JPH0840866A - ラブドシンまたはその塩を含有する化粧料 - Google Patents

ラブドシンまたはその塩を含有する化粧料

Info

Publication number
JPH0840866A
JPH0840866A JP6178105A JP17810594A JPH0840866A JP H0840866 A JPH0840866 A JP H0840866A JP 6178105 A JP6178105 A JP 6178105A JP 17810594 A JP17810594 A JP 17810594A JP H0840866 A JPH0840866 A JP H0840866A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rabdosin
salt
rhabdosin
cosmetic
active oxygen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6178105A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshitsugu Miyazaki
寿次 宮崎
Kyoko Kaguma
京子 鹿熊
Setsumi Kobayashi
世津美 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagase and Co Ltd
Original Assignee
Nagase and Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nagase and Co Ltd filed Critical Nagase and Co Ltd
Priority to JP6178105A priority Critical patent/JPH0840866A/ja
Publication of JPH0840866A publication Critical patent/JPH0840866A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Anti-Oxidant Or Stabilizer Compositions (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 化粧料基剤中に有効成分としてラブドシンま
たはその塩を含有する化粧料が提供される。 【効果】 ラブドシンまたはその塩は極めて高い活性酸
素ラジカル消去作用を有しており、従って本発明の化粧
料は活性酸素に起因する種々の皮膚上の疾患および障害
を予防および/または治療するのに有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化粧料基剤中に有効成
分としてラブドシンまたはその塩を含有することを特徴
とする化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】「延命草」は、別名「ヒキオコシ」とも
呼ばれ、広く漢方薬、民間薬に使われている生薬であ
る。この延命草の抽出物について、胃液分泌抑制作用、
抗腫瘍作用、抗菌作用などが既に知られており、その有
効成分などが開示されている。また、この抽出物の香粧
品への添加は既に公知の事実であり、化粧料種別許可基
準(1993年)にヒキオコシエキスとして各種の香粧品への
添加が認められており、育毛効果[特開昭63-141915]お
よびチロシナーゼ阻害(美白)効果[特開平3-200706]が開
示されている。
【0003】「ラブドシン」は、Rabdosia japonica
(延命草)[I.Agataら, Chem.Pharm.Bull. 36(8), 3223-3
225 (1988)]あるいはMacrotomia euchroma[M.Nishizaw
aら,Phytochemistry 29(8), 2645-2649 (1990)]などの
植物中に含まれる成分の1つであり、以下の構造を有す
る:
【化1】 このラブドシンの構造およびこの物質をそれぞれの植物
から精製する方法が上記文献に記載されているが、ラブ
ドシンの生理作用についてはこれまで全く知られていな
かった。
【0004】近年、生体内で活性酸素ラジカルがタンパ
ク質やDNAあるいは不飽和脂肪酸などの生体内構成成
分と反応して細胞障害を引き起こし、生体の老化や各種
疾患の原因となることが明らかにされつつある[「フリ
ーラジカルとくすり」、菊川清見ら編、廣川書店、187-
311頁 (1991)]。特に皮膚は、生体の最外層に位置し、
外部環境に最も暴露されやすい臓器であり、自然環境の
中で絶えず酸素に接触し、太陽光(特に、紫外光)に暴露
され、また、皮膚表面を覆っている脂肪成分である皮脂
や外来由来の光感作物質が存在するため、活性酸素や過
酸化脂質の生成が起こりやすい条件下にある。また皮膚
は、他の臓器と同様に、炎症により好中球などの食細胞
が作り出す活性酸素にもさらされている。このような内
外両面からの酸素ストレスに対し、皮膚には、スーパー
オキシドジスムターゼ(SOD)、カタラーゼ、グルタチ
オン−パーオキシダーゼなどの活性酸素消去作用あるい
は抗酸化作用を有する物質が内在し、皮膚組織における
活性酸素レベルを低下させることにより皮膚を活性酸素
による障害から保護している。しかし、この両者のバラ
ンスが崩れた時には、皮膚はこれら活性酸素あるいは過
酸化脂質の障害を受け、シミ、シワなどの老化現象が進
行することが多くの研究により実証されている。過剰な
太陽光の被曝あるいは老化による生体の保護機能の低下
などは、この両者のバランスを崩す大きな原因と考えら
れている[宮地良樹ら、「フリーラジカルの臨床」、第3
巻、127-134頁 (1988)]。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような皮膚にお
ける活性酸素ラジカルによる障害に対して、外部より投
与する活性酸素ラジカルスカベンジャーが有効であると
期待され(宮地良樹ら、上記)、SODやビタミンEなど
の投与が試みられている。これにより、ある程度の効果
が得られてはいるが、これらラジカルスカベンジャーの
効果は未だ充分なものではない。また、製剤中あるいは
皮膚上でのこれら化合物の安定性などに多くの問題点を
有しており、化粧料での使用に耐えうる安全かつ安定で
優れた効力を有する活性酸素ラジカルスカベンジャーの
開発が望まれている。本発明者らは、このような要望に
耐えうる活性酸素ラジカルスカベンジャーを広く生薬に
求め、鋭意研究を行なった。
【0006】
【課題を解決するための手段】この研究の結果、これま
で活性酸素ラジカルスカベンジャーあるいは抗酸化剤と
しては知られていなかった延命草抽出物に非常に高い活
性酸素ラジカルスカベンジャーの効果を認めた。さらに
研究を進めた結果、この抽出物中に存在する延命草の一
成分ラブドシンが極めて高い活性酸素ラジカル消去作用
および抗酸化作用を有することがわかった。さらに、精
製したラブドシンまたはその塩あるいはラブドシンを高
濃度で含有する抽出物を配合することにより、この極め
て高い活性酸素ラジカル消去作用および抗酸化作用を各
種疾患の予防および/または治療に用いうることを示
し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、有効成分としてラブドシ
ンまたはその塩を含有することを特徴とする、活性酸素
に起因する種々の皮膚上の疾患を予防および/または治
療するための化粧料を提供するものである。本発明の化
粧料は、延命草より抽出して得られるラブドシンまたは
その塩を含有するのが好ましい。また本発明の化粧料
は、高濃度のラブドシンを含む延命草抽出物を配合する
ことによって調製することができる。
【0008】ラブドシンは、先に挙げたI.Agataらある
いはM.Nishizawaらの文献に記載の方法によって、ラブ
ドシンを含有する植物から得ることができる。例えば、
延命草の葉あるいは全草を水および/またはエタノール
に室温〜還流温度で浸漬および抽出することによって、
ラブドシン含有抽出液を得る。次いで、この抽出液を適
当な有機溶媒(酢酸エチルなど)で洗浄および抽出し、さ
らにこの有機相を適当なカラムクロマトグラフィー[サ
イズ排除、吸着および分配クロマトグラフィーを組合せ
る(展開液としては水/エタノールが好ましい)]で分画
することによって精製ラブドシンを得ることができる。
このようにして得た精製ラブドシンを添加することによ
り、目的の効果が充分に現れるように有効成分ラブドシ
ンを高濃度で配合することができる。また、抽出方法を
適切に選択することによって、ラブドシンを他の成分よ
り高濃度に含有する抽出液を得ることができる。この抽
出液を上記のようにさらに精製してもよいし、また、こ
れをそのまま本発明の化粧料に配合してもよい。
【0009】またラブドシンは、多くの無機および有機
塩基と反応して非毒性の塩を形成することができる。本
発明の化粧料は、このようなラブドシンの非毒性の塩を
含有していてもよい。塩基としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム
などの無機塩基、およびモノエタノールアミン、トリエ
タノールアミン、アルギニン、ヒスチジンなどの有機塩
基が含まれる。このようなラブドシンの塩は常法によっ
て調製することができる。
【0010】ラブドシンまたはその塩を含有する本発明
の化粧料の形態としては、クリーム、軟膏、化粧水、乳
液、ローションなどを例示することができ、これらを処
置が必要な皮膚に適用することができる。
【0011】化粧料を調製する際に用いる化粧料基剤は
この分野で普通に使用されるものであってよく、例え
ば、アルコール類、炭化水素類、高級アルコール高級脂
肪酸エステル類、高級アルコール類、動植物油脂、コレ
ステロール脂肪酸エステル類、水溶性高分子類などを用
いることができる。具体的には、グリセリン、エタノー
ル、ポリビニルアルコール、プロピレングリコール、オ
レイルアルコール、ステアリルアルコール、ラウリン
酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、プロピレングリコー
ルモノステアレート、ポリオキシエチレンセチルエーテ
ル、ラウリルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ミ
ツロウ、オリーブ油、ツバキ油などを挙げることができ
る。
【0012】本発明の化粧料は、さらに油剤、界面活性
剤、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑沢剤、防腐剤
および/または香料などを含んでいてよく、また、他の
有効成分(例えば、グリチルリチン酸ジカリウム、アラ
ントインなどの抗炎症剤;ローパンテノール、プラセン
タ抽出物などの皮膚賦活剤;アスコルビン酸リン酸エス
テルマグネシウム塩、クラブリジンなどの美肌用成分)
を含んでいてもよい。上記のような成分からなる本発明
の化粧料は当該分野で周知の方法に従って製造してよ
い。
【0013】ラブドシンまたはその塩は広い用量範囲に
わたって有効である。従って、化粧料中のラブドシンま
たはその塩の含有量は、0.001〜10重量%、好ま
しくは0.01〜5重量%、さらに好ましくは0.1〜3
重量%の範囲であってよい。
【0014】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。実施例1 延命草からのラブドシンの精製 延命草(茎および葉)100gに80%エタノール100
0mlを加え、室温でホモジナイズし、濾過した。この濾
液を40℃で減圧濃縮し、乾固した。これに水100ml
を加えて再溶解し、さらに10% H3PO4を加えてpH
3.0に調整した。生成した沈殿を濾過によって除去
し、濾液100mlを得た。この濾液を酢酸エチル100
mlで3回抽出し、酢酸エチル層を40℃で減圧濃縮して
酢酸エチルエキス6gを得た。この酢酸エチルエキスに
エタノール18mlを加えて溶解し、これに水27mlを加
えて良くかき混ぜ、さらにエタノール:水(4:6)25
mlを加えて放置した。この混合物を濾過し、濾液をKie
selgel 60 silanisiert(Art 7719)カラムクロマ
トグラフィー(展開溶媒 エタノール:水=4:6)にか
け、ラブドシンを高濃度に含む分画を得た。このように
して得た分画を濃縮した後、さらにSephadex LH-2
0カラムクロマトグラフィー(展開溶媒 エタノール:水
=4:6)にかけ、粗ラブドシン分画を得た。さらにこ
れを、Toyopearl HW40 fineカラムクロマトグラフ
ィー(展開溶媒 エタノール:水=4:6)にかけ、ラブ
ドシンを含む分画を減圧下で濃縮・乾固して精製ラブド
シン45mgを得た。上記クロマトグラフィーにおいて、
ラブドシンを含む分画の確認はHPLCで行なった[装
置 Pharmacia LKB;カラム Pep RPC 5/5(P
harmacia);溶媒 2%酢酸水溶液:アセトニトリル=8
5:15;流速 0.7ml/分;検出波長 UV313n
m]。この条件下で溶出時間16分付近のピークがラブド
シンであり、このピークを含む分画をラブドシン含有分
画とした。このようにして得た精製ラブドシンの各物性
値を以下に示すが、これらの値は文献値と一致した。 [α]25 D:−78゜(MeOH;c=3.5) FAB-MS:m/z 719[M+H]+、m/z 717[M−
H]- λmax(MeOH):nm(logε) 254(4.20)、28
4(4.00)、318sh、346(4.02)
【0015】実施例2 ラブドシンの活性 実施例1で得た精製ラブドシンの活性酸素ラジカルスカ
ベンジャーとしての作用を、以下の3つの方法で確認し
た。 A.ESRによる ・OH、O2 -・、12消去作用 活性酸素ラジカルを特異的かつ正確に直接定量する方法
としてESR(電子スピン共鳴)を利用したスピントラッ
プ法が知られている。即ち、適当な方法で発生させた活
性酸素種をDMPOなどのスピントラップ剤で捕捉し、
各活性酸素種に特異的なESRシグナルを定量する方法
である。ラブドシンなどの活性酸素ラジカル消去剤をこ
の測定系に共存させ、シグナルの減弱の程度を測定する
ことにより、その活性を測定する方法が知られている
[「フリーラジカルとくすり」(上記)、第2章、「フリー
ラジカルの測定法」、103-120頁 (1991)]。以下に記載
する各方法により発生させた ・OH、O2 -・、12の各
活性酸素ラジカル種に対してこのような測定を行なった
結果、後記の表1に示すように、ラブドシンはこれら活
性酸素種に対して高い消去作用を有する物質としてこれ
まで知られているビタミンEやビタミンCより高い活性
を示した。
【0016】DMPOを用いたESRスピントラップ法
による活性酸素ラジカル消去活性の測定を次のように行
なった。装置 :ESRスペクトルは、JES−RE1X(X−バ
ンド)ESRスペクトロメーター[日本電子(株)(東京)]
を用いて22℃で測定した。標準物質としてMgOにド
ープしたMn(II)イオン[デジマーカー:日本電子(株)]
を用いた。データの解析は、アップル・コンピューター
社のマッキントッシュLCIIにより行なった。検体 :アスコルビン酸、α−トコフェロール、およびラ
ブドシン。実験方法 : (1) ・OHラジカル消去活性はFenton反応系で測定し
た。 溶媒:水(ラブドシンおよびアスコルビン酸用) 1% SDS溶液(α−トコフェロール用) (2) O2 -・ラジカル消去活性はキサンチン−キサンチン
オキシダーゼ系で測定した。 溶媒:0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)(ラブドシンおよ
びアスコルビン酸用) 1% SDS溶液(α−トコフェロール用) (3) 12消去活性はヘマトポルフィリン−UV−A照射
系で測定した。 溶媒:0.1Mトリス-HCl緩衝液(pH8.0)(ラブドシ
ンおよびアスコルビン酸用) 1% SDS溶液(α−トコフェロール用) 上記試薬を順次1.5ml容量のポリカーボネート管に取
り、ボルテックス・ミキサーにより撹拌した後、ESR
測定用高感度水溶液セル(ラボテック社)に移してESR
装置のキャビティに固定した。撹拌の30秒後にスペク
トル測定を開始した。ESR測定条件 :磁場336.5±5mT、変調周波数1
00kHz、変調幅0.1mT、掃引時間2分、応答時間
0.1秒、出力5mW、増幅比1000。
【0017】
【表1】 表1:活性酸素ラジカル消去作用 IC50(μM) 化合物 O2 -・消去作用 ・OH消去作用 12消去作用 ラブドシン 12.90 11.55±3.95 414 アスコルビン酸 33.00 12.70±4.33 105±6α-トコフェロール 220.00 3900 435±141
【0018】B.皮膚線維芽細胞に対するUVによる細
胞障害の抑制作用 紫外線が生体に及ぼす障害の経路として、O2が紫外線
エネルギーを吸収して活性酸素種を生成し、これが細胞
膜を形成する不飽和脂肪酸あるいはDNAなどの生体構
成成分と反応して障害を起こす経路が提唱されている
[西寿一、「紫外線による表皮脂質過酸化過程のラジカ
ル反応」、久留米医学会雑誌、54(11)、745-756頁 (199
1);および小倉良平ら、「湿潤した皮膚では光障害が増
強される」、日皮会誌、101(11)、1285-1289頁 (199
1)]。このような生体に対する紫外線障害をラブドシン
が抑制する効果を、培養皮膚線維芽細胞を用いて調べ
た。この結果、後記の表2ならびに図1および図2に示
すように、ラブドシンの抑制効果の高さが証明された。
【0019】培養皮膚線維芽細胞に及ぼすUV細胞障害
の抑制作用を次のように調べた。実験方法 : 細胞:NB1RGB(正常ヒト皮膚線維芽細胞) 培地:RITC80-7(10%FBS) UV照射:UV-B(305nm)FL20S・E-30/U
V-RAD 10METER 60分(約3.2J/cm2) 5分(約0.3J/cm2) 検体:アスコルビン酸、ラブドシン操作手順 :NB1RGBを8x104個/mlに調整し、
96ウエルプレートに100μlずつ植え込み、37
℃、5%CO2下で培養した。48時間後にウエルをハ
ンクス緩衝液(色素不含)で洗浄し、ハンクス緩衝液で種
々の濃度に調整した検体100μlを添加し、次いで6
0分間または5分間UV照射した。次に、再びウエルを
ハンクス緩衝液100μlで洗浄し、培地200μlを添
加して37℃、5%CO2下で48時間培養した。次い
で、ニュートラルレッド測定法によって生細胞数を測定
した。実験結果の解析
【数1】 A = [(ODCW−ODEW)/ODCW]x100 B = [(ODTCW−ODTEW)/ODTCW]x100 C = [(A−B)/A]x100 A:UV照射による障害率(%) B:スカベンジャー存在下のUV障害率(%) C:細胞障害抑制率(%) CW:対照ウエル(生細胞数) EW:UV暴露ウエル(生細胞数) TCW:検体処理したUV未照射の対照ウエル(生細胞数) TEW:検体処理したUV暴露ウエル(生細胞数)
【0020】
【表2】 表2:培養皮膚線維芽細胞に及ぼすUV細胞障害の抑制作用 IC50(mM) 化合物 UV照射量(J/cm2 3.2 0.3 アスコルビン酸 7.59 3.44 ラブドシン 0.52 0.27
【0021】C.酸素消費測定法による不飽和脂肪酸の
過酸化の抑制作用(脂質過酸化ラジカル、有機ラジカル
の消去による連鎖切断作用) 活性酸素種による生体障害をラブドシンが抑制する効果
を、生体(特に、皮膚表面)において最初の過酸化反応の
ターゲットとなることが知られているスクアレン[河野
善行ら、「ヒト表皮における脂質過酸化反応」、J.Soc.
Cosmet.Chem.Jpn. 27(1)、33-40頁 (1993)]および細胞
膜構成成分であるリノール酸のメチルエステルであるリ
ノール酸メチルを用いて調べた。この結果、後記の表3
および表4に示すように、ラブドシンの抑制効果の高さ
が証明された。
【0022】スクアレンおよびリノール酸メチルの過酸
化反応に対する抑制作用を酸素吸収法により次のように
調べた。実験方法 : 装置:溶存酸素濃度記録計GILSON OXYGRA
PHモデル5/6 検体:ラブドシン、アスコルビン酸、α-トコフェロー
ル、プロブコール 開始剤:2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン)・二塩
酸塩(AAPH)操作手順 : (1)トリトンX-100で乳化した4.87mMスクアレン
のミセル水溶液を溶存酸素記録計のセル(容量1.5ml)
に満たし、50℃に保って常時撹拌しながら、15mM
に調整した検体の水溶液(ラブドシン、アスコルビン酸)
または10.6%トリトンX-100水溶液(α-トコフェ
ロール、プロブコール)を1μl(最終濃度10μM)加え
た。次に、60mMのAAPH水溶液50μl(最終濃度
0.2mM)をセルに加え、直ちに溶存酸素濃度の記録を
開始した。この結果を表3に示す。 (2)トリトンX-100で乳化した6.79mMリノール酸
メチルのミセル水溶液を溶存酸素記録計のセル(容量1.
5ml)に満たし、35℃に保って常時撹拌しながら、1
5mMに調整した検体の水溶液(ラブドシン、アスコルビ
ン酸)または10.6%トリトンX-100水溶液(α-ト
コフェロール、プロブコール)を1μl(最終濃度 10μ
M)加えた。次に、60mMのAAPH水溶液50μl(最
終濃度0.2mM)をセルに加え、直ちに溶存酸素濃度の
記録を開始した。この結果を表4に示す。
【0023】
【表3】 表3:スクアレンの過酸化反応に対する抑制作用 化合物 抑制率(%) 抑制時間(秒) ラブドシン 46.0 588 α-トコフェロール 59.6 333 アスコルビン酸 72 163
【表4】 表4:リノール酸メチルの過酸化反応に対する抑制作用 化合物 抑制率(%) 抑制時間(秒) ラブドシン 75.2 1770 アスコルビン酸 79.2 595 プロブコール 28.6 970
【数2】抑制率(%) = (1−Rinh/Rp)x100 Rinh:各々の検体を添加したときの酸素消費速度 Rp :検体を添加しないときの酸素消費速度 抑制時間(秒):反応開始からRinh=Rpになるまでの時
【0024】以上に記載したように、延命草などの植物
中に含まれる成分であるラブドシンは、活性酸素種に対
して直接これを消去する高い活性を有することがESR
によって示され、生体成分である不飽和脂肪酸の過酸化
反応を極めて効率よく抑制することが示され、さらに皮
膚の培養細胞に対しても、UVによる該細胞の障害を抑
制することが示された。またラブドシンは、従来より活
性酸素ラジカル消去剤あるいは抗酸化剤として良く知ら
れ、化粧料あるいは医薬品に使用されているビタミンC
やビタミンEより高い活性酸素ラジカル消去能を有し、
さらに抗脂血症の治療薬として高い抗酸化力が証明され
ているプロブコールに勝る抗酸化力を有することがわか
った。従って、ラブドシンは、これら活性酸素に起因す
る種々の疾患に対して有効であり、優れた化粧料あるい
は医薬品の成分となり得ることが証明された。
【0025】実施例3 洗顔クリーム 実施例1で得た精製ラブドシンを用いて、以下の組成を
有する洗顔クリームを調製した(全100重量%)。
【表5】 成分Aを加熱溶解し、80℃に保持する。別に80℃に
加熱溶解した成分Bを成分Aに加え、充分混合する。撹
拌しながら冷却を行ない、50℃にて成分Cを加え、洗
顔クリームを得た。
【0026】実施例4 化粧水 実施例1で得た精製ラブドシンを用いて、以下の組成を
有する化粧水を調製した(全100重量%)。
【表6】 全成分を室温にて撹拌および混合して均一な溶液とし、
pH5.5に調節して、化粧水を得た。
【0027】実施例5 乳液 実施例1で得た精製ラブドシンを用いて、以下の組成を
有する乳液を調製した(全100重量%)。
【表7】 成分A 重量% 精製水 残部 ショ糖脂肪酸エステル(第一工業製薬S-160) 1.0 濃グリセリン 6.0 防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 適量 カルボキシビニルポリマー 0.06水酸化カリウム 0.028 成分B 重量% オリーブ油 4.0 ホホバ油 4.0 乳酸ミリスチル 2.0 自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 1.5 親油型モノステアリン酸グリセリン 1.5 成分C 重量% 精製ラブドシン 0.02香料 0.2 成分Aを加熱溶解し、80℃に保持する。別に80℃に
加熱溶解した成分Bを成分Aに加え、充分混合する。撹
拌しながら冷却を行ない、50℃にて成分Cを加え、乳
液を得た。
【0028】実施例6 クリーム 実施例1で得た精製ラブドシンを用いて、以下の組成を
有するクリームを調製した(全100重量%)。
【表8】 成分A 重量% 精製水 残部 濃グリセリン 6.0 1,3-ブチレングリコール 2.0 防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 適量 カルボキシビニルポリマー 0.22水酸化カリウム 0.15 成分B 重量% スクワラン 7.0 オリーブ油 10.0 ホホバ油 5.0 自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 1.5 親油型モノステアリン酸グリセリン 1.5 ポリソルベート60 1.8モノステアリン酸ソルビタン 0.5 成分C 重量% 精製ラブドシン 0.03香料 0.2 成分Aを加熱溶解し、80℃に保持する。別に80℃に
加熱溶解した成分Bを成分Aに加え、充分混合する。撹
拌しながら冷却を行ない、50℃にて成分Cを加え、ク
リームを得た。
【0029】以上のように、精製ラブドシンを、シワ形
成抑制作用などの抗老化作用を有する成分として洗顔ク
リーム、化粧水、乳液、クリームなどの化粧料に配合し
た。これら化粧料をヒトに対して適用した結果、皮膚に
対する官能的影響は極めて良好であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 UVによる細胞障害に対する抗酸化物質の抑
制効果を示すグラフである。
【図2】 UVによる細胞障害に対する抗酸化物質の抑
制効果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/235 ADS 9455−4C C09K 15/08 // A61K 35/78 AGZ Q 8217−4C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラブドシンまたはその塩を有効成分とし
    て含有する化粧料。
  2. 【請求項2】 延命草より抽出して得られるラブドシン
    またはその塩を含有する請求項1に記載の化粧料。
  3. 【請求項3】 高濃度のラブドシンを含む延命草抽出物
    を含有する請求項1に記載の化粧料。
JP6178105A 1994-07-29 1994-07-29 ラブドシンまたはその塩を含有する化粧料 Pending JPH0840866A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6178105A JPH0840866A (ja) 1994-07-29 1994-07-29 ラブドシンまたはその塩を含有する化粧料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6178105A JPH0840866A (ja) 1994-07-29 1994-07-29 ラブドシンまたはその塩を含有する化粧料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0840866A true JPH0840866A (ja) 1996-02-13

Family

ID=16042740

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6178105A Pending JPH0840866A (ja) 1994-07-29 1994-07-29 ラブドシンまたはその塩を含有する化粧料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0840866A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001114634A (ja) * 1999-10-12 2001-04-24 Pola Chem Ind Inc カタラーゼ保護剤及びこれを含有する老化防止用化粧料。
CN1303485C (zh) * 2002-09-30 2007-03-07 佳能株式会社 处理盒翻新方法
US7220417B2 (en) 2001-04-03 2007-05-22 Lvmh Recherche Use of phaeodactylum algae extract as cosmetic agent promoting the proteasome activity of skin cells and cosmetic composition comprising same

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001114634A (ja) * 1999-10-12 2001-04-24 Pola Chem Ind Inc カタラーゼ保護剤及びこれを含有する老化防止用化粧料。
US7220417B2 (en) 2001-04-03 2007-05-22 Lvmh Recherche Use of phaeodactylum algae extract as cosmetic agent promoting the proteasome activity of skin cells and cosmetic composition comprising same
CN1303485C (zh) * 2002-09-30 2007-03-07 佳能株式会社 处理盒翻新方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100882089B1 (ko) 홍경천을 포함하는 화장료 조성물 및 방법
KR101382112B1 (ko) 편백다당체를 함유하는 피부 외용제 조성물
KR20120003178A (ko) 봉독 추출물을 함유하는 피부 미백 및 보습용 조성물
JPH0892057A (ja) コーヒーノキ種子抽出物配合化粧料
JP3415200B2 (ja) 皮膚外用剤
KR20100103479A (ko) 오르키드 추출물을 포함하는 화장품 또는 피부학적 조성물 및 상기 조성물을 사용한 화장 케어 방법
CA2766631C (en) Treatment and/or prevention of inflammation and cutaneous photodamage and photoprotection of the skin with a water-soluble extract from plant of solanum genus
JP2002308750A (ja) 皮膚外用剤
JP2001122733A (ja) カタラーゼ産生促進剤、及びこれを含有する皮膚外用剤
JPH06271452A (ja) サボテン類植物抽出物含有皮膚化粧料
KR100795514B1 (ko) 디오스게닌을 함유하는 피부미백용 조성물
JPH0840866A (ja) ラブドシンまたはその塩を含有する化粧料
JP2000096050A (ja) ヒアルロン酸産生促進剤
JP2004331602A (ja) 皮膚外用剤
JP3432033B2 (ja) 光老化防止剤及びこれを含有する皮膚化粧料
JPH1036246A (ja) メラニン産生抑制剤及び皮膚外用剤
JPH03200708A (ja) 皮膚外用剤
JPH06321764A (ja) 美白剤
EP0749750B1 (fr) Composition pour protéger et/ou lutter contre les tâches et/ou le vieillissement de la peau, ses utilisations
JPH06321760A (ja) 美白剤
KR100355892B1 (ko) 레티놀과 테트라디부틸 펜타에리스리틸히드록시히드로신나메이트를 함유하는 화장료 조성물
KR19990085303A (ko) 피부 미백재
JP3410223B2 (ja) ラブドシンまたはその塩を含有する健康食品および活性酸素消去剤
JPH0692833A (ja) 皮膚外用剤
KR100695996B1 (ko) 자연산 상황버섯 추출물 함유 니오좀 및 이를 함유하는화장료 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20031224