JPH0840619A - 紙葉類の堆積装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 装置に金庫内の紙葉類堆積装置を構成するプ
ッシャ、搬入ガイド、及び押え板を設け、金庫の大型
化、コスト増を解消することができる紙葉類の堆積装置
の提供。 【構成】 金庫を構成する箱体１０に設けた挿入口から
挿入されてきた紙葉類を受け入れる可動な紙葉類搬入ガ
イド１３と、挿入口に対面する位置を回避した位置に固
定的に配置された固定プッシャ１４と、箱体内部におい
て紙葉類の堆積方向に進退可能に支持されると共に挿入
口近傍へ向けて弾性付勢され且つ堆積面により紙葉類を
支持する堆積板１２と紙葉類搬入ガイド１３との間に介
在して堆積方向に進退可能な押え板とを備え、押え板を
堆積板側へ移動させたときに紙葉類搬入ガイド１３のス
トッパ部に固定プッシャ１４が当接して紙葉類搬入ガイ
ド１３の同方向への移動を制限し、紙葉類搬入ガイド１
３の移動が制限された後も押え板だけが同方向に移動し
て積載板上の紙葉類に圧接するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動販売機等に於いて機
器内部に投入された紙幣等の紙葉類を収納する金庫の改
良に関し、特に該金庫内に装備される紙葉類の堆積装置
において挿入された紙葉類を金庫内の堆積板上に押し込
む為のプッシャ及び周辺の機構を改良することによっ
て、プッシャの移動ストロークの存在により紙葉類収納
スペースが減少されるという不都合を解消した紙葉類の
堆積装置に関する。

【０００２】

【従来技術】自動販売機、両替機、券売機等のように、
紙幣、券等々の紙葉類を自動的に受け入れる機構を有し
た従来の紙葉類取扱装置としては、例えば図２に示した
如き方式を採るものが知られている。同図は紙葉類取扱
装置１の前面から金庫２を着脱するタイプであり、装置
１の前面には紙葉類投入口３と、金庫２を着脱する装着
口４が形成されている。また、投入口３の内部には搬送
ベルト等５から成る搬送手段６が配置され、搬送手段６
の終端に位置する排出部６ａは金庫２の後端部上面に設
けた紙葉類挿入口７と対面し、該挿入口７から金庫内部
に紙葉類を挿入するように構成されている。

【０００３】金庫２は、箱体１０の内部にバネ１１と、
バネ１１により付勢された堆積板（バックアッププレー
ト）１２と、挿入口７の内側に配置された紙葉類搬入ガ
イド１３と、紙葉類搬入ガイド１３を通過して紙葉類の
堆積方向（箱体の長手方向）に進退可能に駆動されるプ
ッシャ１４と、押え板１５とを有する。押え板１５は、
搬入ガイド１３に新たな紙葉類が搬入される時に、積載
板１２上に積層された紙葉類が該搬入作業の邪魔になら
ないように、該既積層紙葉類を搬入ガイド１３から離間
させておく為のものである。

【０００４】図３(a) (b) (c) (d) (e) は従来の金庫内
部の紙葉類堆積装置の概略構成を示す平面図であり、
(a) は初期状態、(b) は押し込み開始当初の状態、(c)
は押し込み途中、(d) も押し込み途中、(e) は復帰状態
を示している。この紙葉類堆積装置においては、搬送手
段６の排出部６ａから排出された紙葉類Ｐ１を受け入れ
る挿入口７の直下に位置する紙葉類搬入ガイド１３はプ
ッシャ１４の移動に連動して堆積方向に移動可能に構成
されている。押え板１５は固定状態にある。搬送手段６
により搬送されてきた紙葉類Ｐ１が挿入口７から搬入ガ
イド１３内に入って来る際には、搬入ガイド１３は押え
板１５から所定距離離間した状態にあるので、堆積紙葉
類Ｐは搬入ガイド１３及び進入してくる紙葉類と干渉す
ることがない（(a) ）。紙葉類Ｐ１が搬入ガイド内で停
止し、プッシャ１４が押し込み動作を開始すると、所定
のタイミングで搬入ガイド１３も押え板１５側へ移動開
始してこれと接触する（(b) (c) ）。続いて該紙葉類Ｐ
１を堆積板１２の堆積面１２ａ（或は堆積面上の既堆積
紙葉類）に堆積させるために、プッシャ１４は搬入ガイ
ド１３及び押え板１５の中央に夫々形成された開口を通
過して堆積部１６側へ移動する。この移動の過程で紙葉
類Ｐ１の中央部が堆積部１６側へ押し込まれ、紙葉類Ｐ
１の両端部が搬入ガイド１３及び押え板１５を離脱する
までバネ１１に抗して紙葉類Ｐ１及び積層紙葉類Ｐを押
し込む（(d) ）。押し込み完了後にプッシャ１４及び搬
入ガイド１３は堆積部１５と反対の方向へ退避する
（(e) ）。

【０００５】(d) の押し込み時に搬入ガイド１３を押え
板１５に密着させるのは、両者の間隙に紙葉類Ｐ１の端
部が侵入することを防止する為である。また、プッシャ
１４による紙葉類Ｐ１の押し込み後、プッシャが退避す
る時には、搬入ガイド１３も同方向に戻るので、堆積紙
葉類Ｐが押え板１５側へ移動して該紙葉類Ｐ１を押えつ
ける。

【０００６】このような構成を備えた堆積装置において
は、図４、図５(a) (b) に示すように、各可動部材（堆
積板１２、搬入ガイド１３、プッシャ１４）が夫々個別
にレールＲ１、Ｒ２、Ｒ３によって進退可能に支持され
ている為、３つのレールを設ける分だけ金庫の構造が大
型化し、コスト的にも不利であり、レイアウト上の制限
が増大するという欠点があった。即ち、各可動部材１
２、１３、１４は夫々独自に動作し、しかも動作中に互
いに干渉する為、各レールＲ１、Ｒ２、Ｒ３は異なった
位置に設ける必要があり、この結果、図示の様にレール
を設置するスペースが必要となり、大型化を招いてい
た。なお、バネ１１等の位置が図３のものと相違する
が、作用は同じである。

【０００７】

【発明の目的】本発明は上記に鑑みてなされたものであ
り、受け入れた紙葉類を収納する金庫を備えた紙葉類取
扱装置において、金庫内の紙葉類堆積装置を構成するプ
ッシャ、搬入ガイド、及び押え板が夫々個別に可動であ
ることに起因して、これらを夫々支持するレールを設け
る必要が発生し、その結果金庫の大型化、コスト像、レ
イアウト上の制限発生といった不具合を解消することが
できる紙葉類の堆積装置を提供することを目的としてい
る。

【０００８】

【発明の概要】上記目的を達成するため本発明は、紙葉
類取扱装置の投入口から投入された紙葉類を堆積して収
納する堆積装置を備えた金庫において、上記堆積装置
は、該金庫を構成する箱体に設けた挿入口から挿入され
てきた紙葉類を受け入れる可動な紙葉類搬入ガイドと、
該挿入口に対面する位置を回避した位置に固定的に配置
された固定プッシャと、該箱体内部において紙葉類の堆
積方向に進退可能に支持されると共に該挿入口近傍へ向
けて弾性付勢され且つ堆積面により紙葉類を支持する堆
積板と、上記堆積板と上記紙葉類搬入ガイドとの間に介
在して堆積方向に進退可能な押え板と、を備え、上記紙
葉類搬入ガイドは、該堆積板の堆積面と上記挿入口を越
えた退避位置との間を進退可能に支持され、上記押え板
は、上記紙葉類搬入ガイドを堆積方向へ進退可能に支持
すると共に上記固定プッシャを通過させる開口を中央部
に有し、更に該押え板は駆動源によって堆積方向へ駆動
され、上記紙葉類搬入ガイドは該押え板の押え部に接近
する方向へ常時弾性付勢されると共に、該押え板に従動
し、上記紙葉類搬入ガイドは片側中央部に上記固定プッ
シャを通過させる開口を有すると共に他側には該固定プ
ッシャの通過を阻止するストッパ部を有し、上記押え板
を上記堆積板側へ移動させたときに上記紙葉類搬入ガイ
ドの上記ストッパ部に上記固定プッシャが当接して該紙
葉類搬入ガイドの同方向への移動を禁止し、該紙葉類搬
入ガイドの移動が禁止された後も上記押え板だけが同方
向に移動して積載板上の紙葉類に圧接するように構成し
たことを特徴としている。

【０００９】

【発明の実施例】以下、添付図面に示した実施例により
本発明を詳細に説明する。図１(a) 乃至(e) は本発明を
適用した紙葉類堆積装置の要部構成を示す平面図及び動
作説明図である。なお、図２を併せて参照する。本発明
の堆積装置は、自動販売機等の紙葉類取扱装置に装着さ
れる金庫２の箱体１０内に配置されるものであり、図２
に示した如き搬送手段６の排出部６ａから排出された紙
葉類Ｐ１を受け入れる挿入口７の直下に位置する紙葉類
搬入ガイド１３は堆積方向（図面左右方向）に進退可能
に構成されており、固定プッシャ１４が上記挿入口７を
回避した位置（挿入口よりも左側位置）に固定されてい
る。搬入ガイド１３は図示のごとく紙葉類Ｐ１を受け入
れるガイド部１３ａと、該ガイド部１３ａの前面中央部
に形成した開口１３ｂと、ガイド部１３ａの後面中央部
から後方に突出した凹所１３ｃを有し、凹所１３ｃの奥
端部はストッパ部１３ｄとなっている。開口１３ｂは上
記固定プッシャ１４を相対的に通過させることができる
程度の開口量を有し、凹所１３ｃも固定プッシャ１４を
受け入れることができる程度の寸法に設定されている。

【００１０】図２に示した押え板１５と同じ機能を果た
す本実施例の押え板２０は、図示しないモータ等の駆動
手段によって堆積方向に往復移動可能に構成されてお
り、この押え板２０は軸２１を介して上記紙葉類搬入ガ
イド１３を支持している。すなわち、押え板２０は、搬
入ガイド１３のガイド部１３ａの両外側に夫々位置する
基部２０ａと、各基部２０ａの前端部から内側へ屈曲し
た押え部２０ｂと、基部２０ａの後端部に位置し搬入ガ
イド１３から一体的に後方へ突設された４本の軸２１に
よって進退可能に遊嵌された係合部２０ｃとを有し、該
押え板２０は軸２１に巻き掛けたコイルバネ２２によっ
て常時後方へ付勢されている。その結果、押え部２０ｂ
はガイド部１３ａに接触することとなる。押え部２０ｂ
の中央部には開口２０ｄが形成され、この開口２０ｄも
固定プッシャ１４を相対的に通過させ得るように寸法設
定されている。押え板２０が図示しない駆動手段によっ
て移動させられる結果、軸２１及びバネ２２を介して係
合する搬入ガイド１３は、この押え板２０の動作に従動
する。符号１２は堆積板、１１は堆積板を付勢するバネ
である。

【００１１】図２に示した搬送手段６により搬送されて
きた紙葉類Ｐ１が挿入口７から搬入ガイド１３内に入っ
て来る際に、押え板２０は図示しない駆動手段によって
堆積板側（前方）へ移動した状態にあり、紙葉類搬入ガ
イド１３のストッパ部１３ｄが固定プッシャ１４に当接
して前方への移動を禁止された後も、押え板２０はバネ
２２に抗しながら堆積紙葉類Ｐを搬入ガイド１３から離
間させる方向に押圧している（(a) ）。紙葉類Ｐ１が搬
入ガイド内で停止すると、押え板２０は搬入ガイド１３
側へ移動するため押え部２０ｂがガイド部１３ａの前面
と接触し（(b)）、続いて該紙葉類Ｐ１を堆積板１２上
の紙葉類Ｐ（或は堆積面１２ａ）に積層させるために、
(c) (d) に示すように押え板２０は搬入ガイド１３を後
方に移動させる。この結果、固定プッシャ１４が搬入ガ
イド１３及び押え板２０の中央に夫々形成された開口１
３ｂ，２０ｄを相対的に通過して搬入ガイド１３及び押
え板２０から離脱する。この搬入ガイド１３及び押え板
２０の後方への移動の過程で、中央部を固定プッシャ１
４に押えられた紙葉類Ｐ１の両端部が搬入ガイド１３及
び押え板２０から離脱し、堆積板側へ抜出る。換言すれ
ば、搬入ガイド１３及び押え板２０は、紙葉類Ｐ１の両
端部が離脱するまで後方に移動する。続いて、紙葉類Ｐ
１を既堆積の紙葉類Ｐ上に正しく積層するために(e) に
示すように搬入ガイド１３及び押え板２０は前方へ移動
し、(a) に示す初期位置に達するまで前方へ移動する。

【００１２】このように本発明の堆積装置では、紙葉類
搬入ガイド１３を可動にすると共に、該搬入ガイドをモ
ータ等の駆動手段によって駆動される押え板２０にバネ
を介して係合させて従動させるようにしたので、搬送手
段６から挿入口７に送り込まれた紙葉類Ｐ１を搬入ガイ
ド１３に挿入する時には、図１(a) のように搬入ガイド
のガイド部１３ａは固定ストッパ１４によって位置決め
されているために該挿入口７と対面する位置にあり、押
え板２０はバネ２２を押圧しながら既堆積の紙葉類Ｐを
前方（堆積板の方向）へ押し込んでいる。この結果、既
堆積の紙葉類Ｐに邪魔されずに紙葉類Ｐ１はガイド部１
３ａ内に入り込むことができる。これに続く紙葉類Ｐ１
の堆積動作（ガイド部１３ａからの離脱動作）は、(b)
(c) (d)に示すように押え板２０を後方へ移動させてガ
イド部１３ａから離脱させてから、再び前方へ戻って該
紙葉類Ｐ１を既堆積紙葉類Ｐ上に押し付けることにより
行われる。

【００１３】本実施例では、各可動部材（堆積板１２、
搬入ガイド１３、押え板２０）のうち、搬入ガイド１３
は押え板２０によって支持されて従動するので、可動部
材を支持する為のレールとしては、押え板２０用のレー
ルと、堆積板１２用のレール、合計２個を設ければ良い
ので、スペース低減、コストダウンを図り、かつレイア
ウト制限をなくすることができる。

【００１４】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、受け入れ
た紙葉類を収納する金庫を備えた紙葉類取扱装置におい
て、金庫内の紙葉類堆積装置を構成するプッシャ、搬入
ガイド、及び押え板が夫々個別に可動であることに起因
して、これらを夫々支持するレールを設ける必要が発生
し、その結果金庫の大型化、コスト像、レイアウト上の
制限発生といった不具合を解消することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】(a) 乃至(e) は本発明の紙葉類堆積装置の構成
及び動作説明図。

【図２】従来の紙葉類取扱装置の概要説明図。

【図３】(a) 及乃至(e) 従来の紙葉類堆積装置の動作説
明図。

【図４】従来例の欠点を説明する為の図。

【図５】(a) 及び(b) は図４の要部構成説明図である。

【符号の説明】

１ 紙葉類取扱装置、２ 金庫、３ 紙葉類投入口，５
搬送ベルト，６ 搬送手段，６ａ 排出部，７ 紙葉
類挿入口，１０ 箱体，１１ バネ，１２ 堆積板（バ
ックアッププレート），１３ 紙葉類搬入ガイド、１３
ａ ガイド部、１３ｂ 開口、１３ｃ 凹所、１４ プ
ッシャ、１５ 押え板、１６ 堆積部、２０ 押え板、
２０ａ 基部、２０ｂ 押え部，

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 紙葉類取扱装置の投入口から投入された
   紙葉類を堆積して収納する堆積装置を備えた金庫におい
   て、 上記堆積装置は、該金庫を構成する箱体に設けた挿入口
   から挿入されてきた紙葉類を受け入れる可動な紙葉類搬
   入ガイドと、該挿入口に対面する位置を回避した位置に
   固定的に配置された固定プッシャと、該箱体内部におい
   て紙葉類の堆積方向に進退可能に支持されると共に該挿
   入口近傍へ向けて弾性付勢され且つ堆積面により紙葉類
   を支持する堆積板と、上記堆積板と上記紙葉類搬入ガイ
   ドとの間に介在して堆積方向に進退可能な押え板と、を
   備え、 上記紙葉類搬入ガイドは、該堆積板の堆積面と上記挿入
   口を越えた退避位置との間を進退可能に支持され、 上記押え板は、上記紙葉類搬入ガイドを堆積方向へ進退
   可能に支持すると共に上記固定プッシャを通過させる開
   口を中央部に有し、更に該押え板は駆動源によって堆積
   方向へ駆動され、 上記紙葉類搬入ガイドは該押え板の押え部に接近する方
   向へ常時弾性付勢されると共に、該押え板に従動し、 上記紙葉類搬入ガイドは片側中央部に上記固定プッシャ
   を通過させる開口を有すると共に他側には該固定プッシ
   ャの通過を阻止するストッパ部を有し、上記押え板を上
   記堆積板側へ移動させたときに上記紙葉類搬入ガイドの
   上記ストッパ部に上記固定プッシャが当接して該紙葉類
   搬入ガイドの同方向への移動を制限し、該紙葉類搬入ガ
   イドの移動が制限された後も上記押え板だけが同方向に
   移動して積載板上の紙葉類に圧接するように構成したこ
   とを特徴とする紙葉類の堆積装置。