JPH0836105A - ビームスプリッタ及びその製造方法 - Google Patents
ビームスプリッタ及びその製造方法Info
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- JPH0836105A JPH0836105A JP19231794A JP19231794A JPH0836105A JP H0836105 A JPH0836105 A JP H0836105A JP 19231794 A JP19231794 A JP 19231794A JP 19231794 A JP19231794 A JP 19231794A JP H0836105 A JPH0836105 A JP H0836105A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ビームスプリッタ基板の面精度が劣化するこ
との無いビームスプリッタを提供すること。 【構成】 第1ホルダ21の凹所22の底面22aに、
エポキシ系接着剤27により3枚の平面板23を取り付
ける。各平面板の非接着面は、光学的同一平面内に存在
するように調整される。この凹所22内にビームスプリ
ッタ基板24,スペーサ25,補償基板26の順で挿入
配置し、開口側を第2ホルダ28で覆う。すると、補償
基板26の表面に押え部材29が当接され、コイルスプ
リング31の弾性力により底面側へ付勢する。これによ
り、第1,第2ホルダ間で各部材が挟持される。また、
平面板,スペーサ,押え部材は同軸上に配置される。よ
って、基板に対し荷重が均一に加わり、基板が変形等せ
ずに面精度が劣化しない。
との無いビームスプリッタを提供すること。 【構成】 第1ホルダ21の凹所22の底面22aに、
エポキシ系接着剤27により3枚の平面板23を取り付
ける。各平面板の非接着面は、光学的同一平面内に存在
するように調整される。この凹所22内にビームスプリ
ッタ基板24,スペーサ25,補償基板26の順で挿入
配置し、開口側を第2ホルダ28で覆う。すると、補償
基板26の表面に押え部材29が当接され、コイルスプ
リング31の弾性力により底面側へ付勢する。これによ
り、第1,第2ホルダ間で各部材が挟持される。また、
平面板,スペーサ,押え部材は同軸上に配置される。よ
って、基板に対し荷重が均一に加わり、基板が変形等せ
ずに面精度が劣化しない。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビームスプリッタ及び
その製造方法に関するものである。
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビームスプリッタは、基板表面に所定の
薄膜を被膜することにより構成されるビームスプリッタ
基板を基本構成とし、干渉計等に用いる際の光路長の補
正のために、そのビームスプリッタ基板と同材料,同一
厚さ(通常は形状も同一にする)の補償基板をスペーサ
を介して対向配置したものを用いることもある。そし
て、それら一体化されたビームスプリッタ基板,スペー
サ,補償基板を固定するために、ビームスプリッタホル
ダ内に収納する。
薄膜を被膜することにより構成されるビームスプリッタ
基板を基本構成とし、干渉計等に用いる際の光路長の補
正のために、そのビームスプリッタ基板と同材料,同一
厚さ(通常は形状も同一にする)の補償基板をスペーサ
を介して対向配置したものを用いることもある。そし
て、それら一体化されたビームスプリッタ基板,スペー
サ,補償基板を固定するために、ビームスプリッタホル
ダ内に収納する。
【0003】係る従来のビームスプリッタの一例を示す
と、例えば実開昭64−17516号等がある。すなわ
ち、この公報に示されたビームスプリッタは、図7に示
すように、第1ホルダ1の片面側に形成された嵌合部2
内に基板3aの片面に所定の薄膜3bが被膜されて構成
されるビームスプリッタ基板3が嵌め込まれ、一方、第
2ホルダ4の片面側に形成された嵌合部5内に、補償基
板6が嵌め込まれる。そして、ビームスプリッタ基板3
は、その周縁全周にわたって嵌合部2の底面2aと面接
触され、一方、補償基板6もその周縁全周にわたって嵌
合部5の底面5aと面接触される。
と、例えば実開昭64−17516号等がある。すなわ
ち、この公報に示されたビームスプリッタは、図7に示
すように、第1ホルダ1の片面側に形成された嵌合部2
内に基板3aの片面に所定の薄膜3bが被膜されて構成
されるビームスプリッタ基板3が嵌め込まれ、一方、第
2ホルダ4の片面側に形成された嵌合部5内に、補償基
板6が嵌め込まれる。そして、ビームスプリッタ基板3
は、その周縁全周にわたって嵌合部2の底面2aと面接
触され、一方、補償基板6もその周縁全周にわたって嵌
合部5の底面5aと面接触される。
【0004】そして、それらビームスプリッタ基板3と
補償基板6との対向面には、所定数のスペーサ7が配置
される。このスペーサー7は、ゴム等で形成されてい
る。このようにスペーサ7を設けることにより、ビーム
スプリッタ基板3と補償基板6の間に外部と連通される
空間が形成され、温度分布が一定になる。そして、両ホ
ルダ1,4は、ねじ8により結合される。
補償基板6との対向面には、所定数のスペーサ7が配置
される。このスペーサー7は、ゴム等で形成されてい
る。このようにスペーサ7を設けることにより、ビーム
スプリッタ基板3と補償基板6の間に外部と連通される
空間が形成され、温度分布が一定になる。そして、両ホ
ルダ1,4は、ねじ8により結合される。
【0005】また、この先考案のビームスプリッタは、
温度補償を行うことを目的としたものであるので、ネジ
8は第1ホルダ1と螺着させるものの、第2ホルダ4に
対してフリー状態としている。すなわち、第2ホルダ4
の表面(嵌合部5と反対側面)の周縁近傍に複数の凹部
9を形成し、その凹部9の底面に、軸心を一致するよう
にして一回り小さい貫通孔10を形成する。この貫通孔
10により凹部9は第2ホルダ4の片面側に開口する。
また、この貫通孔10の内径はネジ7の外径よりも一回
り大きく設定する。
温度補償を行うことを目的としたものであるので、ネジ
8は第1ホルダ1と螺着させるものの、第2ホルダ4に
対してフリー状態としている。すなわち、第2ホルダ4
の表面(嵌合部5と反対側面)の周縁近傍に複数の凹部
9を形成し、その凹部9の底面に、軸心を一致するよう
にして一回り小さい貫通孔10を形成する。この貫通孔
10により凹部9は第2ホルダ4の片面側に開口する。
また、この貫通孔10の内径はネジ7の外径よりも一回
り大きく設定する。
【0006】そして、凹部9内に、所定径のコイルスプ
リング11を挿入した状態で、このコイルスプリング1
5及び貫通孔10内を貫通するようにして、ねじ8の軸
部挿通し、上記のようにネジ8の先端を第1ホルダ1と
螺合させる。このねじ8の頭部の直径は、コイルスプリ
ング11の外径より大きいものを使用する。これによ
り、コイルスプリング11は、その両端が凹部9の底面
とネジ8の頭部に当接される。そして、ネジ8を締め付
けることによりコイルスプリング11は圧縮され、それ
にともない生じる弾性復元力により両ホルダ1,4を接
近させる方向に付勢する。これにより、ビームスプリッ
タ基板3,スペーサ7及び補償基板6が、両ホルダ1,
4から所定の圧力で挟持される。そして、温度上昇にと
もない各部材が熱膨張しようとすると、それがコイルス
プリング11で吸収され、ビームスプリッタ基板3,補
償基板6が熱膨張による歪みを生じるのを防いでいる。
リング11を挿入した状態で、このコイルスプリング1
5及び貫通孔10内を貫通するようにして、ねじ8の軸
部挿通し、上記のようにネジ8の先端を第1ホルダ1と
螺合させる。このねじ8の頭部の直径は、コイルスプリ
ング11の外径より大きいものを使用する。これによ
り、コイルスプリング11は、その両端が凹部9の底面
とネジ8の頭部に当接される。そして、ネジ8を締め付
けることによりコイルスプリング11は圧縮され、それ
にともない生じる弾性復元力により両ホルダ1,4を接
近させる方向に付勢する。これにより、ビームスプリッ
タ基板3,スペーサ7及び補償基板6が、両ホルダ1,
4から所定の圧力で挟持される。そして、温度上昇にと
もない各部材が熱膨張しようとすると、それがコイルス
プリング11で吸収され、ビームスプリッタ基板3,補
償基板6が熱膨張による歪みを生じるのを防いでいる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のビームスプリッタでは、以下に示す種々の問題
を有している。すなわち、例えば、上記FTIR(フー
リエ変換赤外分光光度計)に用いられるマイケルソン干
渉計を構成するビームスプリッタ基板3及び補償基板6
の面精度は、波長0.633μmで測定して1/4波長
(λ)以下が要求される。
た従来のビームスプリッタでは、以下に示す種々の問題
を有している。すなわち、例えば、上記FTIR(フー
リエ変換赤外分光光度計)に用いられるマイケルソン干
渉計を構成するビームスプリッタ基板3及び補償基板6
の面精度は、波長0.633μmで測定して1/4波長
(λ)以下が要求される。
【0008】しかし、ビームスプリッタ基板3,補償基
板6と当接する第1,第2ホルダ1,4の嵌合部2,5
の底面2a,5aの研磨加工は機械加工によるため、上
記の面精度に仕上げることは困難である。なお、超精密
仕上げが可能な研削加工により仕上げた場合には、比較
的面精度は良好になるが、多大な労力と時間を要し作業
性が悪い。そしてその様に面精度を向上させたとして
も、得られる面精度はλ〜2λ程度で、上記要求は満足
されない。
板6と当接する第1,第2ホルダ1,4の嵌合部2,5
の底面2a,5aの研磨加工は機械加工によるため、上
記の面精度に仕上げることは困難である。なお、超精密
仕上げが可能な研削加工により仕上げた場合には、比較
的面精度は良好になるが、多大な労力と時間を要し作業
性が悪い。そしてその様に面精度を向上させたとして
も、得られる面精度はλ〜2λ程度で、上記要求は満足
されない。
【0009】そのため、いずれの加工を行ったとしても
微視的に見ると、第1ホルダ1,第2ホルダ4の嵌合部
2,5の底面2a,5aには凹凸が存在し、光学的平面
が形成されない。その結果、ビームスプリッタ基板3は
嵌合部2の底面2aと完全に面接触するのではなく、底
面2aのうち凸部の数点と点接触することになる。同様
に、補償基板6は嵌合部5の底面5aのうち凸部の数点
と点接触することになる。そして、各接触した凸部の突
出量(高さ)は一定ではないため、結局、ビームスプリ
ッタ基板3と補償基板6との平行度は確保できない。
微視的に見ると、第1ホルダ1,第2ホルダ4の嵌合部
2,5の底面2a,5aには凹凸が存在し、光学的平面
が形成されない。その結果、ビームスプリッタ基板3は
嵌合部2の底面2aと完全に面接触するのではなく、底
面2aのうち凸部の数点と点接触することになる。同様
に、補償基板6は嵌合部5の底面5aのうち凸部の数点
と点接触することになる。そして、各接触した凸部の突
出量(高さ)は一定ではないため、結局、ビームスプリ
ッタ基板3と補償基板6との平行度は確保できない。
【0010】また、両板3,6はそれぞれ高さの異なる
凸部に接触された状態で両ホルダ1,4が挟持圧力を受
けるため、各板3,6は当接する各凸部を包含する平面
に位置するように移動しようとし、しかも、必ずしも各
凸部が同一平面上に存在するとは限らないので、結局基
板表面が変形し面精度が劣化する。
凸部に接触された状態で両ホルダ1,4が挟持圧力を受
けるため、各板3,6は当接する各凸部を包含する平面
に位置するように移動しようとし、しかも、必ずしも各
凸部が同一平面上に存在するとは限らないので、結局基
板表面が変形し面精度が劣化する。
【0011】さらに、ビームスプリッタ基板3表面の凸
部との当接位置と、補償基板6の表面の凸部との当接位
置は必ずしも一致していないため、表裏面側で異なる位
置をそれぞれ押すことになり、基板3,6に対して荷重
が均一にかからないので、上記問題はより顕著に現れ
る。
部との当接位置と、補償基板6の表面の凸部との当接位
置は必ずしも一致していないため、表裏面側で異なる位
置をそれぞれ押すことになり、基板3,6に対して荷重
が均一にかからないので、上記問題はより顕著に現れ
る。
【0012】特に赤外領域で使用するビームスプリッタ
基板3等には、KBrが用いられるが、係るKBrは弾
性係数が小さいため、僅かな力でも両板3,6に変形が
起こりその面精度が劣化してしまう。また、板厚が薄い
ものの場合も同様な問題が生じる。
基板3等には、KBrが用いられるが、係るKBrは弾
性係数が小さいため、僅かな力でも両板3,6に変形が
起こりその面精度が劣化してしまう。また、板厚が薄い
ものの場合も同様な問題が生じる。
【0013】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題点を解
決し、たとえ弾性係数が小さい材質からなる基板や板厚
の薄い基板(ビームスプリッタ基板,補償基板)であっ
ても、その面精度を劣化させずにビームスプリッタホル
ダに固定することができ、温度変化に対しても対応で
き、しかも、輸送や振動に耐えるべく、基板相互及びま
たは基板とホルダとの固定を強固にし、かつ、ホルダの
加工(特に接触面の加工)並びに各部品の組み立ての容
易なビームスプリッタ及びその製造方法を提供すること
にある。
もので、その目的とするところは、上記した問題点を解
決し、たとえ弾性係数が小さい材質からなる基板や板厚
の薄い基板(ビームスプリッタ基板,補償基板)であっ
ても、その面精度を劣化させずにビームスプリッタホル
ダに固定することができ、温度変化に対しても対応で
き、しかも、輸送や振動に耐えるべく、基板相互及びま
たは基板とホルダとの固定を強固にし、かつ、ホルダの
加工(特に接触面の加工)並びに各部品の組み立ての容
易なビームスプリッタ及びその製造方法を提供すること
にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明に係るビームスプリッタでは、ビームスプ
リッタ基板と、そのビームスプリッタ基板の両面を保持
するビームスプリッタホルダとを備えたビームスプリッ
タにおいて、前記ビームスプリッタ基板の片面と前記ビ
ームスプリッタホルダとの間に介在させた複数の平面板
と、前記ビームスプリッタ基板の反対側面と対向する前
記ビームスプリッタホルダの所定位置に、前記反対側面
を弾性体の弾性復元力により付勢可能な押え部材とを備
え、かつ、前記複数の平面板は、前記ビームスプリッタ
基板との接触面が同一の光学平面上に存在するように接
着剤を用いて前記ビームスプリッタホルダの所定位置に
固定されるようにした。
ため、本発明に係るビームスプリッタでは、ビームスプ
リッタ基板と、そのビームスプリッタ基板の両面を保持
するビームスプリッタホルダとを備えたビームスプリッ
タにおいて、前記ビームスプリッタ基板の片面と前記ビ
ームスプリッタホルダとの間に介在させた複数の平面板
と、前記ビームスプリッタ基板の反対側面と対向する前
記ビームスプリッタホルダの所定位置に、前記反対側面
を弾性体の弾性復元力により付勢可能な押え部材とを備
え、かつ、前記複数の平面板は、前記ビームスプリッタ
基板との接触面が同一の光学平面上に存在するように接
着剤を用いて前記ビームスプリッタホルダの所定位置に
固定されるようにした。
【0015】また、別の構成としては、スペーサを介し
て対向配置されるビームスプリッタ基板及び補償基板
と、前記ビームスプリッタ基板及び前記補償基板の表面
を両側から挟持するビームスプリッタホルダとを備えた
ビームスプリッタにおいて、前記ビームスプリッタ基板
の表面または前記補償基板の表面の一方と前記ビームス
プリッタホルダとの間に介在させた複数の平面板と、前
記平面板と対向しない反対側の前記ビームスプリッタホ
ルダの所定位置に、前記ビームスプリッタ基板または前
記補償基板の他方を弾性体の弾性復元力により付勢可能
な押え部材とを備え、かつ、前記複数の平面板は、前記
ビームスプリッタ基板または補償基板との接触面が同一
の光学平面上に存在するように接着剤を用いて前記ビー
ムスプリッタホルダの所定位置に固定されるようにして
もよい。
て対向配置されるビームスプリッタ基板及び補償基板
と、前記ビームスプリッタ基板及び前記補償基板の表面
を両側から挟持するビームスプリッタホルダとを備えた
ビームスプリッタにおいて、前記ビームスプリッタ基板
の表面または前記補償基板の表面の一方と前記ビームス
プリッタホルダとの間に介在させた複数の平面板と、前
記平面板と対向しない反対側の前記ビームスプリッタホ
ルダの所定位置に、前記ビームスプリッタ基板または前
記補償基板の他方を弾性体の弾性復元力により付勢可能
な押え部材とを備え、かつ、前記複数の平面板は、前記
ビームスプリッタ基板または補償基板との接触面が同一
の光学平面上に存在するように接着剤を用いて前記ビー
ムスプリッタホルダの所定位置に固定されるようにして
もよい。
【0016】そして、少なくとも前記平面板と前記押え
部材(スペーサがある場合にはそのスペーサも)とが同
軸状に配置することである。さらに、前記ビームスプリ
ッタ基板,スペーサ及び補償基板が、所定の接着剤で一
体化されるようにしてもよい。
部材(スペーサがある場合にはそのスペーサも)とが同
軸状に配置することである。さらに、前記ビームスプリ
ッタ基板,スペーサ及び補償基板が、所定の接着剤で一
体化されるようにしてもよい。
【0017】また、上記構成のビームスプリッタを製造
するに適した本発明に係る製造方法では、複数個の平面
板を光学基準面に接触させ、そのまま状態で、前記平面
板の露出表面を接着剤を介してビームスプリッタホルダ
に接着させるとともに、前記光学基準面を備えた治具を
取り除く。次に、前記ビームスプリッタホルダ内に所望
の部材(少なくともビームスプリッタ基板)を挿入配置
する。そして、弾性体の弾性復元力を利用して押え部材
と前記平面板との間で前記挿入した部材を挟持するよう
にした。
するに適した本発明に係る製造方法では、複数個の平面
板を光学基準面に接触させ、そのまま状態で、前記平面
板の露出表面を接着剤を介してビームスプリッタホルダ
に接着させるとともに、前記光学基準面を備えた治具を
取り除く。次に、前記ビームスプリッタホルダ内に所望
の部材(少なくともビームスプリッタ基板)を挿入配置
する。そして、弾性体の弾性復元力を利用して押え部材
と前記平面板との間で前記挿入した部材を挟持するよう
にした。
【0018】
【作用】ビームスプリッタホルダの所定位置に、接着剤
を介して固定された複数の平面板の被接着面は、同一の
光学平面内に存在しているので、そのままの状態でビー
ムスプリッタ基板や補償基板を当接すると、基板表面と
平面板とは完全に面接触する。したがって、ビームスプ
リッタホルダ内、より具体的には平面板と押え部材間で
挟持圧力を受けたとしても、基板には均一に荷重が加わ
り、基板表面が変形しない。また、平面板とビームスプ
リッタホルダとの間は、接着剤が介在しているためたと
えビームスプリッタの接触面に微視的な凹凸があったと
しても接着剤により吸収され、平面板の非接着面は光学
平面状態を維持する。
を介して固定された複数の平面板の被接着面は、同一の
光学平面内に存在しているので、そのままの状態でビー
ムスプリッタ基板や補償基板を当接すると、基板表面と
平面板とは完全に面接触する。したがって、ビームスプ
リッタホルダ内、より具体的には平面板と押え部材間で
挟持圧力を受けたとしても、基板には均一に荷重が加わ
り、基板表面が変形しない。また、平面板とビームスプ
リッタホルダとの間は、接着剤が介在しているためたと
えビームスプリッタの接触面に微視的な凹凸があったと
しても接着剤により吸収され、平面板の非接着面は光学
平面状態を維持する。
【0019】また、平面板と押え部材(必要に応じてス
ペーサも含む)を同軸上に一致させた場合には、ビーム
スプリッタ基板等をビームスプリッタホルダに固定する
ことによってかかる荷重は、より均一化される。その結
果、たとえ弾性体の強度(弾性復元力)を強くしても基
板が撓んだり歪んだりすることはない。
ペーサも含む)を同軸上に一致させた場合には、ビーム
スプリッタ基板等をビームスプリッタホルダに固定する
ことによってかかる荷重は、より均一化される。その結
果、たとえ弾性体の強度(弾性復元力)を強くしても基
板が撓んだり歪んだりすることはない。
【0020】そして、各平面板を同一の光学平面上に位
置させるためには、例えば、基板との接触面を光学基準
面に当接させた状態で接着剤を用いてビームスプリッタ
ホルダの所定位置に接着固定することにより行える。す
なわち、接着固定する際に各平面板は光学基準面上にお
かれているため同一平面内に存在しているので、接着剤
が固化した時にもその状態は保持される。
置させるためには、例えば、基板との接触面を光学基準
面に当接させた状態で接着剤を用いてビームスプリッタ
ホルダの所定位置に接着固定することにより行える。す
なわち、接着固定する際に各平面板は光学基準面上にお
かれているため同一平面内に存在しているので、接着剤
が固化した時にもその状態は保持される。
【0021】
【実施例】以下、本発明に係るビームスプリッタ及びそ
の製造方法の好適な実施例を添付図面を参照にして詳述
する。図1は本実施例によるビームスプリッタの構成を
示している。第1ホルダ21の片面側に形成された円形
の凹所22内に、3枚のガラス製の平面板23を介し
て、ビームスプリッタ基板24,スペーサ25,補償基
板26を順次挿入配置する。
の製造方法の好適な実施例を添付図面を参照にして詳述
する。図1は本実施例によるビームスプリッタの構成を
示している。第1ホルダ21の片面側に形成された円形
の凹所22内に、3枚のガラス製の平面板23を介し
て、ビームスプリッタ基板24,スペーサ25,補償基
板26を順次挿入配置する。
【0022】本例では、FTIR用のビームスプリッタ
であるため、ビームスプリッタ基板24は、KBrから
なる基板24aの表面にGeからなる薄膜24bを蒸着
などにより被膜することにより構成される。また、補償
基板26も同様にKBrから構成される。なお、使用す
る材質は、測定対象の波長領域等により適宜選択され
る。そして、各基板24,26の形状は、直径50m
m、厚さ5mmの円板状である。また、スペーサ25
は、例えばゴム等から構成され、直径5mm、厚さは1
mmの小円板状(その両面が光学的に平行平面となって
いる)に形成される。そして、120度間隔で計3個配
置し、スペーサ25と両基板24,26とは、非接着状
態で当接させており、凹所22から取り外した時には分
離可能としている。
であるため、ビームスプリッタ基板24は、KBrから
なる基板24aの表面にGeからなる薄膜24bを蒸着
などにより被膜することにより構成される。また、補償
基板26も同様にKBrから構成される。なお、使用す
る材質は、測定対象の波長領域等により適宜選択され
る。そして、各基板24,26の形状は、直径50m
m、厚さ5mmの円板状である。また、スペーサ25
は、例えばゴム等から構成され、直径5mm、厚さは1
mmの小円板状(その両面が光学的に平行平面となって
いる)に形成される。そして、120度間隔で計3個配
置し、スペーサ25と両基板24,26とは、非接着状
態で当接させており、凹所22から取り外した時には分
離可能としている。
【0023】このようにスペーサ25を挿入することで
ビームスプリッタ基板24と補償基板26の間は外部と
連通されており、両基板24,26が密着されている場
合よりも両基板24,26内の温度分布が均一化され
る。そして、スペーサ25の両面が平行であるため、ビ
ームスプリッタ基板24の表面と、補償基板26の表面
も平行になる。
ビームスプリッタ基板24と補償基板26の間は外部と
連通されており、両基板24,26が密着されている場
合よりも両基板24,26内の温度分布が均一化され
る。そして、スペーサ25の両面が平行であるため、ビ
ームスプリッタ基板24の表面と、補償基板26の表面
も平行になる。
【0024】ここで本発明の要部の一つである平面板2
3について説明すると、直径5mmの小円板状で、少な
くともビームスプリッタ基板24との当接面は、光学研
磨された凹凸のない光学平面となっている。そして、本
例では同図(A)に示すように、3つの平面板23を等
間隔(120度)間隔で配置し、エポキシ系の接着剤2
7を用い、凹所22の底面22aに接着一体化する。こ
の時、各平面板23の表面(非接着側)は、光学的な同
一平面内に存在するように調整されている。
3について説明すると、直径5mmの小円板状で、少な
くともビームスプリッタ基板24との当接面は、光学研
磨された凹凸のない光学平面となっている。そして、本
例では同図(A)に示すように、3つの平面板23を等
間隔(120度)間隔で配置し、エポキシ系の接着剤2
7を用い、凹所22の底面22aに接着一体化する。こ
の時、各平面板23の表面(非接着側)は、光学的な同
一平面内に存在するように調整されている。
【0025】一方、第1ホルダ21の開口側には、略同
一平面形状からなる第2ホルダ28が着脱自在に装着さ
れ、この第2ホルダ28の所定位置に装着された押え部
材29の先端29aが、上記補償基板26に当接され
る。また、押え部材29の軸部29bは、第2ホルダ2
8の凹所30の底面30bに形成した透孔30b内に挿
通され、軸方向に移動可能となっており、さらに、この
押え部材29の先端29aと第2ホルダ28の凹所30
の底面30aとの間にはコイルスプリング31が介在さ
れ、このコイルスプリング31の弾性復元力により押え
部材29の先端29aを補償基板26側に向けて付勢し
ている。そして、この付勢力により、第1,第2ホルダ
21,28間に、平面板23,押え部材29を介してビ
ームスプリッタ基板24,スペーサ26並びに補償基板
26が挟持・保持される。
一平面形状からなる第2ホルダ28が着脱自在に装着さ
れ、この第2ホルダ28の所定位置に装着された押え部
材29の先端29aが、上記補償基板26に当接され
る。また、押え部材29の軸部29bは、第2ホルダ2
8の凹所30の底面30bに形成した透孔30b内に挿
通され、軸方向に移動可能となっており、さらに、この
押え部材29の先端29aと第2ホルダ28の凹所30
の底面30aとの間にはコイルスプリング31が介在さ
れ、このコイルスプリング31の弾性復元力により押え
部材29の先端29aを補償基板26側に向けて付勢し
ている。そして、この付勢力により、第1,第2ホルダ
21,28間に、平面板23,押え部材29を介してビ
ームスプリッタ基板24,スペーサ26並びに補償基板
26が挟持・保持される。
【0026】なお、押え部材29の先端29aの補償基
板26との接触面は、光学平面になるように研磨加工さ
れるのが好ましいが、その接触面積が小さいため、超精
密仕上げの可能な研削加工や、一般の旋盤加工によりそ
の表面を処理したり、或いは型を用いた鋳造等により形
成し、微視的な凹凸を有するものでも良い。さらに本例
では、平面板23,スペーサ25,押え部材29はそれ
ぞれ同軸上に配置している。
板26との接触面は、光学平面になるように研磨加工さ
れるのが好ましいが、その接触面積が小さいため、超精
密仕上げの可能な研削加工や、一般の旋盤加工によりそ
の表面を処理したり、或いは型を用いた鋳造等により形
成し、微視的な凹凸を有するものでも良い。さらに本例
では、平面板23,スペーサ25,押え部材29はそれ
ぞれ同軸上に配置している。
【0027】また、第1ホルダ21,第2ホルダ28の
一面には細長な窓孔32,33が形成されており、各窓
孔32,33は、それぞれ各ホルダ21,28に形成さ
れた凹所22,30に連通している。これにより、窓孔
32,33を介してビームスプリッタ基板24,補償基
板26が露出され、それぞれ光の入・出射口となる。
一面には細長な窓孔32,33が形成されており、各窓
孔32,33は、それぞれ各ホルダ21,28に形成さ
れた凹所22,30に連通している。これにより、窓孔
32,33を介してビームスプリッタ基板24,補償基
板26が露出され、それぞれ光の入・出射口となる。
【0028】なお、上記した第1,第2ホルダ21,2
8は、凹所22,30内に所定の位置関係で各部材を挿
入配置した状態でネジ34により締結され一体化され
て、ビームスプリッタホルダ35が形成される。
8は、凹所22,30内に所定の位置関係で各部材を挿
入配置した状態でネジ34により締結され一体化され
て、ビームスプリッタホルダ35が形成される。
【0029】上記した構成にすると、3つの平面板23
が同一の光学平面上に位置するため、ビームスプリッタ
基板23の表面と均一に当接し、均一な荷重を受けるた
め、表面が変形等せず、面精度が劣化しない。また、熱
膨脹によるビームスプリッタの体積変化は、コイルスプ
リング31に吸収されるとともに、上記のようにもとも
と面精度が良好であるため、その平行平面を維持した状
態で膨脹するため、かかる熱膨脹時に面精度が劣化する
こともない。
が同一の光学平面上に位置するため、ビームスプリッタ
基板23の表面と均一に当接し、均一な荷重を受けるた
め、表面が変形等せず、面精度が劣化しない。また、熱
膨脹によるビームスプリッタの体積変化は、コイルスプ
リング31に吸収されるとともに、上記のようにもとも
と面精度が良好であるため、その平行平面を維持した状
態で膨脹するため、かかる熱膨脹時に面精度が劣化する
こともない。
【0030】さらに、本例では、平面板23,スペーサ
25,押え部材29を同軸上に配置しているため、コイ
ルスプリング31の弾性力を強くしたとしても、基板2
4,26の表裏同一位置から力が加わるため、基板が歪
んで変形することがない。従って、コイルスプリング3
1の強度を強くしておくことにより、輸送や振動に対し
て強くなる。すなわち、仮に振動等を生じたとしても、
ホルダ21,28に対する位置がずれたり、その振動に
より瞬間的に各基板24,26がホルダ21,28から
離れることにより各基板24,26が損傷することが抑
制される。
25,押え部材29を同軸上に配置しているため、コイ
ルスプリング31の弾性力を強くしたとしても、基板2
4,26の表裏同一位置から力が加わるため、基板が歪
んで変形することがない。従って、コイルスプリング3
1の強度を強くしておくことにより、輸送や振動に対し
て強くなる。すなわち、仮に振動等を生じたとしても、
ホルダ21,28に対する位置がずれたり、その振動に
より瞬間的に各基板24,26がホルダ21,28から
離れることにより各基板24,26が損傷することが抑
制される。
【0031】次に、上記したビームスプリッタの製造方
法について詳述する。図2に示すように、ビームスプリ
ッタ基板24と同一径からなる光学基準面(ニュートン
ゲージでも可)39を備えた治具40(本例では所定の
研磨処理を行ったガラス板)の上面所定位置(同一円周
上で120°間隔)に3枚の平面板23を乗せ、干渉面
が観察できるぐらいに接触させる。そして、この平面板
23は、予め少なくとも光学基準面39上に接触させる
面は光学的平面になるように精密に研磨加工しておく。
法について詳述する。図2に示すように、ビームスプリ
ッタ基板24と同一径からなる光学基準面(ニュートン
ゲージでも可)39を備えた治具40(本例では所定の
研磨処理を行ったガラス板)の上面所定位置(同一円周
上で120°間隔)に3枚の平面板23を乗せ、干渉面
が観察できるぐらいに接触させる。そして、この平面板
23は、予め少なくとも光学基準面39上に接触させる
面は光学的平面になるように精密に研磨加工しておく。
【0032】次いで、平面板23の表面または第1ホル
ダ21の凹所22底面22aの所定位置の少なくとも一
方にエポキシ系の接着剤を塗布し、その後図3に示すよ
うに、光学基準面39上に平面板23を乗せた状態のま
まで治具40上に第1ホルダ21を被せ、その凹所22
の底面22aと平面板23を接触させる。すると、接触
面に少なくとも片側に予め塗布されたエポキシ系接着剤
27により、両者22,23は接着一体化される。その
時、エポキシ系接着剤27は一定の厚さがあるため、た
とえ第1ホルダ21の凹所22の底面22aが、旋盤加
工などにより形成されたもので光学的に見て微視的な凹
凸があったとしても、係る凹凸の形状を吸収することに
なる。従って、係る接着の際まで各平面板23は光学基
準面39の上に乗っているため、非接着側の3枚の平面
板23の表面は、光学的な同一平面上に位置した状態を
保持し、その状態で接着固定される。
ダ21の凹所22底面22aの所定位置の少なくとも一
方にエポキシ系の接着剤を塗布し、その後図3に示すよ
うに、光学基準面39上に平面板23を乗せた状態のま
まで治具40上に第1ホルダ21を被せ、その凹所22
の底面22aと平面板23を接触させる。すると、接触
面に少なくとも片側に予め塗布されたエポキシ系接着剤
27により、両者22,23は接着一体化される。その
時、エポキシ系接着剤27は一定の厚さがあるため、た
とえ第1ホルダ21の凹所22の底面22aが、旋盤加
工などにより形成されたもので光学的に見て微視的な凹
凸があったとしても、係る凹凸の形状を吸収することに
なる。従って、係る接着の際まで各平面板23は光学基
準面39の上に乗っているため、非接着側の3枚の平面
板23の表面は、光学的な同一平面上に位置した状態を
保持し、その状態で接着固定される。
【0033】その後、治具40を取り除く。以後、通常
の方法により、ビームスプリッタ基板24,ゴム製のス
ペーサ25,補償基板26の順に凹所22内に挿入配置
する。この時、ビームスプリッタ基板24の表面は光学
平面に研磨加工されていると共に、3つの平面板23の
露出表面も同一の光学平面上に位置しているため、特に
位置合わせ等をすることなく凹所22内に挿入し、両者
22,24を当接しても、ある一点に荷重が集中するよ
うなことはない。比較的ラフに組み立てをすることがで
きる。なお、本例ではスペーサ25は両基板24,26
と接着しないため、ビームスプリッタ基板24を挿入
後、平面板23の設置位置の上方にスペーサ25を載置
し、その後、補償基板26を置くことになる。
の方法により、ビームスプリッタ基板24,ゴム製のス
ペーサ25,補償基板26の順に凹所22内に挿入配置
する。この時、ビームスプリッタ基板24の表面は光学
平面に研磨加工されていると共に、3つの平面板23の
露出表面も同一の光学平面上に位置しているため、特に
位置合わせ等をすることなく凹所22内に挿入し、両者
22,24を当接しても、ある一点に荷重が集中するよ
うなことはない。比較的ラフに組み立てをすることがで
きる。なお、本例ではスペーサ25は両基板24,26
と接着しないため、ビームスプリッタ基板24を挿入
後、平面板23の設置位置の上方にスペーサ25を載置
し、その後、補償基板26を置くことになる。
【0034】そして、第1ホルダ21の開放側(補償基
板26側)に第2のホルダ28を装着し、ねじ34で固
定する。すると、第2ホルダ28の所定位置に押え部材
29が装着されており、第1,第2ホルダ21,28の
相対位置関係は、ねじ34を用いて固定することにより
各部材の相対位置関係が自動的に位置決めされる。よっ
て、押え部材29はスペーサ25と同一軸に配置され
る。これにより図1に示すようなビームスプリッタが製
造される。
板26側)に第2のホルダ28を装着し、ねじ34で固
定する。すると、第2ホルダ28の所定位置に押え部材
29が装着されており、第1,第2ホルダ21,28の
相対位置関係は、ねじ34を用いて固定することにより
各部材の相対位置関係が自動的に位置決めされる。よっ
て、押え部材29はスペーサ25と同一軸に配置され
る。これにより図1に示すようなビームスプリッタが製
造される。
【0035】*実験結果 図4は図1に示す本発明のビームスプリッタを用いた測
定結果が示され、図5は図7に示す従来のビームスプリ
ッタを用いた測定結果が示されている。
定結果が示され、図5は図7に示す従来のビームスプリ
ッタを用いた測定結果が示されている。
【0036】図4,図5において、横軸は波数であり、
縦軸は%である。また、特定の試料について、シングル
ビームで、16回のインターフェログラムを測定(マイ
ケルソン干渉計の可動鏡を16往復)し、各測定点につ
き積算した後にフーリエ変換して試料透過光のスペクト
ルを得、これを7回繰り返し、その第2〜7回のスペク
トル強度を第1回のスペクトル強度で除したデータを重
ねて記録したものである。したがって各図には、6つの
線図が重ね書きされている。
縦軸は%である。また、特定の試料について、シングル
ビームで、16回のインターフェログラムを測定(マイ
ケルソン干渉計の可動鏡を16往復)し、各測定点につ
き積算した後にフーリエ変換して試料透過光のスペクト
ルを得、これを7回繰り返し、その第2〜7回のスペク
トル強度を第1回のスペクトル強度で除したデータを重
ねて記録したものである。したがって各図には、6つの
線図が重ね書きされている。
【0037】これら図4,図5の結果から、両者を比較
すると、従来のビームスプリッタを使用した場合に生じ
る誤差は±1%位と少ないものであるが、本発明に係る
ビームスプリッタを使用した場合の誤差は±0.1%位
とさらに小さく、極めて安定したものであることがわか
る。
すると、従来のビームスプリッタを使用した場合に生じ
る誤差は±1%位と少ないものであるが、本発明に係る
ビームスプリッタを使用した場合の誤差は±0.1%位
とさらに小さく、極めて安定したものであることがわか
る。
【0038】なお、上記した実施例では、各基板24,
26とスペーサ25とは接着せず、しかも異なる材質か
ら構成したが、本発明はこれに限ることなく、同一材質
のもの用いても良い。係る場合には、各部材24〜26
の温度膨脹が等しくなるので、より温度変化に対する安
定性が向上する。そして、上記実施例のように基板をK
Brのように硬質な材質を用いた場合にスペーサも同一
材質にすると、接合面での光学的平面の確保が困難とな
ったり、或いは接触部位での損傷を生じるおそれがある
ので、ゴム製等の可撓性の良好な接着剤を用いて予め各
部材を接着一体化しておくのが好ましい。また、このよ
うに接着剤を用いてスペーサを各基板と接着させるの
は、上記したように各部材を同一材質のもので構成した
ものに限ることなく、上記した実施例のように異なる材
質で構成している場合でも接着剤で一体化しても良い。
係る場合には、ビームスプリッタの機械的強度が向上す
るという効果を奏する。
26とスペーサ25とは接着せず、しかも異なる材質か
ら構成したが、本発明はこれに限ることなく、同一材質
のもの用いても良い。係る場合には、各部材24〜26
の温度膨脹が等しくなるので、より温度変化に対する安
定性が向上する。そして、上記実施例のように基板をK
Brのように硬質な材質を用いた場合にスペーサも同一
材質にすると、接合面での光学的平面の確保が困難とな
ったり、或いは接触部位での損傷を生じるおそれがある
ので、ゴム製等の可撓性の良好な接着剤を用いて予め各
部材を接着一体化しておくのが好ましい。また、このよ
うに接着剤を用いてスペーサを各基板と接着させるの
は、上記したように各部材を同一材質のもので構成した
ものに限ることなく、上記した実施例のように異なる材
質で構成している場合でも接着剤で一体化しても良い。
係る場合には、ビームスプリッタの機械的強度が向上す
るという効果を奏する。
【0039】また、上記した実施例及び変形例では、ビ
ームスプリッタ基板と補償基板とを平行に配置したもの
について説明したが、本発明はこれに限ることなく、例
えば図6に示すように、ビームスプリッタ基板24のみ
を用いた構成のものにも適用することができる。なお、
この図示の例では、補償基板及びスペーサを用いていな
い以外は第1実施例と同様であるので、同一符号を付し
その詳細な説明を省略する。
ームスプリッタ基板と補償基板とを平行に配置したもの
について説明したが、本発明はこれに限ることなく、例
えば図6に示すように、ビームスプリッタ基板24のみ
を用いた構成のものにも適用することができる。なお、
この図示の例では、補償基板及びスペーサを用いていな
い以外は第1実施例と同様であるので、同一符号を付し
その詳細な説明を省略する。
【0040】さらにまた、上記した実施例では、平面板
23,押え部材29(スペーサ25)を同軸上に配置し
たが、本発明はこれに限ることなく、適宜ずらしても良
い。特に、スプリングの強度を弱くしておくと各基板で
表裏異なる位置で接触させたとしても基板に過大な押圧
力がかからず、歪むことがない。そして、各設置数を増
やすことにより、1個あたりの押圧力は小さくても総押
圧力は一定以上にすることができ、上記したように輸送
時等の振動に対応することもできる。
23,押え部材29(スペーサ25)を同軸上に配置し
たが、本発明はこれに限ることなく、適宜ずらしても良
い。特に、スプリングの強度を弱くしておくと各基板で
表裏異なる位置で接触させたとしても基板に過大な押圧
力がかからず、歪むことがない。そして、各設置数を増
やすことにより、1個あたりの押圧力は小さくても総押
圧力は一定以上にすることができ、上記したように輸送
時等の振動に対応することもできる。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るビームスプ
リッタでは、ビームスプリッタホルダとビームスプリッ
タ基板の接触面に、複数の平面板をとりつけ、それらを
同一の光学的基準面にすることによって、ビームスプリ
ッタ基板をビームスプリッタホルダに固定したときに、
ビームスプリッタ基板にかかる力を均一化させ、ビーム
スプリッタ基板の面精度の劣化を防ぐことができる。そ
の結果、KBr等の弾性係数の小さな材質の基板や板厚
の薄い基板等も面精度を劣化せずにホルダに固定するこ
とができる。
リッタでは、ビームスプリッタホルダとビームスプリッ
タ基板の接触面に、複数の平面板をとりつけ、それらを
同一の光学的基準面にすることによって、ビームスプリ
ッタ基板をビームスプリッタホルダに固定したときに、
ビームスプリッタ基板にかかる力を均一化させ、ビーム
スプリッタ基板の面精度の劣化を防ぐことができる。そ
の結果、KBr等の弾性係数の小さな材質の基板や板厚
の薄い基板等も面精度を劣化せずにホルダに固定するこ
とができる。
【0042】また、平面板を粘質の接着剤でビームスプ
リッタ基板に取り付けることによって、平面板のビーム
スプリッタ基板との接触面は精密に研磨加工をするもの
の、平面板とホルダとの接触面は接着剤が調整してくれ
るために精密な研磨加工を行う必要がなくなり、作業の
簡略化やコストダウンが図れる。また、従来、基板を組
み立てるときに面精度の劣化が起こるため、組立技術に
熟練が要求されるとともにトライアンドエラーによる調
整を必要として組み立てに長時間を要したが、基板とホ
ルダと相対角度の調整することなく、ホルダを基板に当
接するだけで面精度が劣化されないため、熟練の度合い
が軽減される。
リッタ基板に取り付けることによって、平面板のビーム
スプリッタ基板との接触面は精密に研磨加工をするもの
の、平面板とホルダとの接触面は接着剤が調整してくれ
るために精密な研磨加工を行う必要がなくなり、作業の
簡略化やコストダウンが図れる。また、従来、基板を組
み立てるときに面精度の劣化が起こるため、組立技術に
熟練が要求されるとともにトライアンドエラーによる調
整を必要として組み立てに長時間を要したが、基板とホ
ルダと相対角度の調整することなく、ホルダを基板に当
接するだけで面精度が劣化されないため、熟練の度合い
が軽減される。
【0043】ビームスプリッタ基板と補償基板をスペー
サを介して一体化した構造にすることで、ビームスプリ
ッタ基板,補償基板の間は外部に通じるので、両基板が
密着した構造であるときよりも温度分布が均一化されて
いる。そのため、ビームスプリッタ基板に温度差による
ゆがみが発生しないので、面精度を保つことができる。
サを介して一体化した構造にすることで、ビームスプリ
ッタ基板,補償基板の間は外部に通じるので、両基板が
密着した構造であるときよりも温度分布が均一化されて
いる。そのため、ビームスプリッタ基板に温度差による
ゆがみが発生しないので、面精度を保つことができる。
【図1】(A)は本発明に係るビームスプリッタを示す
平面図である。(B)は図(A)のB−B線矢視断面図
である。
平面図である。(B)は図(A)のB−B線矢視断面図
である。
【図2】本発明に係るビームスプリッタの製造方法の一
実施例の一工程を示す図である。
実施例の一工程を示す図である。
【図3】本発明に係るビームスプリッタの製造方法の一
実施例の一工程を示す図である。
実施例の一工程を示す図である。
【図4】本発明に係るビームスプリッタの面精度に関係
したスペクトル図である。
したスペクトル図である。
【図5】従来のビームスプリッタの面精度に関係したス
ペクトル図である。
ペクトル図である。
【図6】本考案に係るビームスプリッタの変形例を示す
図である。
図である。
【図7】従来のビームスプリッタの一例を示す図であ
る。
る。
23 平面板 24 ビームスプリッタ基板 25 スペーサ 26 補償基板 27 エポキシ系接着剤 29 押え部材 35 ビームスプリッタホルダ 31 コイルスプリング(弾性体) 39 光学的基準面 40 治具
Claims (6)
- 【請求項1】 ビームスプリッタ基板と、 そのビームスプリッタ基板の両面を保持するビームスプ
リッタホルダとを備えたビームスプリッタにおいて、 前記ビームスプリッタ基板の片面と前記ビームスプリッ
タホルダとの間に介在させた3つ以上の平面板と、 前記ビームスプリッタ基板の反対側面と対向する前記ビ
ームスプリッタホルダの所定位置に、前記反対側面を弾
性体の弾性復元力により付勢可能な押え部材とを備え、 かつ、前記複数の平面板は、前記ビームスプリッタ基板
との接触面が同一の光学平面上に存在するように接着剤
を用いて前記ビームスプリッタホルダの所定位置に固定
されてなることを特徴とするビームスプリッタ。 - 【請求項2】 スペーサを介して対向配置されるビーム
スプリッタ基板及び補償基板と、 前記ビームスプリッタ基板及び前記補償基板の表面を両
側から挟持するビームスプリッタホルダとを備えたビー
ムスプリッタにおいて、 前記ビームスプリッタ基板の表面または前記補償基板の
表面の一方と前記ビームスプリッタホルダとの間に介在
させた3つ以上の平面板と、 前記平面板と対向しない反対側の前記ビームスプリッタ
ホルダの所定位置に、前記ビームスプリッタ基板または
前記補償基板の他方を弾性体の弾性復元力により付勢可
能な押え部材とを備え、 かつ、前記複数の平面板は、前記ビームスプリッタ基板
または補償基板との接触面が同一の光学平面上に存在す
るように接着剤を用いて前記ビームスプリッタホルダの
所定位置に固定されてなることを特徴とするビームスプ
リッタ。 - 【請求項3】 少なくとも前記平面板と前記押え部材と
が同軸状に配置されたことを特徴とする請求項1または
2に記載のビームスプリッタ。 - 【請求項4】 前記平面板,スペーサ及び前記押え部材
とが同軸状に配置されたことを特徴とする請求項2に記
載のビームスプリッタ。 - 【請求項5】 前記ビームスプリッタ基板,スペーサ及
び補償基板が、所定の接着剤で一体化されたことを特徴
とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のビームスプ
リッタ。 - 【請求項6】 複数個の平面板を光学基準面に接触さ
せ、 そのまま状態で、前記平面板の露出表面を接着剤を介し
てビームスプリッタホルダに接着させるとともに、前記
光学基準面を備えた治具を取り除き、 次いで、前記ビームスプリッタホルダ内に、所望の各部
材を挿入配置した後、弾性体の弾性復元力を利用して押
え部材と前記平面板との間で所定部材を挟持するように
したことを特徴とするビームスプリッタの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19231794A JPH0836105A (ja) | 1994-07-25 | 1994-07-25 | ビームスプリッタ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19231794A JPH0836105A (ja) | 1994-07-25 | 1994-07-25 | ビームスプリッタ及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0836105A true JPH0836105A (ja) | 1996-02-06 |
Family
ID=16289278
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19231794A Withdrawn JPH0836105A (ja) | 1994-07-25 | 1994-07-25 | ビームスプリッタ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0836105A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018203363A1 (ja) * | 2017-05-01 | 2018-11-08 | 株式会社島津製作所 | ビームスプリッタ組立品 |
CN113149425A (zh) * | 2021-04-22 | 2021-07-23 | 重庆国际复合材料股份有限公司 | 一种玻璃纤维集束装置 |
-
1994
- 1994-07-25 JP JP19231794A patent/JPH0836105A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018203363A1 (ja) * | 2017-05-01 | 2018-11-08 | 株式会社島津製作所 | ビームスプリッタ組立品 |
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