JPH0835779A - 廃棄物溶融炉 - Google Patents

廃棄物溶融炉

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JPH0835779A
JPH0835779A JP19354594A JP19354594A JPH0835779A JP H0835779 A JPH0835779 A JP H0835779A JP 19354594 A JP19354594 A JP 19354594A JP 19354594 A JP19354594 A JP 19354594A JP H0835779 A JPH0835779 A JP H0835779A
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JP
Japan
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furnace
waste
lining
melt
discharge port
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JP19354594A
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Inventor
Tatsuo Yuasa
達夫 湯浅
Tetsuhisa Sugiura
哲久 杉浦
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 廃棄物溶融炉において、内面のライニング
を、寿命を損なうことなく薄くすることが出来るように
して炉の小型化を図り、又、炉天井の破損時の危険性を
低く抑え、炉底におけるライニングの目地や亀裂に溶融
物の重金属が浸透してきてもそれが炉底から下方に漏れ
出す事故の発生を防止する。 【構成】 炉体における天井板、炉側板、炉底板等の内
面を覆うライニングは比較的薄く構成し、天井板、炉側
板、炉底板を介して各ライニングを冷却することによ
り、それらの溶損を抑制する。従って各ライニングの寿
命が長い。スプレー手段による冷却は、水量が少ない故
に比較的安全である。又炉底にあって目地などに浸透し
た金属はライニング中で固化し下方への漏出が防止され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は種々の廃棄物を減容化の
為に溶融処理する廃棄物溶融炉に関する。
【0002】
【従来の技術】炉体を、溶融物を受ける為の炉底と、上
記炉底上に置かれる溶融物及びその上側の空間の側方周
囲を取り囲む為の炉側と、上記空間の上側を閉ざす為の
炉天井とから構成する。それら炉底、炉側、炉天井は、
何れも鉄皮の内面を鉄皮保護用の厚いライニングで覆っ
て構成している。炉天井には廃棄物投入口とガス排出口
とを設け、炉側には溶融物排出口を設け、炉体内には廃
棄物加熱用の加熱手段を備えさせている(例えば特開平
6−82028号公報参照)。
【0003】上記のような廃棄物溶融炉では、上記廃棄
物投入口から投入した廃棄物を上記加熱手段による加熱
により溶融させることにより廃棄物の容積を大きく減ら
すことが出来る。又、溶融中において廃棄物から生ずる
腐食性のガスから上記鉄皮を保護する為のライニングは
その厚みを大きくしているため、炉の長期操業に伴い次
第にライニングに溶損が生じても、依然として上記保護
効果を維持でき、従って炉を長期間にわたって連続稼働
させられる特長がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この従来の廃棄物溶融
炉では、上記のようにライニングが厚い為、例えば炉天
井に関しては、重量が大きくて高強度の支持構造を必要
としたり、天井の厚みが大きくて炉の内容量の割に炉の
背を高くしたりする問題点があった。尚水冷ジャケット
製の炉天井を利用してその厚みを小さく抑えることも考
えられたが、水冷ジャケットは破損した場合に大量の水
が炉内に落ちて爆発事故を起こしたりする危険があるた
め、採用に至っていない。又炉側に関しては、上記のよ
うに厚いライニングのために炉側の厚み寸法が大きく、
その結果、炉の内容量の割に炉の直径が大きくなって大
きな設置面積を占有する問題点があった。更に炉底に関
しては、ライニングが厚い為に炉底の厚みが大きくて炉
の内容量の割に炉の背を高くする問題点があった。又廃
棄物中には銅や鉛、亜鉛等の重金属が多く含まれそれが
炉内のベースメタルに溶け込むが、それらは低融点であ
るため、炉底のライニングの目地や亀裂に沿って下方に
浸透し、ライニングとの熱膨張差によりライニングを損
傷させたり、或いは鉄皮を溶解させて上記溶融物が炉底
から下方に漏出する事故を生ずる問題点があり、更にそ
の漏出によって環境の汚染を引き起こしたりする可能性
のある問題点もあった。
【0005】本願発明の廃棄物溶融炉は上記従来技術の
問題点(技術的課題)を解決する為に提供するものであ
る。第1の目的は、廃棄物を溶融させて減容化すること
の出来る廃棄物溶融炉を提供することである。第2の目
的は、天井板、炉側板、炉底板などを、その内面のライ
ニングによって上記廃棄物の溶融物や上記のガスから長
期間にわたり保護することができて、長期間の連続使用
を可能に出来るようにした廃棄物溶融炉を提供すること
である。第3の目的は、上記天井板の保護のためのライ
ニングの厚みを、長期にわたる保護効果を損なうことな
く薄くできるようにして、炉天井の厚み寸法を小さく
し、その軽量化を図ると共に、炉の背の高さの小型化を
図ることである。第4の目的は、炉天井の破損が生じて
も、それによる危険性を低く抑えることが出来るように
することである。第5の目的は、上記炉側板の保護のた
めのライニングの厚みを、長期にわたる保護効果を損な
うことなく薄くできるようにして、炉の内容量の割に炉
径をコンパクト化することが出来るようにした廃棄物溶
融炉を提供することである。第6の目的は、上記炉底板
の保護のためのライニングの厚みを、長期にわたる保護
効果を損なうことなく薄くできるようにして、炉底の厚
み寸法を小さくし炉の背の高さの小型化を図ることであ
る。第7の目的は、炉底のライニングの目地や亀裂に溶
融物の重金属が浸透してきても、それが炉底から下方に
漏れ出す事故の発生を防止し、それにより上記重金属に
よる環境の汚染を防止できるようにすることである。第
8の目的は、上記薄く形成したライニングによる天井
板、炉側板、炉底板などの保護効果の維持を、低いラン
ニングコストでもって行い得るようにすることである。
第9の目的は、上記薄く形成したライニングによる天井
板、炉側板、炉底板などの保護効果の維持の為の冷却手
段としては水冷ジャケットでなく、スプレー方式を採用
することによって、水冷ジャケットのような水圧が天井
板、炉側板、炉底板などにかからないようにし、万が一
天井板、炉側板、炉底板などの破損事故が生じた場合に
おいても炉内へ漏れる水量を僅かにすることが出来て、
水漏れによる爆発の危険を少なくできるようにすること
である。他の目的及び利点は図面及びそれに関連した以
下の説明により容易に明らかになるであろう。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為
に、本願発明における廃棄物溶融炉は、溶融物を受ける
為の炉底と、上記炉底上に位置させる溶融物及びその上
側の空間の側方周囲を取り囲む為の炉側と、上記空間の
上側を閉ざす為の炉天井とから成る炉体には、廃棄物投
入口と溶融物排出口とガス排出口とを備えさせると共
に、上記炉体内には廃棄物加熱用の加熱手段を備えさせ
て、上記廃棄物投入口から上記空間に投入した廃棄物を
上記加熱手段による加熱により溶融させ、溶融した溶融
物を上記溶融物排出口から排出すると共に、廃棄物から
生じたガスは上記ガス排出口から排出するようにしてい
る廃棄物溶融炉において、上記炉天井は、金属製の天井
板とその下面を覆うライニングとにより構成すると共
に、上記ライニングの厚みは、その上面側からの冷却に
よる溶損防止効果が下面側にも及ぶ程度の比較的薄い厚
みに構成し、上記天井板の上側には、天井板を介して上
記ライニングを冷やす為に、天井板の上面に対して冷媒
を吹き掛けるためのスプレー手段を配設したものであ
る。
【0007】
【作用】投入口から投入された廃棄物は、加熱手段によ
る加熱により溶融、減容化され溶融物となる。その溶融
物は溶融物排出口から排出される。上記溶融中において
スプレー手段によって天井板、炉側板、炉底板等に吹き
掛けられた冷媒は、それらを介して各々の内側のライニ
ングを冷却する。該冷却は、上記溶融物或いはガスによ
るライニングの溶損を抑制し、ライニングの寿命を延長
する。スプレー手段によるライニングの冷却は、少ない
量の冷媒での冷却を可能にし、ランニングコストを低減
化させる。溶融物が炉底のライニングの目地或いはそこ
に出来た亀裂に浸透して下がってきても、該ライニング
は冷却されているため、上記溶融物は下がってくる途中
で固化し、それ以上下方への下降が阻止される。
【0008】
【実施例】以下本願の実施例を示す図面について説明す
る。図1において、1は廃棄物溶融炉の炉体を示す。2
は上記溶融炉の炉体1における炉本体を示し、溶融物5
1,52を受ける為の炉底3と、上記炉底3上に置かれる
溶融物及びその上側の空間6b,6cの側方周囲を取り囲む
為の炉側4とから構成している。5は上記空間6b,6cの
上側を閉ざす為の炉天井で、本例では上記炉本体2の上
方開口部に対する開閉が自在な炉蓋を例示す。該炉天井
は炉本体と一体に構成する場合もある。6は上記炉底
3、炉側4及び炉天井5で囲まれた空間を示し、溶融物
即ちベースメタル51及びその上に浮くスラグ52を存置さ
せるための空間6aと、その上に廃棄物53を存置させるた
めの空間6bと、更にそれらの上側のガス存置用の空間6c
とを含む。7は廃棄物投入口で、空間6の気密を保つこ
との出来る図示外の周知の廃棄物投入手段が付設され
る。8は溶融物排出口、9はガス排出口を夫々示し、こ
れらには空間6の気密を保持することが出来るようにし
た周知の次工程の手段例えば夫々溶融物の細粒化装置や
ガス処理装置が接続される。尚上記廃棄物投入口7とガ
ス排出口9とは炉天井5に設けた例を示すが、これらは
炉側に設ける場合もある。又溶融物排出口8は炉側に設
けた例を示すが、炉底に設ける場合もある。10は炉体1
内に設けた廃棄物加熱用の加熱手段として例示するアー
ク加熱用の電極で、例えば3相交流用に3本が備えら
れ、電極孔11を通して空間6内に挿入される。加熱手段
としては空間6a内にベースメタル51への通電用の電極を
設けて、該電極からベースメタル51への直接通電による
抵抗加熱を行ったり、誘導加熱手段或いはバーナーによ
る燃焼加熱手段を利用しても良い。
【0009】次に上記炉底3について説明する。14は炉
底板で、金属材料例えば鋼板でもって構成され、下面は
図示外の骨部材でもって支えられて必要充分な強度を持
たせてある。15は炉底板14の上面を覆うライニングで、
炉底板14を上記溶融物の接触による損耗やその熱及び廃
棄物から生ずるガスによる腐食から保護する為のもので
あり、上記溶融物との接触に対する耐性が高い点から例
えば炭化ケイ素のレンガを用いる。上記ライニング15の
厚みは、その下面側からの冷却による該ライニング15の
溶損防止効果がライニング15の上面側にも及ぶ程度の比
較的薄い厚みに構成する。即ち後述のような溶損防止作
用が生ずる程度の薄さ例えば400mm程度に形成す
る。16は上記炉底板14を介して上記ライニング15を冷や
す為の冷却手段で、ライニング15の厚み方向の中間部が
該ライニング上の溶融物の固化温度以下となるように冷
やす能力を有するものを用いている。該冷却手段16にお
いて、17は冷媒の供給管で、冷媒例えば冷却水を供給す
るための供給手段に接続している。18は供給管17に接続
する枝管で、上記炉底板14の下面に対して冷媒を吹き掛
けるための多数のスプレー手段例えばスプレーノズル19
が付設してある。該スプレーノズル19は、一例としては
炉底板14の下面の全域に対して冷媒を吹き掛けて全域を
冷却するように配置するが、他の例としては、下面の一
部に対して吹き掛けてその部分を直接的に冷却し(その
吹き掛け場所は炉底板14において高温になりやすい場所
を選定すると良い)、その他の部分に対しては、上記吹
き掛けられた冷媒をそれらの部分の表面に沿って流すこ
とにより冷却を行うようにしても良い。上記冷却手段16
は、炉底板14の下面から下方向への嵩張りを大きくしな
いようにする為に、炉底板14を支える上記の骨部材の間
に埋まるように設けると良い。上記冷媒の他の例として
は空気を用いる場合もある。その場合は、それを直接に
吹き掛ける部分以外の部分に対しての空気の流れを形成
できるように、空気の流れのガイド板を設けると良い。
20はスプレー手段から噴射された冷媒の飛散を防止する
為の外カバーで、噴射された冷媒を炉底板14と該外カバ
ー20との間にとどめてそれが炉底板14に触れる機会を高
め冷却効率を向上させるためのものである。21は炉底板
14への吹き掛けの後下方に流下してきた冷媒を排出する
ための冷媒排出口である。排出は自然排出でも良いが、
ポンプなどによる強制排出を行っても良い。
【0010】次に上記炉側4について説明する。24は炉
側板、25はライニング、26は冷却手段、28は枝管、29は
スプレー手段、30は外カバー、31は冷媒排出口を夫々示
す。これらの内、炉側板24は上記炉底板14と、その他の
部材は上記炉底3における同一名称の各部材と夫々機能
的に同一又は均等の構成であって説明が重複するので、
その重複する説明を省略する。尚、上記ライニング25と
しては、溶融物や廃棄物との接触に対する耐性が高い点
や空間6cに形成する酸化性雰囲気に対する耐性が高い点
から、例えばマグネシア或いはアルミナレンガを用い
る。厚さは例えば200mm程度である。冷却手段26に
おける冷媒の供給管は図示されていない。又外カバー30
は前記目的の他、炉側板24に埃が掛かって上記スプレー
手段29による冷却効率が低下することを防止する為のも
のでもある。
【0011】次に上記炉天井5について説明する。34は
天井板、35はライニング、36は冷却手段、37は冷媒の供
給管、38は枝管、39はスプレー手段、40は外カバー、41
は冷媒排出口を夫々示す。これらの内、炉側板34は上記
炉底板14と、その他の部材は上記炉底3及び炉側4にお
ける同一名称の各部材と夫々機能的に同一又は均等の構
成であって説明が重複するので、その重複する説明を省
略する。尚、上記ライニング35としては、天井板34の下
面への施工のし易さから例えば高アルミナ含有率のキャ
スタブルを用いると良い。厚さは例えば200mm程度
である。
【0012】次に、43は水冷式の排ガスダクトを示し、
ガス排出口9は該ダクト43を通して前記排ガス処理装置
に接続する。44は該ダクト43における本体で、例えば鋼
板製であり、必要に応じ内面をライニングで覆う。45は
本体44の冷却手段で、46は図示外の冷媒供給管に接続し
た枝管、47は枝管46に取付けたスプレー手段として例示
する多数のスプレーノズル、48は冷却手段45の外側を覆
うカバーで、これらは前記炉底3その他におけるものと
同様の目的のものである。尚49は溶融物の排出の際に、
溶融物排出口8の溶融物を加熱してその流動性を高めた
り或いはそこで固化したものを溶解させたりするための
補助加熱用の電極である。
【0013】上記のような構成の廃棄物溶融炉1は所要
の内容量(上記空間6の容積)が得られるように、その
炉径(平面形状が円形の炉の場合は直径、矩形の炉の場
合は水平方向の各辺の長さ)や炉高を定める。
【0014】上記廃棄物溶融炉の操業を説明する。炉の
スタートは周知の如く予めいくらかのベースメタル51を
加熱手段10により炉内で溶かすことによりおこなう。炉
がスタートしたならば、廃棄物53例えば都市ごみ焼却残
査(焼却灰)、都市ごみ焼却集塵灰、プラスチック廃棄
物、下水汚泥等の非金属廃棄物を投入手段により投入口
7から空間6bに向け投入する。この投入は例えば連続的
に行う。間欠的でも良いが、その場合は炉内のガス圧力
の大きな変動を防止するために少量ずつ行うと良い。投
入された廃棄物53は電極10から発せられるアークの熱に
よって加熱され、又、上記アークの熱によって溶融状態
にあるベースメタル51から伝わる熱によっても加熱さ
れ、溶融して減容化する。上記溶融作業時における空間
6cの温度は例えば1200℃程度、スラグ52は1300
〜1350℃程度、ベースメタル51は1200℃程度で
ある。上記廃棄物53の多く部分は溶融によりスラグ52と
化し、他の一部は種々のガスと化してダストと共に空間
6cに立ち上る。立ち上ったガスやダストなどは、ガス排
出口9から処理装置に向け排出する。尚上記溶融した廃
棄物中の金属分はその重みで沈降してベースメタル51中
に混入する。次々と投入される上記廃棄物53の溶融によ
り上記スラグ52の量が増大すると、そのスラグ52は例え
ばオーバーフローによって排出口8から順次排出され
る。排出されたスラグは、例えば細粒化等の固化処理を
行う。尚ベースメタル51の量が多くなってその排出が必
要となった場合は、スラグ52の排出後、例えば炉を図1
の右方向に傾動させてベースメタル51を排出口8から排
出する。
【0015】上記操業の場合、炉底3、炉側4、炉天井
5及び排ガスダクト43の各々においては、冷媒を供給手
段から供給管や枝管を通して各々のスプレー手段19,2
9,39,47に供給し、夫々炉底板14、炉側板24、天井板3
4及び本体44の各外周面に冷媒を吹き掛け、それらを冷
却すると共に、それらを介して各々の内側のライニング
15,25,35を冷却し、それらの溶損を抑制する。吹き掛
けられた冷媒は夫々下方に流下し各排出口21,31,41か
ら排出される。上記スプレー手段による冷却は、加熱さ
れた廃棄物から生ずるHCl、SOx、NOx等の腐食
性のガスが各々の板と接触しそれを腐食することを防止
するために、炉底板14、炉側板24、天井板34及び本体44
の各外周面の温度が例えば200〜250℃程度となる
ように行う。
【0016】上記操業中においては、炉底板14、炉側板
24、天井板34によって炉内の空間6を密閉できるので、
例え廃棄物が溶融される際にSOx、NOx、或いはH
Clなどの有害及び腐食性のガスが発生しても、それら
のガスが外に漏れ出ることは防止される。又ライニング
15,25,35は上記炉底板14、炉側板24、天井板34等を溶
融物との接触による磨耗或いは廃棄物から生ずる腐食性
のガス(例えば上記HCl、H2SO4など)による腐食
から保護する。
【0017】上記スプレー手段による冷却は、例えば炉
底板14、炉側板24、天井板34の表面が100℃以下とな
るように冷却すると、それらの近傍において上記塩酸や
硫酸などの腐食性ガスが液化してその腐食性が非常に高
くなるが、上記200〜250℃への冷却ではそれらは
露点に達せず、従って、それらのガスが例えばライニン
グの亀裂を通って仮に炉底板14、炉側板24、天井板34等
に接触しても比較的腐食を小さく抑えられる。又そのよ
うな比較的高い温度への冷却であるので、冷媒の消費量
も比較的少なくて済む。
【0018】上記廃棄物溶融炉にあっては、冷却水によ
る冷却をスプレー方式により行っているので、水冷中に
おいて炉底板14、炉側板24、天井板34等には殆ど水圧が
かからない。従って万が一それらの板の一部に破損が生
じても、その破損部分から炉内へ漏れる水量は僅かな量
にとどめることが出来、水漏れによる爆発の危険を少な
くできる。
【0019】次に、炉底3、炉側4、及び炉天井5にお
ける上記冷却による各々のライニング15,25,35の溶損
抑制作用を説明する。上記ライニングは何れも比較的薄
く形成してあるので、その外面が上記スプレー手段16,
26,36により冷却されると、各ライニング15,25,35の
夫々の外面と内面との間での温度勾配は、上記のような
冷却を行わず、上記ライニングを廃棄物溶融炉の所定の
連続稼働期間(例えば1年間)中の溶損の寸法を見越し
た大きい厚み例えば600mmに形成した場合の温度勾
配に比べて急峻となる。するとライニング15,25,35に
おいてその内面よりも僅かに肉厚内に入った部分の温度
は、ライニングを上記のような大きい厚みに形成した場
合に比べて急激に低くなっている。従ってライニング1
5,25,35の内面が上記溶融物、ガス、熱などの影響で
溶融及び損耗しかけてもそれが肉厚内に進行する程度
は、上記大きい厚みのライニングの場合に比べて非常に
低い。この為ライニング15,25,35の溶損量は少なく抑
えられる。その結果、ライニング15,25,35はその厚み
が比較的薄くても、廃棄物溶融炉の所定の連続稼働期間
にわたり炉底板14、炉側板24、天井板34の保護効果を発
揮することが出来る。
【0020】次に上記廃棄物溶融炉の操業中において
は、炉内の溶融物例えばベースメタル51中に含まれる銅
や鉛、亜鉛などの重金属は、低融点であるためライニン
グ15の目地やそのライニング15に出来た亀裂に浸透して
下方に下がって来る場合がある。しかしライニング15は
ベースメタル51と接している部分では高温(例えば12
00℃程度)であるが、下方に至るに従い温度が下が
り、中間部では上記金属の融点以下となっている為、上
記のように金属が浸透してきてもそれはライニング15の
中間部で固化させることが出来、炉底4より下方への漏
出を防止することが出来る。尚スプレー手段19による冷
却は、ライニング15の厚み方向の中間部における温度を
上記のような金属の融点以下にすることが出来るよう、
上記浸透が予想される金属に応じて定めると良い。
【0021】次に上記廃棄物溶融炉は、炉天井5の厚み
寸法を小さくしてその軽量化を図ると共に炉の背の高さ
の小型化を図ること、炉天井の破損が生じてもそれによ
る危険性を低く抑えることが出来るようにすること、及
びそうした場合のランニングコストを低く抑える目的の
ためには、炉天井5のみを上述したようなスプレー手段
を備える構成にし、炉底3や炉側4は、スプレー手段を
備えさせずそれらにおけるライニング15,25の厚みを夫
々所望する寿命を得ることの出来る大きな厚みに構成し
ても良い。又、炉の内容量の割に炉径をコンパクト化す
ること及びそうした場合のランニングコストを低く抑え
る目的のためには、炉側4のみを上述したようなスプレ
ー手段を備える構成にし、炉底3や炉天井5は、スプレ
ー手段を備えさせずそれらにおけるライニング15,35の
厚みを夫々所望する寿命を得ることの出来る大きな厚み
例えば炉底にあっては600〜800mmに構成しても
良い。又、炉底3の厚み寸法を小さくして炉の背の高さ
の小型化を図ること、炉底3のライニングの目地や亀裂
に溶融物が浸透してきても、それが炉底から下方に漏れ
出す事故の発生を防止すること、及びそうした場合のラ
ンニングコストを低く抑える目的のためには、炉底3の
みを上述したようなスプレー手段を備える構成にし、炉
側4や炉天井5は、スプレー手段を備えさせずそれらに
おけるライニング25,35の厚みを夫々所望する寿命を得
ることの出来る大きな厚みに構成しても良い。
【0022】
【発明の効果】以上のように本願発明は、請求項1の構
成によって第1、2、3、4、8、9の目的を達成で
き、又、請求項2の構成によって第1、2、5、8、9
の目的を達成でき、更に、請求項3の構成によって第
1、2、6、7、8、9の目的を達成出来る効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】廃棄物溶融炉の縦断面図。
【符号の説明】
3 炉底 4 炉側 5 炉天井
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F27B 3/14 F27D 1/12 L Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融物を受ける為の炉底と、上記炉底上
    に位置させる溶融物及びその上側の空間の側方周囲を取
    り囲む為の炉側と、上記空間の上側を閉ざす為の炉天井
    とから成る炉体には、廃棄物投入口と溶融物排出口とガ
    ス排出口とを備えさせると共に、上記炉体内には廃棄物
    加熱用の加熱手段を備えさせて、上記廃棄物投入口から
    上記空間に投入した廃棄物を上記加熱手段による加熱に
    より溶融させ、溶融した溶融物を上記溶融物排出口から
    排出すると共に、廃棄物から生じたガスは上記ガス排出
    口から排出するようにしている廃棄物溶融炉において、
    上記炉天井は、金属製の天井板とその下面を覆うライニ
    ングとにより構成すると共に、上記ライニングの厚み
    は、その上面側からの冷却による溶損防止効果が下面側
    にも及ぶ程度の比較的薄い厚みに構成し、上記天井板の
    上側には、天井板を介して上記ライニングを冷やす為
    に、天井板の上面に対して冷媒を吹き掛けるためのスプ
    レー手段を配設したことを特徴とする廃棄物溶融炉。
  2. 【請求項2】 溶融物を受ける為の炉底と、上記炉底上
    に位置させる溶融物及びその上側の空間の側方周囲を取
    り囲む為の炉側と、上記空間の上側を閉ざす為の炉天井
    とから成る炉体には、廃棄物投入口と溶融物排出口とガ
    ス排出口とを備えさせると共に、上記炉体内には廃棄物
    加熱用の加熱手段を備えさせて、上記廃棄物投入口から
    上記空間に投入した廃棄物を上記加熱手段による加熱に
    より溶融させ、溶融した溶融物を上記溶融物排出口から
    排出すると共に、廃棄物から生じたガスは上記ガス排出
    口から排出するようにしている廃棄物溶融炉において、
    上記炉側は、金属製の炉側板とその内周面を覆うライニ
    ングとにより構成すると共に、上記ライニングの厚み
    は、その外面側からの冷却による溶損防止効果が内面側
    にも及ぶ程度の比較的薄い厚みに構成し、上記炉側板の
    外側には、炉側板を介して上記ライニングを冷やす為
    に、炉側板の外面に対して冷媒を吹き掛けるためのスプ
    レー手段を配設したことを特徴とする廃棄物溶融炉。
  3. 【請求項3】 溶融物を受ける為の炉底と、上記炉底上
    に位置させる溶融物及びその上側の空間の側方周囲を取
    り囲む為の炉側と、上記空間の上側を閉ざす為の炉天井
    とから成る炉体には、廃棄物投入口と溶融物排出口とガ
    ス排出口とを備えさせると共に、上記炉体内には廃棄物
    加熱用の加熱手段を備えさせて、上記廃棄物投入口から
    上記空間に投入した廃棄物を上記加熱手段による加熱に
    より溶融させ、溶融した溶融物を上記溶融物排出口から
    排出すると共に、廃棄物から生じたガスは上記ガス排出
    口から排出するようにしている廃棄物溶融炉において、
    上記炉底は、金属製の炉底板とその上面を覆うライニン
    グとにより構成すると共に、上記ライニングの厚みは、
    その下面側からの冷却による溶損防止効果が上面側にも
    及ぶ程度の比較的薄い厚みに構成し、上記炉底板の下側
    には、炉底板を介して上記ライニングをその厚み方向の
    中間部が該ライニング上の溶融物の固化温度以下となる
    ように冷やす為に、炉底板の下面に対して冷媒を吹き掛
    けるためのスプレー手段を配設したことを特徴とする廃
    棄物溶融炉。
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