JP2004019033A - 透明性に優れた不織布 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】目付が10g/m2以上50g/m2以下、単糸繊維径が20μm以上40μm以下の繊維を50wt%以上含有し、エンボス率が10%以上であることを特徴とするスパンボンド不織布。さらに、単糸繊維径が17μm以上20μm未満の繊維を50wt%以下含有することが好ましい。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明性に優れかつ均一な遮蔽効果を有する不織布に関する。
【0002】
【従来の技術】
不織布は、包材・衣料等の生活資材、オムツ用部材等の衛生材料、土木建築用等の産業資材、養生シート等の農業資材などに活用されている。これらの用途の多くは、不織布の遮蔽機能を活用し、製品保護等の包装性、皮膚保護等の被服性、尿洩れ防止等の耐水性、家屋内環境改善等の透湿防水性・通気性、フィルター等の濾過性、等々を発現せしめる用途である。したがって、これらの用途では内部を観察する必要性は少なく、むしろ遮光のために透明性を低くしたり、装飾のために着色や染色したり、耐水性向上のために繊維を緻密にしたりすることが要求され、内部を隠蔽することが必要であった。
【0003】
しかしながら、食料品の鮮度保持、植物の栽培、魚類の養殖、フィルター等の分野では、従来と同様の機能を有しながら、かつ、内部の食料品、植物、魚類、濾過物等を外部から観察することが必要とされる場合がある。
【0004】
従来、特開平7−330026号公報や特開平7−315391号公報に記載されているように、不織布が具備する透明性、通気性、濾過性を保持しながら、かつ漏出性や強度を向上したシートが提案されているが、これらは積極的に不織布の透明性を改良しようと試みたものではない。
【0005】
そこで、かかる要求に対して、薄い目付の不織布や透明フィルムに通気微細孔を空けた所謂通気フィルムや、透明なモノフィラメントで織ったネットなどの透明性を有する素材を使用し、透明性を改良しようとする試みがなされてきた。
【0006】
通気フィルムは、透明性に優れるものの、通気性が不十分であり、その欠点を克服すべく通気孔を増やすと、強度等の力学物性が低下する。そこで、特開平5−50539号公報では、スリットが散在するフィルムを複合すること等によりスリット同士の交差部を通気部とするなどの提案がなされている。また、特開平5−261145号公報では、水蒸気透過性高分子材料と多孔性高分子材料とを一体的にすることを特徴とする創傷被覆材用シートが提案されているが、創傷面を外部から観察することがようやく出来る程度の透明性を有するにすぎず、さらに一層の透明性の向上が求められている。
【0007】
ネットは、その構造に起因して遮蔽性が不足するため、特開平10−327684号公報等では、ネットに不織布を細幅にスリットしたテープ状糸条を複合すること等が提案されているが、遮光ネットで覆われた内部環境は改善されるものの、本来の透明性が損なわれ、外部からは観察しにくくなる。
【0008】
不織布は、通気フィルムよりも十分な通気性と力学物性、ネットよりも十分な遮蔽性と軽量性を具備するものの、透明性を改善すべく単に薄い目付とした不織布は、通常の目付の不織布に比較して、内容物を均一に包む包装性、内部の植物や魚類を外気温や埃等から守るという遮蔽性、内容物を外部に洩らすことのない保持性が低下する。そのため、包装性、遮蔽性、保持性の性能を低下させることなく充分な透明性を有する不織布が期待されている。
【0009】
不織布に透明性を付与する方法として、例えば、特開2000−191852号公報には、透明性に優れる新規な組成物にて不織布を形成することが提案されており、また、特開平8−35159号公報には、不織布を構成する繊維の形状と不織布の目付の組み合わせにより適度な透光性を有する不織布を得る方法が提案されている。しかし、かかる不織布は、包装性、遮蔽性、保持性を維持したまま、ある程度は透明性が改善されるものの、不織布中の繊維を構成する熱可塑性重合体の屈折率以下にはなりえず、依然として透明性は不充分であった。
【0010】
さらに、不織布に透明性を有する方法として、不織布を構成する単糸の繊維径を太くし、単位面積当たりの繊維の数を少なくすることにより単糸間の空隙を広げる方法がある。しかし、かかる不織布は、包装性、遮蔽性、保持性が低下するという問題があった。
【0011】
以上のように、従来の不織布やフィルムやネットでは、包装性、遮蔽性、保持性が良好で、かつ透明性が優れる、という条件をすべて満足することはできなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、透明性が優れ、かつ包装性、遮蔽性、保持性が良好な不織布を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、不織布を構成する単糸の繊維径ならびにエンボス率を特定の組み合わせとすることにより、従来の不織布の包装性、遮蔽性、保持性の良好さを損なうことなく、かつ透明性に十分優れた不織布が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0014】
即ち、本発明は下記の通りである。
【0015】
1.目付が10g/m2以上50g/m2以下、単糸繊維径が20μm以上40μm以下の繊維を50wt%以上含有し、エンボス率が10%以上であることを特徴とするスパンボンド不織布。
【0016】
2.単糸繊維径が17μm以上20μm未満の繊維を50wt%以下含有することを特徴とする上記1記載のスパンボンド不織布。
【0017】
3.エンボス率が14%以上であることを特徴とする上記2記載のスパンボンド不織布。
【0018】
4.目付が10g/m2以上50g/m2以下、単糸繊維径が25μm以上35μm以下の繊維を50wt%以上含有し、エンボス率が10%以上であることを特徴とするスパンボンド不織布。
【0019】
5.単糸繊維径が20μm以上25μm未満の繊維を50wt%以下含有することを特徴とする上記4記載のスパンボンド不織布。
【0020】
6.エンボス率が14%以上であることを特徴とする上記5記載のスパンボンド不織布。
【0021】
以下、本発明につき詳述する。
【0022】
本発明でいう不織布とは、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン等熱可塑性重合体よりなる合繊長繊維不織布であり、熱エンボスロールにより熱圧着を施してなる所謂スパンボンド不織布をいう。
【0023】
本発明の不織布は、目付が10g/m2以上50g/m2以下であり、好ましくは13g/m2以上40g/m2以下、さらに好ましくは15g/m2以上30g/m2以下である。目付が上記の範囲であると、透明性に優れると共に、繊維間隙が適度で、包装性、遮蔽性、保持性に優れる。
【0024】
本発明の不織布は、単糸繊維径が20μm以上40μm以下の繊維を50wt%以上含有している。さらに、単糸繊維径が17μm以上20μm未満の繊維を50wt%以下含有していることが好ましい。上記のような単糸繊維径の繊維が上記のような含有量であると、透明性に優れ、包装性、遮蔽性、保持性に優れたものとなる。
【0025】
また、別の態様として、本発明の不織布は、単糸繊維径が25μm以上35μm以下の繊維を50wt%以上含有している。さらに、単糸繊維径が20μm以上25μm未満の繊維を50wt%以下含有していることが好ましい。上記のような単糸繊維径の繊維が上記のような含有量であると、透明性に優れ、包装性、遮蔽性、保持性に優れたものとなる。
【0026】
本発明にて特定された単糸繊維径の繊維は、不織布中の厚み方向に所謂積層されて存在しても良いし、異なる単糸繊維径の繊維同士が均一に混ざり合って存在しても良い。本発明において肝要な点は、本発明にて特定された単糸繊維径の繊維が、不織布面方向に所謂地合斑無く均一に分散し、該不織布の単位重量目付あたり特定のwt%で存在することである。小さ過ぎる単糸繊維径の繊維が多過ぎると、該不織布の包装性、遮蔽性、保持性は良いが、透明性が低下する。また、大き過ぎる単糸繊維径の繊維が多過ぎると、該不織布の透明性は良いが、包装性、遮蔽性、保持性が低下する。
【0027】
本発明の不織布は、エンボス率が10%以上であり、好ましくは14%以上である。エンボス率が10%以上であると、包装性、遮蔽性、保持性、透明性ともに良好となる。エンボス率には特に上限はなく、目的や用途に応じて、要求される包装性、遮蔽性、保持性、透明性の効果が得られるまでエンボス率を高めても良い。エンボス率とは、不織布上の所謂熱エンボスロールにて熱圧着された溶融部分の面積が不織布の単位表面積あたりに占める面積比率を言う。
【0028】
本発明において肝要な点は、本発明にて特定されたエンボス率を満足することにあり、所謂熱エンボスロールのエンボス形状には何ら限定されるものではない。本発明にて特定された単糸繊維径の繊維が、不織布面方向に所謂地合斑無く均一に分散し、単位重量目付あたり特定のwt%で存在する不織布を、本発明で特定されたエンボス率で熱圧着すると、その原因は定かではないが、該不織布の透明性、包装性、遮蔽性、保持性は著しく良好となる。
【0029】
本発明の不織布は、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン等熱可塑性重合体よりなり、該熱可塑性重合体に含まれる酸化チタンや、ステアリン酸マグネシューム、ステアリン酸カルシュームなどの添加剤が5wt%以下、好ましくは2wt%以下、より好ましくは0.5wt%以下である透明な樹脂を使用することが、透明性の繊維を形成するうえで好ましい。
【0030】
本発明の不織布は、公知のスパンボンド不織布製造方法により得られる。例えば、熱可塑性重合体を溶融紡糸方式で紡糸口金より吐出し、紡糸、延伸、開繊、捕集してからエンボスロールと平滑ロール間を通し、熱エンボス加工で部分熱圧着して得られる。
【0031】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
【0032】
なお、測定方法および評価方法は下記の通りである。
【0033】
(1)単糸繊維径(μm)
生産された不織布の両端10cmを除き、巻取り幅方向にほぼ5等分して、1cm角の試験片をサンプリングして電子顕微鏡で写真を撮影し、その各写真より単糸繊維径を各20点づつ測定し、その総平均値から繊維径を算出した。ここで、単糸繊維径とは、真円の単糸繊維の場合は該単糸繊維の直径を言い、異型断面繊維の場合は該単糸繊維断面の所謂外接円の直径を言う。
【0034】
(2)エンボス率(%)
生産された不織布の両端10cmを除き、巻取り幅方向にほぼ5等分して、1cm角の試験片をサンプリングして電子顕微鏡で写真を撮影し、その各写真よりエンボス部の面積を各20点づつ測定し、その総平均値をエンボス部の面積とした。不織布の単位面積あたりに占めるエンボス総面積の比率をエンボス率として算出した。
【0035】
(3)目付(g/m2)
JIS L−1906に規定の方法で測定した。
【0036】
(4)メルトフローレート(MFR)
「熱可塑性プラスチックの流れ試験方法」JIS K−7210の表1の条件
14、試験温度230℃、試験荷重21.18Nに準じて測定を行い、MFRを求めた。
【0037】
(5)極限粘度:[η]
極限粘度[η]は、次の定義式に基づいて求められる値である。
【0038】
【数1】
【0039】
式中、ηrは、純度98%以上のO−クロロフェノールに溶解したポリエチレンテレフタレート溶液の35℃での粘度を、同一温度で測定した上記溶剤自体の粘度で割った値であり、相対粘度と定義されているものである。また、Cは、上記溶液100ml中のグラム単位による溶質の質量値である。
【0040】
(6)引張強力(N/3cm)
JIS L−1906に規定の方法で測定した。
【0041】
引張強力が小さくなると、不織布の包装性は低下する。
【0042】
(7)透光率(%)
JIS L−1906「透光率測定」に準じて測定した。
【0043】
照度計IM−3(TOPCON社製)を用い、光源として蛍光灯(National社製:20型:FCL20W/18:白色)を用い、照度を1000ルックスとして測定した。
【0044】
透光率が高いと、不織布の透明性は向上する。
【0045】
(8)透明性(級)
垂直に設置した黒板上に1m四方のサンプルを貼り、該サンプル中央部の45度斜め上方1mの距離から蛍光灯を照らし、該サンプル中央部より1m離れ肉眼にて透明性を官能評価する。官能評価は、以下のように級に分け評価し、3級以上を透明性有りと判定する。
【0046】
5級=極めて良好、4級=非常に良好、3級=良好、2級=普通、1級=不良
(8)粉漏れ率(%)
10/20メッシュのフィルターで1700/850μmに粒度区分された金属粉末CRS3(太平洋金属株式会社製)を用い、質量(W1;約3g)の金属粉末を10cm四方の篩に張った不織布上に載せて、振動機上にて3cm幅で60rpmで5分間振動させ、不織布を通過した金属粉末の質量(W2)を測定して粉漏れ率を求める。
【0047】
粉漏れ率(%)=(W2/W1)×100
粉漏れ率が低いと、不織布の遮蔽性、保持性は向上する。
【0048】
(9)保持性(級)
上記(8)の粉漏れ率(%)の結果から、以下のように級に分けて評価し、3級以上を遮蔽性、保持性有りと判定する。
【0049】
5級=0〜3.0%未満(極めて良好)、4級=3〜6.0%未満(非常に良好)、3級=6〜9.0%未満(良好)、2級=9〜12.0%未満(普通)、1級=12以上%(不良)
〔実施例1〜11、比較例1〜4〕
MFR=39のポリプロピレン樹脂を用い、スパンボンド紡糸装置にて、表1に示すように種々の単糸繊維径の繊維を積層し、水玉エンボス模様を有する熱エンボスロールにて熱圧着し、エンボス率=11.4%、目付16g/m2のスパンボンド不織布を得た。
【0050】
実施例1は、本発明の不織布であり、引張強力、透光率、粉漏れ率、透明性、保持性も良好であった。
【0051】
実施例2〜5は、実施例1より細い単糸繊維径が含まれる本発明の不織布であり、実施例1に比較して透光率、透明性はやや劣るものの良好であり、実施例1より引張強力、粉漏れ率、保持性はさらに良好であった。
【0052】
実施例6は、実施例1より太い単糸繊維径よりなる本発明の不織布であり、実施例1より引張強力、粉漏れ率、保持性は劣るものの、実施例1より透光率、透明性はさらに良好であった。
【0053】
実施例7〜11は、実施例6より細い単糸繊維径が含まれる本発明の不織布であり、実施例6に比較して透光率、透明性はやや劣るものの良好であり、実施例6より引張強力、粉漏れ率、保持性はさらに良好であった。
【0054】
比較例1、2は、実施例1、6より細い単糸繊維径よりなる不織布であり、引張強力、粉漏れ率、保持性は極めて良好であるが、透光率、透明性は不良または普通であった。
【0055】
比較例3は、実施例4より一部太い単糸繊維径の繊維が含まれるものの、実施例4と同じ細い単糸繊維径の繊維がより多く含まれてなる不織布であり、引張強力、粉漏れ率、保持性は極めて良好であるが、透光率、透明性は普通であった。
【0056】
比較例4は、実施例1、6より太い単糸繊維径よりなる不織布であり、透光率、透明性は極めて良好であるが、引張強力、粉漏れ率、保持性は不良であった。
【0057】
以上の実施例、比較例より、単糸繊維径が太くなるほど不織布の透明性は良好となるが、その単糸繊維径が太過ぎる不織布は、包装性、遮蔽性、保持性が低下し、また、単糸繊維径が細い不織布や単糸繊維径が本発明で規定する特定の組み合わせを外れた不織布は、透明性が低下することが分かる。
【0058】
【表1】
【0059】
〔実施例12〜22、比較例5〜8〕
[η]=0.71のポリエチレンテレフタレート樹脂を用い、スパンボンド紡糸装置にて、表2に示すように種々の単糸直径の繊維を積層し、水玉エンボス模様を有する熱エンボスロールにて熱圧着し、エンボス率=14.4%、目付18g/m2のスパンボンド不織布を得た。
【0060】
実施例12は、本発明の不織布であり、引張強力、透光率、粉漏れ率、透明性、保持性も良好であった。
【0061】
実施例13〜16は、実施例12より細い単糸繊維径が含まれる本発明の不織布であり、実施例12に比較して透光率、透明性はやや劣るものの良好であり、実施例12より引張強力、粉漏れ率、保持性はさらに良好であった。
【0062】
実施例17は、実施例12より太い単糸繊維径よりなる本発明の不織布であり、実施例12より引張強力、粉漏れ率、保持性は劣るものの、実施例12より透光率、透明性はさらに良好であった。
【0063】
実施例18〜22は、実施例17より細い単糸繊維径が含まれる本発明の不織布であり、実施例17に比較して透光率、透明性はやや劣るものの良好であり、実施例6より引張強力、粉漏れ率、保持性はさらに良好であった。
【0064】
比較例5、6は、実施例12、17より細い単糸繊維径よりなる不織布であり、引張強力、粉漏れ率、保持性は極めて良好であるが、透光率、透明性は不良または普通であった。
【0065】
比較例7は、実施例15より細い単糸繊維径の繊維がより多く含まれてなる不織布であり、引張強力、粉漏れ率、保持性は極めて良好であるが、透光率、透明性は普通であった。
【0066】
比較例8は、実施例12、17よりも太い単糸繊維径よりなる不織布であり、透光率、透明性は極めて良好であるが、引張強力、粉漏れ率、保持性は不良であった。
【0067】
以上の実施例、比較例から、単糸繊維径が太くなるほど不織布の透明性は良好となるが、単糸繊維径が太過ぎる不織布は、包装性、遮蔽性、保持性が低下し、また単糸繊維径が細い不織布や単糸繊維径が本発明で規定する特定の組み合わせを外れた不織布は、透明性が低下することが分かる。
【0068】
【表2】
【0069】
〔実施例23〜28、比較例9及び10〕
MFR=39のポリプロピレン樹脂を用い、スパンボンド紡糸装置にて、表3に示すように、単糸直径30.2μmの繊維を80wt%と単糸直径21.4μmの繊維を20wt%を積層し、水玉エンボス模様を有する熱エンボスロールにて熱圧着し、種々のエンボス率、目付20g/m2のスパンボンド不織布を得た。
【0070】
実施例23、24は、本発明の不織布であり、透光率、粉漏れ率、透明性、保持性は良好ないしは非常に良好であった。
【0071】
実施例25〜28は、実施例23、24よりエンボス率が増加した本発明の不織布であり、実施例23、24より引張強力、透光率、粉漏れ率、透明性、保持性は優れ、極めて良好であった。
【0072】
比較例9、10は、実施例23よりエンボス率が低い不織布であり、引張強力は良好であるが、透光率、粉漏れ率、透明性、保持性は劣り、普通であった。
【0073】
以上の実施例、比較例より、エンボス率が10%未満の不織布は、透明性、遮蔽性、保持性に劣るが、エンボス率が10%以上の不織布は良好となり、さらにエンボス率が14%以上の不織布は極めて良好となることが分かる。
【0074】
【表3】
【0075】
以上の実施例1〜28および比較例1〜10における保持性と透明性の関係を図1にプロットして示す。図1において、丸印の番号は実施例の番号であり、四角印の番号は比較例の番号である。
【0076】
図1より、比較例1〜10は、保持性が良好な領域では透明性が劣り、透明性が良好な領域では保持性が劣るという二律背反の関係にあることが分かる。また、実施例1〜28は保持性、透明性ともに良好な領域にあることがわかる。
【0077】
以上から、本発明により、保持性、透明性を同時に満足する優れた不織布が得られることが理解される。
【0078】
【発明の効果】
本発明の不織布は、透明性に優れかつ包装性、遮蔽性、保持性が良好な不織布であって、該不織布で製品を被覆または包装した際、内部の製品の保護や保持の効果を十分有しながら、しかも内部の製品の状況を良く観察し確認することが出来るという製品管理に至便な不織布であり、ひいては製品品質の維持向上・製品安全の確保、清涼感等の審美性の獲得を可能とする不織布である。
【図面の簡単な説明】
【図1】不織布の透明性と保持性の関係を示す図である。
Claims (6)
- 目付が10g/m2以上50g/m2以下、単糸繊維径が20μm以上40μm以下の繊維を50wt%以上含有し、エンボス率が10%以上であることを特徴とするスパンボンド不織布。
- 単糸繊維径が17μm以上20μm未満の繊維を50wt%以下含有することを特徴とする請求項1記載のスパンボンド不織布。
- エンボス率が14%以上であることを特徴とする請求項2記載のスパンボンド不織布。
- 目付が10g/m2以上50g/m2以下、単糸繊維径が25μm以上35μm以下の繊維を50wt%以上含有し、エンボス率が10%以上であることを特徴とするスパンボンド不織布。
- 単糸繊維径が20μm以上25μm未満の繊維を50wt%以下含有することを特徴とする請求項4記載のスパンボンド不織布。
- エンボス率が14%以上であることを特徴とする請求項5記載のスパンボンド不織布。
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