JPH0835159A - 不織布 - Google Patents
不織布Info
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- JPH0835159A JPH0835159A JP6186866A JP18686694A JPH0835159A JP H0835159 A JPH0835159 A JP H0835159A JP 6186866 A JP6186866 A JP 6186866A JP 18686694 A JP18686694 A JP 18686694A JP H0835159 A JPH0835159 A JP H0835159A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fibers
- roll
- woven fabric
- nonwoven fabric
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 透湿性および耐水圧に優れ、適度な透光性を
有するとともに、引裂強度にも優れた不織布を提供する
ことである。 【構成】 表面層を構成する繊維が内部の繊維に比べて
偏平であるとともに、互いに接着または融着しており、
水流速平均孔径が0.2μm以上〜2.0μm以下、
通気性が1秒/100cc以上〜100秒/100c
c以下、透光性が40%以上〜85%以下、目付が
20g/m2 以上〜200g/m2 以下、であることを
特徴とす不織布。
有するとともに、引裂強度にも優れた不織布を提供する
ことである。 【構成】 表面層を構成する繊維が内部の繊維に比べて
偏平であるとともに、互いに接着または融着しており、
水流速平均孔径が0.2μm以上〜2.0μm以下、
通気性が1秒/100cc以上〜100秒/100c
c以下、透光性が40%以上〜85%以下、目付が
20g/m2 以上〜200g/m2 以下、であることを
特徴とす不織布。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた透湿性と耐水圧
及び適度な透明性を有するとともに引き裂き強度に優れ
た建築用材料、農業資材用などに有用な不織布に関す
る。
及び適度な透明性を有するとともに引き裂き強度に優れ
た建築用材料、農業資材用などに有用な不織布に関す
る。
【0002】
【従来の技術】透湿性、耐水圧に優れた不織布として、
例えば特開平1−97274号公報に開示されたフラッ
シュ紡糸法で得られる極細三次元網状繊維不織布が知ら
れている。この種の不織布は、製造条件にもよるが50
00〜6000g/m2 /24Hr程度の透湿度、15
00〜2000mmH2 O程度の耐水圧を有する。そこ
で、このような不織布の特性を利用して建築用、農業用
などの分野で盛んに使用されている。しかし、この不織
布は透光度が低く、10%程度またはそれ以下である
為、建築用資材や農業用資材などに使用した場合、外か
らでは内部の様子が判らない為、作業上、不便をきたす
ことが多い。例えば、ハウスラップ等の建築用材料とし
て使用した場合、この不織布で覆われた部分は内部が見
えないため、所定の位置にカッター止めをする作業が難
しい。更に、引裂強度が低いため、強風時にカッター止
め部分が破れやすいという問題もある。マルチング資材
等の農業用材料として使用した場合、内部の植物の成育
状況を見るためにはその都度不織布を持ち上げる必要が
あり不便である。
例えば特開平1−97274号公報に開示されたフラッ
シュ紡糸法で得られる極細三次元網状繊維不織布が知ら
れている。この種の不織布は、製造条件にもよるが50
00〜6000g/m2 /24Hr程度の透湿度、15
00〜2000mmH2 O程度の耐水圧を有する。そこ
で、このような不織布の特性を利用して建築用、農業用
などの分野で盛んに使用されている。しかし、この不織
布は透光度が低く、10%程度またはそれ以下である
為、建築用資材や農業用資材などに使用した場合、外か
らでは内部の様子が判らない為、作業上、不便をきたす
ことが多い。例えば、ハウスラップ等の建築用材料とし
て使用した場合、この不織布で覆われた部分は内部が見
えないため、所定の位置にカッター止めをする作業が難
しい。更に、引裂強度が低いため、強風時にカッター止
め部分が破れやすいという問題もある。マルチング資材
等の農業用材料として使用した場合、内部の植物の成育
状況を見るためにはその都度不織布を持ち上げる必要が
あり不便である。
【0003】ポリプロピレン繊維からなる不織布は70
%程度の透光性を有し、透湿度も9000g/m2 /2
4Hr程度の大きな値を示す。しかし、耐水圧は50m
mH2 Oと極めて低いため、雨水が内部に侵入し易く、
屋外で使用する際の大きな障害になっている。
%程度の透光性を有し、透湿度も9000g/m2 /2
4Hr程度の大きな値を示す。しかし、耐水圧は50m
mH2 Oと極めて低いため、雨水が内部に侵入し易く、
屋外で使用する際の大きな障害になっている。
【0004】一般に、透湿性と耐水圧は二律相反すると
ころがあり、かかる問題を解決するために不織布を構成
する繊維の間隙を大きくすると、透湿性は向上するが耐
水圧は低下する。前述のフラッシュ紡糸法による不織布
のように両者が充足されても、これらの性能を落とすこ
となく更に透明性を付与するのは極めて困難な問題であ
る。不織布を構成する繊維間隙を大きくしたり、不織布
の目付を小さくすると透明性は増加するが、耐水圧の低
下は避けられない。従って、従来から行われている手段
によってこれら三者を同時に改良するということは極め
て困難なことであり、ハウスラップやマルチング資材に
最適な、透湿度4000g/m2 /24Hr以上、耐水
圧500mmH2 O以上で、かつ適度な透明性を有する
不織布は未だ存在しないのである。
ころがあり、かかる問題を解決するために不織布を構成
する繊維の間隙を大きくすると、透湿性は向上するが耐
水圧は低下する。前述のフラッシュ紡糸法による不織布
のように両者が充足されても、これらの性能を落とすこ
となく更に透明性を付与するのは極めて困難な問題であ
る。不織布を構成する繊維間隙を大きくしたり、不織布
の目付を小さくすると透明性は増加するが、耐水圧の低
下は避けられない。従って、従来から行われている手段
によってこれら三者を同時に改良するということは極め
て困難なことであり、ハウスラップやマルチング資材に
最適な、透湿度4000g/m2 /24Hr以上、耐水
圧500mmH2 O以上で、かつ適度な透明性を有する
不織布は未だ存在しないのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、透湿
性、耐水圧に優れるのみならず、適度な透明性を有し、
なおかつ引き裂き強度に優れた、従来にない不織布を開
発すべく鋭意研究を行った結果、本発明を完成するに至
った。適度な透明性というのは、ガラスのように完全な
透明ではなく、不織布で覆われた内部にあるもののおお
よその輪郭がわかる程度の状態のことである。本発明の
もう1つの目的は、上記特性に加えて引裂強度にも優れ
摩耗による毛羽の発生し難い不織布を提供することであ
る。
性、耐水圧に優れるのみならず、適度な透明性を有し、
なおかつ引き裂き強度に優れた、従来にない不織布を開
発すべく鋭意研究を行った結果、本発明を完成するに至
った。適度な透明性というのは、ガラスのように完全な
透明ではなく、不織布で覆われた内部にあるもののおお
よその輪郭がわかる程度の状態のことである。本発明の
もう1つの目的は、上記特性に加えて引裂強度にも優れ
摩耗による毛羽の発生し難い不織布を提供することであ
る。
【0006】
【発明が解決するための手段】本発明の目的は、特許請
求の範囲の欄に記載した発明によって達成される。本発
明の一つの特徴は、熱可塑性重合体繊維からなる不織布
において、少なくとも一方の表面層を構成する繊維は、
押し潰されて内部の繊維に比べて偏平であるとともに繊
維同志が接着又は融着しており、水流速法で測定される
水流速平均孔径が0.2μm以上〜2.0μm以下であ
る点である。図面を用いてこれを説明する。
求の範囲の欄に記載した発明によって達成される。本発
明の一つの特徴は、熱可塑性重合体繊維からなる不織布
において、少なくとも一方の表面層を構成する繊維は、
押し潰されて内部の繊維に比べて偏平であるとともに繊
維同志が接着又は融着しており、水流速法で測定される
水流速平均孔径が0.2μm以上〜2.0μm以下であ
る点である。図面を用いてこれを説明する。
【0007】図1、2、3に、それぞれ本発明の一実施
例の平滑な表面層、断面、他方の面の電子顕微鏡写真を
示す。図1に示す表面層はランダム方向に向いている複
数の単繊維が相互に押し潰されて偏平化し、相互に交叉
する場合には互いに埋没した状態で偏平化し、互いに隣
接する繊維は部分的に空隙を有しながら接着または融着
している。そして、繊維密度の大きい微多孔の平滑な表
面を形成している。この層が優れた耐水圧と透湿性およ
び適度な透光性を発揮するのである。図2に示す平滑な
表面層に続く層は概して単繊維の押し潰される程度が漸
次小さくなっており、紡糸されたときの単繊維の形状を
実質的に保ちながら、単繊維同志が接着、融着又は交錯
している。この層は透湿性、引裂強度の改良に寄与して
いる。図3に示す他方の面は、製造条件により異なる
が、この図面の場合には単繊維同志が少なくとも、その
交差点で相互に押し潰され接着または融着している。必
要に応じて、図1のような平滑を表面層を形成しても良
い。いずれの場合も繊維間は少なくとも部分的に融着し
ているので、摩耗などにより毛羽が発生することが抑え
られる。
例の平滑な表面層、断面、他方の面の電子顕微鏡写真を
示す。図1に示す表面層はランダム方向に向いている複
数の単繊維が相互に押し潰されて偏平化し、相互に交叉
する場合には互いに埋没した状態で偏平化し、互いに隣
接する繊維は部分的に空隙を有しながら接着または融着
している。そして、繊維密度の大きい微多孔の平滑な表
面を形成している。この層が優れた耐水圧と透湿性およ
び適度な透光性を発揮するのである。図2に示す平滑な
表面層に続く層は概して単繊維の押し潰される程度が漸
次小さくなっており、紡糸されたときの単繊維の形状を
実質的に保ちながら、単繊維同志が接着、融着又は交錯
している。この層は透湿性、引裂強度の改良に寄与して
いる。図3に示す他方の面は、製造条件により異なる
が、この図面の場合には単繊維同志が少なくとも、その
交差点で相互に押し潰され接着または融着している。必
要に応じて、図1のような平滑を表面層を形成しても良
い。いずれの場合も繊維間は少なくとも部分的に融着し
ているので、摩耗などにより毛羽が発生することが抑え
られる。
【0008】この平滑な表面層を有する不織布は、水流
速法で測定される水流速平均孔径が0.2μm以上〜
2.0μm以下、好ましくは0.5μm以上〜1.5μ
m以下である。水流速平均孔径が0.2μm未満では透
湿性が低くなり、4000g/m2 /24Hr以上の透
湿性を達成できない。2.0μmを越えると耐水圧が低
くなり、500mmH2 O以上の耐水圧を達成できな
い。さらに、より優れた透湿性をえるには単位面積当り
の総開孔面積率が0.5%以上が好ましく、より優れた
耐水圧をえるには7.0%以下が好ましい。
速法で測定される水流速平均孔径が0.2μm以上〜
2.0μm以下、好ましくは0.5μm以上〜1.5μ
m以下である。水流速平均孔径が0.2μm未満では透
湿性が低くなり、4000g/m2 /24Hr以上の透
湿性を達成できない。2.0μmを越えると耐水圧が低
くなり、500mmH2 O以上の耐水圧を達成できな
い。さらに、より優れた透湿性をえるには単位面積当り
の総開孔面積率が0.5%以上が好ましく、より優れた
耐水圧をえるには7.0%以下が好ましい。
【0009】少なくとも一方の表面を平滑化する為に、
未延伸ポリエステル長繊維不織布を特定の温度、線圧の
下で一対のローラーの間を通過させる技術は本発明の出
願人による特公平1−47588号公報に記載されてい
る。しかし、この発明では透湿性、耐水圧の向上、適度
な透明性の付与が不十分なため、本発明者らは更に研究
を行い、特願平5−333号として出願した。該発明の
不織布は、透湿性は4000g/m2 /24Hr以上を
示すものの、耐水圧は350mmH2 O以下と低い為、
屋外で使用した場合、雨水の内部への浸入防止が不満足
なものであった。これらの結果から、単に不織布の表面
を平滑化しただけでは、透湿性、耐水圧、透明性を同時
に満足する不織布は得られないことが明らかになった。
未延伸ポリエステル長繊維不織布を特定の温度、線圧の
下で一対のローラーの間を通過させる技術は本発明の出
願人による特公平1−47588号公報に記載されてい
る。しかし、この発明では透湿性、耐水圧の向上、適度
な透明性の付与が不十分なため、本発明者らは更に研究
を行い、特願平5−333号として出願した。該発明の
不織布は、透湿性は4000g/m2 /24Hr以上を
示すものの、耐水圧は350mmH2 O以下と低い為、
屋外で使用した場合、雨水の内部への浸入防止が不満足
なものであった。これらの結果から、単に不織布の表面
を平滑化しただけでは、透湿性、耐水圧、透明性を同時
に満足する不織布は得られないことが明らかになった。
【0010】本発明者らは、かかる知見を基に更に研究
を重ねた結果、特定の結晶化度を持つ繊維から成る不織
布を、極めて限られた条件下で一対のローラーの間を通
すことによって、はじめて本発明の目的が達成されるこ
とを見い出した。即ち、本発明は、熱可塑性重合体繊維
からなる不織布において、少なくとも一方の表面層を構
成する繊維は、押し潰されて内部の繊維に比べて偏平で
あるとともに繊維同志が接着又は融着しており、水流速
法で測定される水流速平均孔径が0.2μm以上〜2.
0μm以下、目付が20g/m2 以上〜200g/m2
以下、通気性が1秒/100cc以上〜100秒/10
0cc以下、透光性が10%以上〜85%以下であるこ
とを特徴とする不織布である。
を重ねた結果、特定の結晶化度を持つ繊維から成る不織
布を、極めて限られた条件下で一対のローラーの間を通
すことによって、はじめて本発明の目的が達成されるこ
とを見い出した。即ち、本発明は、熱可塑性重合体繊維
からなる不織布において、少なくとも一方の表面層を構
成する繊維は、押し潰されて内部の繊維に比べて偏平で
あるとともに繊維同志が接着又は融着しており、水流速
法で測定される水流速平均孔径が0.2μm以上〜2.
0μm以下、目付が20g/m2 以上〜200g/m2
以下、通気性が1秒/100cc以上〜100秒/10
0cc以下、透光性が10%以上〜85%以下であるこ
とを特徴とする不織布である。
【0011】透湿度、耐水圧および透光度を向上させる
ためのそれぞれの構成条件は異なり、また互いに相反す
るものであるから、従来の技術常識からは透湿度400
0g/m2 /24Hr以上、耐水圧500mmH2 O以
上で、かつ適度な透明性を有する不織布は到底考え及ば
ないものである。
ためのそれぞれの構成条件は異なり、また互いに相反す
るものであるから、従来の技術常識からは透湿度400
0g/m2 /24Hr以上、耐水圧500mmH2 O以
上で、かつ適度な透明性を有する不織布は到底考え及ば
ないものである。
【0012】本発明の不織布は、不織布を単に一対のロ
ーラーの間を通過させて表面を平滑化するだけではな
く、後述するように、特定の結晶化度を持つ繊維から成
り、目付が20g/m2 以上〜200g/m2 以下の不
織布を、特定の硬度を持つロールを用い、非晶領域の分
子鎖が再結晶化し始める低温度域で、特定の高圧下で一
対のローラーの間を通過させるか、結晶が融解し始める
温度未満であって、その温度近傍の温度域で特定の低圧
下で一対のローラーの間を通過させることによって、は
じめて水流速法で測定される水流速平均孔径が0.2μ
m以上〜2.0μm以下、通気性が1秒/100cc以
上〜100秒/100cc以下、透光性が40%以上〜
85%以下の不織布が得られるのである。
ーラーの間を通過させて表面を平滑化するだけではな
く、後述するように、特定の結晶化度を持つ繊維から成
り、目付が20g/m2 以上〜200g/m2 以下の不
織布を、特定の硬度を持つロールを用い、非晶領域の分
子鎖が再結晶化し始める低温度域で、特定の高圧下で一
対のローラーの間を通過させるか、結晶が融解し始める
温度未満であって、その温度近傍の温度域で特定の低圧
下で一対のローラーの間を通過させることによって、は
じめて水流速法で測定される水流速平均孔径が0.2μ
m以上〜2.0μm以下、通気性が1秒/100cc以
上〜100秒/100cc以下、透光性が40%以上〜
85%以下の不織布が得られるのである。
【0013】本発明の不織布の通気性は1秒/100c
c以上〜100秒/100cc以下であることが必要で
あり、通気性が1秒/100cc未満では、500mm
H2O以上の耐水圧を達成できなく、100秒/100
ccを越えると4000g/m2 /24Hr以上の透湿
性を達成できない。本発明の不織布の目付は20g/m
2 以上〜100g/m2 以下であることが必要であり、
目付が20g/m2 未満では目的とする耐水圧や引裂強
度が得られず、200g/m2 を越えると透湿性、透光
性を向上させることはできない。
c以上〜100秒/100cc以下であることが必要で
あり、通気性が1秒/100cc未満では、500mm
H2O以上の耐水圧を達成できなく、100秒/100
ccを越えると4000g/m2 /24Hr以上の透湿
性を達成できない。本発明の不織布の目付は20g/m
2 以上〜100g/m2 以下であることが必要であり、
目付が20g/m2 未満では目的とする耐水圧や引裂強
度が得られず、200g/m2 を越えると透湿性、透光
性を向上させることはできない。
【0014】更に、本発明の不織布の透光性は40%以
上〜85%以下であることが必要であり、透光性がこの
範囲であれば不織布で覆われた内部にある物の輪郭がわ
かる程度に透明であり、不織布と密着している箇所はか
なり明瞭に見え、従って、ハウスラップに用いた場合、
所定の位置にカッター止めをする作業が容易にできる
し、透けすぎて内部が丸見えになり外観を損ねることも
なく、また、農業用マルチング資材に用いた場合、いち
いち不織布をめくらなくても外部から植物の成育状況が
わかる。次に、本発明の不織布の製造方法を説明する。
上〜85%以下であることが必要であり、透光性がこの
範囲であれば不織布で覆われた内部にある物の輪郭がわ
かる程度に透明であり、不織布と密着している箇所はか
なり明瞭に見え、従って、ハウスラップに用いた場合、
所定の位置にカッター止めをする作業が容易にできる
し、透けすぎて内部が丸見えになり外観を損ねることも
なく、また、農業用マルチング資材に用いた場合、いち
いち不織布をめくらなくても外部から植物の成育状況が
わかる。次に、本発明の不織布の製造方法を説明する。
【0015】熱圧着される前の不織布(以下、中間製品
と称す)は公知の不織布製造方法によって得ることがで
き、最も代表的な方法は、溶融ポリマーを紡口から押し
出し、エアーサッカー等の高速吸引ガスにより吸引延伸
し、開繊した後、進行する金網コンベアー上でウェブを
形成し、ボンディングする工程から成るスパンボンド法
である。
と称す)は公知の不織布製造方法によって得ることがで
き、最も代表的な方法は、溶融ポリマーを紡口から押し
出し、エアーサッカー等の高速吸引ガスにより吸引延伸
し、開繊した後、進行する金網コンベアー上でウェブを
形成し、ボンディングする工程から成るスパンボンド法
である。
【0016】いずれの方法を採用するにしても、その際
に最も重要なのは、上記ウエブを構成する繊維の示差走
査熱量計(DSC)の融解カーブから求められる結晶化
度を10%以上〜35%以下に調節することである。1
0%未満では、次に熱ロールで圧着すると隣接する繊維
間に空隙が形成されずに平滑化が進み、平均孔径及び、
総開孔面積率が小さくなり、耐水圧、透光度は高くなる
が透湿性は低下し、また、35%を越えると、逆に熱ロ
ールで圧着すると表面層の平滑化が容易に進まず平均孔
径及び、総開孔面積率が大きくなり、透湿性は高くなる
が耐水圧、透光度が低下し、従って、この範囲を逸脱す
ると、本発明の目的とする透湿性、耐水圧透明性が達成
できない。
に最も重要なのは、上記ウエブを構成する繊維の示差走
査熱量計(DSC)の融解カーブから求められる結晶化
度を10%以上〜35%以下に調節することである。1
0%未満では、次に熱ロールで圧着すると隣接する繊維
間に空隙が形成されずに平滑化が進み、平均孔径及び、
総開孔面積率が小さくなり、耐水圧、透光度は高くなる
が透湿性は低下し、また、35%を越えると、逆に熱ロ
ールで圧着すると表面層の平滑化が容易に進まず平均孔
径及び、総開孔面積率が大きくなり、透湿性は高くなる
が耐水圧、透光度が低下し、従って、この範囲を逸脱す
ると、本発明の目的とする透湿性、耐水圧透明性が達成
できない。
【0017】結晶化度を上記範囲に調節するには、スパ
ンボンド法によるポリエチレンテレフタレート繊維不織
布の場合、エアーサッカーによる吸引延伸速度を240
0〜3600m/分に設定する必要がある。次いで、上
記ウエブを一対の平滑な熱ロール間を通し熱圧着させる
のであるが、この際のロール硬度、温度、線圧が本発明
の目的を達成する上で重要な条件であり、本発明者ら
は、上記の特定の結晶化度を有する繊維から成るウエブ
を特定の条件下で熱圧着することにより、優れた透湿性
と耐水圧、適度な透光度を有し、かつ引き裂き強度に優
れた不織布が得られることをはじめて見い出した。
ンボンド法によるポリエチレンテレフタレート繊維不織
布の場合、エアーサッカーによる吸引延伸速度を240
0〜3600m/分に設定する必要がある。次いで、上
記ウエブを一対の平滑な熱ロール間を通し熱圧着させる
のであるが、この際のロール硬度、温度、線圧が本発明
の目的を達成する上で重要な条件であり、本発明者ら
は、上記の特定の結晶化度を有する繊維から成るウエブ
を特定の条件下で熱圧着することにより、優れた透湿性
と耐水圧、適度な透光度を有し、かつ引き裂き強度に優
れた不織布が得られることをはじめて見い出した。
【0018】一対の平滑な熱ロールには、金属ロールと
ペーパーロール、金属ロールと樹脂ロール、金属ロール
とゴムロール等の組み合わせが用いられる。その際、金
属ロールと対をなすロールの硬度が重要であり、ロール
硬度計で80度以上〜110度以下のものを用いる。更
に、熱ロールの温度、圧力の調節が重要であり、本発明
の目的を達成するためには、次のいずれかの条件下で上
記ウエブを熱圧着する必要がある。すなわち、繊維を構
成する重合体の非晶領域の分子鎖が動き出し再結晶化し
始める温度域(例えば、ポリエチレンテレフタレートの
場合、110℃以上〜140℃以下)において、線圧1
50kg/cm以上〜300kg/cm以下の条件、ま
たは重合体の融点近傍の結晶が融解し始める温度未満で
あってその近傍の温度域、(例えば、ポリエチレンテレ
フタレートの場合、180℃以上〜230℃以下)にお
いて、線圧10kg/cm以上〜50kg/cm以下の
条件である。
ペーパーロール、金属ロールと樹脂ロール、金属ロール
とゴムロール等の組み合わせが用いられる。その際、金
属ロールと対をなすロールの硬度が重要であり、ロール
硬度計で80度以上〜110度以下のものを用いる。更
に、熱ロールの温度、圧力の調節が重要であり、本発明
の目的を達成するためには、次のいずれかの条件下で上
記ウエブを熱圧着する必要がある。すなわち、繊維を構
成する重合体の非晶領域の分子鎖が動き出し再結晶化し
始める温度域(例えば、ポリエチレンテレフタレートの
場合、110℃以上〜140℃以下)において、線圧1
50kg/cm以上〜300kg/cm以下の条件、ま
たは重合体の融点近傍の結晶が融解し始める温度未満で
あってその近傍の温度域、(例えば、ポリエチレンテレ
フタレートの場合、180℃以上〜230℃以下)にお
いて、線圧10kg/cm以上〜50kg/cm以下の
条件である。
【0019】なお、本発明の不織布の一方の面を平滑に
し、それに続く層で繊維形状が実質的に保持されるよう
にするために、熱圧着時に上部ロールと下部ロール間に
例えば適当な温度差を設けると好ましく、又、両面2回
通して熱圧着すると、他方の面も繊維同志が接着、融着
して、毛羽の発生が防止できる。必要に応じて、熱圧着
した不織布にポリビニールアルコール、カルボキシメチ
ルセルロース、アクリル樹脂などの高分子物質をコーテ
ィング又は含浸させて水流速平均孔径を0.2μm以上
〜2.0μm以下、単位面積当りの総開孔面積率を0.
5%以上〜7.0%以下にしてもよい。
し、それに続く層で繊維形状が実質的に保持されるよう
にするために、熱圧着時に上部ロールと下部ロール間に
例えば適当な温度差を設けると好ましく、又、両面2回
通して熱圧着すると、他方の面も繊維同志が接着、融着
して、毛羽の発生が防止できる。必要に応じて、熱圧着
した不織布にポリビニールアルコール、カルボキシメチ
ルセルロース、アクリル樹脂などの高分子物質をコーテ
ィング又は含浸させて水流速平均孔径を0.2μm以上
〜2.0μm以下、単位面積当りの総開孔面積率を0.
5%以上〜7.0%以下にしてもよい。
【0020】本発明の熱可塑性重合体繊維としては、例
えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピ
レン共重合体等のポリオレフィン繊維、又、ポリエチレ
ンテレフタレート、共重合ポリエステル等のポリエステ
ル繊維、及びそれぞれからなる芯鞘形等の複合繊維等の
単一成分あるいは複合繊維がある。なかでもポリエチレ
ンテレフタレート繊維が好ましい。本発明を構成する繊
維の単糸繊度は、0.1デニール以上2デニール以下が
好ましい。0.1デニール未満では引裂強度が低くな
り、施工時の強風により破れ易くなりがちである。一
方、2デニールを越えると透湿性は高くなるが耐水圧が
不足する傾向がある。
えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピ
レン共重合体等のポリオレフィン繊維、又、ポリエチレ
ンテレフタレート、共重合ポリエステル等のポリエステ
ル繊維、及びそれぞれからなる芯鞘形等の複合繊維等の
単一成分あるいは複合繊維がある。なかでもポリエチレ
ンテレフタレート繊維が好ましい。本発明を構成する繊
維の単糸繊度は、0.1デニール以上2デニール以下が
好ましい。0.1デニール未満では引裂強度が低くな
り、施工時の強風により破れ易くなりがちである。一
方、2デニールを越えると透湿性は高くなるが耐水圧が
不足する傾向がある。
【0021】構成繊維は同一繊度あるいは2種以上の異
繊度にしてもよい。構成繊維の断面形状は、丸、偏平、
異形などを用いることができ特に限定するものではな
い。本発明の不織布を構成する繊維は、建築用材料及び
農業資材に使用するために耐久性、耐候性、耐水性、難
燃性などの機能が要求されるから、本発明の目的を損な
わない範囲において、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔
料、難燃剤などを適量添加することができる。更に、本
発明の不織布は目的に応じて樹脂加工、撥水加工、着色
加工、印刷加工、蒸着加工、スパッタリングなどを行な
い機能向上をさせることができる。
繊度にしてもよい。構成繊維の断面形状は、丸、偏平、
異形などを用いることができ特に限定するものではな
い。本発明の不織布を構成する繊維は、建築用材料及び
農業資材に使用するために耐久性、耐候性、耐水性、難
燃性などの機能が要求されるから、本発明の目的を損な
わない範囲において、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔
料、難燃剤などを適量添加することができる。更に、本
発明の不織布は目的に応じて樹脂加工、撥水加工、着色
加工、印刷加工、蒸着加工、スパッタリングなどを行な
い機能向上をさせることができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。なお実施例中で示した各物性は次の方法により測
定した。 (1)透湿性 ── JIS−L−1099 (2)耐水圧 ── JIS−L−1092〔撥水度試
験(スプレー試験)及び耐水圧〕 (3)通気性 ── JIS−L−1096(ガーレー
法) (4)引裂強度── JIS−L−1096D法(ベン
ジュラム法) (5)透光性 ── 試験箱の底部分に照度計をセット
して箱上部分を10×10cm開けて光源を調整して1
万ルックスにした状態で箱上部分の開いた部分に試料を
セットして(1)式にて得られる透光率で評価した。試
料と照度計の高さを10cmとした。
する。なお実施例中で示した各物性は次の方法により測
定した。 (1)透湿性 ── JIS−L−1099 (2)耐水圧 ── JIS−L−1092〔撥水度試
験(スプレー試験)及び耐水圧〕 (3)通気性 ── JIS−L−1096(ガーレー
法) (4)引裂強度── JIS−L−1096D法(ベン
ジュラム法) (5)透光性 ── 試験箱の底部分に照度計をセット
して箱上部分を10×10cm開けて光源を調整して1
万ルックスにした状態で箱上部分の開いた部分に試料を
セットして(1)式にて得られる透光率で評価した。試
料と照度計の高さを10cmとした。
【0023】
【式1】 A──試料を装着しないときの照度(LX) B──試料を装着したときの照度(LX)
【0024】(6)水流速平均孔径──負荷圧力ΔPの
ときの水の透水量(単位面積、単位時間当り)を測定し
て(2)式より水流速平均孔径を求めた。
ときの水の透水量(単位面積、単位時間当り)を測定し
て(2)式より水流速平均孔径を求めた。
【式2】 式中、D─水流速平均孔径(mμ)、V─透水量(m/
min)、T─膜圧(μm)、ΔP─圧力差(mmH
g)、A─膜面積(m2 )、Prp─空孔率(−)、μ
─水粘性率(cp)、である。
min)、T─膜圧(μm)、ΔP─圧力差(mmH
g)、A─膜面積(m2 )、Prp─空孔率(−)、μ
─水粘性率(cp)、である。
【0025】空孔率;Prpは、水膨潤時の見掛密度
P、ポリマーの密度ρpより(3)式で求めた。例え
ば、ポリエステルの場合、ρp=1.38を用いた。 Prp(%)=(1−P/ρp)×100 ──(3) (7)総開孔面積率─電子顕微鏡で100倍に接写した
4枚の連続写真(310cm×440cm大)の上に透
明なフィルムを置き不織布の最外表面に存在する繊維の
押し潰された繊維が囲んで作る孔を黒く塗り潰した後コ
ンピューター画像処理機で解析して単位面積当りの総開
孔面積率とした。
P、ポリマーの密度ρpより(3)式で求めた。例え
ば、ポリエステルの場合、ρp=1.38を用いた。 Prp(%)=(1−P/ρp)×100 ──(3) (7)総開孔面積率─電子顕微鏡で100倍に接写した
4枚の連続写真(310cm×440cm大)の上に透
明なフィルムを置き不織布の最外表面に存在する繊維の
押し潰された繊維が囲んで作る孔を黒く塗り潰した後コ
ンピューター画像処理機で解析して単位面積当りの総開
孔面積率とした。
【0026】(実施例1)孔径0.3mm、孔数100
0個の矩形紡糸口金を用いて固有粘度0.75のポリエ
チレンテレフタレートを溶融温度280℃でエアーサッ
カー吸引しながら、吐出量0.33g/Hole/分、
紡糸速度約3000m/minで紡糸して目付65g/
m2 (単糸繊度1.0d)のウエブを形成、次にボンデ
ィング装置で部分圧着させて中間製品を得た。この時の
繊維の結晶化度は28%であった。次に中間製品を一対
のペーパーカレンダー(上ロール180℃の金属ロー
ル、下ロール40℃のペーパーロール)を用いて線圧4
0kg/cmの条件で熱圧着を行なった。その後グラビ
アロールで撥水剤(ディックガードNH−10;商品
名)を0.02g/m2 塗布した。得られた不織布の性
能を表1に示す。
0個の矩形紡糸口金を用いて固有粘度0.75のポリエ
チレンテレフタレートを溶融温度280℃でエアーサッ
カー吸引しながら、吐出量0.33g/Hole/分、
紡糸速度約3000m/minで紡糸して目付65g/
m2 (単糸繊度1.0d)のウエブを形成、次にボンデ
ィング装置で部分圧着させて中間製品を得た。この時の
繊維の結晶化度は28%であった。次に中間製品を一対
のペーパーカレンダー(上ロール180℃の金属ロー
ル、下ロール40℃のペーパーロール)を用いて線圧4
0kg/cmの条件で熱圧着を行なった。その後グラビ
アロールで撥水剤(ディックガードNH−10;商品
名)を0.02g/m2 塗布した。得られた不織布の性
能を表1に示す。
【0027】(実施例2)孔径0.3mm、孔数100
0個の矩形紡糸口金を用いて固有粘度0.75のポリエ
チレンテレフタレートを溶融温度290℃でエアーサッ
カー吸引しながら、吐出量0.5g/Hole/分、紡
糸速度約3000m/minで紡糸して目付65g/m
2 (単糸繊度 1.5d)のウエブを形成、次にボンデ
ィング装置で部分圧着させて中間製品を得た。この時の
繊維の結晶化度は24%であった。次に中間製品を一対
のペーパーカレンダー(上ロール140℃の金属ロー
ル、下ロール40℃のペーパーロール)を用いて線圧3
00kg/cmの条件で両面を8回通して熱圧着を行な
った。その後グラビアロールで撥水剤(ディックガード
NH−10;商品名)を0.02g/m2 塗布した。そ
の結果毛羽防止性が改良された不織布が得られた。得ら
れた不織布の性能を表1に示す。
0個の矩形紡糸口金を用いて固有粘度0.75のポリエ
チレンテレフタレートを溶融温度290℃でエアーサッ
カー吸引しながら、吐出量0.5g/Hole/分、紡
糸速度約3000m/minで紡糸して目付65g/m
2 (単糸繊度 1.5d)のウエブを形成、次にボンデ
ィング装置で部分圧着させて中間製品を得た。この時の
繊維の結晶化度は24%であった。次に中間製品を一対
のペーパーカレンダー(上ロール140℃の金属ロー
ル、下ロール40℃のペーパーロール)を用いて線圧3
00kg/cmの条件で両面を8回通して熱圧着を行な
った。その後グラビアロールで撥水剤(ディックガード
NH−10;商品名)を0.02g/m2 塗布した。そ
の結果毛羽防止性が改良された不織布が得られた。得ら
れた不織布の性能を表1に示す。
【0028】(実施例3)孔径0.3mm、孔数100
0個の矩形紡糸口金を用いて固有粘度0.75のポリエ
チレンテレフタレートを溶融温度290℃でエアーサッ
カー吸引しながら、吐出量0.67g/Hole/分、
紡糸速度約3000m/minで紡糸して目付70g/
m2 (単糸繊度 2.0d)のウエブを形成、次にボン
ディング装置で部分圧着させて中間製品を得た。この時
の繊維の結晶化度は24%であった。次に中間製品を一
対のペーパーカレンダー(上ロール170℃の金属ロー
ル、下ロール40℃のペーパーロール)を用いて線圧3
0kg/cmの条件で熱圧着を行なった。その後グラビ
アロールで撥水剤(ディックガードNH−10;商品
名)を0.02g/m2 塗布した。得られた不織布の性
能を表1に示す。
0個の矩形紡糸口金を用いて固有粘度0.75のポリエ
チレンテレフタレートを溶融温度290℃でエアーサッ
カー吸引しながら、吐出量0.67g/Hole/分、
紡糸速度約3000m/minで紡糸して目付70g/
m2 (単糸繊度 2.0d)のウエブを形成、次にボン
ディング装置で部分圧着させて中間製品を得た。この時
の繊維の結晶化度は24%であった。次に中間製品を一
対のペーパーカレンダー(上ロール170℃の金属ロー
ル、下ロール40℃のペーパーロール)を用いて線圧3
0kg/cmの条件で熱圧着を行なった。その後グラビ
アロールで撥水剤(ディックガードNH−10;商品
名)を0.02g/m2 塗布した。得られた不織布の性
能を表1に示す。
【0029】(実施例4)孔径0.3mm、孔数100
0個の矩形紡糸口金を用いて固有粘度0.75のポリエ
チレンテレフタレートを溶融温度290℃でエアーサッ
カー吸引しながら、吐出量0.5g/Hole/分、紡
糸速度約3000m/minで紡糸して目付100g/
m2 (単糸繊度 1.5d)のウエブを形成、次にボン
ディング装置で部分圧着させて中間製品を得た。この時
の繊維の結晶化度は22%であった。次に中間製品を一
対のペーパーカレンダー(上ロール120℃の金属ロー
ル、下ロール40℃のペーパーロール)を用いて線圧1
50kg/cmの条件で熱圧着を行なった。その後グラ
ビアロールで撥水剤(ディックガードNH−10;商品
名)を0.02g/m2 塗布した。得られた不織布の性
能を表1に示す。
0個の矩形紡糸口金を用いて固有粘度0.75のポリエ
チレンテレフタレートを溶融温度290℃でエアーサッ
カー吸引しながら、吐出量0.5g/Hole/分、紡
糸速度約3000m/minで紡糸して目付100g/
m2 (単糸繊度 1.5d)のウエブを形成、次にボン
ディング装置で部分圧着させて中間製品を得た。この時
の繊維の結晶化度は22%であった。次に中間製品を一
対のペーパーカレンダー(上ロール120℃の金属ロー
ル、下ロール40℃のペーパーロール)を用いて線圧1
50kg/cmの条件で熱圧着を行なった。その後グラ
ビアロールで撥水剤(ディックガードNH−10;商品
名)を0.02g/m2 塗布した。得られた不織布の性
能を表1に示す。
【0030】(実施例5)後述の比較例1で得られる熱
圧着シートにナイフコーティング法でポリビニールアル
コール(商品名ゴーセノールN−300日本合成化学社
製)を0.5g/m2 塗布した。その後グラビアロール
で撥水剤(ディックガードNH−10;商品名)を0.
02g/m2 塗布した。得られた不織布の性能を表1に
示す。
圧着シートにナイフコーティング法でポリビニールアル
コール(商品名ゴーセノールN−300日本合成化学社
製)を0.5g/m2 塗布した。その後グラビアロール
で撥水剤(ディックガードNH−10;商品名)を0.
02g/m2 塗布した。得られた不織布の性能を表1に
示す。
【0031】(実施例6)目付30g/m2 (1.5
d)結晶化度24%であるポリエチレンテレフタレート
の中間製品と目付30g/m2 (3.5d)結晶化度2
4%であるポリエチレンテレフタレートの中間製品とを
積層して一対のペーパーカレンダー(上ロール180℃
の金属ロール、下ロール40℃のペーパーロール)を用
いて線圧40kg/cmの条件で熱圧着を行なった。そ
の後グラビアロールで撥水剤(ディックガードNH−1
0;商品名)を0.02g/m2 塗布した。得られた不
織布の性能を表1に示す。
d)結晶化度24%であるポリエチレンテレフタレート
の中間製品と目付30g/m2 (3.5d)結晶化度2
4%であるポリエチレンテレフタレートの中間製品とを
積層して一対のペーパーカレンダー(上ロール180℃
の金属ロール、下ロール40℃のペーパーロール)を用
いて線圧40kg/cmの条件で熱圧着を行なった。そ
の後グラビアロールで撥水剤(ディックガードNH−1
0;商品名)を0.02g/m2 塗布した。得られた不
織布の性能を表1に示す。
【0032】(比較例1)実施例2で得られた中間製品
を用いて、一対のペーパーカレンダー(上ロール130
℃の金属ロール、下ロール40℃のペーパーロール)に
より線圧20kg/cmの条件で熱圧着を行なった。そ
の後グラビアロールで撥水剤(ディックガードNH−1
0;商品名)を0.02g/m2 塗布した。得られた不
織布の性能を表2に示す。
を用いて、一対のペーパーカレンダー(上ロール130
℃の金属ロール、下ロール40℃のペーパーロール)に
より線圧20kg/cmの条件で熱圧着を行なった。そ
の後グラビアロールで撥水剤(ディックガードNH−1
0;商品名)を0.02g/m2 塗布した。得られた不
織布の性能を表2に示す。
【0033】(比較例2)実施例2で得られる中間製品
を用いて、一対のペーパーカレンダー(上ロール180
℃の金属ロール、下ロール40℃のペーパーロール)に
より線圧150kg/cmの条件で熱圧着を行なった。
その後グラビアロールで撥水剤(ディックガードNH−
10;商品名)を0.02g/m2 塗布した。得られた
不織布の性能を表2に示す。
を用いて、一対のペーパーカレンダー(上ロール180
℃の金属ロール、下ロール40℃のペーパーロール)に
より線圧150kg/cmの条件で熱圧着を行なった。
その後グラビアロールで撥水剤(ディックガードNH−
10;商品名)を0.02g/m2 塗布した。得られた
不織布の性能を表2に示す。
【0034】(比較例3)目付65g/m2 (単糸繊度
1.5d)、結晶化度45%であるポリエチレンテレフ
タレートの中間製品を一対のペーパーカレンダー(上ロ
ール200℃の金属ロール、下ロール40℃のペーパー
ロール)により線圧30kg/cmの条件下で熱圧着を
行なった。その後グラビアロールで撥水剤(ディックガ
ードNH−10;商品名)を0.02g/m2 塗布し
た。得られた不織布の性能を表2に示す。
1.5d)、結晶化度45%であるポリエチレンテレフ
タレートの中間製品を一対のペーパーカレンダー(上ロ
ール200℃の金属ロール、下ロール40℃のペーパー
ロール)により線圧30kg/cmの条件下で熱圧着を
行なった。その後グラビアロールで撥水剤(ディックガ
ードNH−10;商品名)を0.02g/m2 塗布し
た。得られた不織布の性能を表2に示す。
【0035】(比較例4)目付65g/m2 (単糸繊度
1.5d)、結晶化度10%であるポリエチレンテレフ
タレートのウエブを一対のペーパーカレンダー(上ロー
ル200℃の金属ロール、下ロール40℃のペーパーロ
ール)により線圧30kg/cmの条件で熱圧着を行な
った。その後グラビアロールで撥水剤(ディックガード
NH−10;商品名)0.02g/m2 塗布した。得ら
れた不織布の性能を表2に示す。
1.5d)、結晶化度10%であるポリエチレンテレフ
タレートのウエブを一対のペーパーカレンダー(上ロー
ル200℃の金属ロール、下ロール40℃のペーパーロ
ール)により線圧30kg/cmの条件で熱圧着を行な
った。その後グラビアロールで撥水剤(ディックガード
NH−10;商品名)0.02g/m2 塗布した。得ら
れた不織布の性能を表2に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】本発明の不織布は透湿性、耐水圧及び引
裂強度に優れ、透光性が高いので結露防止シートとして
住宅建築用材料に用られると、外壁施行時の雨水浸入防
止及び入居後の結露防止に優れた性能を発揮すると共
に、作業時の破れもなく、不織布の裏面が見えるからカ
ッター止めをする作業がしやすい等の利点がある。又、
果樹、根菜などのマルチシートとして農業資材用に用い
れば雨水を通さず、汚染水滴による病害発生を防ぎ、受
光量が増えるので果樹の糖度を高める。又、保温効果が
上がるので育成が早いという一石二鳥の効果がある。
裂強度に優れ、透光性が高いので結露防止シートとして
住宅建築用材料に用られると、外壁施行時の雨水浸入防
止及び入居後の結露防止に優れた性能を発揮すると共
に、作業時の破れもなく、不織布の裏面が見えるからカ
ッター止めをする作業がしやすい等の利点がある。又、
果樹、根菜などのマルチシートとして農業資材用に用い
れば雨水を通さず、汚染水滴による病害発生を防ぎ、受
光量が増えるので果樹の糖度を高める。又、保温効果が
上がるので育成が早いという一石二鳥の効果がある。
【0039】さらには、食品用途で電子レンジ包材とし
て用いると、半透明で中味が見え、融点の高いポリエス
テル繊維不織布の場合には、耐熱性があるので破れず、
又、蒸気を通すので、包材内面に結露することがなく食
品の外観や味を、損なうことがなく好ましい。又、メデ
ィカル用途で用いられる手術治具(メス、鉗子等)の蒸
気滅菌時の加圧加熱蒸気下では、速やかに、包材内に加
熱蒸気を入れ滅菌させ、減圧冷却時には、速やかに蒸気
を出し内部に結露しない。又、前記不織布の場合には耐
熱性がありヒートシール強力も強いため、滅菌時に包材
が破れるといった恐れがない。
て用いると、半透明で中味が見え、融点の高いポリエス
テル繊維不織布の場合には、耐熱性があるので破れず、
又、蒸気を通すので、包材内面に結露することがなく食
品の外観や味を、損なうことがなく好ましい。又、メデ
ィカル用途で用いられる手術治具(メス、鉗子等)の蒸
気滅菌時の加圧加熱蒸気下では、速やかに、包材内に加
熱蒸気を入れ滅菌させ、減圧冷却時には、速やかに蒸気
を出し内部に結露しない。又、前記不織布の場合には耐
熱性がありヒートシール強力も強いため、滅菌時に包材
が破れるといった恐れがない。
【図1】図1は、本発明不織布の平滑な層の表面を50
0倍に拡大した表面における繊維の形状を示す電子顕微
鏡写真。
0倍に拡大した表面における繊維の形状を示す電子顕微
鏡写真。
【図2】図2は、本発明不織布の断面における繊維の形
状を示す500倍に拡大した電子顕微鏡写真。
状を示す500倍に拡大した電子顕微鏡写真。
【図3】図3は、本発明不織布の他方の面を500倍に
拡大した繊維の形状を示す電子顕微鏡写真。
拡大した繊維の形状を示す電子顕微鏡写真。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【図1】
【図3】
Claims (1)
- 【請求項1】 熱可塑性重合体繊維からなる不織布にお
いて、少なくとも一方の表面層を構成する繊維は、押し
潰されて内部の繊維に比べて偏平であるとともに繊維同
志が接着又は融着しており、水流速法で測定される水流
速平均孔径が0.2μm以上〜2.0μm以下、目付が
20g/m2 以上〜200g/m2 以下、通気性が1秒
/100cc以上〜100秒/100cc以下、透光率
が40%以上〜85%以下であることを特徴とする不織
布。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6186866A JPH0835159A (ja) | 1994-07-18 | 1994-07-18 | 不織布 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6186866A JPH0835159A (ja) | 1994-07-18 | 1994-07-18 | 不織布 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0835159A true JPH0835159A (ja) | 1996-02-06 |
Family
ID=16196045
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6186866A Withdrawn JPH0835159A (ja) | 1994-07-18 | 1994-07-18 | 不織布 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0835159A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU2012378452B2 (en) * | 2012-04-27 | 2016-02-11 | Hochiki Corporation | Fire detector |
JP2016166524A (ja) * | 2015-03-03 | 2016-09-15 | 株式会社アサヒペン | 室内用装飾材及び下地材 |
JP2022074856A (ja) * | 2020-11-05 | 2022-05-18 | 一村産業株式会社 | 透湿防水シート |
-
1994
- 1994-07-18 JP JP6186866A patent/JPH0835159A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU2012378452B2 (en) * | 2012-04-27 | 2016-02-11 | Hochiki Corporation | Fire detector |
JP2016166524A (ja) * | 2015-03-03 | 2016-09-15 | 株式会社アサヒペン | 室内用装飾材及び下地材 |
JP2022074856A (ja) * | 2020-11-05 | 2022-05-18 | 一村産業株式会社 | 透湿防水シート |
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