JPH0837952A - 液体散布装置の散液頭部 - Google Patents

液体散布装置の散液頭部

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JPH0837952A
JPH0837952A JP17907794A JP17907794A JPH0837952A JP H0837952 A JPH0837952 A JP H0837952A JP 17907794 A JP17907794 A JP 17907794A JP 17907794 A JP17907794 A JP 17907794A JP H0837952 A JPH0837952 A JP H0837952A
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JP
Japan
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head
sprinkling
water
liquid
sprinkling head
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JP17907794A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Ota
宏 太田
Toshiharu Matsumura
俊治 松村
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 散水頭部1は、半球部1aが上に凸な略半球
状に形成されると共に、複数の孔2…を有している。上
記の孔2…は、半球部1aの表面をその頂部3側から見
た平面図において、互いに略平行な2本の第一仮想直線
9a・9aと、上記の第一仮想直線9a・9aと略直交
し、かつ、互いに略平行な2本の第二仮想直線9b・9
bとによって囲まれる四角形状領域5内に穿設されてい
る。また、上記の頂部3は、該四角形状領域5内に位置
している。 【効果】 水を散水頭部の上方に向けて確実に散水する
ことができるので、該水滴を空気中に長時間漂わせ、水
滴と空気との間で熱交換を充分に行わせることができ
る。これにより、凍霜害を効果的に防除することができ
る。即ち、凍霜害の防除設備として好適に利用すること
ができる。また、水の使用量を少なくすることができ
る。つまり、無駄になる水の量を少なくすることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体を散布する液体散
布装置の散液頭部に関するものである。さらに詳しく
は、農作物や樹木等の凍霜害を防除するために好適に用
いられる液体散布装置の散液頭部に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば豆類や芋類、各種野菜、
穀物、茶、コーヒー、桑、飼料作物等の農作物、葡萄や
オレンジ等の果樹等は、秋季の早霜または春季の晩霜に
よって霜害を受け易い。霜は、空気中の水蒸気が地表や
物に接触して昇華することにより形成される。つまり、
霜害は、低温による物理的な気象災害である。そこで、
従来、例えば果樹園や茶園、桑園等では、以下に示すよ
うな対策が実施されている。即ち、防霜林を植樹す
る、植物をビニルシート等で覆う、畑等の空気をヒ
ータ等で加温したり、扇風機等で攪拌する、煙を発生
させたり、水滴や凍結防止剤を散布して霜の発生を妨害
する、等の対策が実施されている。これら種々の対策の
うち、水滴を散布する方法が、比較的、低労力かつ低ラ
ンニングコストで、しかも設備投資額を低く抑えること
ができるため、実施が容易である。
【0003】一方、従来より、例えば、各種野菜や草花
等を露地栽培する畑や蔬菜園、ビニルハウス、果樹園、
芝生や草花等が植えられた公園や庭園等の灌水、或いは
道路等の散水等に用いられる散水装置としてスプリンク
ラーが知られている。
【0004】一般に、スプリンクラーは、散水を所望す
る散水領域の中心部に立設され、回転自在に設けられた
スプリンクラー頭部(以下、ヘッドと称する)に形成さ
れたノズル(孔)から水を噴射すると共に、上記ヘッド
に取り付けられた羽根にノズルから噴射された水を当
て、その衝撃力で該ヘッドを一定方向に回転させながら
同心円状に広範囲に散水するようになっている。
【0005】そして、霜の発生を妨害するために、上記
のスプリンクラーを凍霜害の防除設備として転用するこ
とが試みられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の散水装置であるスプリンクラーのヘッドは、羽根に
水を当て、その衝撃力で該ヘッドを回転させる構成であ
るので、散水される水滴が大きくなり過ぎる。このた
め、該水滴が空気中に長時間漂うことができず、直ぐに
落下してしまう。つまり、上記の水滴と空気との間で熱
交換が充分に行われない。また、スプリンクラーは、散
水領域が該スプリンクラーを中心とした同心円状(ドー
ナツ型)になり、広範囲に散水可能ではあるが、スプリ
ンクラー近傍に散水できない。それゆえ、散水領域全体
での散水量が不均一となるため、霜害を防除する効果に
バラツキが生じ易い。従って、上記従来のスプリンクラ
ーのヘッドでは、霜害を防除する効果が乏しいという問
題点を有している。
【0007】さらに、スプリンクラーは、水の使用量が
多い。つまり、無駄になる水の量が多い。その上、スプ
リンクラーは可動部を有しているため、故障等が発生す
るおそれもある。
【0008】従って、散布される液滴を小さくして該液
滴を空気中に長時間漂わせ、液滴と空気との間で熱交換
を充分に行わせることができ、かつ、散布領域全体にわ
たってほぼ均一に隈無く液体を散布することができるヘ
ッド、即ち、凍霜害の防除設備として利用可能な液体散
布装置の散液頭部が求められている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の液
体散布装置の散液頭部は、上記の課題を解決するため
に、液体散布装置の立ち上がり管に設けられた散液頭部
であって、上記散液頭部は、上に凸な略半球状に形成さ
れると共に、液体を散布可能な複数の孔を有しており、
上記孔は、略半球面をその頂部側から見た平面図におい
て、互いに略平行な2本の第一仮想直線と、上記第一仮
想直線と略直交し、かつ、互いに略平行な2本の第二仮
想直線とによって囲まれる四角形状領域内に穿設されて
おり、上記頂部は、該四角形状領域内に位置しているこ
とを特徴としている。
【0010】請求項2記載の発明の液体散布装置の散液
頭部は、上記の課題を解決するために、請求項1記載の
液体散布装置の散液頭部において、上記四角形状領域
は、頂部を通り第一仮想直線に対して垂直な散液頭部断
面図において、該半球中心に対する仰角が30°以上、90
°未満の範囲内に形成され、かつ、頂部を通り第二仮想
直線に対して垂直な散液頭部断面図において、該半球中
心に対する仰角が30°以上、90°未満の範囲内に形成さ
れていることを特徴としている。
【0011】
【作用】請求項1記載の構成によれば、散液頭部が有す
る複数の孔は、略半球面をその頂部側から見た平面図に
おいて、互いに略平行な2本の第一仮想直線と、上記第
一仮想直線と略直交し、かつ、互いに略平行な2本の第
二仮想直線とによって囲まれる四角形状領域内に穿設さ
れている。また、上記頂部は、該四角形状領域内に位置
している。
【0012】このため、液体を散液頭部の上方に向けて
散布することができるので、散布を所望する散布領域全
体にわたってほぼ均一に隈無く液体を散布することがで
きる。また、孔の直径を適宜設定し、散布される液滴を
小さくすることにより、該液滴を空気中に長時間漂わ
せ、液滴と空気との間で熱交換を充分に行わせることが
できる。これにより、凍霜害を効果的に防除することが
できる。即ち、凍霜害の防除設備として好適に利用する
ことができる。また、四角形状領域内に孔が穿設されて
いるので、散液頭部の下方に向けて液体が散布されるこ
とはない。従って、液体の使用量を少なくすることがで
きる。つまり、無駄になる液体の量を少なくすることが
できる。さらに、散液頭部は可動部を有していないた
め、故障等が発生するおそれがない。
【0013】請求項2記載の構成によれば、四角形状領
域は、頂部を通り第一仮想直線に対して垂直な散液頭部
断面図において、該半球中心に対する仰角が30°以上、
90°未満の範囲内に形成され、かつ、頂部を通り第二仮
想直線に対して垂直な散液頭部断面図において、該半球
中心に対する仰角が30°以上、90°未満の範囲内に形成
されている。
【0014】このため、液体を散液頭部の上方に向けて
確実に散布することができるので、該液滴を空気中によ
り一層長時間漂わせ、液滴と空気との間で熱交換を充分
に行わせることができる。
【0015】
【実施例】本発明の一実施例について図1ないし図8に
基づいて説明すれば、以下の通りである。尚、以下の説
明においては、液体散布装置によって散布される液体が
水である場合、即ち、液体散布装置を散水装置として使
用する場合を例に挙げることとする。
【0016】本実施例にかかる液体散布装置としての散
水装置は、後段にて詳述するように、水を上方に向けて
散水することにより、農作物や樹木等の凍霜害を好適に
防除する。上記の散水装置は、図7に示すように、通水
管10より導水される立ち上がり管11を備えている。
上記の立ち上がり管11は、散水を所望する畑等の任意
の位置に立設されている。立ち上がり管11の上端部に
は、取り付け治具12を介して散水頭部(散液頭部)1
が着脱自在に取り付けられている。尚、取り付け治具1
2は、散水頭部1のネジ部1b(後述する)に対応する
図示しないネジ部(雌ネジ)を有している。
【0017】図1および図2に示すように、散水頭部1
は、上に凸な略半球状に形成された半球部1aと、取り
付け治具12に取り付けるためのネジ部(雄ネジ)1b
と、これら半球部1aおよびネジ部1bを連設する連設
部1cとからなっている。尚、本発明において略半球状
とは、半球部1aの縦断面(図1において紙面に垂直な
方向の切断面)の形状が、略半円弧状若しくは略半楕円
の弧状であることを示すものとする。
【0018】連設部1cは、散水頭部1本体を取り付け
治具12に着脱し易いように、散水頭部1を上方から見
たとき(図1)の形状が例えば正八角形となるように形
成されている。半球部1aには、上方に向けて散水可能
な複数の孔2…が形成されている。尚、孔2…の個数
は、特に限定されるものではない。また、散水頭部1の
大きさは、特に限定されるものではない。
【0019】上記の孔2…は、半球部1aの表面(略半
球面)をその頂部3側から見た平面図(つまり、図1)
において、互いに略平行な2本の第一仮想直線9a・9
a(図中、便宜上、これら仮想直線を二点鎖線で記す)
と、上記の第一仮想直線9a・9aと略直交し、かつ、
互いに略平行な2本の第二仮想直線9b・9b(図中、
便宜上、これら仮想直線を二点鎖線で記す)とによって
囲まれる四角形状領域5内に穿設されている。また、上
記の頂部3は、該四角形状領域5内に位置している。つ
まり、孔2…は、頂部3を含むと共に、第一仮想直線9
a・9aおよび第二仮想直線9b・9bにて囲まれた四
角形状領域5内に穿設されている。
【0020】図5に示すように、上記の四角形状領域
5、つまり、第一仮想直線9aは、頂部3を通り該第一
仮想直線9aに対して垂直な散水頭部断面図(つまり、
図5)において、以下に示す条件を満たすようにして形
成されている。
【0021】即ち、第一仮想直線9aは、半球部1aの
中心(または、対称中心)Oに対する仰角αが、30°≦
α<90°の条件を満たすようにして設けられている。よ
り好ましくは、第一仮想直線9aは、仰角αが、45°≦
α<90°の条件を満たすようにして設けられている。
【0022】また、図6に示すように、上記の四角形状
領域5、つまり、第二仮想直線9bは、頂部3を通り該
第二仮想直線9bに対して垂直な散水頭部断面図(つま
り、図6)において、以下に示す条件を満たすようにし
て形成されている。
【0023】即ち、第二仮想直線9bは、上記の中心O
に対する仰角βが、30°≦β<90°の条件を満たすよう
にして設けられている。より好ましくは、第二仮想直線
9bは、仰角βが、45°≦β<90°の条件を満たすよう
にして設けられている。尚、仰角αおよび仰角βの大小
関係は、特に限定されるものではない。
【0024】四角形状領域5を、上記条件を満たすよう
にして形成することにより、水を散水頭部1の上方に向
けて確実に散水することができるので、散水を所望する
畑等の全体にわたってほぼ均一に隈無く散水することが
できる。また、四角形状領域5内に孔2…が穿設されて
いるので、散水頭部1の下方に向けて散水されることは
ない。従って、水の使用量を少なくすることができる。
つまり、無駄になる水の量を少なくすることができる。
尚、上記の仰角α・βは、具体的には、例えば、畑等の
大きさや、孔2…の直径、散水頭部1…の設置間隔等に
応じて適宜設定すればよい。
【0025】また、上記の四角形状領域5内に形成され
る孔2…の穿設パターンは、特に限定されるものではな
い。従って、孔2…の穿設パターンは、図1に例示した
パターンにのみ限定されるものではない。例えば、図3
および図4に示すように、孔2…の穿設パターンを、四
角形状領域5の四隅に穿設されていないパターンとする
こともできる。これら図3および図4に例示したパター
ンは、散水を所望する畑の形状が円形の場合を示してい
る。尚、孔2…の直径については後述する。
【0026】散水頭部1の材質は、特に限定されるもの
ではないが、耐候性や耐衝撃性、耐薬品性等に優れた材
質が好ましく、例えば、金属や合成樹脂、合成ゴムが好
適である。金属としては、例えば、ステンレスが挙げら
れる。合成樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレ
ン、中低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化
ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフ
ィン、アクリロニトリル−ブタジエンスチレン樹脂(A
BS樹脂)等、或いは、エンジニアリングプラスチッ
ク、各種強化プラスチック等が挙げられる。これら材質
は、例えば、散水頭部1、即ち、散水装置の用途等に応
じて適宜選択される。
【0027】散水頭部1の製造方法は、特に限定される
ものではないが、安価で量産性に優れた方法が好まし
く、例えば、材質が金属の場合にはプレス加工法が好適
であり、また、材質が合成樹脂や合成ゴムの場合には射
出成形法が好適である。
【0028】上記孔2…の穿設方法は、特に限定される
ものではないが、安価で量産性に優れた方法が好まし
く、例えば、いわゆるレーザ穿孔やドリル穿孔が好適で
ある。
【0029】上記の立ち上がり管11は畑等の任意の位
置に固定可能であるが、上記孔2…の半球部1aにおけ
る穿設位置や、孔2…の穿設パターンが容易となるよう
に、畑等の中央部若しくは隅部等に固定することが好ま
しい。
【0030】上記孔2…の直径は、特に限定されるもの
ではないが、例えば 0.1mm以上、2mm以下に形成するこ
とが好ましい。孔2…の直径を上記の大きさに形成する
ことにより、孔2…から散水される水滴が小さくなる。
これにより、該水滴を空気中により長時間漂わせること
ができるので、水滴と空気との間で熱交換をより充分に
行わせることができる。孔2…の直径が 0.1mmよりも小
さいと、孔2…から散水される水滴が小さくなり過ぎ、
従って単位時間あたりの散水量が少なくなり過ぎるの
で、上記の熱交換をより充分に行わせることができなく
なる。一方、孔2…の直径が2mmよりも大きいと、水滴
が極端に大きくなり過ぎ、直ぐに落下してしまうので、
該水滴を空気中により長時間漂わせることができなくな
る。本実施例における孔2…の直径は、例えば、 0.4mm
〜 0.8mmに設定されている。勿論、孔2…の直径は、上
記例示の直径に限定されるものではない。
【0031】尚、散水頭部1、即ち、孔2…にかかる水
圧は、特に限定されるものではない。例えば、通水管1
0を一般の水道管に直結した場合には、上記水圧は凡そ
1kg/cm2〜2kg/cm2程度になる。また、水圧を所定範囲
内、例えば1kg/cm2〜5kg/cm2、好ましくは1kg/cm2
2kg/cm2の範囲内で任意に変更させることが可能なポン
プ、減圧弁、止水栓等を用いることにより、孔2…にか
かる水圧を適宜調節してもよい。
【0032】以上のように、本実施例にかかる散水装置
の散水頭部1は、半球部1aが上に凸な略半球状に形成
されると共に、複数の孔2…を有しており、上記孔2…
は、半球部1aの表面をその頂部3側から見た平面図に
おいて、互いに略平行な2本の第一仮想直線9a・9a
と、上記の第一仮想直線9a・9aと略直交し、かつ、
互いに略平行な2本の第二仮想直線9b・9bとによっ
て囲まれる四角形状領域5内に穿設されている。また、
上記の頂部3は、該四角形状領域5内に位置している。
【0033】このため、水を散水頭部1の上方に向けて
散水することができるので、散水を所望する畑等の全体
にわたってほぼ均一に隈無く散水することができる。ま
た、孔2…の直径を適宜設定し、散水される水滴を小さ
くすることにより、該水滴を空気中に長時間漂わせ、水
滴と空気との間で熱交換を充分に行わせることができ
る。これにより、凍霜害を効果的に防除することができ
る。即ち、凍霜害の防除設備として好適に利用すること
ができる。また、四角形状領域5内に孔2…が穿設され
ているので、散水頭部1の下方に向けて散水されること
はない。従って、水の使用量を少なくすることができ
る。つまり、無駄になる水の量を少なくすることができ
る。さらに、散水頭部1は可動部を有していないため、
故障等が発生するおそれがない。
【0034】また、本実施例にかかる散水装置の散水頭
部1は、上記の四角形状領域5が、頂部3を通り第一仮
想直線9aに対して垂直な散水頭部断面図において、半
球部1aの中心Oに対する仰角αが30°以上、90°未満
の範囲内に形成され、かつ、頂部3を通り第二仮想直線
9bに対して垂直な散水頭部断面図において、上記の中
心Oに対する仰角βが30°以上、90°未満の範囲内に形
成されている。
【0035】このため、水を散水頭部1の上方に向けて
確実に散水することができるので、該水滴を空気中によ
り一層長時間漂わせ、水滴と空気との間で熱交換を充分
に行わせることができる。
【0036】次に、本実施例にかかる散水頭部1の散水
量、および、凍霜害の防除効果について、具体例を挙げ
て説明する。尚、散水を所望する畑を10m×5mの長方
形とし、この畑の中心部に立ち上がり管11を立設して
散水する場合を想定した。従って、四角形状領域5の形
成パターン、つまり、孔2…の穿設パターンおよび直径
を、上記例示の穿設パターンおよび直径(図1)に設定
した。そして、散水頭部1の半球部1aの直径を5cm、
水量を約12L/min.、孔2…にかかる水圧を約2kg/cm2
とした。
【0037】散水量は、畑に升形状の測定箱を並べ、散
水頭部1から一時間散水した後、上記各測定箱に溜まっ
た水の量を測定した。上記の条件にて測定した散水量
を、図8に示すように、横軸を立ち上がり管11からの
距離、縦軸を散水量としてグラフに示した。散水頭部1
の散水量は、曲線(a)となった。
【0038】一方、従来の散水装置であるスプリンクラ
ーについても散水量を測定した。上記スプリンクラーの
スプリンクラー頭部(以下、ヘッドと称する)にかかる
水圧や、水量等は、散水頭部1と同一の条件とした。ま
た、ヘッドのノズルの開口面積は、散水頭部1の孔2…
の総開口面積と等しくなるように設定した。ヘッドの散
水量は、曲線群(b)となった。尚、スプリンクラーの
散水量は、ヘッドの角度を3段階に調節して測定した
(3回測定した)。従って、曲線群(b)の各曲線は、
これらヘッドの角度に各々対応している。
【0039】上記のグラフから明らかなように、散水頭
部1は、畑の全面にわたってほぼ均一に隈無く散水可能
であることがわかる。これに対し、ヘッドは、均一な散
水が不可能であることがわかる。
【0040】そして、凍霜害の防除効果については、上
記畑として茶園を対象とし、以下の条件にて散水するこ
とにより確認する。
【0041】即ち、先ず、茶園に、本実施例にかかる散
水頭部1を備えた散水装置を設置した10m×5mの区域
(以下、実施例区と称する)と、スプリンクラーを設置
した10m×5mの区域(以下、比較例区と称する)とを
設定する。次に、予め、これら両区域に、同一条件で夜
間に散水する。そして、真夜中から早朝にかけての気温
が-2℃以下となった日を選び、その日の午後に、実施例
区および比較例区に植えられているそれぞれの茶の葉お
よび芽を観察し、互いに比較する。
【0042】その結果、実施例区に植えられている茶に
は、全く凍霜害が見られず、健全な状態である。これに
対し、比較例区に植えられている茶は、その葉および芽
の一部が褐色に変色して枯死していたり、萎れたりして
いる。即ち、比較例区の茶には、霜害が見られる。ま
た、霜害の被害は、スプリンクラー近傍の茶が特に顕著
である。
【0043】また、実施例区と比較例区とでは、夜間の
平均気温に差が生じている。つまり、実施例区の平均気
温は、比較例区の平均気温よりも高くなっている。この
気温の差からも明らかなように、本実施例にかかる散水
装置から散水された水滴と、空気との間では、熱交換が
充分に行われるが、スプリンクラーから散水された水滴
と、空気との間では、熱交換が充分に行われないことが
わかる。
【0044】尚、本実施例においては、長方形の散水領
域に散水することが可能な散水頭部1を例に挙げたが、
散水頭部1によって散水可能な散水領域、つまり、畑の
形状は、勿論、上記例示の長方形に限定されるものでは
なく、例えば、正方形やその他の多角形、円形、楕円形
等、任意の形状とすることができる。また、散水可能な
畑の大きさも任意の大きさとすることができる。孔2…
の穿設パターンと直径との組み合わせは、畑の形状や散
水量等に応じて適宜変更すればよい。
【0045】上記構成の散水頭部1を備えた散水装置
は、例えば各種野菜や草花等を露地栽培する畑や蔬菜
園、ビニルハウス、果樹園等において、農作物や樹木等
の凍霜害を防除する防除設備として好適に用いられる。
【0046】尚、上記の実施例においては、液体散布装
置を散水装置として使用する場合を例に挙げて説明した
が、本発明にかかる液体散布装置により散布される液体
は、勿論、上記の水に限定されるものではない。例え
ば、水の代わりに凍結防止剤を散布してもよい。
【0047】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の液体散布装置の
散液頭部は、以上のように、液体散布装置の立ち上がり
管に設けられた散液頭部であって、上記散液頭部は、上
に凸な略半球状に形成されると共に、液体を散布可能な
複数の孔を有しており、上記孔は、略半球面をその頂部
側から見た平面図において、互いに略平行な2本の第一
仮想直線と、上記第一仮想直線と略直交し、かつ、互い
に略平行な2本の第二仮想直線とによって囲まれる四角
形状領域内に穿設されており、上記頂部は、該四角形状
領域内に位置している構成である。
【0048】このため、液体を散液頭部の上方に向けて
散布することができるので、該液滴を空気中に長時間漂
わせ、液滴と空気との間で熱交換を充分に行わせること
ができる。これにより、凍霜害を効果的に防除すること
ができる。即ち、凍霜害の防除設備として好適に利用す
ることができるという効果を奏する。また、四角形状領
域内に孔が穿設されているので、散液頭部の下方に向け
て液体が散布されることはない。従って、液体の使用量
を少なくすることができる。つまり、無駄になる液体の
量を少なくすることができるという効果も併せて奏す
る。
【0049】本発明の請求項2記載の液体散布装置の散
液頭部は、以上のように、上記四角形状領域は、頂部を
通り第一仮想直線に対して垂直な散液頭部断面図におい
て、該半球中心に対する仰角が30°以上、90°未満の範
囲内に形成され、かつ、頂部を通り第二仮想直線に対し
て垂直な散液頭部断面図において、該半球中心に対する
仰角が30°以上、90°未満の範囲内に形成されている構
成である。
【0050】これにより、液体を散液頭部の上方に向け
て確実に散布することができるので、該液滴を空気中に
より一層長時間漂わせ、液滴と空気との間で熱交換を充
分に行わせることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における散液頭部としての散
水頭部の平面図である。
【図2】上記散水頭部の正面図である。
【図3】散水頭部の孔の穿設パターンの変形例を示す平
面図である。
【図4】図3の散水頭部の正面図である。
【図5】散水頭部における四角形状領域の形成位置を説
明するものであり、上記散水頭部の要部の断面図であ
る。
【図6】散水頭部における四角形状領域の形成位置を説
明するものであり、上記散水頭部の要部の断面図であ
る。
【図7】上記散水頭部を備えた液体散布装置としての散
水装置の概略の正面図である。
【図8】図1の散水頭部の散水量を示すグラフである。
【符号の説明】
1 散水頭部(散液頭部) 1a 半球部 2 孔 3 頂部 5 四角形状領域 9a 第一仮想直線 9b 第二仮想直線 11 立ち上がり管 12 取り付け治具 O 中心(半球中心) α・β 仰角

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体散布装置の立ち上がり管に設けられた
    散液頭部であって、 上記散液頭部は、上に凸な略半球状に形成されると共
    に、液体を散布可能な複数の孔を有しており、 上記孔は、略半球面をその頂部側から見た平面図におい
    て、互いに略平行な2本の第一仮想直線と、上記第一仮
    想直線と略直交し、かつ、互いに略平行な2本の第二仮
    想直線とによって囲まれる四角形状領域内に穿設されて
    おり、 上記頂部は、該四角形状領域内に位置していることを特
    徴とする液体散布装置の散液頭部。
  2. 【請求項2】上記四角形状領域は、頂部を通り第一仮想
    直線に対して垂直な散液頭部断面図において、該半球中
    心に対する仰角が30°以上、90°未満の範囲内に形成さ
    れ、かつ、頂部を通り第二仮想直線に対して垂直な散液
    頭部断面図において、該半球中心に対する仰角が30°以
    上、90°未満の範囲内に形成されていることを特徴とす
    る請求項1記載の液体散布装置の散液頭部。
JP17907794A 1993-11-02 1994-07-29 液体散布装置の散液頭部 Pending JPH0837952A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103506237A (zh) * 2013-10-11 2014-01-15 江苏大学 一种正方形喷洒域喷头的布置方法

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