に形成されたキャップ部27とから構成
されている。小径部24はピストンピン22の中心孔2
8に圧入される。また、大径部25は外環支持部材10
のピン孔29に嵌合される。
に小径部24と大径部25とからなるピン部26と、大
径部25の端部に形成されたキャップ部27とから構成
されている。小径部24はピストンピン22の中心孔2
8に圧入される。また、大径部25は外環支持部材10
のピン孔29に嵌合される。
【0020】このピストンの組立は以下のようにして行
われる。まず、ピストン本体1のピン孔4及びコンロッ
ド11の小径部の孔にピストンピン22を挿入して、ピ
ストン本体1にピストンピン22を固定する。次いでピ
ストンピン22を両側から挟むように外環支持部材10
をピストン本体1のボス部13に当てて、サブピストン
ピン23の先端の小径部24をピストンピン22の中心
孔28に圧入する。これにより、サブピストンピン23
の大径部25が外環支持部材10のピン孔29に挿入さ
れた状態になり、この状態で、外環支持部材10はピス
トンピン22の軸回りに回動可能となる。その後、ピス
トン本体1のスカート部3を一対の外環部材7で両側か
ら挟むようにして、腕部18を外環支持部材10の案内
溝19に挿入することにより、上記ピストンは組み立て
られる。なお、このピストンはピストン単体の状態にお
いては、外環部材7は腕部18が外環支持部材10の案
内溝19から簡単に外れてしまうが、このピストンをシ
リンダ内に収納した状態においては、外環部材7は外環
支持部材10から外れ落ちることはない。
われる。まず、ピストン本体1のピン孔4及びコンロッ
ド11の小径部の孔にピストンピン22を挿入して、ピ
ストン本体1にピストンピン22を固定する。次いでピ
ストンピン22を両側から挟むように外環支持部材10
をピストン本体1のボス部13に当てて、サブピストン
ピン23の先端の小径部24をピストンピン22の中心
孔28に圧入する。これにより、サブピストンピン23
の大径部25が外環支持部材10のピン孔29に挿入さ
れた状態になり、この状態で、外環支持部材10はピス
トンピン22の軸回りに回動可能となる。その後、ピス
トン本体1のスカート部3を一対の外環部材7で両側か
ら挟むようにして、腕部18を外環支持部材10の案内
溝19に挿入することにより、上記ピストンは組み立て
られる。なお、このピストンはピストン単体の状態にお
いては、外環部材7は腕部18が外環支持部材10の案
内溝19から簡単に外れてしまうが、このピストンをシ
リンダ内に収納した状態においては、外環部材7は外環
支持部材10から外れ落ちることはない。
【0021】次に、外環部材7とピストン本体1のスカ
ート部3との関係について説明する。外環部材7とスカ
ート部3との間には、図4に示すように、隙間14が形
成されている。この隙間14には油圧が供給される。外
環部材7は外周面の半径がシリンダボアの半径Br と等
しく形成されているので、この発明によるピストンをシ
リンダ内に組み込んだ状態においては、外環部材7はシ
リンダライナに密着することになる。外環部材7の内周
面の半径R1 は、外環部材7の板厚をtとするとき、R
1 =Br −tで表される。これに対して、ピストン本体
1は、スカート部3の半径R2 が外環部材7の内周面の
半径R1 よりも小さく(R2 >R1 )、且つスカート部
3の半径R2 の中心Pがピストン本体1の中心P0 から
反対方向に微小距離Ls だけ離れるように即ち偏倚する
ように設定したものである。また、外環部材7とスカー
ト部3との間隔(クリアランス)の取り方について、ス
カート部3をピストン中心に対して楕円状に形成するこ
ともできる(R2 >R1 )。
ート部3との関係について説明する。外環部材7とスカ
ート部3との間には、図4に示すように、隙間14が形
成されている。この隙間14には油圧が供給される。外
環部材7は外周面の半径がシリンダボアの半径Br と等
しく形成されているので、この発明によるピストンをシ
リンダ内に組み込んだ状態においては、外環部材7はシ
リンダライナに密着することになる。外環部材7の内周
面の半径R1 は、外環部材7の板厚をtとするとき、R
1 =Br −tで表される。これに対して、ピストン本体
1は、スカート部3の半径R2 が外環部材7の内周面の
半径R1 よりも小さく(R2 >R1 )、且つスカート部
3の半径R2 の中心Pがピストン本体1の中心P0 から
反対方向に微小距離Ls だけ離れるように即ち偏倚する
ように設定したものである。また、外環部材7とスカー
ト部3との間隔(クリアランス)の取り方について、ス
カート部3をピストン中心に対して楕円状に形成するこ
ともできる(R2 >R1 )。
【0022】この結果、外環部材7とスカート部3との
隙間14の間隔は、外環部材7の中央部30と周辺部3
1とでは異なることになる。即ち、中央部30の間隔
(クリアランス)をC1 、周辺部31の間隔(クリアラ
ンス)をC2 で表すとすれば、中央部30の間隔C1
は、C1 =R1 −(R2 −LS )となり、R1 、R2 、
LS を適当に選ぶことにより、C1 >C2 となり、外環
部材7とスカート部3との間隔は、中央部30から周辺
部31に至るに従って、C1 からC2 まで徐々に小さく
なるように形成することができる。
隙間14の間隔は、外環部材7の中央部30と周辺部3
1とでは異なることになる。即ち、中央部30の間隔
(クリアランス)をC1 、周辺部31の間隔(クリアラ
ンス)をC2 で表すとすれば、中央部30の間隔C1
は、C1 =R1 −(R2 −LS )となり、R1 、R2 、
LS を適当に選ぶことにより、C1 >C2 となり、外環
部材7とスカート部3との間隔は、中央部30から周辺
部31に至るに従って、C1 からC2 まで徐々に小さく
なるように形成することができる。
【0023】次に、上記ピストンへの油圧供給経路につ
いて説明する。図5に示すとおり、ピストン本体1は、
コンロッド11の小径端に形成された孔と、スカート部
3のピン孔4にピストンピン22を挿通することによっ
て、コンロッド11の小径端に回転可能に支持される。
また、コンロッド11の大径端はクランクシャフト33
のクランクピン34にコンロッドベアリング32を介し
て回転可能に支持される。クランクシャフト33はオイ
ルギャラリー35を備えたシリンダブロック36に回転
自在に支持される。
いて説明する。図5に示すとおり、ピストン本体1は、
コンロッド11の小径端に形成された孔と、スカート部
3のピン孔4にピストンピン22を挿通することによっ
て、コンロッド11の小径端に回転可能に支持される。
また、コンロッド11の大径端はクランクシャフト33
のクランクピン34にコンロッドベアリング32を介し
て回転可能に支持される。クランクシャフト33はオイ
ルギャラリー35を備えたシリンダブロック36に回転
自在に支持される。
【0024】一般に、ピストンは、オイルギャラリー3
5からシリンダブロック36及びクランクシャフト33
を経由してクランクピン34まで油路37が形成されて
いる。この実施例においては、更にクランクピン34の
油路37に連通する油路38がコンロッド11に形成さ
れ、油路38に連通する油溝8がピストンピン22の中
央部周面に形成されている。ピストンピン22の中央部
周面に形成された油溝8は油路39としての中心孔28
に連通し、油路39は更にピストンピンの両端部周面に
形成された油溝9に連通している。また、油溝9はピス
トン本体1におけるピン孔4からスカート部3へ向かっ
て延びる油路6に連通している。以上のように構成され
ているから、オイルギャラリー35から供給された圧油
は、これらの油路及び油溝を経由して、ピストン本体1
のスカート部3に形成された油溝5へと導かれ、外環部
材7とスカート部3との間の隙間14に次々に供給され
ることになる。勿論、この隙間14は密閉空間ではない
から、圧油は隙間14からどんどん出ていく。この状態
において、外環部材7はシリンダライナの壁面に向けて
所定の圧力で押し付けられ、外環部材7の外周面がシリ
ンダライナの壁面に密着した状態になる。なお、所定の
圧力とは、外環部材7をシリンダライナの壁面に常に軽
く密着させておく程度の小さな圧力をいう。
5からシリンダブロック36及びクランクシャフト33
を経由してクランクピン34まで油路37が形成されて
いる。この実施例においては、更にクランクピン34の
油路37に連通する油路38がコンロッド11に形成さ
れ、油路38に連通する油溝8がピストンピン22の中
央部周面に形成されている。ピストンピン22の中央部
周面に形成された油溝8は油路39としての中心孔28
に連通し、油路39は更にピストンピンの両端部周面に
形成された油溝9に連通している。また、油溝9はピス
トン本体1におけるピン孔4からスカート部3へ向かっ
て延びる油路6に連通している。以上のように構成され
ているから、オイルギャラリー35から供給された圧油
は、これらの油路及び油溝を経由して、ピストン本体1
のスカート部3に形成された油溝5へと導かれ、外環部
材7とスカート部3との間の隙間14に次々に供給され
ることになる。勿論、この隙間14は密閉空間ではない
から、圧油は隙間14からどんどん出ていく。この状態
において、外環部材7はシリンダライナの壁面に向けて
所定の圧力で押し付けられ、外環部材7の外周面がシリ
ンダライナの壁面に密着した状態になる。なお、所定の
圧力とは、外環部材7をシリンダライナの壁面に常に軽
く密着させておく程度の小さな圧力をいう。
【0025】この発明によるピストンは、以上のような
構成を備えており、以下のように作動する。ピストンが
往復運動すると、外環部材7はピストン本体1と一体的
に往復運動する。また、ピストンの往復運動に従ってピ
ストン本体1はスラスト方向に移動し即ちピストンピン
22の軸回りで揺動し、スカート部3が外環部材7を介
してシリンダライナの壁面に衝突しようとする。その
時、ピストン本体1は外環部材7の方へ向かって移動す
るので、外環部材7とスカート部3との間の隙間14に
満たされている圧油はスカート部3の周辺部31の隙間
C2 から押し出される。ところが、その隙間14は外環
部材7の中央部30(隙間C1 )で大きく且つ周辺部3
1(隙間C2 )で小さく形成されている(C1 >C2 )
ので、ピストン本体1が外環部材7に接近するにつれて
隙間14は小さくなるとともに、周辺部31が絞りとし
ての機能を発揮するようになり、ピストン本体1は急に
圧油による抵抗を受けて外環部材7の方へ接近し難くな
る。このようにピストン本体1がピストンピン22の軸
回りに揺動した時に、ピストン本体1は油圧緩衝作用を
受けるので、スラップ音の発生は防止され、長期にわた
ってスラップ音低減性能を維持することができる。
構成を備えており、以下のように作動する。ピストンが
往復運動すると、外環部材7はピストン本体1と一体的
に往復運動する。また、ピストンの往復運動に従ってピ
ストン本体1はスラスト方向に移動し即ちピストンピン
22の軸回りで揺動し、スカート部3が外環部材7を介
してシリンダライナの壁面に衝突しようとする。その
時、ピストン本体1は外環部材7の方へ向かって移動す
るので、外環部材7とスカート部3との間の隙間14に
満たされている圧油はスカート部3の周辺部31の隙間
C2 から押し出される。ところが、その隙間14は外環
部材7の中央部30(隙間C1 )で大きく且つ周辺部3
1(隙間C2 )で小さく形成されている(C1 >C2 )
ので、ピストン本体1が外環部材7に接近するにつれて
隙間14は小さくなるとともに、周辺部31が絞りとし
ての機能を発揮するようになり、ピストン本体1は急に
圧油による抵抗を受けて外環部材7の方へ接近し難くな
る。このようにピストン本体1がピストンピン22の軸
回りに揺動した時に、ピストン本体1は油圧緩衝作用を
受けるので、スラップ音の発生は防止され、長期にわた
ってスラップ音低減性能を維持することができる。
【0026】
【発明の効果】この発明によるピストンは上記のように
構成されているので、次のような効果を奏する。即ち、
このピストンは、外環部材とピストン本体のスカート部
との間の隙間を外環部材の中央部で大きく且つ周辺部で
小さくなるように構成したものであるから、ピストンの
往復運動に伴ってピストンにスラスト力が作用した時
に、周辺部の隙間から圧油が徐々に押し出されるため、
内部の圧油はスラスト力を受けつつ緩衝作用を行うこと
ができる。従って、ピストンの往復運動時に、前記隙間
内の油圧が急上昇して該油圧の剛性化を招くといったこ
とは起きないので、油圧を用いてもスラップ音を効果的
に低減することができる。
構成されているので、次のような効果を奏する。即ち、
このピストンは、外環部材とピストン本体のスカート部
との間の隙間を外環部材の中央部で大きく且つ周辺部で
小さくなるように構成したものであるから、ピストンの
往復運動に伴ってピストンにスラスト力が作用した時
に、周辺部の隙間から圧油が徐々に押し出されるため、
内部の圧油はスラスト力を受けつつ緩衝作用を行うこと
ができる。従って、ピストンの往復運動時に、前記隙間
内の油圧が急上昇して該油圧の剛性化を招くといったこ
とは起きないので、油圧を用いてもスラップ音を効果的
に低減することができる。
【0027】また、この発明によれば、ゴム又は合成樹
脂製の緩衝部材の代わりに油圧を用いてピストンスラッ
プに対する衝撃を緩和することが可能になり、従来のピ
ストンにおいて見られたへたりの問題は発生せず、長寿
命の低騒音ピストンを提供することができる。
脂製の緩衝部材の代わりに油圧を用いてピストンスラッ
プに対する衝撃を緩和することが可能になり、従来のピ
ストンにおいて見られたへたりの問題は発生せず、長寿
命の低騒音ピストンを提供することができる。
【図1】この発明によるピストンの一実施例を示す分解
斜視図である。
斜視図である。
【図2】図1のピストンにおけるピストン本体を示して
おり且つピンに直交する断面図である。
おり且つピンに直交する断面図である。
【図3】図2の線A−Aにおけるピンに平行な断面図で
ある。
ある。
【図4】図1のピストンにおけるピストン本体と外環部
材との相互関係を示す断面図である。
材との相互関係を示す断面図である。
【図5】この発明によるピストンへ油圧を供給するため
の油圧供給経路を示す断面図である。
の油圧供給経路を示す断面図である。
【図6】従来のピストンを示すピンに直交する断面図で
ある。
ある。
【図7】図6のピストンの線B−Bにおけるピンに平行
な断面図である。
な断面図である。
1 ピストン本体 2 クラウン部 3 スカート部 4 ピン孔 7 外環部材 10 外環支持部材 12 ピストンリング溝 13 ボス部 14 隙間 22 ピストンピン 30 中央部 31 周辺部 R1 外環部材の内周面の半径 R2 スカート部の半径 P0 ピストン本体の中心 PS スカート部の半径中心 C1 中央部の隙間 C2 周辺部の隙間
Claims (2)
- 【請求項1】 ピストンリング溝を備えたクラウン部と
ピストンピンを挿通するピン孔が形成されたボス部を備
えたスカート部とから構成したピストン本体、前記スカ
ート部に嵌合する外環部材、前記ボス部と前記外環部材
との間に介在され且つ前記外環部材をスラスト方向に相
対移動可能に支持する外環支持部材を有するピストンに
おいて、前記外環部材と前記スカート部との間の隙間を
前記外環部材の中央部で大きく且つ周辺部で小さく形成
し、前記隙間に油圧を供給するように構成したことを特
徴とするピストン。 - 【請求項2】 前記外環部材は外周面の半径がシリンダ
ボアの半径に等しく形成されており、前記スカート部は
半径が前記外環部材の内周面の半径よりも小さく且つ半
径中心が前記ピストン本体の中心から反対方向に偏倚す
るように形成されていることを特徴とする請求項1に記
載のピストン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19457094A JPH0842391A (ja) | 1994-07-28 | 1994-07-28 | ピストン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19457094A JPH0842391A (ja) | 1994-07-28 | 1994-07-28 | ピストン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0842391A true JPH0842391A (ja) | 1996-02-13 |
Family
ID=16326738
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19457094A Pending JPH0842391A (ja) | 1994-07-28 | 1994-07-28 | ピストン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0842391A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997002418A1 (fr) * | 1995-06-30 | 1997-01-23 | Isuzu Motors Limited | Piston |
US6051036A (en) * | 1992-07-27 | 2000-04-18 | Kanebo, Ltd. | Printed cloth and method of manufacturing the same |
-
1994
- 1994-07-28 JP JP19457094A patent/JPH0842391A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6051036A (en) * | 1992-07-27 | 2000-04-18 | Kanebo, Ltd. | Printed cloth and method of manufacturing the same |
WO1997002418A1 (fr) * | 1995-06-30 | 1997-01-23 | Isuzu Motors Limited | Piston |
US5839351A (en) * | 1995-06-30 | 1998-11-24 | Isuzu Motors Limited | Piston |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040518 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20041102 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |