JPH0835927A - 蛍光検出用フローセル及びそれを用いた蛍光検出器 - Google Patents

蛍光検出用フローセル及びそれを用いた蛍光検出器

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JPH0835927A
JPH0835927A JP19231694A JP19231694A JPH0835927A JP H0835927 A JPH0835927 A JP H0835927A JP 19231694 A JP19231694 A JP 19231694A JP 19231694 A JP19231694 A JP 19231694A JP H0835927 A JPH0835927 A JP H0835927A
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holder
window plate
fluorescence
flow cell
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JP19231694A
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English (en)
Inventor
Keiichi Kamimura
敬一 上村
Muneo Saito
宗雄 斉藤
Yoshio Yamauchi
芳雄 山内
Takeshi Shikamata
健 鹿又
Shinichi Kikuchi
真一 菊池
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Jasco Corp
Original Assignee
Jasco Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 励起光の散乱の影響を可及的に抑制できる蛍
光検出用フローセルを提供すること 【構成】 ホルダー16の凹所16b内に、第1のガス
ケット18,第1の窓板11,細長な開口部13aを有
するスペーサ13,第2の窓板12,第2のガスケット
19の順に挿入させ、ホルダーの開口側に装着した窓抑
え板17により各部材を密着させる。第1の窓板,第1
のガスケットには、開口部に連通する貫通孔11a,1
1b、透孔18b,18cを形成し、ホルダに形成され
た流入路16d,流出路16eを介して試料を通過させ
る。ホルダー,第1のガスケットに、開口部の延長方向
と異なる方向に延びる入射口16c,窓孔18aを形成
する。入射口の延長方向から第1の窓板に対して斜めに
励起光を照射させると、分析に使用する蛍光は第2の窓
板から出射され、散乱光は第1の窓板側に発生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体クロマトグラフ分
析装置に用いられる蛍光検出用フローセル及びそれを用
いた蛍光検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のフローセルは、図7に示すよう
に、上下に所定距離をおいてその軸心を一致するように
配置された一対の管状のホルダ1,1間に、ドーナッツ
状のパッキン2,2を介してセル本体3が装着され、そ
れら各部材1〜3の軸心が一致するように調整される。
このセル本体3は、中央に貫通孔3aを有する直方体状
からなり、石英ガラス等の板ガラスの端部を溶着するこ
とにより所定形状に形成される。
【0003】そして、分析時は、蛍光物質を含む試料を
下から上に向けて流すことにより、セル本体3の貫通孔
3aを上方に移動させ、図8に示すように、その移動途
中の試料4に対して励起光を照射させる。すると全方位
に向けて蛍光が発生するが、励起光から最も外れた方向
である励起光と直交方向に発生する蛍光を図外の分光器
にて検出し、所定の分析を行うようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のフローセルには、以下に示す問題を有してい
る。すなわち、フローセルに対し励起光を照射させる
と、その内部の試料4から蛍光が発生するとともに、散
乱光も発生する。その散乱光は、セル本体3の外壁,内
壁のコーナーC部分で大きく発生する。そして、分析に
使用する試料の使用量が、従来法の1/10〜1/10
00の量で測定可能なセミミクロ液クロ,ミクロ液クロ
分析法に対する要請の高まりにともない、フローセル、
より具体的には試料が存在するセル本体3の貫通孔3a
の容量を小型化させる必要が生じる。すると、上記コー
ナーC間の距離(特に内壁側)も短くなり、蛍光側分光
器に散乱光が入射し易くなる。すると、ノイズが増大
し、高感度分析を行うことができなくなる。
【0005】また、従来のフローセルでは、セル本体3
内を試料4が連続的に流れているにもかかわらず、その
構造上コーナーC付近の流れが悪く、当該部位で試料4
が澱んでしまう。また、係る原因その他の理由から、セ
ル本体3の貫通孔3a内壁面に汚れが付着する。したが
って、フローセルを分解し、セル本体3を洗浄しなけれ
ばならないが、セル本体3の貫通孔3aは非常に小さ
く、しかも上述したようにその寸法形状は小型化される
傾向にあるため、洗浄処理は非常に困難となる。
【0006】さらには、上記洗浄のため、或いはセル本
体の破損の場合等にフローセルの分解・組み立てを行う
必要があるが、管径の小さいセル本体3をその両側から
ホルダ1にて押え付ける構造となっているため、軸心を
一致させるのが煩雑であるばかりでなく、その抑え付け
る力が弱いと液漏れを生じ、一方、抑える力が強過ぎる
とセル本体3が破損してしまうという問題を有し、組み
立てに熟練を要する。
【0007】さらにまた、セル本体3は上述の如く石英
等のガラスを溶着することによって製造されているた
め、その溶着面に空気などの混入があるとそこで乱反射
をしたり、正確な正方形(長方形)の角型に加工できな
いなどの問題を有する。よって、製造・加工が煩雑で高
価なものとなる。
【0008】また、使用するセルの容量を変える場合に
は、管径の異なるセル本体を多数製造し、所望のものを
選択しそれを組みつける処理が必要となるが、セル本体
の組み立てが煩雑であるので、容量の変更は簡単には行
えず、しかも、高価なセル本体を多数用意しておくこと
は、よりコスト高を招くことになる。
【0009】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題を解決
し、励起光の散乱の影響が無いか或いは可及的に抑制で
きて高精度の蛍光分析を行うことができ、またセル本体
の内面の洗浄や、フローセルの組み立てが容易となり、
さらに、耐圧性が優れ、簡単に容量を変更することがで
き、しかも、セル本体内での試料の拡散が小さく、内部
で試料が澱むこともなく、低価格の蛍光検出用フローセ
ル及びそれを用いた蛍光検出器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明に係る蛍光検出用フローセルでは、ホル
ダーの凹所内に、少なくとも平板状の第1の窓板,開口
部を有するスペーサ,平板状の第2の窓板の順に挿入配
置させるとともに、前記ホルダーの開口側に着脱自在に
装着された抑え部材により前記各部材を前記凹所の底面
側に付勢して前記両窓板とスペーサとを密着させて前記
開口部を閉塞して試料室を形成する。そして、前記第
1,第2の窓板の一方には前記スペーサに形成した開口
部に連通する一対の貫通孔を形成し、その貫通孔を形成
した窓板と当接する前記ホルダまたは抑え部材に前記透
孔に連通する流入路及び流出路を形成するようにした。
【0011】そして好ましくは、第1の窓板とホルダー
との間に第1のガスケットを挿入したり、及びまたは、
第2の窓板と抑え部材との間に環状の第2のガスケット
を挿入することであり、さらに好ましくは前記スペーサ
に形成する開口部を細長くするとともに、前記ホルダー
の凹所底面側に、前記スペーサに形成した開口部の延長
方向と異なる方向に延びる励起光用の入射口を形成し、
かつ、前記第1のガスケットに前記入射口と同一方向に
延びる窓孔を形成するようにした。
【0012】さらにまた、前記開口部の寸法・形状また
は肉厚の少なくとも一方が異なる複数のスペーサを用意
し、いずれかのスペーサを選択して使用することにより
セル容量を可変とするとなおよい。
【0013】また、本発明に係る蛍光検出器では、上記
構成の蛍光検出用フローセルと、第1の窓板に対し、所
定角度傾斜状に励起光を照射する手段と、前記第2の窓
板側から出射される蛍光を受光し、分析する分析手段と
を備えた蛍光検出用フローセルとから構成した。
【0014】
【作用】抑え部材により、ホルダーの凹所内に収納され
た各部材を、凹所底面側に付勢する。すると、各部材
は、所定の挟持圧力を受けて密着する。これにより、ス
ペーサに形成された開口部は、その両側に位置する両窓
板により閉塞されて試料室を構成する。そして、この試
料室には、窓板に形成された透孔が連通しており、流入
路を介して供給された試料が、係る一方の流路を経て試
料室内に至り、その後他方の流路から流出路を経てフロ
ーセル外に導出される。
【0015】この状態で、蛍光分析を行うが、励起光
は、窓板に対して斜めに照射させる必要がある。すなわ
ち、第1の窓板の平面に対して直交状態(入射角0度)
で照射させると、励起光もそのまま第2の窓板から出射
してしまうからである。そして、本発明では、ホルダー
に形成した入射口を長孔にした場合には、係る入射口の
延長方向から励起光を斜めに照射する。これにより、ホ
ルダーやガスケットに邪魔されることなく励起光が第1
の窓板に対して所定の傾斜角度で照射され、第1の窓板
を透過し、試料室内の試料に照射される。
【0016】すると、試料から蛍光が発生するが、励起
光に対して90度方向に発生した蛍光を分析に使用する
ため、係る蛍光は第2の窓板側に発生する。一方、本発
明では試料室にコーナーがないため散乱光は発生しにく
く、その発生量は小さいばかりか、第1の窓板での表面
反射であるので第1の窓板側に発生し、そのまま外部へ
放射される。よって、散乱光は蛍光と分離される。その
結果第2の窓板側に設置した分析手段には、蛍光のみ入
射し、励起光,散乱光が入り込むことはない。
【0017】一方、スペーサに形成した開口部の形状を
細長にした場合には、不必要に試料室の容量を増やすこ
とがなく、また、試料室内の試料は、その長手方向にそ
ってスムーズに進むため試料室内でよどむことが可及的
に抑制される。
【0018】そして、係る場合にホルダーに形成した入
射口は上記開口部の長手方向と異なる方向に伸びるよう
に形成されているので、入射口の長さを充分長くとれ
る。よって、入射角を大きくしても、確実に試料に照射
される。
【0019】また、試料室の容量は、スペーサに形成し
た開口部の寸法形状及び肉厚により決定されるので、複
数種のスペーサを用意しておき、適宜変えることによ
り、容量が変更される。よって、基本的にスペーサの交
換作業のみで、通常の液クロのみならず、セミミクロ液
クロ,ミクロ液クロ分析法にも適用できる。
【0020】
【実施例】以下本発明に係る蛍光検出用フローセル及び
それを用いた蛍光検出器について添付図面を参照にして
詳述する。図1〜図3に示すように、本実施例では、光
学的に透明な第1,第2の窓板11,12を、スペーサ
13を挟んで対向配置している。そして、スペーサ13
の所定位置には径方向に伸びる細幅な長円状の開口部1
3aが形成され、さらに、第1の窓板11の径方向対向
の所定位置には、2つの貫通孔11a,11bが形成さ
れている。そして、両貫通孔11a,11b間の距離
は、上記開口部13aの長さもより若干短くしている。
【0021】そして、上記3つの部材11〜13は、共
に同一の外径寸法を有する円板状から構成され、それら
を接合した状態では、スペーサ13に形成された開口部
13aの両側が両窓板11,12で閉塞されて所定の空
間15が形成され(図2参照)、これが、測定中に試料
の流路の一部となり、当該部位に存在する試料に対して
励起光を照射するようになってる。すなわち、係る空間
15が試料室となる。さらに、第1の窓板11に形成さ
れた両貫通孔11a,11bは、上記開口部13a(試
料室15)に望むようにして配置され、一方の貫通孔1
1aから流入した試料が、そのまま試料室15内を通っ
て他方の貫通孔11bから流出するようになっている。
【0022】さらに、本例では、上記3つの部材11〜
13が、その密着状態を保持すべく有底円筒状のホルダ
ー16内に挿入されるとともに、ホルダー16の開口側
面に抑え部材たる窓抑え板17を装着し、そのホルダー
16の底面16aと、窓抑え板17との間で挟圧保持す
るようになっている。なお、ホルダー16の底面16a
と第1の窓板11との間には円板状の第1のガスケット
18を介在させ、また、第2の窓板12と窓抑え板17
との間には偏平リング状の第2のガスケット19を介在
させている。さらに、上記窓抑え板17は、止めネジ2
0によりホルダー16の開口側面に着脱自在に固定され
るようになっている。次に各部について詳述する。
【0023】上記のように、両窓板11,12とスペー
サ13とにより試料室15を形成するようになっている
が、まず、両窓板11,12は、石英ガラスを用いて構
成され、スペーサ13は例えばフッ素樹脂(テフロン
(登録商標)等)を用いて構成している。また、スペー
サ13は、当接する両窓板11,12との密着性を良好
にして液密にし、係る部位での液漏れをなくす必要があ
る。さらに、スペーサ13が大きく変形すると開口部1
3aの形状やその肉厚が変わって試料室15の容積が変
動する。従って、ある程度の弾性と、上記容積の変動が
許容される範囲内での剛性という両面を有する必要があ
るため、本例では上記のようにテフロンを用いた。従っ
て、材質としてはテフロンに限ることはなく、テフロン
の代替え品はもちろんのこと、上記の条件を満たすゴ
ム,合成樹脂その他の材質を用いることができる。そし
て、容積の変動の許容範囲が広くなるほど、選択の余地
が広くなるのはもちろんである。
【0024】さらには、スペーサ13の厚みは、通常の
HPLCに用いる試料室15の容量である20μlを得
るためには、1mm程度であり、仮にセミミクロHPL
C用(容量が2μl)のためには0.1mm程度にする
ことにより対応できる。従って、上記スペーサ13の材
料の条件は、この厚さを考慮して決定する必要がある。
すなわち、例えば金等の金属のように一般には弾性力が
なくても、ある程度の軟性を有していれば、係る物質も
スペーサに使用することができる。そして、係る場合
に、例えば窓板11,12をサファイアで構成すると、
液密性を確保しつつ強度も増すので、高耐圧セルとな
る。
【0025】また、両窓板11,12としては、従来一
般に使用されている石英ガラスと、サファイアの例を示
したが、本発明ではこれに限ることはなく、種々の材料
を用いることができ、さらに蛍光側(出射側)の第2の
窓板12を硬質ガラス(例えばパイレックスガラス)に
すると、紫外線が通らないので、2次光カットフィルタ
ーにもなる。
【0026】このように、本例では、独立した2枚の窓
板11,12を用いて試料室15(セル本体)が構成さ
れるので、各窓板11,12を異なる材料のものを用い
て構成することができる。なお、両窓板11,12の厚
さは、例えば1mm程度としている。なおまた、図2,
図3では、便宜上厚み方向の縮尺を適宜変えており、具
体的には、スペーサ13の肉厚を実際のものよりも厚く
示している。すなわち、各部材寸法の比率に応じて記す
と、スペーサ13の厚みはほとんどなくなるため、試料
室15を表記することができなくなるからである。
【0027】また、ホルダー16は、上記各部材11〜
13の外径と同一径の内径を有する円形の凹所16bが
形成され、その凹所16b内に各部材11,13及び各
ガスケット18,19が同軸上に挿入されるようになっ
ている。そして、その底面16aには、径方向に伸びる
幅広な長円状の励起光用入射口16cが形成されてい
る。この入射口16cは、上記スペーサ13に形成され
た開口部13aと所定角度(本例では90度)で交差す
るように配置されている。さらに、その幅は、上記開口
部13aの長さよりも一回り短く設定している。
【0028】また、底面16aの所定位置、すなわち、
上記入射口16cの配置方向と直交する径方向対向位置
には、流入路16d,流出路16eがそれぞれ形成さ
れ、それら流入路16d,流出路16eの一端は、ホル
ダー16の側面に開口され、他端は凹所16b内に開口
され、その凹所16b内の開口位置は、上記第1の窓板
11に形成した貫通孔11a,11bに対向するように
している。
【0029】また、第1のガスケット18にも、上記ホ
ルダー16に形成された開口部16cと同一方向に延び
る長円状の窓孔18a(その幅は一回り小さくしてい
る)が形成され、ホルダー16の開口部16cから入射
された励起光をそのまま通過させ試料室15へ照射可能
としている。さらに、第1の窓部11に形成した貫通孔
11a,11bと、ホルダー16に形成した流入路16
d,流出路16eを連通するための透孔18b,18c
も形成されている。
【0030】また、窓抑え板17は、偏平リング状の基
板の片面側に、その内周縁に沿ったリング状の凸条17
aを形成している。そして、この凸条17aが第2のガ
スケット19に当接し、止めネジ20を締め付けること
により、ホルダー16側へ付勢するようになっている。
【0031】そして、係るフローセルを蛍光検出器に実
装する場合には、図3に示すように、ホルダー16側に
蛍光検出器の光源21を配置するとともに、その光源2
1から出射された励起光が、フローセルの試料室15に
対して45度傾斜状に入射するように各角度を調整し、
また、窓抑え板17側に分光器22を設置する。
【0032】次に、上記した実施例の作用について説明
する。まず、第1のガスケット18に形成した透孔18
b,18cと第1の窓板11に形成した貫通孔11a,
11bを、それぞれホルダー16に形成した流入路16
b,流出路16cに一致するように角度を調整した状態
で、各部材18,11をホルダー16の凹所16b内に
挿入する。また、スペーサ13の開口部13aが、両貫
通孔11a,11bに対向するように第1の窓板11に
接触状態でホルダー16の凹所16b内に収納する。さ
らに、その上に第2の窓板12,第2のガスケット19
を装填する。そして、窓抑え板17の凸条17aがホル
ダー16の凹所16b内に挿入するようにしてその窓抑
え板17を装着し、止めネジ20を締結する。これによ
り、凸条17aが第2のガスケット19を所定圧力でホ
ルダー16の底面16aに向けて付勢し、底面16aと
凸条17aとの間で、各部材11〜13,17,18が
所定圧力で挟持される。そして、その挟持圧力は、止め
ネジ20の締め付け量で調整され、液漏れが生じない程
度の圧力が発生するように締結する。これにより、フロ
ーセルの組み立てが完了する。なお、分解する時には、
止めネジ20を緩め、窓抑え板17をホルダー16から
外すことにより簡単に行える。
【0033】そして、係る構成のフローセルを用いて蛍
光分析を行うには、分析対象の試料をホルダー16の流
入路16dからフローセル内に供給する。すると、係る
試料は、流入路16d,透孔18b,貫通孔11aを通
って試料室15に至り、試料室15内を開口部13aに
沿って(図3中矢印方向)進み、その後、貫通孔11
b,透孔18c,流出路16e内を順次進み、ホルダー
16(フローセル)から排出される。
【0034】この状態で、上記したように第1の窓板1
1側から励起光を45度の角度で照射させる。すると、
ホルダー16の入射口16c,第1のガスケット18の
窓孔18a内を通過して第1の窓板11に至り、その第
1の窓板11内を透過して試料室15内の試料に照射さ
れる。すると、試料から蛍光が発生するが、分析に使用
する蛍光は、励起光に対して90度方向に発生したもの
を使用するため、図3に示すように、励起光と反対側、
すなわち第2の窓板12内を透過して出射される。そし
て、係る蛍光を分光器22に入射させ、所定の分析を行
う。
【0035】一方、励起光が第1の窓板11に照射され
た時に発生する散乱光は、試料室にコーナーがないため
小さく、第1の窓板11の表面での反射に基づくもので
あるので、図3に示すように、第1の窓板11側に存在
し、蛍光(分光器22)とは反対方向に発生するため、
係る散乱光が分光器22に入射することはない。よっ
て、特別なフィルター等を用いることなく励起光を除去
できるので、蛍光と一緒に散乱光が検出されることはな
く、励起光の影響を受けることなく蛍光分析が行え、高
精度の計測が行える。
【0036】また、試料は、両窓板11,12で挟まれ
た狭い空間(スペーサ13の厚み分)からなる試料室1
5内を流れるため、窓板の壁面近傍での流速の速度分布
が小さく、フローセル(試料室15)内での試料の拡散
を抑えることができる。よって、従来のようにセル本体
(本例では試料室15)内で試料が澱むことがなく、高
精度の測定ができるとともに、汚れの付着のおそれも可
及的に抑制される。
【0037】また、スペーサ13の厚さ及びまたは開口
部13の寸法・形状を変えるだけで、試料室15の容量
を変更することができる。従って、係る寸法形状の異な
るスペーサを複数用意しておき、所望のスペーサを選択
し交換することによりセル容量の変更を簡単に行うこと
ができる、そして、容量変更に必要な交換部品は基本的
にスペーサのみで済むので、安価となる。また、交換作
業も止めネジの着脱により簡単に行えるとともに、たと
え締結力を強くしても、各部品が円板状で単純な形状か
らなるので、耐圧が高い。
【0038】なお、上記した実施例では、励起光を試料
室15(第1の窓板11に対して)45度傾斜状に照射
するようにしたが、本発明はこれに限ることなく、所定
角度に傾斜していればよい。そして、励起光の影響を受
けることなく蛍光を第2の窓板12側に出射させるとと
もに散乱光を第1の窓板側に発生させるために好ましい
範囲としては30〜60度である。また、上記のように
45度とすると、光源21,分光器22やフローセルの
相対角度位置の調整が容易になるのでより好ましい。
【0039】図4〜図6は、より具体的な実施例を示し
ている。すなわち、基本的な構成は上記した第1実施例
と同様で、スペーサ13´を挟んでその両側に第1,第
2の窓板11´,12´を配置し、さらに、その両側に
第1,第2のガスケット18´,19´を配置した状態
でホルダー16´の凹所16´b内に挿入し、開口側に
止めネジ20´で装着された窓抑え板17´により、各
部材11´〜13´,18´,19´が所定の位置関係
で挟圧保持されるしている。そして、ホルダー16´の
入射口16´cから励起光が入射されるようになる。
【0040】一方、ホルダー16´は、取付プレート1
6´gの裏面側に略矩形状の本体16´hを一体に形成
し、流入路16´e,流出路16´eには、その外側に
連通管23が装着されており、取付プレート16´gの
前面に連通されている。
【0041】ここで本実施例では、本体16´hの一面
に金属板からなる板バネ25を取り付けている。この板
バネ25は、平面略コ字状でその先端側に半球状に湾曲
した突出部25aを備えている。そして、この板バネ2
5に、所定の色ガラスフィルタ26を着脱自在に装着可
能としている。このように板バネ25の弾性復元力によ
り色ガラスフィルタ26を所定位置に簡単に取り付ける
ことができ、また、不使用時、或いは他の色ガラスフィ
ルタ26に交換する時も、簡単に取り外すことができ
る。なお、この例では、励起光の入射側にのみ色ガラス
フィルタを取り付けるようにしたが、蛍光の出射側に取
り付けるようにしてもよく、或いは両方に取り付けるよ
うにしても良い。
【0042】なお、上記した各実施例では、いずれも第
1の窓板,第1のガスケット側に、試料が流れるための
貫通孔,透孔を形成したが、本発明ではこれに限ること
なく、第2の窓板,第2のガスケット側に形成してもも
ちろん良い。
【0043】また、ホルダーに形成した入射口と、スペ
ーサに形成した開口部とのなす角を上記した実施例では
90度としたが、本発明ではこれに限ることなく、任意
の角度で傾斜(交差)されていればよい。
【0044】また、窓板をサファイア等の硬い材質で形
成したり、または、ホルダーを樹脂で作成した場合には
窓板の材質は石英のままでも、ガスケットを設けなくて
もよい。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る蛍光検出用
フローセル及びそれを用いた蛍光検出器では、励起光を
照射した際に生じる散乱光と分析に使用する蛍光が、フ
ローセルを挟んで反対側に生じるので、特別なフィルタ
ー等を用いることなく励起光を除去でき、蛍光と一緒に
散乱光が検出されることはなく、高精度の計測が行え
る。
【0046】また、試料は、両窓板で挟まれた狭い空間
(スペーサの厚み分)からなる試料室内を流れるため、
窓板の壁面近傍での流速の速度分布が小さく、フローセ
ル(試料室)内での試料の拡散を抑えることができる。
よって、フローセル内で試料が澱むことがなく、高精度
の測定ができるとともに、汚れの付着のおそれも可及的
に抑制される。
【0047】そして、たとえ汚れたりしても、分割,組
立が容易に行え、しかも、分解した状態では各部材は単
純な板状等に形成されているので、洗浄も容易に行え
る。また、同様の理由から各部品のメンテナンスや交換
作業も容易に行える。さらに、各部品の形状が、単純な
形状(板状等)であるので、耐圧性が良好となるととも
に安価にもなる。
【0048】また請求項3のように構成すると、試料は
長手方向に沿って進むため、試料室内でよどむことがよ
り確実に抑制されるとともに、不必要に試料室の容量が
大きくなるのが抑制できる。そして、ホルダーに形成す
る入射口も長孔としているので、係る長穴の延長方向か
ら励起光を照射することにより、入射角を大きくしても
確実に試料に照射することができる。
【0049】さらに請求項2や4のように構成すると、
液もれを確実に抑制できる。
【0050】また、請求項5のように構成すると、スペ
ーサの厚さ及びまたは開口部の寸法・形状を変えるだけ
で、試料室の容量を変更することができ、容量の変更を
簡単に行え、しかも、容量変更に必要な交換部品は基本
的にスペーサのみで済むので、安価となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蛍光検出用フローセルの一実施例
を示す分解斜視図である。
【図2】その実施例の蛍光検出用フローセルを組み立て
た状態での図1中II−II線矢視断面図である。
【図3】同III −III 線矢視断面図である。
【図4】本発明に係る蛍光検出用フローセルのより具体
的な実施例を示す斜視図である。
【図5】その裏面側から見た状態を示す斜視図である。
【図6】その断面図である。
【図7】従来例を示す図である。
【図8】従来例を示す図である。
【符号の説明】
11 第1の窓板 12 第2の窓板 13 スペーサ 13a 開口部 15 試料室 16 ホルダー 17 窓抑え板 18 第1のガスケット 19 第2のガスケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鹿又 健 東京都八王子市石川町2967番地の5 日本 分光株式会社内 (72)発明者 菊池 真一 東京都八王子市石川町2967番地の5 日本 分光株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホルダーの凹所内に、少なくとも平板状
    の第1の窓板,開口部を有するスペーサ,平板状の第2
    の窓板の順に挿入配置させるとともに、前記ホルダーの
    開口側に着脱自在に装着された抑え部材により前記各部
    材を前記凹所の底面側に付勢して前記両窓板とスペーサ
    とを密着させて前記開口部を閉塞して試料室を形成し、 前記第1,第2の窓板の一方には前記スペーサに形成し
    た開口部に連通する一対の貫通孔を形成し、 その貫通孔を形成した窓板と当接する前記ホルダまたは
    抑え部材に前記透孔に連通する流入路及び流出路を形成
    してなる蛍光検出用フローセル。
  2. 【請求項2】 前記第1の窓板と前記ホルダーとの間、
    または前記第2の窓板と前記抑え部材との間の少なくと
    も一方に、ガスケットを挿入配置し、 かつ、前記ガスケットは、少なくとも中央部分は所定形
    状の窓孔を形成するとともに、前記貫通孔を形成した窓
    板と当接するガスケットの所定位置には、前記貫通孔と
    連通する透孔を形成してなる請求項1に記載の蛍光検出
    用フローセル。
  3. 【請求項3】 前記スペーサに形成する開口部を細長に
    形成するとともに、 前記ホルダーの凹所底面側に、前記スペーサに形成した
    開口部の延長方向と異なる方向に延びる励起光用の入射
    口を形成し、かつ、前記第1のガスケットに前記入射口
    と同一方向に延びる窓孔を形成してなる請求項1または
    2に記載の蛍光検出用フローセル。
  4. 【請求項4】 前記開口部の寸法・形状または肉厚の少
    なくとも一方が異なる複数のスペーサを用意し、いずれ
    かのスペーサを選択して使用することによりセル容量を
    可変とした請求項1〜3のいずれかに記載の蛍光検出用
    フローセル。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の蛍光検
    出用フローセルと、 前記第1の窓板に対し、所定角度傾斜状に励起光を照射
    する手段と、 前記第2の窓板側から出射される蛍光を受光し、分析す
    る分析手段とを備えた蛍光検出用フローセルを用いた蛍
    光検出器。
JP19231694A 1994-07-25 1994-07-25 蛍光検出用フローセル及びそれを用いた蛍光検出器 Withdrawn JPH0835927A (ja)

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