JPH0841250A - 耐熱性・耐油性に優れた熱可塑性エラストマ−組成物その製造方法およびそれを用いた積層体 - Google Patents

耐熱性・耐油性に優れた熱可塑性エラストマ−組成物その製造方法およびそれを用いた積層体

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JPH0841250A
JPH0841250A JP17714794A JP17714794A JPH0841250A JP H0841250 A JPH0841250 A JP H0841250A JP 17714794 A JP17714794 A JP 17714794A JP 17714794 A JP17714794 A JP 17714794A JP H0841250 A JPH0841250 A JP H0841250A
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weight
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ethylene
thermoplastic elastomer
propylene
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JP17714794A
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Masatoshi Kumagai
誠敏 熊谷
Yukio Yokote
幸夫 横手
Kazuhiko Masuda
和彦 増田
Akira Yamazaki
晃 山崎
Masaki Nagasawa
正樹 長沢
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Moriroku KK
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Moriroku KK
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 エチレン−プロピレンブロック共重合体、エ
チレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム、およ
び軟化剤とを有機過酸化物架橋剤および架橋助剤の存在
下に溶融混練しながら動的に架橋し、得られた熱可塑性
エラストマ−組成物(X)99〜90重量部とポリアミ
ド樹脂(C)1〜10重量部をフェノ−ル系架橋剤の存
在下に動的に架橋する。 【効果】 本発明の組成物は、耐油性、耐熱性(難燃
性)、ゴム弾性、耐熱老化性に優れており、自動車部
品、特にエンジンル−ム内のタイミングベルトカバ−の
シ−ルラバ−材等の加硫ゴム代替、、工業部品、電線、
ケ−ブルの被覆材、電子、電気機器部品、建材、土木の
ガスケット・シ−リング材、ル−フィングシ−ト、止水
シ−トなどの用途に好適に使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性エラストマ−
組成物に関する。さらに詳しくは、耐油性、難燃性、ゴ
ム弾性、耐熱性、耐熱老化性および成形加工性に優れた
熱可塑性エラストマ−組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、熱可塑性エラストマ−は、省エネ
ルギ−、省資源タイプのエラストマ−として、特に加硫
ゴムの代替としてパッキン、チュ−ブ、内装用シ−ト等
の自動車部品、耐圧ホ−ス、ガスケット、ダイアフラム
等の工業機械部品、電子・電気機器部品等に広く使用さ
れている。
【0003】従来のオレフィン系熱可塑性エラストマ−
は、結晶性熱可塑性ポリオレフィン樹脂とエチレン−プ
ロピレン共重合体ゴムの部分架橋物からなるため、耐候
性、耐熱老化性、成形加工性に優れるものの、耐油性、
耐熱性、ゴム弾性に劣るという問題がある。現在に至る
まで、低硬度であり、耐熱性、ゴム弾性、耐油性、耐熱
老化性および成形加工性に優れた熱可塑性エラストマ−
組成物は知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって
低硬度であり、耐熱性、ゴム弾性、耐油性、耐熱老化性
および成形加工性に優れた熱可塑性エラストマ−組成物
を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の本発明の課題は、
エチレン含量が5〜25重量%のエチレン−プロピレン
ブロック共重合体(A)15〜40重量部、エチレン−
プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム(B)85〜6
0重量部、軟化剤(D)10〜50重量部とを(ただし
(A)と(B)の合計は100重量部とする)、有機過
酸化物架橋剤および架橋助剤の存在下に動的に架橋して
なる熱可塑性エラストマ−組成物(X)99〜90重量
部と、ポリアミド樹脂(C)1〜10重量部をフェノ−
ル系架橋剤の存在下に動的に架橋してなる熱可塑性エラ
ストマ−組成物(Y)により達成される。以下、本発明
に係わる熱可塑性エラストマ−組成物について具体的に
説明する。
【0006】エチレン−プロピレンブロック共重合体
(A) 本発明で用いられるエチレン−プロピレンブロック共重
合体(A)はエチレン含量が5〜25重量%、好ましく
は13〜25重量%である。そのメルトフロ−インデッ
クス(JIS K6732 230℃)が1.0〜80
g/10分、好ましくは3〜30g/10分の範囲、よ
り好ましくは5〜10g/10分である。また共重合部
フラクションは7〜40重量%、特に20〜40重量%
の範囲にあるのが好ましい。なお、本発明の方法で共重
合部フラクションとはプロピレンのブロック共重合でプ
ロピレンのホモ重合の後にプロピレンとエチレンを共重
合する際の全重合体に対するプロピレンとエチレンを共
重合する部分の割合を意味する。本発明において、エチ
レン−プロピレンブロック共重合体(A)は、エチレン
−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム(B)との相
容性の向上及び組成物の流動性、耐熱性を向上させる役
割を持っている。
【0007】エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重
合体ゴム(B) 本発明で用いられる架橋前のエチレン−プロピレン−非
共役ジエン共重合体ゴムにおける非共役ジエンとしては
通常、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、
ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリ
デンノルボルネン等が用いられる。また、そのエチレン
含量は30〜90重量%、好ましくは55〜80重量%
の範囲にあり、ヨウ素価は7〜40、好ましくは10〜
25の範囲にある。
【0008】本発明において上記のような範囲にあるエ
チレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴムを用い
て架橋を行うと、耐熱性、耐油性に優れるとともに、ゴ
ム弾性にも優れた熱可塑性エラストマ−組成物(Y)が
得られる。また、この共重合体ゴムのム−ニ−粘度[ML
1+4(120℃)]は、熱可塑性エラストマ−組成物(Y)の
強度特性および成形性の見地から40〜200、好まし
くは60〜120の範囲にある。本発明において、ム−
ニ−粘度[ML1+4(120℃)]が上記のような範囲にあるエチ
レン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴムを用いる
と、強度特性に優れるだけでなく、溶融流動性、成形
性、加工性にも優れた熱可塑性エラストマ−組成物
(Y)が得られる。
【0009】ポリアミド樹脂(C) 本発明で用いられるポリアミド樹脂は公知のものであっ
て、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン
酸をモノマ−として重合されたものである。モノマ−の
具体例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノ
ウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメ
チル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω
−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジア
ミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,
4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチ
ルノナメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パ
ラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)
シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロ
ヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3、5,5
−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロ
ヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシク
ロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロ
ヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ビベラジ
ン、アミノエチルビベラジンなどのジアミンと、アジピ
ン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカ
ン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレ
フタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフ
タル酸、5−ナトリウムヌルホイソフタル酸、ヘキサヒ
ドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ジグリ
コ−ル酸などのジカルボン酸との組み合わせたものがあ
る。
【0010】これらのモノマ−より得るポリアミド樹脂
の具体例として、ポリアミド6、ポリアミド6・6、ポ
リアミド6・10、ポリアミド11、ポリアミド12、
ポリアミド6・12のような脂肪族ポリアミド、ポリヘ
キサメチレンジアミンテレフタルアミド、ポリヘキサメ
チレンジアミンイソフタルアミド、キシレン基含有ポリ
アミドのような芳香族ポリアミド等が挙げられ、これら
は単独でも2種以上の混合物としても用いることもでき
る。また、これらポリアミド樹脂を主成分とする熱可塑
性エラストマーも用いることができる。
【0011】軟化剤(D) 本発明で用いられる軟化剤(D)は、ゴムをロ−ル加工
する際、ゴムの分子間力を弱め、加工を容易にするとと
もに、ゴム分散を助け、あるいはゴムの硬さを低下せし
めて柔軟性、弾性を増す目的で通常使用されている高沸
点の石油留分である。軟化剤(D)としては、通常ゴム
に使用される軟化剤を用いることができ、具体的には、
プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィ
ン、石油アスファルトなどの石油系物質、コ−ルタ−
ル、コ−ルタ−ルピッチなどのコ−ルタ−ル類、ヒマシ
油、アマニ油、ナタネ油、大豆油などの脂肪油、ト−ル
油、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリンなどのロウ類、
リシノ−ル酸、バルミチン酸、ステアリン酸、ステアリ
ン酸バリウム、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸、
またはその金属塩、石油樹脂、クマロンインデン樹脂、
アタクチックポリプロピレンなどの合成高分子物質、ジ
オクチルフタレ−ト、ジオクチルアジペ−ト、ジオクチ
ルセバケ−トなどのエステル系可塑剤などを挙げること
ができる。軟化剤(D)の量は、エチレン−プロピレン
ブロック共重合体(A)とエチレン−プロピレン−非共
役ジエン共重合体ゴム(B)との合計量100重量部に
対して、10〜50重量部、好ましくは10〜40重量
部の割合である。軟化剤(D)の使用量が50重量部を
越えると、得られる熱可塑性エラストマ−組成物の耐熱
性、耐油性が低下する傾向にある。
【0012】熱可塑性エラストマ−組成物(Y)の製造
方法 本発明に係わる熱可塑性エラストマ−組成物(Y)を製
造するには、先ず第1段階としてエチレン−プロピレン
ブロック共重合体(A)15〜40重量部、エチレン−
プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム(B)85〜6
0重量部、軟化剤(D)10〜50重量部とを(ただし
(A)と(B)の合計は100重量部とする)、有機過
酸化物架橋剤および架橋助剤の存在下に動的に架橋して
熱可塑性エラストマ−組成物(X)を得、ついで第2段
階として熱可塑性エラストマ−組成物(X)99〜90
重量部と、ポリアミド樹脂(C)1〜10重量部をフェ
ノ−ル系架橋剤の存在下に動的に架橋すればよい。
【0013】ここで、動的に架橋するとは、架橋剤の存
在下に融解状態で混練することをいう。動的な架橋は、
非開放型の装置中で行うことが好ましく、また窒素、炭
酸ガス等の不活性ガス不囲気下で行うことが好ましい。
その温度は、、通常、140℃〜240℃、好ましく
は、170℃〜225℃である。混練時間は通常1〜2
0分間、好ましくは1〜10分間である。混練装置とし
ては、ミキシングロ−ル、インテンシブミキサ−、たと
えばバンバリ−ミキサ−、ニ−ダ−、一軸または二軸押
出機を用いるが、何れの場合も非開放型が好ましい。
【0014】第1段階で用いられる有機過酸化物架橋剤
としては、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ−t
ert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,
5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペ
ルオキシ)ヘキサン−3、1,3−ビス(tert−ブ
チルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス
(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(te
rt−ブチルペルオキシ)バレレ−ト、ベンゾイルペル
オキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4
−ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert−ブチル
ペルオキシベンゾエ−ト、tert−ブチルペルベンゾ
エ−ト、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカ−
ボネ−ト、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオ
キシド、tert−ブチルクミルペルオキシドなどを挙
げることができる。これらの内では、臭気性、スコ−チ
安定性の点で2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ter
t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン
−3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソ
プロピル)ベンゼンが好ましい。有機過酸化物架橋剤用
の量は、エチレン−プロピレンブロック共重合体(A)
と、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム
(B)の合計量100重量部に対し、通常0.05〜3
重量部、好ましくは0.1〜1重量部の割合で配合され
る。有機過酸化物系架橋剤を上記のような割合で配合す
ると、ゴム弾性に優れるとともに、成形加工性に優れた
熱可塑性エラストマ−組成物が得られる。
【0015】また、第1段階で用いられる架橋助剤とし
ては、例えば硫黄、p−キノリンジオキシム、p,p−
ジベンゾイルキノンジオキシム、N−メチル−N,4−
ジニトロソアニリン、ニトロベンゼン、ジフェニルグア
ニジン、トリメチロ−ルプロパン−N’,N’−m−フ
ェニレンジマレイミド、の如きペルオキシ架橋助剤、あ
るいはジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレ−ト、エ
チレングリコ−ルジメタクリレ−ト、ジエチレングリコ
−ルジメタクリレ−ト、ポリエチレングリコ−ルジメタ
クリレ−ト、トリメチロ−ルプロパントリメタクリレ−
トの如き多官能性メタクリレ−トモノマ−、ビニルブチ
ラ−トまたはビニルステアレ−トの如き多官能性ビニル
モノマ−を例示できる。
【0016】このような化合物により、均一かつ緩和な
架橋反応が期待できる。特に本発明においてはジビニル
ベンゼンを使用すると取扱いが容易であり、また流動性
と各種物性のバランスがとれた熱可塑性エラストマ−が
得られる。
【0017】架橋助剤の量は(A)および(B)の合計
量100重量部に対し、通常0.05〜3重量部、好ま
しくは0.1〜1重量部の架橋助剤を配合することがで
きる。この様にして第1段階において熱可塑性エラスト
マー組成物(X)得る。
【0018】次に、第2段階として熱可塑性エラストマ
−組成物(X)99〜90重量部と、ポリアミド樹脂
(C)1〜10重量部をフェノ−ル系架橋剤の存在下に
動的に架橋する。動的に架橋する方法はフェノ−ル系架
橋剤を使用する以外は第1段階と同様である。
【0019】本発明に使用するフェノ−ル系架橋剤は下
記の一般式で表される物質である。
【0020】
【化1】 ここで、nは0〜10の整数、Xは水酸基またはハロゲ
ン原子であり、Rは炭素数1〜15のアルキル基であ
る。
【0021】上記物質は、例えば米国特許第32874
40号明細書および同3709840号に記載されてい
るように、ゴム用架橋剤として一般に使用されている。
そして、この架橋剤はアルカリ媒体中において置換フェ
ノールとアルデヒドの重縮合により得られる。
【0022】フェノール系架橋剤は単独でも使用できる
が、架橋速度を調節するために架橋助剤と併用すること
もできる。この第2段階に用いられる架橋助剤としては
塩化第一錫、塩化第二鉄等の金属ハロゲン化物、塩素化
ポリプロピレン、臭化ブチルゴム、クロロプレンゴム等
の有機ハロゲン化物を用いることができる。架橋助剤を
併用する場合は更に酸化亜鉛のような金属酸化物を一緒
に用いるとより好ましい。
【0023】上記のフェノ−ル系架橋剤は、熱可塑性エ
ラストマ−組成物(X)とポリアミド樹脂(C)の合計
量100重量部に対し、0.5〜10重量部、好ましく
は1〜5重量部の割合で配合される。フェノ−ル系架橋
剤を上記のような割合で配合すると、ゴム弾性に優れる
とともに、成形加工性に優れた熱可塑性エラストマ−組
成物が得られる。
【0024】本発明においては、熱可塑性エラストマ−
組成物の成形加工性およびゴム弾性を損なわない範囲で
カ−ボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、群青、紺青、
アゾ顔料、ニトロソ顔料、レ−キ顔料、フタロシアニン
顔料等の着色剤、フェノ−ル系、サルファイト系、フェ
ニルアルカン系、フォスファイト系あるいはアミン系安
定剤の如き公知の耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定
剤、帯電防止剤、金属セッケン、ワックス等の滑剤等
を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することがで
きる。これらは、第1段階あるいは第2段階の動的架橋
を行なう際に配合することができる。
【0025】また、本発明においてはオキシエチレン構
造を持つ化合物あるいは公知のスコーチ防止剤を第1ま
たは第2段階の動的架橋時に配合して用いることにより
エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム
(B)のスコ−チを防止することが望ましい。オキシエ
チレン構造を持つ化合としては例えばエチレングリコ−
ル、ジエチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、
プロピレングルコ−ル、ポリプロピレングルコ−ルなど
が挙げられ、通常、エチレン−プロピレン−非共役ジエ
ン共重合体ゴム(B)100重量部に対し0.1〜10
重量部、好ましくは、1〜5重量部の割合で用いられ
る。また、スコ−チ防止剤としては公知のスコ−チ防止
剤を用いることができ、具体的には、無水マレイン酸、
チオイミド系化合物、スルフェンアミド系化合物などが
挙げられ、通常、エチレン−プロピレン−非共役ジエン
共重合体ゴム(B)100重量部に対し0.2〜5重量
部、好ましくは、0.3〜3重量部の割合で用いられ
る。
【0026】さらに、本発明においては、通常のゴムの
加工に使用される加工助剤を用いることができ、具体的
には、リシノ−ル酸、ステアリン酸、バルミチン酸、ラ
ウリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシ
ウム、ステアリン酸亜鉛、上記酸のエステル類など、高
級脂肪酸、その塩およびそのエステル類などが挙げられ
る。上記のような加工助剤は、通常、エチレン−プロピ
レン−非共役ジエン共重合体ゴム(B)100重量部に
対し約10重量部、好ましくは、1〜5重量部の割合で
用いられる。
【0027】本発明の熱可塑性エラストマーは特に耐油
性、耐熱性に優れ、射出成形可能であり、また、ポリオ
レフィンとの接着強度が大きいのでポリオレフィンと積
層して得られる積層体の用途として特に好ましく使用で
きる。この際に使用するポリオレフィンとしてはポリプ
ロピレン、ポリエチレン、エチレンービニル化合物共重
合体が使用でき、特にポリプロピレンが好ましい。ポリ
プロピレンはプロピレンの単独共重合体または、プロピ
レンとエチレンのランダムまたはブロック共重合体また
はこれらとポリオレフィン及び/または各種フィラーと
のブレンド物も好ましく使用できる。
【0028】上記積層体は従来、樹脂とパッキングとし
て加硫ゴムを組み合わせて2種類の部品として使用され
ていた部分を積層物を使用することで一体化できコスト
ダウンが可能になり、自動車部品、工業部品として使用
できる。特にエンジンル−ム内のシール部分が一体成形
されたタイミングベルトカバ−などの用途に好適に使用
することができる。以下、本発明を実施例により説明す
るが、本発明は、これら実施例に限定されるものではな
い。
【0029】
【実施例】 (1)使用材料成分(A) BJS(3):三井東圧化学(株)製、エチレン−プロ
ピレンブロック共重合体(M.F.I.1.5g/10
分、エチレン含量18wt%、共重合フラクションの割
合は40.5%であった。 MJS(5.1):三井東圧化学(株)製、エチレン−
プロピレンランダム共重合体(M.F.I.1.5g/
10分、エチレン含量5wt%) JS:三井東圧化学(株)製、ポリプロピレンホモ重合
体(M.F.I.1.5g/10分)成分(B) EP−96C:日本合成ゴム(株)製エチレン−プロピ
レン−エチリデンノルボルネン)共重合体ゴム〔、ヨウ
素価19、プロピレン含量27wt%のEPDMの油展
物で油展量50phr、ム−ニ−粘度[ML1+4(120℃)]5
3〕 EP−98A:日本合成ゴム(株)製エチレン−プロピ
レン−エチリデンノルボルネン)共重合体ゴム〔ム−ニ
−粘度[ML1+4(120℃)]62、ヨウ素価15、プロピレン
含量28wt%、油展量75phr EP−57P:日本合成ゴム(株)製エチレン−プロピ
レン−エチリデンノルボルネン)共重合体ゴム〔ム−ニ
−粘度[ML1+4(100℃)]88、ヨウ素価15、プロピレン
含量28wt%、油展量0phr〕成分(C) ELY20NZ:エムスジャパン(株)製”グリロン”
(12−ナイロンベ−スの熱可塑性エラストマ−) A28NZ:エムスジャパン(株)製”グリロン”(6
−ナイロン)成分(D) PW−380:出光興産(株)製パラフィン系プロセス
オイル 粘度380cp PW−90:出光興産(株)製 パラフィン系プロセス
オイル 粘度90cp有機過酸化物架橋剤 RPZ101:化薬アクゾ−(株)2,5−ジメチル−
2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン架橋助剤 ジビニルベンゼン(DVB)フェノ−ル系架橋剤 SP−1045:日本触媒(株)製ジメチロ−ル−p−
オクチル−フェノ−ル−ホルムアルデヒド樹脂 /SnCl2 ・2H2 O及びZnO (2)使用成形機 二層成形機:名機製作所製 M1000AII−VR2−
2CJ 射出成形機:東芝 金型:80mm×160mm×2m
m厚シ−ト 金型温度:50℃ (3)評価硬度(−) JIS K6301 JIS−Aタイプ引張破断強さ(Kgf/cm2)及び引張破断伸び
(%) JIS K6301 試料は2mm厚の射出シ−トを用
い、試験片は1号形圧縮永久歪(%) JIS K6301 150℃、70時間、25%変形耐油性(%) JIS K6301 JIS3号油 120℃、70時
間の重量変化率接着強度(Kgf) 名機製作所製 M1000AII−VR2−2CJを用い
て得られた二層成形品(ポリプロピレン樹脂組成物/熱
可塑性エラストマ−組成物(Y))の幅3mmの試料の
剥離強度を測定した。 ポリプロピレン樹脂組成物:三井東圧化学(株)製”S
A−40HM”タルク40重量部含有 実施例1 第1段階:BJS(3)20重量部と、EP−96C8
0重量部と、PW−38025重量部からなる成分を、
内容積3リットルのニ−ダ−にて、ロ−タ−回転数48
rpmで混練した。混練物の温度が170℃になった時
点で架橋剤として、RPZ1010.2重量部、ジビニ
ルベンゼン0.3重量部を投入し、さらに3分間混練を
続け、オレフィン系熱可塑性エラストマ−組成物(X)
を得た。 第二段階:オレフィン系熱可塑性エラストマ−組成物
(X)95重量部と、ELY20NZ5重量部の合計1
00重量部に対し、SP−1045、1.8重量部、S
nCl2 ・2H2 O 0.4重量部、ZnO 0.1重
量部を同方向二軸押出機を用いて、240℃の条件下で
押出し、オレフィン系熱可塑性エラストマ−組成物
(Y)を得た。
【0030】実施例2〜8、比較例1〜7 表−1〜3の組成に基づいて、実施例1と同様な方法を
施した。実施例1〜8の組成物はいずれも優れた物性を
示した。これに対してポリプロピレン樹脂量を50重量
部にまで上げた比較例1では、硬度が上昇し、架橋成分
量も減る為、耐熱・耐油性も低下する。比較例2、3で
は、ベ−スとなるポリプロピレンを変えているが、ラン
ダムPPを用いると強度が弱く、また耐熱・耐油性が低
い。ホモPPを用いるとエチレン−プロピレン−エチリ
デンノルボルネン共重合体ゴム、ナイロン樹脂との相溶
性が悪く、またゴムらしさも失われる為、耐熱・耐油性
が低下する。比較例4、5、6、7では、ポリアミド樹
脂の添加やフェノ−ル樹脂架橋を行っていないため、耐
熱・耐油性が大幅に低下する。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】本発明に係わる熱可塑性エラストマ−組
成物は、成形加工性に優れ、通常の熱可塑性プラスチッ
クの成形で使用されている装置を用いて成形することが
でき、押出成形、カレンダ−成形、特に射出成形等の成
形加工に適している。また、本発明に係わる熱可塑性エ
ラストマ−組成物は、耐油性、耐熱性(難燃性)、ゴム
弾性、耐熱老化性に優れており、自動車部品(ベロ−
ズ、各種チュ−ブ、各種ホ−ス、泥除け、窓枠ガスケッ
ト)、特にエンジンル−ム内のタイミングベルトカバ−
のシ−ルラバ−材、工業部品(耐圧ホ−ス、ガスケッ
ト、ダイヤフラム、ロ−ル、パッキング)、電線、ケ−
ブルの被覆材、電子、電気機器部品、建材、土木のガス
ケット・シ−リング材、ル−フィングシ−ト、止水シ−
トなどの用途に好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C08L 23/16 53:02) (72)発明者 増田 和彦 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 山崎 晃 栃木県宇都宮市東簗瀬1−3−21 ADD ビル4階 森六株式会社内 (72)発明者 長沢 正樹 栃木県宇都宮市東簗瀬1−3−21 ADD ビル4階 森六株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン含量が5〜25重量%のエチレ
    ン−プロピレンブロック共重合体(A)15〜40重量
    部、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム
    (B)85〜60重量部、軟化剤(D)10〜50重量
    部とを(ただし(A)と(B)の合計は100重量部と
    する)、有機過酸化物架橋剤および架橋助剤の存在下に
    動的に架橋してなる熱可塑性エラストマ−組成物(X)
    99〜90重量部と、ポリアミド樹脂(C)1〜10重
    量部をフェノ−ル系架橋剤の存在下に動的に架橋してな
    る熱可塑性エラストマ−組成物(Y)。
  2. 【請求項2】 エチレン含量が5〜25重量%のエチレ
    ン−プロピレンブロック共重合体(A)15〜40重量
    部、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム
    (B)85〜60重量部、および軟化剤(D)10〜5
    0重量部とを(ただし(A)と(B)の合計は100重
    量部とする)有機過酸化物架橋剤および架橋助剤の存在
    下に溶融混練しながら動的に架橋し、得られた熱可塑性
    エラストマ−組成物(X)99〜90重量部とポリアミ
    ド樹脂(C)1〜10重量部をフェノ−ル系架橋剤の存
    在下に動的に架橋することを特徴とする熱可塑性エラス
    トマ−組成物(Y)の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の熱可塑性エラストマーと
    ポリオレフィンとを積層して得られる積層体。
  4. 【請求項4】 積層体がシール部分が一体成形されたタ
    イミングベルトカバーである請求項3記載の積層体。
JP17714794A 1994-07-28 1994-07-28 耐熱性・耐油性に優れた熱可塑性エラストマ−組成物その製造方法およびそれを用いた積層体 Pending JPH0841250A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114437463A (zh) * 2020-11-05 2022-05-06 中国石油化工股份有限公司 硫化组合物、基于epdm的硫化橡胶组合物、硫化橡胶及其制备方法和应用

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