JPH07330438A - セラミックス成形体の成形方法 - Google Patents

セラミックス成形体の成形方法

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JPH07330438A
JPH07330438A JP6126107A JP12610794A JPH07330438A JP H07330438 A JPH07330438 A JP H07330438A JP 6126107 A JP6126107 A JP 6126107A JP 12610794 A JP12610794 A JP 12610794A JP H07330438 A JPH07330438 A JP H07330438A
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JP
Japan
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slurry
molded body
preform
ceramic
weight
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JP6126107A
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Inventor
Hiroshi Ichikawa
浩 市川
Yuji Miki
有治 三木
Atsushi Koizumi
淳 小泉
Naoki Ito
直紀 伊藤
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】スリップキャスティング成形法により得られる
予備成形体に割れを生じさせずに短時間で乾燥できるセ
ラミックス成形体の成形方法を提供する。 【構成】セラミックス原料に、水及び該セラミックス原
料100重量部に対し、保水添加剤0.01〜0.15
重量部を加えてスラリーを調製する。スラリー供給管4
から成形型3にスラリーを供給し、スリップキャスティ
ング成形により予備成形体7を形成する。予備成形体7
を加熱乾燥してセラミックス成形体を得る。前記保水添
加剤は、微生物により産出される多糖類、特にβ−1,
3−グルカン(慣用名:カードナー)が好適に用いられ
る。予備成形体7は気孔を有し、その気孔径が0.09
μm以下またはその気孔率が45%以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスリップキャスティング
成形法により得られるセラミックス成形体の成形方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、窒化硅素(Si3 4 )を主成分
とし、イットリア(Y2 3 )、アルミナ(Al
2 3 )、スピネル(MgAl2 4 )等を含むセラミ
ックス原料に水及び分散剤を加えて得られるスラリー
を、石膏などの多孔質の成形型に入れ、低圧で加圧して
成形する方法(スリップキャスティング成形法)により
予備成形体とし、この予備成形体を乾燥させることによ
り各種セラミックス成形体を成形する方法が知られてい
る。ところが、前記スリップキャスティング成形法で
は、直径100mm以上のアキシャルタービン等のよう
に大型の成形体を成形しようとするときには、前記予備
成形体を自然乾燥させたり、恒温恒湿乾燥機中で湿度3
0〜50%、180℃の温度に15時間維持するような
標準乾燥を行うと、前記成形型から離型したのち数時間
で割れてしまう。
【0003】前記乾燥における成形体の割れを防ぐため
には、前記成形型から離型した直後に、まず、恒温恒湿
乾燥機中で25℃、湿度90%の状態とし、長時間かけ
て徐々に湿度を下げていく多湿恒温乾燥が不可欠であ
り、この多湿恒温乾燥の次に前記標準乾燥を行わなけれ
ばならないので、乾燥に非常に長時間を要するとの不都
合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、セラミック
ス成形体の改良された成形方法を提供することを目的と
する。
【0005】また、本発明の目的は、スリップキャステ
ィング成形法によるセラミックス成形体の改良された成
形方法を提供することにある。
【0006】さらに詳しくは、本発明の目的は、前記不
都合を解消して、スリップキャスティング成形法により
得られる予備成形体に割れを生じることなく短時間で乾
燥させることができるセラミックス成形体の成形方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、微生物が産出する多糖類の保水剤を使用することが
考えられる。
【0008】前記多糖類をスリップキャスティング成形
法によるセラミックスの成形に用いる技術としては、特
開平4−144952号公報記載のものがある。前記公
報記載の技術は、窒化硅素(Si3 4 )を主成分と
し、イットリア(Y2 3 )及びスピネル(MgAl2
4 )を含むセラミックス原料の粉末に、水、分散剤及
び前記多糖類を加えて得られるスラリーを、石膏型に鋳
込んでスリップキャスティング成形法することにより予
備成形体とし、この予備成形体を加熱乾燥することによ
りタービンロータを製造するものである。
【0009】前記公報の記載によれば、前記スラリーに
前記多糖類を添加することにより、ロータの翼部のよう
に肉薄部と肉厚部とが混在する成形体であっても該肉薄
部と肉厚部とで密度に差が生じず、前記予備成形体の加
熱乾燥時にその変形を防止することができるとされてい
る。前記公報には、前記効果を得るために、前記多糖類
として下記化学式1に示す構造を有するβ−1,3−グ
ルカン(慣用名:カードラン)を前記セラミックス原料
の粉末100重量部に対して0.3〜5.0重量部の範
囲で添加してスラリーを調製することが記載されてい
る。
【0010】
【化1】
【0011】しかし、前記公報記載のものでは、前記予
備成形体を加熱乾燥すると割れが生じるとの不都合があ
った。また、セラミックスの組成によっては、前記多糖
類を前記範囲で添加すると得られるスラリーの粘度が高
くなって、スラリー調製時に発生する泡が除去できず、
石膏型に鋳込むことが難しくなる。
【0012】そこで、本発明者らは、前記目的のために
前記多糖類を用いるセラミックス成形体の成形方法につ
いて検討を重ね、本発明を完成した。
【0013】即ち、本発明のセラミックス成形体の成形
方法は、セラミックス原料に、水及び該セラミックス原
料100重量部に対し、微生物により産出される多糖類
である保水添加剤0.01〜0.15重量部を加えてス
ラリーを調製するスラリー調製工程と、該スラリーを用
いてスリップキャスティング成形により予備成形体を形
成する予備成形体形成工程と、該予備成形体を加熱乾燥
してセラミックス成形体を得る加熱乾燥工程とからなる
ことを特徴とする。
【0014】前記保水添加剤の添加量が前記セラミック
ス原料100重量部に対し0.01重量部より少ないと
きには、前記予備成形体の水分の蒸発を十分に抑制する
ことができず、該予備成形体が急激に乾燥するために前
記加熱乾燥工程においてセラミックス成形体に割れが生
じる。また、前記保水添加剤の添加量が前記セラミック
ス原料100重量部に対し0.15重量部より多いと前
記スラリーの粘度が高くなり、調製時に発生する泡が真
空脱泡によっても除去できなくなるので、スリップキャ
スティング成形に用いることができなくなる。
【0015】前記保水添加剤としては、カルボン酸系の
保水添加剤を用いることもできるが、前記予備成形体の
水分の蒸発を抑制する作用に優れている点から、微生物
により産出される多糖類、特に前記化学式1に示すβ−
1,3−グルカン(慣用名:カードラン)が好適に用い
られる。
【0016】前記予備成形体は、乾燥のために気孔を有
し、その気孔径が0.09μm以下またはその気孔率が
45%以下であることが好ましい。前記気孔径及び気孔
率が零であることはない。気孔径が0.09μmより大
きいとき、又は気孔率が45%より大きいときには、ス
ラリーがゲル化して流動性がなくなり、前記予備成形体
を形成できない。
【0017】
【作用】かかる手段によれば、セラミックス原料に対し
て前記範囲の保水添加剤を添加することにより、スリッ
プキャスティング成形に適した物性のスラリーが得られ
る。そして、該スラリーから形成される前記予備成形体
は、前記範囲の保水添加剤を含んでいるので、離型直後
の室温状態(湿度30〜70%、温度20〜25℃)で
も十分保水性能があり、又更に該予備成形体を加熱する
ことにより、前記保水添加剤がゲル化し、該ゲルにより
保水性能が発現する。この結果、前記保水添加剤のゲル
により前記予備成形体中の水分の蒸発が抑制されるの
で、前記予備成形体を加熱乾燥させても急激に乾燥され
ることがなく前記多湿恒温乾燥を行った場合と同様の作
用が得られる。
【0018】従って、前記予備成形体形成工程後、前記
予備成形体を長時間かけて多湿恒温乾燥させることな
く、直ちに前記保水添加剤のゲル化温度以上に加熱して
乾燥させても、割れの発生が防止され、短時間で乾燥さ
れる。
【0019】前記保水添加剤として、微生物により産出
される多糖類、特に前記化学式1に示すカードランを用
いることにより、前記予備成形体に対して優れた水分蒸
発抑制作用が得られる。
【0020】前記予備成形体は気孔を有し、その気孔径
が0.09μm以下またはその気孔率が45%以下であ
ることにより、前記保水添加剤によりさらに優れた水分
蒸発抑制作用が得られる。
【0021】
【実施例1】次に、添付の図面を参照しながら本発明の
セラミックス成形体の成形方法についてさらに詳しく説
明する。図1はセラミックス成形体の成形方法に用いら
れるスリップキャスティング成形装置の一構成例を示す
説明的断面図であり、図2は各種保水添加剤を添加した
予備成形体の水分蒸発量を示すグラフである。
【0022】本実施例では、まず、平均粒子径0.4〜
0.5μm、比表面積8〜11m2/gのSi3
4 (宇部興産社製、商品名:SNE−10)2895g
及び平均粒子径0.4〜0.5μmのY2 3 (日本イ
ットリウム社製)75gに、水1260g及び分散剤
(サンノプコ社製、商品名:SNEX−C7347又は
SNEX−7347)27gを添加してボールミルで4
0時間粉砕し均一に混合した。次に、前記混合物に長さ
300〜600μm、直径10μm以下のAl2 3
維(三菱化成社製、商品名:マフテック)30g及び保
水添加剤としてカードラン(武田薬品社製、商品名:ビ
オポリーP−3)0.3gを添加して、さらに3時間混
合してスラリーを調製した。
【0023】前記スラリーは、Si3 4 96.5重量
%、Y2 3 2.5重量%、Al23 繊維1.0重量
%からなるセラミックス原料100重量部に対して0.
01重量部の前記保水添加剤を含んでいる。また、前記
スラリーはpH10.30、E型粘度計により測定した
25.0℃での粘度60cps、起電力−195mVで
あった。
【0024】次に、前記スラリーを密封容器内に収容し
て15〜30分間攪拌しながら真空脱泡して、スラリー
調製時に発生した泡を除去したのち、スリップキャステ
ィング成形装置により、予備成形体を形成した。前記ス
リップキャスティング成形装置は、最大径150mm、
高さ110mmのアキシャルタービンの予備成形体を形
成するものであり、図1示のように、本体1内に形成さ
れたキャビーティー2に石膏製の成形型3が配設されて
おり、該成形型3の底部に接続されたスラリー供給管4
から前記スラリーを供給するようになっている。そし
て、前記スラリーが供給されると、図示しない真空ポン
プに接続された排気管5を介して成形型3の底部から真
空引きしながら、キャビーティー2の上部に接続された
加圧用導管6を介して気体を導入して成形型3内の前記
スラリーを加圧して固化させ、予備成形体7が形成され
るようになっている。
【0025】尚、前記スリップキャスティング成形装置
では、スラリー供給管4から所定量の前記スラリーを供
給すると弁8が閉じられ、前記スラリーの供給が停止さ
れるが、成形型3内の前記スラリーが不足したときに
は、スラリー補充手段9から前記スラリーが補充され
る。
【0026】本実施例では、前記気体による加圧を4k
g/cm2 で4時間行い、前記予備成形体7の形成を行
った。この結果、気孔径0.0690μm、気孔率4
0.93%、嵩密度2.0140g/ccの予備成形体
7が得られた。尚、前記気孔径及び気孔率は水銀圧入法
により測定し、嵩密度は水銀圧入法により試料重量及び
試料容積からにより算出した。
【0027】次に、前記予備成形体7を恒温恒湿乾燥機
中で湿度30〜50%、180℃の温度に15時間維持
する標準乾燥を行うことにより、割れを生じることなく
セラミックス成形体(アキシャルタービン)が得られ
た。
【0028】尚、前記予備成形体7は、成形型3から離
型したのち2日間放置したところ、3個の試料全てにク
ラックが生じなかった。
【0029】
【実施例2】実施例1において、カードランの添加量を
1.5gとした以外は全く同様にしてスラリーを調製し
た。本実施例の配合によるスラリーは、Si3 4
6.5重量%、Y2 3 2.5重量%、Al2 3 繊維
1.0重量%からなるセラミックス原料100重量部に
対して0.05重量部の前記保水添加剤を含んでいる。
また、前記スラリーはpH10.32、E型粘度計によ
り測定した25.30℃での粘度70cps、起電力1
97mVであった。
【0030】前記スラリーは、調製時に極くわずかの泡
が発生したが、実施例1と同様にして真空脱泡すること
により容易に除去することができた。次いで、前記スラ
リーを用いて図1示のスリップキャスティング成形装置
により、予備成形体7を形成した。この結果、気孔径
0.0710μm、気孔率41.09%、嵩密度2.0
151g/ccの予備成形体7が得られた。
【0031】次に、前記予備成形体7を恒温恒湿乾燥機
中で湿度30〜50%、180℃の温度に15時間維持
する標準乾燥を行うことにより、割れを生じることなく
セラミックス成形体(アキシャルタービン)が得られ
た。
【0032】尚、前記予備成形体7は、成形型3から離
型したのち2日間放置したところ、3個の試料全てにク
ラックが生じなかった。
【0033】
【実施例3】実施例1において、カードランの添加量を
3.0gとした以外は全く同様にしてスラリーを調製し
た。本実施例の配合によるスラリーは、Si3 4
6.5重量%、Y2 3 2.5重量%、Al2 3 繊維
1.0重量%からなるセラミックス原料100重量部に
対して0.1重量部の前記保水添加剤を含んでいる。ま
た、前記スラリーはpH10.32、B型粘度計により
測定した25.20℃での粘度150cps、起電力1
97mVであった。
【0034】前記スラリーは、調製時に多少発泡した
が、実施例1と同様にして、真空脱泡することにより除
去できた。次いで、前記スラリーを用いて図1示のスリ
ップキャスティング成形装置により、予備成形体7を形
成した。この結果、気孔径0.0746μm、気孔率4
2.71%、嵩密度2.0151g/ccの予備成形体
7が得られた。
【0035】次に、前記予備成形体7を恒温恒湿乾燥機
中で湿度30〜50%、180℃の温度に15時間維持
する標準乾燥を行うことにより、割れを生じることなく
セラミックス成形体(アキシャルタービン)が得られ
た。
【0036】尚、前記予備成形体7は、成形型3から離
型したのち2日間放置したところ試料3個中1個に微細
なクラックを生じたが、残り2個には全くクラックが生
じなかった。
【0037】
【実施例4】スリップキャスティング成形装置により予
備成形体を形成する際の加圧を、まず2kg/cm2
1時間行い、次いで4kg/cm2 で2時間行い、最後
にまた2kg/cm2 で1時間行うようにして合計4時
間行った以外は、全く実施例2と同様にして、予備成形
体7を形成した。
【0038】次に、前記予備成形体7を恒温恒湿乾燥機
中で湿度30〜50%、180℃の温度に15時間維持
する標準乾燥を行うことにより、割れを生じることなく
セラミックス成形体(アキシャルタービン)が得られ
た。
【0039】尚、前記予備成形体7は、成形型3から離
型したのち2日間放置したところ試料3個中クラックを
生じたものは1個もなく全品良品であった。
【0040】
【実施例5】実施例1〜4において、Al2 3 繊維を
ICI社製(商品名:サフィル)に変えた以外は全く同
様にしてスラリーを調製した。次いで、前記スラリー用
いて図1示のスリップキャスティング成形装置により、
実施例1〜4と同様にして予備成形体7を形成した。
【0041】次に、前記予備成形体7を恒温恒湿乾燥機
中で湿度30〜50%、180℃の温度に15時間維持
する標準乾燥を行うことにより、割れを生じることなく
セラミックス成形体(アキシャルタービン)が得られ
た。
【0042】
【実施例6】実施例1〜4において、Al2 3 繊維を
電気化学工業社製(商品名:アルセン)に変えた以外は
全く同様にしてスラリーを調製した。次いで、前記スラ
リー用いて図1示のスリップキャスティング成形装置に
より、実施例1〜4と同様にして予備成形体7を形成し
た。
【0043】次に、前記予備成形体7を恒温恒湿乾燥機
中で湿度30〜50%、180℃の温度に15時間維持
する標準乾燥を行うことにより、割れを生じることなく
セラミックス成形体(アキシャルタービン)が得られ
た。
【0044】
【実施例7】実施例2において、Al2 3 繊維及びカ
ードランと共にバインダー(第一工業製薬社製、商品
名:SF−410)30gを添加した以外は全く同様に
してスラリーを調製した。次いで、前記スラリー用いて
図1示のスリップキャスティング成形装置により、実施
例2と同様にして予備成形体7を形成した。
【0045】次に、前記予備成形体7を恒温恒湿乾燥機
中で湿度30〜50%、180℃の温度に15時間維持
する標準乾燥を行うことにより、割れを生じることなく
セラミックス成形体(アキシャルタービン)が得られ
た。
【0046】
【実施例8】実施例7において、スリップキャスティン
グ成形装置により予備成形体を形成する際の加圧を、ま
ず2kg/cm2 で1時間行い、次いで4kg/cm2
で2時間行い、最後にまた2kg/cm2 で1時間行う
ようにして合計4時間行った以外は全く同様にして、予
備成形体7を形成した。
【0047】次に、前記予備成形体7を恒温恒湿乾燥機
中で湿度30〜50%、180℃の温度に15時間維持
する標準乾燥を行うことにより、割れを生じることなく
セラミックス成形体(アキシャルタービン)が得られ
た。
【0048】
【比較例1】実施例1において、保水添加剤を添加しな
かった以外は全く同様にしてスラリーを調製した。次
に、実施例1と同様にして、前記スラリーを真空脱泡し
たのち、図1示のスリップキャスティング成形装置によ
り、予備成形体7を形成した。
【0049】この予備成形体7を恒温恒湿乾燥機中で湿
度30〜50%、180℃の温度に15時間維持する標
準乾燥を行ったところ、得られセラミックス成形体(ア
キシャルタービン)には割れが生じていた。
【0050】
【比較例2】実施例1において、カードランの添加量を
15gとした以外は全く同様にしてスラリーを調製し
た。本比較例の配合によるスラリーは、Si3 4
6.5重量%、Y2 3 2.5重量%、Al2 3 繊維
1.0重量%からなるセラミックス原料100重量部に
対して0.5重量部の前記保水添加剤を含んでいる。
【0051】前記スラリーは、粘度が高く、調製時に激
しく発泡した。この泡は15〜30分間の真空脱泡によ
っても除去できず、前記スラリーは、図1示のスラリー
供給管4から成形型3内に供給することができなかっ
た。
【0052】
【比較例3】実施例1において、カードランの添加量を
30gとした以外は全く同様にしてスラリーを調製し
た。本比較例の配合によるスラリーは、Si3 4
6.5重量%、Y2 3 2.5重量%、Al2 3 繊維
1.0重量%からなるセラミックス原料100重量部に
対して1.0重量部の前記保水添加剤を含んでいる。
【0053】前記スラリーは、比較例2よりさらに粘度
が高く、調製時に激しく発泡した。この泡は15〜30
分間の真空脱泡によっても除去できず、前記スラリー
は、図1示のスラリー供給管4から成形型3内に供給す
ることができなかった。
【0054】
【実施例9】実施例2及び実施例3のスラリーを用い、
図1示の装置と同様の装置により、直径50mm、長さ
75mmの予備成形体(テストピース)を形成した。該
テストピースの重量の経時変化を室温21℃、湿度60
%の成形室内で測定し、その重量減を水分の蒸発量とし
た。測定結果を図2に示す。
【0055】また、実施例3において、保水添加剤をカ
ードランに代えてカルボン酸系保水添加剤とし、前記と
同様にテストピース重量の経時変化を測定し、その重量
減を水分の蒸発量とした。前記カルボン酸系保水添加剤
として、サンノプコ社製のもの3種(商品名:モディコ
ールVD−S、モディコールIN−209、SNシック
ナー920)を用いた。測定結果を図2に示す。
【0056】図2から、カードランによれば、テストピ
ース中の水分の蒸発量がカルボン酸系保水添加剤よりも
少なく、水分の蒸発がより良く抑制されていることが明
らかである。
【0057】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
のセラミック成形体の成形方法によれば、セラミックス
原料に対して前記範囲の保水添加剤を添加することによ
り、スリップキャスティング成形に適した物性のスラリ
ーを得ることができ、該スラリーから形成される前記予
備成形体を加熱することにより、前記予備成形体中の水
分の蒸発を抑制し、割れを生じることなく短時間で乾燥
することができる。
【0058】前記保水添加剤として、微生物により産出
される多糖類、例えばカードランを用いることにより、
前記予備成形体に対して優れた水分蒸発抑制作用を得る
ことができる。
【0059】前記予備成形体は気孔を有し、その気孔径
が0.09μm以下またはその気孔率が45%以下であ
ることにより、前記保水添加剤によりさらに優れた水分
蒸発抑制作用を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はセラミックス成形体の成形方法に用いら
れるスリップキャスティング成形装置の一構成例を示す
説明的断面図。
【図2】各種保水添加剤を添加した予備成形体の水分蒸
発量を示すグラフ。
【符号の説明】
3…成形型、 4…スラリー供給管、 5…排気管、
6…加圧用導管、7…予備成形体。
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 直紀 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックス原料に、水及び該セラミック
    ス原料100重量部に対し、保水添加剤0.01〜0.
    15重量部を加えてスラリーを調製するスラリー調製工
    程と、 該スラリーを用いてスリップキャスティング成形により
    予備成形体を形成する予備成形体形成工程と、 該予備成形体を加熱乾燥してセラミックス成形体を得る
    加熱乾燥工程とからなることを特徴とするセラミックス
    成形体の成形方法。
  2. 【請求項2】前記保水添加剤が、微生物により産出され
    る多糖類であることを特徴とする請求項1記載のセラミ
    ックス成形体の成形方法。
  3. 【請求項3】前記多糖類がβ−1,3−グルカンである
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のセラミ
    ックス成形体の成形方法。
  4. 【請求項4】前記予備成形体が気孔を有し、その気孔径
    が0.09μm以下であることを特徴とする請求項1乃
    至請求項3のいずれかの項記載のセラミックス成形体の
    成形方法。
  5. 【請求項5】前記予備成形体が気孔を有し、その気孔率
    が45%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求
    項4のいずれかの項記載のセラミックス成形体の成形方
    法。
JP6126107A 1994-03-28 1994-06-08 セラミックス成形体の成形方法 Pending JPH07330438A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH08259331A (ja) * 1995-03-22 1996-10-08 Agency Of Ind Science & Technol 可塑成形用窒化ケイ素−水系組成物の調製法

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