JPH08384Y2 - ローラ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は合成繊維糸条等の製造設備に設置される延伸
用ローラ等のローラ装置に関するものである。

（従来技術） 一般に、合成繊維糸条等の製造設備に設置される延伸
用のローラ装置は、テーパ結合によって軸体とローラが
固着されているもの、あるいは、ローラの軸心にテーパ
孔を穿設し、該孔部にキー溝を形成すると共に、軸体に
テーパ部を形成し、該テーパ部にキー溝を穿設せしめ、
ローラを軸体に嵌着してナットによって締め付け、ロー
ラと軸体をテーパ面とキーによって一体的に固着する構
成になっている。

（考案が解決しようとする課題） 上述のようなローラ装置の前者の場合には、軸体とロ
ーラをテーパによってのみ連結しているため、高速回転
時に回転トルクによって軸体とローラの間で滑りを生
じ、締め付け用のナットが緩む。また、後者の場合に
は、テーパ面とキーによってローラと軸体を一体的に連
結する構成では、該キー部がアンバランスの原因にな
り、ローラを高速度で回転させると振動を発生する。そ
のため、高速度化に対処することがきない。また、ロー
ラを軸体に取付ける時にキー合わせを行わなければなら
ず組立作業が困難である等の問題があった。

（目的） 本考案の目的は、ローラと軸体をテーパ面によって連
結せしめると共に、ローラが軸体との間で滑りを生じて
もナットが緩んでローラが軸体から離脱しないようにす
ることである。

（課題を解決するための手段） 上述の目的を達成するために本考案のローラ装置は、
ローラ軸心にテーパ孔を穿設して軸体に形成したテーパ
部に嵌着すると共に、軸体の端部に右螺子と左螺子を連
接して形成せしめ、該螺子に夫々ナットを螺着し、該ナ
ットを締め付けることによりローラと軸体を一体的に固
着せしめる構成にしてある。

また、ローラ軸心にテーパ孔を穿設して軸体に形成し
たテーパ部に嵌着すると共に、軸体に形成した溝に係合
する回り止め付きカラーを介してナットを軸体に螺着
し、該ナットを締め付けることによりローラと軸体を一
体的に固着せしめる構成でも同じように目的を達成する
ことができる。

（実施例） 本考案のローラ装置の第１の実施例の構成を第１図に
基づいて説明する。

１は軸受７によって機台６に回転自在に取り付けられ
た軸体であり、先端部には右螺子1aと左螺子1bとテーパ
部1cが連続して形成してある。２はローラであり、軸心
に軸体１のテーパ部1cに嵌合するテーパ孔2aが穿設して
ある。３は座金であり、４は軸体１の右螺子1aに螺着さ
れるナットであり、５は軸体１の左螺子1bに螺着される
ナットである。

上述のローラ装置は、軸体１にローラ２、座金３の順
に挿着すると共に、ナット５を左螺子1bに螺着して締め
付け軸体１とローラ２をテーパ部で一体的に連結する。
次いで、ナット４を右螺子1aに螺着して締め付ける。

この様に、螺子方向の異なる二つのナット４、５によ
ってローラ２を締め付けているため、ローラの回転速度
を加速、減速する時に、ローラ２が軸体１との間で滑り
を生じて回転しても、ナット４、あるいは、ナット５の
一方が締まり勝手になり、ナット４、５の両方が緩んで
ローラ２が軸体１から離脱することはない。また、軸体
１とローラ２の連結のためにキーを使用していないた
め、アンバランスを生じず高速度回転に適用することが
できる。また、ローラを軸体に取付ける際、大重量のロ
ーラをキー合わせする必要がなく組立作業が容易にな
る。

次に、本考案のローラ装置の第２の実施例の構成を第
２図、および、第３図に基づいて説明する。

11は軸受17によって機台16に回転自在に取り付けられ
た軸体であり、先端部には螺子11aとテーパ部11bが連接
して形成してある。また、螺子11a部にはキー溝11cが穿
設してある。12はローラであり、軸心に軸体11のテーパ
部11bに嵌合するテーパ孔12aが穿設してある。13はキー
溝13aを有する回り止めカラーであり、キー15によって
軸体11と回り止めカラー13が連結される。14は軸体11の
螺子11aに螺着されるナットである。

上述のローラ装置は、軸体11にローラ12、回り止めカ
ラー13の順に挿着すると共に、ナット14を螺子11aに螺
着して締め付け軸体11とローラ12をテーパ部で一体的に
連結する。

この様に、軸体11と略一体の回り止めカラー13を介し
てナット14によってローラ12を締め付けているため、ロ
ーラ12が軸体11との間で滑りを生じて回転しても、回り
止めカラー13が回転せず、ナット14が緩んでローラ12が
軸体11から離脱することはない。また、回り止めカラー
13を軸体11に連結するためのキー15部の割合が非常に小
さいため、ほとんどアンバランスを生じず高速度回転に
適用できる。

上述の軸体11にキー溝を形成して回り止めカラー13が
回転しないようにすると、従来のテーパ部にキー溝を形
成して軸体とローラを連結する場合と比較すると、キー
部の長さが3mmから5mmと短く、約1/50から1/10になり、
アンバランス量を非常に小さくすることができる。

上述の回り止めカラー13はキー15によって軸体11と連
結したが、舌付き回り止めカラーを使用することもでき
る。

上述のローラ２、12を加熱用ローラとして使用する場
合は、該ローラの周面を所定の温度に加熱するための電
気抵抗発熱体、誘導電気発熱体等を装着する必要があ
る。

（考案の効果） 本考案の請求項１のローラ装置は、ローラ軸心にテー
パ孔を穿設して軸体に形成したテーパ部に嵌着すると共
に、軸体の端部に右螺子と左螺子を連接して形成せし
め、該螺子に夫々ナットを螺着し、該ナットを締め付け
ることによりローラと軸体を一体的に固着してあるた
め、ローラが軸体との間で滑りを生じて回転しても、右
螺子のナット、あるいは、左螺子のナットの一方が締ま
り勝手になり、ナットが緩んでローラが軸体から離脱す
ることはない。また、軸体とローラの連結のためにキー
を使用していないため、アンバランスを生じず高速度回
転に適用することができる。

また、本考案の請求項２のローラ装置は、ローラ軸心
にテーパ孔を穿設して軸体に形成したテーパ部に嵌着す
ると共に、軸体に穿設した溝に係合する回り止めカラー
を介してナットを軸体に螺着し、該ナットを締め付ける
ことによりローラと軸体を一体的に固着してあるため、
ローラが軸体との間で滑りを生じて回転しても、回り止
めカラーが回転せず、ナットが緩んでローラが軸体から
離脱することはない。また、回り止め付きカラーを固定
するためキーと軸体の溝の割合が非常に小さいため、ほ
とんどアンバランスを生じず高速度回転に適用できると
共に、ナットの締め付け操作が容易であり、強力に締め
付けることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のローラ装置の第１の実施例を示す概略
断面図である。 第２図は本考案のローラ装置の第２の実施例を示す概略
断面図である。 第３図は第２図におけるＺ−Ｚ矢視図である。 1,11:軸体、2,12:ローラ、3:座金、4,5,14:ナット、13:
回り止めカラー、15:キー、

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ローラ軸心にテーパ孔を穿設して軸体に形
   成したテーパ部に嵌着すると共に、軸体の端部に右螺子
   と左螺子を連接して形成せしめ、該螺子に夫々ナットを
   螺着し、該ナットを締め付けることによりローラと軸体
   を一体的に固着せしめるようにしたことを特徴とするロ
   ーラ装置。
2. 【請求項２】ローラ軸心にテーパ孔を穿設して軸体に形
   成したテーパ部に嵌着すると共に、軸体に形成した溝に
   係合する回り止め付きカラーを介してナットを軸体に螺
   着し、該ナットを締め付けることによりローラと軸体を
   一体的に固着せしめるようにしたことを特徴とするロー
   ラ装置。