JPH0834674A - 低加圧スリップキャスト成形用組成物及び成形体の製造方法 - Google Patents

低加圧スリップキャスト成形用組成物及び成形体の製造方法

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JPH0834674A
JPH0834674A JP6192118A JP19211894A JPH0834674A JP H0834674 A JPH0834674 A JP H0834674A JP 6192118 A JP6192118 A JP 6192118A JP 19211894 A JP19211894 A JP 19211894A JP H0834674 A JPH0834674 A JP H0834674A
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JP
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slip
pressure
weight
molded body
water retention
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Application number
JP6192118A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Ichikawa
浩 市川
Yuji Miki
有治 三木
Atsushi Koizumi
淳 小泉
Naoki Ito
直紀 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 乾燥しても割れない成形体を与える低加圧ス
リップキャスト成形用組成物及び成形体の製造方法を提
供する。 【構成】 セラミック粉末を主原料とし、多糖類系保水
剤及び繊維状セラミックスを含有する低加圧スリップキ
ャスト成形用組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低加圧スリップキャス
ト成形用組成物及び成形体の製造方法に関し、特に離型
後の乾燥でひび割れしない成形体を与えるスリップキャ
スト成形体用組成物及び成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】セラミ
ック成形体を製造する方法の代表的なもののひとつとし
て、スリップキャスト成形法がある。このスリップキャ
スト成形方法は、通常石膏等の吸収性を有する材料から
なる成形型を用い、この成形型のキャビティー内に注入
したスリップ(セラミック粉末の懸濁液)から水分を吸
収してスリップを固化することにより行われている。得
られた成形体は乾燥・脱脂の後、焼成して最終セラミッ
ク部材とされる。この方法は、一般に大型で比較的薄肉
の成形体や複雑な形状の成形体を製造するのに適してい
る。
【0003】上記スリップキャスト成形を行う場合、グ
リーンの乾燥強度を向上させるために、一般的にカルボ
キシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニル
アルコール等の有機バインダーがスリップに添加され
る。しかし、これらの有機バインダーを使用すると、収
縮率が大きくなるため、離型時及び乾燥時にクラックが
入りやすくなる。また、焼成前に脱脂工程が必要となる
ため、時間がかかるという欠点がある。
【0004】そこで、有機バインダーを用いることな
く、繊維状セラミックスをスリップに添加することが行
われている。繊維状セラミックスを含有するグリーン
(FRG)は適度な生強度を有するため、離型を簡単に
行うことができる。また、乾燥時の収縮が小さく、適度
な弾性力を有するため、割れや亀裂の発生が少ない。さ
らに、脱脂工程の必要がないため、生産性の向上を図る
ことができる。
【0005】しかしながら、繊維状セラミックスを添加
したスリップを常圧で鋳込んだ場合、スリップの脱水速
度が遅く、その間に繊維状セラミックスがスリップ中の
下方に沈澱することがある。従って繊維状セラミックス
が偏在し、組成むらができるためセラミック成形体の品
質が安定しない。また、大型厚肉のセラミック成形体の
製造をする場合、スリップキャスト常圧成形法では時間
がかかり過ぎるという欠点もある。
【0006】そのため、繊維状セラミックスを添加した
り、大型厚肉のセラミック成形体の製造をする場合、セ
ラミックの成形型のキャビティ内に注入し、そのスリッ
プを加圧しながら成形して、組成むらがなく、強度の高
いセラミック成形体を製造する提案がなされている。
【0007】しかし、このようにして作製した大型成形
品(例えば直径 100mm以上のアキシャルタービン等)を
温度 180℃、湿度30〜50%RHで15時間乾燥すると割れ
てしまい、また自然乾燥した場合でも、離型後数時間で
割れてしまうという問題がある。
【0008】そこで、特願平05−256046号は、温度25
℃、湿度90%RHの状態から徐々に湿度を下げていく多
湿乾燥工程と、温度180 ℃、湿度30〜50%RHで15時間
の標準乾燥工程とを組み合わせた乾燥工程を提案してい
る。しかし、そのような方法では乾燥に手間と時間がか
かるという問題点がある。
【0009】また、成形体にある程度の保水性を付与し
て、乾燥を緩やかにしてひび割れを防ぐため、例えば特
開平4−77349 号は窒化珪素、酸化イットリウム及びア
ルミナの粉末に水、ヒマシ油、ゼラチン及び卵白を、特
開平4−77350 号は前記の粉末にエチルエーテル及び/
又はエチルアルコールとパイロキシリンを、特開平4−
77352 号は前記の粉末に水、パラフィンワックス、ステ
アリン酸及び澱粉を配合することを提案している。しか
し、このような方法を用いても、高密度で水分を多く含
んだ大型成形体では乾燥工程で亀裂あるいは変形が生ず
るという問題がある。また特開平4−144952号は、窒化
珪素、酸化イットリウム及びスピネルの粉末にブドウ糖
多糖を配合することを提案しているが、ブドウ糖多糖の
配合は上記の問題に非常に有効であるものの、配合量が
比較的多く、しかもスラリーの粘度が高くなるため脱泡
が困難になり、また流動性が低下するという問題があ
る。
【0010】従って、本発明の目的は、乾燥しても割れ
ない成形体を与える低加圧スリップキャスト成形用組成
物及び成形体の製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上の目的に鑑み鋭意研
究の結果、本発明者等は、セラミック粉末を主原料とす
る低加圧スリップキャスト成形用組成物において、低加
圧成形用組成物に繊維状セラミックス及び保水剤を配合
するか、または、圧力を順次変えながら低加圧成形を行
なうと、乾燥しても割れない成形体を作ることができる
ことを発見し、本発明を完成した。
【0012】すなわち、本発明の低加圧スリップキャス
ト成形用組成物は、繊維状セラミックスを含有するセラ
ミック粉末を主原料とし、多糖類系保水剤を含有するこ
とを特徴とする。
【0013】また、本発明の低加圧スリップキャスト成
形体の製造方法は、繊維状セラミックスを含有するセラ
ミック粉末を主原料とし、前記組成物100 重量部に対し
多糖類系保水剤0.01〜0.4 重量部を添加し、0.5 〜10kg
/cm2 の圧力で低加圧成形を行なうことを特徴とする。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
スリップキャスティング用組成物は、(a) セラミック粉
末(好ましくは、(1) 窒化珪素粉末、(2) 繊維状セラミ
ックス及び(3) 焼結助剤からなる。)、 (b)保水剤、
(c) 分散剤及び(d) 水を混合して作製する。これらにつ
いて以下に詳述する。
【0015】[1] 組成物 (a) セラミック粉末 (1) 窒化珪素粉末 マトリックスとなるセラミック原料としては、特に制限
はなく、窒化物系、酸化物系、硼化物系、炭化物系等の
ものを使用することができるが、窒化珪素が好ましい。
例えば、窒化珪素を主体とするセラミックスを製造する
場合、用いる窒化珪素粉末としてはα型及びβ型のいず
れも使用することができる。また、その製造法として
は、Siの直接窒化法、シリカの還元・窒化法、シリコン
ジイミドの熱分解法、SiH4 +NH3 +N2 の気相反応法
等がある。窒化珪素粉末は平均粒径が0.01〜3μmのも
のが好ましく、より好ましくは 0.1〜1.3 μmである。
【0016】(2) 繊維状セラミックス 繊維状セラミックスの材料も特に制限はないが、Si3
4 、Al2 3 等からなるセラミックを原料とするのが好
ましい。特に、Si3 4 は焼結後にマトリックスと同材
質になるため好ましく、Al2 3 は焼結助剤になるう
え、繊維状にするのが容易なため好ましい。
【0017】繊維状セラミックスの直径は20μm以下が
好ましく、特に3〜5μmが好ましい。また、繊維長は
10〜1000μmが好ましく、特に300 〜600 μmが好まし
い。直径が20μmを超え、繊維長が1000μmを超える
と、グリーンの密度が低くなり、グリーン強度及び焼結
体強度が低下する。また、繊維長が10μm未満である
と、グリーンの強度が低くなる。
【0018】セラミックス粉末を100 重量%としたと
き、繊維状セラミックスの添加量は0.5 〜10重量%が好
ましく、特に1〜5重量%が好ましい。添加量が0.5 重
量%未満であると、繊維状セラミックスの添加効果がえ
られず、良好な成形体強度、成形体収縮率及び成形性が
達成できず、10重量%を超えると、グリーンの密度が低
くなり、かえって焼結体の強度が低下する。
【0019】上記のように繊維状セラミックスを添加し
たセラミック原料に対して、必要に応じて焼結助剤、分
散剤等を添加した後、水を媒体として混合し、均一なス
リップ7を調製する。なお、繊維状セラミックスを添加
したスリップには、有機バインダーを添加する必要はな
い。
【0020】(3) 焼結助剤 窒化珪素はそれ自体では焼結しにくいため、通常は、焼
結助剤を添加して焼結する。本発明では、Al2 3
2 3 、Yb2 3 、HfO2 、AlN、MgO及び
周期律表のIIIa族元素の単体もしくは化合物などを焼結
助剤成分として添加する。これらの焼結助剤の粉末は、
平均粒径が0.1 〜8μmのものが好ましく、より好まし
くは0.3 〜5μmである。
【0021】上記焼結助剤の配合量は、用いる焼結助剤
により異なるが、セラミック粉末を100 重量%として、
2〜15重量%が好ましい、より好ましくは3〜10重量%
である。2重量%未満であると、焼結体の緻密化が進行
せず、15重量%を超えると高温での強度が得られない。
【0022】(b) 保水剤 スリップ中の水を保持し乾燥速度を調節するために、微
量で良好な粘度調整性及び保水性を発現する多糖類系の
保水剤を添加する。このような多糖類系保水剤として
は、下記一般式(1) :
【化1】 (式中、n=400 〜500 )で表されるβ−1,3 −グルカ
ンを主成分とする多糖類カードランを用いた保水剤(ビ
オポリーP、武田薬品(株)製)が好ましい。このビオ
ポリーPを用いた成形体は、一般に知られるカルボン酸
系の保水剤(例えば、モディコールVDS、サンノプコ
(株)製)を用いたものと比較して、例えば2時間の乾
燥で水の蒸発量が約半分である。これは、多糖類の高分
子が、成形体粒子間で架橋し、粒子を適度な大きさに結
合させ、空孔を作ることで、スポンジのような作用をす
るためと考えられる。
【0023】多糖類系の保水剤の添加量は、セラミック
粉末を100 重量部とした場合、0.01〜0.4 重量部が好ま
しく、より好ましくは0.05〜0.3 重量部である。添加量
が0.01重量部未満では多糖類系保水剤の添加効果が得ら
れず、0.4 重量部を超えると粘度が高くなりすぎる。
【0024】(c) 分散剤 セラミック粉末を均一に分散するために、界面活性剤と
して例えば4級アンモニウム塩(SNディスパーサント
7347C 、サンノプコ(株)製)、ポリカルボン酸系界面
活性剤(セルナD-735 、中京油脂製)、無水マレイン酸
系界面活性剤(セラモD-11、第一工業製薬(株)製)あ
るいはアンモニア等を用いる。0.08〜0.28重量部(固形
分重量)配合するのが好ましく、より好ましくは0.16〜
0.2 重量部とする。0.08重量部未満であるとセラミック
粉末の分散が不完全であり、0.28重量部を超えるとスリ
ップの粘度が高すぎる。
【0025】(d) 水 35〜45重量部配合するのが好ましく、より好ましくは38
〜43重量部である。水の配合量が35重量部未満であると
スリップの粘度が高く、45重量部を超えると得られる組
成物の粘度が低くなり成形体密度が低下し、成形時間も
長くなるため好ましくない。
【0026】[2] 成形体の製造方法 (1) スリップキャスト成形装置 まず、本発明の方法を行うことのできるスリップキャス
ト成形装置について説明する。本実施例では、アキシャ
ルタービンのロータ用の成形装置を例にとって説明する
が、本発明はこれに限定されない。
【0027】図1に例示するように、スリップキャスト
用成形装置は、成形型1と、成形型1を収容する密閉箱
2とを有する。成形型1は、環状の上型1aと、ロータの
ブレード部を形成するためにブレード数に応じて分割さ
れ、上型1aの下面に環状に設置された中型1bと、中型1b
の下面に設けられ、中央に穴部を有する下型1cとからな
り、各型によりキャビティ6が形成される。各型からな
る成形型1は、石膏等の通水性材料によって作成すれば
よい。
【0028】密閉箱2は、のぞき窓9を有し、成形型1
の上型1aの上部に密着する上部円筒部材2aと、同様に上
型1aの上部に密着した上部環状部材2bと、成形型1の上
型1a、中型1b及び下型1cのそれぞれの側部に密着し、複
数個に分割された側部円筒部材2c、2d、2eと、下型1c及
び側部円筒部材2eの底部に密着し、下型1cとの接合面に
同心円状に並んだ円形の溝部2gを有する底部材2fとから
なる。密閉箱2を減圧することにより成形型1が吸収し
た水分を吸引することができるように、密閉箱2は成形
型1を密閉するように収容する。
【0029】本実施例のスリップキャスト用成形装置
は、前述した成形型1及び密閉箱2の他に、上部円筒部
材2aを貫通し、キャビティ6に連通する加圧エア供給用
管4及びスリップ補充用管8と、下型1c及び底部材2fを
貫通し、キャビティ6に連通するキャビティ供給用管3
と、底部材2fの側部に接続し、溝部2gに連通する吸引管
5とを有する。スリップ供給用管3は、スリップタンク
(図示せず)に繋がっており、スリップ7をキャビティ
6内に供給することができる。スリップ補充用管8は、
スリップ補充タンク82に繋がっており、スリップ7をキ
ャビティ6内に補充することができる。加圧エア供給用
管4はコンプレッサー(図示せず)に繋がっており、加
圧エアをキャビティ6内に吹き出し、スリップ7を加圧
することができる。吸引管5も同様にコンプレッサーに
繋がっており、真空引きをすることにより溝部2gを減圧
し、成形型1が吸収した水分を溝部2gを通して吸引する
ことができる。なお、スリップ供給用管3、スリップ補
充用管8、加圧エア供給用管4及び吸引管5は、各々バ
ルブ31、81、41、51を有し、管内及びキャビティ6内の
圧力を大気圧に戻すことができる。
【0030】本実施例のスリップキャスト用成形装置
は、キャビティ6の上部領域に非吸水部材10を有するの
が好ましい。非吸水部材10はテフロン、マシナブルワッ
クス、各種樹脂等からなるのが好ましい。このようにキ
ャビティ6の上部領域に非吸水部材10を設けることによ
り、大型厚肉の成形体内部に発生し易いひけ巣を防止す
ることができるが、その理由を以下に述べる。
【0031】本実施例のように径の小さい上部領域を有
するアキシャルタービンのロータを成形する場合、非吸
水部材10を設けないと、スリップ7の着肉はキャビティ
6の全域でほぼ均一に進行するため、図2に示すように
キャビティ6内のスリップ7にまだ非着肉部分がある間
に、上部領域における着肉層間の空隙が閉じてしまう。
すると、内部に取り残されたスリップ7が着肉するとき
に新たなスリップ7の供給がストップし、その結果ひけ
巣ができてしまう。しかし、キャビティ6の上部領域に
非吸水部材10を設けることにより、上部領域におけるス
リップ7の着肉固化は遅延化され、成形体の中央部分を
形成する領域の中心部分の着肉が完了した後に着肉固化
する。そのように最後に固化する部分が成形体表面を含
んでいると、収縮固化した際にもひけ巣が生じることが
ない。
【0032】本実施例においては、非吸水部材10は円筒
状としたが、本発明の非吸水部材10はかかる形状に限定
されず、ひけ巣防止効果と成形速度とのバランスを考慮
して適当な形状とすればよい。また、非吸水部材10の設
置位置も同様に、ひけ巣防止効果と、成形速度とのバラ
ンスを考慮してキャビティの上部領域の適当な位置に設
置すればよい。
【0033】以上、密閉箱2及び非吸水部材10を有する
スリップキャスト成形装置を例にとって説明したが、減
圧成形を行わずに加圧成形のみを行う場合は、密閉箱2
及び吸引管5はなくてもよく、また小型薄肉の成形体を
製造する場合はひけ巣の発生がほとんどないため、非吸
水部材10はなくてもよい。
【0034】(2) スリップキャスト成形 上記装置を用いてスリップキャスト成形を行う本発明の
方法を以下説明する。
【0035】(イ) スリップの調製 例えば上記の窒化珪素粉末、焼結助剤、分散剤及び水
を、ボールミル等を用いて、例えば40時間程度混練して
均一に混合し、得られた混合物に繊維状セラミックス、
保水剤及び必要に応じてバインダーを添加して2〜3時
間程度撹拌し、スリップを作製する。
【0036】得られるスリップの粘度(B型粘度計、25
℃)は、 0.3〜2.0 P(ポイズ)が好ましく、より好ま
しくは0.5 〜1.5 Pである。粘度が0.3 P未満である
と、着肉速度が遅くなったり、成形体が詰まりすぎクラ
ックが発生したり、バリが発生し、2.0 Pを超えると、
流動性が悪く、ポアを含みやすくなり、脱泡性が悪くな
り、焼成体の収縮が大きくなる。
【0037】(ロ) スリップの注入 次に得られた組成物を石膏のように吸水性、透水性を有
する材質からなる型に加圧しながら鋳込む。分散媒は型
を通って分散されるので、組成物は脱水される。例えば
図1に示されるようなスリップキャスト成形装置を用い
る。この場合のスリップの注入は、得られたスリップ7
をスリップタンクに充填した後、加圧エア供給用管4の
バルブ41及びバルブ31を開け、スリップ供給用管3より
スリップ7をキャビティ6内に注入する。このとき、ス
リップ7は重力等によってゆっくり注入するのが好まし
い。スリップ7の注入速度が速すぎると、キャビティ6
内に入る時にエアを巻き込み、得られるグリーンにピン
ホール等が生じるおそれがある。スリップ7を所定量供
給した後、バルブ31及びバルブ41を閉じる。
【0038】(ハ) 加圧成形 加圧エアを加圧エア供給用管4よりキャビティ6内に入
れ、スリップ7を加圧する。加圧されたスリップ7の脱
水速度は常圧成形による場合よりも速く、繊維状セラミ
ックスが沈澱する前に成形体は着肉固化する。また、加
圧によりスリップ7の流動速度が大きくなり、スリップ
7が緻密になる。従って、得られるグリーンは繊維状セ
ラミックスの偏在がなく、密度の高いものとなる。加圧
エアによる圧力はスリップ7の粘度やキャビティ6の形
状にもよるが、0.5 〜10kg/cm 2程度とするのが好まし
く、特に2〜5kg/cm 2 が好ましい。圧力が0.5 kg/cm
2未満では、上記効果が得られず、10kg/cm 2 を超える
と成形体が型内で固化してクラックが発生したり、型の
破損の原因となる。また、加圧時間は2〜6時間が好ま
しく、より好ましくは3〜5時間である。加圧時間が3
時間未満では成形が十分行えず、5時間を超えると成形
体が型内で固化してクラックが発生するため好ましくな
い。好ましい一例は、4kg/cm2 で4時間である。
【0039】また、圧力を順次変えながら加圧成形行う
こともできる。特に繊維状セラミックスまたは多糖類系
の保水剤を添加しない場合は圧力を変動させないとクラ
ックが発生する。その理由は、スリップを注入してから
の、着肉過程初期では着肉厚が薄いため過大な圧力が加
わるとクラックが発生して欠陥として残留したり、着肉
過程後期においては圧力を急激に大気圧に戻すと収縮方
向の応力がかかりクラックが発生したりするためであ
る。従って、初期と後期では圧力を低くする。
【0040】例えば、3段階で加圧成形する場合、圧力
及び加圧時間は、前期0.5 〜3kg/cm2 、0.5 〜2時
間、中期3〜8kg/cm2 、1〜5時間及び後期0.5 〜3
kg/cm2 、0.5 〜2時間が好ましい。好ましい一例とし
ては、前期2kg/cm2 、1時間、中期4kg/cm2 、2時
間及び後期2kg/cm2 、1時間である。
【0041】上記加圧を行う際に、のぞき窓9からキャ
ビティ6の中を観察する。このとき、キャビティ6内の
スリップ7が所定の量よりも減少したら、バルブ41を開
放してキャビティ6内の圧力を大気圧に一旦戻すととも
に、バルブ81を開けて、スリップ補充用タンク82からス
リップ補充用管8を通して、スリップ7を補充する。補
充後にバルブ81、41を締め、再度加圧する。
【0042】上記のように加圧成形をする際、同時に吸
引管5より真空引きを行うことにより、成形型1中に吸
収された水分を吸引することができる。このときの減圧
度は、 -75〜-76 cmHg程度が好ましい。
【0043】(ニ) 離型 その後脱型し、十分に乾燥する。この脱水乾燥工程にお
いて成形体には破損や亀裂の危険があるが、均一に分散
した繊維状セラミックスにより補強されているため、破
損や亀裂を十分に防止することができる。加圧成形を行
う場合には、キャビティ6内におけるスリップ7が着肉
固化したら、加圧(及び減圧)を停止するとともにバル
ブ41(及びバルブ51)を開け、密閉箱2及び成形型1を
分離する。得られるグリーンは繊維状セラミックスを含
有し、適度な生強度を有するため、離型は簡単に行うこ
とができる。
【0044】キャビティ6の上部領域に非吸水部材10を
設けた場合、非吸水部材10に囲まれた部分におけるスリ
ップが未固化なことがあるため、非吸水部材10を装着し
たままグリーン取り外してもよい。この場合、脱水が完
了するまでグリーンを大気中に放置しておけばよい。非
吸水部材10に囲まれた部分の水分がある程度発散した後
で、非吸水部材10を取り外す。
【0045】(ホ) 乾燥 離型した成形体は、自然乾燥するか、あるいは恒温恒湿
槽等を用いて乾燥する。
【0046】
【実施例】以下、本発明を具体的実施例によりさらに詳
細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0047】まず、保水剤を添加したときの成形性、及
び成形体からの水蒸発量に対する保水剤添加効果を比較
するために、以下の実験を行った。参考例1 Si3 4 粉末96.5重量%と、Y2 3 粉末2.5 重量%
と、Al2 3 粉末1重量%とからなるセラミック混合
粉末100 重量部に、多糖類系保水剤(商品名:ビオポリ
ーP、武田薬品(株)製、主成分カードラン)0.05重量
部及び水42重量部を配合し、スリップを作製した。得ら
れたスリップはすぐ消泡し、スリップキャストに好適で
あることが分かる。保水剤添加量とスリップの状態を表
1に示す。またスリップをテフロンチューブ(50mm直
径×75mm高さ)に鋳込んで、加圧せずに成形した時の
成形体からの水の蒸発量を測定した。結果を図2に示
す。
【0048】参考例2、3 多糖類系保水剤(商品名:ビオポリーP)の添加量をそ
れぞれ0.10重量部及び0.30重量部とした以外は参考例1
と同様にしてスリップを作製し、参考例1と同様の測定
を行った。結果を表1及び図2にそれぞれ示す。
【0049】参考例4及び5 多糖類系保水剤(商品名:ビオポリーP)の添加量を0.
50重量部及び1.00重量部とした以外は参考例1と同様に
してスリップを作製したが、ゲル化を起こし、かつ発泡
が著しかったため成形体を作製できなかった。スリップ
の測定結果のみ表1に示す。
【0050】 表1 スリップ特性 保水剤添加量 粘度 参考例NO. (重量部) (p) 状態 参考例1 0.05 0.70 泡すぐ消滅 参考例2 0.1 1.50 泡多少有(1) 参考例3 0.3 2.50 泡多少有(1) 参考例4 0.5 − ゲル化 参考例5 1.0 − ゲル化 注(1) :真空脱泡により脱泡できた。
【0051】参考例6〜8 多糖類系保水剤(商品名:ビオポリーP)のかわりにカ
ルボン酸系保水剤のモディコールVDS(サンノプコ
(株)製)0.10重量部、モディコールN209 (サンノプ
コ(株)製)0.10重量部、及びSNシックナー920 (サ
ンノプコ(株)製)0.10重量部添加した以外は参考例1
と同様にしてスリップ、成形体を作製し、水の蒸発量を
測定した。測定結果を図2に示す。
【0052】参考例9 参考例1と同様にして得られたスリップを用いて、圧力
4kg/cm2 で4時間の条件で加圧成形して、図1に示す
大型肉圧部品(アキシャルタービンのロータ)の成形体
を3つ作製した。得られた成形体を約1日間自然乾燥
(湿度30〜50%RH)し、次に180 ℃で15時間乾燥した
ところ、クラックの発生したものは1つだけであった
(歩留り:2/3)。
【0053】参考例10 加圧成形の条件を、まず圧力2kg/cm2 で1時間、次に
圧力4kg/cm2 で2時間、更に圧力2kg/cm2 で1時間
と順次変えながら加圧した以外は、参考例9と同様にし
て成形体を6つ作製し、次に得られた成形体を乾燥した
ところ、いずれもクラックの発生がなかった(歩留り:
6/6)。
【0054】参考例11 多糖類系保水剤(商品名:ビオポリーP)の添加量を0.
1 重量部とした以外は、参考例9と同様にして成形体を
3つ作製し、次に得られた成形体を乾燥したところ、2
つにクラックが発生した(歩留り:1/3)。
【0055】参考例12 多糖類系保水剤(商品名:ビオポリーP)の添加量を0.
2 重量部とした以外は、参考例9と同様にして成形体を
3つ作製し、次に得られた成形体を乾燥したところ、全
てにクラックが発生した(歩留り:0/3)。
【0056】参考例13 多糖類系保水剤(商品名:ビオポリーP)の添加量を0.
3 重量部とした以外は、参考例11と同様にして成形体を
3つ作製し、次に得られた成形体を乾燥したところ、全
てにクラックが発生した(歩留り:0/3)。
【0057】実施例1 平均粒径0.4 〜0.5 μmの窒化珪素粉末96.5重量部、平
均粒径4〜6μmの酸化イットリウム2.5 重量部、水42
重量部及び分散剤(SNEX−C7347、サンノプコ
(株)製)0.9 重量部をボールミルで40時間混合した。
得られた混合物に直径10μm以下、平均繊維長300 〜60
0 μmのAl2 3 ファイバー(マフテック、三菱化成
(株)製)1.0 重量部と多糖類系保水剤ビオポリーP-3
(武田薬品(株)製)0.01重量部とを添加して3時間混
合しスリップを得た。得られたスリップを真空中で撹拌
しながら30分間脱泡し、アキシャルタービンのロータ用
石膏型内に注入した。次に4kg/cm2 で4時間加圧し完
全に固化させて成形体を得た。得られた成形体に 180℃
で15時間の標準乾燥を施したがクラックは発生しなかっ
た。ファイバーの種類、保水剤及びバインダーの添加
量、加圧成形条件及び乾燥成形体の評価結果を表2に示
す。
【0058】実施例2〜4 保水剤ビオポリーP-3 の量を表2に示すように、それぞ
れ0.05重量部、0.10重量部及び0.30重量部とした以外
は、実施例1と同様にして、成形体を得た。その後、実
施例1と同様に得られた成形体に 180℃で15時間の標準
乾燥を施したが、クラックは発生しなかった。ファイバ
ーの種類、保水剤及びバインダーの添加量、加圧成形条
件及び乾燥成形体の評価結果を表2に示す。
【0059】実施例5 保水剤の添加量を0.05重量部に変えたこと、及び加圧成
形の工程を、最初に2kg/cm2 1時間、次に4kg/cm2
2時間、更に2kg/cm2 1時間と圧力を変えながら行っ
たこと以外は実施例1と同様にして、完全固化した成形
体を得た。その後180 ℃で15時間の標準乾燥を施した
が、クラックは発生しなかった。ファイバーの種類、保
水剤及びバインダーの添加量、加圧成形条件及び乾燥成
形体の評価結果を表2に示す。
【0060】実施例6〜9 表2に示すように、保水剤の添加量変えたこと、及びフ
ァイバーの種類を直径10μm以下、平均繊維長300 〜60
0 μmのAl2 3 ファイバー(サフィル、ICI製)
に変えたこと以外は実施例1と同様にして、完全固化し
た成形体を得た。その後 180℃で15時間の標準乾燥を施
したが、クラックは発生しなかった。ファイバーの種
類、保水剤及びバインダーの添加量、加圧成形条件及び
乾燥成形体の評価結果を表2に示す。
【0061】実施例10 表2に示すように、保水剤の添加量を0.5 重量部と変え
たこと、ファイバーを直径10μm以下、平均繊維長300
〜600 μmのAl2 3 ファイバー(サフィル、ICI
製)に変えたこと、及び2kg/cm2 1時間、4kg/cm2
2時間、2kg/cm2 1時間の条件で圧力を順次変えなが
ら加圧成形したこと以外は実施例1と同様にして、完全
固化した成形体を得た。その後 180℃で15時間の標準乾
燥を施したが、クラックは発生しなかった。ファイバー
の種類、保水剤及びバインダーの添加量、加圧成形条件
及び乾燥成形体の評価結果を表2に示す。
【0062】実施例11〜14 表2に示すように、保水剤の添加量を変えたこと、及び
ファイバーを直径10μm以下、平均繊維長300 〜600 μ
mのAl2 3 ファイバー(アルセン、電気化学(株)
製)に変えたこと以外は実施例1と同様にして、完全固
化した成形体を得た。その後 180℃で15時間の標準乾燥
を施したが、クラックは発生しなかった。ファイバーの
種類、保水剤及びバインダーの添加量、加圧成形条件及
び乾燥成形体の評価結果を表2に示す。
【0063】実施例15 表2に示すように、保水剤の量を0.5 重量部に変えたこ
と、ファイバーを直径10μm以下、平均繊維長300 〜60
0 μmのAl2 3 ファイバー(アルセン、電気化学
(株)製)に変えたこと、及び2kg/cm2 1時間、4kg
/cm2 2時間、2kg/cm2 1時間の条件で圧力を順次変
えながら加圧成形したこと以外は実施例1と同様にし
て、完全固化した成形体を得た。その後 180℃で15時間
の標準乾燥を施したが、クラックは発生しなかった。フ
ァイバーの種類、保水剤及びバインダーの添加量、加圧
成形条件及び乾燥成形体の評価結果を表2に示す。
【0064】実施例16 保水剤の量を0.5 重量部とし、保水剤と一緒に有機バイ
ンダー(SF−410 、第一工業製薬(株)製)1.0 重量
部添加した以外は、実施例1と同様にして、完全固化し
た成形体を得た。その後 180℃で15時間の標準乾燥を施
したが、クラックは発生しなかった。ファイバーの種
類、保水剤及びバインダーの添加量、加圧成形条件及び
乾燥成形体の評価結果を表2に示す。
【0065】実施例17 保水剤の量を0.5 重量部としたこと、保水剤と一緒に有
機バインダー(SF−410 、第一工業製薬(株)製)1.
0 重量部添加したこと、及び2kg/cm2 1時間、4kg/
cm2 2時間、2kg/cm2 1時間の条件で圧力を変えなが
ら加圧成形したこと以外は、実施例1と同様にして、完
全固化した成形体を得た。その後 180℃で15時間の標準
乾燥を施したが、クラックは発生しなかった。ファイバ
ーの種類、保水剤及びバインダーの添加量、加圧成形条
件及び乾燥成形体の評価結果を表2に示す。
【0066】比較例1 保水剤を入れなかった以外は実施例1と同様にして、ス
リップを作製した。得られたスリップを15〜30分真空撹
拌脱泡し、石膏型内に注入した。4kg/cm2 で4時間加
圧して完全固化させ成形体を得た。得られた成形体に 1
80℃で15時間の標準乾燥を施したところクラックが発生
した。ファイバーの種類、バインダーの添加量、加圧成
形条件及び乾燥成形体の評価結果を表2に示す。
【0067】比較例2 保水剤の量を0.5 重量部とした以外は実施例1と同様に
して、スリップを作製した。得られたスリップを15〜30
分真空撹拌脱泡したが、高粘度であるため、泡が除去し
きれず鋳込みができなかった。ファイバーの種類及びバ
インダーの添加量を表2に示す。
【0068】比較例3 保水剤の量を1.0 重量部とした以外は実施例1と同様に
して、スリップを作製した。得られたスリップを15〜30
分真空撹拌脱泡したが、高粘度であるため、泡が除去し
きれず鋳込みができなかった。ファイバーの種類及びバ
インダーの添加量を表2に示す。
【0069】 表2 AL2 3 ファイバー 保水剤(5) バインダー(7) 添加量 添加量 添加量 例NO. 種類 (重量%) (4) (重量部) (6) (重量部) (6) 実施例1 マフテック(1) 1.0 0.01 − 実施例2 マフテック 1.0 0.05 − 実施例3 マフテック 1.0 0.10 − 実施例4 マフテック 1.0 0.30 − 実施例5 マフテック 1.0 0.05 − 実施例6 サフィル(2) 1.0 0.01 − 実施例7 サフィル 1.0 0.05 − 実施例8 サフィル 1.0 0.10 − 実施例9 サフィル 1.0 0.30 − 実施例10 サフィル 1.0 0.05 − 実施例11 アルセン(3) 1.0 0.01 − 実施例12 アルセン 1.0 0.05 − 実施例13 アルセン 1.0 0.10 − 実施例14 アルセン 1.0 0.30 − 実施例15 アルセン 1.0 0.05 − 実施例16 マフテック 1.0 0.05 1.00 実施例17 マフテック 1.0 0.05 1.00 比較例1 マフテック 1.0 − − 比較例2 マフテック 1.0 0.50 − 比較例3 マフテック 1.0 1.00 − 注(1) :三菱化成(株)製。 (2) :ICI製。 (3) :電気化学工業(株)製。 (4) :セラミック粉末を100 重量%とする。 (5) :ビオポリーP-3 、武田薬品(株)製 (6) :セラミック粉末を100 重量部とする。 (7) :SF-410、第一工業製薬(株)製。
【0070】 表2(続き) 成形条件 加圧力 加圧時間 例NO. (kg/cm2 (時間) 乾燥成形体評価 実施例1 4 4 ○(7) 実施例2 4 4 ○ 実施例3 4 4 ○ 実施例4 4 4 ○ 実施例5 2-4-2 (6) 1-2-1(6) ○ 実施例6 4 4 ○ 実施例7 4 4 ○ 実施例8 4 4 ○ 実施例9 4 4 ○ 実施例10 2-4-2 1-2-1 ○ 実施例11 4 4 ○ 実施例12 4 4 ○ 実施例13 4 4 ○ 実施例14 4 4 ○ 実施例15 2-4-2 1-2-1 ○ 実施例16 4 4 ○ 実施例17 2-4-2 1-2-1 ○ 比較例1 − − ×(8) 比較例2 4 4 × 比較例3 − − × 注(6) :まず2kg/cm2 で1時間、次に4kg/cm2 で2時間、 更に2kg/cm2 で1時間と圧力を変化させた。 (7) :○はクラックの発生なし (8) :×はクラックの発生有り
【0071】表から明らかなように、本発明の低加圧ス
リップキャスト成形用組成物はスリップ特性が良く、そ
れを用いた成形体は水の蒸発速度が遅くクラックの発生
することなく乾燥できる。また、本発明のスリップキャ
スト成形体の製造方法を用いても、乾燥しても割れない
成形体を得ることができる。
【0072】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の低加圧ス
リップキャスト成形用組成物あるい成形体製造方法によ
れば、クラックの発生することなく乾燥できる成形体を
得ることができる。本発明は、特に大型肉厚の窒化珪素
焼結体の製造に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の低加圧スリップキャスト成形を行な
うことのできるスリップキャスト加圧成形装置の一例を
示す断面図である。
【図2】 本発明で使用する多糖類系保水剤とカルボン
酸系保水剤を添加した成形体の水の蒸発量の時間変化を
比較したグラフである。
【符号の説明】 1・・・成形型 1a・・・上型 1b・・・中型 1c・・・下型 10・・・非吸水部材 2・・・密閉箱 2a・・・上部円筒部材 2b・・・上部環状部材 2c、2d、2e・・・側部円筒部材 2f・・・底部材 2g・・・溝部 3・・・スリップ供給用管 31、41、51、81・・・バルブ 4・・・加圧エア供給用管 5・・・吸引管 6・・・キャビティ 7・・・スリップ 8・・・スリップ補充用管 82・・・スリップ補充タンク 9・・・のぞき窓
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 直紀 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維状セラミックスを含有するセラミッ
    ク粉末を主原料とする低加圧スリップキャスト成形用組
    成物であって、多糖類系保水剤を含有することを特徴と
    する低加圧スリップキャスト成形用組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の低加圧スリップキャス
    ト成形用組成物において、前記セラミック粉末100 重量
    部に対し、前記多糖類系保水剤0.01〜0.4 重量部を含有
    することを特徴とする低加圧スリップキャスト成形用組
    成物。
  3. 【請求項3】 繊維状セラミックスを含有するセラミッ
    ク粉末を主原料とする低加圧スリップキャスト成形用組
    成物を用いた成形体の製造方法であって、前記組成物10
    0 重量部に対し多糖類系保水剤0.01〜0.4 重量部を添加
    し、0.5 〜10kg/cm2 の圧力で低加圧成形を行なうこと
    を特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の低加圧スリップキャス
    ト成形体の製造方法において、成形時の圧力を、0.5 〜
    10kg/cm2 の範囲内で段階的に増大させ、ピークに達し
    た後で段階的に減少させることを特徴とする方法。
JP6192118A 1994-07-22 1994-07-22 低加圧スリップキャスト成形用組成物及び成形体の製造方法 Pending JPH0834674A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08259331A (ja) * 1995-03-22 1996-10-08 Agency Of Ind Science & Technol 可塑成形用窒化ケイ素−水系組成物の調製法
CN116390839A (zh) * 2020-10-05 2023-07-04 株式会社德山 生片的制造方法

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JPH08259331A (ja) * 1995-03-22 1996-10-08 Agency Of Ind Science & Technol 可塑成形用窒化ケイ素−水系組成物の調製法
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