JPH0839685A - 繊維強化フィルムの製造法 - Google Patents

繊維強化フィルムの製造法

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JPH0839685A
JPH0839685A JP6176683A JP17668394A JPH0839685A JP H0839685 A JPH0839685 A JP H0839685A JP 6176683 A JP6176683 A JP 6176683A JP 17668394 A JP17668394 A JP 17668394A JP H0839685 A JPH0839685 A JP H0839685A
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resin
fiber
reinforced film
epoxy resin
producing
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JP6176683A
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Kazuyuki Oya
和行 大矢
Norio Sayama
憲郎 佐山
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高耐熱性、高強度、高弾性率、表面平滑性、
塗布性或いは上塗り性を有する繊維強化フィルムの製造
法である。 【構成】 ガラス繊維或いはカーボン繊維織布基材に、
芳香族炭化水素−ホルムアルデヒド樹脂変性ノボラック
エポキシ樹脂を含有するシアナト樹脂組成物ワニスを含
侵し、加熱・乾燥し、硬化させてなる樹脂量 30〜60重
量%で表面凹凸度(Rmax)が20μm以下である繊維強化フ
ィルムの製造法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維強化フィルムの製
造法であり、該フィルムは高耐熱性、高強度、高弾性率
で表面平滑性に優れ、かつ塗布性或いは上塗り性を有す
るものであり、スピーカーのボイスコイル用ボビン材な
どに好適に使用できるものである。
【0002】
【従来の技術】スピーカーのボイスコイル用ボビン材な
どに使用される高耐熱性、高強度、高弾性率で表面平滑
性に優れたフィルムとしては、全芳香族ポリアミド樹脂
フィルムやガラス繊維強化の全芳香族ポリイミド樹脂フ
ィルムがある。このフィルムに相当するものを熱硬化性
樹脂を用いて製造する方法が考えられる。しかし、ガラ
ス繊維布基材にエポキシ樹脂ワニスを含侵し、加熱・乾
燥し、さらに硬化してなる繊維強化フィルムは、耐熱
性、特に加熱時の弾性率が不足する。また、含侵樹脂と
してシアン酸エステル系の熱硬化性樹脂を使用した場
合、耐熱性を満足し、同時に表面平滑性、塗布性或いは
上塗り性を有するフィルムとすることは出来なかった。
【0003】例えば、シアン酸エステル系樹脂では、表
面平滑性、塗布性或いは上塗り性を付与することが困難
であり、シアン酸エステル−エポキシ樹脂組成物やシア
ン酸エステル−マレイミド−エポキシ樹脂組成物を用い
た場合、耐熱性の優れた範囲では塗布性或いは上塗り性
が劣るもの(比較例1、2)であり、逆に塗布性或いは
上塗り性を有する範囲までエポキシ樹脂の使用量を増加
させると耐熱性、特に加熱時の弾性率が不足し、使用で
きないものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したシ
アン酸エステル系の熱硬化性樹脂の欠点が、特定のエポ
キシ樹脂を配合することにより解消され、基材との密着
性、表面平滑性、塗布性或いは上塗り性を有し、しか
も、熱時にも高弾性率を示す繊維強化フィルムが得られ
ることを見いだし、完成したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ガ
ラス繊維或いはカーボン繊維織布基材に、芳香族炭化水
素−ホルムアルデヒド樹脂変性ノボラックエポキシ樹脂
を含有するシアナト樹脂組成物ワニスを含侵し、加熱・
乾燥し、硬化させてなる樹脂量 30〜60重量%で表面凹
凸度(Rmax)が20μm以下である繊維強化フィルムの製造
法である。
【0006】また、好ましい態様においては、該含侵か
ら硬化を連続して行うこと、織布基材が、厚み 0.03〜
0.2mm で、平織、一方平織またはこれらを開繊処理して
なるものであること、該芳香族炭化水素−ホルムアルデ
ヒド樹脂変性ノボラックエポキシ樹脂が、数平均分子量
500〜1,800 、分子量分布 2〜7 、フェノールモノマー
含有量 0.5%以下である芳香族炭化水素−ホルムアルデ
ヒド樹脂変性ノボラックとエピクロルヒドリンとを反応
してなるエポキシ樹脂であること、該シアナト樹脂組成
物ワニスが、表面調整剤を樹脂固形分に対して 0.0005
〜5 %添加してなるものであること、該表面調整剤が、
アルキルアクリレートコポリマー、アルキルメタクリレ
ートコポリマー、アルキルビニルエーテルコポリマー、
ポリブタジエンなどのビニル系およびセルロースアセテ
ートブチレートなどのアセテート系からなる群から選択
した数平均分子量 2,000〜20,000のものである繊維強化
フィルムの製造法である。
【0007】以下、本発明の構成について説明する。本
発明のガラス繊維或いはカーボン繊維織布とは、厚み
0.03〜0.2mm であり、樹脂含侵性と表面平滑性の点か
ら、開繊処理してなるものが好ましい。また、織布表面
からガラスやカーボン繊維屑の突出がないものを選択す
る。本発明の用途に好適なガラス繊維織布としては、E
-、M-、S-、A-、C-、D-、YM-31Aなどの各種ガラスから
の繊維およびシリカ繊維 (石英ガラス繊維) 、シリカ−
アルミナ繊維などからの織布が例示され、E-ガラスが一
般的である。また、カーボン繊維織布としては、PAN 系
カーボン繊維、ピッチ系カーボン繊維などの織布が例示
され、ガラス繊維より大幅に比強度、比弾性率が高く、
特に、軽量、高弾性率が必要な場合に好適に使用でき
る。また、これら繊維からの布としては、表面凹凸が小
さいものが好ましく、平織、一方平織などが好適なもの
として例示される。
【0008】本発明の該芳香族炭化水素−ホルムアルデ
ヒド樹脂変性ノボラックエポキシ樹脂とは、ベンゼン、
キシレン、メシチレン、ナフタレンなどの芳香族炭化水
素とホルムアルデヒドとを反応させてなる芳香族炭化水
素−ホルムアルデヒド樹脂とフェノール、クレゾールな
どのフェノールとをノボラック化反応させ、さらに、こ
のノボラックとエピクロルヒドリンとを通常、水酸化ナ
トリウムなどのアルカリ存在下で反応させエポキシ化し
たものである。本発明では、該エポキシ樹脂として、数
平均分子量 500〜1,800 、分子量分布2〜7 、フェノー
ルモノマー含有量 0.5%以下である芳香族炭化水素−ホ
ルムアルデヒド樹脂ノボラックとエピクロルヒドリンと
を反応してなるものが好ましく特に、エポキシ樹脂は、
数平均分子量 500〜1,800 の範囲、特に 900〜1,400 、
モノマー体の含有量が 1.0%以下のものが好ましい。
【0009】上記のエポキシ樹脂を必須成分とする本発
明のシアナト樹脂組成物は、シアナト樹脂である多官能
性シアン酸エステルを必須成分とするものであり、シア
ナト樹脂(特公昭41-1928 号、同45-11712号、同44-122
2 号、ドイツ特許第1190184号等)、シアン酸エステル
−マレイミド樹脂、シアン酸エステル−マレイミド−エ
ポキシ樹脂(特公昭54-30440号等、特公昭52-31279号、
USP-4110364 など)、シアン酸エステル−エポキシ樹脂
(特公昭46-41112号)などが代表的なものである。
【0010】多官能性シアン酸エステルは、具体的に
は、1,3-又は1,4-ジシアナトベンゼン、1,3,5-トリシア
ナトベンゼン、1,3-,1,4-,1,6-,1,8-,2,6-又は2,7-ジシ
アナトナフタレン、1,3,6-トリシアナトナフタレン、4,
4'−ジシアナトビフェニル、ビス(4-シアナトフェニ
ル)メタン、2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパ
ン、2,2-ビス(3,5-ジクロロ-4- シアナトフェニル)プ
ロパン、2,2-ビス(3,5-ジブロモ-4- シアナトフェニ
ル)プロパン、ビス(4-シアナトフェニル)エーテル、
ビス(4-シアナトフェニル)チオエーテル、ビス(4-シ
アナトフェニル)スルホン、トリス(4-シアナトフェニ
ル)ホスファイト、トリス(4-シアナトフェニル)ホス
フェート、および末端OH基含有ポリカーボネートオリ
ゴマーとハロゲン化シアンとの反応によりえられるシア
ン酸エステル(USP-4026913 )、ノボラックとハロゲン
化シアンとの反応により得られるシアン酸エステル (US
P-4022755、USP-3448079)などが挙げられる。本発明で
は、ビス(4-シアナトフェニル)メタン、2,2-ビス(4-
シアナトフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジクロロ
-4- シアナトフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジブ
ロモ-4- シアナトフェニル)プロパン、ビス(4-シアナ
トフェニル)エーテルなどが好ましい。
【0011】また、シアン酸エステル−マレイミド樹脂
などに用いるマレイミドとは、N-マレイミド基を分子中
に1個又は2個以上含有する有機化合物であり、無水マ
レイン酸類と分子中にアミノ基を1個又は2個以上有す
るアミン類とを反応させ、ついで脱水環化させる方法で
製造されるものであり、樹脂成分中の40重量%以下、好
ましくは10〜30重量%の範囲で用いることができる。
【0012】なお、マレイミドの製造に用いるアミン類
としては、アミノベンゼン(アニリン)、1,3-又は1,4-
ジアミノベンゼン、4,4'−ジアミノビフェニル、ビス(4
−アミノフェニル) メタン、2,2-ビス(4−アミノフェニ
ル) プロパン、ビス(4−アミノフェニル) シクロヘキサ
ン、ビス(4−アミノフェニル) エーテル、ビス(4−アミ
ノ−3-メチルフェニル) メタン、ビス(4−アミノ−3,5-
ジメチルフェニル) メタン、2,2-ビス(4−アミノ−3-ジ
クロロフェニル) プロパン、s-トリアジン環をもったメ
ラミン類、アニリンとホルマリンとを反応させてメチレ
ン結合でベンゼン環を結んだポリアミン類などが挙げら
れる。
【0013】シアン酸エステル−エポキシ樹脂、シアン
酸エステル−マレイミド−エポキシ樹脂などに用いるエ
ポキシ樹脂とは分子中に2個以上のエポキシ基を含有す
る有機化合物、そのプレポリマーなどであり、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリ
スグリシドキシベンゼン、1,1,1-トリ(4−グリシジルフ
ェニル)エタン、その他の多官能性エポキシ樹脂が挙げ
られる。本発明では、上記の芳香族炭化水素−ホルムア
ルデヒド樹脂変性ノボラックエポキシ樹脂を用いるもの
であり、特に必要ではないが、所望の物性を損なわない
範囲で適宜使用できる。
【0014】本発明の芳香族炭化水素−ホルムアルデヒ
ド樹脂変性ノボラックエポキシ樹脂を含むシアナト系樹
脂組成物は上記を必須成分とするが、通常、硬化触媒、
表面平滑性などの点から表面調整剤を配合する。硬化触
媒としては、シアナト樹脂やエポキシ樹脂の公知の触媒
が挙げられる。これらの中で、アセチルアセトン鉄、ア
セチルアセトン錫、オクチル酸亜鉛、アセチルアセトン
チタンなどの有機金属化合物がシアナト樹脂に公知の触
媒の中では好ましく、イミダゾールとアミン系触媒との
併用系がエポキシ樹脂に公知の触媒の中では好ましい。
また、硬化をより促進する目的でパークミルパーオキサ
イド、その他のパーオキサイド類を適宜併用することも
好ましい。
【0015】また、表面調整剤としては、フッ素系やシ
リコン系の界面活性剤も使用可能であるが、アルキルア
クリレートコポリマー、アルキルメタクリレートコポリ
マー、アルキルビニルエーテルコポリマー、ポリブタジ
エンなどのビニル系およびセルロースアセテートブチレ
ートなどのアセテート系からなる群から選択した数平均
分子量 2,000〜20,000のものが好ましく、また、揮発性
を示す低分子量成分を除去したものである。アルキルア
クリレートコポリマー、アルキルメタクリレートコポリ
マー、アルキルビニルエーテルコポリマーなどの表面調
整剤は、潤滑油の添加成分として市販されている。表面
調整剤の使用量は、通常、樹脂固形分に対して 0.0005
〜5 重量%の範囲から選択し、好ましくはフッ素系やシ
リコン系の界面活性剤の場合は、 0.001〜0.1 重量%の
範囲から選択し、フッ素系やシリコン系以外の界面活性
剤では 0.1〜3 重量%の範囲から選択使用する。
【0016】上記の樹脂成分中の本発明の芳香族炭化水
素−ホルムアルデヒド樹脂変性ノボラックエポキシ樹脂
は 5〜35重量%、特に10〜20重量%の範囲から選択す
る。35重量%を越えると、特に高温下の強度、弾性率が
小さくなり好ましくなく、 5重量%未満では、基材への
密着性、表面平滑性の点に問題が生じ、特に表面平滑性
を付与するために表面調整剤を使用した場合に塗布性或
いは上塗り性がなくなるので好ましくない。
【0017】以上を用いて本発明の繊維強化フィルムを
製造する。本発明においては、含浸樹脂量のバラツキが
実質的になく、表面平滑性に優れたものとすることが必
要であり、さらに、ワニス含浸から硬化までを連続して
実施することが生産性、その他の面から好ましい。この
点から、基材へのワニスの含浸性、基材の濡れ性が良好
で、さらに、実質的に無溶剤の液状となった場合にも消
泡性の高い樹脂組成物として調整する。
【0018】含浸を良好とするための方法としては、ワ
ニス含浸に先立って基材を予めワニスに用いたと同種の
溶剤に予備含浸させ、ワニス含浸させる二段含浸法、基
材に溶剤を粉霧等して少量付着させ、これを少なくとも
ワニス槽側は実質的に閉鎖した状態の筒状体中で気化さ
せて空気と溶剤蒸気とを置換した基材とし、ワニス槽に
導入する方法などが挙げられる。
【0019】樹脂含浸量とその均一化は、ワニス濃度、
基材とワニスとの親和性の改善、及びスクイズロールな
どによる物理的な均一化により行うことができる。基材
とワニスとの親和性の改善は、カップリング剤処理によ
る基材表面の改良が挙げられ、また、スクイズロールな
どによる一定のクリアランスにより、均一な厚みを維持
する。また、表面平滑化、特に加熱乾燥工程により、ワ
ニス溶剤が沸騰し、その跡が残存することを防止するた
めには、ワニス中に表面調整剤などを配合する方法など
が有効である。
【0020】本発明では、通常のプリプレグの製造法と
異なり、加熱乾燥工程にて、含浸した樹脂を完全に硬化
したものとする。これは、加熱乾燥工程の前半にて、適
宜配合した表面調整剤などにより表面平滑性を保持しつ
つ、基材に含浸付着させたワニス溶剤を気化除去し、後
半において、ゲル化、硬化、完全硬化をさせることによ
る。加熱乾燥工程の温度は、多段に設定してもよいが、
最終的な硬化温度に設定することにより、実質的に多段
に設定したと同様の効果を奏する。本発明の場合、この
最終的硬化温度は、 180℃以上、好ましくは 185〜200
℃から選択し、時間は、 2〜30分間、好適には 5〜15分
間の範囲から選択する。
【0021】ワニス含浸した基材を急速に加熱すると、
ワニス中の溶剤が部分的に沸騰し、クレータ状の痕跡が
その表面に形成されたプリプレグが製造される場合があ
る。本発明の上記の加熱乾燥硬化条件は、通常のプリプ
レグの製造法の場合にはクレータ状の痕跡が残る条件範
囲を含むものである。しかし、本発明では、このような
欠点は見られない。本発明では、通常、硬化まで連続的
に行うものであり、この結果、ゲル化に至る前に、実質
的に無溶剤の粘稠な溶融状態を生じ、溶剤気化に伴う表
面荒れが発生した場合にも、この溶融状態により平滑化
されるものと推定される。また、硬化まで連続的に行う
ことにより、基材との密着性と硬化の均一性が達成され
ると推定される。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。な
お、実施例の「部」及び「%」は特に断らないかぎり重
量基準である。 実施例1 2,2-ビス(4−シアナトフェニル) プロパン 80部、キシ
レン−ホルムアルデヒド樹脂変性ノボラックエポキシ樹
脂(商品名;テトラッドG 、数平均分子量 1220 、融点
83 ℃、エポキシ当量 270)20部、触媒としてアセチル
アセトン鉄 0.05 部、2-エチル−4-メチルイミダゾール
0.05 部、アルキルメタクリレート系ポリマーである表
面調整剤 (東邦化学 (株) 製) 1部を用い、濃度 50%
のメチルエチルケトン溶液 (以下、ワニス1と記す)を
調整した。
【0023】上記のワニス1および開繊処理した厚み
0.1mmの平織E-ガラス布 (品名; #1031 S640、日東紡績
(株) 製) を用い、溶剤予備含侵槽、ワニス含侵槽、そ
の出口又は加熱・乾燥ゾーンの入口にピンチロール、長
さ 10mの加熱・乾燥ゾーンからなる装置を用いて繊維強
化フィルムを製造した。溶剤予備含侵槽にメチルエチル
ケトンを、ワニス含侵槽にワニス1を供給し、加熱・乾
燥ゾーンの最終温度を 195〜210 ℃に保ち、平織E-ガラ
ス布の速度 1〜1.5 m/min とした。製造したフィルムの
物性値を測定した結果を表1に示した。
【0024】実施例2 シアン酸エステル−マレイミド樹脂ワニス(品名;BT-2
410T; 2,2-ビス(4−シアナトフェニル) プロパン/ビス
(4−マレイミドフェニル)メタン=6/4 のジメチルホル
ムアミド溶剤溶液、固形分濃度 50%、三菱ガス化学
(株)製)170 部、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂変
性ノボラックエポキシ樹脂(商品名;テトラッドH 、数
平均分子量 1150 、融点 85 ℃、エポキシ当量 265)15
部、触媒としてアセチルアセトン鉄 0.05 部、ジクミル
パーオキサイド 0.1部、2-エチル−4-メチルイミダゾー
ル 0.05 部、アルキルメタクリレート系ポリマーである
表面調整剤 (東邦化学 (株) 製) 1部を混合し、メチル
エチルケトンを添加し濃度50%の溶液 (以下、ワニス2
と記す)を調整した。
【0025】上記ワニス2およびエポキシシラン処理し
た厚み 0.06mm の平織E-ガラス布 (品名; #1031 S640、
日東紡績 (株) 製) を用いる他は実施例1と同様にして
フィルムを製造した。製造したフィルムの物性値を測定
した結果を表1に示した。
【0026】比較例1 2,2-ビス(4−シアナトフェニル) プロパン 80部、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂(商品名;エピコート #82
8 、数平均分子量 380、エポキシ当量 184〜194) 20
部、触媒としてアセチルアセトン鉄 0.05 部、2-エチル
−4-メチルイミダゾール 0.05 部を用い、濃度 50%の
メチルエチルケトン溶液 (以下、ワニス3と記す)を調
整した。上記ワニス3を用いる他は実施例1と同様にし
た。製造したフィルムの物性値を測定した結果を表1に
示した。
【0027】比較例2 2,2-ビス(4−シアナトフェニル) プロパン 80部、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂(品名;#ESCN220F,エ
ポキシ当量 215, 住友化学 (株) 製) 20部、触媒として
アセチルアセトン鉄 0.05 部、2-エチル−4-メチルイミ
ダゾール 0.05部を用い、濃度 50%のメチルエチルケ
トン溶液 (以下、ワニス4と記す)を調整した。上記ワ
ニス4を用いる他は実施例1と同様にした。製造したフ
ィルムの物性値を測定した結果を表1に示した。
【0028】実施例3 実施例1において、平織E-ガラス布の替わりに、厚み
0.13mm の平織のPAN 系カーボン布(品名;#W5101, 東
邦レーヨン (株) 製) を用いる他は実施例1と同様にし
た。製造したフィルムの物性値を測定した結果を表1に
示した。
【0029】なお、物性測定はそれぞれ下記によった。 1). 比重、引張強度、引張弾性率は、JIS B 0601, K 72
13に準拠して測定。引張強度、引張弾性率は、縦糸方向
の値である。 2). コーティング性は、碁盤目テストにより評価し、下
記の方法によった。碁盤目テスト : JIS K 5400-1990
に準じて測定。コーティング層に、カッターにて下地ま
で 1mm間隔で枡目(100コ)を入れ、粘着テープ (品名; コ
クヨスーパーテープ T-E18 18mm 幅) を粘着させ、塗面
に直角に瞬間的に引き剥がし、剥離数を分子として表示
した。 A : ポリアミドイミド系コーティング剤 (東京特殊電線
(株) 製、SVワニス、クレゾール系溶剤) を厚み20μm
でコートし、 120℃/2分、 180℃/30 分の処理後、コー
デング層の剥離性を評価。 B : ビスマレイミド−トリアジン系接着剤(品名;BT A
301 、メチルエチルケトン溶剤、三菱ガス化学 (株)
製) を厚み20μmでコートし、 140℃/2分、180℃/30
分の処理後、コーデング層の剥離性を評価。 3). 10%減量温度は、昇温速度 10℃/分の条件にて測
定。 4). 熱膨張係数は、縦糸方向の値である。
【0030】
【表1】測定項目 条件等 単位 実1 実2 比1 比2 実3 比重 g/cm3 1.68 1.71 1.78 1.76 1.55引張強度 25℃ kgf/mm2 21.8 20.4 22.1 21.5 22.0 200℃ 15.9 14.8 16.2 15.7 16.3 250℃ 11.5 10.9 11.3 11.1 12.0引張弾性率 25℃ kgf/mm2 1680 1820 1530 1590 1710 200℃ 1260 1380 1120 1135 1300 250℃ 1210 1310 1090 1120 1250ガラス転移温度 ℃ 217 248 189 215 221 コーティング性 A 0/100 0/100 28/100 34/100 0/100 B 0/100 0/100 0/100 2/100 0/100 熱膨張係数 ×10-6 K-1 14 13 14 14 8.810%減量温度 ℃ 380 418 376 377 372 耐燃性(UL94) 94HB 94HB − − −表面粗さ(Rmax) μm 13.8 14.1 15.3 15.7 11.6吸水率 % 0.06 0.07 0.08 0.07 0.11
【0031】
【発明の効果】以上の発明の詳細な説明および実施例な
どから明瞭なように、本発明の繊維強化フィルムは芳香
族炭化水素−ホルムアルデヒド樹脂変性ノボラックエポ
キシ樹脂の配合により、優れた耐熱性、高比強度、高比
弾性率、表面平滑性を示し、かつ、従来技術の欠点であ
ったコーティング性を改善したものである。特に、音質
に優れた高出力のスピーカー用ボイスコイル・ボビン材
として好適に使用できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 5/04 CEZ // B29K 79:00 105:08 B29L 7:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス繊維或いはカーボン繊維織布基材
    に、芳香族炭化水素−ホルムアルデヒド樹脂変性ノボラ
    ックエポキシ樹脂を含有するシアナト樹脂組成物ワニス
    を含侵し、加熱・乾燥し、硬化させてなる樹脂量 30〜
    60重量%で表面凹凸度(Rmax)が20μm以下である繊維強
    化フィルムの製造法
  2. 【請求項2】 該含侵、加熱・乾燥、硬化を連続して行
    う請求項1記載の繊維強化フィルムの製造法
  3. 【請求項3】 該織布基材が、厚み 0.03〜0.2mm で、
    平織、一方平織またはこれらを開繊処理してなるもので
    ある請求項1記載の繊維強化フィルムの製造法
  4. 【請求項4】 該芳香族炭化水素−ホルムアルデヒド樹
    脂変性ノボラックエポキシ樹脂が、数平均分子量 500〜
    1,800 、分子量分布 2〜7 、フェノールモノマー含有量
    0.5%以下である芳香族炭化水素−ホルムアルデヒド樹
    脂変性ノボラックとエピクロルヒドリンとを反応してな
    るエポキシ樹脂である請求項1記載の繊維強化フィルム
    の製造法
  5. 【請求項5】 該シアナト樹脂組成物ワニスが、表面調
    整剤を樹脂固形分に対して 0.0005〜5 %添加してなる
    ものである請求項1記載の繊維強化フィルムの製造法
  6. 【請求項6】 該表面調整剤が、アルキルアクリレート
    コポリマー、アルキルメタクリレートコポリマー、アル
    キルビニルエーテルコポリマー、ポリブタジエンなどの
    ビニル系およびセルロースアセテートブチレートなどの
    アセテート系からなる群から選択した数平均分子量 2,0
    00〜20,000のものである請求項5記載の繊維強化フィル
    ムの製造法
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2013008667A1 (ja) * 2011-07-11 2015-02-23 三菱瓦斯化学株式会社 硬化性樹脂組成物およびそれを用いた硬化物の製造方法
JP2016054566A (ja) * 2016-01-19 2016-04-14 中興化成工業株式会社 振動板及びその使用方法、スピーカ機能を有する構造部材
WO2019230942A1 (ja) * 2018-06-01 2019-12-05 三菱瓦斯化学株式会社 樹脂組成物、プリプレグ、金属箔張積層板、樹脂シート、及びプリント配線板

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