JPH0841240A - 優れた機械的特性を有する超高モジュラス糸製品およびその製造方法 - Google Patents

優れた機械的特性を有する超高モジュラス糸製品およびその製造方法

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JPH0841240A
JPH0841240A JP7000690A JP69095A JPH0841240A JP H0841240 A JPH0841240 A JP H0841240A JP 7000690 A JP7000690 A JP 7000690A JP 69095 A JP69095 A JP 69095A JP H0841240 A JPH0841240 A JP H0841240A
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Anagnostis E Zachariades
イー ザカライアデス アナグノスティス
Premal Shukla
シュクラ プレマル
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Polteco Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた機械的特性を有する優れた高分子ポリ
エチレンテープ、リボンまたは糸製品を提供する。 【構成】 非揮発性溶媒中でポリマーの結晶融点付近の
温度でテープ／リボン／ロッド／モノフィラメント／シ
ート／管の形態の初期形態を膨潤させ、この形態を特定
条件下で冷却し、これをわずかに圧縮して非揮発性溶媒
を除去し、非揮発性溶媒を揮発性溶媒で抽出し、揮発性
溶媒を蒸発または真空により除去し、この形態をロール
の間で圧縮し、これをポリマーの結晶融点より低い温度
で延伸してテープ、リボン、モノフィラメント、シート
または管を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、高いモジュラスおよび
引っ張り強さ特性を有し、特にデンタルフロス、釣り糸
および他の糸製品に用いることができる、連続性および
凝集性構造を有する優れた高分子ポリエチレンテープ、
リボンまたは糸製品に関する。本発明はまた、高いモジ
ュラスおよび引っ張り強さ特性を有するこのような製品
を製造するのに用いる超高分子ポリエチレン（ＵＨＭＷ
ＰＥ）形態および他のポリマーを加工する新規な方法に
関する。
【０００２】
【従来の技術】超高分子ポリエチレン（ＵＨＭＷＰＥ）
は、顕著な特性を有する独特のポリマーである。これを
圧縮成形して、高い耐摩擦、耐磨耗および耐疲労性並び
に強度を有する製品を得ることができる。また、これを
溶液手法により加工し、延伸して、超高モジュラスおよ
び強度を有するマルチフィラメント繊維を形成すること
ができる。特定的に製造された単結晶形態のこのポリマ
ーを押し出し、延伸して、理論的に予測された値に近い
モジュラスを有する繊維を製造することができる。ＵＨ
ＭＷＰＥは、分子量および溶融粘度が著しく高いため、
従来の溶融加工方法、例えば押し出しおよび射出成形に
よっては加工するのが困難であり、セラミックスおよび
金属に用いられる粉末焼結手法、およびラム押し出しに
より加工される。
【０００３】溶媒存在下での架橋した系の膨潤挙動、ポ
リマーの溶解および溶媒のアモルファスポリマー中への
拡散に関する従来技術の情報が個別に入手されている。
しかし、ポリマー中の膨潤および溶解の同時の動力学に
関する文献における情報は限定されている。超高分子ポ
リマーは、ポリマーが本質的に未架橋であり、結晶質で
あっても、溶解することなく顕著な膨潤が発生しうると
いう点で独特である。この現象は、分子鎖のレプテーシ
ョン(reptation) および緩和時間が長く、これらの系に
おける分子鎖の絡み合いの濃度が高いために発生する。
【０００４】高モジュラスおよび高強度製品を可撓性お
よび直線状商品ポリマーから製造することに関する広範
囲の研究が行われている。Zachariades の特許第5,030,
402および4,820,466 号明細書には、高モジュラス製品
を得るための固体状態変形方法が開示されている。Smit
h 等(P. Smith およびP. Lemstra, J. Mater. Sci.,198
0, 第15巻、第 505ページ並びにP. SmithおよびP. Lems
tra, British Polymer Journal, 1980, 第 212頁）は
特に、高剛性および強度超高分子ポリエチレン繊維を製
造するゲル加工方法を報告した。この方法は、ポリマー
を溶媒に溶解し、押し出し、急冷し、溶媒を除去し、次
に熱延伸することを必要とする。米国特許第4,413,110
号明細書において、Kavesh等は、溶液からのゲル回転(g
el spinning)により、パラフィン油中の２〜５％ＵＨＭ
ＷＰＥを用いて超高モジュラスおよび強度ポリエチレン
を製造する方法を記載した。このような方法はあまりに
も多くの溶媒を用い、このために加工は困難である。溶
融結晶質ＵＨＭＷＰＥから製造されたテープはわずか約
８の延伸比を示し、この結果ヤング率の最終的な特性は
約１〜２ＧＰａであり、引っ張り強さは０．１〜０．３
ＧＰａである。
【０００５】Zachariades は彼の初期の特許第4,655,76
9 号明細書において、他の研究者を用いることにより擬
似ゲルと真正ゲルとを区別し、以下の顕著な手順を有す
る擬似ゲル状態を用いて超高ポリエチレン管状製品を製
造する方法を記載した：ＵＨＭＷＰＥ粉末の出発材料を
１４０〜１７０℃で非揮発性溶媒に溶解して溶液を生成
し；溶液を１２３℃まで冷却してシート形態の擬似ゲル
を形成し；非揮発性溶媒を揮発性溶媒により抽出し；１
２３℃で擬似ゲルを圧縮して薄いゲル状フィルムを形成
し、これをマンドレルの周囲に巻き付け；揮発性溶媒を
蒸発させ、この間擬似ゲルフィルムをマンドレルの周囲
に巻き付け；次に約１３５℃で約５倍の延伸比で管状製
品を延伸する。
【０００６】また、高い強度特性を有するポリマー製品
を開発する試行がなされている。Sano等の特許第4,879,
076, 5,026,511、4,996,011 、4,760,120 および5,002,
714号明細書において、特定の触媒を用いて得られた選
択されたポリエチレンをポリマーの融点より低い温度に
おいて延伸して、高モジュラスおよび高強度繊維または
フィルムを製造する。若干の場合においてこの特定のポ
リエチレンを圧縮成形し、溶媒中に浸漬し、固相押し出
しまたは圧延し、最後に延伸する。これらの方法は前の
方法に類似する（1. "Contemporary Topics in Polymer
Science", M.Shen編、Plenum Press, 1979, 第２９７
〜３１８頁中のM.P.C. Watts, A.E. Zachariadesおよび
R.S. Porter, "New Methods of Production of Highly
OrientedPolymers"並びにA.E. Zachariades、米国特許
第4,820,466 号明細書参照）。Kobayashi 等は特許第5,
106,555 および5,200,129 号明細書において、圧縮圧延
下で一対のベルトの間に粉末を供給し、圧縮成形したオ
レフィンを延伸することによるポリオレフィン材料の連
続生成方法を記載している。
【０００７】Mackley およびSolbaiは刊行物(Polymer
J., 1987, 第28巻，、第１１１５〜１１２０頁中のMac
kley, Malcolm R.,およびSolbai, Somad, "Swell Drawi
ng: Anew method of manufacturing high performance
polyethylene structures")中で、高モジュラスおよび
高強度超高分子ポリエチレン（ＵＨＭＷＰＥ）テープを
製造する膨潤延伸方法を提示している。この方法は、以
下の工程を含む： １．前駆体ＵＨＭＷＰＥ材料素材（ヘキスト セラニー
ス(Hoechst Celanese) GUR 415）を延伸させずにラム押
し出しによる焼結を用いて製造する。ＵＨＭＷＰＥ素材
を薄く切ることにより厚さが０．２５４ｍｍ（０．０１
０インチ）であるテープを製造する。 ２．１００〜１３０℃で１〜１０分間デカリンまたはキ
シレン中で、溶媒の重量対ポリマーの重量Ｗｓ／Ｗｐが
２０以内となるように、薄く切ったテープを膨潤させ
る。 ３．未調整条件下で膨潤したテープを室温まで冷却して
膨潤したＵＨＭＷＰＥを結晶化させる。 ４．８０℃で揮発性溶媒をポリマーから蒸発させる。 ５．乾燥したテープを等温条件下で４インチ／分（１０
０ｍｍ／分）で９０〜１２０℃の温度範囲において延伸
する。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、擬似ゲルを
形成するための異なる前駆体形態、異なる膨潤条件、異
なるポリマーおよび異なる加工工程を用いて、Mackley
およびSolbaiの方法を含む上記の従来技術とは異なり、
改善された結果を生じることを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明の方法は、非揮発
性溶媒、膨潤したテープを圧縮すること、揮発性溶媒を
用いて非揮発性溶媒を擬似ゲル状態から抽出すること、
揮発性溶媒を擬似ゲル状態から蒸発させて乾燥テープを
形成すること、乾燥テープをローラーの間で圧縮変形さ
せることおよび次に高温延伸して高モジュラスおよび高
強度製品を得ることを用いて、膨潤テープ（またはリボ
ン）の形態の擬似ゲル状態を形成することを含む。本発
明の方法は、前の文献著者または特許により記載されて
いる、ポリマーまたは流体加工の解決に関するものでは
なく、熱可塑性ポリマーの制御された膨潤に関する。そ
の理由は、結晶質構造を有する擬似ゲルを形成し、この
間溶媒をポリマー中に含ませ、次に溶媒を除去して一層
結晶質である形態を生成し、次にこの結晶質形態を圧縮
ロールの間で圧縮し、最後に結晶質形態を擬似ゲル前駆
体から固体状態変形させて（例えば延伸により）、高モ
ジュラスおよび強度特性を有する製品を得るからであ
る。本発明の方法における出発材料を、溶融結晶化材料
素材から薄く切ったテープ、溶融押し出しにより形成し
た溶融結晶化テープ、圧縮粉形態または焼結粉末形態と
することができる。これらの幅に依存して、本発明者等
は、溶融結晶化素材から薄く切ることより得られたテー
プがしばしばテープの長さ方向に沿って表面きずを示
し、これがその後の延伸工程に不都合となりうることを
観察した。
【００１０】擬似ゲルが形成している間の膨潤の量を、
出発ポリマープロフィルの結晶度の程度により制御する
ことができる。比較的高いアモルファス領域と関連する
比較的低い結晶度により、一層の膨潤が可能である。本
発明の主な利点は、ポリマーを膨潤させることにより擬
似ゲル状態を形成するために用いる溶媒が少量に限定さ
れ、ポリマーのいわゆる「溶液加工」が不必要であるこ
とである。ポリマーが溶媒中でポリマーの結晶融点付近
で膨潤することにより、分子鎖の絡み合いの密度が低下
し、従って溶媒を除去した後にポリマーの延伸に際して
分子鎖を高い延伸比に一層容易に伸長することができ、
例えば高モジュラスおよび強度を有するテープおよびリ
ボンが得られる。延伸比により高モジュラスおよび強度
性能を達成するために、固体状態で延伸する際に、隣接
する結晶間の分子鎖が、鎖が一方で滑ることなくまたは
分子の絡み合いが延伸を妨害することなく、分子鎖の有
効な延伸および伸長が発生することができるのに十分な
程度に互いに絡み合っていることが重要である。ソース
と混合した料理したスパゲッティに類似して、制限され
た量の溶媒の条件下および本方法において溶媒処理する
のに許容される短い時間の下で、分子鎖は「潤滑性」と
なり、擬似ゲル状態の結晶度の程度により制御される程
度まで解放される。「溶媒潤滑」方法は、溶媒がポリマ
ーから除去された際には発生しないため、不可逆的であ
る。
【００１１】要約すると、本発明は、適切な溶媒中で膨
潤して擬似ゲル状態を形成することができ、抽出または
蒸発により溶媒を除去することにより、圧縮（例えば押
し出しまたは圧延）およびその後の延伸により固体状態
変形することができる熱可塑性直鎖状ポリマーから、高
モジュラスおよび高強度テープ、リボンまたは糸製品を
提供する。すべての熱可塑性ポリマーが溶媒により膨潤
し、擬似ゲル状態、即ち時間依存性弾性を有する状態を
形成し、さらに固体状態変形して高モジュラスおよび強
度を有する繊維製品となることができるとは限らない。
これらの要求を満たすポリマーは直鎖状であり、極めて
高い分子量または主鎖、例えばポリアミド中に極性基を
有しなければならない。極めて高い分子量を有するポリ
マーとは、少なくとも３００，０００ないしは５〜６百
万の分子量（粘度測定方により測定して）を有するポリ
マー樹脂を意味する。本発明の範囲内で用いることがで
きるポリマーは、例えばＡＳＴＭ Ｄ４０２０−８１の
規格に適合するＵＨＭＷＰＥを含むポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ（Ｌ−ラクチド）、ポリ（ビニルアル
コール）、ポリアクリロニトリル、ポリ−４−メチル−
１−ペンテン、ポリ（エチレンテレフタレート）、ポリ
アミドおよび多糖類、並びにコポリマー、直鎖状／分枝
状である上記したタイプの他のポリマー、並びに例えば
接着、表面変性または難燃性のための添加物を含むかま
たは含まない上記のものの配合組成物を含む。本発明に
おいて、ポリマーを適切な前駆体プロフィル、例えばテ
ープまたはリボンの形態で用いることができる。ここで
テープまたはリボンという用語を用いて、好ましくは例
えば溶液回転により得られたマルチフィラメント繊維に
類似しない連続的凝集性構造を有する物質の狭いストリ
ップの形態である単一フィラメントを記載する。若干の
用途において、前駆体プロフィルを単一フィラメント、
シートまたは管とすることができる。すべての例におい
て、前駆体材料を非揮発性溶媒中に、ポリマーの結晶融
点に近い高温で１〜５分間配置して擬似ゲルを形成す
る。次に、擬似ゲル、例えばテーププロフィルを制御さ
れた条件下で周囲温度まで冷却し、テープをロールの間
でわずかに圧縮して、絞ることにより非揮発性溶媒を除
去し、揮発性溶媒での抽出により、次に蒸発または真空
によりテープから残留する溶媒を除去し、次にプロフィ
ルをロールの間で圧縮してテープ中の欠陥を除去し、多
孔性を均衡させ、結晶度を１０％以内の幅で上昇させ、
凝集性および連続性を改善し、次に３〜６の延伸比で予
め延伸することにより引っ張り特性を増大させ、ネッキ
ングを除去する。次に、加工したテープ前駆体をポリマ
ーの結晶融点より低い温度においてある延伸比に延伸し
て、ある所望の機械的特性を得る。次に生成した製品を
単一フィラメント形態で用いるかまたは編組するか編む
かまたは織って、また複合製品に含ませることができ
る。
【００１２】本発明の方法の最終的な繊維製品は、デン
タルフロス、釣り糸、帆布、ロープ、糸、接着性テー
プ、多孔質膜、構造および補強材、カテーテルおよび気
球材料として用いることができる。またこれらは、ガラ
ス、炭素、マイカ、芳香族ポリアミド繊維、鋼、ケイ
素、窒化ホウ素並びに他の耐衝撃性無機およびセラミッ
ク繊維との複合材料において、および防弾材料として用
いることができる。
【００１３】本発明の他の目的、利点および特徴は、本
発明により開発された製品の例を含む以下の詳細な説明
から明らかである。
【００１４】以下本発明を詳細に説明する。本発明にお
いて、前駆体材料はある要求を満足する熱可塑性ポリマ
ーであり、即ちポリマーは分子量が３００，０００〜
６，０００，０００より大きい直鎖状分子であり、ａ）
固体状態変形して高モジュラスおよび強度を有する繊維
製品となり、ｂ）溶媒により膨潤して擬似ゲル状態を形
成することができなければならない。前駆体材料として
適するポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リアミド、ポリエステル、ポリメチルペンテン、ポリビ
ニルアルコール、ポリアクリロニトリル、多糖類並びに
コポリマー、直鎖状／分枝状ポリマーを含む種々のこの
ようなポリマー、添加剤を含むかまたは含まない配合組
成物を含む。１つの形態において、前駆体材料を圧縮成
形を用いた溶融結晶化により製造し、薄く切るかまたは
直接溶融押し出ししてテープおよびリボンとすることが
できる。ここで、材料の連続性固体片をこれらの方法の
いずれかにより形成する。
【００１５】また、前駆体材料を、選択された温度およ
び圧力条件下での粉末圧縮により製造することができ
る。ポリエチレンに関して、適切な温度は８０〜２４０
℃の範囲内であり、圧力は７０〜４，２００ｋｇ／ｃｍ
2 （１，０００〜６０，０００ｐｓｉ）の範囲内であ
る。本発明の方法において、超高分子ポリエチレン粉末
または先細円錐形ダイを介してあるいは押し出し圧延ダ
イまたはロールの間に供給することができる粉末の混合
物を用いて、連続性および凝集性構造を形成ことができ
る。例えば、ＵＨＭＷＰＥ ハイファックス（ＨｉＦａ
ｘ） １９００；Ｍｗ＝３〜４×１０6 、反応器粉末を
約１４０ｋｇ／ｃｍ2 （２，０００ｐｓｉ）の圧力下で
１１０℃の温度で厚さ１ｍｍ、幅１０ｍｍのテープに圧
縮した。次に、このようにして製造したテープを、一対
のローラーを介して１２４℃で圧縮することにより延伸
比６に延伸した。
【００１６】記載したように最初に提供した前駆体材料
を、薄く切るかあるいはラムまたは溶融押し出しによ
り、直接テープ、リボン、シート、ロッド、モノフィラ
メント、管および他の任意の幾何学的形態に加工するこ
とができる。
【００１７】最初の前駆体材料を形成した後、これを上
記に簡潔に記載したように所望の大きさおよび断面を有
するリボン／テープ／シート／ロッド／モノフィラメン
トに延伸することができる。
【００１８】ここで、前の工程のテープ／リボン／シー
トを、ローラーを用いて延伸または圧縮延伸することに
より延伸する前または延伸した後に溶媒（揮発性または
非揮発性）中に供給して膨潤擬似ゲル構造を形成する。
溶媒をパラフィン油、鉱油または植物油、デカリン、キ
シレンおよび石油とすることができる。好ましくは、テ
ープ／シートをパラフィン油中で１３０〜１６０℃で膨
潤させて、比較的長い時間にわたり膨潤させた際に約３
〜５であり、１０を超えない重量変化Ｗｓ／Ｗｐ（溶媒
の重量対ポリマーの重量）を提供する。例えばパラフィ
ン油を用いて１３０℃で５分間前駆体ポリエチレンテー
プを膨潤させることにより１７０％の重量変化、５０％
の長さの変化，１５％の幅の変化および２０％の厚さの
変化が提供された。厚さに依存して、溶媒はテープ／リ
ボン／シートの厚さを透過するかまたは表面に浸透する
のみである。従って、方法は溶液の生成を含まない。用
いられる膨潤条件下で、分子鎖の可動性は分子の絡み合
いおよび結晶により制限され（膨潤したポリマーは約１
８％以内の残留結晶度を有する）、この結果低下した分
子の絡み合い密度を有する半結晶質状態が形成する。ま
た、擬似ゲルを形成する膨潤の量を、ポリマープロフィ
ルの初期結晶度により制御することができる。比較的高
いアモルファス領域に関する比較的低い結晶度により、
一層膨潤することが可能である。前駆体テープ／リボン
／シートを液体窒素を用いて凍結させ、次に溶媒に例え
ば室温で暴露した際には、これは一層速く膨潤して上記
した擬似ゲルを形成することが観察された。
【００１９】次に、擬似ゲル状態にある膨潤したテープ
／リボン／シートを急冷または徐冷することにより７０
℃より低い温度まで冷却して、存在する結晶および結晶
核上に再結晶させることができる。
【００２０】次に、膨潤した擬似ゲル材料を、機械的手
段、例えばテープ／リボン／シートを柔軟なロールの間
で圧延することによりわずかに圧縮して、非揮発性溶媒
を除去する。例えば、１３０℃で５分間膨潤させた後、
約９０％のパラフィン油が、このわずかな圧縮手順によ
り除去される。
【００２１】次に、前の工程のテープ／リボン／シート
を揮発性溶媒、例えばヘキサン中に供給する。例えば、
膨潤したテープをパラフィン油中に１３０℃で５分間置
き、その後圧縮した後、これを室温で約１０分以内ヘキ
サン中に置いてすべての残留するパラフィン油を除去す
る。所要に応じて、この油を一層速く除去するために、
一層高い温度を用いることができる。
【００２２】次の手順において、すべての残留する揮発
性溶媒を蒸発または真空により除去して乾燥テープを提
供する。
【００２３】ここで、乾燥テープをロールの間で、約６
の変形比に延伸することなく、または延伸しながら、適
切な温度（室温〜１３０℃）および圧力（７〜３，５０
０ｋｇ／ｃｍ2 （１００〜５０，０００ｐｓｉ））の条
件下で圧縮して、最終的な熱延伸の前に一方向に延伸し
たテープを得る。
【００２４】最終的な延伸の前に乾燥テープを圧縮圧延
することにより、以下の所望の特性が得られる：テープ
中の欠陥を除去することにより、均衡のとれた多孔性お
よび一層良好な均一性が得られ、結晶度が増大し（１〜
１０％）、これは一層良好な機械的特性を与えることが
知られている。またテープを約６の延伸比に予備延伸す
ることにより、最終的な延伸の前に、前駆体テープに一
層良好な強度および機械的安定性が与えられ、この結
果、一層良好な機械的特性を有する繊維状テープ製品が
得られる。また、圧縮圧延により、一層凝集性であり連
続性である構造が得られる。さらに、予備延伸により、
前駆体テープが一層凝集性となり、連続性構造が得られ
る。また、これによりネッキングが防止され、従って一
層良好に延伸することができ、一層高い品質が得られ
る。
【００２５】その後、圧縮したテープ／リボン／シート
を８０〜１３０℃で０．５ないしは１００フィート／分
を超える種々の延伸比で、従来の延伸装置において単一
または複数段階を用いて延伸する。加工した材料の圧縮
および延伸工程を、分子鎖を延伸させ、展開し、伸長す
ることにより達成し、別格の強度および高いモジュラス
特性を有する単一フィラメント最終製品を提供する。
【００２６】前の方法工程から生じた単一フィラメント
製品を、市販材料として編組し、編むかまたは織り、混
ぜて複合製品を形成する。
【００２７】上記の方法により提供されたフィラメント
生成物をデンタルフロス、釣り糸、帆布、ロープ、糸、
接着性テープ、多孔質膜、構造および補強材、カテーテ
ルおよび気球材料等に用いることができる。
【００２８】単一フィラメントの組み合わせから製造さ
れた、編組し、編むかまたは織った製品を、ガラス、炭
素、マイカ（ケルバー(Kelvar)（登録商標））、鋼、ケ
イ素、窒化ホウ素並びに他の耐衝撃性無機およびセラミ
ック繊維との複合材料において、および防弾材料として
用いることができる。
【００２９】
【実施例】以下の実施例に、種々の方法を用いることに
より得られた製品の例を含む本発明の方法の種々の例を
説明する。 実施例１ デンタルフロス 独特の特性を組み合わせて有する新規なデンタルフロス
製品を、好ましくは３００，０００より大きく、さらに
好ましくは１，０００，０００より大きい分子量（Ｍ
Ｗ）を有する超高分子ポリエチレンを用いて製造した。
このようなポリエチレン、特に分子量が１，０００，０
００より大きいポリエチレンは内部潤滑性を有し、デン
タルフロスとして適する高度に延伸し、伸長したテープ
に延伸することができることが見出された。このような
製品は繊維状であるが、従来入手できる製品とは異な
り、マルチフィラメントではなく、これらは顕著な耐切
断性を示す。このような繊維状製品の特性は、延伸比に
より発生した鎖の伸長の程度および本発明の方法の他の
加工条件に依存して変化する。
【００３０】健康的な歯肉および骨は、歯を一定の位置
にしっかり固定している。歯肉炎は、歯垢からの毒素が
歯肉に炎症を発生させ、これを赤くし、軟弱にし、出血
させる際に発生する。歯周炎は一層進んだ段階である。
毒素が組織をさらに破壊し、歯肉から歯が外れ、歯根お
よび骨が露出し、歯が失われる。歯垢は歯の表面で常に
形成する。日常的に除去しなければ、歯垢により穴およ
び歯肉の病気が発生しうる。歯磨きのみではすべての歯
の表面から歯垢を除去することはできない。デンタルフ
ロスを用いて磨くことにより、歯の間および歯肉の下の
歯垢を除去するのが補助される。
【００３１】従来開発され、市場で入手できるデンタル
フロス製品は、例えば以下のような問題および欠点を有
することがよく知られている：使用に際してフロスが個
別のフィラメントに切断され、この結果デンタルフロス
を用いて磨くことに効果がなくなり、フロスの切断が発
生する；繊維が歯の間で滑り、使用が困難になり、デン
タルフロスを用いて磨くことに効果がなくなる。従来の
フロス製品のほとんどがナイロン、ポリアミドまたはテ
フロン製であり、比較的新しい材料と比較して機械的特
性が劣る。
【００３２】繊維の切断を抑制するために、従来の多く
のフロス製品に蝋が塗布された。比較的最近において、
滑り特性を有するポリテトラフルオロエチレン型の材料
が製造された。この材料は容易に切断しないが、他のフ
ロス材料と比較して引っ張り強さが極めて低かった。
【００３３】示したように、本発明は、独特の特性を組
み合わせて有する新規なデンタルフロステープ製品を提
供する。デンタルフロスは、好ましくは３００，０００
より大きく、または好ましくは１，０００，０００より
大きいＭＷを有する超高分子ポリエチレン製である。こ
のようなポリエチレン、特に分子量が１，０００，００
０より大きいポリエチレンは内部潤滑性を有し、高度に
延伸し、伸長したテープ製品に延伸することができる。
このような製品は繊維状である。しかし、これらは顕著
な耐切断性を示す。このような製品の特性は、延伸比に
より発生した鎖の伸長の程度および加工条件に依存して
若干変化しうる。
【００３４】本実施例の新規なデンタルフロステープ製
品を、揮発性または非揮発性溶媒中でゲル状状態に膨潤
することができ、平均分子量が８００，０００〜３，０
００，０００であるポリエチレンを用いて本発明の方法
工程により製造した。本発明において、用いることがで
きるポリエチレンを、ホモポリマーの性質を有するも
の、コポリマーまたは種々の分子量特性を有するものの
混合物、例えばＭＷが８００，０００の樹脂とＭＷが
３，０００，０００の樹脂との混合物とすることができ
る。ここで、デンタルフロス製品をこのようなポリエチ
レンの溶融結晶化前駆体テープから製造した。この前駆
体テープを第１にパラフィン油を用いて１３０℃で１分
間ゲル状状態に膨潤させ、次にわずかに圧縮して（絞っ
て）パラフィン油を除去した。次にこれをヘキサンに５
分間浸漬してテープを乾燥し、残留するすべてのパラフ
ィン油を除去した。その後、テープを約７０℃に加熱し
てすべての残留するヘキサンを除去して、最初の溶融結
晶化テープより高い多孔性を有する多孔質テープ製品を
得た。次に、多孔質テープを７〜７００ｋｇ／ｃｍ
2 （１００〜１０，０００ｐｓｉ））の下でダイローラ
ーを用いて圧縮して材料の物理的特性、例えば結晶化度
パーセント、および孔均一性を均衡させた。圧縮後、テ
ープを従来の延伸装置を用いて８０〜１３０℃の温度で
延伸して、デンタルフロスとして適する所望の機械的特
性を有する延伸製品を得た。
【００３５】述べたように、延伸の前にポリエチレンを
膨潤させることにより、これが多孔質となる。この多孔
性を、ポリエチレンを延伸する前のダイローラー間の圧
縮条件および用いられる膨潤条件により制御することが
できる。ポリエチレンを多孔質とすることにより、種々
の添加剤、例えば風味増強剤または薬物を、添加剤をパ
ラフィン油中に供給することによりポリエチレンが膨潤
している間かまたは溶媒を除去した後に含ませることが
できる。
【００３６】本発明の製品は、従来入手できるマルチフ
ィラメントデンタルフロスとは顕著に異なって、モノフ
ィラメント状に作用するテープである。従って、製品は
用いるのが比較的容易かつ好都合であり、比較的高い引
裂抵抗を有し、脆化して一層小さいフィラメントとなる
ことがなく、これによりフロスを用いて磨くことが一層
好都合かつ効果的となる。
【００３７】要するに、本発明において高分子ポリエチ
レン材料から形成した製品は，いくつかの利点を提供す
る： １．本発明のフロス製品はリボン／テープの形態である
ため、繊維とは対照的に、フロスを用いて磨くことがは
るかに容易になる。この製品は、歯の間で長時間用いた
際に切断してフィラメントとなることがない。 ２．広範囲のヤング率および引っ張り強さを用いること
ができる。例えば正確に０．５〜１０ＧＰａの範囲内の
ヤング率および０．１〜１．２ＧＰａの範囲内の引っ張
り強さを有するフロスを製造することができ、これによ
り特定のフロス特性に関して広範囲の領域が可能であ
る。 ３．フロスを任意所望の範囲の幅、例えば０．２５４〜
６．３５ｍｍ（０．０１〜０．２５インチ）またはこれ
より大きくすることができる。 ４．フロスを任意所望の範囲の厚さ、例えば０．０２５
４〜０．１２７ｍｍ（０．００１〜０．００５インチ）
またはこれより大きくすることができる。 ５．フロスを、例えば中性、ミント、チョコレート、イ
チゴ、アーモンド、オレンジ、レモン、バナナ、カエデ
等の風味に製造することができる。 ６．フロスを薬剤、例えば材料を消毒する過酸化物で処
理するかまたはこれを浸透させ、口中で用いるのに一層
安全にし、および／または歯肉の間に残留する細菌を攻
撃し、これにより歯垢の形成を防止することができる。 ７．形成したデンタルフロステープの多孔性を用いて添
加剤、調味料、抗細菌剤、抗歯石剤、および歯周病に対
する薬物を含ませることができる。 ８．本発明において製造されるデンタルテープまたはフ
ロスの他の好都合な特性は、これが蝋状物質で塗布され
ず，内部潤滑性であり、用いるのに高度に効果的である
ことである。
【００３８】実施例２ 釣り糸 独特の特性を組み合わせて有する新規な釣り糸製品を、
約１，４５０，０００の分子量（ＭＷ）を有する超高分
子ポリエチレンを用いて製造した。初期プロフィルは直
径が０．５０８ｍｍ（０．０２０インチ）であるロッド
であり、これをパラフィン油中で２分間１３０℃で膨潤
させ、次にわずかに圧縮してパラフィン油を除去し、次
にヘキサン中で乾燥してすべての残留するパラフィン油
を除去し、最後に種々の程度に延伸することにより、１
３０℃で所望の直径に延伸した。
【００３９】現在用いられている釣り糸は、ナイロンま
たはダクロン製である。同一の直径の糸に関して、本発
明に従って製造した釣り糸は一層強力であり、低い破損
点伸びを有する。
【００４０】特に、本発明に従って製造した釣り糸は、
いくつかの重要な利点および特徴を提供する。これは、
直径が小さいが強度が大きく、軽量であり、延伸係数が
低い糸を提供する。糸を容易に結ぶことができ、これは
容易に浮き、十分投げることができる。これは水を吸収
せず、リール上で膨潤せず、内部潤滑性でありほつれな
い。以下に強度対大きさのナイロン製の試料との比較を
示す。
【００４１】
【表１】
【００４２】伸び ナイロン 破損点伸び ２５〜３５％ 本発明 破損点伸び ５〜１０％
【００４３】実施例３ 釣り糸 超高分子ポリエチレン（ＭＷ〜１，４５０，０００）製
の高度に延伸したテープを、実施例１に記載した方法に
より得た。しかし、異なる程度へのテープの延伸を含む
延伸工程とした。延伸したテープを対にし、４つのフィ
ラメントを含む糸に編組した。本実施例の目的のため
に、テープを旋盤上でゆっくり撚り、次に撚ったテープ
を４つの成分構造に編組することにより、第１にテープ
を対にした。
【００４４】実施例４ 高分子ポリエチレン １，４５０，０００のＭＷを有する前駆体粉末材料を用
いた。この粉末を約２００℃、７００ｋｇ／ｃｍ2 （１
０，０００ｐｓｉ）において圧縮して円筒形ビレットを
製造した。幅が６．３５ｍｍ（０．２５インチ）であ
り、厚さが０．２５４ｍｍ（０．０１０インチ）である
テープをこのブロックから薄く切った。テープをパラフ
ィン油中で１分間１３０℃で膨潤させ、わずかに圧縮し
てパラフィン油を除去し、ヘキサン中で乾燥して残留す
るパラフィン油を除去した。乾燥したテープを１，４０
０ｋｇ／ｃｍ2 （２０，０００ｐｓｉ）の下で圧縮し、
次に１３０℃で延伸した。延伸したテープは４２の延伸
比を有し、最終的な材料の特性は、少なくとも５５ＧＰ
ａのヤング率および少なくとも１．２ＧＰａの引っ張り
強さを有していた。
【００４５】実施例５ 粉末圧縮ポリエチレン ＵＨＭＷＰＥ ヘキスト セラニース GUR 412の形態で
ある前駆体材料を２１０ｋｇ／ｃｍ2 （３，０００ｐｓ
ｉ）の下で１２０℃で圧縮してテープとした。テープを
パラフィン油中で２分間１３０℃で膨潤させた。膨潤の
際の重量変化は１９０％であり、長さの増加は１３％で
あり、幅の増加は８％であり、厚さの増加は３０％であ
った。次にテープをわずかに圧縮してパラフィン油を除
去し、残留するパラフィン油をヘキサンで抽出し、テー
プを１３０℃で１８の延伸比に延伸し、この結果、１２
ＧＰａのヤング率および０．５ＧＰａの引っ張り強さを
有し、破断点伸び百分率が５％である最終製品が得られ
た。
【００４６】実施例６ 粉末圧縮ポリエチレン（固体状態圧延、続いて熱延伸に
よる） ＵＨＭＷＰＥ ハイファックス（ハイモント(Himont)
１９００；ＭＷ〜３，０００，０００〜４，０００，０
００）の形態である前駆体材料反応器粉末を１４０ｋｇ
／ｃｍ2 （２，０００ｐｓｉ）の下で１１０℃で圧縮成
形して厚さが１ｍｍてあり、幅が１０ｍｍであるテープ
とした。このようにして製造したテープを、例えば３０
ｃｍ／分の速度で回転している一対のローラーにより圧
延することにより、１２４℃で圧縮変形して延伸比を６
とした。次に、このように圧延することにより製造した
予備延伸したテープを１３０℃で一軸方向に延伸して、
少なくとも６８ＧＰａのヤング率および少なくとも１．
３ＧＰａの引っ張り強さを有する最終的な繊維状テープ
製品を得た。以下の表２に圧縮圧延および延伸による延
伸の前および種々の段階での前駆体圧縮粉末の特性を列
挙する。
【００４７】
【表２】
【００４８】実施例７ ポリプロピレンテープ 超高分子ポリプロピレンテープを、圧縮成形の間に溶融
結晶化することにより製造したブロックから薄く切っ
た。未処理テープは融点が１６３℃であった。厚さが
０．１２７ｍｍ（０．００５インチ）であるこのテープ
を１６０℃で２分間パラフィン油中で膨潤させて擬似ゲ
ルを形成し、次にパラフィン油をヘキサンにより抽出し
た。膨潤の間、テープの重量変化は１６６％であり、長
さの増加は１２％であり、幅の増加は８％であり、厚さ
の増加は３３％であった。乾燥テープを１３０℃で７の
延伸比に延伸し、少なくとも３ＧＰａのヤング率および
少なくとも０．３ＧＰａの引っ張り強さである最終的な
テープ特性を得た。
【００４９】実施例８ 高密度ポリエチレン 分子量が８００，０００であるポリエチレン粉末を含む
前駆体材料を２００℃、７００ｋｇ／ｃｍ2 （１０，０
００ｐｓｉ）において圧縮して円筒形ビレットを製造し
た。幅が６．３５ｍｍ（０．２５インチ）であり、厚さ
が０．２５４ｍｍ（０．０１０インチ）であるテープを
このブロックから薄く切った。テープをパラフィン油中
で１分間１２５℃で膨潤させ、わずかに圧縮してパラフ
ィン油を除去し、ヘキサン中で乾燥して残留するパラフ
ィン油を除去し、１，４００ｋｇ／ｃｍ2 （２０，００
０ｐｓｉ）の下で圧縮して材料を平坦にし、１２５℃で
延伸した。延伸したテープは３８の延伸比を有し、最終
的な材料特性は少なくとも３２ＧＰａのヤング率および
少なくとも０．８ＧＰａの引っ張り強さを含んでいた。
【００５０】実施例９ 高密度ポリエチレン 分子量が５００，０００であるポリエチレンを含む前駆
体材料を用いて実施例８の方法を繰り返し、溶融押し出
しにより幅が２．５４ｃｍ（１インチ）であり、厚さが
０．２５４ｍｍ（０．０１０インチ）であるテープを直
接製造した。延伸比９に延伸することにより得られた製
品は少なくとも３ＧＰａのヤング率および少なくとも
０．５ＧＰａの引っ張り強さを有していた。
【００５１】実施例４、５、６および８の手順を用い
て、テープの形態の製品を織って繊維を得、これは軽
量、比較的高い多孔性、高い強度、耐水性および耐寒性
並びに良好な耐磨耗性および引裂抵抗の特性を有する。
【００５２】本発明の分野の当業者には、本発明の構成
の変化、広範囲の例および用途が、本発明の本意および
範囲を逸脱することく可能である。本明細書の開示およ
び記載はただ例示的であるのみであり、いかなる制限を
も意味する意図はない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 プレマル シュクラ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94404 フォスター シティ フォスター シティ ブールバード 1029 アパート メント ビー

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 熱可塑性テープ、リボンまたは糸材料を
    製造するにあたり： ａ−３００，０００より大きい分子量を有する溶融結晶
    化前駆体ポリエチレンテープを提供し； ｂ−前駆体テープを約１３０℃の液体浴中に、上記テー
    プが擬似ゲル状態に膨潤するのに十分な時間浸漬し； ｃ−膨潤したテープをわずかに圧縮して浴液体を除去
    し； ｄ−テープを溶媒中で処理して残留するすべての浴液体
    を除去し； ｅ−テープを加熱して残留するすべての溶媒を除去し、
    これにより最初の溶融結晶化テープより高い多孔性を有
    する乾燥多孔質製品を提供し； ｆ−多孔質製品を厚さに依存して７〜２，１００ｋｇ／
    ｃｍ2 （１００〜３０，０００ｐｓｉ）の圧力下で所定
    時間圧縮し； ｇ−テープを８０〜１３０℃の温度において延伸して、
    少なくとも０．５〜１００ＧＰａの範囲内のモジュラス
    および少なくとも０．１〜２ＧＰａの範囲内の引っ張り
    強さを有する改善された機械的特性を有する延伸した製
    品を得ることを特徴とする、熱可塑性テープ、リボンま
    たは糸材料の製造方法。
  2. 【請求項２】 前駆体テープを、ポリエチレン材料の固
    体ブロックを薄く切ることにより形成することを特徴と
    する請求項１記載の方法。
  3. 【請求項３】 前駆体テープを溶融押し出し方法により
    得ることを特徴とする請求項１記載の方法。
  4. 【請求項４】 ８０〜２４０℃の範囲内の温度および７
    ０〜４，２００ｋｇ／ｃｍ2 （１，０００〜６０，００
    ０ｐｓｉ）の圧力下で粉末を圧縮することにより前駆体
    テープを得ることを特徴とする請求項１記載の方法。
  5. 【請求項５】 １４５〜２４０℃の範囲内の温度および
    ７０〜４，２００ｋｇ／ｃｍ2 （１，０００〜６０，０
    ００ｐｓｉ）の圧力下で粉末を焼結することにより前駆
    体テープを得ることを特徴とする請求項１記載の方法。
  6. 【請求項６】 上記前駆体材料が０．０２５４〜２．５
    ４ｍｍ（０．００１〜０．１インチ）の範囲内の厚さを
    有することを特徴とする請求項１記載の方法。
  7. 【請求項７】 液体浴が１３０〜１６０℃の範囲内の温
    度に１〜５分間維持されたパラフィン油であることを特
    徴とする請求項１記載の方法。
  8. 【請求項８】 ８０〜１３０℃における最終延伸工程の
    前に、前駆体テープを約６の延伸比となるように延伸す
    る工程を含むことを特徴とする請求項４記載の方法。
  9. 【請求項９】 前駆体テープにより吸収された液体の重
    量が、テープの重量の約３〜５倍であることを特徴とす
    る請求項１記載の方法。
  10. 【請求項１０】 上記前駆体材料を液体窒素で凍結し、
    次に室温で溶媒中に置いて上記材料を擬似ゲル状態に膨
    潤させることを特徴とする請求項１記載の方法。
  11. 【請求項１１】 上記溶媒がキシレンであることを特徴
    とする請求項１０記載の方法。
  12. 【請求項１２】 膨潤したテープをロールの間でわずか
    に圧縮することを特徴とする請求項１記載の方法。
  13. 【請求項１３】 圧縮した膨潤テープを室温で１０分以
    内の間ヘキサンで処理して残留する浴液体を除去するこ
    とを特徴とする請求項１記載の方法。
  14. 【請求項１４】 製品を延伸する前に、乾燥多孔質製品
    を室温〜１３０℃の範囲内の温度で圧縮することを特徴
    とする請求項１記載の方法。
  15. 【請求項１５】 圧縮工程の前に上記多孔質製品と添加
    剤物質とを混合する工程を有することを特徴とする請求
    項１記載の方法。
  16. 【請求項１６】 上記添加剤物質が風味増強材料である
    ことを特徴とする請求項１５記載の方法。
  17. 【請求項１７】 上記添加剤物質が薬物であることを特
    徴とする請求項１５記載の方法。
  18. 【請求項１８】 少なくとも３００，０００の分子量、
    ０．５〜１０ＧＰａの範囲内のヤング率および０．１〜
    １．２ＧＰａの範囲内の引っ張り強さを有する高分子ポ
    リエチレン材料の単一フィラメントから成ることを特徴
    とするデンタルフロス。
  19. 【請求項１９】 分子量が３００，０００〜６，００
    ０，０００の範囲内であることを特徴とする請求項１８
    記載のデンタルフロス。
  20. 【請求項２０】 幅が０．２５４〜６．３５ｍｍ（０．
    ０１〜０．２５インチ）の範囲内であり、厚さが０．０
    ２５４〜０．１２７ｍｍ（０．００１〜０．００５イン
    チ）の範囲内であるテープの形態であることを特徴とす
    る請求項１８記載のデンタルフロス。
  21. 【請求項２１】 上記単一フィラメントに風味増強剤を
    浸透させたことを特徴とする請求項１８記載のデンタル
    フロス。
  22. 【請求項２２】 上記単一フィラメントに予め選択され
    た薬剤を浸透させたことを特徴とする請求項１８記載の
    デンタルフロス。
  23. 【請求項２３】 分子量が少なくとも３００，０００で
    あり、直径が少なくとも０．００３である高分子ポリエ
    チレン材料から成ることを特徴とする単一フィラメント
    釣り糸。
  24. 【請求項２４】 分子量が約１，４５０，０００である
    ことを特徴とする請求項２３記載の釣り糸。
  25. 【請求項２５】 破損点伸びが５〜１０％の範囲内であ
    ることを特徴とする請求項２３記載の釣り糸。
  26. 【請求項２６】 高分子ポリエチレン要素の複数の単一
    フィラメントから成る編組糸において、 各要素が約１，４５０，０００の分子量および０．０７
    ６２ｍｍ（０．００３インチ）より大きい直径を有する
    ことを特徴とする編組糸。
  27. 【請求項２７】 デンタルフロスとして有用であり、少
    なくとも０．５ＧＰａのヤング率を有し、平均分子量が
    ３００，０００〜６，０００，０００である前駆体テー
    プをパラフィン油中で擬似ゲル状態に膨潤させ、膨潤し
    たテープをわずかに絞ってパラフィン油を除去し、テー
    プをヘキサン中で乾燥し、乾燥したテープを加熱して残
    留するヘキサンを除去して、上記前駆体テープより高い
    多孔性を有する多孔質テープを生成し、多孔質テープを
    圧縮し、次にテープを延伸してデンタルフロスとして望
    ましい機械的特性を有する延伸製品を得ることにより得
    られたことを特徴とする高分子ポリエチレン半結晶質形
    態のテープ。
  28. 【請求項２８】 上記前駆体テープが溶融結晶化ポリエ
    チレン材料であることを特徴とする請求項２７記載のテ
    ープ。
  29. 【請求項２９】 添加剤物質が上記多孔質テープ中に含
    まれていることを特徴とする請求項２７記載のテープ。
  30. 【請求項３０】 ０．５〜１００ＧＰａの範囲内のヤン
    グ率および０．１〜２．０ＧＰａの範囲内の引っ張り強
    さを有し、分子量が少なくとも３００，０００である高
    分子ポリエチレン材料の前駆体テープをパラフィン油中
    で擬似ゲル状態に膨潤させ、膨潤したテープをわずかに
    絞ってパラフィン油を除去し、テープをヘキサン中で乾
    燥し、乾燥したテープを加熱して残留するヘキサンを除
    去して前駆体テープより高い多孔性を有する多孔質テー
    プを生成し、多孔質テープを圧縮し、次にこれを延伸し
    て所望の機械的特性を有する延伸フィラメント製品を得
    ることにより得られたことを特徴とする単一フィラメン
    ト製品。
  31. 【請求項３１】 他の複数の同様のフィラメント製品と
    共に織るか、編組するかまたは編んで所望の繊維および
    製品が得られたことを特徴とする請求項３１記載の製
    品。
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