JP2010025637A - 分析装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面に試料を固定可能な基板8を設置する基板設置部3と、基板設置部3に設置した基板8に対向設置する光透過部材9と、基板8と光透過部材9との間の空間32に試料及び溶媒を供給する供給手段9aと、試料及び溶媒を保持しつつ空間32の間隔を設定する間隔設定手段30と、光透過部材9を介して試料に光を照射する光照射部と、試料の表面で反射した光を、光透過部材9を介して受光する光検出部とを備える分析装置。
【選択図】図2
Description
一方、生体分子における立体構造(三次構造)の変化は、生体分子の分子認識機能に重大な影響を及ぼし得るものであり、例えば、立体構造が変化することによって分子認識機能が大幅に低下してしまう虞もある。
そのため、生体分子を基板に固定する際、その生体分子の立体構造変化をできる限り抑えるための工夫が必要であると共に、生体分子が基板の表面に対してどのような状態で固定されているかを正確に把握する技術がバイオセンサーを開発する上で重要となる。
基板表面に固定した生体分子の立体構造を解析可能な従来の分析装置としては、例えば、特許文献1に開示される反射吸収法を採用する赤外分光装置や、特許文献2に開示される全反射測定法を採用する赤外分光装置が知られている。
表面に試料を固定可能な基板を設置する基板設置部と、
前記基板設置部に設置した基板に対向設置する光透過部材と、
前記基板と前記光透過部材との間の空間に試料及び溶媒を供給する供給手段と、
前記試料及び前記溶媒を保持しつつ前記空間の間隔を設定する間隔設定手段と、
前記光透過部材を介して前記試料に光を照射する光照射部と、
前記試料の表面で反射した光を、前記光透過部材を介して受光する光検出部とを備える点にある。
本発明の分析装置は、試料及び溶媒を保持しつつ、基板と光透過部材との間の空間の間隔を設定する間隔設定手段を備えているため、基板と光透過部材との間に非常に厚みの薄い空間を形成することができる。供給手段を介して当該空間に試料及び溶媒を供給すると、試料は基板の表面に固定されて溶媒の中に埋没する。そのため、前記空間には、試料を含む非常に薄い溶媒層が形成される。
前記間隔設定手段が環状のスペーサであり、前記供給手段が、前記スペーサと前記基板と前記光透過部材とで囲まれた前記空間に連通するように前記光透過部材に貫通形成された流入路である点にある。
本発明によれば、間隔設定手段として環状のスペーサを使用することによって、試料及び溶媒を保持する空間を、基板と光透過部材との間に容易に形成することができる。
さらに、光透過部材に貫通形成された流入路を介して、試料及び溶媒を前記空間に簡便且つ確実に供給することができ操作性が向上する。
前記間隔設定手段を前記光透過部材の側に付勢する付勢手段を備えた点にある。
本発明によれば、試料及び溶媒を前記空間に供給する際の圧力によって生じ得る間隔設定手段の歪みを抑えて、前記基板と前記光透過部材との間隔が変化するのを防止することができる。その結果、前記空間に形成される溶媒層の厚さを一定に維持して、試料の分析精度を向上させることができる。
前記付勢手段の付勢力を調節する付勢力調節機構を備える点にある。
本発明によれば、付勢力調節機構により付勢手段の付勢力を調節することによって、基板と光透過部材との間隔をより安定化することができる。その結果、間隔設定手段に生じ得る歪みをより効果的に抑え、試料の分析精度をさらに向上させることができる。
〔実施形態〕
本発明に係る分析装置について、図1乃至図5に基づいて説明する。
光源2から照射された光は、第1ミラー5a及び第2ミラー5bを反射し、サンプルホルダー3のプリズム9を透過して基板8の表面に照射される。基板8にて反射した光は、再びプリズム9を透過した後、順に第3ミラー5c、第4ミラー5d、及び第5ミラー5eと反射して検出器4へと導かれる。
尚、本発明の分析装置1に適用し得る光としては、例えば、赤外光、近赤外光、可視光、紫外光、テラヘルツ光等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
付勢手段としてのバネ部材10、
小径部分11aと大径部分11bとを有するバネホルダー11、
外形が立方体状であって内部にバネ部材10及びバネホルダー11を収容可能な円柱状の収容空間12aを有する基板設置台12、
基板設置台12の上に設置した基板8に対向設置する光透過部材としてのプリズム9、
プリズム9をブロック体13の上面に固定するための押え部材22、
基板設置台12が上下方向に移動可能に嵌挿される直方体状の貫通孔13aを中央に有する金属製のブロック体13、
付勢力調節機構としての螺子部材14、
中央に螺子部材14を螺入する貫通孔を有する円盤状の螺子保持部材19、及び
ブロック体13と螺子保持部材19とを支持する支持台34、を備えて構成されている。
貫通孔20は、円盤部19a側に形成されている小径貫通部分20aと、小径貫通部分20aに連設し、その直径が小径貫通部分20aより大きい大径貫通部分20bとを有する。大径貫通部分20bの内周面には雌ねじ部21が形成されている。
小径螺子部分14aの外周には、その周方向に沿って2つの溝15,15が設けられており、その2つの溝15,15の夫々に密封用Oリング16,16が設けられている。
さらに小径螺子部分14aには、螺子部材14の上方への螺入移動を制限し得るロッキングリング17が、大径螺子部分14bに当接した状態で嵌め込まれている。尚、ロッキングリング17の外径は、貫通孔20の大径貫通部分20bの内径よりもわずかに小さく、尚且つ、小径貫通部分20aの内径よりも大きく設定されている。
大径螺子部分14bの外周面には雄ねじ部18が形成されている。
螺子部材14の小径螺子部分14aは、小径貫通部分20aに嵌入して、小径螺子部分14aの2つの密封用Oリング16,16が小径貫通部分20aの内周面に密着する。
このとき、図2に示されるように、バネ部材10とバネホルダー11とは、バネホルダー11の小径部分11aがバネ部材10の中に入り込むと共に、バネ部材10がバネホルダー11の大径部分11bの上に設置された状態で基板設置台12の収容空間12aに収容される。尚、バネホルダー11の大径部分11bの直径は、基板設置台12の収容空間12aの内径よりもわずかに小さく構成されている。
尚、本発明の分析装置1は、試料の表面で反射した反射光を測定する反射吸収法を採用している。反射吸収法における基板については、その表面に生体分子等の試料を固定可能であって、尚且つ、光を反射する材料で構成されていれば良い。そのため本発明においては、様々な種類の基板を使用することができる。
円形溝13bに沿って嵌め込まれているOリング31と、基板8の上に設置されている環状スペーサ30とを覆うように、断面台形錘状のプリズム9をブロック体13の上面に設置する。
次いで、固定板23を備える押え部材22をプリズム9の上面に設置する。固定板23をブロック体13の固定柱13cの上に設置してボルト28b及びナット29で締結することによって、プリズム9を、その上方からブロック体13の上面の所定位置に押さえ付けるようにして固定する。
また、螺子部材14の小径螺子部分14aの先端は曲面であり、バネホルダー11の大径部分11bの下面に設けた円錐状の凹みの外周部分のみに接触して力を伝達する。その結果、螺子部材14に軸ずれが発生しても影響を最小限に留め、バネホルダー11に常に垂直方向の力を伝達することが可能となる。
バネ部材10を上下に伸縮させることによってバネ部材10の付勢力を自在に調節することが可能となり、基板8とプリズム9との間隔をより安定化することができる。その結果、環状スペーサ30に生じ得る歪みをより効果的に抑えて、試料の分析精度をさらに向上させることができる。
(実施例1)装置構成
赤外吸収スペクトル装置:JEOL JIR−7000 FT−IR spectrometer
検出器:MCT検出器(mercury cadmiumu telluride)尚、MCT検出器は、液体窒素冷却して使用した。
1.濃硫酸:30%過酸化水素水=4:1
2.20%アンモニア水:30%過酸化水素水:水=1:4:20
3.1%フッ化水素溶液(HF溶液)
4.濃塩酸:30%過酸化水素水:水=1:1:4
室温でエタノールに30分間浸漬、水ですすぎ、乾燥窒素吹きつけの後、10分間真空状態に置いた。調製直後の5%(v/v)のPEG溶液(Gelest/HPLC grade エタノール(和光純薬))4mL〜5mLをフッ化カルシウムプリズムの表面に重層し、4時間後に同じ5%(v/v)PEG溶液に置き換え、終夜放置した。過剰量のエタノール、超純水に順次浸漬して洗浄して乾燥窒素を吹き付けた後、10分間真空状態に置いた。
上記実施例1に記載される赤外吸収スペクトル装置において、ベースラインの安定性を以下の手順に沿って測定した。
1.フッ化カルシウムプリズム、厚さ8μmのニッケルスペーサー、及びBML基板を装置にセットする。
2.重水を注入する。
3.チャンバーを6時間真空引きする。
4.FT−IRスペクトルを測定(BG)する。
5.注入速度を2mL/時間、5mL/時間、10mL/時間と変えて、各注入速度で10分間注入して5分間静止した後、FT−IRスペクトルを測定(シグナルS1〜S3)する。
6.それぞれのシグナルについて、−log10(Sn/BG)、n=1〜3を計算する。
結果を図6に示す。図6に示されるように、タンパク質等の生体分子の吸収が認められ得る波数1500cm-1〜1800cm-1付近のベースラインの変動は小さくフラットであり、非常に安定していた。
上記実施例1に記載される赤外吸収スペクトル装置において、チャンバーの真空度が高い状態と低い状態におけるベースラインの変動を以下の手順で評価した。
1.フッ化カルシウムプリズム、厚さ8μmのニッケルスペーサー、及びBML基板を装置にセットする。
2.重水を注入する。
3.チャンバーを2時間(真空度が低い状態)、あるいは6時間(真空度が高い状態)真空引きする。
4.FT−IRスペクトルを測定(BG)する。
5.一定時間間隔でFT−IRスペクトルを測定(シグナルSn、n=1〜)する。
6.それぞれのシグナルについて、−log10(Sn/BG)を計算する。
図7は、真空度が低い状態でのベースラインの変動を1時間毎に測定したものである。また、図8は、真空度が高い状態でのベースラインの変動を15分毎に測定したものである。図7及び図8に示されるように、波数1500cm-1〜1800cm-1付近のベースラインは、真空度が低い状態の方は変動が大きく不安定であった。特に、測定を開始してから1時間後のベースラインを比較するとその差は明らかであった。
上記実施例1に記載される赤外吸収スペクトル装置において、環状スペーサによる違いを参考例1に記載の手順に沿って測定した。
厚さ8μmのニッケルスペーサーに代えて厚さ12μmのアルミ製の環状スペーサを使用し、重水の注入速度を0.5mL/時間、1.0mL/時間と変えた。結果を図9に示す。ベースラインの変動に対して影響の小さい遅い注入速度に変えたにも関わらず、図9に示されるように、波数1500cm-1〜1800cm-1付近のベースラインの変動が非常に大きく不安定であった。
上記実施例1に記載される赤外吸収スペクトル装置を用いて、重水中に存在するフィブロネクチンの赤外吸収スペクトルを以下の手順に沿って測定した。
1.フッ化カルシウムプリズム、厚さ8μmのニッケルスペーサー、及びBML基板を装置にセットする。
2.チャンバーを1時間真空引きする。
3.FT−IRスペクトルを測定(プリズムバックグランドBGP)して、チャンバー内の気圧を大気圧に戻す。
4.ニッケルスペーサとBML基板とフッ化カルシウムプリズムとで囲まれた厚さ8μmの空間の中に溶媒として重水を注入する。
5.チャンバーを6時間真空引きする。
6.バックグランドのFT−IRスペクトルを測定してその赤外強度(BG)を得る。
7.フィブロネクチン(Sigma−Aldrich社製)を重水(Sigma−Aldrich社製)に溶解して、1.11nMの濃度の試料溶液を調製する。この試料溶液100μLを2mL/時間で注入して3時間静止する。
8.FT−IRスペクトルを測定して赤外強度(シグナルS0)を得る。
9.重水を0.5mLずつ注入して合計5回の洗浄を行うと共に、洗浄毎にFT−IRスペクトルを測定して5種類の赤外強度(シグナルS1〜S5)を得る。尚、シグナルS1〜S5はそれぞれ、1回目〜5回目の洗浄を行ったときの赤外強度であり、例えば、S1は1回目の洗浄を行ったときの赤外強度である。
10.バックグランド(BG)と、シグナルS0〜S5から−log10(Sn/BG)、n=0〜5を計算してフィブロネクチンの6種類の赤外吸収スペクトルをそれぞれ算出する。結果を図10に示す。
図10に示されるように、重水による4回目の洗浄(S4)で赤外吸収スペクトルが安定し、空間に存在する未固定のフィブロネクチンが除去され、基板の表面に固定されたフィブロネクチンのみを測定することができた。また、波数1638cm-1、1683cm-1にフィブロネクチンのタンパク質構造由来のアミドIバンドが観察された。
次いで、比較のため真空中におけるフィブロネクチンの赤外吸収スペクトル測定を以下の手順に沿って実施した。尚、本比較例においては、上記実施形態に記載されるサンプルホルダー13に替えて、図16に示されるように、基板8のみを水平に設置可能な真空中測定用サンプルホルダー35を使用した。
1.上記実施例2で使用した赤外吸収スペクトル装置のサンプルホルダーを分解し、基板を1mLの重水で洗浄した後、窒素を吹き付ける。
2.サンプルホルダーを真空中測定用サンプルホルダー(図16)に替え、先の1.で乾燥した基板をシリコングリースで貼り付ける。
3.真空状態でFT−IRスペクトルを測定して赤外強度(シグナルV)を得る。
4.紫外線照射装置36によるUV(紫外線)灰化で基板表面に固定された生体物質を除去する。
5.真空状態でバックグランドのFT−IRスペクトルを測定してその赤外強度(BG)を得る。
6.バックグランド(BG)と、シグナルVから−log10(V/BG)を計算して真空中のフィブロネクチンの赤外吸収スペクトルを算出する。
図11に示されるように、アミドIバンドは観察されたが、真空中でのタンパク質構造変化によって、実施例2の図10に示される赤外吸収スペクトルとは異なるものとなっていた。
上記実施例1に記載される赤外吸収スペクトル装置を用いて、重水中に存在する抗体(IgG)の赤外吸収スペクトルを以下の手順に沿って測定した。ただし実施例1に記載の装置構成の内、フッ化カルシウムプリズムの表面を被覆するPEG溶液を10%(v/v)に変更して使用した。
1.フッ化カルシウムプリズム、厚さ8μmのニッケルスペーサー、及び金(Au)基板を装置にセットする。
2.チャンバーを1時間真空引きする。
3.FT−IRスペクトルを測定(プリズムバックグランドBGP)して、チャンバー内の気圧を大気圧に戻す。
4.ニッケルスペーサと金(Au)基板とフッ化カルシウムプリズムとで囲まれた厚さ8μmの空間の中に溶媒として重水をベースにして調製した生理食塩水を注入する。
5.チャンバーを6時間真空引きする。
6.バックグランドのFT−IRスペクトルを測定してその赤外強度(BG)を得る。
7.マウス由来IgG抗体(Sigma−Aldrich社製)を重水(Sigma−Aldrich社製)をベースにした生理食塩水に溶解して、33μMの濃度の試料溶液を調製する。この試料溶液100μLを2mL/時間で注入して1時間静止する。
8.FT−IRスペクトルを測定して赤外強度(シグナルS0)を得る。
9.重水を0.5mLずつ注入して合計5回の洗浄を行うと共に、洗浄毎にFT−IRスペクトルを測定して5種類の赤外強度(シグナルS1〜S5)を得る。尚、シグナルS1〜S5はそれぞれ、1回目〜5回目の洗浄を行ったときの赤外強度であり、例えば、S1は1回目の洗浄を行ったときの赤外強度である。
10.バックグランド(BG)と、シグナルS0〜S5から−log10(Sn/BG)、n=0〜5を計算して抗体(IgG)の6種類の赤外吸収スペクトルをそれぞれ算出する。結果を図12に示す。図12に示されるように波数1639cm-1に抗体(IgG)のタンパク質構造由来のアミドIバンドが観察された。
次いで、比較のため真空中における抗体(IgG)の赤外吸収スペクトル測定を以下の手順に沿って実施した。尚、本比較例においては、上記実施形態に記載されるサンプルホルダー13に替えて、図16に示されるように、基板8のみを水平に設置可能な真空中測定用サンプルホルダー35を使用した。
1.上記実施例3で使用した赤外吸収スペクトル装置のサンプルホルダーを分解し、基板を1mLの重水で洗浄した後、窒素を吹き付ける。
2.サンプルホルダーを真空中測定用サンプルホルダー(図16)に替え、先の1.で乾燥した基板をシリコングリースで貼り付ける。
3.真空状態でFT−IRスペクトルを測定して赤外強度(シグナルV)を得る。
4.紫外線照射装置36によるUV(紫外線)灰化で基板表面に固定された生体物質を除去する。
5.真空状態でバックグランドのFT−IRスペクトルを測定してその赤外強度(BG)を得る。
6.バックグランド(BG)と、シグナルVから−log10(V/BG)を計算して真空中の抗体(IgG)の赤外吸収スペクトルを算出する。結果を図13に示す。
図13に示されるように、アミドIバンドは観察されたが、真空中でのタンパク質構造変化によって、上記実施例3の図12の赤外吸収スペクトルとは異なるものとなっていた。
プリズム表面に対するフィブロネクチンの吸着性について評価した。
上記実施例1の装置構成において、以下の表1に記載される表面の被覆条件が異なる種々のフッ化カルシウムプリズムを使用すると共に、上記実施例2の手順において、7のフィブロネクチン溶液の調製で重水の代わりに同じく以下の表1に記載される塩濃度の異なる溶媒に一定量のフィブロネクチンを溶解して種々の試料溶液を調製した。実施例2の手順を行った後、さらに以下の手順に沿って測定した。
1.赤外吸収スペクトル装置のサンプルホルダーを分解し、プリズムを1mLの重水で洗浄した後、窒素を吹き付け、新たな基板と共に再びサンプルホルダーを組み立て、チャンバーを1時間真空引きする。
2.FT−IRスペクトルを測定する(吸着スペクトルSPn、n=1〜)。
3.プリズムバックグランド(BGP)と吸着スペクトルSPnから−log10(SPn/BGP、n=1〜)を計算しフッ化カルシウムプリズムへのフィブロネクチン吸着による赤外吸収スペクトルをそれぞれ算出する。
図14に示されるように、条件Dが、最もプリズムに対するフィブロネクチンの吸着が低かった。
プリズム表面に対する抗体(IgG)の吸着性について評価した。
上記実施例1の装置構成において、以下の表2に記載される表面の被覆条件が異なる種々のフッ化カルシウムプリズムを使用すると共に、上記実施例3の手順において、7の抗体(IgG)溶液の調製で重水をベースにした生理食塩水の代わりに同じく以下の表2に記載される塩濃度の異なる溶媒に一定量の抗体(IgG)を溶解して種々の試料溶液を調製した。実施例3の手順を行った後、さらに以下の手順に沿って測定した。
1.赤外吸収スペクトル装置のサンプルホルダーを分解し、プリズムを1mLの重水で洗浄した後、窒素を吹き付け、新たな基板と共に再びサンプルホルダーを組み立て、チャンバーを1時間真空引きする。
2.FT−IRスペクトルを測定する(吸着スペクトルSPn、n=1〜)。
3.プリズムバックグランド(BGP)と吸着スペクトルSPnから−log10(SPn/BGP、n=1〜)を計算しフッ化カルシウムプリズムへのフィブロネクチン吸着による赤外吸収スペクトルをそれぞれ算出する。
図15に示されるように、条件Dが、最もプリズムに対する抗体(IgG)の吸着が低かった。
2 光源(光照射部)
3 サンプルホルダー(基板設置部)
4 検出器(光検出部)
8 基板
9 プリズム(光透過部材)
9a 流入路(供給手段)
10 バネ部材(付勢手段)
14 螺子部材(付勢力調節機構)
30 環状スペーサ(間隔設定手段)
32 空間
S 試料
Claims (4)
- 表面に試料を固定可能な基板を設置する基板設置部と、
前記基板設置部に設置した基板に対向設置する光透過部材と、
前記基板と前記光透過部材との間の空間に試料及び溶媒を供給する供給手段と、
前記試料及び前記溶媒を保持しつつ前記空間の間隔を設定する間隔設定手段と、
前記光透過部材を介して前記試料に光を照射する光照射部と、
前記試料の表面で反射した光を、前記光透過部材を介して受光する光検出部とを備える分析装置。 - 前記間隔設定手段が環状のスペーサであり、前記供給手段が、前記スペーサと前記基板と前記光透過部材とで囲まれた前記空間に連通するように前記光透過部材に貫通形成された流入路である請求項1に記載の分析装置。
- 前記間隔設定手段を前記光透過部材の側に付勢する付勢手段を備える請求項1又は請求項2に記載の分析装置。
- 前記付勢手段の付勢力を調節する付勢力調節機構を備える請求項3に記載の分析装置。
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