JPH0836B2 - 包装赤飯の製造方法 - Google Patents

包装赤飯の製造方法

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JPH0836B2
JPH0836B2 JP5027094A JP2709493A JPH0836B2 JP H0836 B2 JPH0836 B2 JP H0836B2 JP 5027094 A JP5027094 A JP 5027094A JP 2709493 A JP2709493 A JP 2709493A JP H0836 B2 JPH0836 B2 JP H0836B2
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祐司 中島
恵吾 江藤
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Toyo Suisan Kaisha Ltd
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Toyo Suisan Kaisha Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、包装赤飯の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の包装赤飯の製造は、原料米とし
て、餅米100 %を用いて製造する場合もあるが、この場
合、高温加熱の影響により、製品にネバリが出すぎるた
め、やや食感を損ねる感を否めなかった。そこで、餅米
に一部うるち米を混ぜて製造することにより、良い食感
を得られるところから、この方法が多く行われるように
なった。その場合、凡そ図14に示す製造工程に基づい
て行われている。すなわち、洗米機1Xによって所定量
の餅米Aおよび所定量のうるち米Bを別々に洗米する。
一方、煮炊釜2Xで小豆Dを煮て、小豆の煮汁dを煮汁
容器3Xに取り、手動による煮汁dの攪拌でエアレーシ
ョンを行い、煮汁dの酸化を促進して発色させる。前記
洗米した所定量のうるち米Bをざる等に取り水切りした
のち、浸漬樽4Xに入れここにエアレーション済みの煮
汁dを加えて約1時間漬込み、うるち米Bを着色する
(一次浸漬)。前記洗米した所定量の餅米Aをざる等に
取り水切りしたのち、混合タンク5Xに入れるととも
に、一次浸漬されたうるち米Bと、所定量の煮小豆Dお
よび小豆の煮汁dを加えて混合する。混合された餅米
A、うるち米B、煮小豆Dおよび小豆の煮汁dを浸漬樽
6Xに移して約1時間漬込み、餅米Aおよびうるち米B
を発色させる(二次浸漬)。二次浸漬された混合原料、
つまり浸漬米Eを液切りおよび水洗いして、ざるに取っ
て水切りしたのち、ボール等の容器7Xで所定量計り取
る。蒸用セイロ8Xに布を敷き、ここに前記計り取った
浸漬米Eを平に入れたのち、布をかぶせて包む。蒸米手
段9Xのコンベア9XA上に蒸用セイロ8Xを順次移
し、コンベア9XAで搬送しながら雨ダレ式の中間シャ
ワーによって散水しつつ乾蒸気にて蒸米する。蒸米手段
9Xの出口から出てきた蒸用セイロ8X中の蒸米Fはざ
るに取り、蒸用セイロ8Xおよび布は蒸米手段9Xの入
口に返す。ざるに取った蒸米Fをざるごと食塩水の入っ
た樽10Xに数秒間浸漬し、赤飯特有の塩味を付ける。
食塩水の入った樽10Xからざるを引上げて数秒間余剰
水を切り、最終水分の調整を行って自然放置したのち後
工程に送り込む。後工程では自動計量したのち自動的に
順次耐熱性合成樹脂製袋に袋詰めされる。
【0003】前記従来の工程によってなされる包装赤飯
の製造方法は、その殆どが作業者の手作業に委ねられて
いる。したがって、作業性が悪く作業効率も低いのでコ
ストアップの要因になっている。しかも、蒸用セイロ8
Xに布を敷き、ここに浸漬米Eを平に入れたのち、布を
かぶせて包み、蒸米手段9Xのコンベア9XA上に蒸用
セイロ8Xを順次移し、コンベア9XAで搬送しながら
雨ダレ式の中間シャワーによって散水しつつ乾蒸気にて
蒸米するセイロ蒸し方式では、セイロ8Xの中央部と4
隅部の蒸し状態に差が生じる。つまり、4隅部の蒸米の
含水量は中央部の蒸米の含水量よりも少く、4隅部の蒸
米が中央部の蒸米よりも固化するため、蒸し上がり水分
が均一で、外観および食感が一様に良好な蒸米を得るこ
とができず、品質を低下させることになる。一方、作業
者の経験と勘のみに依存して製造されるので品質にバラ
ツキが生じる。すなわち、従来の包装赤飯の製造方法で
は、高品質の包装赤飯を定常的に安定して製造すること
ができない。また、少なくとも十数名の専従作業者が必
要であるため省人化を妨げている。さらに、比較的多数
の蒸用セイロ8Xおよび浸漬樽4X、10X等を必要と
するため、これらの専有面積が相当に大きくなって通路
面積および有効作業面積が縮小されるので、作業の安全
性が低下する等の欠点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、作業者の手作業に委ねられているので、作業性が
悪く作業効率も低いのでコストアップを招く点、蒸し上
がり水分が均一で、外観および食感が一様に良好な蒸米
を得ることができず、品質を低下させているとともに、
作業者の経験にのみ依存して製造されるので品質にバラ
ツキが生じて、高品質の包装赤飯を定常的に安定して製
造することができない点、少なくとも十数名の専従作業
者が必要であるため省人化を妨げている点作業の安全
性が低い点、着色された浸漬米を前日からストックして
おくことが難しい点、等の諸点である。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、原料
米投入ホッパに原料米を投入する工程と、原料米投入ホ
ッパから自動供給される1種もしくは複数種の原料米を
第1搬送手段によって搬送し、混米機を備えた貯米タン
クに搬入する第1の工程と、必要により前記混米機で混
米したのち混米機から自動供給される原料米を第2搬送
手段によって搬送し、洗米手段に搬入する第2の工程
と、洗米手段により原料米を洗米する第3の工程と、洗
米された原料米(洗米)と洗米水を同時に第3搬送手段
によって搬送し、洗米分離手段に搬入する第4の工程
と、洗米分離手段により洗米と洗米水を分離し、分離さ
れた洗米を洗米分離手段に付設の水切りコンベアによっ
て水切りを行いながら搬送し、搬送途中で乾燥手段によ
って乾燥させた水切りおよび乾燥処理済み洗米を第4搬
送手段に搬入する第5の工程と、前記処理済み洗米を第
4搬送手段によって搬送し、浸漬タンクに搬入する第6
の工程と、浸漬タンク内で前記処理済み洗米を小豆煮汁
に所定時間浸漬して、小豆煮汁で着色された浸漬米を生
成させる第7の工程と、浸漬タンクから小豆煮汁を自動
排出したのち、浸漬タンクから自動供給される着色され
た浸漬米を第5搬送手段によって搬送し、浸漬米ストッ
クタンクに搬入する第8の工程と、浸漬米ストックタン
クで前記浸漬米を所定時間ストックする第9の工程と、
浸漬米ストックタンクから自動供給される浸漬米を第6
搬送手段によって搬送し、搬送途中で煮小豆供給手段か
ら浸漬米に煮小豆を供給したのち、一次蒸米手段入口の
煮小豆・浸漬米供給ホッパに搬入する第10の工程と、
煮小豆・浸漬米供給ホッパから自動供給される煮小豆・
浸漬米を一次蒸米手段に付設の搬送コンベアによって搬
送し、搬送途中で攪拌混合手段によって煮小豆と浸漬米
を混合させながら一次蒸米する第11の工程と、一次蒸
しされた煮小豆と蒸米の天地を反転手段により反転させ
て二次蒸米手段に供給する第12の工程と、前記反転手
段から供給される一次蒸しされた煮小豆と蒸米を二次蒸
米手段に付設の搬送コンベアによって搬送し、搬送途中
で攪拌混合手段によって煮小豆と蒸米を混合させながら
二次蒸米する第13の工程と、前記二次蒸米手段から供
給される二次蒸しされた煮小豆と蒸米を調味液添加手段
に付設の搬送コンベアによって搬送し、搬送途中で二次
蒸しされた煮小豆と蒸米に調味液を添加するとともに、
攪拌混合手段によって煮小豆と蒸米を混合さる第14の
工程と、からなり、 前記第9の工程においては、浸漬米
ストックタンクに搬入された着色された浸漬米の温度を
下げてストックし、前日のストック分を当日の作業開始
と同時に使用することを特徴とし、原料米を混米する初
期の工程から二次蒸しされた煮小豆と蒸米に調味液を添
加するとともに、攪拌混合手段によって煮小豆と蒸米を
混合させながら調味液を添加する最終工程に至る作業を
連続して全て自動的に行い、それに加えて前記第9の工
程において、浸漬米ストックタンクに搬入された浸漬米
の温度を下げてストックし、前日のストック分を当日の
作業開始と同時に使用するようにしたことで、作業性お
よび作業効率を飛躍的に向上させ、コストダウンを可能
にするとともに、品質の低下とバラツキを抑えて高品質
の包装赤飯を定常的に安定製造し、専従作業者を大幅に
削減して省人化を図り、通路面積および有効作業面積を
大きく確保することによって作業の安全性を向上させる
目的を達成した。
【0006】請求項2の発明は、前記第5の工程で処理
され第6の工程で第4搬送手段によって搬送される洗米
に小豆煮汁を噴霧するとともに、処理済み洗米と小豆煮
汁を攪拌混合したのちに浸漬タンクに搬入することを特
徴とし、色ムラを防止して均等な着色を可能にした。
【0007】請求項3の発明は、前記第7の工程で空気
供給手段から空気を供給して、浸漬タンク内の小豆煮汁
をエアレーションするとともに、温度制御機能付き加熱
手段により所定温度に加熱することを特徴とし、小豆煮
汁の発色を促進して浸漬時間を短縮させるようにした。
【0008】請求項4の発明は、前記第7の工程で着色
され第8の工程で第5搬送手段によって搬送される浸漬
米を攪拌混合することを特徴とし、第7の工程で個々に
着色されて供給される複数種の浸漬米を均等に混合する
ようにした。
【0009】
【作用】請求項1の発明によれば、貯米タンクへ原料米
を搬入する作業およびここで混米する作業、貯米タンク
から自動供給される原料米を洗米手段に搬入する作業、
原料米を洗米する作業、洗米された原料米(洗米)と洗
米水を同時に洗米分離手段に搬入する作業、洗米と洗米
水を分離し、分離された洗米を水切りコンベアによって
水切りを行いながら搬送し、搬送途中で乾燥手段によっ
て乾燥させた水切りおよび乾燥処理済み洗米を第4搬送
手段に搬入する作業、前記処理済み洗米を浸漬タンクに
搬入する作業、浸漬タンク内で前記処理済み洗米を小豆
煮汁に所定時間浸漬して、小豆煮汁で着色された浸漬米
を生成させる作業、浸漬タンクから小豆煮汁を自動排出
したのち、浸漬タンクから自動供給される着色された浸
漬米を搬送し、浸漬米ストックタンクに搬入する作業、
浸漬米ストックタンクで前記浸漬米を所定時間ストック
する作業、浸漬米ストックタンクから自動供給される浸
漬米を搬送し、搬送途中で煮小豆供給手段から浸漬米に
煮小豆を供給したのち、一次蒸米手段入口の煮小豆・浸
漬米供給ホッパに搬入する作業、煮小豆・浸漬米供給ホ
ッパから自動供給される煮小豆・浸漬米を一次蒸米手段
に付設の搬送コンベアによって搬送し、搬送途中で攪拌
混合手段によって煮小豆と浸漬米を混合させながら一次
蒸米する作業、一次蒸しされた煮小豆と蒸米の天地を反
転手段により反転させて二次蒸米手段に供給する作業、
前記反転手段から供給される一次蒸しされた煮小豆と蒸
米を二次蒸米手段に付設の搬送コンベアによって搬送
し、搬送途中で攪拌混合手段によって煮小豆と蒸米を混
合させながら二次蒸米する作業および前記二次蒸米手段
から供給される二次蒸しされた煮小豆と蒸米を調味液添
加手段に付設の搬送コンベアによって搬送し、搬送途中
で二次蒸しされた煮小豆と蒸米に調味液を添加するとと
もに、攪拌混合手段によって煮小豆と蒸米を混合させる
作業を連続して全て自動的に行うことができる。そし
て、洗米分離手段により洗米と洗米水を分離し、分離さ
れた洗米を洗米分離手段に付設の水切りコンベアによっ
て水切りを行いながら搬送し、その搬送途中で乾燥手段
によって乾燥させた水切りおよび乾燥処理済み洗米、つ
まり含水量を少なくして吸水性を高めた洗米を浸漬タン
クに搬入することで、洗米による小豆煮汁の吸汁作用を
高めて小豆煮汁による着色を促進することができる。ま
た、着色された浸漬米を浸漬米ストックタンクに搬入し
てストックすることで、前日のストック分を当日の作業
開始と同時に第6搬送手段によって搬送して後工程に流
すことができる。したがって、原料米を投入した時点か
ら着色された浸漬米が浸漬米ストックタンクに搬入され
るまでの作業に要する待ち時間を省略できる。さらに、
一次蒸しされた煮小豆と蒸米の天地を反転手段により反
転させて二次蒸米手段に供給し、ここで二次蒸米処理を
行うようにしているので蒸しムラが生じない。つまり、
蒸し上がり水分が均一で、外観および食感が一様に良好
な蒸米を得ることができる。
【0010】請求項2の発明によれば、搬送される洗米
に対する小豆煮汁の噴霧作用と、洗米と小豆煮汁の攪拌
混合作用によって、色ムラの生じない均等な着色が可能
になる。
【0011】請求項3の発明によれば、小豆煮汁に対す
るエアレーション作用と、温度制御機能付き加熱手段に
よる所定温度加熱作用によって、小豆煮汁の発色を促進
して浸漬時間を短縮することができる。
【0012】請求項4の発明によれば、複数の浸漬タン
クで個々に浸漬して供給された複数種の浸漬米を均等に
混合することができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、本発明に適用される製造装置の一例を示
す平面図であり、この図において、1は原料米投入ホッ
パ、2は第1搬送手段、3は貯米タンク、4は第2搬送
手段、5は洗米手段、6は第3搬送手段、7は洗米分離
手段、8は乾燥手段、9は第4搬送手段、10は浸漬タ
ンク、11は第5搬送手段、12は浸漬米ストックタン
ク、13は第6搬送手段、14は煮小豆供給手段、15
は一次蒸米手段、16は一次蒸米手段15の入口に設け
られた煮小豆・浸漬米供給ホッパ、17は反転手段、1
8は二次蒸米手段、19は調味液添加手段を示す。
【0014】原料米投入ホッパ1は、図2にも示してい
るように、上部開口から投入した原料米が重力によって
滑落して排出口1Aより排出されるように構成され、排
出口1Aに縦型のバケットコンベアによって構成さ
第1搬送手段2の入口が対応している。貯米タンク3
は、一方の縦型貯米タンク30と他方の縦型貯米タンク
31を備えており、一方の縦型貯米タンク30の上部開
口に第1搬送手段2の一方の出口2Aが対応し、他方の
縦型貯米タンク31の上部開口に第1搬送手段2の他方
の出口2Bが対応している。また、両タンク30,31
は、その内部に縦軸回転スクリューによってなる混米機
32が設けられている。この混米機32は、必要に応じ
て図示していない原動機により回転駆動され、これによ
り両タンク30,31内の貯米を強制攪拌して混合(混
米)する。また、両タンク30,31は、ダンパ(図示
省略)によって開閉される下端部排出口30A,31A
が第2搬送手段4の上流側に対応している。第2搬送手
段4は、混米機32の下端部排出口30A,31Aに対
向する横型ベルトコンベアによってなる上流側コンベア
40と、この上流側コンベア40に隣接して配置された
縦型のバケットコンベアによってなる下流側コンベア4
1によって構成され、下流側コンベア41の出口41A
は、可撓性に富んだ通路42を介して洗米手段5に連通
している。
【0015】洗米手段5、第3搬送手段6、洗米分離手
段7および乾燥手段8は、図3にも示している。すなわ
ち、洗米手段5は、2本のスクリュー5a(ただし、図
3には1本のスクリュー5aのみを示している)を備え
た上流側のもみ洗い搬送部5Aと、この搬送部5Aの下
流側に隣接して連通する洗米槽5Bを有し、もみ洗い搬
送部5Aをオーバフローした「とぎ汁」は、洗米槽5B
の反対側に設けた排水通路5Cを通って排水され、洗米
用の水(たとえば水道水)が給水通路5Dから洗米槽5
Bの底部近くに新水として供給される。なお、前記可撓
性に富んだ通路42の出口は、下流側の洗米槽5Bに開
口している。第3搬送手段6は、洗米槽5Bの下端開口
部と洗米分離手段7の入口を連通させる通路6Aと、こ
の通路6Aに介設されて洗米と水を同時に洗米分離手段
7に圧送するポンプ6Bによって構成されている。洗米
分離手段7は、原動機7aおよびこの原動機7aによっ
て回転駆動されるステンレス金網製の横軸水切りドラム
7Aを取付けた上流側分離槽70と、横型の水切りコン
ベア71を備えており、上流側分離槽70の出口を形成
している下向きシュート7bの下端が水切りコンベア7
1の上流側搬送面に接近して開口しており、還流通路7
Cを設けてある。乾燥手段8は、水切りコンベア71の
下流側搬送面に対応して設けられ、たとえばブロアー8
Aにより熱風を水切りコンベア71の下流側搬送面に吹
付けて乾燥するように構成されている。
【0016】第4搬送手段9は、図1において、実線、
一点鎖線、二点鎖線および破線で示しているように、洗
米分離手段7における水切りコンベア71から搬出され
た洗米を搬送して、浸漬タンク10を構成している4つ
の浸漬タンク10A,10B,10C,10Dの中から
選択した1つのタンクに搬入するためのもので、洗米分
離手段7側から浸漬タンク10側に向けて上がり勾配に
傾斜するベルトコンベアによって構成されている。
【0017】第4搬送手段9の出口には、図4に示すよ
うに、水切りおよび乾燥処理済み洗米に対して小豆煮汁
を噴霧するとともに、処理済み洗米と小豆煮汁を攪拌混
合する噴霧・攪拌混合手段20が全幅に対応して設けら
れている。この噴霧・攪拌混合手段20は、小豆煮汁を
噴霧する噴霧ノズル20Aと、小豆煮汁および小豆煮汁
の噴霧済み洗米を受取る受取部20Bおよび受取部20
Bの内部に回転自在に設置された攪拌羽根20Cを備え
ている。
【0018】浸漬タンク10は、図1および図5に示す
ように、2つの大型浸漬タンク10A,10Bと、2つ
の小型浸漬タンク10C,10Dによって構成されてい
る。大型浸漬タンク10A,10Bは、後述する餅米を
小豆煮汁に浸漬するためのもので、図6に示すように、
ダンパ10Eによって開閉される排出口10Fを下端部
に有し、エアレーション用の空気供給手段10Gおよび
温度制御機能付き加熱手段10Hを備えており、空気供
給手段10Gは、圧縮空気源(エアーコンプレッサ)1
0g1、バルブV1を介設した空気供給通路10g2お
よび多数の空気噴出孔(図示省略)を設けた空気噴出用
円盤10g3を備え、温度制御機能付き加熱手段10H
は、加熱媒体として蒸気を供給する熱源10h1、マグ
ネットバルブV3を介設した熱媒通路10h2、温度検
出センサ10h3および温度調整器10h4を備えてい
る。そして、温度検出センサ10h3によって検出した
温度に基づいて温度調整器10h4からマグネットバル
ブV3に温度調整信号を出力し、マグネットバルブV3
をON・OFFすることで大型浸漬タンク10A,10
Bの内部を設定温度に保持するようになっている。ま
た、バルブV2を介設した煮汁排出通路10Iが設けら
れている。
【0019】一方、小型浸漬タンク10C,10Dは、
後述するうるち米を小豆煮汁に浸漬するためのもので、
図7に示すように、ダンパ10Eによって開閉される排
出口10Fを下端部に有し、エアレーション用の空気供
給手段10Gおよび温度制御機能付き加熱手段10Hを
備えている。なお、空気供給手段10Gと温度制御機能
付き加熱手段10Hおよび煮汁排出通路10Iの構成
は、図6で説明した大型浸漬タンク10A,10Bの空
気供給手段10G、加熱手段10Hおよび煮汁排出通路
10Iと同様であるため、同一符号を付して構造および
作用説明は省略する。また、小豆煮汁を循環させる循環
系10Jを設けている。循環系10Jは、循環ポンプ1
0j1を介設した循環通路10j2によって構成されて
いる。
【0020】第5搬送手段11は、図1および図5に示
すように、浸漬タンク10から自動供給される着色され
た浸漬米、つまり、煮汁排出通路10I(図6参照)か
ら煮汁を排出したのちに、大型浸漬タンク10Aまたは
10Bの排出口10Fから重力によって落下して排出さ
れる着色された餅米と、煮汁排出通路10I(図7参
照)から煮汁を排出したのちに、小型浸漬タンク10C
または10Dの排出口10Fから重力によって落下して
排出される着色されたうるち米を浸漬米ストックタンク
12に搬送するためのもので、大型浸漬タンク10A,
10Bの排出口10Fの下側に対応して設置された横型
の第1コンベア11A、小型浸漬タンク10C,10D
の排出口10Fの下側に対応し、かつ第1コンベア11
Aの上位に設置され横型の第2コンベア11Bおよび第
1コンベア11Aから搬出された浸漬米を搬送して、浸
漬米ストックタンク12に搬入する第3コンベア11C
によって構成され、第3コンベア11Cは、第1コンベ
ア11A側から浸漬米ストックタンク12側に向けて上
がり勾配に傾斜している。また、第3コンベア11Cの
上流部に攪拌混合手段21が設けられている。この攪拌
混合手段21は、第3コンベア11Cによって搬送され
る浸漬米を攪拌混合するためのもので、図8に示すよう
に、原動機21Aと、原動機21Aによって回転させら
れる回転軸21Bおよび回転軸21Bに固着された複数
のL字状の攪拌棒21Cを備えており、第3コンベア1
1Cの搬送面に対応して設置されている。
【0021】浸漬米ストックタンク12は、図1および
図9に示すように、外周にウオータジャケット12Aを
設けた二重構造になっており、ダンパ12Bによって開
閉される排出口12Cを下端部に有し、ウオータジャケ
ット12Aに冷却水を通水させる冷却水供給系12Dが
設けられている。
【0022】第6搬送手段13は、図1および図10に
示すように、浸漬米ストックタンク12から排出される
浸漬米を搬送し、搬送途中で煮小豆供給手段14から浸
漬米に煮小豆を供給したのち、一次蒸米手段15の入口
に設置されている煮小豆・浸漬米供給ホッパ16に搬入
するためのもので、上流部が浸漬米ストックタンク12
の排出口12Cの下側に対応し、下流端が煮小豆・浸漬
米供給ホッパ16の上部開口に対応するコンベアによっ
て構成されており、浸漬米ストックタンク12側から煮
小豆・浸漬米供給ホッパ16に向けて上がり勾配に傾斜
している。そして、上流部の搬送面に対応して煮小豆供
給手段14が設置されている。したがって、第6搬送手
段13によって搬送される浸漬米には、その搬送途中で
煮小豆供給手段14から煮小豆が所定の割合で供給され
たのち、煮小豆・浸漬米供給ホッパ16に搬入される。
【0023】第6搬送手段13から煮小豆・浸漬米供給
ホッパ16に搬入された煮小豆と浸漬米は、レベルセン
サ(図示省略)によって所定の開度に保持されるホッパ
ゲ−ト16Aを通って定量ずつ一次蒸米手段15に自動
供給される。すなわち、煮小豆と浸漬米は、所定の幅寸
法および厚さを有し下側の浸漬米層の上側に煮小豆層が
存在する二層の状態で一次蒸米手段15に供給される。
【0024】一次蒸米手段15は、煮小豆・浸漬米供給
ホッパ16から二層状で供給される煮小豆と浸漬米に対
して、特に、加湿・加熱による吸水を主要とした蒸煮処
理を行うためのもので、図11および図12に示すよう
に、ステンレスネット製の搬送コンベア15A、加湿用
の噴霧手段15B、加熱用の蒸気加熱手段15D、攪拌
混合手段15Eおよび超音波ネット洗浄機15Fを備え
ている。噴霧手段15Bは、一次蒸米手段15の長手方
向に分割した四箇所において搬送コンベア15Aの搬送
面に対応して設置され、加湿用の常温水を供給するポン
プ15b1、バルブV4を介設した常温水供給通路15
b2および3つの噴霧ノズルn1,n2,n3を設けた
噴霧管15b3によって構成されている。なお、噴霧ノ
ズルn1,n2,n3は、搬送コンベア15Aの搬送面
に載って移動する煮小豆と浸漬米の全幅に対して偏るこ
となく一様に常温水を噴霧して加湿できるように、適当
な間隔を有して下向きに取付けられている。蒸気加熱手
段15Dは、一次蒸米手段15の長手方向に分割した二
箇所において搬送コンベア15Aの搬送面の下側に対応
して設置され、それぞれは、乾蒸気またはスチームクリ
ーナ(図示省略)によって変換された飽和蒸気を供給す
る蒸気発生源15d1、バルブV5が介設されていると
ともに搬送コンベア15Aの幅方向にのびる蒸気供給通
路15d2およびこの蒸気供給通路15d2から分岐さ
れて搬送コンベア15Aの長手方向にのびる4つの蒸気
吐出管15d3によって構成されおり、蒸気吐出管15
d3には、長手方向に適当な間隔を有して下向きの吐出
口15d4が形成されている。攪拌混合手段15Eは、
一次蒸米手段15の長手方向に分割した二箇所において
搬送コンベア15Aの搬送面に対応して設置され、前記
図8で説明した攪拌混合手段21と同様に構成されてい
る。すなわち、攪拌混合手段15Eは、原動機15e1
と、原動機15e1によって回転させられる回転軸15
e2および回転軸15e2に固着された複数のL字状の
攪拌棒15e3を備えており、搬送コンベア15Aの搬
送面に対応して設置されている。
【0025】反転手段17は、一次蒸米手段15によっ
て一次蒸しされた煮小豆と蒸米の天地を反転させて二次
蒸米手段18に供給するためのもので、一次蒸米手段1
5の出口から二次蒸米手段18の入口に向けて大きい傾
斜角で下向きに傾斜する傾斜板によって構成され、その
表面に、たとえばフッ素樹脂加工が施されている。した
がって、一次蒸しされた煮小豆と蒸米は、反転手段17
の表面に付着することなくスムーズに滑落し、天地が反
転した状態で二次蒸米手段18に供給される。
【0026】図11の二次蒸米手段18は、一次蒸米手
段15によって一次蒸しされ、攪拌混合手段15Eによ
って煮小豆と蒸米が攪拌混合されたのち、反転手段17
により天地が反転した状態で供給される煮小豆と蒸米に
対して、特に、加湿・加熱による蒸らしを主要とした蒸
し処理を行うためのもので、ステンレスネット製の搬送
コンベア18A、二箇所に設けた噴霧手段18B、蒸気
加熱手段18D、1つの攪拌混合手段18Eおよび超音
波ネット洗浄機18Fを備えている。なお、噴霧手段1
8B、蒸気加熱手段18Dおよび攪拌混合手段18Eの
構造は、一次蒸米手段15の噴霧手段15B、蒸気加熱
手段15Dおよび攪拌混合手段15Eと同様(図12参
照)であるから、これらの構造説明は省略する。
【0027】図11および図13の調味液添加手段19
は、二次蒸米手段18から供給される二次蒸しされた煮
小豆と蒸漬米に調味液として塩水を添加し、かつ攪拌混
合するためのもので、搬送コンベア19A、二箇所に分
割して設置される調味液噴霧系19Bおよび2つの攪拌
混合手段19Dを備えている。調味液噴霧系19Bは、
それぞれ搬送コンベア19Aの搬送面に対応して設置さ
れ、調味用の塩水を供給するポンプ19b1、バルブV
5を介設した塩水供給通路19b2および3つの噴霧ノ
ズルn1,n2,n3を設けた噴霧管19b3によって
構成されている。なお、噴霧ノズルn1,n2,n3
は、搬送コンベア19Aの搬送面に載って移動する二次
蒸しされた煮小豆と蒸米の全幅に対して偏ることなく一
様に塩水を噴霧して調味できるように、適当な間隔を有
して下向きに取付けられている。また、攪拌混合手段1
9Dの構造は、一次蒸米手段15およびの二次蒸米手段
18の攪拌混合手段15E、18Eと同様であるから、
これらの構造説明は省略する。
【0028】つぎに、包装赤飯の製造方法を工程順に説
明する。計量した餅米を原料米投入ホッパ1の上部開口
から投入すると、重力によって滑落して排出口1Aより
排出され、第1搬送手段2によって、たとえば、一方の
縦型貯米タンク30に投入される。なお、複数銘柄の餅
米を原料米として使用する場合は、タンク30内の混米
機32を駆動することにより強制攪拌して混合(混米)
すればよい。
【0029】つぎに、タンク30のダンパを開放して、
原料米を下端部排出口30Aから第2搬送手段4の横型
ベルトコンベアによってなる上流側コンベア40上に排
出する。排出された原料米は、上流側コンベア40およ
びバケットコンベアによってなる下流側コンベア41に
よって搬送され、下流側コンベア41の出口41Aから
可撓性に富んだ通路42を経て洗米手段5における洗米
槽5Bに送りこまれる。
【0030】洗米手段5の洗米槽5Bには、その底部近
くに設けた給水通路5Dから洗米用の水(たとえば水道
水)が新水として供給される。したがって、洗米槽5B
内の原料米は、上向きに流れれる新水の水圧により洗米
され、この時に発生する「とぎ汁」は、もみ洗い搬送部
5Aをオーバフローして排水通路5Cを通って排水され
る。所定時間の洗米が終了した時点で、第3搬送手段6
のポンプ6Bを作動させる。その結果、洗米と洗浄水は
同時に通路6Aを通って洗米分離手段7の横軸水切りド
ラム7A内に圧送される。
【0031】洗米分離手段7では、電動機7aによって
ステンレス金網製の横軸水切りドラム7Aが回転駆動さ
れている。したがって、洗米はドラム7Aに受止められ
た状態で前進し、シュート7bから水切りコンベア71
の上流側搬送面に順次落下する。一方、水切りドラム7
Aを透過した洗浄水は、上流側分離槽70の底部で一旦
受け止められたのち、還流通路7cを通って洗米手段5
の洗米槽5Bに還流される。また、水切りコンベア71
の上流側搬送面に順次落下した洗米は、水切りコンベア
71によって、さらに水切りがなされて搬送され、その
途中で乾燥手段8のブロアー8Aにより熱風を吹付けら
れ、乾燥した状態で第4搬送手段9に搬出される。
【0032】第4搬送手段9は、予め図1の実線のよう
に、浸漬タンク10における大型の浸漬タンク10Aに
対応している。第4搬送手段9によって搬送される水切
りおよび乾燥処理済み洗米(餅米)は、第4搬送手段9
の出口で噴霧・攪拌混合手段20によって小豆煮汁が噴
霧され攪拌混合されたのち、小豆煮汁とともに大型浸漬
タンク10Aに落下して小豆煮汁に浸漬される。このよ
うに、小豆煮汁を噴霧し、かつ洗米と小豆煮汁を攪拌混
合するとともに、含水量を少なくして吸水性を高めた洗
米を浸漬タンクに搬入することで、洗米による小豆煮汁
の吸汁作用を高めて小豆煮汁による着色を促進して、色
ムラの生じない均等な着色が可能になる。
【0033】大型の浸漬タンク10A内では、エアレー
ション用の空気供給手段10Gにより空気を供給して小
豆煮汁にエアレーションを行うとともに、温度制御機能
付き加熱手段により所定温度に加熱される。これによ
り、小豆煮汁の発色および餅米に対する着色を促進して
浸漬時間を短縮することができる。
【0034】一方、計量したうるち米を原料米投入ホッ
パ1の上部開口から投入すると、重力によって滑落して
排出口1Aより排出され、第1搬送手段2によって、た
とえば、他方の縦型貯米タンク31に投入される。な
お、複数銘柄のうるち米を原料米として使用する場合
は、タンク31内の混米機32を駆動することにより強
制攪拌して混合(混米)すればよい。
【0035】つぎに、タンク31のダンパを開放して、
原料米を下端部排出口31Aから第2搬送手段4の横型
ベルトコンベアによってなる上流側コンベア40上に排
出する。排出された原料米は、上流側コンベア40およ
びバケットコンベアによってなる下流側コンベア41に
よって搬送され、下流側コンベア41の出口41Aから
可撓性に富んだ通路42を経て洗米手段5における洗米
槽5Bに送りこまれる。
【0036】洗米手段5での洗米、洗米分離手段7での
洗米分離および乾燥手段8のブロアー8Aによる熱風乾
燥は前述の餅米の場合と同様になされて第4搬送手段9
に搬出されるので、これらの作用説明は省略する。
【0037】第4搬送手段9は、予め図1の二点鎖線の
ように、浸漬タンク10における小型の浸漬タンク10
Cに対応している。第4搬送手段9によって搬送される
水切りおよび乾燥処理済みうるち米は、第4搬送手段9
の出口で噴霧・攪拌混合手段20によって小豆煮汁が噴
霧され攪拌混合されたのち、小豆煮汁とともに小型浸漬
タンク10Cに落下して小豆煮汁に浸漬される。このよ
うに、小豆煮汁を噴霧し、かつ洗米と小豆煮汁を攪拌混
合するとともに、含水量を少なくして吸水性を高めた洗
米を浸漬タンクに搬入することで、洗米による小豆煮汁
の吸汁作用を高めて小豆煮汁による着色を促進して、色
ムラの生じない均等な着色が可能になる。特に、うるち
米に対しては、前日に製造された濃色の小豆煮汁を使用
するのが好ましい。
【0038】小型の浸漬タンク10C内では、エアレー
ション用の空気供給手段10Gにより空気を供給して小
豆煮汁にエアレーションを行うとともに、温度制御機能
付き加熱手段により前述の餅米の場合の加熱温度よりも
10℃程度高温に加熱される。同時に循環ポンプ10j
1の作動によって小豆煮汁を循環させる。このように、
餅米の場合の加熱温度よりも10℃程度高温に加熱し、
かつ小豆煮汁を循環させることで、うるち米の着色時間
を餅米の着色時間に近付けて、浸漬時間を短縮すること
ができる。前記従来のバッチ式の浸漬方法では、うるち
米の浸漬に餅米の浸漬時間の2倍に相当する2時間を要
したが、本発明では、うるち米の浸漬時間を餅米の浸漬
時間と同じ1時間に短縮して良好な着色を得ることがで
きる。
【0039】大型の浸漬タンク10Aおよび小型の浸漬
タンク10Cにおける浸漬処理が所定時間経過したなら
ば、浸漬タンク10A、10Cそれぞれの煮汁排出通路
10Iを開放して煮汁を排出したのち、浸漬タンク10
Aの排出口10Fから着色された餅米を排出し、浸漬タ
ンク10Cの排出口10Fから着色されたうるち米を排
出する。排出された餅米は、第5搬送手段11の横型の
第1コンベア11Aによって第3コンベア11Cに向け
て搬送される。また、排出されたうるち米は、第2コン
ベア11Bによって搬送され、第1コンベア11Aによ
って搬送されている餅米の上に順次落下する。第1コン
ベア11Aの搬送速度と第2コンベア11Bの搬送速度
の相対速度を制御することにより、餅米とうるち米の割
合を所定の割合(たとえば餅米8に対してうるち米2)
に設定できる。
【0040】所定の割合を有して第1コンベア11Aに
よって搬送される着色された浸漬米、つまり、着色され
た餅米とうるち米は第3コンベア11Cに移送され、第
3コンベア11Cによって搬送される。第3コンベア1
1Cでは着色された餅米とうるち米が攪拌混合手段21
によって均等に攪拌混合されたのち、浸漬米ストックタ
ンク12に搬入される。
【0041】浸漬米ストックタンク12のウオータジャ
ケット12Aには、冷却水供給系12Dによって冷却水
を連続して通水させる。そのために、搬入された浸漬米
の温度を下げて腐敗を防止できる。したがって、前日の
ストック分を当日の作業開始と同時に使用できるので、
前述の原料米を投入した時点から着色された浸漬米が浸
漬米ストックタンク12に搬入されるまでの作業に要す
る待ち時間を省略して作業効率を向上させることができ
る。
【0042】浸漬米ストックタンク12のダンパ12B
を開放することで、排出口12Cから第6搬送手段13
に浸漬米が排出される。第6搬送手段13によって搬送
される浸漬米の上面に、煮小豆供給手段14から煮小豆
が所定の割合(体積比約5%)で供給されたのち、煮小
豆・浸漬米供給ホッパ16に搬入される。
【0043】煮小豆・浸漬米供給ホッパ16に搬入され
た煮小豆と浸漬米は、ホッパゲ−ト16Aを通って所定
の幅寸法および厚さを有し下側の浸漬米層の上側に煮小
豆層が存在する二層の状態で一次蒸米手段15に供給さ
れる。
【0044】一次蒸米手段15では、ステンレスネット
製の搬送コンベア15Aによって層状の煮小豆と浸漬米
が搬送され、攪拌混合手段15Eによって煮小豆と浸漬
米を均等に混合させながら、特に、加湿・加熱による吸
水を主要とした一次蒸煮処理が施される。すなわち、噴
霧手段15Bの噴霧ノズルn1,n2,n3により上側
から加湿用の常温水を煮小豆と浸漬米の全幅に対して偏
ることなく一様に噴霧するとともに、蒸気加熱手段15
Dの蒸気吐出口15d4より下側から加熱用の飽和蒸気
を吐出する。一次蒸しされた煮小豆と蒸米は反転手段1
7に移送される。なお、微量の煮小豆と蒸米が反転手段
17に移送されずに搬送コンベア15Aに付着して残存
したとしても、超音波ネット洗浄機15Fによって洗浄
して除去されるので、搬送コンベア15Aが目詰まりす
ることはない。
【0045】一次蒸しされた煮小豆と蒸米は、反転手段
17の表面に付着することなくスムーズに滑落し、天地
が反転した状態で二次蒸米手段18に移送される。二次
蒸米手段18では、天地が反転した煮小豆と蒸米がステ
ンレスネット製の搬送コンベア18Aによって搬送さ
れ、特に、加湿・加熱による蒸らしを主要とした蒸し処
理が施される。天地を反転させることによって、蒸しム
ラのない良好な蒸米が得られる。すなわち、噴霧手段1
8Bの噴霧ノズルn1,n2,n3により上側から加湿
用の常温水を煮小豆と蒸米の全幅に対して偏ることなく
一様に噴霧するとともに、蒸気加熱手段18Dの蒸気吐
出口18d4より下側から加熱用の飽和蒸気を吐出す
る。二次蒸しされた煮小豆と蒸米は調味液添加手段19
の搬送コンベア19Aに移送される。なお、微量の煮小
豆と蒸米が調味液添加手段19に移送されずに搬送コン
ベア18Aに付着して残存したとしても、超音波ネット
洗浄機18Fによって洗浄して除去されるので、搬送コ
ンベア18Aが目詰まりすることはない。
【0046】二次蒸米手段18から調味液添加手段19
の搬送コンベア19Aに移送され、該搬送コンベア19
Aによって搬送される二次蒸しされた煮小豆と蒸米に
は、調味液として塩水が添加され、かつ攪拌混合され
る。すなわち、二箇所に分割して設置された調味液噴霧
系19Bにより上側から調味用の塩水を煮小豆と蒸米の
全幅に対して偏ることなく一様に噴霧して添加されると
ともに、攪拌混合手段19Dによって攪拌混合したのち
後工程に送り込まれる。後工程では、自動計量したの
ち、自動的に順次耐熱性合成樹脂製袋に袋詰めされる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、従来で
は作業者の手作業に委ねられていた包装赤飯の製造を連
続して自動的に実行することができるので、作業性およ
び作業効率が大幅に向上しコストダウンを達成すること
ができるとともに、蒸し上がり水分が均一で、外観およ
び食感が一様に良好な高品質の包装赤飯をバラツクこと
なく定常的に安定して製造することができる。また、専
従作業者が削減されるので省人化を達成でき、従来のよ
うな比較的多数の蒸用セイロおよび浸漬樽等を必要とし
ないため、それだけ通路面積および有効作業面積が拡大
されるから、作業の安全性が向上する。さらに、搬送さ
れる洗米に対する小豆煮汁の噴霧作用と、洗米と小豆煮
汁の攪拌混合作用によって、色ムラの生じない均等な着
色が可能になり、小豆煮汁に対するエアレーション作用
と、温度制御機能付き加熱手段による所定温度加熱作用
によって、小豆煮汁の発色を促進して浸漬時間を短縮す
ることができる上、複数の浸漬タンクで個々に浸漬して
供給された複数種の浸漬米を均等に混合することによ
り、品質の安定を期待できる。特に本発明においては、
その第9の工程で、浸漬米ストックタンクに搬入された
着色された浸漬米の温度を下げてストックし、前日のス
トック分を当日の作業開始と同時に使用するようにした
ので、前日のストック分を当日の作業開始と同時に第6
搬送手段によって搬送して後工程に流すことで、原料米
を投入した時点から着色された浸漬米が浸漬米ストック
タンクに搬入されるまでの作業に要する 待ち時間を省略
できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明に適用される製造装置の一実施例の
長手方向寸法を部分的に縮小して示す平面図である。
【図2】貯米タンクと第2搬送手段の側面図である。
【図3】洗米手段と第3搬送手段、洗米分離手段および
乾燥手段の拡大縦断側面図である。
【図4】噴霧・攪拌混合手段の拡大縦断側面図である。
【図5】浸漬タンクと第5搬送手段の側面図である。
【図6】大型浸漬タンクの拡大縦断側面図である。
【図7】小型浸漬タンクの拡大縦断側面図である。
【図8】攪拌・混合手段を示す拡大正面図である。
【図9】浸漬米ストックタンクの拡大縦断側面図であ
る。
【図10】浸漬米ストックタンクと煮小豆供給手段およ
び第6搬送手段の関係を示す側面図である。
【図11】第1蒸米手段、第2蒸米手段、反転手段およ
び調味液添加手段の長手方向寸法を部分的に縮小して示
す拡大縦断側面図である。
【図12】図11のアーア線断面図である。
【図13】図11のイーイ線断面図である。
【図14】従来の製造工程を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 原料投入ホッパ 2 第1搬送手段 3 貯米タンク 4 第2搬送手段 5 洗米手段 6 第3搬送手段 7 洗米分離手段 8 乾燥手段 9 第4搬送手段 10 浸漬タンク 10G エアレーション用の空気供給手段 10H 温度制御機能付き加熱手段 11 第5搬送手段 12 浸漬米ストックタンク 13 第6搬送手段 14 煮小豆供給手段 15 一次蒸米手段 15E 攪拌混合手段 16 煮小豆・浸漬米供給ホッパ 17 反転手段 18 二次蒸米手段 18E 攪拌混合手段 19 調味液添加手段 19D 攪拌混合手段 20 噴霧・攪拌混合手段 21 攪拌混合手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料米投入ホッパに原料米を投入する工
    程と、 原料米投入ホッパから自動供給される1種もしくは複数
    種の原料米を第1搬送手段によって搬送し、混米機を備
    えた貯米タンクに搬入する第1の工程と、 必要により前記混米機で混米したのち貯米タンクから自
    動供給される原料米を第2搬送手段によって搬送し、洗
    米手段に搬入する第2の工程と、 洗米手段により原料米を洗米する第3の工程と、 洗米された原料米(洗米)と洗米水を同時に第3搬送手
    段によって搬送し、洗米分離手段に搬入する第4の工程
    と、 洗米分離手段により洗米と洗米水を分離し、分離された
    洗米を洗米分離手段に付設の水切りコンベアによって水
    切りを行いながら搬送し、搬送途中で乾燥手段によって
    乾燥させた水切りおよび乾燥処理済み洗米を第4搬送手
    段に搬入する第5の工程と、 前記処理済み洗米を第4搬送手段によって搬送し、浸漬
    タンクに搬入する第6の工程と、 浸漬タンク内で前記処理済み洗米を小豆煮汁に所定時間
    浸漬して、小豆煮汁で着色された浸漬米を生成させる第
    7の工程と、 浸漬タンクから小豆煮汁を自動排出したのち、浸漬タン
    クから自動供給される着色された浸漬米を第5搬送手段
    によって搬送し、浸漬米ストックタンクに搬入する第8
    の工程と、 浸漬米ストックタンクで前記浸漬米を所定時間ストック
    する第9の工程と、 浸漬米ストックタンクから自動供給される浸漬米を第6
    搬送手段によって搬送し、搬送途中で煮小豆供給手段か
    ら浸漬米に煮小豆を供給したのち、一次蒸米手段入口の
    煮小豆・浸漬米供給ホッパに搬入する第10の工程と、 煮小豆・浸漬米供給ホッパから自動供給される煮小豆・
    浸漬米を一次蒸米手段に付設の搬送コンベアによって搬
    送し、搬送途中で攪拌混合手段によって煮小豆と浸漬米
    を混合させながら一次蒸米する第11の工程と、 一次蒸しされた煮小豆と蒸米の天地を反転手段により反
    転させて二次蒸米手段に供給する第12の工程と、 前記反転手段から供給される一次蒸しされた煮小豆と蒸
    米を二次蒸米手段に付設の搬送コンベアによって搬送
    し、搬送途中で攪拌混合手段によって煮小豆と蒸米を混
    合させながら二次蒸米する第13の工程と、 前記二次蒸米手段から供給される二次蒸しされた煮小豆
    と蒸米を調味液添加手段に付設の搬送コンベアによって
    搬送し、搬送途中で二次蒸しされた煮小豆と蒸米に調味
    液を添加するとともに、攪拌混合手段によって煮小豆と
    蒸米を混合させる第14の工程と、からなり、前記第9の工程においては、浸漬米ストックタンクに搬
    入された着色された浸漬米の温度を下げてストックし、
    前日のストック分を当日の作業開始と同時に使用する
    とを特徴とする包装赤飯の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第5の工程で処理され第6の工程で
    第4搬送手段によって搬送される洗米に小豆煮汁を噴霧
    するとともに、処理済み洗米と小豆煮汁を攪拌混合した
    のちに浸漬タンクに搬入することを特徴とする請求項1
    記載の包装赤飯の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第7の工程で空気供給手段から空気
    を供給して、浸漬タンク内の小豆煮汁をエアレーション
    するとともに、温度制御機能付き加熱手段により所定温
    度に加熱することを特徴とする請求項1または請求項2
    記載の包装赤飯の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第7の工程で着色され第8の工程で
    第5搬送手段によって搬送される浸漬米を攪拌混合する
    ことを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記
    載の包装赤飯の製造方法。
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