JPH0835341A - 集合住宅 - Google Patents

集合住宅

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Publication number
JPH0835341A
JPH0835341A JP20583394A JP20583394A JPH0835341A JP H0835341 A JPH0835341 A JP H0835341A JP 20583394 A JP20583394 A JP 20583394A JP 20583394 A JP20583394 A JP 20583394A JP H0835341 A JPH0835341 A JP H0835341A
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JP
Japan
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water supply
wall
reverse
dwelling unit
floor
Prior art date
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Pending
Application number
JP20583394A
Other languages
English (en)
Inventor
Tamotsu Tajima
保 田島
Kentaro Kubo
憲太郎 久保
Kazuo Nagami
一夫 永見
Yoshihisa Kitamura
佳久 北村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimizu Construction Co Ltd, Shimizu Corp filed Critical Shimizu Construction Co Ltd
Priority to JP20583394A priority Critical patent/JPH0835341A/ja
Publication of JPH0835341A publication Critical patent/JPH0835341A/ja
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  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 顧客の多様化するニーズに対応すべく新規構
築時に自由度の高い間取りを実現すること及び既存の間
取りを変更するいわゆるリニューアルを行うことを、低
コストで実現するとともに、水平いずれの方向にも十分
な耐震性能を確保させる。 【構成】 複数の住戸2が順次隣接配置されて一方向に
長い平面形状とされているフラットプレート構造の集合
住宅であって、前記方向と直交する方向に設けられて住
戸同士を区画する戸境壁54a,54bが耐震壁とされ
ており、かつ、住戸の外壁位置またはその外側位置にお
いて各階のスラブ3の上面側に突出する逆梁56,57
が前記方向に沿って設けられている。逆梁は住戸の出入
口が設けられるスパンを除いて不連続的に設け、全体と
して千鳥配置することが良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、顧客の多様化するニー
ズに対応すべく自由度の高い間取りを実現することがで
きる集合住宅に関する。
【0002】
【従来の技術】我が国においてマンションと通称されて
いる集合住宅は、複数の住居が集合して一棟を構成して
いる建築物であり、通常、鉄筋コンクリート造もしくは
鉄骨鉄筋コンクリート造とされている。ところで、近
年、顧客の住宅に対する価値観や意識の多様化および生
活レベルの向上を背景として、画一的な間取りのマンシ
ョンが次第に好まれなくなってきている。しかしなが
ら、顧客の多様化するニーズに対応すべく新規構築時に
自由度の高い間取りを実現するためには、マンションの
設計やその施工が格段に繁雑化、複雑化、高度化せざる
を得なくなり、そのことが建設コストの上昇につながる
ことは避けられない。また、同様の理由から、例えば家
族構成の変化に対応して既存の間取りを変更するいわゆ
るリニューアルを行う場合にも、かなりコストが上昇し
てしまうという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このため、本出願人
は、フラットプレート構造の集合住宅とすることによ
り、該フラットプレート構造では各階のスラブの下面側
に突出する梁型がなくかつ柱頭部にキャピタルを有して
いないことから、床から天井までの高さをどの位置でも
一定として、梁型を逃げるための切欠きを設けることな
く間仕切壁を任意の位置に配置することを考えた。これ
により、顧客の多様化するニーズに対応すべく新規構築
時に自由度の高い間取りを実現すること及び既存の間取
りを変更するいわゆるリニューアルを行うことが、低コ
ストで実現できる。
【0004】ところで、フラットプレート構造では、十
分な剛性が得られない場合があり、必要に応じて耐震壁
を配置する必要がある。しかしながら、通常の集合住宅
では、採光等の関係上、複数の住戸が順次隣接配置され
て一方向に長い平面形状とされることになるため、前記
方向に直交する戸境壁は、窓や出入口が不要であるので
開口部をもたない十分な耐力の耐震壁とすることができ
るが、前記方向に沿う壁には窓や出入口等の開口部を設
ける必要があり十分な耐力の耐震壁を配置するのは困難
で、この方向の耐震構造が十分でない場合があることが
予想された。
【0005】したがって、本発明の目的は、間取り変更
の容易化のためフラットプレート構造を用いる場合であ
っても、水平いずれの方向にも十分な耐震性能を確保す
ることができる集合住宅を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の集合住宅は、複数の住戸が順次隣接配置さ
れて一方向に長い平面形状とされているフラットプレー
ト構造の集合住宅であって、前記方向と直交する方向に
設けられて住戸同士を区画する戸境壁が耐震壁とされて
おり、かつ、住戸の外壁位置または該外壁の外側位置に
おいて各階のスラブの上面側に突出する逆梁が前記方向
に沿って設けられていることを特徴としている。逆梁の
設置位置や設置形態は適宜で良いが、たとえば、各住戸
の外壁位置の中間に柱を設けて各住戸の間口を複数のス
パンにより構成し、それら複数のスパンのいずれかに出
入口を設けるとともに逆梁をその出入口が設けられるス
パンを除く他のスパンに設置することが考えられる。ま
た、その場合においては、上下に重なっている住戸にお
けるそれぞれの逆梁を互いに異なるスパンに設置して、
それら逆梁を全体として千鳥配置とすることが好まし
い。
【0007】
【作用】本発明の集合住宅によれば、フラットプレート
構造の集合住宅であるため、逆梁配置部分を除いて床か
ら天井までの高さがどの位置でも一定となる。しかも、
逆梁は、間仕切壁が配置されることがない、住戸の外壁
位置または該外壁の外側位置に設けられるものであるた
め、該逆梁の存在により間仕切壁に切欠きを設ける必要
もない。したがって、梁型を逃げるための切欠きを設け
ることなく間仕切壁を任意の位置に配置できる。そし
て、本発明の集合住宅においては、この集合住宅の長さ
方向に沿って設けられた逆梁と、長さ方向に直交する方
向に設けられた耐震壁としての戸境壁により、それら両
方向の耐震性能が確保される。また、住戸の外壁位置に
逆梁を設ける場合においては、住戸の出入口を設けるス
パンを除いて他のスパンにのみ逆梁を不連続的に設ける
ことにより、玄関や掃き出し窓等の出入口を支障なく設
置し得る。さらに、逆梁を千鳥配置することによりそれ
ら逆梁がこの集合住宅の外壁面全体にほぼ均等に分散配
置されることになり、剛性を確保するうえでより有利と
なる。
【0008】
【実施例】本発明の一実施例による集合住宅を図面を参
照して以下に説明する。図1は、本実施例の集合住宅の
全体構成を示す概略図であって、一階部分が駐車場1と
なっており、二階以上が住戸2となっている。
【0009】そして、各住戸2の床はフラットスラブ3
により構成されていて、このスラットスラブ3の下面側
には梁型が突出しておらず、また、フラットスラブ3を
支持する柱4はその柱頭部にキャピタルを有しないもの
とされている。
【0010】本実施例の集合住宅は、一方向に長い形状
をなしており、長さ方向に沿って複数の住戸2が順次配
列されることになる。そして、図3および図4に示すよ
うに、フラットスラブ3には、その幅方向における一端
側に長さ方向に沿って各住戸2のバルコニー51が設け
られ他端側に共用部分としての外廊下52が設けられ
て、これらバルコニー51と外廊下52との間に各住戸
2の室53が配置されている。そして、室53は、一方
に隣接する他の室53との間が、外廊下52を除いて、
フラットスラブ3の長さ方向に直交する戸境壁54aで
仕切られており、他方に隣接する他の室53との間は、
外廊下52側に共用部分としての階段部55が配置さ
れ、該階段部55よりバルコニー51側がフラットスラ
ブ3の長さ方向に直交する戸境壁54bで仕切られてい
る。また、階段部55と各室53との間にも、フラット
スラブ3の長さ方向に直交する戸境壁54cが設けられ
ており、これら戸境壁54c間にもフラットスラブ3の
長さ方向に沿う戸境壁54dが戸境壁54bに接続され
て設けられている。なお、戸境壁54cには、出入口が
設けられることになる。そして、本実施例においては、
戸境壁54a、戸境壁54bおよび戸境壁54dがすべ
て無開口の耐震壁とされている。
【0011】フラットスラブ3は、例えば、鉄筋コンク
リート製でスラブ厚が350mm程度の遮音性に優れた
ものとされている。そして、フラットスラブ3は、その
幅方向における両端側に長さ方向に沿って延在する逆梁
56,57が床上側に梁型を突出させて設けられてい
る。ここで、フラットスラブ3のバルコニー51側の逆
梁56は、フラットスラブ3のバルコニー51側の端部
に長さ方向の全範囲にわたって設けられており、外廊下
52側の逆梁57は、室53の外廊下52側の端部に設
けられている。なお、本実施例においては、外廊下52
側の逆梁57は外廊下52と接続する階段部分には設け
られておらず、この部分のみ人の行来のため通常の床下
側に突出する梁58とされているが、逆梁57,58に
よりこの集合住宅の長さ方向の剛性を確保することとし
てその梁58を省略することも可能である。そして、外
廊下52側の逆梁57の上側には、上側のフラットスラ
ブ3まで外壁59が形成されており、この逆梁57上の
外壁59には、窓形成のための開口部(図示略)が設け
られている。また、室53とバルコニー51との間に
も、上下のフラットスラブ3の間にALC等からなる外
壁60が形成されている。そして、外壁60より外側の
逆梁56は、バルコニー51の手摺りとされている。
【0012】柱4は、図2に示すように、長さ方向に垂
直をなす断面が全長にわたって同一形状をなす四角柱形
状をなすもので(柱頭部に水平方向に拡大したキャピタ
ルをもたない)、例えば、四角筒状に遠心成形されたプ
レキャストコンクリート製型枠内に鉄筋を内蔵してコン
クリートを打設してなるものである。ここで、柱4は、
図3に示すように、バルコニー51と室53とを合せた
住戸2の外周部分に沿って、戸境壁54aと外廊下52
側の逆梁57との連結位置、外廊下52側の逆梁57と
戸境壁54cとの連結位置、戸境壁54cと戸境壁54
dとの連結位置、戸境壁54bとバルコニー51側の逆
梁56との連結位置、およびバルコニー51側の逆梁5
6と戸境壁54aとの連結位置にそれぞれ配置されてい
る。
【0013】図2に示すように、天井側となるフラット
スラブ3の下面側は、室53内となる範囲(図3に示す
戸境壁54a,54b,54c,54dおよび外壁5
9,60で囲まれた範囲)が二重天井部5とされてい
る。すなわち、図示は略すがフラットスラブ3の下面に
吊りボルトおよび下地材を介して所定間隔をあけて天井
板が支持されている。
【0014】そして、図2および図5に示すように、各
住戸2の室53内における、下側のフラットスラブ3と
二重天井部5の下面との間の任意の位置に、組立取付お
よび分解撤去が比較的容易な間仕切壁7が取り付けられ
ている。ここで、間仕切壁7には、例えば二枚の板材を
所定間隔あけて介在部材で支持する構造のもの等が採用
される。
【0015】また、建物の上下に略貫通するよう配置さ
れ内部に給水用の配管13等が設けられたシャフトに各
階のメータボックス10が設けられており、図6に示す
ように、このメータボックス10には、給湯機11が設
けられている。そして、メータボックス10を基点とし
て、給湯機11から主給湯配管(設備配管)12が、給
水用の配管13から開閉弁14およびメータ15を介し
て主給水配管(設備配管)16が、住戸2内に導かれて
いる。
【0016】ここで、図5に示すように、給水および給
湯の基点となるメータボックス10に近接して、住戸2
内には浴室、洗面台、トイレおよび流し台等の、水廻り
設備18が一まとまりに集約配置されている(ハッチン
グを示した部分)。そして、このような水廻り設備18
は、鉛直方向に沿って同じ位置にある各住戸2におい
て、同位置に配置されている。
【0017】そして、メータボックス10からの住戸内
導入側の主給水配管16は、立ち上げられた後、二重天
井部5内に配設され該二重天井部5内の所定位置で給水
用円形ヘッダー20に接続されており、同様に、住戸内
導入側の主給湯配管12は、二重天井部5内に配設され
該二重天井部5内の所定位置で給湯用円形ヘッダー21
に接続されている。
【0018】これら円形ヘッダー20,21は、図7に
示すように、内部に空間部が形成された円盤状をなすと
ともに、周壁に半径方向に沿って一本の管状の導入部2
3および複数本の管状の導出部24が全体として略放射
状をなして設けられており、主給水配管16または主給
湯配管12に接続された導入部23から導入された水ま
たは湯を、分岐させて各導出部24から排出させるもの
である。この円形ヘッダー20,21は、コンパクトで
対称形状の座りのよい円盤形状であるため、設置時に安
定性があり、設置のための支持も簡易なもので足り、よ
って、二重天井部5内の設置に用いて好適なものであ
る。また、導入部23を中心まで延在させ、各導出部2
4との距離を等しくすることにより、各導出部24への
分配圧の均等化が図れる。
【0019】そして、給水用円形ヘッダー20は、各導
出部24を、それぞれ給水配管(設備配管)26a〜2
6eに接続させており、給水配管26aは、二重天井部
5内で浴室位置まで配設された後、下げられて浴室用水
栓27に接続され、給水配管26bは、二重天井部5内
で洗面台位置まで配設された後、下げられて洗面台用水
栓28に接続され、給水配管26cは、二重天井部5内
で洗濯機配置位置まで配設された後、下げられて洗濯機
用水栓29に接続され、給水配管26dは、二重天井部
5内でトイレ位置まで配設された後、下げられてトイレ
便器30に接続され、給水配管26eは、二重天井部5
内で流し台位置まで配設された後、下げられて流し台用
水栓31に接続されている。
【0020】また、給湯用円形ヘッダー21は、各導出
部24を、それぞれ給湯配管(設備配管)32a〜32
cに接続させており、給湯配管32aは、二重天井部5
内で浴室位置まで配設された後、下げられて浴室用水栓
27に接続され、給湯配管32bは、二重天井部5内で
洗面台位置まで配設された後、下げられて洗面台用水栓
28に接続され、給湯配管32cは、二重天井部5内で
流し台位置まで配設された後、下げられて流し台用水栓
31に接続されている。
【0021】ここで、給水配管26a〜26eおよび給
湯配管32a〜32cは、可撓性のあるポリエチレン管
等からなるもので、図8に示すように、二重天井部5内
に配設されるプラスチック管等からなる大径のサヤ管3
3内に挿入された状態で各所まで延在されている。な
お、戸境壁の内側も所定間隔をあけて板部材が支持され
た二重壁構造とされており、サヤ管33内に挿入された
給水配管26a〜26eおよび給湯配管32a〜32c
は、二重天井部5から下げられる部分についても、間仕
切壁あるいは二重壁内を通っている。
【0022】そして、サヤ管33、給水配管26a〜2
6eおよび給湯配管32a〜32cは、各給水、給湯位
置までの長さに各々切断しておき、躯体施工終了後に給
水用円形ヘッダー20および給湯用円形ヘッダー21を
二重天井部5内に取り付け、給水用円形ヘッダー20に
サヤ管33および給水配管26a〜26eを、給湯用円
形ヘッダー21にサヤ管33および給湯配管32a〜3
2cを取り付けておく。そして、間仕切壁の墨出し終了
後に、その位置までサヤ管33および給水配管26a〜
26eと、サヤ管33および給湯配管32a〜32cと
を間仕切壁位置まで延ばし、間仕切壁ができたら、給水
配管26a〜26eおよび給湯配管32a〜32cを所
定位置から取り出すことになる。
【0023】また、電気用の住戸内導入側の主配線(電
気配線)35も二重天井部5の内部に配設されており、
その末端部が、二重天井部5内の、図9に示すモールド
部36に接続されている。そして、該モールド部36に
は、他方で複数のFケーブル等の配線(電気配線)37
が接続されており、主配線35から導入される電力がモ
ールド部36で分岐されて各配線37にそれぞれ分配さ
れることになる。そして、各配線37は、図10に示す
ように、二重天井部5下面に取り付けられた電燈接続部
38に接続されたり、間仕切壁7の内部で下げられてス
イッチ39やコンセント40に接続されたり等してい
る。
【0024】なお、各配線37は、モールド部36を含
んでユニットケーブルとして工場であらかじめ製作して
おき、これを現場で配線位置のみ決めることで、現場作
業を減らすことができる。
【0025】ここで、間仕切壁7に設けられるコンセン
ト40およびスイッチ39は、図11に示すボックスレ
スタイプのものが適用できる。図11は、ボックスレス
タイプのスイッチ39を示すもので、間仕切壁7の表面
板41に形成された穴42にスイッチ本体43を一部挿
通させ、このスイッチ本体43と裏側の取付フレーム4
4とをネジ45で締結することによりスイッチ本体43
と取付フレーム44とで表面板41を挟持してその位置
を固定するようになっており、このように位置が固定さ
れたスイッチ本体43の表面にカバー46を取り付けて
構成される。
【0026】以上のような構成の本実施例の集合住宅に
よれば、フラットスラブ3と柱4等とで躯体を形成して
なるため、躯体形状が単純となり施工性が向上する。そ
れとともに、フラットスラブ3は、逆梁56,57およ
び梁58の配置部分を除いて梁型がなく、柱4も柱頭部
にキャピタルを有していないことから、床から天井(本
実施例では二重天井部5)までの高さが、逆梁56,5
7および梁58の配置部分を除いてどの位置でも一定と
なる。しかも、逆梁56,57および梁58は、フラッ
トスラブ3の、間仕切壁7が配置されることがない、室
53の外壁59位置および外壁60の外側位置に設けら
れるものであるため、該逆梁56,57および梁58の
存在により間仕切壁7に切欠きを設ける必要もない。し
たがって、図2に示すように、間仕切壁7を、室53内
においては梁型を逃げるための切欠きを設けることなく
任意の位置に配置できることになり、しかも簡単な作業
で施工が行える。よって、新規構築時に自由度の高い間
取りを実現すること及び既存の間取りを変更するいわゆ
るリニューアルを行うこと(以下、双方合わせて間取り
変更と称す)が、低コストで実現できる。
【0027】上記のように、フラットスラブ3の長さ方
向に逆梁56,57が設けられることになり、また、長
さ方向に直交する戸境壁54a,54bが耐震壁とされ
るため、相互に直交する方向にそれぞれ逆梁56,57
および耐震壁54a,54bが設けられることになる。
しかも、本実施例においては長さ方向に沿う戸境壁54
dも耐震壁とされている。したがって、上記のように間
取り変更の容易化のためフラットプレート構造を用いる
場合であっても、水平いずれの方向にも十分な耐震性能
を確保することができる。ここで、逆梁57は、その上
側に外壁59が形成されるとともに窓形成のための開口
部が設けられることになり、逆梁56はバルコニー51
の手摺りとして利用されることになる。なお、階段部5
5を例えば外廊下52に設けることもできる。
【0028】なお、二重天井部5を設けることなく、フ
ラットスラブ3の下面を天井面とすることも可能であ
り、この場合にも、床から天井までの高さをどの位置で
も一定とすることができる。また、いずれの間仕切壁7
にも天井一杯までの大きな開口部47を設けることがで
きる。
【0029】また、水廻り設備18を集約配置すること
により、これ以外の、自由に間取りを変更できるスペー
スを大きくすることができる。
【0030】さらに、天井側となるフラットスラブ3の
下面側は二重天井部5とされており、該二重天井部5の
内部に、主給水配管16および給水配管26a〜26e
と、主給湯配管12および給湯配管32a〜32cと、
主配線35および配線37とが配設されているため、主
給水配管16および給水配管26a〜26eと、主給湯
配管12および給湯配管32a〜32cと、主配線35
および配線37とが、フラットスラブ3と分離された構
造となる(すなわちフラットスラブ3に埋め込む必要等
がなくなる)。したがって、間取りを変更する際に、主
給水配管16および給水配管26a〜26eと、主給湯
配管12および給湯配管32a〜32cと、主配線35
および配線37との配置を容易に変更できる。
【0031】また、上記効果は、給水用円形ヘッダー2
0および給湯用円形ヘッダー21を用いなくても奏する
ことができるものであるが、主給水配管16を、二重天
井部5内で給水用円形ヘッダー20を用いて複数の給水
配管26a〜26eに分岐させて各所に導き、また主給
湯配管12を給湯用円形ヘッダー21を用いて複数の給
湯配管32a〜32cに分岐させて各所に導くようにな
っているため、変更時には、給水用円形ヘッダー20お
よび給湯用円形ヘッダー21から先の給水配管26a〜
26eおよび給湯配管32a〜32cのみの変更で対応
することができる。したがって、さらにコストを低減す
ることができる。
【0032】加えて、給水配管26a〜26eおよび給
湯配管32a〜32cはそれぞれ個別のサヤ管33の内
部に挿入されているため、間取りを変更する際の給水配
管26a〜26eおよび給湯配管32a〜32cの変更
がさらに容易となる。
【0033】さらに、上記配管系と同様に、主配線35
は、二重天井部5内でその末端部がモールド部36を介
して配線37に分岐され各所に導かれているため、間取
り変更時には、モールド部36から先の配線37のみの
変更で対応できる。したがって、さらにコストを低減す
ることができる。
【0034】以上で本発明の一実施例を説明したが、次
に、図12〜図14を参照して本発明の他の実施例を説
明する。これらの図に示す実施例の集合住宅は共用外廊
下形式とされたものであるが、本実施例においては各住
戸2の出入口(玄関)が直接的に外廊下52に面するよ
うにされている。そして、本実施例においては、各住戸
2の外壁位置の中間にも柱4が設けられることで各住戸
2の間口は2スパンにより構成され、それらのいずれか
一方のスパンに出入口61が設けられるようになってお
り、その出入口61が設けられるスパンにおいては逆梁
が省略され、他方のスパンにのみ逆梁62が設けられた
ものとなっている。この逆梁62は床上に腰壁の状態で
設けられることになり、その上部には通常の外壁と窓が
設けられることになる。
【0035】また、各住戸2のバルコニー51側の外壁
位置の中間にも同様に柱4が設けられてここも2スパン
により構成されており、いずれか一方のスパンにはバル
コニーへの出入口(いわゆる掃き出し窓)63が設けら
れるようになっている。そして、その出入口63が設け
られるスパンにおいては逆梁は省略され、他方のスパン
にのみ逆梁64が設けられたものとなっている。この逆
梁64も腰壁の状態で設けられることになり、その上部
には通常の外壁と窓が設けられることになる。
【0036】そして、本実施例の集合住宅においては、
上下に重なっている住戸どうしは同一の平面プランとな
っているが、同一階で左右に隣接している二住戸の平面
プランは互いに反転形つまり左右対称形の平面プランと
なっており、したがって、この集合住宅全体の逆梁6
2,64の設置位置は、図14に示すように各階におい
てはそれら逆梁62,64が不連続的に設けられ、か
つ、上下階においては同一スパンに逆梁62,64が設
けられたものとなっている。
【0037】このように、各住戸2の間口を2スパンに
より構成してそのいずれかに逆梁62,64を設け、全
体としてはこれら逆梁62,64をこの集合住宅の長手
方向に不連続的に設けることにより、各住戸2の玄関や
掃き出し窓等の出入口61,63を確保しつつ、この集
合住宅の長手方向の剛性をそれら逆梁62,64によっ
て十分に確保できるものである。勿論、幅方向の剛性は
耐震壁とした戸境壁54aにより確保され、また、基本
的にフラットプレート構造としていることにより住戸内
の天井面には一切の梁型や柱頭部のキャピタルが突出す
ることがないことは上記実施例の場合と同様である。
【0038】なお、各住戸の逆梁64を図15に示すよ
うに上下階で互いに異なるスパンに設置すれば、全体と
して千鳥配置となって集合住宅の外壁面全体にほぼ均等
に分散配置されることになり、剛性を確保するうえでよ
り有利となる。
【0039】図16〜図18はそれぞれ本発明のさらに
他の実施例を示すものである。図16は二住戸ごとに設
けた階段およびエレベータに面して各住戸2の出入口6
1を設けたいわゆる分散エレベータ形式の集合住宅に適
用したもの、図17は二住戸ごとに設けた階段と数階お
きに設けた共用外廊下52とを組み合わせたいわゆるス
キップ廊下形式の集合住宅に適用したもの、図18は共
用外廊下形式のものではあるが各住戸2の間口をより大
きくしたものである。これらはいずれも、図12〜図1
4に示した上記のものと同様に、各住戸2の間口を複数
スパン(図16および図17に示すものにあっては2ス
パン、図18に示すものにあっては3スパン)により構
成し、玄関および掃き出し窓等の出入口61,63を設
けるスパンにおいては逆梁を省略して他のスパンにのみ
逆梁62,64を設けたものであり、上記実施例と同様
の効果が得られる。なお、これらの場合においても、各
住戸の平面プランを適宜設定することによって、逆梁6
2,64の立面的な配置を図14に示したような上下で
同一位置とすることはもとより、図15に示したような
千鳥配置とすることが可能である。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の集合住宅
によれば、フラットプレート構造の集合住宅であるた
め、逆梁配置部分を除いて床から天井までの高さがどの
位置でも一定となる。しかも、逆梁は、間仕切壁が配置
されることがない、住戸の外壁位置または該外壁の外側
位置に設けられるものであるため、該逆梁の存在により
間仕切壁に切欠きを設ける必要もない。したがって、梁
型を逃げるための切欠きを設けることなく間仕切壁を任
意の位置に配置できることになるため、顧客の多様化す
るニーズに対応すべく新規構築時に自由度の高い間取り
を実現すること及び既存の間取りを変更するいわゆるリ
ニューアルを行うことが、低コストで実現できる。しか
も、長さ方向に沿って逆梁が延在形成されることにな
り、また、長さ方向に直交する戸境壁が耐震壁とされる
ため、全体としては、相互に直交する方向にそれぞれ耐
震壁および逆梁が設けられることになる。したがって、
間取り変更の容易化のためフラットプレート構造を用い
る場合であっても、水平いずれの方向にも十分な耐震性
能を確保することができる。
【0041】そして、特に、各住戸の間口を複数のスパ
ンにより構成し、出入口が設けられるスパンにおいては
逆梁を省略してその他のスパンにのみ逆梁を設けること
により、住戸の出入口を支障なく確保しつつそれら逆梁
により剛性を十分に確保できる。さらに、逆梁を千鳥配
置することにより、それら逆梁が全体的にほぼ均等に分
散配置されるので構造的により有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である集合住宅の全体構成を
概略的に示す側断面図である。
【図2】同集合住宅の一の階を示す部分的に分解した側
面図である。
【図3】同集合住宅の部分平面図である。
【図4】同集合住宅の部分側断面図である。
【図5】同集合住宅の一の住戸を示す平面図である。
【図6】同集合住宅における水廻り設備および設備配管
を示す斜視図である。
【図7】同集合住宅に適用される円形ヘッダーを示すも
ので、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図8】同集合住宅に適用される配管およびサヤ管を示
す斜視図である。
【図9】同集合住宅における電気配線の一部を示す斜視
図である。
【図10】同集合住宅の一の住戸における電気配線を示
す側断面図である。
【図11】同集合住宅に適用されるボックスレスタイプ
のスイッチを示す分解斜視図である。
【図12】本発明の他の実施例である集合住宅を示す平
面図である。
【図13】同集合住宅の側断面図である。
【図14】同集合住宅における逆梁の配置状態を示す立
面図である。
【図15】同集合住宅における逆梁の配置状態の他の例
を示す立面図である。
【図16】本発明のさらに他の実施例である集合住宅を
示す部分平面図である。
【図17】本発明のさらに他の実施例である集合住宅を
示す部分平面図である。
【図18】本発明のさらに他の実施例である集合住宅を
示す部分平面図である。
【符号の説明】
2 住戸 3 フラットスラブ 4 柱 54a,54b 戸境壁 56,57 逆梁 59,60 外壁 61,63 出入口 62,64 逆梁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北村 佳久 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の住戸が順次隣接配置されて一方向
    に長い平面形状とされているフラットプレート構造の集
    合住宅であって、 前記方向と直交する方向に設けられて住戸同士を区画す
    る戸境壁が耐震壁とされており、かつ、住戸の外壁位置
    または該外壁の外側位置において各階のスラブの上面側
    に突出する逆梁が前記方向に沿って設けられていること
    を特徴とする集合住宅。
  2. 【請求項2】 各住戸の外壁位置にはその中間に柱が設
    けられて各住戸の間口は複数のスパンにより構成されて
    いて、それら複数のスパンのいずれかに出入口が設けら
    れ、前記逆梁は、前記出入口が設けられるスパンを除く
    他のスパンに設置されていることを特徴とする請求項1
    記載の集合住宅。
  3. 【請求項3】 上下に重なっている住戸におけるそれぞ
    れの逆梁は互いに異なるスパンに設置されていて、この
    集合住宅全体ではそれら逆梁が千鳥配置されていること
    を特徴とする請求項2記載の集合住宅。
JP20583394A 1994-05-19 1994-08-30 集合住宅 Pending JPH0835341A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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