JPH083716A - スプレーめっきによる高耐食性Zn−Al合金めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
スプレーめっきによる高耐食性Zn−Al合金めっき鋼板の製造方法Info
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- JPH083716A JPH083716A JP14037094A JP14037094A JPH083716A JP H083716 A JPH083716 A JP H083716A JP 14037094 A JP14037094 A JP 14037094A JP 14037094 A JP14037094 A JP 14037094A JP H083716 A JPH083716 A JP H083716A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、溶融Zn−Al合金スプレー方法
により、良好な外観を有する高耐食性Zn−Al合金め
っき鋼板の製造方法を提供すること。 【構成】 前処理されて連続的に送給されてくる帯状鋼
板の表面に非酸化性雰囲気中で溶融Zn−Al合金の微
粒子を吹き付けることによりスプレーめっきするに際
し、Al3.5wt%以上10wt%以下を含有し、残
部が亜鉛及び不可避的不純物からなる溶融Zn−Al合
金を、めっきする時の帯状鋼板の温度が前記溶融Zn−
Al合金の融点よりも低い状態でスプレーめっきし、つ
いでZn−Al合金が凝固した後の帯状鋼板の温度を4
30℃〜600℃の温度範囲で、再加熱することを特徴
とするスプレーめっきによる高耐食性Zn−Al合金め
っき鋼板の製造方法。
により、良好な外観を有する高耐食性Zn−Al合金め
っき鋼板の製造方法を提供すること。 【構成】 前処理されて連続的に送給されてくる帯状鋼
板の表面に非酸化性雰囲気中で溶融Zn−Al合金の微
粒子を吹き付けることによりスプレーめっきするに際
し、Al3.5wt%以上10wt%以下を含有し、残
部が亜鉛及び不可避的不純物からなる溶融Zn−Al合
金を、めっきする時の帯状鋼板の温度が前記溶融Zn−
Al合金の融点よりも低い状態でスプレーめっきし、つ
いでZn−Al合金が凝固した後の帯状鋼板の温度を4
30℃〜600℃の温度範囲で、再加熱することを特徴
とするスプレーめっきによる高耐食性Zn−Al合金め
っき鋼板の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、帯状鋼板へのZn−A
l合金のスプレーめっき方法、特に高品質の帯状鋼板を
得ることができるめっき方法に関するものである。
l合金のスプレーめっき方法、特に高品質の帯状鋼板を
得ることができるめっき方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高耐食性のZn−Al合金めっきの一例
として、Zn−5.0wt%Al−0.1wt%Mg合
金めっき鋼板等(商品名:スーパージンク鋼板)が知ら
れている。この鋼板は、亜鉛鉄板に比べて、裸耐食性に
優れている上に、スパングルの発生を抑えることができ
るので、塗装後の外観を均一で平滑に保つことができる
特徴を有している(特公昭54−33223号公報)。
ところが、このめっき鋼板は、通常、めっき原板を合金
浴に直接浸漬してめっきする方法で製造されており、ス
プレーめっき方法にて、外観良好なZn−5.0wt%
Al−0.1wt%Mg合金めっき鋼板のようなZn−
Al合金めっき鋼板を製造する方法は、確立されていな
いのが現状である。
として、Zn−5.0wt%Al−0.1wt%Mg合
金めっき鋼板等(商品名:スーパージンク鋼板)が知ら
れている。この鋼板は、亜鉛鉄板に比べて、裸耐食性に
優れている上に、スパングルの発生を抑えることができ
るので、塗装後の外観を均一で平滑に保つことができる
特徴を有している(特公昭54−33223号公報)。
ところが、このめっき鋼板は、通常、めっき原板を合金
浴に直接浸漬してめっきする方法で製造されており、ス
プレーめっき方法にて、外観良好なZn−5.0wt%
Al−0.1wt%Mg合金めっき鋼板のようなZn−
Al合金めっき鋼板を製造する方法は、確立されていな
いのが現状である。
【0003】溶融亜鉛の如き溶融金属をスプレーにより
微粒化し、これを連続的に送られてくる帯状鋼板の表面
に付着させてめっきする、スプレーめっき方法は、従来
から、特開昭53−99047号公報、特開平1−20
1456号公報で知られている。いずれも溶融亜鉛のめ
っき方法に関するものであり、Zn−Al合金のような
合金金属のめっき方法については、全く言及していな
い。また、めっき時の帯状鋼板温度の重要性は述べてお
らず、溶融亜鉛の場合、融点以上の450℃程度に設定
されている。
微粒化し、これを連続的に送られてくる帯状鋼板の表面
に付着させてめっきする、スプレーめっき方法は、従来
から、特開昭53−99047号公報、特開平1−20
1456号公報で知られている。いずれも溶融亜鉛のめ
っき方法に関するものであり、Zn−Al合金のような
合金金属のめっき方法については、全く言及していな
い。また、めっき時の帯状鋼板温度の重要性は述べてお
らず、溶融亜鉛の場合、融点以上の450℃程度に設定
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来法
のように、めっき時の帯状鋼板温度がめっき合金の融点
以上の温度であると、均一なめっき外観を得ることはで
きない。Zn−Al合金のような合金金属の場合、溶融
亜鉛に比べて、溶融状態での流動性が著しく劣る。その
ため、鋼板の至る所で、溶融Zn−Al合金が鋼板上で
十分に拡がり切る前に固化してしまい、鋼板表面に微視
的な凹凸が残ってしまう。更に、局所的に観察すると、
溶融Zn−Al合金中のAlはZn中に均一に分散して
おらず、流動性も不均一である。このため、Alの分散
状態に応じて、流動性が変化する上、反応性の高いAl
と鋼板が不均一に合金化する現象も相俟って、所々、斑
点模様として残留してしまう。従って、従来の溶融亜鉛
スプレーめっき方法と同じ方法では、めっき面全体が均
一な外観を有する高耐食性Zn−Al合金めっき鋼板を
得ることは極めて困難である。
のように、めっき時の帯状鋼板温度がめっき合金の融点
以上の温度であると、均一なめっき外観を得ることはで
きない。Zn−Al合金のような合金金属の場合、溶融
亜鉛に比べて、溶融状態での流動性が著しく劣る。その
ため、鋼板の至る所で、溶融Zn−Al合金が鋼板上で
十分に拡がり切る前に固化してしまい、鋼板表面に微視
的な凹凸が残ってしまう。更に、局所的に観察すると、
溶融Zn−Al合金中のAlはZn中に均一に分散して
おらず、流動性も不均一である。このため、Alの分散
状態に応じて、流動性が変化する上、反応性の高いAl
と鋼板が不均一に合金化する現象も相俟って、所々、斑
点模様として残留してしまう。従って、従来の溶融亜鉛
スプレーめっき方法と同じ方法では、めっき面全体が均
一な外観を有する高耐食性Zn−Al合金めっき鋼板を
得ることは極めて困難である。
【0005】このように、従来の溶融亜鉛スプレーめっ
き方法では、めっき時の帯状鋼板の温度が高いため、こ
のままの条件で、Zn−Al合金スプレーめっきを行な
っても、良好な外観を有する高耐食性Zn−Al合金め
っき鋼板を製造することはできない。本発明は溶融Zn
−Al合金スプレーめっき方法により、良好な外観を有
する高耐食性Zn−Al合金めっき鋼板、また、更に
は、塗装後の塗膜密着性にも優れたZn−Al合金めっ
き鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
き方法では、めっき時の帯状鋼板の温度が高いため、こ
のままの条件で、Zn−Al合金スプレーめっきを行な
っても、良好な外観を有する高耐食性Zn−Al合金め
っき鋼板を製造することはできない。本発明は溶融Zn
−Al合金スプレーめっき方法により、良好な外観を有
する高耐食性Zn−Al合金めっき鋼板、また、更に
は、塗装後の塗膜密着性にも優れたZn−Al合金めっ
き鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明の要旨とするところは、前処理されて連続的に
送給されてくる帯状鋼板の表面に非酸化性雰囲気中で溶
融Zn−Al合金の微粒子を吹き付けることによりスプ
レーめっきするに際し、Al3.5wt%以上10wt
%以下を含有し、残部が亜鉛及び不可避的不純物からな
る溶融Zn−Al合金を、めっきする時の帯状鋼板の温
度が前記溶融Zn−Al合金の融点よりも低い状態でス
プレーめっきし、ついでZn−Al合金が凝固した後の
帯状鋼板の温度を430℃〜600℃の温度範囲で、再
加熱することを特徴とするスプレーめっきによる高耐食
性Zn−Al合金めっき鋼板の製造方法にある。また、
前記溶融Zn−Al合金が、Al3.5wt%以上10
wt%以下、Mg0.01以上0.5wt%以下を含有
し、残部が亜鉛及び不可避的不純物からなる溶融Zn−
Al合金であることを特徴とするものである。
の本発明の要旨とするところは、前処理されて連続的に
送給されてくる帯状鋼板の表面に非酸化性雰囲気中で溶
融Zn−Al合金の微粒子を吹き付けることによりスプ
レーめっきするに際し、Al3.5wt%以上10wt
%以下を含有し、残部が亜鉛及び不可避的不純物からな
る溶融Zn−Al合金を、めっきする時の帯状鋼板の温
度が前記溶融Zn−Al合金の融点よりも低い状態でス
プレーめっきし、ついでZn−Al合金が凝固した後の
帯状鋼板の温度を430℃〜600℃の温度範囲で、再
加熱することを特徴とするスプレーめっきによる高耐食
性Zn−Al合金めっき鋼板の製造方法にある。また、
前記溶融Zn−Al合金が、Al3.5wt%以上10
wt%以下、Mg0.01以上0.5wt%以下を含有
し、残部が亜鉛及び不可避的不純物からなる溶融Zn−
Al合金であることを特徴とするものである。
【0007】
【作用】本発明者らは、まず、めっき時の帯状鋼板の温
度をZn−Al合金の融点以下にすれば、スプレーめっ
きされたZn−Al合金は帯状鋼板上で直ちに凝固し
て、帯状鋼板上での不均一な流動化や帯状鋼板とAlの
合金化反応が抑制されるため、めっき外観にむらのな
い、帯状鋼板面全体に均一外観を有するめっき帯状鋼板
を得ることができることを確認した。めっき時の帯状鋼
板の温度はZn−Al合金の融点より低くすれば良い
が、少なくとも20℃程度低くすることが望ましい。し
かしながら、このままでは、めっき層に空孔が存在し、
表面も凹凸状となっている。従って、このめっき帯状鋼
板に適切な再加熱処理を施すことで、凝固したZn−A
l合金が均一に再融解し、空孔のない平滑な表面を有す
る高耐食性Zn−Al合金めっき鋼板を得るものであ
る。即ち、凝固後の帯状鋼板温度を、430℃〜600
℃の温度範囲で、再加熱処理すると、良好なめっき外観
を有する高耐食性Zn−Al合金めっき鋼板を製造する
ことができるのである。
度をZn−Al合金の融点以下にすれば、スプレーめっ
きされたZn−Al合金は帯状鋼板上で直ちに凝固し
て、帯状鋼板上での不均一な流動化や帯状鋼板とAlの
合金化反応が抑制されるため、めっき外観にむらのな
い、帯状鋼板面全体に均一外観を有するめっき帯状鋼板
を得ることができることを確認した。めっき時の帯状鋼
板の温度はZn−Al合金の融点より低くすれば良い
が、少なくとも20℃程度低くすることが望ましい。し
かしながら、このままでは、めっき層に空孔が存在し、
表面も凹凸状となっている。従って、このめっき帯状鋼
板に適切な再加熱処理を施すことで、凝固したZn−A
l合金が均一に再融解し、空孔のない平滑な表面を有す
る高耐食性Zn−Al合金めっき鋼板を得るものであ
る。即ち、凝固後の帯状鋼板温度を、430℃〜600
℃の温度範囲で、再加熱処理すると、良好なめっき外観
を有する高耐食性Zn−Al合金めっき鋼板を製造する
ことができるのである。
【0008】再加熱温度が600℃以上では、鉄との合
金化が顕著となり、めっき耐食性が著しく損なわれる。
一方、430℃以下では、凝固Zn−Al合金の再融解
が不十分となり、未融解Zn−Al合金が残留して、適
正な高耐食性Zn−Al合金めっき鋼板を得ることがで
きない。
金化が顕著となり、めっき耐食性が著しく損なわれる。
一方、430℃以下では、凝固Zn−Al合金の再融解
が不十分となり、未融解Zn−Al合金が残留して、適
正な高耐食性Zn−Al合金めっき鋼板を得ることがで
きない。
【0009】図2は、Zn−Al合金スプレーめっき後
の鋼板の再加熱温度の影響を示すもので、本発明による
最適再加熱範囲をハッチングで表した。図2中の〇プロ
ットは本発明方法で製造した良好な外観を有する高耐食
性Zn−Al合金めっき鋼板のサンプル値である。図2
の比較条件1の△プロットは、鉄との合金化によりめっ
き耐食性が不良のサンプルを示しており、比較条件2の
×プロットは、再融解不足のサンプルを示しており、い
ずれも高耐食性Zn−Al合金めっき鋼板としては不適
格である。
の鋼板の再加熱温度の影響を示すもので、本発明による
最適再加熱範囲をハッチングで表した。図2中の〇プロ
ットは本発明方法で製造した良好な外観を有する高耐食
性Zn−Al合金めっき鋼板のサンプル値である。図2
の比較条件1の△プロットは、鉄との合金化によりめっ
き耐食性が不良のサンプルを示しており、比較条件2の
×プロットは、再融解不足のサンプルを示しており、い
ずれも高耐食性Zn−Al合金めっき鋼板としては不適
格である。
【0010】図3にZn−Al合金中のAl含有量がめ
っき耐食性に与える影響を調査した結果を示す。24ケ
月屋外暴露試験により、表層の片面当たりの重量変化を
調査した結果である。図中の◎は、20g/m2 以下の
重量減、〇は、20g/m2以上30g/m2 未満の重
量減、△は30g/m2 以上40g/m2 未満の重量
減、×は、40g/m2 以上の重量減をそれぞれ示して
いる。めっき耐食性は、溶融Zn−Al合金のAl含有
量が3.5wt%以上であれば問題ないが、Al含有量
が高くなる程、良好になっていることが分かる。Al1
0wt%を超える場合には、溶融Zn−Al合金浴中
に、大量のAl−Zn合金(トップドロス)が生成し、
操業上望ましくない。また、Al−Zn合金の共晶点
は、Al5.0wt%付近に存在するので、Al含有量
が10wt%を超えて、共晶点から大きく偏倚すると、
めっき表面に大きなスパングルが生成して、塗装後の表
面外観を損なう恐れがある。従って、スプレーめっきす
るZn−Al合金中のAl含有量は3.5wt%以上1
0wt%以下とするものである。また、好ましくは、溶
融Zn−Al合金成分として、Mgを0.01wt%以
上含有させることで、塗装後の塗膜密着性、安定性を向
上させることができる。
っき耐食性に与える影響を調査した結果を示す。24ケ
月屋外暴露試験により、表層の片面当たりの重量変化を
調査した結果である。図中の◎は、20g/m2 以下の
重量減、〇は、20g/m2以上30g/m2 未満の重
量減、△は30g/m2 以上40g/m2 未満の重量
減、×は、40g/m2 以上の重量減をそれぞれ示して
いる。めっき耐食性は、溶融Zn−Al合金のAl含有
量が3.5wt%以上であれば問題ないが、Al含有量
が高くなる程、良好になっていることが分かる。Al1
0wt%を超える場合には、溶融Zn−Al合金浴中
に、大量のAl−Zn合金(トップドロス)が生成し、
操業上望ましくない。また、Al−Zn合金の共晶点
は、Al5.0wt%付近に存在するので、Al含有量
が10wt%を超えて、共晶点から大きく偏倚すると、
めっき表面に大きなスパングルが生成して、塗装後の表
面外観を損なう恐れがある。従って、スプレーめっきす
るZn−Al合金中のAl含有量は3.5wt%以上1
0wt%以下とするものである。また、好ましくは、溶
融Zn−Al合金成分として、Mgを0.01wt%以
上含有させることで、塗装後の塗膜密着性、安定性を向
上させることができる。
【0011】図4は塗装後の塗膜密着性、安定性を向上
させるMg含有量を調査した結果を示す。塗装前処理条
件としては、一般の燐酸塩処理をし、塗料アミラックN
o1(関西ペイント社製)、膜厚20μm、焼付120
℃、20分なる塗装条件で行った。塗装後に一定荷重で
スクラッチを与えた後、塩水噴霧試験(JIS Z23
71)を実施し、スクラッチ部をテーピング剥離して、
塗膜の剥離幅を調査した結果を評価している。片面当た
りの目付量は、90g/m2 のものを用いた。〇は、M
g含有による塗装後の塗膜安定性向上効果が大きいもの
を示しており、Mg0.0wt%の場合(10mm幅剥
離)に対して、剥離幅は、4mm〜4.5mm幅程度で
あった。×は、Mg含有による塗装後の塗膜安定性向上
効果が小さいものを示しており、剥離幅は6mmであっ
た。
させるMg含有量を調査した結果を示す。塗装前処理条
件としては、一般の燐酸塩処理をし、塗料アミラックN
o1(関西ペイント社製)、膜厚20μm、焼付120
℃、20分なる塗装条件で行った。塗装後に一定荷重で
スクラッチを与えた後、塩水噴霧試験(JIS Z23
71)を実施し、スクラッチ部をテーピング剥離して、
塗膜の剥離幅を調査した結果を評価している。片面当た
りの目付量は、90g/m2 のものを用いた。〇は、M
g含有による塗装後の塗膜安定性向上効果が大きいもの
を示しており、Mg0.0wt%の場合(10mm幅剥
離)に対して、剥離幅は、4mm〜4.5mm幅程度で
あった。×は、Mg含有による塗装後の塗膜安定性向上
効果が小さいものを示しており、剥離幅は6mmであっ
た。
【0012】従って、溶融Zn−Al合金中のMg含有
量は、0.01wt%以上であれば、その効果が極めて
大きくなる。しかしながら、Mg含有量が0.50wt
%を超えても、効果が飽和するので、本発明のMg含有
量の上限は、0.50wt%である。更に好ましくは、
Mg含有量は、0.10wt%程度である。このように
本発明によれば、溶融Zn−Al合金スプレーめっき方
法により、良好な外観を有する高耐食性Zn−Al合金
めっき鋼板、また、更には、塗装後の塗膜密着性にも優
れたZn−Al合金めっき鋼板を得ることができる。
量は、0.01wt%以上であれば、その効果が極めて
大きくなる。しかしながら、Mg含有量が0.50wt
%を超えても、効果が飽和するので、本発明のMg含有
量の上限は、0.50wt%である。更に好ましくは、
Mg含有量は、0.10wt%程度である。このように
本発明によれば、溶融Zn−Al合金スプレーめっき方
法により、良好な外観を有する高耐食性Zn−Al合金
めっき鋼板、また、更には、塗装後の塗膜密着性にも優
れたZn−Al合金めっき鋼板を得ることができる。
【0013】
【実施例】図1に本発明を実施する製造プロセスの例を
示す。本実施例においては、表1〜表3左欄に示した製
造条件に従って、高耐食性Zn−Al合金めっき鋼板を
製造した。表1〜表3中の製造条件による具体的な製造
方法を下記に示す。帯状鋼板材料として、厚さ0.75
mm×幅500mm、低炭素Alキルド鋼の冷延鋼板を
めっき原板に使用した。帯状鋼板1は、前処理として、
予め酸洗処理又は水素還元加熱処理により十分な脱脂を
行ない、表面の清浄化を図る。次に、非酸化性雰囲気下
で誘導加熱装置5により、Zn−Al合金の融点以下の
適当な帯状鋼板の温度まで加熱し、そのまま、めっき室
3に送られる。スプレーめっき時の帯状鋼板の温度をZ
n−Al合金の融点以下に抑えるために、めっき室3に
送られる前の適当な位置に放射温度計7を設置して、帯
状鋼板の温度を測定し、出力制御装置8により、誘導加
熱装置5の出力を調整して、帯状鋼板の温度を制御す
る。帯状鋼板1はデフレクターロール2を介して、めっ
き室3に送られる。めっき室3において、溶融Zn−A
l合金の吹き付けノズル4で、帯状鋼板の両面に溶融Z
n−Al合金を吹き付けて、スプレーめっきする。
示す。本実施例においては、表1〜表3左欄に示した製
造条件に従って、高耐食性Zn−Al合金めっき鋼板を
製造した。表1〜表3中の製造条件による具体的な製造
方法を下記に示す。帯状鋼板材料として、厚さ0.75
mm×幅500mm、低炭素Alキルド鋼の冷延鋼板を
めっき原板に使用した。帯状鋼板1は、前処理として、
予め酸洗処理又は水素還元加熱処理により十分な脱脂を
行ない、表面の清浄化を図る。次に、非酸化性雰囲気下
で誘導加熱装置5により、Zn−Al合金の融点以下の
適当な帯状鋼板の温度まで加熱し、そのまま、めっき室
3に送られる。スプレーめっき時の帯状鋼板の温度をZ
n−Al合金の融点以下に抑えるために、めっき室3に
送られる前の適当な位置に放射温度計7を設置して、帯
状鋼板の温度を測定し、出力制御装置8により、誘導加
熱装置5の出力を調整して、帯状鋼板の温度を制御す
る。帯状鋼板1はデフレクターロール2を介して、めっ
き室3に送られる。めっき室3において、溶融Zn−A
l合金の吹き付けノズル4で、帯状鋼板の両面に溶融Z
n−Al合金を吹き付けて、スプレーめっきする。
【0014】めっきの目付量は、ノズルへの溶融Zn−
Al合金の供給圧力や帯状鋼板のライン速度で調整され
る。溶融Zn−Al合金温度は410℃である。めっき
されためっき合金が凝固した帯状鋼板を引き続いて、非
酸化雰囲気に調整された再加熱炉6に導入する。この再
加熱炉6で帯状鋼板の温度を約15秒で所定の再加熱温
度にまで昇温し、この温度を保持したまま、加熱処理す
る。再加熱方法はラジアントチューブバーナーによる輻
射加熱である。再加熱時間は、3秒〜20秒程度であ
る。再加熱温度は、再加熱炉6内に設置した放射温度計
により温度計測し、バーナーの出力調整と帯状鋼板のラ
イン速度により、調整される。その後、ジェットクーラ
ーで常温まで冷却する。
Al合金の供給圧力や帯状鋼板のライン速度で調整され
る。溶融Zn−Al合金温度は410℃である。めっき
されためっき合金が凝固した帯状鋼板を引き続いて、非
酸化雰囲気に調整された再加熱炉6に導入する。この再
加熱炉6で帯状鋼板の温度を約15秒で所定の再加熱温
度にまで昇温し、この温度を保持したまま、加熱処理す
る。再加熱方法はラジアントチューブバーナーによる輻
射加熱である。再加熱時間は、3秒〜20秒程度であ
る。再加熱温度は、再加熱炉6内に設置した放射温度計
により温度計測し、バーナーの出力調整と帯状鋼板のラ
イン速度により、調整される。その後、ジェットクーラ
ーで常温まで冷却する。
【0015】図1の製造プロセスに従って、本発明の溶
融Zn−Al合金スプレーめっき鋼板の製造法によって
製造された製品と比較方法の溶融Zn−Al合金スプレ
ーめっき方法で製造された比較材のめっき品質を調査し
た結果を表1〜表3右欄に示す。本表条件No.23か
らNo.48については、表記量のMgを含有させた。
本発明の溶融亜鉛めっき鋼板の製造法によって製造され
た製品は、本表条件No.1からNo.48までに記載
しており、いずれも、良好なめっき外観を有している。
また、本表条件No.49からNo.54は、溶融Zn
−Al合金中のAl含有量が1.5〜3.0wt%の範
囲のものを用いた場合を示しており、めっき外観は良好
であるが、めっき耐食性が若干劣化する。更に、本表条
件No.55からNo.66は、めっき時の帯状鋼板温
度を高くして、スプレーめっきした場合の結果を示して
おり、いずれも、めっき外観は斑点模様となり、めっき
品質は不良である。
融Zn−Al合金スプレーめっき鋼板の製造法によって
製造された製品と比較方法の溶融Zn−Al合金スプレ
ーめっき方法で製造された比較材のめっき品質を調査し
た結果を表1〜表3右欄に示す。本表条件No.23か
らNo.48については、表記量のMgを含有させた。
本発明の溶融亜鉛めっき鋼板の製造法によって製造され
た製品は、本表条件No.1からNo.48までに記載
しており、いずれも、良好なめっき外観を有している。
また、本表条件No.49からNo.54は、溶融Zn
−Al合金中のAl含有量が1.5〜3.0wt%の範
囲のものを用いた場合を示しており、めっき外観は良好
であるが、めっき耐食性が若干劣化する。更に、本表条
件No.55からNo.66は、めっき時の帯状鋼板温
度を高くして、スプレーめっきした場合の結果を示して
おり、いずれも、めっき外観は斑点模様となり、めっき
品質は不良である。
【0016】なお、表1〜表3記載のめっき面の表面外
観は目視で評価した。また、めっき耐食性は、12ケ月
屋外暴露試験により、表層の片面当たりの重量変化を調
査して、評価したものである。その重量減が10g/m
2 未満のものを「良好」とし、10g/m2 以上15g
/m2 以下のものを「やや不良」とし、15g/m2を
超えるものを「不良」とした。また、塗装後の塗膜密着
性は、前述の塩水噴霧試験後の塗膜スクラッチ部のテー
ピング剥離試験において、塗膜の剥離幅を調査した結果
を評価している。剥離幅が5mm幅以下のものを「良
好」とし、剥離幅が5mm幅を超えるものを「不良」と
した。
観は目視で評価した。また、めっき耐食性は、12ケ月
屋外暴露試験により、表層の片面当たりの重量変化を調
査して、評価したものである。その重量減が10g/m
2 未満のものを「良好」とし、10g/m2 以上15g
/m2 以下のものを「やや不良」とし、15g/m2を
超えるものを「不良」とした。また、塗装後の塗膜密着
性は、前述の塩水噴霧試験後の塗膜スクラッチ部のテー
ピング剥離試験において、塗膜の剥離幅を調査した結果
を評価している。剥離幅が5mm幅以下のものを「良
好」とし、剥離幅が5mm幅を超えるものを「不良」と
した。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、溶融Zn−Al合金ス
プレーめっき方法によって、良好な外観を有する高耐食
性Zn−Al合金めっき鋼板また、更には、塗装後の塗
膜密着性にも優れたZn−Al合金めっき鋼板を得るこ
とができる。
プレーめっき方法によって、良好な外観を有する高耐食
性Zn−Al合金めっき鋼板また、更には、塗装後の塗
膜密着性にも優れたZn−Al合金めっき鋼板を得るこ
とができる。
【図1】本発明を実施する製造プロセスの例を示す図、
【図2】本発明の最適再加熱範囲を示す図、
【図3】溶融Zn−Al合金中のAl含有量が耐食性に
与える影響を示す図、
与える影響を示す図、
【図4】溶融Zn−Al合金中のMg含有量が塗装後の
塗膜安定性に与える影響を示す図である。
塗膜安定性に与える影響を示す図である。
1 帯状鋼板 2 デフレクターロール 3 めっき室 4 吹き付けノズル 5 誘導加熱装置 6 再加熱炉 7 放射温度計 8 出力制御装置
Claims (2)
- 【請求項1】 前処理されて連続的に送給されてくる帯
状鋼板の表面に非酸化性雰囲気中で溶融Zn−Al合金
の微粒子を吹き付けることによりスプレーめっきするに
際し、Al3.5wt%以上10wt%以下を含有し、
残部が亜鉛及び不可避的不純物からなる溶融Zn−Al
合金を、めっきする時の帯状鋼板の温度が前記溶融Zn
−Al合金の融点よりも低い状態でスプレーめっきし、
ついでZn−Al合金が凝固した後の帯状鋼板の温度を
430℃〜600℃の温度範囲で、再加熱することを特
徴とするスプレーめっきによる高耐食性Zn−Al合金
めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 溶融Zn−Al合金が、Al3.5wt
%以上10wt%以下、Mg0.01以上0.5wt%
以下を含有し、残部が亜鉛及び不可避的不純物からなる
溶融Zn−Al合金であることを特徴とする請求項1記
載のスプレーめっきによる高耐食性Zn−Al合金めっ
き鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14037094A JPH083716A (ja) | 1994-06-22 | 1994-06-22 | スプレーめっきによる高耐食性Zn−Al合金めっき鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14037094A JPH083716A (ja) | 1994-06-22 | 1994-06-22 | スプレーめっきによる高耐食性Zn−Al合金めっき鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH083716A true JPH083716A (ja) | 1996-01-09 |
Family
ID=15267253
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14037094A Withdrawn JPH083716A (ja) | 1994-06-22 | 1994-06-22 | スプレーめっきによる高耐食性Zn−Al合金めっき鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH083716A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100905906B1 (ko) * | 2002-12-26 | 2009-07-02 | 주식회사 포스코 | 포트롤이 없는 용융 도금강판 제조장치 |
-
1994
- 1994-06-22 JP JP14037094A patent/JPH083716A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100905906B1 (ko) * | 2002-12-26 | 2009-07-02 | 주식회사 포스코 | 포트롤이 없는 용융 도금강판 제조장치 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010904 |